JP2013256243A - 車両用乗員検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成の荷重検知手段を用いて乗員判定を行うことができる車両用乗員検知装置を提供すること。
【解決手段】車両1の助手席2に、車両1の前後方向25に沿って離隔して設けた、荷重センサ11a,11bからなる荷重検知手段11から出力された荷重検知信号に基づいて、乗員判定手段12が、所定の時間間隔τで、助手席2への着座の有無、および着座しているのが大人であるか子供であるかを判定する乗員判定を行う際に、振動閾値設定部15が、車両1の振動の発生を判定する際の基準となる振動閾値を設定して、振動判定部16が、荷重検知信号と振動閾値に基づいて、車両1の振動が発生したことを判定して、振動がないときには乗員判定結果を更新するとともに、振動があるときには、所定期間Tに亘って乗員判定手段12による乗員判定結果が変わらないときに乗員判定結果を更新する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載され、座席に乗員が着座しているか否か、および乗員が大人であるか子供であるかを検知して、車両に設けられたエアバッグ装置の作動・不作動を判断する車両用乗員検知装置に関するものである。
従来、自動車等の車両には、座席に着座した乗員を保護可能なエアバッグシステムが設けられている。このエアバッグシステムは、座席に乗員が着座しているか否か、又、着座した乗員が大人であるか子供であるかの乗員判定を行う車両用乗員検知装置を有している。この車両用乗員検知装置は、座席に取り付けられた荷重センサと、この荷重センサの検出信号に基づいて乗員判定を行う着座判定手段(乗員判定手段)と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−213700号公報
しかしながら、特許文献1に記載された車両用乗員検知装置によると、荷重センサを4つ使用して、座席において異なる4点の荷重を検出し、検出された4つの荷重センサの出力を処理して、着座の有無、および乗員が大人であるか子供であるかの乗員判定を行っている。したがって、4つの荷重センサを必要とするため、システムのコストが増大し、より低コストで、従来と同等以上の乗員判定性能を有する車両用乗員検知装置の実現が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、より簡単な構成の荷重検知手段を用いて、確実な乗員判定を行うことができる車両用乗員検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の車両用乗員検知装置は、車両の助手席に、前記車両の前後方向に沿って離隔して取り付けられた、前記助手席に作用する荷重を検知する荷重センサからなる荷重検知手段と、前記荷重検知手段から出力された荷重検知信号に基づいて、所定の時間間隔で、前記助手席への乗員の着座の有無、および着座している乗員が大人であるか子供であるかを判定する乗員判定手段と、を備えた車両用乗員検知装置において、前記乗員判定手段は、前記荷重検知信号に基づいて、前記車両の振動が発生したことを判定する際の基準となる振動閾値を設定する振動閾値設定部と、前記荷重検知信号及び前記振動閾値に基づいて、前記車両の振動が発生したことを判定する振動判定部と、を備え、前記振動判定部にて、前記車両の振動が発生していないと判定された場合には、前記乗員判定手段による判定結果を更新するとともに、前記振動判定部にて、前記車両の振動が発生していると判定された場合には、所定期間に亘って前記乗員判定手段による判定結果が変わらないときに前記判定結果を更新することを特徴とする。
このように構成された車両用乗員検知装置によれば、車両の助手席に、車両の前後方向に沿って離隔して取り付けられた荷重センサからなる荷重検知手段によって、助手席に作用する荷重が検知されて荷重検知信号として出力される。
こうして出力された荷重検知信号に基づいて、乗員判定手段が、所定の時間間隔で、助手席への乗員の着座の有無、および着座している乗員が大人であるか子供であるかを判定する乗員判定を行う際に、振動閾値設定部が、車両の振動が発生したことを判定する際の基準となる振動閾値を設定する。
そして、振動判定部が、荷重検知信号及び振動閾値に基づいて、車両の振動が発生したことを判定して、車両の振動が発生していないと判定された場合には、乗員判定手段による乗員判定結果を更新するとともに、車両の振動が発生していると判定された場合には、所定期間に亘って乗員判定手段による乗員判定結果が変わらないときに、乗員判定手段による乗員判定結果を更新する。
したがって、車両の前後方向に離隔して取り付けられた荷重センサという簡単なセンサ構成によって確実に乗員判定を行うことができ、安価なシステムを構築することができる。さらに、車両の振動が発生している場合であっても、乗員判定結果を、定期的に確実に更新することができる。
本発明の請求項2に記載の車両用乗員検知装置は、前記振動閾値設定部が、前記荷重検知信号の変動量が小さいときには、前記荷重検知信号の変動量が大きいときよりも、前記振動閾値を高い値に設定することを特徴とする。
このように構成された車両用乗員検知装置によれば、荷重検知信号の変動量が小さいときには、荷重検知信号の変動量が大きいときよりも、振動閾値が高い値に設定されることによって、車両の振動の有無を判定する振動判定部において、車両振動が発生したと判定される機会は低減する。
そのため、荷重検知信号の変動量が小さいときは、荷重検知信号の変動量が大きいときに比べて、車両の振動が発生していないと判定されやすくなる。
