JP2013256877A - スクロール膨張機 - Google Patents
スクロール膨張機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013256877A JP2013256877A JP2012131956A JP2012131956A JP2013256877A JP 2013256877 A JP2013256877 A JP 2013256877A JP 2012131956 A JP2012131956 A JP 2012131956A JP 2012131956 A JP2012131956 A JP 2012131956A JP 2013256877 A JP2013256877 A JP 2013256877A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- volume
- sub
- suction
- expansion
- expander
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
Abstract
【課題】可変容量型のスクロール膨張機の吸入容積の変更に伴って生じる不足膨張損を低減し、排熱回収の効率を高める。
【解決手段】2つの膨張室40a,40bと、メイン吸入ポート30と、サブ吸入ポート31a,31b,32aとを備え、サブ吸入ポート31a,31b,32aが開閉することにより、対応する膨張室40a,40bの吸入容積Va,Vbが変更され、サブ吸入ポート31a,31b,32aを順次開閉する場合、サブ吸入ポートの開閉動作直後における2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブポート弁を開閉する。
【選択図】図3
【解決手段】2つの膨張室40a,40bと、メイン吸入ポート30と、サブ吸入ポート31a,31b,32aとを備え、サブ吸入ポート31a,31b,32aが開閉することにより、対応する膨張室40a,40bの吸入容積Va,Vbが変更され、サブ吸入ポート31a,31b,32aを順次開閉する場合、サブ吸入ポートの開閉動作直後における2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブポート弁を開閉する。
【選択図】図3
Description
本発明は可変容量型のスクロール膨張機に関し、特にサブ吸入ポートの開閉により吸入容積を可変にするスクロール膨張機に関する。
スクロール膨張機は、車両に搭載されるランキンサイクル等においてエンジン等の排熱を回収することを目的に冷媒を膨張させるために用いられ、吸入ポートから冷媒を吸入し、これを膨張室で膨張させて吐出ポートから吐出する。可変容量型のものは、吸入ポートとして、メイン吸入ポートの他にサブ吸入ポートを備え、サブ吸入ポートを開閉することによって容量を変更する。複数のサブ吸入ポートを同時に開閉するスクロール膨張機の例は、特許文献1に記載される。
しかしながら、サブ吸入ポートにより、吸入容量を増やした場合、スクロール膨張機には不足膨張損が生じる。不足膨張損について図10を用いて説明する。図10はスクロール膨張機が冷媒を吸入し膨張させる過程における、スクロール膨張機内部の冷媒の圧力と膨張室の容積との関係を示すグラフである。ここで、スクロール膨張機の冷媒の吸入圧力をPi’とし、吐出圧力をPo’とする。
状態(I)は冷媒の吸入中を表す。すなわち冷媒は圧力Pi’の状態でメイン吸入ポート及びサブ吸入ポートから膨張室内に吸入され、吸入容積V1’が確定する。また、状態(D)は膨張室内に吸入された冷媒が膨張中であることを表す。すなわち、冷媒の圧力が低下するとともに冷媒の容積は増加している。このまま冷媒が膨張し続ければ、冷媒の圧力が吐出圧力Po’に達した時に、冷媒の容積はV3’にまで膨張することができる。しかし、スクロール膨張機自体は冷媒の吐出容量はV2’に固定されているため、その分エネルギーの損失としての不足膨張損α’が生じる。サブ吸入ポートによって吸入容積を増やす分だけ不足膨張損α’は大きくなり、不足膨張損α’が大きいほどスクロール膨張機による排熱回収の効率が低下する。
