JP2013256708A - 誘電体部材、成膜装置及び薄膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチック容器の内面にDLCを成膜する成膜装置において、装置内部に設置される誘電体部材を必要以上に厚くすることなく、異常な放電の発生を防止しつつ十分なガスバリア性を有するDLCを成膜できるようにする。
【解決手段】プラスチック容器の内面にDLCを成膜する成膜装置の外部電極の内側に設置される有底筒状に形成された誘電体部材を、外部電極とともに上半部と下半部とに分割可能に設け、上半部と下半部の接合部を、接合部の接合面の長さ寸法が誘電体部材の肉厚寸法よりも大きくなる断面形状に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック容器の内面に炭素を含む薄膜をコーティングしてガスバリア性を付与するための成膜装置に係り、成膜装置の外部電極の内側に設置される誘電体部材の構造に関する。
ペットボトルなどのプラスチック容器(以下、単に「容器」という)の内面にダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という)を成膜する装置として、例えば図6に示される構成のものが知られている。
同図に示される成膜装置1は、空所内に容器10が収容される中空状の外部電極2と、絶縁部材4を介して外部電極2の上部に設置されていて外部電極2の空所内に収容された容器10の内側に挿入される管状の内部電極3と、外部電極2の空所内を排気する排気手段5と、内部電極3を通して原料ガスを容器10内に供給する供給手段6と、外部電極2に接続された高周波電源7とを備えて構成されている。
そして、外部電極2の下半部22を上半部21から外して容器10を外部電極2内に挿入し、排気手段5により外部電極2内のガスを排気して所定の真空度に到達させ、供給手段6でアセチレンガスなどの原料ガスを内部電極3から容器10内に吹き出させた状態で、高周波電源7により高周波電力を外部電極2に印加して外部電極2と内部電極3の間にプラズマを発生させ、発生したプラズマにより原料ガスをイオン化し、容器10の内面に堆積せしめることでDLCを形成するようになっている(例えば特許文献1参照)。
また、前記の如くプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりDLCを成膜する装置において、容器10の内面にDLCを均一に成膜することを企図して、外部電極2とその内部に収容される容器10との間に、有底筒状の誘電体部材を設置した構成の成膜装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
特許第4188315号公報 特開2008−231468号公報
外部電極2と容器10の間に誘電体部材を配置してDLCを成膜する装置にあっては、凹凸のある容器であっても容器内面全体に亘って比較的均一にDLCをコーティングすることが可能であるが、図7に示されるように、分割構造の外部電極2の上半部21と下半部22の内面に沿って設置された、誘電体部材8の上半部81と下半部82の平坦な接合部に隙間が出来やすく、僅かでも隙間があると、外部電極2に高周波電力を印加した際に、外部電極2と内部電極3間に異常な放電が発生して、容器10が変形したり孔が空いたりすることがある。
このような異常な放電は、前記隙間が出来やすい平坦な接合部とその他の部分で電束密度の大きな差が生じるためであると推測され、これを解消するため、接合部で隙間が出来ないように前記平坦な接合部の接合長を長くする、つまり誘電体部材8の厚みを大きくすることが考えられる。しかし、誘電体部材8の厚みを大きくし過ぎるとプラズマの粒子速度が遅くなり、十分なガスバリア性能を持つDLCを成膜できなくなってしまう。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、誘電体部材を必要以上に厚くすることなく、誘電体部材同士の接合部の形状を工夫することにより、異常な放電の発生を防止しつつ十分なガスバリア性を有するDLCを容器内面に成膜できるようにすることを課題とする。
前記課題を解決するにあたり本発明は、プラスチック容器の内面にDLCを成膜する成膜装置の外部電極の内側に設置される有底筒状に形成された誘電体部材であって、外部電極とともに上半部と下半部とに分割可能に設けられているとともに、上半部と下半部の接合部が、誘電体部材の肉厚寸法よりも当該接合部の接合面の長さ寸法が大きくなるように設けられた構成を有することを特徴とする。