これによって、車両の走行中や停車中に乗員の着座姿勢の変化によって振動が生じた場合であっても、荷重検知信号の変動量が小さくて荷重検知信号が安定していれば、振動閾値が高い値に設定されて、車両の振動が発生していないと判定されやすくなる。
そして、車両の振動が発生していないと判定されれば、乗員判定手段によって乗員判定が実行されるため、走行中であっても乗員判定を実行することができる。これにより、走行中の乗員判定機会の増大を図ることができる。
本発明の請求項3に記載の車両用乗員検知装置は、前記振動閾値設定部が、前記荷重検知信号の変動量が小さい状態が所定時間継続したときには、前記荷重検知信号の変動量が大きいときよりも、前記振動閾値を高い値に設定することを特徴とする。
このように構成された車両用乗員検知装置によれば、荷重検知信号の変動量が小さい状態が所定時間継続したときには、振動閾値設定部が、荷重検知信号の変動量が大きいときよりも、振動閾値を高い値に設定するため、走行振動等によって荷重検知信号の変動量が短時間で変動する場合には、振動閾値の変更が生じにくい。これにより、車両振動発生の有無を判定する際の基準となる振動閾値を安定して設定することができる。
本発明の請求項4に記載の車両用乗員検知装置は、前記乗員判定手段は、前記荷重検知信号の中から振動中であることを示す振動波形を除去する振動波形除去部を備え、前記振動閾値設定部は、前記振動波形除去部によって、前記荷重検知信号から振動波形を除去した振動波形除去信号に基づいて振動閾値を求め、前記振動判定部は、前記振動波形を含む荷重検知信号に基づいて前記車両の振動が発生したことを判定して、前記振動波形除去信号に基づいて乗員判定を行うことを特徴とする。
このように構成された車両用乗員検知装置によれば、振動波形除去部が、荷重検知信号の中から振動中であることを示す振動波形を除去して、振動閾値設定部が、こうして振動波形が除去された振動波形除去信号に基づいて振動閾値を求め、振動判定部が、振動波形を含む荷重検知信号に基づいて車両の振動が発生したことを判定して、乗員判定手段が、振動波形除去信号に基づいて乗員判定を行う。
したがって、振動波形に影響されない正確な振動閾値の設定や乗員判定を実行することができる。また、振動判定部では、振動波形を含む荷重検知信号を用いて振動判定を行うことで、正確な振動判定を行うことができる。これにより、振動閾値の設定や乗員判定等の精度を向上することができる。
本発明に係る車両用乗員検知装置によれば、より簡単な構成の荷重検知手段を用いて、確実な乗員判定を行うことができる。
実施例1の車両用乗員検知装置を搭載した車両を示す概略平面図である。 実施例1の車両用乗員検知装置を有するエアバッグシステムを示すブロック図である。 実施例1の車両用乗員検知装置における荷重検知手段の助手席に対する取付状態を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図を示す。 荷重検知手段の設置個数の違いによる荷重検知信号の違いを示すグラフである。 実施例1の車両用乗員検知装置にて実行される乗員判定処理の流れを示すフローチャートである。 助手席に大人が乗車した時の、車両走行中における振動変化量・検知荷重・荷重変動量、および乗員判定結果の更新タイミングを示すタイムチャートである。
以下、本発明の車両用乗員検知装置を実現する最良の形態を、図面に基づいて説明する。
まず、本実施例の構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用乗員検知装置を搭載した車両を示す概略平面図である。図2は、実施例1の車両用乗員検知装置を有するエアバッグシステムを示すブロック図である。
図1に示す自動車等の車両1には、乗員が着座する助手席2と、この助手席2に着座した乗員を保護可能なエアバッグシステム3が搭載されている。なお、図1は、車両1が左ハンドル車の場合の例であるが、車両1が右ハンドル車である場合も、図1と同様の構成を実現することができる。
そして、エアバッグシステム3は、図2に示すように、エアバッグ本体4と、乗員状態表示ランプ5と、ワーニングランプ6と、エアバッグECU7と、車両用乗員検知装置10を備えている。
エアバッグ本体4は、ここでは助手席2前方の、車室前部に配置されたインストルメントパネル8内に格納されている。そして、車両衝突時等に乗員保護のために展開して緩衝機能を発揮するものである。なお、このエアバッグ本体4は、エアバッグECU7から出力されるエアバッグ展開信号に応じて、展開時の大きさを少なくとも2段階に変更することができる。
乗員状態表示ランプ5は、車室前部に配置されたインストルメントパネル8に設置され、エアバッグECU7から出力される表示信号に応じて、「着座なし」、「大人の着座」、「子供の着座」を表す乗員情報を表示する表示灯である。
ワーニングランプ6は、車室前部に配置されたインストルメントパネル8に設置され、エアバッグ系における故障を検知した場合にエアバッグECU7から出力される故障信号に応じて、警告表示を行うための表示灯である。
エアバッグECU7は、CPUを内蔵し、車両用乗員検知装置10から得られる乗員情報に基づいて、乗員が助手席2に着座していない場合にはエアバッグ本体4を展開せずに、大人が助手席2に着座している場合にはエアバッグ本体4を展開し、子供が助手席2に着座している場合にはエアバッグ本体4を展開しない等のエアバッグ本体4の展開判断を行い、エアバッグ本体4に展開信号を出力する。