状態(I)は冷媒の吸入中を表す。すなわち冷媒は圧力Pi’の状態でメイン吸入ポート及びサブ吸入ポートから膨張室内に吸入され、吸入容積V1’が確定する。また、状態(D)は膨張室内に吸入された冷媒が膨張中であることを表す。すなわち、冷媒の圧力が低下するとともに冷媒の容積は増加している。このまま冷媒が膨張し続ければ、冷媒の圧力が吐出圧力Po’に達した時に、冷媒の容積はV3’にまで膨張することができる。しかし、スクロール膨張機自体は冷媒の吐出容量はV2’に固定されているため、その分エネルギーの損失としての不足膨張損α’が生じる。サブ吸入ポートによって吸入容積を増やす分だけ不足膨張損α’は大きくなり、不足膨張損α’が大きいほどスクロール膨張機による排熱回収の効率が低下する。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、不足膨張損の少なく、排熱回収の効率が高いスクロール膨張機を提供することを目的とする。
この発明に係るスクロール型膨張機は、2つの膨張室と、2つの膨張室に共通して設けられるメイン吸入ポートと、膨張室の各々に少なくとも1つずつ設けられるサブ吸入ポートとを備え、サブ吸入ポートが開閉することにより、対応する膨張室の吸入容積が変更されるスクロール膨張機において、サブ吸入ポートを開閉する場合、サブ吸入ポートの開閉動作直後における2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブ吸入ポートを開閉する。
この発明に係るスクロール型膨張機は、サブ吸入ポートを開く場合、サブ吸入ポートの開く動作直後における2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブ吸入ポートを開くようにしてもよい。
この発明に係るスクロール型膨張機は、サブ吸入ポートを閉じる場合、サブ吸入ポートの閉動作直後における2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブ吸入ポートを閉じるようにしてもよい。
この発明に係るスクロール型膨張機は、サブ吸入ポートを閉じる場合、サブ吸入ポートの閉動作直後における2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブ吸入ポートを閉じるようにしてもよい。
この発明に係るスクロール型膨張機によれば、吸入容積の変更に伴って生じる不足膨張損を低減し、排熱回収の効率を高めることができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る膨張機100を含むランキンサイクルXの構成を示す。ランキンサイクルXはたとえば車両に搭載される。膨張機100はスクロール式の容量可変型膨張機であり、ランキンサイクルXに流通する冷媒を吸入し、膨張して吐出する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る膨張機100を含むランキンサイクルXの構成を示す。ランキンサイクルXはたとえば車両に搭載される。膨張機100はスクロール式の容量可変型膨張機であり、ランキンサイクルXに流通する冷媒を吸入し、膨張して吐出する。
ランキンサイクルXは、ポンプ1、ボイラ2、圧力センサ9a、温度センサ9b、膨張機100、コンデンサ3をこの順に環状に接続する循環路を形成しており、作動流体としての冷媒が流通するようになっている。また、圧力センサ9a、温度センサ9b及び膨張機100はECU8に接続している。
ポンプ1は、モータ4によって駆動され、液体の冷媒をボイラ2に圧送する。ボイラ2は、ポンプ1によって送られた冷媒と、車両のエンジン5の排気系統6の排気ガスとを内部で互いに熱交換させ、冷媒を加熱する。
ポンプ1は、モータ4によって駆動され、液体の冷媒をボイラ2に圧送する。ボイラ2は、ポンプ1によって送られた冷媒と、車両のエンジン5の排気系統6の排気ガスとを内部で互いに熱交換させ、冷媒を加熱する。
膨張機100は、その内部で、ボイラ2で加熱された後の高温高圧の冷媒を膨張させ、これによってエンジン5からの排熱を回収して回転駆動力を取り出す。この回転駆動力は、動力伝達機構7を介してエンジン5に伝達され、エンジン5の回転駆動力を補助する。動力伝達機構7はたとえばプーリおよびベルトによって構成される。コンデンサ3は、膨張機100から吐出された冷媒を内部に流通させてコンデンサ3の周囲の空気と熱交換させ、冷媒を冷却・凝縮させる。そして、ポンプ1は、凝縮した液体の冷媒を再び圧送し、ランキンサイクルXを循環させる。
圧力センサ9a及び温度センサ9bは、ボイラ2の下流側かつ膨張機100の上流側、すなわち膨張機100の入口近傍に設けられる。ECU8は、圧力センサ9aが検出した圧力及び温度センサ9bが検出した温度に基づいて、膨張機100の吸入容積を適宜変更する。
膨張機100の構成について、図2及び図3を用いて説明する。