図1は、本発明の一例の誘電体部材を設置した成膜装置の外部電極部分の概略断面を示している。この成膜装置1は前記図6に示されたものと同様の構成のものである。
同図に示されるように、本発明の誘電体部材8は、有底筒状に形成されて外部電極2の内側に設置されるものであり、分割構造の外部電極2とともに上下に分割し得るように、その上半部81が外部電極2の上半部21の内周面、下半部82が外部電極2の下半部22にそれぞれ設置される。
そして、図示した誘電体部材8では、上下半部81,82の接合部を段違い形状に設けることで、前記接合部の接合面の長さ寸法が誘電体部材8の肉厚寸法よりも大きくなるように構成してある。
詳しくは、同図(B)に示されるように、外部電極2の上下半部21,22同士の接合部が平坦であるのに対し、誘電体部材8の上下半部81,82同士の接合部は、その上半部81の下端内周側に下方に突出した上側切片81a、下片部82の上端外周側に上方へ突出した下側切片82aがそれぞれ周方向に沿って設けられ、上下半部81,82の端部同士を接合させたときに、前記上側切片81aと下側切片82aが互いに噛み合って接合し、これにより誘電体部材8の内側面に表出する接合縁と外側面に表出する接合縁の高さが互いに異なるように、段違いの断面形状に設けてある。
本発明の誘電体部材8は、その肉厚寸法よりも、上下半部81,82の接合部の接合面の長さ寸法が大きくなるように設けられていること、つまり、上下半部81,82の接合面が互いに水平に設けられたものではなく、接合部端面を傾斜させたり湾曲させたりするなどして、肉厚寸法よりも接合面が長く設けてあればよい。
例えば図2に示されるように、上側切片81aと下側切片82aの接合面が傾斜する断面形状(同図(A))や上側切片81aよりも下側切片82aの方が肉厚な段違いの断面形状(同図(B))、上側切片81aの中央が湾曲した凹凸断面形状(同図(C))、上側切片81aと下側切片82aが互いに湾曲した段違いの断面形状(同図(D))、上側切片81aの中央が三形に突出した凹凸断面形状(同図(E))など、適宜な断面形状に接合部を設けることができる。
これによれば、成膜装置1内に容器10を挿入し、外部電極2と誘電体部材8のそれぞれの上下半部21,22及び81,82を接合させた状態で、誘電体部材8の上下半部81,82に設けられた上側切片81aと下側切片82aも互いに接合するが、両切片81a,82aの接合面は平坦な水平面ではなく、接合部の断面を屈曲し或いは傾斜したり湾曲したりして、接合部の長さを大きく設けてあるので、接合部に隙間ができに難く、これにより成膜動作時の異常な放電の発生が抑制され、容器10の内面に均一な膜厚のDLCをコーティングすることが可能となる。誘電体部材8の厚みを大きくすることなく、上下半部81,82の接合部の接合長を大きく確保してあるので、成膜動作時にプラズマの粒子速度が遅くなるようなことはなく、十分なガスバリア性能を有するDLCをコーティングすることができる。
また、前記図1(B)に示されるように、上下半部81,82の接合部を段違いの断面形状に設ければ、上側切片81aと下側切片82aが互いに噛み合って接合するため、上下半部81,82の接合部に隙間を生じさせずに、誘電体部材8の内部を密閉することができるので、成膜動作時の異常な放電をより確実に抑えて、容器10の内面に均一な膜厚のDLCをコーティングすることができる。
この場合、上側切片81aと下側切片82aが隙間を生じさせることなく確実に噛み合って接合するようにするため、上側切片81aと下側切片82aの接合面の噛み合い角度θは45〜90°の範囲、より好ましくは60〜80°の範囲に設定されていることが好ましい(図4参照)。
また、接合部の接合面の長さ寸法は、誘電体部材8の肉厚寸法より大きく設定され、使用する誘電体部材8の肉厚により異なるが、後述するように誘電体部材8の厚みが15mm以下の場合は前記接合面の長さ寸法が5〜20mmの範囲、誘電体部材8の厚みが5mm以下の場合には5〜10mmの範囲に設定されていることが好ましい。
前記構成の誘電体部材8において、誘電体部材8の厚み(D1)は0mmを超えて15mm以下に設けることが好ましい。
誘電体部材8の厚みが0mm、つまり誘電体部材8を外部電極2の内側に配置しない場合、容器10の厚みやその表面の凹凸形状によっては、外部電極2に高周波電力を印加した際に容器10の内面の任意の箇所に電界が局部的に集中し、容器10が変形したり孔が空いたりし易い。一方、外部電極2の内側に配置する誘電体部材8の厚みが15mmを超えると、プラズマの粒子速度が遅くなって十分なガスバリア性能を持つDLCを成膜できない。十分な高ガスバリア性を持つDLCを成膜するには、誘電体部材8の厚みは10mm以下であることがより好ましい。