また、このエアバッグECU7は、車両用乗員検知装置10から得られる乗員情報に基づいて、乗員状態表示ランプ5に表示信号を出力すると共に、エアバッグ系における故障を検知した場合には、ワーニングランプ6に故障信号を出力する。
車両用乗員検知装置10は、助手席2への乗員の着座状態を判定して、エアバッグECU7に対して、判定された乗員情報を出力するものであり、荷重検知手段11を構成する2個の荷重センサ11a,11bと、乗員検知用ECU(乗員判定手段)12と、を備えている。
荷重センサ11a,11bは、助手席2、または、助手席2に作用する荷重を検知可能な助手席2の周辺に取り付けられる。荷重センサ11a,11bには、例えば、加圧力に応じた電圧信号を出力する圧電フィルムなどが用いられる。
助手席2は、図3に示すように、車体21に対して、前後方向に沿って平行に設置された左右一対のスライドレール22,23を介して、車両の前後方向25にスライド可能(位置調整可能)に取り付けられている。このとき、助手席2は、左右一対のスライドレール22,23に対し、それぞれ、前後の支持点24a,24b,24c,24dを介して合計4箇所で支持されている。
このように、車体21に対して助手席2が複数の支持点24a〜24dによって支持されている場合に、荷重センサ11aは支持点24aに取り付けられ、荷重センサ11bは支持点24bに取り付けられる。すなわち、2つの荷重センサ11a,11bは、車両の前後方向25に離隔して設置される。
ここで、荷重センサ11a,11bから出力される荷重検知信号の具体例について説明する。図4は、荷重検知手段11を構成する荷重センサの設置個数の違いによる荷重検知信号の違いを示すグラフである。
図4に示した特性eは、本実施例のように前後2箇所の支持点24a,24bに対して、それぞれ荷重センサ11a,11bを設置した場合に、それぞれの荷重センサ11a,11bから出力される荷重検知信号の総和を示している。
また、図4に示した特性fは、仮に、全ての支持点24a〜24dに対して荷重センサを設置した場合に、4個の荷重センサから出力される荷重検知信号の総和を示している。
直進路を走行している状態においては、荷重検知手段11を片側2箇所(支持点24a,24b)に設置した場合に得られる特性eは、全ての支持点24a〜24dに荷重検知手段11を設置した場合に得られる特性fが示す荷重検知信号の総和のほぼ半分の大きさになっている。
また、カーブを走行している状態においては、直進路の走行中に対して荷重検知信号の総和が大きく減少している。これは、荷重センサ11a,11bを設けた側とは反対の側(実施例1では車体21の外側)に遠心力が作用したことによって、乗員の体が車体21の外側に傾き、これによって、支持点24a,24bに設置した荷重センサ11a,11bにかかる荷重が軽減されるためである。
そして、図示はしないが、前記カーブとは逆方向のカーブを走行している状態においては、乗員の体が車体21の内側に傾くため、これによって、支持点24a,24bに設置した荷重センサ11a,11bには乗員の体重が全てかかり、荷重検知信号の総和は、直進路を走行している状態における荷重検知信号の総和よりも大きな値となる。
これに対し、仮に、荷重検知手段11として全ての支持点24a〜24dに荷重センサを設置した場合には、カーブ走行中であっても、特性fが示すように、直進路走行中と同様に荷重検知信号の総和がほぼ安定している。これは、乗員に遠心力が作用した場合であっても、荷重検知手段11を構成する全ての荷重センサの出力を加算すると、ほぼ一定の値になるためである。
すなわち、荷重検知手段11として、荷重センサをスライドレール22における前後2箇所の支持点24a,24bのみに取り付けることによって、直進路を走行している状態においては、全ての支持点24a〜24dに荷重センサを取り付けた場合と比較して、荷重検知信号の総和値は異なるが、同様な特性の荷重検知信号を得ることができる。
したがって、直進路を走行している状態においては、前後2箇所の支持点24a,24bに取り付けた荷重センサ11a,11bからそれぞれ出力される荷重検知信号の総和に基づいて、助手席2への乗員の着座の有無、および大人が着座しているか、子供が着座しているかの判定(乗員判定)を行うことができる。
一方、カーブを走行している状態においては、荷重センサをスライドレール22における前後2箇所の支持点24a,24bのみに取り付けた場合は、直進路を走行している状態において得られる荷重検知信号の総和値と異なる総和値が出力され、さらに、右カーブと左カーブとでも荷重検知信号の特性が異なるため、荷重検知信号のみから乗員判定を行うのは困難である。
したがって、直進路を走行中と考えられる状態においてのみ、乗員判定を行って得た乗員判定結果を更新し、カーブ走行中は、乗員判定を行っても乗員判定結果を更新しないことによって、誤検知のない乗員検知を行うことができる。なお、一般的に、カーブ走行中は直進路を走行中に比べて荷重検知信号の変動が大きくなるため、この荷重検知信号の変動を検出して、直進路を走行中であることを検出することができる。詳しくは後述する。
なお、荷重センサ11a,11bは、支持点24a,24bのみならず、スライドレール23における前後2箇所の支持点24c,24dに設置しても、前記と同様の信号を得ることができる。
乗員検知用ECU12は、荷重センサ11a,11bから出力された荷重検知信号に基づいて、助手席2の乗員判定を行うものであり、必要な演算処理を行うCPU12aを有している。そして、このCPU12a内には、信号変換部13と、振動波形除去部14と、振動閾値設定部15と、振動判定部16と、乗員判定部17と、を備えている。