図2に示すように、膨張機100はハウジング10と、ハウジング10内部に設けられた固定スクロール11及び可動スクロール12と、可動スクロール12により旋回駆動される駆動軸13とを有している。固定スクロール11は、板状の基板11aと、基板11a上に渦巻き状に突出して形成される渦巻壁11bとを備える。また、同様に可動スクロール12は、板状の基板12aと、基板12a上に渦巻き状に突出して形成される渦巻壁12bとを備える。固定スクロール11と可動スクロール12とは、渦巻壁11bと渦巻壁12bとが互いに噛み合うように対向して配置される。また、固定スクロール11はハウジング10に固定される。さらに、可動スクロール12は基板12a上の渦巻壁12bが形成されている面とは反対の面において、駆動軸13に対して回転可能に接続する。
図2に示すように、膨張機100はハウジング10と、ハウジング10内部に設けられた固定スクロール11及び可動スクロール12と、可動スクロール12により旋回駆動される駆動軸13とを有している。固定スクロール11は、板状の基板11aと、基板11a上に渦巻き状に突出して形成される渦巻壁11bとを備える。また、同様に可動スクロール12は、板状の基板12aと、基板12a上に渦巻き状に突出して形成される渦巻壁12bとを備える。固定スクロール11と可動スクロール12とは、渦巻壁11bと渦巻壁12bとが互いに噛み合うように対向して配置される。また、固定スクロール11はハウジング10に固定される。さらに、可動スクロール12は基板12a上の渦巻壁12bが形成されている面とは反対の面において、駆動軸13に対して回転可能に接続する。
固定スクロール11の基板11a上の渦巻壁11bが形成されている面とは反対の面に接する側において、ハウジング10と固定スクロール11との間には吸入室10cが形成される。また、ハウジング10には、ハウジング10の外部と吸入室10cとを連通させる吸入通路10aが形成されている。また、固定スクロール11の基板11aの中央にはメイン吸入ポート30が形成される。さらに、ハウジング10と固定スクロール11とを貫通するようにして、ハウジング10の外部と固定スクロール11の内側とを連通させる吐出通路10bが形成されている。
また、図3に示すように、固定スクロール11の渦巻壁11bと可動スクロール12の渦巻壁12bとが噛み合うことで、固定スクロール11と可動スクロール12との間には三日月形の膨張室40が形成される。ここで、固定スクロール11の渦巻壁11bの内側かつ可動スクロール12の渦巻壁12bの外側に形成される膨張室40を膨張室40aとする。同様に、固定スクロール11の渦巻壁11bの外側かつ可動スクロール12の渦巻壁12bの内側に形成される膨張室40を膨張室40bとする。
固定スクロール11の基板11a上において、メイン吸入ポート30の周囲には3個のサブ吸入ポート31a、31b、32aが形成される。サブ吸入ポート31a、32aは膨張室40aに対応する位置に設けられ、サブ吸入ポート31bは膨張室40bに対応する位置に設けられていれる。サブ吸入ポート31a、31b、32aはそれぞれ開閉自在のサブポート弁31av、31bv、32avを有する。サブポート弁31av、31bv、32avはそれぞれECU8に電気的に接続している(図1参照)。なお、メイン吸入ポート30は少なくとも膨張機100の膨張動作中は常に開いている。
またここで、以降の説明において、サブポート弁の開閉とは、それぞれのサブポート弁が対応するサブ吸入ポートの開閉を意味しているものとする。
またここで、以降の説明において、サブポート弁の開閉とは、それぞれのサブポート弁が対応するサブ吸入ポートの開閉を意味しているものとする。
膨張機100の動作について図3を参照して説明する。
まず、サブポート弁31av、31bv、32avが閉じられ、メイン吸入ポート30のみが開いている状態での膨張機100の動作について説明する。図1に示すように、ランキンサイクルにおいてボイラ2から膨張機100に流入した冷媒は、吸入通路10aを通って、吸入室10cに流れ込む。次に、冷媒は吸入室10cからメイン吸入ポート30を通って膨張室40a及び40bに流入する。膨張室40a及び40b内の冷媒は、その膨張力によって膨張室40a及び40bの容積を増大させる方向への回転駆動力を可動スクロール12及び可動スクロール12に接続する駆動軸13に付与する。その結果、膨張室40a及び40bは、固定スクロール11の基板11aの中央のメイン吸入ポート30近傍で形成された後、それぞれ可動スクロール12の回転に伴ってその容積を増加させつつ基板11aの周縁に向かって移動する。そして、容積を増加させた膨張室40a及び40b内で膨張した冷媒は、吐出通路10bを通って膨張機100の外部に流出する。