また、本発明の成膜装置1は、前記構成の誘電体部材8を具備したことを特徴とし、本発明の薄膜形成方法は、かかる成膜装置1により容器10の内面にDLCを成膜することを特徴とする。
本発明の成膜装置1は、前記図6に示された構成の装置の他、汎用のプラズマCVD装置により構成することが可能である。
一般に、プラズマCVD装置を用いた具体的なDLCの形成方法は、先ず、真空チャンバー内にプラスチック製の容器をセットする。真空チャンバー内には一対の電極が備えられ、片方に所定(例えば13.56Mhz)の高周波(RF)電源が接続され、もう一方は接地される。
この真空チャンバー内を、真空ポンプを用いて所定の圧力(例えば1〜50Pa)まで減圧し、ガス導入口から原料ガスを真空チャンバー内に導入する。次いで、前記電極に高周波電力を印加することにより、容器内部にプラズマを発生させる。
プラズマによって、原料ガスがイオン化し、容器内面に堆積して、DLCを形成される。DLCの形成方法はこれに限定されるものではなく、成膜対象である容器の種類や大きさ、厚みなどに応じ、公知の方法を適宜用いることが可能である。ボトル形状の容器内面にDLCを成膜する場合、前記一対の電極は、図6に示されるように、容器10が収容される上下分割構造の外部電極2と、原料ガスの噴出口を兼ねた管状の内部電極3により構成するのが好適であり、外部電極2の内側に誘電体部材8が設置される。
また、前記構成の成膜装置1において、図1に示されるように、外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間には適宜な幅の隙間(D2)が設けられていることが好ましい。
成膜動作時にプラズマの発生により装置内部が温度上昇するのに伴って誘電体部材8が熱膨張するが、外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間に隙間を設けてあることにより、誘電体部材8の膨張が当該隙間方向に誘導されるので、誘電体部材8の表面に凹凸が生じたり前記上下半部の接合部に隙間ができたりすることはなく、異常な放電の発生を効果的に防止することができる。誘電体部材8の材質により膨張する長さも変わるが、隙間が大きいと逆に異常放電を誘発することから、前記隙間は0mmを超えて3.0mm以下、好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下に設定することが好ましい。
誘電体部材8は、ガラスやセラミックスなどの無機材料、耐熱性を有する樹脂、又はこれらの混合物により成形することができるが、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂やテフロン(登録商標)、硬質塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PEEK(登録商標)などの使用がより好ましい。
本発明の誘電体部材8を用いてDLCのコーティングが行われる、成膜対象であるプラスチック製の容器10はその外形が丸型でも角型でもよい。特に偏平型の容器10であれば、本発明の誘電体部材8を用いたDLCの成膜に有効である。
(A),(B)はそれぞれ本発明の一例の誘電体部材を設置した成膜装置の外部電極部分の概略断面図と上下半部の接合部の概略拡大図である。 (A)〜(E)は本発明の他の例の誘電体部材と外部電極部分の上下半部の概略拡大図である。 (A),(B),(C)は本発明の実施例における誘電体部材に容器を設置した状態の横断面図、縦断面面及びC−C線に沿った切断端面図である。 (A)〜(C)は実施例と参考例における誘電体部材の上下半部の接合部の概略拡大図である。 (A),(B)は比較例における誘電体部材の上下半部の接合部の概略拡大図である。 従来のDLC成膜装置の構成の一例を示した図である。 図6の成膜装置の外部電極の内側に誘電体部材を配置した状態の上下半部の接合部の拡大図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、下記実施例は本発明を限定するものではない。
実施例においては、成膜装置として前記図6に示された構成のものを用い、有底筒状に形成されたテフロン製の誘電体部材8を、外部電極2の内側に設置して成膜装置1を構成し、この成膜装置1を使用して、図3に示される表面に凹凸を有し、全高194mm、短径52mm、長径69mm、周壁の厚みが0.3〜0.6mmで容量400mlの偏平なペットボトルである容器10の内面にDLCを成膜した。
