(好ましい実施態様の詳細な説明)
本明細書中に引用される全ての参考文献は、各々の個々の出版物または特許出願が参考として援用されることが具体的かつ個別に示されるのと同程度、参考として本明細書中に援用される。
概略
I.概論
II.精製IL−B50
A.物理的特性
B.生物学的特性
III.物理的改変体
A.配列改変体、フラグメント
B.翻訳後改変体
1.グリコシル化
2.他
IV.機能的改変体
A.アナログ、フラグメント
1.アゴニスト
2.アンタゴニスト
B.模倣物
1.タンパク質
2.化学物質
C.種改変体
V.抗体
A.ポリクローナル
B.モノクローナル
C.フラグメント、結合組成物
VI.核酸
A.天然単離物;方法
B.合成遺伝子
C.単離方法
VII.IL−B50、模倣物の作製
A.組換え方法
B.合成方法
C.天然精製
VIII.使用
A.診断
B.治療
IX.キット
A.核酸試薬
B.タンパク質試薬
C.抗体試薬
X.IL−B50に対するレセプターの単離。
(I.概論)
本発明は、サイトカインである(例えば、免疫細胞または他の細胞との間のシグナルを媒介し得る分泌地分子である)種々の哺乳動物タンパク質をコードするアミノ酸配列およびDNA配列を提供する。例えば、Paul(1997)Fundamental Imunology(第3版)Raven Press,N.Y.を参照のこと。全長サイトカイン、およびフラグメント、またはアンタゴニストは、レセプターを発現している細胞の生理学的調節に有用である。IL−B50は、造血細胞(例えば、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、樹状細胞、造血前駆体などのようなリンパ細胞)に対して、刺激効果または阻害効果のいずれかを有するようである。これらのタンパク質はまた、タンパク質上の種々のエピトープ(線状エピトープおよび高次構造エピトープの両方)に対する抗体を惹起するために、抗原(例えば、免疫原)として有用である。
IL−B50をコードするcDNAは、ヒトcDNA配列から同定された。例えば、登録番号AA889581を参照のこと。この分子は、huIL−B50と命名された。
ヒト遺伝子は、約175アミノ酸の小さな可溶性のサイトカイン様タンパク質をコードする。このシグナル配列は、おそらく約33残基であり、そしてmetからおよそthrに範囲が及ぶ。表1ならびに配列番号1および2を参照のこと;補助的な配列は、配列番号3および4を提供する。IL−B50は、短鎖のサイトカインのメンバーに特徴的である、構造モチーフを示す。例えば、IL−B50およびIL−7(GenBankから入手可能な配列)を比較すること。表2もまた参照のこと。
表1:霊長類(例えば、ヒト)由来のIL−B50をコードする核酸(配列番号1)。翻訳されたアミノ酸配列は、配列番号2である。
表2:IL−B50と比較した、種々のIL−7の実施態様の比較。ヒツジ由来のIL−7は、配列番号5であり;ウシ由来のIL−7は、配列番号6であり;ヒト由来のIL−7は、配列番号7であり;マウス由来のIL−7は、配列番号8であり;およびラット由来のIL−7は、配列番号9である。GenBankもまた参照のこと。
Cは太字、推定グリコシル化Nに下線を付す、IL−B50については第2のATGを使用する、
*=ヒトIL−7と同一。
配列の比較はまた、進化ツリーを提供する。これは、例えば、TreeViewプログラムをClustalX分析ソフトウェアプログラムと組み合せて使用して作製され得る。Thompsonら、Nuc.Acids Res.25:4876〜4882;およびTreeView、Page、IBLS、University of Glasgow、e−mail rpage@bio.gla.ac.uk;http://taxonomy.zoology.gla.ac.uk.rod.treeview.html。
関連サイトカインタンパク質に対するIL−B50の構造相同性は、この分子の関連した機能を示唆する。IL−B50は、IL−7に配列類似性を示す、短鎖のサイトカインである。
IL−7の生物学の多くの局面は、十分に認識されている。例えば、Bauerら(1998)「Modulated expression of the epidermal growth factor−like homeotic protein dlk influences stromal−cell−pre−B−cell interactions、stromal cell adipogenesis,and
pre−B−cell interleukin−7 requirements」Mol.Cell.Biol.18:5247〜5255;Maeurerら(1998)「Interlueukin−7(IL−7)knockout mice.Implications for lymphopoiesis and organ−specific immunity」Int.Rev.Immunol.16309〜322;Mertschingら(1998)「Interleukin−7,a non−redundant potent cytokine whose over−expression massively perturbs B−lymphopoiesis」Int.Rev.Immunol.16:285〜308;Mainiら(1997)「New developments in the use of cytokines for cancer therapy」Anticancer Res.17:3803〜3808;Murray(1996)「Physiologic roles of interleukin−2,interleukin−4,and interleukin−7」Curr.Opin.Hematol.3:230〜234;Takatsu(1997)「Cytokines involved in B−cell differentiation and their sites of action」Proc.Soc.Exp.Biol.Med.215:121〜133;Candeiasら(1997)「IL−7 receptor and VDJ recombination:trophic versus mechanistic actions」Immunity 6:501〜508;Lachmanら(1996)「Cytokine−containing liposomes as vaccine adjuvants」Eur.Cytokine Netw.7:693〜698;Takashimaら(1996)「Cytokine−mediated communication by keratinocytes and Langerhans cells with dendritic epidermal T cells」Semin.Immunol.8:333〜339;ならびにJohnstonら(1996)「Signaling by IL−2 and related cytokines:JAKs、STATs、and relationship to immunodeficiency」J.Leukoc.Biol.60:441〜452。IL−B50の生物学は、類似するようである。例えば、Friendら(1994)Exp.Hematol.22:321〜328を参照のこと。
IL−B50アゴニスト、またはアンタゴニストはまた、例えば、そのそれぞれのレセプターに結合するかまたは反対の作用を媒介するIL−7をブロックする、機能的アンタゴニストまたはレセプターアンタゴニストとして作用し得る。従って、IL−B50、またはそのアンタゴニストは、異常な医学的状態(免疫障害(例えば、T細胞免疫不全、慢性炎症、または組織拒絶)、あるいは心臓血管状態または神経生理学的状態を含む)の処置に有用であり得る。IL−B50およびIL−7に関連する試薬を含む組成物が、しばしば、使用される。
天然の抗原は、標的細胞における生物学的または生理学的な応答を導く、種々の生化学的応答を媒介し得る。本明細書中に特徴付けられる好ましい実施態様は、ヒト由来であるが、他の霊長類、または他の種の対応物が、天然に存在する。他の哺乳動物種(例えば、霊長類、イヌ、ネコ、およびげっ歯類)におけるタンパク質についてのさらなる配列もまた、利用可能であるはずである。以下を参照のこと。以下の記述は、例示の目的のために、ヒトIL−B50に関するが、他の種由来の関連する実施態様に同様に適用可能である。
(II.精製IL−B50)
霊長類(例えば、ヒト)のIL−B50アミノ酸配列は、配列番号2または4内の1つの実施態様として示される。このタンパク質をコードする、他の天然に存在する核酸は、提供された配列を使用する標準的な手順(例えば、PCR技術)によって、またはハイブリダイゼーションによって単離され得る。アミノからカルボキシに提供される、これらのアミノ酸配列は、このタンパク質の抗原を他のタンパク質から識別することを可能にする、サイトカインについての配列情報を提供する際および多くの改変体を例示する際に重要である。さらに、このペプチド配列は、このようなセグメントを認識する抗体を作製するためのペプチドの調製を可能にし、そしてヌクレオチド配列は、オリゴヌクレオチドプローブの調製を可能にし、これらの両方は、このような配列をコードする遺伝子の検出または単離(例えば、クローニング)のためのストラテジーである。
本明細書中で使用される場合、用語「ヒト可溶性IL−B50」は、タンパク質の状況で使用される場合には、配列番号2または4に示される可溶性ポリペプチドに対応するアミノ酸配列を有するタンパク質、またはその重要なフラグメントを包含する。好ましい実施態様は、特定の長さの複数の異なる(例えば、非重複性)セグメントを含む。代表的には、複数は、少なくとも2、より通常には少なくとも3、および好ましくは5、7、またはそれよりも多い。種々のサイズの最小の長さが提供されるが、種々のサイズのより長い長さ(例えば、長さ7が1つ、および長さ12が2つ)が適切であり得る。
結合組成物(例えば、抗体)は、代表的には、高親和性(例えば、少なくとも約100nM、通常約30nM未満、好ましくは約10nM未満、およびより好ましくは約3nM未満)でIL−B50に結合する。対応タンパク質は、ヒト以外の哺乳動物種(例えば、他の霊長類、有蹄動物、またはげっ歯類)に見出される。非哺乳動物種(例えば、鳥類または両生類)はまた、構造的または機能的に関連した遺伝子およびタンパク質を保有するはずである。
用語「ポリペプチド」は、本明細書中で使用される場合、重要なフラグメントまたはセグメントを含み、そして少なくとも約8アミノ酸、一般には少なくとも約12アミノ酸、代表的には少なくとも約16アミノ酸、好ましくは少なくとも約20アミノ酸、および特に好ましい実施態様では、少なくとも約30以上のアミノ酸(例えば、35、40、45、50など)のアミノ酸残基のストレッチを包含する。このようなフラグメントは、全ての現実的な組合せにおいて、実質的に全ての位置で開始および/または終止する末端(例えば、残基1、2、3などでの開始、および例えば、150、149、148などでの終止)を有し得る。特に興味深いペプチドは、構造ドメイン境界(例えば、ヘリックスA、B、C、および/またはD)に対応する末端を有する。表1および2を参照のこと。