まず、サブポート弁31av、31bv、32avが閉じられ、メイン吸入ポート30のみが開いている状態での膨張機100の動作について説明する。図1に示すように、ランキンサイクルにおいてボイラ2から膨張機100に流入した冷媒は、吸入通路10aを通って、吸入室10cに流れ込む。次に、冷媒は吸入室10cからメイン吸入ポート30を通って膨張室40a及び40bに流入する。膨張室40a及び40b内の冷媒は、その膨張力によって膨張室40a及び40bの容積を増大させる方向への回転駆動力を可動スクロール12及び可動スクロール12に接続する駆動軸13に付与する。その結果、膨張室40a及び40bは、固定スクロール11の基板11aの中央のメイン吸入ポート30近傍で形成された後、それぞれ可動スクロール12の回転に伴ってその容積を増加させつつ基板11aの周縁に向かって移動する。そして、容積を増加させた膨張室40a及び40b内で膨張した冷媒は、吐出通路10bを通って膨張機100の外部に流出する。
一方、メイン吸入ポート30の他にサブポート弁31av、31bv又は32avのうち少なくとも1つが開かれ、サブ吸入ポート31a、31b又は32aからも冷媒を吸入する場合、膨張機100の冷媒の吸入容積はその分だけ多くなる。すなわち、膨張機100内にサブ吸入ポート31a又は32aから冷媒が流入すれば膨張室40aの吸入容積が増え、サブ吸入ポート31bから冷媒が流入すれば膨張室40bの吸入容積が増える。サブポート弁31av、31bv、32avの開閉は、圧力センサ9a又は温度センサ9bによる検出値に基づいて、ECUが適宜制御する。
膨張機100の吸入容積を増やすためにサブポート弁31av、31bv又は32avを順次開ける場合における、これらの開閉順序について、図4を用いて説明する。ここで、冷媒が理論的に膨張することができる最大容量を膨張可能容積とする。また、各々の膨張室40a又は40bが実際に吐出する冷媒の容量を吐出容積とする。ここで、以下の説明において、膨張室40aの吐出容積と膨張室40bの吐出容積とは同じものとする。また、膨張室40aが吸入する容積を吸入容積Vaとし、膨張室40bが吸入する容積を吸入容積Vbとする。本実施の形態において、サブポート弁31av、31bv、32avが閉じられ、メイン吸入ポート30のみ開いている状態での膨張室40aの吸入容積Vaと膨張室40bの吸入容積Vbとは同じである。さらに、サブポート弁31av及び31bvが開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Vaと膨張室40bの吸入容積Vbも同じである。
また、膨張室40a又は40bそれぞれの冷媒の吸入圧力をPiとし、吐出圧力をPoとする。
また、膨張室40a又は40bそれぞれの冷媒の吸入圧力をPiとし、吐出圧力をPoとする。
まず、図4(i)では、サブポート弁31av、31bv、32avが全て閉じられ、メイン吸入ポート30のみで冷媒を吸入する場合を示す。この時、膨張室40aの吸入容積Va及び膨張室40bの吸入容積VbはそれぞれV1である。また、膨張室40aの吐出容積及び膨張室40bの吐出容積はそれぞれV2である。また、吸入容積V1の状態の冷媒の膨張可能容積はV2である。従って、図4(i)のようにメイン吸入ポート30のみで冷媒を吸入する場合は、不足膨張損は発生しない。
次に、図4(ii)では、メイン吸入ポート30の他にサブポート弁31avが開かれ、メイン吸入ポート30及びサブ吸入ポート31aから冷媒が吸入される場合を示す。この時、膨張室40aの吸入容積Vaは増加し、V1からV3となる。吸入容積V3の状態の冷媒の膨張可能容積はV4となる。しかしながら、膨張室40aの吐出容積はV2であり、ここでの膨張可能容積V4よりも小さいため、膨張室40aには不足膨張損α1が生じる。一方、膨張室40bの吸入容積は変わらずV1であるため、不足膨張損は発生しない。なお、膨張室40aの吸入容積Va=V3及び膨張室40bの吸入容積Vb=V1の比と、膨張室40aの膨張可能容積V4及び膨張室40bの吐出容積V2の比とは等しいため、V3/V1=V4/V2という関係が成り立つ。
さらに膨張機100の吸入容積を増やしたい場合には、図4(iii)のようにサブポート弁31bvを開き、メイン吸入ポート30及びサブ吸入ポート31a、31bから冷媒が吸入されるようにする。この時、膨張室40aの吸入容積はV3のままであるので、不足膨張損はα1である。一方、サブポート弁31bvを開いた結果、膨張室40bの吸入容積Vbは膨張室40aの吸入容積Vaと同じV3となり、不足膨張損もα1となる。従って、図4(iii)に示される場合の、膨張機100全体としての不足膨張損は2α1となる。
ここで、本実施の形態とは別に、図4(ii)に示される状態から、仮にサブポート弁32avを開き、メイン吸入ポート30及びサブ吸入ポート31a、32aから冷媒が吸入されるようにした場合の不足膨張損について、図5を用いて説明する。