信号変換部13,13は、荷重センサ11a,11bからそれぞれ出力された荷重検知信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する。なお、この信号変換部13は、助手席2に取り付けられた各荷重センサ11a,11bのそれぞれに対応して設けられている。
振動波形除去部14,14は、信号変換部13,13によってデジタル化された荷重検知信号の中から、車両1が振動中であることを示す振動波形を除去して、振動波形除去信号を生成する。ここで、「振動波形」とは、例えば上下方向の高周波振動成分(走行振動)等である。この振動波形除去部14としては、例えば高周波振動成分等の振動波形を除去可能なローパスフィルタを使用する。なお、この振動波形除去部14は、信号変換部13のそれぞれに対応して設けられている。
振動閾値設定部15は、振動波形除去部14によって、荷重検知信号から振動波形を除去した後の荷重検知信号、つまり振動波形除去信号に基づいて、振動閾値を設定する。ここで、「振動閾値」とは、車両振動発生の有無を判定する際の基準となる値である。このとき、振動閾値設定部15は、振動波形除去信号の変動量が小さいときには、この振動波形除去信号の変動量が大きいときよりも、振動閾値を高い値に設定する。特に、本実施例では、振動波形除去信号の変動量が小さい状態が所定時間継続したときに、この振動波形除去信号の変動量が大きいときよりも、振動閾値を高い値に設定する。
この振動閾値の設定は、具体的には、振動波形除去信号の総和を求め、この総和の変動量の絶対値である荷重変動量ΔWを求める。そして、この荷重変動量ΔWと、振動閾値設定部15が予め有する重量閾値とを比較する。そして、荷重変動量ΔWが重量閾値以下となった状態が所定時間継続すれば、助手席2に作用する荷重が安定している、すなわち重量情報が安定して出力されているものとして振動閾値を高い値に設定する。一方、荷重変動量ΔWが重量閾値を越えれば、助手席2に作用する荷重が不安定である、すなわち出力される重量情報が不安定であるものとして振動閾値を低い値に設定する。
振動判定部16は、信号変換部13によってデジタル化された荷重検知信号、及び、振動閾値設定部15によって設定された振動閾値に基づいて、車両振動の発生の有無を判定する。ここで、信号変換部13によってデジタル化された荷重検知信号とは、振動波形除去部14によって、荷重検知信号から振動波形を除去する前であって、振動波形を含む荷重検知信号である。
車両振動の発生の有無の判定は、具体的には、荷重センサ11aから出力される荷重検知信号Sen(t)と、荷重センサ11bから出力される荷重検知信号Sen(t)の変動量の絶対値を求める。そして、この各変動量の絶対値の総和である振動変化量ΔSumを求め、この振動変化量ΔSumと、振動閾値設定部15によって設定された振動閾値とを比較する。そして、振動変化量ΔSumが振動閾値以上であれば、車両振動が発生したと判定する。一方、振動変化量ΔSumが振動閾値未満であれば、車両振動が発生していないと判定する。
乗員判定部17は、車両振動の大きさに応じて、荷重検知信号に基づく乗員判定を行って、判定結果を更新又は保留するものであり、乗員判定実行部17aと、乗員判定結果更新可否判断部17bと、乗員判定回数カウント部17cを有している。
乗員判定実行部17aは、振動波形除去部14によって、荷重検知信号から振動波形を除去した後の荷重検知信号、つまり振動波形除去信号に基づいて、乗員判定を実行する。ここで、「乗員判定」とは、助手席2に乗員が着座しているか否かを判定する着座判定と、助手席2に着座している乗員の体格が大きいか否か(大人であるか、子供であるか等)を判定する体格判定を行うことである。なお、このうち、いずれか一方を実行するものであってもよい。
この乗員判定は、具体的には、振動波形除去信号の総和である検知荷重を求め、この検知荷重と乗員判定実行部17aが予め有する重量閾値である第1閾値TH/Lα、第2閾値TH/Lα、第3閾値TH/Lα(第1閾値>第2閾値>第3閾値)を比較することによって行う。
そして、例えば、検知荷重が第1閾値TH/Lα以上であれば大人が着座していると判断し、検知荷重が第2閾値TH/Lα以上であって第1閾値TH/Lα未満であれば子供が着座していると判断し、検知荷重が第3閾値TH/Lα以上であって第2閾値TH/Lα未満であれば空席であると判断する。
乗員判定回数カウント部17cは、連続して同じ乗員判定結果が得られた回数をカウントして、カウントされた値を出力する。
乗員判定結果更新可否判断部17bは、振動判定部16の判断結果、乗員判定実行部17aの判定結果、および乗員判定回数カウント部17cの出力に基づいて、乗員判定結果を更新するか保留するかを判断し、得られた乗員判定結果をエアバッグECU7に出力する。
すなわち、この乗員判定結果更新可否判断部17bは、振動判定部16にて車両振動が発生していないと判定した場合には、乗員判定実行部17aから出力された乗員判定結果を新たな乗員判定結果とし、乗員判定結果を更新する。一方、振動判定部16にて車両振動が発生していると判定した場合には、乗員判定実行部17aから出力された乗員判定結果を新たな乗員判定結果とせずに、前回の乗員判定結果を保持する。
これにより、乗員判定部17では、車両振動が発生していないと判定した場合には、乗員判定を実行してその結果を更新し、車両振動が発生していると判定した場合には、乗員判定を実行してその結果を更新せずに、前回の乗員判定結果を保持することとなる。
図5は、本実施の車両用乗員検知装置にて実行される乗員判定処理の流れを示すフローチャートである。以下、図5の各ステップについて説明する。