用語「結合組成物」とは、例えば、抗体−抗原相互作用において、IL−B50に特異的に結合する分子をいう。この特異性は、おおよそ包括的であり得る(例えば、特定の実施態様に、または関連する実施態様の群(例えば、霊長類、げっ歯類など)に特異的)。これはまた、IL−B50と特異的に結合する化合物(例えば、タンパク質)を含む。これには、共有結合または非共有結合のいずれかで、天然の生理学的に関連するタンパク質間相互作用が含まれる。この分子は、ポリマー、または化学的な試薬であり得る。機能的なアナログは、構造的な改変を有するタンパク質であるか、またはこれは、適切な結合決定基(binding determinant)と相互作用する分子形状を有する分子であり得る。これらの化合物は、レセプター結合相互作用のアゴニストまたはアンタゴニストとして働き得る。例えば、Goodmanら(編)Goodman&Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics(現行版)Pergamon Pressを参照のこと。
例えば、タンパク質の状況において、実質的に純粋は、代表的には、このタンパク質が他の夾雑タンパク質、核酸、または本来の供給源の生物に由来する他の生物学的なものを含まないことを意味する。純度は、標準的な方法、代表的には、重量によってアッセイされ得、そして通常、少なくとも約40%純粋、一般には少なくとも約50%純粋、しばしば少なくとも約60%純粋、代表的には少なくとも約80%純粋、好ましくは少なくとも約90%純粋、および最も好ましい実施態様では、少なくとも約95%純粋である。キャリアまたは賦形剤が、しばしば添加される。
ポリペプチドまたはフラグメントの溶解度は、環境およびこのポリペプチドに依存する。多くのパラメーターが、ポリペプチドの溶解度に影響し、これには、温度、電解質環境、ポリペプチドのサイズおよび分子の特徴、ならびに溶媒の性質が挙げられる。代表的には、ポリペプチドが使用される温度は、約4℃〜約65℃の範囲である。通常は、使用の際の温度は約18℃より高い。診断目的のために、温度は、通常、ほぼ室温かまたはそれより温かいが、このアッセイにおける成分の変性温度未満である。治療目的のために、温度は、通常、体温(代表的にはヒトおよびマウスでは37℃)であるが、特定の状況下では、温度は、インサイチュまたはインビトロで、上昇または下降され得る。
このポリペプチドのサイズおよび構造は、一般に、実質的に安定な状態になるべきであり、そして通常、変性状態にはない。このポリペプチドは、例えば、溶解性を付与するために、四次構造において他のポリペプチドと結合され得るか、または脂質もしくは界面活性剤と結合され得る。
溶媒および電解質は、通常、生物学的活性の保存のために使用される型の生物学的に適合性の緩衝液であり、そして通常、生理学的な水性溶媒に類似する。通常、この溶媒は、中性pH、代表的には約5と10との間、および好ましくは約7.5を有する。いくつかの場合には、1以上の界面活性剤(代表的には穏やかな非変性界面活性剤(例えば、CHS(コレステリルヘミスクシネート)またはCHAPS(3−[3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート)))が添加されるか、あるいはこのタンパク質の構造特性または生理学的特性の有意な破壊を回避するために十分に低い濃度で添加される。他の例では、強力な界面活性剤が、有意な変性をもたらすために使用される。
(III.物理的改変体)
本発明はまた、IL−B50抗原のアミノ酸配列と実質的にアミノ酸配列同一性を有するタンパク質またはペプチドを含む。これらの改変体は、種改変体、多型改変体、または対立遺伝子改変体を含む。
アミノ酸配列相同性、または配列同一性は、必要な場合、必要とされるギャップを導入することによって、残基の一致を最適化することによって決定される。Needlehamら(1970)J.Mol.Biol.48:443〜453;Sankoffら(1983)Time Warps、String Edits、and Macromolecules:The Theory and Practice of Sequence Comparisonの第一章、Addison−Wesley、Reading、MA;およびIntelliGenetics Mountain View、CAからのソフトウェアパッケージ;ならびにthe University of Wisconsin Genetics Computer Group、Madison、WIもまた参照のこと。保存的置換を一致とみなす場合に、配列同一性が変化する。保存的置換は、代表的に、以下の群内の置換を含む:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リジン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン。保存は、生物学的特性、機能的特性、または構造的特性に適用し得る。相同なアミノ酸配列は、代表的には、タンパク質配列の天然の多型改変体または対立遺伝子改変体および種間の改変体を含むことが意図される。代表的には、相同なタンパク質またはペプチドは、IL−B50のアミノ酸配列と、25〜100%の同一性(ギャップが導入され得る場合)から50〜100%の同一性(保存的置換が含まれる場合)を有する。同一性の尺度は、少なくとも約35%、一般には少なくとも約40%、しばしば少なくとも約50%、代表的には少なくとも約60%、通常少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、およびより好ましくは少なくとも約90%である。
単離されたIL−B50のDNAは、ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入および短いヌクレオチドストレッチの反転によって容易に改変され得る。これらの改変は、新規なDNA配列を生じ、この配列は、これらの抗原、その誘導体または類似の生理的、免疫原的、抗原的または他の機能的な活性を有するタンパク質をコードする。これらの改変された配列を用いて、変異体抗原を生成し得るか、または発現を増強し得る。増強された発現は、遺伝子発現の増加、転写の増加、翻訳の増加および他の機構を包含し得る。「変異体IL−B50」は、そうでなければ、上記のIL−B50の配列同一性の定義内に入るが、天然に通常見出されるようなIL−B50のものとは、欠失、置換または挿入のいずれかによって異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。これは、一般に、配列番号2または4の配列を有するタンパク質と有意な同一性を有し、かつ、それらの配列と種々の生物学的活性(例えば、抗原性もしくは免疫原性)を共有するタンパク質を包含し、そして好ましい実施態様において開示された全長の天然の配列の殆どを含む。全長配列が代表的には好ましいが、短縮バージョンもまた同様に有用であり、同様に、天然供給源から見出される遺伝子またはタンパク質が代表的に最も所望される。同様の着想は、異なるIL−B50タンパク質に適用され、特に、種々の温血動物(例えば、哺乳動物および鳥類)において見出されるものに適用される。これらの記載は、一般に、多くのIL−B50タンパク質を包含することを意味し、具体的に記載された特定の霊長類実施態様には限定されない。
IL−B50変異誘発はまた、アミノ酸挿入もしくは欠失を作製することによって行われ得る。置換、欠失、挿入または任意の組合せを生成して、最終の構築物を完成し得る。挿入は、アミノ末端またはカルボキシ末端の融合(物)を包含する。ランダムな変異誘発は、標的コドンにおいて行われ得、次いで発現された変異体は、所望の活性についてスクリーニングされ得る。公知配列を有するDNAにおいて所定部位における置換変異を作製するための方法は、当該分野において周知であり、例えば、M13プライマー変異誘発またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術による。例えば、Sambrookら(1989);Ausubelら(1987および補遺);ならびにKunkelら(1987)Methods in Enzymol.154:367−382を参照のこと。好ましい実施態様としては、例えば、1倍、2倍、3倍、5倍、7倍などのヌクレオチドもしくはアミノ酸レベルでの好ましい保存的置換が挙げられる。好ましくは、この置換は、保存的システインから離れており、そしてしばしば、ヘリックス構造ドメインから離れた領域である。そのような改変体は、特定の抗体を生成するに有用であり、そしてしばしば多くのもしくは全ての生物学的特性を共有する。
本発明はまた、組換えタンパク質(例えば、これらのタンパク質由来のセグメントを用いる異種融合タンパク質)を提供する。異種融合タンパク質は、通常天然には通常同様の様式で融合しないタンパク質またはセグメントの融合物である。同様の着想は、異種核酸配列に適用される。
さらに、新たな構築物は、他のタンパク質からの類似の機能ドメインを組み合わせることから作製され得る。例えば、標的結合または他のセグメントは、異なる新たな融合ポリペプチドまたはフラグメントの間で「スワッピング」され得る。例えば、Cunninghamら(1989)Science 243:1330−1336;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem.263:15985−15992を参照のこと。
BeacucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts.22:1859−1862によって記載されるホスホルアミダイト方法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。二本鎖フラグメントは、しばしば、相補的な鎖を合成することおよび適切な条件下で一緒にその鎖をアニールすることまたは適切なプライマー配列を用いてDNAポリメラーゼを用いて相補鎖を加えること(例えば、PCR技術)によるかのいずれかで得られ得る。
IL−7ファミリーのサイトカインとの比較で、構造分析がこの遺伝子に適用され得る。IL−7ファミリーの他のメンバーとヒトIL−B50配列の整列は、構造的特徴の定義を可能にする。特に、βシートおよびαヘリックス残基は、例えば、RASMOLプログラムを用いて決定され得る(Bazanら、(1996)Nature 379:591;Lodiら(1994)Science 263:1762−1766;SayleおよびMilner−White(1995)TIBS 20:374−376;およびGronenbergら、(1991)Protein Engineering 4:263−269を参照のこと。置換について好ましい残基としては、レセプターと相互作用することが予想される表面露出残基が挙げられる。機能を保存する他の残基(特に、表面露出残基から遠い位置での)は、保存的置換である。
(IV.機能的改変体)
IL−B50に対する生理的応答のブロックは、リガンドのそのレセプターへの結合の競合的阻害から生じる。
本発明のインビトロアッセイは、しばしば、単離されたタンパク質、これらのタンパク質のレセプター結合セグメントを含む可溶性フラグメント、または固相基板に付着したフラグメントを使用する。これらのアッセイはまた、結合セグメント変異および改変、またはサイトカイン変異および改変(例えば、IL−B50アナログ)のいずれかの効果の診断判定を可能にする。
本発明はまた、競合的薬物スクリーニングアッセイの使用を意図する(例えば、サイトカインに対する中和抗体または試験化合物と競合するレセプター結合フラグメントの場合)。