この時、膨張室40aの吸入容積VaはV5であり、吸入容積V5の状態の冷媒の膨張可能容積はV6となる。膨張室40aの吐出容積はV6よりも小さいV2であるため、不足膨張損α2が生じる。一方、膨張室40bの吸入容積VbはV1であるため、不足膨張損は生じない。従って、図5に示される場合の膨張機100全体としての不足膨張損はα2となる。なおここで、膨張室40aの吸入容積Va=V5及び膨張室40bの吸入容積Vb=V1の比と、膨張室40aの膨張可能容積V6及び膨張室40bの吐出容積V2の比とは等しいため、V5/V1=V6/V2という関係が成り立つ。
この時、膨張室40aの吸入容積VaはV5であり、吸入容積V5の状態の冷媒の膨張可能容積はV6となる。膨張室40aの吐出容積はV6よりも小さいV2であるため、不足膨張損α2が生じる。一方、膨張室40bの吸入容積VbはV1であるため、不足膨張損は生じない。従って、図5に示される場合の膨張機100全体としての不足膨張損はα2となる。なおここで、膨張室40aの吸入容積Va=V5及び膨張室40bの吸入容積Vb=V1の比と、膨張室40aの膨張可能容積V6及び膨張室40bの吐出容積V2の比とは等しいため、V5/V1=V6/V2という関係が成り立つ。
本実施の形態における図4のようにサブポート弁31avを開いた後に、サブポート弁31bvを開く場合の不足膨張損と、図5のようにサブポート弁31avを開いた後にサブポート弁32avを開く場合の不足膨張損とを比較する。すなわち、図4(iii)に示される場合の不足膨張損は2α1であり、図5に示される場合の不足膨張損はα2であるため、図6に示されるように、不足膨張損2α1は不足膨張損α2よりも小さい。従って、サブポート弁31avを開いた後に、サブポート弁31bvを開く場合の方がサブポート弁32avを開く場合よりも、不足膨張損が小さく、膨張機100による排熱回収の効率が高い。
以上より、サブポート弁を開く時、その開動作直後における2つの膨張室40a及び40bの吸入容積の比が最も1に近くなるサブポート弁を開くことにより、膨張機100に生じる不足膨張損を低減させることができる。ここで、図4(iii)のように、サブポート弁31av及び31bvが開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Vaと膨張室40bの吸入容積Vbとの比(Va/Vb)をR1とする。また、図5のように、サブポート弁31av及び32avが開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Vaと膨張室40bの吸入容積Vbとの比(Va/Vb)をR2とする。
具体的には、サブポート弁31avを開いた後にサブポート弁31bvを開く場合は、その開動作直後においてR1=V3/V3=1となる。その一方、サブポート弁31avを開いた後にサブポート弁31bvを開く場合は、その開動作直後においてR2=V1/V5となる。従って、サブポート弁31av,31bv,32avを順次開く場合において不足膨張損を低減させるためには、サブポート弁31avを開いた後に、開動作直後の膨張室40a及び40bの吸入容積の比が1になるサブポート弁31bvを開く。
具体的には、サブポート弁31avを開いた後にサブポート弁31bvを開く場合は、その開動作直後においてR1=V3/V3=1となる。その一方、サブポート弁31avを開いた後にサブポート弁31bvを開く場合は、その開動作直後においてR2=V1/V5となる。従って、サブポート弁31av,31bv,32avを順次開く場合において不足膨張損を低減させるためには、サブポート弁31avを開いた後に、開動作直後の膨張室40a及び40bの吸入容積の比が1になるサブポート弁31bvを開く。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るスクロール膨張機200について、図7〜9を用いて説明する。スクロール膨張機200では、スクロール膨張機100のサブ吸入ポート32a及び31bに替えてサブ吸入ポート32a’及び31b’が用いられる。また同時に、サブポート弁32av及び31bvに替えてサブポート弁32av’及び31bv’が用いられる。ここで、膨張室40aの吸入容積をVa2、膨張室40bの吸入容積をVb2とする。また、図8のように、サブポート弁31av及び31bv’が開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Va2と膨張室40bの吸入容積Vb2との比(Va2/Vb2)をR1’とする。また、図7(iii)のように、サブポート弁31av及び32av’が開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Va2と膨張室40bの吸入容積Vb2との比(Va2/Vb2)をR2’とする。