ステップS1では、助手席2に取り付けられた複数の荷重センサ11a,11bから、重量情報であるそれぞれの荷重検知信号(Sen(t),Sen(t))を読み取り、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、各荷重検知信号から高周波振動成分である振動波形を除去して、各荷重センサ11a,11bに対応した振動波形除去信号(LPF_Sen(t),LPF_Sen(t))を求め、ステップS3へ移行する。ここで、振動波形の除去は、ローパスフィルタによる演算処理を実施することによって行う。
ステップS3では、ステップS2において振動波形の除去により求められた振動波形除去信号の総和である検知荷重Wを算出し、ステップS4へ移行する。
ここで、検知荷重Wは、(式1)により算出される。
W=LPF_Sen(t)+LPF_Sen(t) (式1)
ステップS4では、各荷重検知信号の変動量の絶対値(ΔSen,ΔSen)を振動波形として求め、この変動量の絶対値の総和である振動変化量ΔSumを算出して、ステップS5へ移行する。
ここで、各荷重検知信号の変動量の絶対値(ΔSen1,ΔSen2)は、以下の(式2),(式3)により算出され、変動量の絶対値の総和である振動変化量ΔSumは、以下の(式4)により算出される。
ΔSen = abs(Sen(t)−Sen(t−1)) (式2)
ΔSen = abs(Sen(t)−Sen(t−1)) (式3)
ΔSum = {abs(Sen(t)−Sen(t−1))}+{abs(Sen(t)−Sen(t−1))} (式4)
なお、(式2),(式3)において、abs(x)はxの絶対値を表している。ここで絶対値を使用するのは、各荷重センサ11a,11bごとに検出される振動波形が互いに相殺しないようにするためであると共に、振動波形をより強調するためである。
ステップS5では、ステップS3で算出した検知荷重Wの変動量の絶対値である荷重変動量ΔWを算出し、ステップS6へ移行する。
ここで、検知荷重Wの変動量の絶対値(荷重変動量)ΔWは、以下の(式5)により算出される。
ΔW = abs(W(t)−W(t−1)) (式5)
ステップS6では、ステップS3で算出された検知荷重Wに基づいて、乗員判定を実行して、ステップS7へ移行する。
この乗員判定は、検知荷重Wと乗員判定実行部17aが予め有する第1閾値TH/Lα、第2閾値TH/Lα、第3閾値TH/Lαを比較して、以下の(式6)〜(式8)に従って行われる。
W ≧ TH/Lα のとき 大人着座 (式6)
TH/Lα > W ≧ TH/Lα のとき 子供着座 (式7)
TH/Lα > W ≧ TH/Lα のとき 空席 (式8)
ステップS7では、ステップS5で算出した荷重変動量ΔWが、振動閾値設定部15が予め有する重量閾値TH/Lβ以下であるか否かを判断して、YES(ΔW≦TH/Lβ)の場合は荷重変動なし、つまり重量情報が安定して出力されているとしてステップS8へ移行し、NO(ΔW>TH/Lβ)の場合は荷重変動あり、つまり重量情報が不安定であるとしてステップS10へ移行する。
ステップS8では、ステップS7での荷重変動なしとの判断に続き、予め設定した所定時間(例えば3[s]程度)が経過したか否かを判断し、YES(所定時間経過)の場合は重量情報が安定していると判断してステップS9へ移行し、NO(所定時間未経過)の場合は荷重変動発生、つまり重量情報が不安定であると判断してステップS10へ移行する。
ステップS8がYESのときは、ステップS9において、振動閾値を高い値(TH/LαHigh)に設定して、ステップS11へ移行する。
ステップS7がNOのとき、またはステップS8がNOのときは、ステップS10において、振動閾値を低い値(TH/LαLow)に設定して、ステップS11へ移行する。
ここで、振動閾値の値が高い値であるか、低い値であるかは、相対的なものである。すなわち、設定される振動閾値の値が、高い値TH/LαHighと、低い値TH/LαLowの間に設定されれば、具体的な振動閾値の値は任意に設定することができる。
ステップS11では、ステップS6で算出された乗員判定結果が、前回(1回前)の乗員判定結果と同じか否かが比較される。そして、ステップS6で算出された乗員判定結果が、前回(1回前)の乗員判定結果と同じであるときはステップS12に移行して、ステップS6で算出された乗員判定結果が、前回(1回前)の乗員判定結果と異なるときはステップS13に移行する。
ステップS12では、乗員判定結果が前回(1回前)と同じであった回数をカウントするカウンタ値εがインクリメントされて、ステップS14に移行する。すなわち、カウンタ値εは、同じ乗員判定結果が連続して出力されるほど、大きな値になる。
ステップS13では、カウンタ値εがクリアされて(ε=0となって)、ステップS14に移行する。
ステップS14では、カウンタ値εが、予め設定されたカウンタ値Nと比較される。ここで、カウンタ値Nは、同じ乗員判定結果が繰り返してなされる時間tを表すパラメータであり、乗員判定を行う時間間隔をτとしたとき、時間tは(式9)で表される。
t=Nτ (式9)
カウンタ値Nは、具体的には、一般道路において、曲率半径の長い緩やかなカーブを走行するのに要する最大期間Tに対して十分に長い所定期間Tに対応するように設定される。
例えば、T=1分と想定して、T=3分に設定するものとする。すなわち、(式9)において、時間tは3分に設定される。このとき、0.1sに1回乗員判定を行う、すなわちτ=0.1sとすると、N=1800となる。そして、カウンタ値εが予め設定されたカウンタ値Nよりも小さいときは、ステップS15に移行し、カウンタ値εが予め設定されたカウンタ値N以上であるときは、ステップS18に移行する。