誘電体部材8は、外部電極2とともに上下に分割可能に形成され、外部電極2の上半部21に設置される上半部81の下端内周側に下方に突出した上側切片81aを周方向に沿って設けるとともに、外部電極2の下半部22に設置される下半部82の上端外周側に上方に突出した下側切片82aを周方向に沿って設け、上下半部81,82の端部同士を接合させたときに、前記上側切片81aと下側切片82aが互いに噛み合って接合するように構成した。
また、誘電体部材8は、その内部に容器10を挿入した状態で、容器10の首部と誘電体部材8の左右の間隔d1と前後の間隔d2がそれぞれd1=9.85mm、d2=8.85mm、容器10の胴部と誘電体部材8の左右の間隔d3と前後の間隔d4がそれぞれd3=1mm、d4=1.5mmとなるように形成した。
<実施例1>
図4(A)に示される、上半部81と下半部82の接合部に上側切片81aと下側切片82aをそれぞれ有する、厚みが5mm:D1=5mm(図1参照)の誘電体部材8を形成した。
両切片の各部の寸法は、t1=5mm、t2=1.9mm、t3=2.1mm、t4=5.1mmに設定し、上側切片81aと下側切片82aの接合面の噛み合い角度θを79°に設定した。接合部の接合面の長さ(t2+t3+t4)は9.1mmである。
この誘電体部材8を外部電極2の内側に設置した。外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間には隙間D2(図1参照)は設けなかった。
誘電体部材8内に容器10を収容した状態で、外部電極2に印加される高周波電力:800W、原料ガス(アセチレンガス)の流量:65sccm、高周波電力の印加時間:1.0secの条件で、容器10の内面にDLCを成膜した。
<実施例2>
実施例1と同じ誘電体部材8を用い、外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間に0.5mmの隙間:D2=0.5mm(図1参照)を設けて誘電体部材8を設置した以外、実施例1と同じ条件で、容器10の内面にDLCを成膜した。
<実施例3>
図4(B)に示される、上半部81と下半部82の接合部に上側切片81aと下側切片82aをそれぞれ有する、厚みが10mm:D1=10mmの誘電体部材8を形成した。
両切片の各部の寸法は、t1=8mm、t2=3mm、t3=4mm、t4=8.45mmに設定し、上側切片81aと下側切片82aの接合面の噛み合い角度θを69°に設定した。接合部の接合面の長さは15.45mmである。
この誘電体部材8を、外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間に0.5mmの隙間:D2=0.5mmを設けて設置し、実施例1と同じ装置動作条件で、容器10の内面にDLCを成膜した。
<参考例1>
図4(C)に示される、上半部81と下半部82の接合部に上側切片81aと下側切片82aをそれぞれ有する、厚みが15mm:D1=15mmの誘電体部材8を形成した。
両切片の各部の寸法は、t1=8mm、t2=3mm、t3=9mm、t4=8.45mmに設定し、上側切片81aと下側切片82aの接合面の噛み合い角度θを69°に設定した。接合部の接合面の長さは20.45mmである。
この誘電体部材8を、外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間に0.5mmの隙間:D2=0.5mmを設けて設置し、実施例1と同じ装置動作条件で、容器10の内面にDLCを成膜した。
<比較例1>
図5(A)に示される、厚みが5mm:D1=5mmで、上半部81と下半部82の接合部が平らな誘電体部材8を形成した。
この誘電体部材8を外部電極2の内側に、外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間に隙間D2を設けずに設置し、実施例1と同じ装置動作条件で、容器10の内面にDLCを成膜した。
<比較例2>
図5(B)に示される、厚みが13mm:D1=13mmの誘電体部材8を形成した。
上半部81と下半部82の接合部は、当該接合部面内の下半部82の肉厚方向中央に凸部を設け、この凸部に上半部81の肉厚方向両側の凹部が噛み合って接合するように形成した。凸部の寸法は、t1=5mm、t5=5mmに設定した。
この誘電体部材8を外部電極2の内側に、外部電極2の内部上面と誘電体部材8の上半部81の上面との間に隙間D2を設けずに設置し、実施例1と同じ装置動作条件で、容器10の内面にDLCを成膜した。