これらサブ吸入ポート32a’及び31b’から吸入される冷媒の容積は、実施の形態1のサブ吸入ポート32a及び31bから吸入される冷媒の容積とは異なる。具体的には、サブポート弁31av及び31bvが開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Vaと膨張室40bの吸入容積Vbとは異なる。また、R2’はR1’よりも1に近い、すなわち|R2’−1|<|R1’−1|の関係が成り立つものとする。
スクロール膨張機200のその他の構成については、図1〜3に示されるスクロール膨張機100と同様であるので、以下詳細な説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係るスクロール膨張機200について、図7〜9を用いて説明する。スクロール膨張機200では、スクロール膨張機100のサブ吸入ポート32a及び31bに替えてサブ吸入ポート32a’及び31b’が用いられる。また同時に、サブポート弁32av及び31bvに替えてサブポート弁32av’及び31bv’が用いられる。ここで、膨張室40aの吸入容積をVa2、膨張室40bの吸入容積をVb2とする。また、図8のように、サブポート弁31av及び31bv’が開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Va2と膨張室40bの吸入容積Vb2との比(Va2/Vb2)をR1’とする。また、図7(iii)のように、サブポート弁31av及び32av’が開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Va2と膨張室40bの吸入容積Vb2との比(Va2/Vb2)をR2’とする。
これらサブ吸入ポート32a’及び31b’から吸入される冷媒の容積は、実施の形態1のサブ吸入ポート32a及び31bから吸入される冷媒の容積とは異なる。具体的には、サブポート弁31av及び31bvが開かれた状態での膨張室40aの吸入容積Vaと膨張室40bの吸入容積Vbとは異なる。また、R2’はR1’よりも1に近い、すなわち|R2’−1|<|R1’−1|の関係が成り立つものとする。
スクロール膨張機200のその他の構成については、図1〜3に示されるスクロール膨張機100と同様であるので、以下詳細な説明は省略する。
図7(i)は、図4(i)と同様に、膨張機200においてサブポート弁31av、31bv’、32av’が全て閉じられ、メイン吸入ポート30のみで冷媒を吸入する場合を示している。この時、膨張室40a及び40bはともに、それぞれ吸入容積Va2、Vb2はV1であり、吐出容積はV2である。また、吸入容積V1の状態の冷媒の膨張可能容積はV2である。そのため、図7(i)の状態においては、不足膨張損は発生しない。
また、図7(ii)は、図4(ii)と同様に、メイン吸入ポート30の他にサブポート弁31avが開かれ、メイン吸入ポート30及びサブ吸入ポート31aから冷媒が吸入される場合を示す。この時、膨張室40aの吸入容積Va2はV3であり、吐出容積はV2であり、吸入容積V3の状態の冷媒の膨張可能容積はV4である。そのため、実施の形態1と同様に膨張室40aにのみ不足膨張損α1が生じる。
また、図7(ii)は、図4(ii)と同様に、メイン吸入ポート30の他にサブポート弁31avが開かれ、メイン吸入ポート30及びサブ吸入ポート31aから冷媒が吸入される場合を示す。この時、膨張室40aの吸入容積Va2はV3であり、吐出容積はV2であり、吸入容積V3の状態の冷媒の膨張可能容積はV4である。そのため、実施の形態1と同様に膨張室40aにのみ不足膨張損α1が生じる。
さらに膨張機200の吸入容積を増やしたい場合には、本実施の形態における膨張機200においては、図7(iii)のようにサブポート弁32av’を開き、メイン吸入ポート30及びサブ吸入ポート31a、32a’から冷媒が吸入されるようにする。この時、膨張室40aの吸入容積Va2はV7であり、吐出容積はV2である。また、吸入容積V7の状態の冷媒の膨張可能容積はV8である。従って、膨張室40aには不足膨張損α3が生じる。一方、膨張室40bの吸入容積Vb2はV1のままなので、膨張室40bには不足膨張損は生じない。なお、膨張室40aの吸入容積Va2=V7及び膨張室40bの吸入容積Vb2=V1の比と、膨張室40aの膨張可能容積V8及び膨張室40bの吐出容積V2の比とは等しいため、V7/V1=V8/V2という関係が成り立つ。