ステップS15では、振動変化量ΔSumが振動閾値(TH/LαHigh、又はTH/LαLow)以上であるか否かを判断し、YES(ΔSum≧TH/LαHigh、又はTH/LαLow)の場合はステップS16へ移行し、NO(ΔSum<TH/LαHigh、又はTH/LαLow)の場合はステップS17へ移行する。
ステップS16では、車両の振動が発生していると判断して、ステップS6で算出された乗員判定結果を新たな乗員判定結果とせず、前回(1回前)の乗員判定結果を保持して、こうして保持された乗員判定結果を出力する。
ステップS17では、車両の振動が発生していないと判断して、ステップS6において求めた乗員判定結果を新たな乗員判定結果として、前回(1回前)の乗員判定結果を更新して、こうして更新された乗員判定結果を出力する。
ステップS18では、カウンタ値εがクリアされて(ε=0となって)、ステップS19に移行する。
ステップS19では、ステップS6で行った乗員判定が行われて、算出された乗員判定結果を新たな乗員判定結果として、前回(1回前)の乗員判定結果を更新して、こうして更新された乗員判定結果を出力する。
以降、ステップS1に戻って、同じ処理が繰り返される。
次に、本実施例の作用を、実際に車両用乗員検知装置10で取得される波形に基づいて説明する。
図6は、助手席2に大人が乗車した時の、車両走行中における振動変化量ΔSum,検知荷重W,荷重変動量ΔW,および乗員判定結果の更新タイミングを示すタイムチャートである。
本実施例の車両用乗員検知装置10では、荷重検知信号Sen(t),Sen(t)の変動量が小さいときには、荷重検知信号Sen(t),Sen(t)の変動量が大きいときよりも、振動閾値を高い値に設定する。そのため、助手席2に大人(例えば49kg女性)が乗車した時の車両走行中の各特性を示す図6において、車両1が直進路を走行して検知荷重Wが安定して出力されると、時刻t1の時点で荷重変動量ΔWが重量閾値TH/Lβを下回る。これにより、図5のフローチャートにおいてステップS7→ステップS8へと進む。
そして、時刻t2の時点で荷重変動量ΔWが重量閾値TH/Lβを下回った状態が所定時間(例えば3[s])経過すると、ステップS8→ステップS9へと進み、振動閾値TH/LαLowが、これよりも高い値である振動閾値TH/LαHighへ変更される。これにより、時刻t2〜t4では、振動変化量ΔSumが振動閾値TH/LαHighを下回るため、乗員判定が実行されて、乗員判定結果が更新される。
そして、時刻t4の時点で荷重変動量ΔWが重量閾値TH/Lβを上回ると、図5のフローチャートにおいてステップS7→ステップS10へと進み、振動閾値TH/LαHighが、これよりも低い値である振動閾値TH/LαLowへ変更される。そして、時刻t4以降では、振動変化量ΔSumが振動閾値TH/LαLowを上回り、乗員判定は実行されるが、乗員判定結果は更新されずに、前回の乗員判定結果が維持される。
その後、車両1が周回路(カーブ)を走行すると、助手席2に作用する遠心力の影響により2つの荷重センサ11a,11bによって荷重検出信号を検出した場合では、振動波形除去信号の総和である検知荷重Wが大きく低減する。一方、荷重変動量ΔWは比較的安定して出力され、時刻t5の時点で重量閾値TH/Lβを下回り、時刻t6の時点でその状態が所定時間(例えば3[s])経過する。
このため、時刻t6の時点で、振動閾値TH/LαLowが振動閾値TH/LαHighへと変更される。しかしながら、図6の場合では、時刻t7の時点で再び荷重変動量ΔWが重量閾値TH/Lβを上回るため、振動閾値TH/LαHighの状態が継続することなく、振動閾値はTH/LαLowへと変更されて、乗員判定は実行されるが、乗員判定結果は更新されずに、前回の乗員判定結果が維持される。
その後、車両1が再び直進路を走行すると、時刻t8において、検知荷重Wが第1閾値TH/Lαを上回るため、カーブ走行中に子供の着座、もしくは空席と判定されていた乗員判定結果が、大人の着座という判定結果を出力する。このとき、ステップS13において、乗員判定結果が前回(1回前)と同じであった回数をカウントするカウンタ値εがクリアされる。
そして、さらに直進路の走行を続けると、時刻t8から所定期間Tが経過する時刻t9までの間は、カウンタ値εがカウンタ値Nに達しないため、図5のフローチャートにおいてステップS14→ステップS15→ステップS16へと処理が進み、振動変化量ΔSumが振動閾値TH/LαLowを上回るため、乗員判定は実行されるが、乗員判定結果は更新されずに、前回の乗員判定結果が維持される。
その後、時刻t9になると、カウンタ値εがカウンタ値Nに達するため、図5のフローチャートにおいてステップS14→ステップS18→ステップS19へと処理が進み、振動変化量ΔSumが振動閾値TH/LαLowを上回ったままであるが、乗員判定が実行されて、乗員判定結果が更新される。
そして、ステップS18において、カウンタ値εがクリアされるため、以降、振動変化量ΔSumが振動閾値TH/LαLowを上回ったままの状態であれば、所定期間Tが経過するまでの間は、乗員判定が実行されても、乗員判定結果の更新は保留されて、前回の乗員判定結果が維持される。