IL−B50抗原の「誘導体」は、天然に生じる形態からのアミノ酸配列変異体、グリコシル化改変体、および他の化学部分との共有結合体または凝集結合体を含む。共有結合的誘導体は、例えば標準的な手段によって、IL−B50アミノ酸側鎖またはN末端もしくはC末端において見出される基に官能性を連結することによって調製され得る。例えば、LundbladおよびNoyes(1988)Chemical Reagent for Protein Modification、第1〜2巻、CRC Press,Inc.、Boca Raton、FL;Hugli(1989版)Techniques in Protein Chemistry、Academic Press,San Diego,CA;およびWong(1991)Chemistry of Protein Conjugation and CrossLinking、CRC Press Boca Raton,FLを参照のこと。
特に、グリコシル化改変は、例えば、その合成および処理の間ポリペプチドのグリコシル化パターンを改変することによるか、またはさらなる処理工程において含まれる。例えば、Elbein(1987)Ann.Rev.Biochem.56:497−534を参照のこと。また、リン酸化アミノ酸残基(例えば、ホスホチロシン、ホスホセリンまたはホスホスレオニン)を含む他のマイナーな改変を有する同じ一次アミノ酸配列を伴うバージョンのペプチドもまた包含される。
IL−B50と他の相同または異種のタンパク質との間の融合ポリペプチドもまた提供される。多くのサイトカインレセプターまたは他の表面タンパク質はマルチマー(例えば、ホモダイマー実体)であり、そして反復構築物は、種々の利点(タンパク質分解に対する感受性の減少を含む)を有し得る。代表的な例は、タンパク質のセグメントまたはドメイン(例えば、レセプター結合セグメント)とレポーターポリペプチド(例えば、ルシフェラーゼ)との融合物である。その結果、融合リガンドの存在または位置が容易に決定され得る。例えば、Dullら、米国特許第4,859,609号を参照のこと。他の遺伝子融合物パートナーとしては、細菌βガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、βラクタマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒロドゲナーゼ、酵母α接合因子、および検出タグまたは精製タグ(例えば、FLAG配列またはHis6配列)が挙げられる。例えば、Godowskiら(1988)Science 241:812−816を参照のこと。
融合ペプチドは、代表的に、組換え核酸方法または合成ポリペプチド方法のいずれかによってなされる。核酸操作および発現のための技術は、一般的にSambrookら(1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版)、第1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory;およびAusubelら、(1993版)Current Protocols
in Molecular Biology,Greene and Wiley,NYに記載されている。ポリペプチドの合成のための技術が記載されている(例えば、Merrifield(1963)J.Amer.Chem.Soc.85:2149−2156;Merrifield(1986)Science 232:341−347;Athertonら(1989)Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach、IRL Press,Oxford;およびGrant(1992)Synthetic Peptides:A User’s Guide、W.H.Freeman、NY)。再折り畳み方法は、合成タンパク質に適用可能であり得る。
本発明はまた、アミノ酸配列またはグリコシル化におけるバリエーション以外のIL−B50タンパク質の誘導体の使用を意図する。そのような誘導体は、化学部分またはタンパク質キャリアとの共有結合的または凝集的会合を含み得る。共有結合的または凝集的な誘導体は、免疫原として、免疫アッセイにおける試薬として、または結合パートナー(例えば、他の抗原)の親和性精製のような精製方法において有用である。IL−B50は、抗IL−B50抗体もしくは代替の結合組成物のアッセイもしくは精製における使用のために、当該分野で周知の方法により臭化シアン活性化SEPHAROSEのような固体支持体に対する共有結合によって固定され得るか、またはポリオレフィン表面に吸着され得る(グルタルアルデヒド架橋を伴うかまたは伴わない)。IL−B50タンパク質はまた、検出可能な基を用いて、例えば、診断アッセイにおける使用のために標識され得る。IL−B50の精製は、固定された抗体または相補的結合パートナー(例えば、レセプターの結合部分)によって行われ得る。
本発明の可溶化したIL−B50またはフラグメントは、結合について特異的な抗血清もしくは抗体の生成のための免疫原として使用され得る。精製された抗原を使用して、モノクローナル抗体または抗原結合フラグメント(これは、天然の抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab)2など)を含む)をスクリーニングし得る
。精製されたIL−B50抗原はまた、試薬として用いて、サイトカインのレベルの上昇の存在に応答して生成された抗体を検出し得る。このサイトカインのレベルの上昇は、異常または特定の生理学的状態もしくは疾患状態の診断指標であり得る。本発明は、配列番号1または3に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列、あるいはそれを含むタンパク質のフラグメントに対して惹起された抗体を意図する。特に、本発明は、特定のドメイン(例えば、ヘリックスA、B、CまたはD)に対する結合親和性を有するか、またはそれに対して惹起される抗体を意図する。
本発明は、さらなる、密接に関連した種改変体の単離を意図する。サザンブロット分析およびノーザンブロット分析は、類似の遺伝的実体が他の哺乳動物において存在することを確立する。IL−B50は、種改変体(例えば、齧歯類、ウサギ目、肉食動物、偶蹄目、奇蹄目および霊長類)において広汎に存在するようである。
本発明はまた、構造、発現および機能において相違点および類似点の両方を示す関連する抗原の群を単離するための手段を提供する。その分子の多くの生理学的効果の解明は、それらのさらなる異なる種または多型性改変体の単離および特徴付けによって大いに加速される。特に、本発明は、異なる種におけるさらなる相同的な遺伝子実体を同定するための有用なプローブを提供する。
単離された遺伝子は、IL−B50の発現を欠く細胞(例えば、対応するタンパク質を欠き、そして陰性バックグラウンド活性を示す種型または細胞のいずれか)の形質転換を可能にする。これは、形質転換されていないコントロール細胞に比較して、IL−B50の機能の分析を可能にする。
これらの抗原を通じて媒介される種々の生理学的機能を実行する重要な構造的要素の分離は、現代の分子生物学(特に、関連するクラスのメンバーを比較するにおいて)を用いて可能である。例えば、Cunninghamら(1989)Science 243:1339−1336において記載されるホモログスキャニング変異誘発技術;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem.263:15985−15992;およびLechleiterら(1990)EMBO J.9:4381−4390において用いられるアプローチを参照のこと。
細胞内機能は、おそらく、レセプターシグナル伝達を含む。しかし、タンパク質インターナリゼーションが特定の環境下で生じ得、そして細胞内成分とサイトカインとの間の相互作用が生じ得る。IL−B50の相互作用成分との相互作用の特定のセグメントは、変異誘発または直接の生化学的手段によって同定され得る(例えば、架橋方法または親和性方法)。結晶構造解析または他の物理学的方法による構造分析もまた、適用可能であり得る。シグナル伝達の機構のさらなる調査としては、親和性方法によるか、または遺伝的手段(例えば、変異体の補完的分析)によって単離可能であり得る会合成分の研究を含む。
IL−B50の発現および制御のさらなる研究が追跡される。この抗原に会合する制御エレメントは、異なる生理学的、発生学的、組織特異的または他の発現パターンを示す。上流または下流の遺伝子領域(例えば、制御エレメント)が興味深い。
IL−B50抗原の構造的研究は、新たな抗原、特に、その分子に対してアゴニストもしくはアンタゴニストの特性を示すアナログの設計をもたらす。これは、所望されるスペクトルの活性を示す抗原を単離するために、以前に記載されるスクリーニング方法と組み合わせられ得る。
(V.抗体)
抗体は、IL−B50タンパク質の種々のエピトープ(種、多型性、または対立遺伝子の改変体およびそのフラグメントを含む)(その天然に存在する形態およびその組換え形態の両方において)に対して誘発され得る。さらに、抗体は、その活性形態またはその不活性形態のいずれかにおいてIL−B50(これは、ネイティブもしくは変性されたバージョンを含む)に対して誘発され得る。抗イディオタイプ抗体もまた意図される。
抗原の所定のフラグメントに対する抗体(結合フラグメントおよび単鎖バージョンを含む)は、免疫原性タンパク質とフラグメントとの結合体を用いた動物の免疫によって惹起され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。これらの抗体は、正常または欠損のIL−B50に対する結合についてスクリーニングされ得るか、またはアゴニスト作用またはアンタゴニスト作用について、例えば、レセプターを介することによって、スクリーニングされ得る。抗体は、例えば、レセプターに対する結合を立体的にブロックすることによってアゴニスト性またはアンタゴニスト性であり得る。これらのモノクローナル抗体は、通常、少なくとも約1mMのKDで、より通常には、少な
くとも約300μMで、代表的には少なくとも約100μMで、より代表的には少なくとも約30μMで、好ましくは少なくとも約10μMで、そしてより好ましくは少なくとも3μM以下で、結合する。
所定の免疫原(例えば、配列番号2または4のアミノ酸配列からなる免疫原)に対して生成された抗体に特異的に結合するか、または特異的に免疫反応性であるIL−B50タンパク質は、代表的に、免疫アッセイにおいて決定される。免疫アッセイは、代表的に、例えば、配列番号2または4のタンパク質に対して惹起されたポリクローナル抗血清を使用する。この抗血清は、他のIL−7(例えば、ヒトまたは齧歯類のIL−7)、好ましくは同種由来のものに対する低交叉反応性を有するように選択され、そして任意のそのような交叉反応性は、免疫アッセイにおいて使用する前に、免疫吸着によって除去される。