ここで、本実施の形態とは別に、図7(ii)に示される状態から、仮にサブポート弁32avを開き、メイン吸入ポート30及びサブ吸入ポート31a、31bから冷媒が吸入されるようにした場合の不足膨張損について、図8を用いて説明する。
この時、膨張室40aの吸入容積Va2はV3のままなので、不足膨張損はα1になる。一方、膨張室40bの吸入容積Vb2はV9となり、吸入容積V9の状態の冷媒の膨張可能容積はV10となる。膨張室40bの吐出容積はV10よりも小さいV2であるため、不足膨張損α4が生じる。従って、図8に示される場合の膨張機200全体としての不足膨張損はα1+α4となる。なお、膨張室40aの吸入容積Va2=V3及び膨張室40bの吸入容積Vb2=V9の比と、膨張室40aの膨張可能容積V4及び膨張室40bの吐出容積V10の比とは等しいため、V3/V9=V4/V10という関係が成り立つ。
この時、膨張室40aの吸入容積Va2はV3のままなので、不足膨張損はα1になる。一方、膨張室40bの吸入容積Vb2はV9となり、吸入容積V9の状態の冷媒の膨張可能容積はV10となる。膨張室40bの吐出容積はV10よりも小さいV2であるため、不足膨張損α4が生じる。従って、図8に示される場合の膨張機200全体としての不足膨張損はα1+α4となる。なお、膨張室40aの吸入容積Va2=V3及び膨張室40bの吸入容積Vb2=V9の比と、膨張室40aの膨張可能容積V4及び膨張室40bの吐出容積V10の比とは等しいため、V3/V9=V4/V10という関係が成り立つ。
本実施の形態における図7のようにサブポート弁31avを開いた後に、サブポート弁32av’を開く場合の不足膨張損と、図8のようにサブポート弁31avを開いた後にサブポート弁31bv’を開く場合の不足膨張損とを比較する。すなわち、図7(iii)に示される場合の不足膨張損はα3であり、図8に示される場合の不足膨張損はα1+α4であるため、図9に示されるように、不足膨張損α3は不足膨張損α1+α4よりも小さい。従って、サブポート弁31avを開いた後に、サブポート弁32av’を開く場合の方がサブポート弁31bv’を開く場合よりも、不足膨張損が小さく、膨張機200による排熱回収の効率が高い。すなわち、サブポート弁を開く時、その開動作直後における2つの膨張室40a及び40bの吸入容積の比が最も1に近くなるサブポート弁を開くことにより、膨張機200に生じる不足膨張損を低減させることができる。具体的には、サブポート弁31avを開いた後にサブポート弁31bv’を開く場合は、その開動作直後においてR1’=(膨張機40aの吸入容積Va2)/(膨張機40aの吸入容積Vb2)=V3/V9となる。その一方、サブポート弁31avを開いた後にサブポート弁32avを開く場合は、その開動作直後においてR2’=(膨張機40aの吸入容積Va2)/(膨張機40aの吸入容積Vb2)=V7/V1となる。ここで、前述のようにR’2のほうがR’1よりも1に近く、|R2’−1|<|R1’−1|の関係が成り立つ。そのため、サブポート弁31av,31bv’,32av’を順次開く場合において不足膨張損を低減させるためには、サブポート弁31avを開いた後に、その開動作直後の膨張室40a及び40bの吸入容積の比が1になるサブポート弁31bvを開く。
なお、実施の形態1において、膨張機100の吸入容積を減らす場合にも、吸入容積を増やす場合と同様に、その閉動作直後における2つの膨張室40a及び40bの吸入容積の比が最も1に近くなるサブポート弁を閉じるような順序でサブポート弁31av、31bv、32avを順次閉じていく。このことにより、膨張機100の不足膨張損をより低減することができる。また、実施形態2の膨張機200についても同様とする。
100,200 膨張機(スクロール膨張機)、30 メイン吸入ポート、31a,31b,31b’,32a,32a’ サブ吸入ポート、40(40a,40b) 膨張室。
Claims (3)
- 2つの膨張室と、
前記2つの膨張室に共通して設けられるメイン吸入ポートと、
前記膨張室の各々に少なくとも1つずつ設けられるサブ吸入ポートとを備え、
前記サブ吸入ポートが開閉することにより、対応する前記膨張室の吸入容積が変更されるスクロール膨張機において、
前記サブ吸入ポートを開閉する場合、前記サブ吸入ポートの開閉動作直後における前記2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブ吸入ポートを開閉するスクロール膨張機。 - 前記サブ吸入ポートを開く場合、前記サブ吸入ポートの開く動作直後における前記2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブ吸入ポートを開く請求項1記載のスクロール膨張機。