このように、振動変化量ΔSumが振動閾値を上回っているとき、すなわち、車両の振動が発生していると判定された場合であっても、所定期間Tに亘って乗員判定手段12による乗員判定結果が変わらないときには、所定期間T経過時に乗員判定結果が更新されるため、荷重変化によって乗員判定を誤る可能性がある曲率半径の大きい緩やかなカーブを走行しているような場合には、そのカーブを抜けた後で乗員判定結果を更新することができる。また、車両の振動の発生に影響されることなく、所定期間Tの間隔で、確実に乗員判定結果を更新することができる。
さらに、車両1が停車している際に、乗員が腰を浮かせるなどして着座していないと判定された場合であっても、所定期間Tの間隔で、確実に乗員判定結果を更新することができるため、その後、乗員が着座状態をとった場合には、着座していると判定することができる。
また、車両1が停車している際に、乗員が体を前後に振ったり、貧乏ゆすりをし続けたりした場合であっても、所定期間Tの間隔で、確実に乗員判定結果を更新することができる。
なお、本実施例の車両用乗員検知装置10では、2個の荷重センサ11a,11bを車両1の前後方向25に沿って離隔して取り付けたため、車両1が加速、あるいは減速した場合であっても、その加速、減速の影響を受けることなく乗員判定を行うことができる。
これは、例えば、車両1が加速した場合には、車両1の加速度によって乗員の体が後方に傾くため、前方の荷重センサ11aにかかる荷重が小さくなり、これによって前方の荷重センサ11aから出力される荷重検知信号Sen(t)は小さくなるが、逆に、後方の荷重センサ11bにかかる荷重が大きくなるため、後方の荷重センサ11bから出力される荷重検知信号Sen(t)は大きくなって、2個の荷重センサ11a,11bから出力される各荷重検知信号Sen(t),Sen(t)の総和は、車両1が一定速度で走行している場合と変わらないためである。なお、これは、車両1が減速した場合についても同様である。
以上説明したように、実施例1に係る車両用乗員検知装置10によれば、車両1の助手席2に、車両1の前後方向に沿って離隔して取り付けられた荷重センサ11a,11bからなる荷重検知手段11によって、助手席2に作用する荷重が検知されて荷重検知信号Sen(t), Sen(t)として出力されて、こうして出力された荷重検知信号Sen(t), Sen(t)に基づいて、乗員判定手段12が、所定の時間間隔で、助手席2への乗員の着座の有無、および着座している乗員が大人であるか子供であるかを判定する乗員判定を行う際に、振動閾値設定部15が、車両1の振動が発生したことを判定する際の基準となる振動閾値を設定して、振動判定部16が、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)及び振動閾値に基づいて、車両1の振動が発生したことを判定して、車両1の振動が発生していないと判定された場合には、乗員判定手段12による乗員判定結果を更新するとともに、車両1の振動が発生していると判定された場合には、所定期間Tに亘って乗員判定手段12による乗員判定結果が変わらないときに、乗員判定手段12による乗員判定結果を更新するため、車両1の前後方向に離隔して取り付けられた荷重センサ11a,11bという簡単なセンサ構成によって確実に乗員判定を行うことができる。
また、実施例1に係る車両用乗員検知装置10によれば、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが小さいときには、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが大きいときよりも、振動閾値が高い値に設定されることによって、車両1の振動の有無を判定する振動判定部において、車両振動が発生したと判定される機会は低減する。そのため、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが小さいときは、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが大きいときに比べて、車両1の振動が発生していないと判定されやすくなる。これによって、車両1の走行中や停車中に乗員の着座姿勢の変化によって振動が生じた場合であっても、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが小さくて荷重検知信号Sen(t), Sen(t)が安定していれば、振動閾値が高い値に設定されて、車両1の振動が発生していないと判定されやすくなる。そして、車両1の振動が発生していないと判定されれば、乗員判定手段12によって乗員判定が実行されるため、走行中であっても乗員判定を実行することができる。これにより、走行中の乗員判定機会の増大を図ることができる。
さらに、実施例1に係る車両用乗員検知装置10によれば、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが小さい状態が所定時間継続したときには、振動閾値設定部15が、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが大きいときよりも、振動閾値を高い値に設定するため、走行振動等によって荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量である荷重変動量ΔWが短時間で変動する場合には、振動閾値の変更が生じにくい。これにより、車両振動発生の有無を判定する際の基準となる振動閾値を安定して設定することができる。