免疫アッセイにおける使用のための抗血清を生成するために、配列番号2または4のタンパク質またはその組合せは、本明細書において記載されるように単離される。例えば、組換えタンパク質は、哺乳動物細胞株において産生され得る。適切な宿主(例えば、Balb/cのようなマウスの近交系統)を、選択されたタンパク質で、代表的には標準的なアジュバント(例えば、フロイントアジュバント)および標準的なマウス免疫プロトコル(HarlowおよびLane前出を参照のこと)を用いて免疫する。あるいは、本明細書に開示される配列に由来し、そしてキャリアタンパク質と結合体化された合成ペプチドを免疫原として使用し得る。ポリクローナル血清を収集し、そして免疫アッセイ(固体支持体に固定された免疫原を用いた固相免疫アッセイ)において免疫原タンパク質に対して力価決定する。104以上の力価のポリクローナル抗血清が選択され、そして他のIL−
7ファミリーメンバー(例えば、齧歯類IL−7)に対するその交叉反応性について、HarlowおよびLane前出(570〜573頁)に記載されるようなもののような競合的結合免疫アッセイを用いて、試験される。好ましくは、少なくとも1つの他のIL−7ファミリーメンバーをこの決定において、例えば、霊長類IL−7とともに使用する。IL−7ファミリーメンバーは、本明細書において記載される標準的な分子生物学およびタンパク質化学技術を用いて組換えタンパク質として生成され得、そして単離され得る。
競合的結合形式における免疫アッセイは、交叉反応性の決定のために使用され得る。例えば、配列番号4のタンパク質は、固体支持体に固定され得る。アッセイに添加されるタンパク質は、固定された抗原に対する抗血清の結合と競合する。上記のタンパク質が固定されたタンパク質に対する抗血清の結合と競合する能力は、配列番号4のタンパク質と比較される。上記のタンパク質についての交叉反応性%は、標準的な計算法を用いて算出される。上記に列挙したタンパク質の各々と10%未満の交叉反応性を有する抗血清が選択され、そしてプールされる。次いで、交叉反応する抗体は、上記に列挙したタンパク質との免疫吸着によってプールされた抗血清から取り出される。
次いで、免疫吸着され、そしてプールされた抗血清を上記の競合的結合免疫アッセイにおいて用いて、免疫原タンパク質(例えば、配列番号2または4のIL−7様タンパク質)に対する第二のタンパク質と比較する。この比較を行うために、この2つのタンパク質を、各々広汎な濃度でアッセイし、そして固定されたタンパク質に対する抗血清の結合の50%を阻害するに必要な各々のタンパク質の量を決定する。必要とされる第二のタンパク質の量が、必要とされる選択されたタンパク質の量の2倍未満である場合、その第二のタンパク質は、その免疫原に対して生成された抗体に対して特異的に結合しているといわれる。
本発明の抗体はまた、診断的適用において有用であり得る。捕獲抗体または非中和抗体の場合、レセプターへの結合を阻害することなく、抗原に結合する能力について、それらの抗体は、スクリーニングされ得る。中和抗体の場合、それらは、競合的結合アッセイにおいて有用であり得る。それらはまた、IL−B50タンパク質またはそのレセプターを検出または定量する工程において有用である。例えば、Chan(1987編)Immunology:A Practical Guide、Academic Press、Orlando、FL;PriceおよびNewman(1991編)Principles and Practice of Immunoasay、Stockton Press、N.Y.;およびNgo(1988編)Nonisotopic Immunoassay、Plenum Press、N.Y.を参照のこと。交差吸収、枯渇または他の手段が規定の選択性の標品、例えば、特有の種特異性、または共有された種特異性を提供する。これらは、種々の群の抗原を同定する試験のための基準であり得る。
さらに、抗原結合フラグメントを含む本発明の抗体は、抗原に結合し、そして例えば、生物学的応答を誘導し得る、レセプターに対する機能的結合を阻害する強力なアンタゴニストであり得る。それらは、また非中和抗体として有用であり得、そして毒素または放射性核種に結合され得、その結果、抗体が抗原に結合する場合、その抗原を発現する細胞は、例えば、その表面上で殺傷される。さらにこれらの抗体は、リンカーにより直接かまたは間接的のいずれかで薬物または他の治療用因子に結合体化され得、そして薬物標的化をもたらし得る。
抗原フラグメントは、免疫原として用いられるポリペプチドに融合されるかまたは共有結合されるように、他の材料、特にポリペプチドに結合され得る。抗原およびそのフラグメントは、種々の免疫原(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、破傷風毒素など)に融合されるかまたは共有結合され得る。以下を参照のこと:Microbiology、Hoeber Medical Division、HarperおよびRow、1969;Landsteiner(1962)Specificity of Serological Reactions、Dover Publications、New York;Williamsら(1967)Methods in Immunology and Immunochemistry、第1巻、Academic Press、New York;ならびにHarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual、CSH Press、NY(ポリクローナル抗血清を調製する方法の説明に関して)。
ある場合には、マウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなどのような種々の哺乳動物宿主からモノクローナル抗体を調製することが望ましい。このようなモノクローナル抗体を調製するための技術の説明は、例えば、以下に見出される:Stitesら(編)Basic and Clinical Immunology(第4版)、Lange Medical Publications、Los Altos、CAおよびその文献中の引用文献;HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual、CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版)、Academic Press,New York;ならびに、特に、KohlerおよびMilsteinのNature 256:495〜497(1975)(モノクローナル抗体生成の方法の1つを考察している)。
他の適切な技術は、抗原性ポリペプチドに対する、あるいは、ファージまたは類似のベクターにおける抗体のライブラリーの選択物に対するリンパ球のインビトロの曝露を含む。Huseら(1989)「Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda」Science 246:1275〜1281;およびWardら(1989)Nature 341:544〜546を参照のこと。本発明のポリペプチドおよび抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体を含む改変を伴って、またはこのような改変なしに用いられ得る。このポリペプチドおよび抗体は、頻繁に、検出可能シグナルを与える物質を共有結合するか、または非共有結合することにより、標識される。広範な種々の標識および結合体化技術が公知であり、そして科学文献および特許文書の両方において広く報告されている。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンまたはキメラ免疫グロブリンが生成され得る(Cabilly、米国特許第4,816,567号;Mooreら、米国特許第4,642,334号;およびQueenら(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029〜10033を参照のこと)、かまたはトランスジェニックマウス中で作製され得る(Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146〜156を参照のこと)。これらの引用文献は参考として本明細書に援用される。
本発明の抗体はまた、タンパク質の単離において親和性クロマトグラフィーに用いられ得る。抗体が固体支持体に結合されるカラムが調製され得る。例えば、Wilchekら(1984)Meth.Enzymol.104:3〜55を参照のこと。抗体を精製するためにはこの逆が用いられ得る。
それぞれのIL−B50に対して惹起された抗体はまた、抗イディオタイプ抗体を惹起するために有用である。これらは、それぞれの抗原の発現に関する種々の免疫学的状態を検出または診断する工程において有用である。
(VI.核酸)
記載したペプチド配列および関連の試薬は、LB−50をコードするDNAクローンを、例えば、天然の供給源から、検出、単離、または同定する工程において有用である。代表的には、それは、哺乳動物から遺伝子を単離する工程において有用であり、そして類似の手順が他の種、例えば、鳥類および哺乳動物のような温血動物から遺伝子を単離するために適用される。交差ハイブリダイゼーションは、同じもの、例えば、多型性改変体、または他の種からのIL−B50の単離を可能にする。多数の異なるアプローチが適切な核酸クローンを首尾良く単離するために利用可能である。
精製したタンパク質または規定のペプチドは、上記の標準的方法により抗体を生成するために有用である。合成ペプチドまたは精製タンパク質は、免疫系に提示され、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を生成し得る。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。
例えば、特定の結合組成物が、IL−B50を発現する細胞系統から作製された発現ライブラリーのスクリーニングに用いられ得る。細胞内発現のスクリーニングは、種々の染色または免疫蛍光手順により実施され得る。結合組成物は、親和性精製するためか、または表面融合タンパク質を発現する細胞を分別するために用いられ得る。
このペプチドセグメントはまた、ライブラリーをスクリーニングするための適切なオリゴヌクレオチドを予測するために用いられ得る。この遺伝子コードは、スクリーニングのためのプローブとして有用な適切なオリゴヌクレオチドを選択するために用いられ得る。例えば、配列番号1または3を参照のこと。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術と組み合わせて、合成オリゴヌクレオチドは、ライブラリー由来の正しいクローンを選択することにおいて有用である。相補配列はまた、プローブ、プライマーまたはアンチセンス鎖として用いられる。種々のフラグメントは、例えば、固定されたベクターもしくはポリ−A相補的PCR技術と組み合わされて、または他のペプチドの相補的DNAと組み合わされて、特に有用であるはずである。
本発明は、IL−B50ポリペプチドに対応するが、特に記載される配列の非翻訳5’部分をコードする部分を欠如する、生物学的活性をコードする、単離されたDNAまたはフラグメントの使用を意図する。さらに、本発明は、生物学的に活性なタンパク質またはポリペプチドをコードし、そして本明細書中に記載されるDNA配列と適切な条件下でハイブリダイズし得る、単離されたDNAまたは組換えDNAを含む。上記の生物学的に活性なタンパク質またはポリペプチドは、インタクトな抗原、またはフラグメントであり得、そして例えば、配列番号2または4に開示されるアミノ酸配列(特に成熟な分泌ポリペプチド)を有する。さらに、本発明は、分泌型IL−B50に高い同一性を示すタンパク質をコードする、単離されたDNAまたは組換えDNA、あるいはそれらのフラグメントの使用を含む。この単離されたDNAは、5’および3’の近隣にそれぞれの調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナル、および他のもの)を有し得る。あるいは、発現は、コードセグメントを、異種プロモーターに作動可能に連結することによって(例えば、内因性遺伝子の上流にプロモーターを挿入することによって)もたらされ得る。例えば、Trecoら、WO96/29411または米国特許出願第08/406,030号を参照のこと。