- 前記サブ吸入ポートを閉じる場合、前記サブ吸入ポートの閉動作直後における前記2つの膨張室の吸入容積の比が最も1に近くなるサブ吸入ポートを閉じる請求項1又は2記載のスクロール膨張機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012131956A JP2013256877A (ja) | 2012-06-11 | 2012-06-11 | スクロール膨張機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012131956A JP2013256877A (ja) | 2012-06-11 | 2012-06-11 | スクロール膨張機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013256877A true JP2013256877A (ja) | 2013-12-26 |
Family
ID=49953517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012131956A Pending JP2013256877A (ja) | 2012-06-11 | 2012-06-11 | スクロール膨張機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013256877A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105673084A (zh) * | 2016-03-23 | 2016-06-15 | 昌恩能源科技成都有限公司 | 热平衡结构工作静盘及热平衡结构涡旋膨胀机 |
-
2012
- 2012-06-11 JP JP2012131956A patent/JP2013256877A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105673084A (zh) * | 2016-03-23 | 2016-06-15 | 昌恩能源科技成都有限公司 | 热平衡结构工作静盘及热平衡结构涡旋膨胀机 |
CN105673084B (zh) * | 2016-03-23 | 2018-05-18 | 昌恩能源科技成都有限公司 | 热平衡结构工作静盘及热平衡结构涡旋膨胀机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4493531B2 (ja) | 膨張機付き流体ポンプおよびそれを用いたランキンサイクル | |
WO2005090875A1 (ja) | 冷凍装置 | |
JP2005106046A (ja) | ロータリ式膨張機及び流体機械 | |
WO2013046783A1 (ja) | 廃熱回生システム | |
JPWO2011055444A1 (ja) | ヒートポンプ装置、二段圧縮機及びヒートポンプ装置の運転方法 | |
JP2004197640A (ja) | 容積型膨張機及び流体機械 | |
JP2013231377A (ja) | 廃熱回生システム | |
JP2013256877A (ja) | スクロール膨張機 | |
JP4827859B2 (ja) | 空気調和装置およびその運転方法 | |
JP4924092B2 (ja) | 冷凍サイクル装置 | |
JP2008202477A (ja) | 圧縮機 | |
JP2012122343A (ja) | 排熱回生装置 | |
JP2015155652A (ja) | スクリュー流体機械及び冷凍サイクル装置 | |
JP5854594B2 (ja) | スクリュー圧縮機 | |
WO2013105319A1 (ja) | 膨張機 | |
JP4784385B2 (ja) | 冷凍サイクル装置 | |
JP5794009B2 (ja) | 冷凍装置 | |
JP2008202476A (ja) | 圧縮機 | |
JP4617822B2 (ja) | ロータリ式膨張機 | |
WO2013084618A1 (ja) | スクロール膨張機 | |
JP2013194575A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JP2013113193A (ja) | スクロール膨張機およびランキンサイクル | |
JP4770746B2 (ja) | 昇圧手段を備えた膨張機、及び昇圧手段を備えた冷媒回路 | |
JP4883028B2 (ja) | 膨張機 | |
CN107816380B (zh) | 车辆的发动机结构 |