また、実施例1に係る車両用乗員検知装置10によれば、振動波形除去部14が、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の中から振動中であることを示す振動波形を除去して、振動閾値設定部15が、こうして振動波形が除去された振動波形除去信号LPF_Sen(t),LPF_Sen(t)に基づいて振動閾値を求め、振動判定部16が、振動波形を含む荷重検知信号Sen(t), Sen(t)に基づいて車両の振動が発生したことを判定して、乗員判定手段12が、振動波形除去信号LPF_Sen(t),LPF_Sen(t)に基づいて乗員判定を行うため、振動波形に影響されない正確な振動閾値の設定や乗員判定を実行することができる。また、振動判定部16では、振動波形を含む荷重検知信号Sen(t), Sen(t)を用いて振動判定を行うことで、正確な振動判定を行うことができる。これにより、振動閾値の設定や乗員判定等の精度を向上することができる。
なお、実施例1の車両用乗員検知装置10では、振動閾値設定部15が予め有する重量閾値(TH/Lβ)は一定値であるが、着座している乗員に応じて値を変更してもよい。すなわち、大人が着座していると判定された場合は1[N]とし、子供が着座していると判定された場合は0.5[N]とする。このようにすることで、よりきめ細かい判断を行うことができる。
さらに、実施例1の車両用乗員検知装置10では、荷重検知信号Sen(t), Sen(t)の変動量が小さい状態が所定時間継続したときに、この荷重検知信号の変動量が大きいときよりも、振動閾値を高い値に設定する。なお、荷重検知信号の変動量の変化に合わせて振動閾値を設定してもよい。すなわち、荷重検知信号が重量閾値を下回れば、直ちに振動閾値を引き下げ、荷重検知信号が重量閾値を上回れば、直ちに振動閾値を引き上げる。この場合であっても、更新保留状態を低減して、乗員判定結果の更新の機会を増大することができる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。さらに、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。さらに、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
3 エアバッグシステム
4 エアバッグ本体
5 乗員状態表示ランプ
6 ワーニングランプ
7 エアバッグECU
10 車両用乗員検知装置
11 荷重検知手段
11a,11b 荷重センサ
12 乗員検知用ECU(乗員判定手段)
13 信号変換部
14 振動波形除去部
15 振動閾値設定部
16 振動判定部
17 乗員判定部
17a 乗員判定実行部
17b 乗員判定結果更新可否判断部
17c 乗員判定回数カウント部

Claims (4)

  1. 車両の助手席に、前記車両の前後方向に沿って離隔して取り付けられた、前記助手席に作用する荷重を検知する荷重センサからなる荷重検知手段と、
    前記荷重検知手段から出力された荷重検知信号に基づいて、所定の時間間隔で、前記助手席への乗員の着座の有無、および着座している乗員が大人であるか子供であるかを判定する乗員判定手段と、を備えた車両用乗員検知装置において、
    前記乗員判定手段は、
    前記荷重検知信号に基づいて、前記車両の振動が発生したことを判定する際の基準となる振動閾値を設定する振動閾値設定部と、
    前記荷重検知信号及び前記振動閾値に基づいて、前記車両の振動が発生したことを判定する振動判定部と、を備え、
    前記振動判定部にて、前記車両の振動が発生していないと判定された場合には、前記乗員判定手段による判定結果を更新するとともに、前記振動判定部にて、前記車両の振動が発生していると判定された場合には、所定期間に亘って前記乗員判定手段による判定結果が変わらないときに前記判定結果を更新することを特徴とする車両用乗員検知装置。
  2. 前記振動閾値設定部は、前記荷重検知信号の変動量が小さいときには、前記荷重検知信号の変動量が大きいときよりも、前記振動閾値を高い値に設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員検知装置。
  3. 前記振動閾値設定部は、前記荷重検知信号の変動量が小さい状態が所定時間継続したときには、前記荷重検知信号の変動量が大きいときよりも、前記振動閾値を高い値に設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員検知装置。
  4. 前記乗員判定手段は、前記荷重検知信号から振動中であることを示す振動波形を除去する振動波形除去部を備え、
    前記振動閾値設定部は、前記振動波形除去部によって、前記荷重検知信号の中から振動波形を除去した振動波形除去信号に基づいて振動閾値を求め、
    前記振動判定部は、前記振動波形を含む荷重検知信号に基づいて前記車両の振動が発生したことを判定して、
    前記振動波形除去信号に基づいて乗員判定を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用乗員検知装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018110365A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 カルソニックカンセイ株式会社 車両用乗員検知装置
WO2018110367A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 カルソニックカンセイ株式会社 車両用乗員検知装置

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