「単離された」核酸は、核酸(例えば、RNA、DNA、または混合ポリマー)であり、ネイティブな配列を天然に伴う他の成分(例えば、もともとの種に由来するリボソーム、ポリメラーゼ、および/または隣接ゲノム配列)から実質的に分離される。この用語は、その天然に存在する環境から除去されている核酸配列を含み、そして組換えDNA単離物またはクローニングされたDNA単離物、および化学的に合成されたアナログまたは異種系によって生物学的に合成されたアナログを含む。実質的に純粋な分子は、この分子の単離された形態を含む。一般に、この核酸は、約50kb未満、通常、約30kb未満、代表的には約10kb未満、および好ましくは約6kb未満のベクターまたはフラグメント中にある。
単離された核酸は、一般に、分子の均質な組成物であるが、いくつかの実施態様では、わずかな不均質性を含む。この不均質性は、代表的には、所望される生物学的機能または活性に重要ではない、このポリマーの末端または部分にて見出される。
「組換え」核酸は、その産生方法またはその構造のいずれかによって規定される。産生方法(例えば、プロセスにより作製される産物)を参照すると、このプロセスは、組換え核酸技術の使用(例えば、ヌクレオチド配列において、ヒトの介入、代表的には選択または産生を含む)である。あるいは、これは、天然では互いに連続していないが、天然産物(例えば、天然に存在する変異体)を除外することを意味する、2つのフラグメントの融合物を含む配列を作成することによって作製される核酸であり得る。従って、任意の合成オリゴヌクレオチドプロセスを使用することに由来する配列を含む核酸のように、例えば、任意の天然に存在しないベクターで細胞を形質転換することによって作製される産物が、含まれる。このようなものは、しばしば、同じアミノ酸または保存的アミノ酸をコードするが、代表的には配列認識部位を導入または除去する冗長(redundant)コドンでコドンを置換するためになされる。
あるいは、通常入手可能な天然形態において見出されない機能の所望される組合せを含む、単一の遺伝子実体を作製するために、所望の機能の核酸セグメントを一緒に連結することが行われる。制限酵素認識部位は、しばしば、このような人工操作の標的であるが、他の部位特異的標的(例えば、プロモーター、DNA複製部位、調節配列、制御配列、または他の有用な特性)が、設計により取り込まれ得る。同様の概念が、組換え(例えば、融合)ポリペプチドに意図される。遺伝暗号の冗長性によって、これらの抗原のフラグメントに類似するポリペプチドをコードする合成核酸、および種々の異なる種改変体または多型改変体に由来する配列の融合物が、特に含まれる。
核酸の状況における有意な「フラグメント」は、少なくとも約17個のヌクレオチド、一般には少なくとも約22個のヌクレオチド、通常には少なくとも約29個のヌクレオチド、よりしばしば少なくとも約35個のヌクレオチド、代表的には少なくとも約41個のヌクレオチド、通常少なくとも約47個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも約55個のヌクレオチド、および特に好ましい実施態様では少なくとも約60個以上のヌクレオチド(例えば、67個、73個、81個、89個、95個など)の連続するセグメントである。
IL−B50タンパク質をコードするDNAは、関連するタンパク質または同様なタンパク質をコードする遺伝子、mRNA、およびcDNA種、ならびに異なる種由来の相同タンパク質をコードするDNAを同定するために特に有用である。他の種(霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、および鳥類を含む)においてホモログが存在する。種々のIL−B50タンパク質は、相同であるはずであり、そして本明細書中に含まれる。しかし、この抗原に対してより異なる進化関係を有するタンパク質でさえ、それらが十分に相同である場合には、これらの配列を使用して、適切な条件下で容易に単離され得る。霊長類IL−B50タンパク質は、特に興味深い。
ゲノム配列に由来する組換えクローン(例えば、イントロンを含む)は、トランスジェニック研究(例えば、トランスジェニック細胞および生物を含む)のためおよび遺伝子治療のために有用である。例えば、Goodnow(1992)「Transgenic Animals」Roitt(編)Encyclopedia of Immunology、Acedemic Press、San Diego、1502〜1504頁;Travis(1992)Science 256:1392〜1394;Kuhnら(1991)Science 254:707〜710;Capecchi(1989)Science 244:1288;Robertson(1987年版)Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach、IRL Press、Oxford;およびRosenberg(1992)J.Clinical Oncology 10:180〜199を参照のこと。
核酸配列の比較状況における実質的相同性(例えば、同一性)は、このセグメントまたはそれらの相補鎖のいずれかが比較された場合に、このヌクレオチドの少なくとも約50%、一般には少なくとも約58%、通常少なくとも約65%、しばしば少なくとも約71%、代表的には少なくとも約77%、通常少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約95〜98%以上、および特に好ましい実施態様では、このヌクレオチドの約99%以上の高さにおいて、適切なヌクレオチドの挿入体または欠失体と最適に整列される場合に同一であることを意味する。あるいは、このセグメントが、代表的には、IL−B50の配列(例えば、配列番号1または3における)を使用して、選択的なハイブリダイゼーション条件下で、鎖またはその相補体にハイブリダイズする場合に、実質的な相同性が存在する。代表的には、少なくとも約30個のヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約55%の同一性、好ましくは、約25個のヌクレオチドのストレッチにわたって少なくとも約75%、および最も好ましくは、少なくとも約20個のヌクレオチドにわたって少なくとも約90%が存在する場合に、選択的なハイブリダイゼーションが生じる。Kanehisa(1984)Nuc.Acids Res.12:203〜213を参照のこと。記載されるように、同一性比較の長さは、より長いストレッチにわたってであり得、そして特定の実施態様では、少なくとも約17個のヌクレオチド、通常少なくとも約28個のヌクレオチド、代表的には少なくとも約40個のヌクレオチド、および好ましくは少なくとも約75個〜100個以上のヌクレオチドのストレッチにわたってである。
ハイブリダイゼーションの状況における相同性に関しては、ストリンジェントな条件は、塩、温度、有機溶媒、および他のパラメーター、代表的には、ハイブリダイゼーション反応において制御されるパラメーターの、組み合わされた、ストリンジェントな条件である。ストリンジェントな温度条件には、通常、約30℃以上、通常約37℃以上、代表的には約55℃、60℃、65℃以上、または好ましくは約70℃以上の温度が挙げられる。ストリンジェントな塩条件は、通常、約1000または600mM未満、通常約400mM未満、代表的には約250mM未満、好ましくは約150mM未満(約100mM、50mMまたは20mMさえも含む)である。しかし、パラメーターの組合せは、任意の単一のパラメーターの尺度よりもはるかに重要である。例えば、WetmurおよびDavidson(1968)J.Mol.Biol.31:349〜370を参照のこと。ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションは、バックグランドに対して少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも3〜5以上のバックグランドを生じるべきである。
配列比較については、代表的には、1つの配列は、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列は、コンピューターに入力され、続いて、必要な場合に座標が指定され、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列についての配列同一性パーセントを算定する。
比較のための配列の最適な整列が、例えば、SmithおよびWaterman(1981)Adv.Appl.Math.2:482の局所相同性アルゴリズムによってか、NeedlemanおよびWunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の相同性整列アルゴリズムによってか、PearsonおよびLipman(1988)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 85:2444の類似性方法の検索によってか、これらのアルゴリズムのコンピューターでの実行(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によってか、または視覚検査(一般に、Ausubelら、前出を参照のこと)によって、実施され得る。
有用なアルゴリズムの1例は、PILEUPである。PILEUPは、関係および配列同一性パーセントを示す進歩的な対をなす整列を使用して、関連配列の群から複数の配列の整列を作成する。これはまた、整列を作成するために使用さえる断片化した関係を示すツリーまたは系統樹をプロットする。PILEUPは、FengおよびDoolittle(1987)J.Mol.Evol.35:351〜360の進歩的な整列方法の単純化を使用する。使用される方法は、HigginsおよびSharp(1989)CABIOS 5:151〜153により記載される方法に類似する。このプログラムは、300個まで整列し得る(各々、5,000ヌクレオチドまたはアミノ酸の各々の配列の最大の長さ)。この複数の整列手順は、2つの最も類似する配列の対をなす整列で開始し、これにより2つの整列された配列のクラスターを生成する。次いで、このクラスターは、次に最も関連する配列または整列された配列のクラスターに対して整列される。配列の2つのクラスターは、2つの個々の配列の対をなす整列の単純な伸長によって整列される。最終的な整列は、一連の進歩的な対をなす整列によって達成される。このプログラムは、特定の配列、および配列比較の領域についてそれらのアミノ酸またはヌクレオチドの座標を指定することによって、ならびにこのプログラムパラメーターを指定することによって実行され得る。例えば、参照配列は、以下のパラメーターを使用して、配列同一性パーセントの関係を決定するために、他の試験配列と比較される:default gap weight(3.00)、default gap length weight(0.10)、およびweighted end gaps。