実施例と参考例、比較例でDLCを成膜した容器10について、蒸着実施後に、容器10の表面の異常な放電痕の有無を目視で確認した。また、酸素透過率の測定結果からガスバリア性を評価した。その結果を表1に示す。
同表において、放電状態は、異常な放電の発生が無かったものは「◎」、異常な放電の発生は無いが極まれに放電が安定しなかったものは「○」、異常な放電の発生が確認されたものは「×」を記してある。
また、バリア性は、非常にバリア性が高いもの(目安としては酸素透過率が0.003(cc/pkg/day・air)以下)は「◎」、バリア性が高いもの(酸素透過率0.008(cc/pkg/day・air)以下)は「○」、バリア性が幾らかあるもの(酸素透過率0.010(cc/pkg/day・air)以下)は「△」を記してある。
また、実施例と参考例、比較例でDLCを成膜し容器10について、DLCの膜厚の測定、密着性の評価、酸素透過率の測定、全光線お透過率の測定及び着色度の測定を行った。その結果を表1に示す。
なお、各項目の測定及び評価は以下のように行った。
〔膜厚〕
容器10の内面に黒色インキ等でマスキングを行って、DLC膜を成膜した後、ジエチルエーテル等でマスキングを除去し、高精度微細形状測定器(小坂研究所株式会社製ET4000A)を用いて膜厚を測定した。
〔密着性〕
DLC膜形成面を碁盤の目状にナイフで切り込みを入れ、粘着テープによる剥離試験を行った。1mm×1mmのマス目100個のうち、剥離せずに残ったマス目の個数により判定を行い、評価した。
同表において、剥離せずに残ったマス目の個数が100個のものは「◎」、99〜75個のものは「△」、74個以下のものは「×」を記してある。
〔酸素透過率〕
酸素透過率測定装置(Modern Control社製 Oxtran)を用いて、23℃、相対湿度80%の条件にて測定した。
〔全光線透過率・着色度〕
測色計(スガ試験器株式会社製SC−T)を用いて、各波長での光線透過率を測定した。また、同装置でb*値を測定することにより、着色の程度を評価した。
Figure 2013256708
実施例1〜3では、十分なガスバリア性を持つDLCが容器10の内面に形成されていることが確認できた。
参考例1と比較例2は、容器10の内面にDLCの成膜はできるものの、DLCを十分な厚みに形成することができないため、実施例のものよりも、ガスバリア性や酸素透過率、全光線透過率などで劣るものであった。
また、比較例1は異常な放電が発生して容器10が変形を来し、DLCを成膜できなかった。
1 成膜装置、2 外部電極、3 内部電極、4 絶縁部材、5 排気手段、6 ガス供給手段、7 高周波電源、8 誘電体部材、10 容器

Claims (6)

  1. プラスチック容器の内面にDLCを成膜する成膜装置の外部電極の内側に設置される有底筒状に形成された誘電体部材であって、
    外部電極とともに上半部と下半部とに分割可能に設けられているとともに、上半部と下半部の接合部が、誘電体部材の肉厚寸法よりも当該接合部の接合面の長さ寸法が大きくなるように設けられた構成を有することを特徴とする誘電体部材。
  2. 上半部と下半部の接合部が、上下半部を接合させたときの内側面に表出する接合縁と外側面に表出する接合縁の高さが異なる段違い断面形状に設けられた構成を有することを特徴とする請求項1に記載の誘電体部材。
  3. 15mm以下の厚みに設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体部材。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の誘電体部材を具備した構成を有することを特徴とする成膜装置。
  5. 外部電極の内部上面と、誘電体部材の上半部の上面との間に隙間が設けられ構成を有ることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  6. 請求項4又は5に記載の成膜装置により、プラスチック容器の内面にDLCを成膜する薄膜形成方法。

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JP2021008669A (ja) * 2020-09-29 2021-01-28 三菱ケミカル株式会社 ガスバリア性膜の成膜装置及び成膜方法とガスバリア性膜付プラスチック容器の製造方法

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