配列同一性パーセントおよび配列類似性パーセントを決定するために適切であるアルゴリズムの別の例は、BLASTアルゴリズムである。これは、Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403〜410に記載される。BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http:www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列される場合に、一致するかまたはいくらかの正の値となる閾値スコアTを満たすかのいずれかである、問合せ配列中の長さWの短いワードを同定することによって、高いスコア付け配列対(HSP)をまず同定することを包含する。Tは、隣接ワードスコア閾値(neighborhood word score threshold)といわれる(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含む、より長いHSPを見出す検索を開始するためのシードとして作用する。次いで、このワードヒットは、累積的な整列スコアが増大され得る限り、各々の配列に沿って両方の方向に伸長される。各々の方向におけるこのワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積的整列スコアがその最大に達成された値から量Xだけ落ち込むか;累積的スコアが、1以上の負のスコアとなる残基の整列の蓄積に起因して0以下になるか;または、いずれかの配列の末端に達する場合。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、およびXは、整列の感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、11のワード長(W)、50のBLOSUM62スコア付けマトリクス(HenikoffおよびHenikoff(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 89:10915)整列(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、ならびに両方の鎖の比較を使用する。
配列同一性割合の計算に加えて、BLASTアルゴリズムもまた、2つの配列間の類似性の統計分析を実施する(例えば、KarlinおよびAltschul(1993)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 90:5873−5787を参照のこと)。BLASTアルゴリズムにより提供された類似性の一つの測定は最小合計確率(P(N))であり、これは、確率の指標を提供し、これにより2つのヌクレオチド配列または2つのアミノ酸配列の間の一致が偶然に生じる。例えば、試験核酸と参照核酸との比較おける最小合計確率が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、そして最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は参照配列と類似していると考えられる。
下記のように、ポリペプチドの2つの核酸配列が実質的に同一であるというさらなる指標は、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、第2の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫学的に交叉反応性であるということである。従って、例えば、2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合、代表的に、ポリペプチドは、第2のポリペプチドと実質的に同一である。下記のように、2つの核酸配列が実質的に同一である別の指標は、この2つの分子は、ストリンジェントな条件下でお互いにハイブリダイズするということである。
他の哺乳動物種由来のIL−B50がクローン化され得、そして近縁種の交叉種ハイブリダイゼーションにより単離され得る。相同性は、遠縁種間では比較的低くなり得、従って、比較的近縁な種のハイブリダイゼーションが、得策である。あるいは、低い種特異性を示す抗体調製物の調製は、発現クローニングアプローチにおいて有用であり得る。
(VII.IL−B50、模倣物の作製)
IL−B50またはそのフラグメントをコードするDNAは、化学合成、cDNAライブラリーをスクリーニングすること、または広範に種々の細胞株または組織試料より調製されたゲノムライブラリーをスクリーニングすることにより得られ得る。例えば、OkayamaおよびBerg(1982)Mol.Cell.Biol.2:161−170;GublerおよびHofman(1983)Gene25:263−269;およびGlover(編。1984)DNA Cloning:A Practical Approach、IRL Press、Oxfordを参照のこと。あるいは、本明細書中に提供される配列は、有用なPCRプライマーを提供するか、または、IL−B50をコードする適切な遺伝子の合成または他の調製を可能にする(天然に存在する実施態様を含む)。
このDNAは、代りに、例えばポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を産生するために使用され得る全長IL−B50またはフラグメントの合成のため;結合研究のため;改変された分子の構築および発現のため;および構造/機能研究のために広範に種々の宿主細胞内で発現され得る。
本明細書中で使用される場合、ベクターは、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組み込み可能なDNAフラグメント、およびDNAフラグメントを宿主のゲノム内に組み込むことを可能にする他のビヒクルを含む。例えば、Pouwels、ら(1985および補遺)Cloning Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier、N.Y.;およびRodriguez、ら(編。1988)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、MAを参照のこと。
本発明の目的のために、DNA配列が機能的にお互いに関連する場合、それらは作動可能に連結される。例えば、DNAが前タンパク質として発現されるか、またはポリペプチドの細胞膜への方向づけ、もしくはそのポリペプチドの分泌に関与する場合、前配列または分泌性リーダーのDNAが、ポリペプチドに作動可能に連結される。プロモーターがそのポリペプチドの転写を制御する場合、プロモーターはコード配列に作動可能に連結される;リボソーム結合部位が翻訳を可能にするために配置された場合、リボソーム結合部位はコード配列に作動可能に連結される。通常、作動可能に連結されるとは、連続することおよびリーディングフレーム内にあることを意味するが、特定の遺伝子エレメント(例えば、リプレッサー遺伝子)は連続的に連結されていないが、代りに発現を制御するオペレーター配列にさらに結合する。例えば、Rodriguez、ら、Chapter 10、205〜236頁;BalbasおよびBolivar(1990)Methods in Enzymology 185:14〜37;およびAusubel、ら(1993)Current Protocols in Molecular Biology、GreeneおよびWiley、NYを参照のこと。
適切な発現ベクターの代表的な例としては、pCDDNA1が挙げられる;pCD、Okayamaら(1985)Mol.Cell.Biol.5:1136〜1142を参照のこと;pMC1neo Poly−A、Tomasら、(1987)Cell 51:503〜512を参照のこと;およびバキュロウイルスベクター(例えば、pAC 373またはpAC 610)。例えば、Miller(1988)Ann.Rev.Microbiol.42:177〜199を参照のこと。
特定のグリコシル化パターンまたは限定されたグリコシル化パターンを提供する系において、IL−B50ポリペプチドを発現することがしばしば所望される。例えば、LuckowおよびSummers(1988)Bio/Technology 6:47〜55;およびKaufman(1990)Meth.Enzymol.185:487〜511を参照のこと。
IL−B50、またはそのフラグメントは、細胞膜と連結されるホスファチジルイノシトール(PI)になるように設計され得るが、ホスファチジルイノシトール切断酵素(例えば、ホスファチジルイノシトールホスホリパーゼ−C)を用いる処理により膜から除去され得る。これは、生物学的に活性な形態で抗原を放出し、そしてタンパク質化学の標準的な手順による精製を可能にする。例えば、Low(1989)Biochim.Biophys.Acta 988:427〜454;Tseら、(1985)Science
230:1003〜108;およびBrunnerら、(1991)J.Cell Bio.114:1275〜1283を参照のこと。
IL−B50が特徴づけされた以上は、フラグメントまたはその誘導体が、ペプチドを合成するために従来のプロセスにより調製され得る。これらとしては、StewartおよびYoung(1984)Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co、Rockford、IL;BodanszkyおよびBodanszky(1984)The Practice of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、New York;Bodanszky(1984)The Principle of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、New York;およびVillafranca(編。1991)Techniques in Protein Chemistry II、Academic Press、San Diego、Caに記載されるようなプロセスが挙げられる。
(VIII.使用)
本発明は、本明細書中の他の場所に記載されるように(例えば、IL−B50媒介性条件内、または下記の診断用のキットの説明書内)、診断的的適用における使用を見出す試薬を提供する。この遺伝子は、法医科学(例えば、ヒトとげっ歯動物を区別すること、または差次的発現もしくは改変パターンを示す異なる細胞間を区別するためのマーカーとして)において有用であり得る。
本発明はまた、有意な商業上および/または治療上の可能性を有する試薬を提供する。IL−B50に対する結合親和性を有するものとして同定された化合物に加えて、IL−B50(天然に存在するか、または組換え体)、そのフラグメントおよびそれに対する抗体は、分子生物学、免疫学、または生理学の教示技術のための試薬として有用であるはずである。適切なキットが、例えば、タンパク質、抗体、クローニング方法、組織学などの産生または使用における実際の研究室での演習において、この試薬とともに調製され得る。
この試薬はまた、炎症状態を含む異常な生理または発生に関連する状態の処置において有用である。この試薬は、相互作用する成分の存在および非存在についてのインビトロ試験において有用であり得、その成分は特定の処置ストラテジーの成功に関連し得る。特に、種々の細胞(例えば、造血性細胞またはリンパ球)の生理の改変は、本明細書中に提供される組成物を使用する処置についての適切な方法によって達成される。例えば、Thomon(編。1998)The Cytokine Handbook(第3版)Academic Press、San Diego;MetcalfおよびNicola(1995)The Hematopoietic Colony Stimulating
Factors Cambridge University Press;およびAggarwalおよびGutterman(1991)Human Cytokines
Blackwell Pubを参照のこと。
例えば、異常な発現またはIL−B50による異常な情報伝達に関連する疾患または障害は、アゴニストまたはアンタゴニストの標的のようである。新しいサイトカインが、造血性細胞(例えば、リンパ球)の調節および発達において役割を果たすはずであり、これは免疫学的応答(例えば、炎症および/または自己免疫障害)に影響を及ぼす。あるいは、それは血管生理学もしくは血管発生、または神経細胞効果に影響を及ぼし得る。
特に、種々の状況において、サイトカインは、細胞、増殖などによりサイトカイン合成を媒介するはずである。IL−B50のアンタゴニスト(例えば、天然に存在するIL−B50の形態のムテイン改変体またはブロック抗体)は、例えば、炎症または自己免疫応答のような状況において、免疫応答をブロックする選択的かつ強力な方法を提供し得る。Samterら、(編)Immunological Disseases 第1および2巻、Little、BrownおよびCo.を参照のこと。
種々の異常な状態が、IL−B50を産生する(例えば、ノーザンブロット分析によるmRNA発現により評価されるように、)異なる細胞型において公知である。Berkow(編)The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、Merck&Co.、Rahway、N.J.;Thorn、ら、Harrison’s Principles of Internal Medicine、McGraw−Hill、N.Y.;およびWeatherall、ら(編)Oxford Textbook of Medicine、Oxford University Press、Oxfordを参照のこと。多くの他の医学的条件および疾患が、マクロファージまたは単球による活性化に関し、そしてこれらの多くは、本明細書中に提供されるアゴニストまたはアンタゴニストによる処置に対して応答性である。例えば、StitesおよびTerr(編;1991)Basic and Cinical Immunology AppletonおよびLange、Norwalk、Connecticut;およびSamter、ら(編)Immunological Diseases Little、BrownおよびCo.を参照のこと。これらの問題は、本明細書中に提供される組成物を使用する予防または処置に対して感受性であるはずである。
IL−B50、アンタゴニスト、抗体、などが精製され得、次いで、患者、獣医またはヒトに投与され得る。これらの試薬は、例えば、従来の薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤(例えば、生理学的に無害な安定化剤、賦形剤、または保存剤に加えて、免疫原性アジュバンド)における治療的使用について付加的な活性成分または不活性成分と併用され得る。これらの組み合わせは、ろ過滅菌され得、そして投薬量バイアル中での凍結乾燥、または安定化された水性調製物中での貯蔵により投薬量形態の中に置かれる。本発明はまた、補体結合ではない形態を含み、抗体またはそれの結合フラグメントの使用を意図する。
IL−B50またはそのフラグメントを使用した薬物スクリーニングは、関連する成分の単離を含む、IL−B50の機能に対する結合親和性または他の関連する生物学的効果を有する化合物を同定するために実施され得る。次いで、その化合物が内因性の刺激活性を有するか否か、それゆえ、その化合物がサイトカインの活性をブロックするという点でその化合物がブロッカーまたはアンタゴニストであるか否かを決定するために後の生物学的アッセイが利用され得る。同様に、内因性の刺激活性を有する化合物はシグナル経路を活性化し得、従って、それはIL−B50の活性を刺激するという点でアゴニストである。本発明はさらに、アンタゴニストとしてのIL−B50に対するブロック抗体およびアゴニストとしての刺激性抗体の治療的使用を意図する。このアプローチは、他のIL−B50種改変体とともに特に有用であるはずである。
有効な治療のために必要な試薬の量は、投与の手段、標的部位、患者の生理学的状態、および投与された他の医薬(medicant)を含む、多くの異なる要因に依存する。従って、安全性および効果を最適化するために、処置投薬量は滴定されるべきである。代表的に、インビトロにおいて使用される投薬量は、これらの試薬のインサイチュでの投与に有用な量における有用なガイダンスを提供し得る。特定の障害の処置のための効果的な用量の動物実験は、ヒト投薬量の予測的な指標をさらに提供する。種々の意図が記載される。例えば、Gilmanら、(編)Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics、最新版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、最新版、Mack Publishing Co.、Easton、Penn。投与の方法は、そこで、および下記において議論されている(例えば、経口投与、静脈内投与、腹膜内投与または筋肉内投与、経皮拡散、など)。薬学的に受容可能なキャリアには、水、生理食塩水、緩衝液および,例えば、Merck
Index,Merck&Co.,Rahway,New Jerseyに記載される他の化合物が挙げられる。投薬量の範囲は、適切なキャリアとともに、通常1mM濃度よりも低い量が予想され、代表的には約10μM濃度未満であり、通常は約100nM未満であり、好ましくは、約10pM(ピコモル濃度)未満であり、および最も好ましくは約1fM(フェムトモル濃度)未満である。遅い放出の処方物または遅い放出の装置は、連続的な、または長期の投与に対してしばしば利用される。例えば、Langer(1990)Science 249:1527〜1533を参照のこと。
IL−B50、そのフラグメント、およびそれに対する抗体またはそのフラグメント、アンタゴニスト、およびアゴニストが宿主に直接投与されて処理され得るか、化合物のサイズに依存して、投与する前に化合物をキャリアタンパク質(例えば、オボアルブミンまたは血清アルブミン)に結合体化することが所望され得る。治療的処方物が、多くの従来の投薬量処方物において投与され得る。活性成分が単独で投与されることは可能であるが、一方、薬学的な処方物として存在することが好ましい。代表的に、処方物は、その1つ以上の受容可能なキャリアとともに少なくとも1つの活性成分(上記に定義されるように)を含む。各キャリアは、他の成分と適合し、かつ患者に無害であるという意味において薬学的および生理学的の両方で受容可能であるべきである。処方物は、経口、直腸、経鼻、局所的、または非経口的投与(皮下、筋肉内、静脈内、および皮内を含む)についての適切な処方物を含む。処方物は、単一投薬量形態内に都合良く存在し得、そして薬学分野において周知の任意の方法によって調製され得る。例えば、Gilman、ら(編 1990)Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Base of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(1990)、Mack Publishing Co.、Easton、Penn;Avisら、(編 1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications、Dekker、New York;Liebermanら、(編 1990)Pharmaceutical
Dosage Forms:Tablets、Dekker、New
York;およびLiebermanら、(編 1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse System、Dekker、New Yorkを参照のこと。本発明の治療法は、他の薬剤(例えば、IL−7を含む他のサイトカイン、またはそのアンタゴニスト)と併用され得るか、または他の薬剤(例えば、IL−7を含む他のサイトカイン、またはそのアンタゴニスト)と関連して使用され得る。
本発明のIL−B50の天然に存在する形態および組換え形態の両方が、タンパク質に対する結合活性について化合物をスクリーニングし得るキットおよびアッセイ方法において特に有用である。自動アッセイのいくつかの方法が、何万という化合物を短期間でスクリーニングするために近年開発されてきた。例えば、Fodorら、(1991)Science 251:767〜773を参照のこと(これは、固形基板上で合成された複数の限定されたポリマーによる結合親和性を試験するための手段を記載している。適切なアッセイの開発が、本発明により提供される、大量の精製された可溶性IL−B50のアベイラビリティーにより大いに促進され得る。
他の方法が、IL−B50−IL−B50レセプター相互作用における重大な残基を決定するために使用され得る。変異分析(例えば、Somozaら、(1993)J.Exptl.Med.178:549〜558を参照のこと)が、相互作用および/またはシグナル伝達において重大な特定の残基を決定するために実施され得る。PHD(RostおよびSander(1994)Proteins 19:55〜72)およびDSC(KingおよびSternberg(1996)Protein Sci.5:2298〜2310)は、α−ヘリックス(H)、β−ストランド(E)、またはコイル(L)の二次構造の予測を提供する。ヘリックスDがより重要な領域であるとともに、ヘリックスAおよびDは、レセプター相互作用において最も重要である。ヘリックスAは、ヒトにおいてほぼlys10〜tyr26にまでおよび(配列番号4)、ヘリックスBは、ほぼhis46〜asn57にまでおよび;ヘリックスCは、ほぼglu68〜trp81にまでおよび;そしてヘリックスDは、ほぼasn107〜ほぼleu127位にまでおよぶ。表面が曝露される残基はレセプター結合に影響を及ぼし、一方で、包埋した残基は一般的な構造に影響を及ぼす。
例えば、通常、アンタゴニストが一旦見出されると、抗原が構造的に定義される(例えば、三次構造データにより)。潜在的に相互作用するアナログの試験が、精製されたIL−B50を使用する高度に自動化されたアッセイ方法の開発上、今は可能である。特に、新しいアゴニストおよびアンタゴニストが、本明細書中に記載されるスクリーニング技術を使用することにより発見される。IL−B50分子のスペクトルについて組み合わされた結合親和性を有することを見出された化合物が特に重要である(例えば、IL−B50の種改変体に対するアンタゴニストとして作用し得る化合物)。
薬物スクリーニングの1つの方法は、IL−B50を発現する組換えDNA分子で安定に形質転換される真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を利用する。他の分子からの単離の際、IL−B50を発現する細胞が単離され得る。そのような細胞は、生存可能な形態かまたは固定化された形態のいずれかであり、標準結合パートナー結合アッセイのために使用され得る。Parceら、(1989)Science 246:243〜247;およびOwicki、ら(1990)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 87:4007〜4011もまた参照のこと(これは細胞性応答を検出するための敏感な方法を記載する)。
薬物スクリーニングについての別の技術は、IL−B50に対して適切な結合親和性を有する化合物についてのハイスループットスクリーニングを提供するアプローチを包含し、そしてGeysen、欧州特許出願84/03564(1984年9月13日公開)に詳細に記載されている。まず、多数の異なる低分子ペプチド試験化合物を固体基板(例えば、プラスチックピンまたはいくつかの他の適切な表面(Fodorら(1991)を参照のこと))上で合成する。次いで、すべてのピンを、可溶化未精製IL−B50または可溶化精製IL−B50と反応させ、そして洗浄する。次の工程は、結合したIL−B50を検出する工程を包含する。
合理的な薬物設計はまた、IL−B50および他のエフェクターまたはアナログの分子形状の構造的研究に基づき得る。エフェクターは、結合に応答して他の機能を媒介する他のタンパク質であり得るか、またはIL−B50と通常相互作用する他のタンパク質(例えば、レセプター)であり得る。どの部位が特定の他のタンパク質と相互作用するかを決定するための1つの手段は、物理的構造決定(例えば、X線結晶学または2次元NMR技術)である。これらは、例えば、他のサイトカインレセプターモデルに対してモデル化される場合に、どのアミノ酸残基が分子接触領域を形成するかに関する指針を提供する。タンパク質の構造決定の詳細な説明については、例えば、BlundellおよびJohnson(1976)Protein Crystallography、Academic Press、New Yorkを参照のこと。
(IX.キット)
本発明はまた、種々の診断用キットにおけるIL−B50タンパク質、そのフラグメント、ペプチド、およびそれらの融合産物の使用、ならびに別のIL−B50または結合パートナーの存在を検出するための方法を意図する。代表的には、このキットは、規定されたIL−B50ペプチドもしくは遺伝子セグメント、または1つもしくは他のもの(例えば、IL−B50フラグメントまたは抗体)を認識する試薬のいずれかを含む区画を備える。
IL−B50に対する試験化合物の結合親和性を決定するためのキットは、代表的に、以下を備える;試験化合物;標識された化合物(例えば、IL−B50に対して既知の結合親和性を有する結合パートナーまたは抗体);IL−B50の供給源(天然に存在するかまたは組換え);および遊離の標識された化合物から結合化合物を分離させるための手段(例えば、分子を固定するための固相)。一旦、化合物がスクリーニングされると、抗原に対して適切な結合親和性を有する化合物は、それらがIL−B50シグナル伝達経路に対するアゴニストまたはアンタゴニストとして作用するか否かを決定するために、当該分野において周知のような適切な生物学的アッセイで評価され得る。組換えIL−B50ポリペプチドが利用可能であることはまた、このようなアッセイを較正するための十分に規定された標準物を提供する。
サンプルにおける例えば、IL−B50の濃度を決定するための好ましいキットは、代表的に、以下を備える;抗原に対して既知の結合親和性を有する、標識された化合物(例えば、結合パートナー又は抗体)、サイトカインの供給源(天然に存在するかまたは組換え)、および遊離の標識された化合物からその結合化合物を分離させるための手段(例えば、IL−B50を固定するための固相)。試薬を含む区画および使用説明書が、通常提供される。
IL−B50またはフラグメントに特異的な抗体(抗原結合フラグメントを含む)は、IL−B50および/またはそのフラグメントの上昇レベルの存在を検出するための診断的適用において有用である。このような診断的アッセイは、溶解産物、生存細胞、固定細胞、免疫蛍光検査法、細胞培養、体液を使用し得、そしてさらに、血清中の抗原に関連する抗原の検出などを包含し得る。診断的アッセイは、均質性(遊離試薬と抗原結合パートナーの複合体の間の分離工程を伴わない)または異質性(分離工程を伴う)であり得る。種々の市販のアッセイが存在する(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、酵素免疫検定法(EIA)、酵素増幅免疫測定法(EMIT)、基質標識蛍光イムノアッセイ(SLFIA)など)。例えば、Van Vunakisら(1980)、Meth Enzymol.70:1−525;HarlowおよびLane(1980)、Antibodies:A Laboratory
Manual、CHS Press、NY;およびColiganら(1993年版)、Current Protocols in Immunology、Greene and Wiley、NYを参照のこと。
抗イディオタイプ抗体は、種々の異常な状態に関して診断的であり得るような、IL−B50に対する抗体の存在を診断するために、類似の用途を有し得る。例えば、IL−B50の過剰産生は、特に増殖的な細胞状態(例えば、癌または異常な活性化もしくは分化)において、異常な生理学的状態に関して診断的であり得る種々の免疫学的反応の生成を生じ得る。さらに、利用可能な分布パターンは、サイトカインがランゲルハンス島において発現されるという情報を提供し、これは、サイトカインがその器官の機能(例えば、糖尿病に関連する医学的状態)に関与し得るという可能性を示唆する。
頻繁には、診断的アッセイのための試薬は、アッセイの感度を最適化するようにキット内に供給される。本発明について、アッセイの性質に依存して、プロトコール、および標識、標識されているかまたは標識されていない抗体または結合パートナーのいずれか、あるいは標識されたIL−B50が提供される。これを、通常、他の添加物(例えば、緩衝液、安定剤、シグナル生成に必要な物質(例えば、酵素のための基質)など)と組み合わせる。好ましくは、このキットはまた、適切な使用および使用後の内容物の処分についての使用説明書を備える。代表的には、このキットは、各々の有用な試薬についての区画を備える。望ましくは、この試薬は、乾燥した凍結乾燥粉末として提供され、ここで試薬は、水性媒体中で再構成され得、アッセイを実施するために適切な試薬濃度を提供する。
多くの上述の薬物スクリーニングおよび診断的アッセイの構成要素は、改変を伴わずに使用され得るか、または種々の手段で改変され得る。例えば、標識化は、検出可能なシグナルを直接的または間接的に提供する部分を共有結合または非共有結合することによって達成され得る。これらのアッセイのいずれにおいても、結合パートナー、試験化合物、IL−B50、またはそれらに対する抗体は、直接的または間接的のいずれかで標識され得る。直接的標識化のための可能性としては、標識基:放射標識(例えば、125I)、酵素
(米国特許第3,645,090号)(例えば、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼ)、ならびに蛍光強度、波長の変化、または蛍光の偏光における変化をモニタリングし得る蛍光標識(米国特許第3,940,475号)が挙げられる。間接的標識化のための可能性としては、1つの構成要素のビオチン化、次ぐ上記の標識基のうちの1つに連結されたアビジンへの結合が挙げられる。
遊離IL−B50から結合IL−B50を、あるいは遊離試験化合物から結合化合物を分離する多数の方法もまた存在する。IL−B50は、種々のマトリクス上に固定され得、次いで洗浄される。適切なマトリクスとしては、プラスチック(例えば、ELISAプレート)、フィルター、およびビーズが挙げられる。例えば、Coliganら(1993年版)、Current Protocols in Immunology、第1巻、第2節、Greene and Wiley、NYを参照のこと。他の適切な分離技術としては、Rattleら(1984)、Clin.Chem.30:1457−1461に記載されるフルオレセイン抗体磁化可能粒子方法、および米国特許第4,659,678号に記載のような二重抗体磁気粒子分離が挙げられるが、これらに限定されない。
種々の標識にタンパク質またはそれらのフラグメントを連結する方法は、文献に広範に報告されており、本明細書中で詳細に考察する必要はない。多くの技術は、ペプチド結合を形成するためのカルボジイミドまたは活性エステルの使用、連結のための活性化ハロゲン(クロロアセチル)または活性化オレフィン(例えば、マレイミド)とメルカプト基の反応によるチオエーテルの形成、などのいずれかを介した活性化カルボキシル基の使用を包含する。融合タンパク質はまた、これらの適用において用途を見出す。
本発明の別の診断的局面は、IL−B50の配列から取得されるオリゴヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド配列の使用に関する。これらの配列は、異常な状態(例えば、炎症または自己免疫)を有することが疑われる患者由来のサンプルにおいて、IL−B50メッセージのレベルを検出するためのプローブとして使用され得る。サイトカインは、活性化についてのマーカーまたはメディエーターであり得るので、例えば、その効果が顕著になり進行する前に予防様式で、例えば、いつさらなる治療が要求され得るかを決定するために、活性化細胞の数を決定することが有用であり得る。RNAおよびDNAの両方のヌクレオチド配列の調製、配列の標識化、ならびに配列の好ましいサイズは、文献で十分な説明および考察が受け取られる。例えば、Langer−Saferら、(1982)Proc.Nat’l.Acad.Sci.79:4381−4385;Caskey(1987)、Science 236:962−967;およびWilchekら(1988)、Anal.Biochem.171:1−32を参照のこと。
他の分子の定性的または定量的発現についても試験する診断用キットもまた意図される。診断または予後は、マーカーとして使用される複数の指標の組み合わせに依存し得る。従って、キットは、マーカーの組み合わせについて試験し得る。例えば、Vialletら(1989)、Progress in Growth Factor Res.1:89−97を参照のこと。他のキットが、他の細胞のサブセットを評価するために使用され得る。
(X.IL−B50に対するレセプターの単離)
特異的なリガンド−レセプター相互作用についてのリガンドが単離されたので、このレセプターを単離するための方法が存在する。Gearingら(1989)EMBO J.8:3667−3676を参照のこと。例えば、そのレセプターへの結合を妨害することなくIL−B50サイトカインを標識するための手段が決定され得る。例えば、親和性標識を、リガンドのアミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかに融合し得る。このような標識は、FLAGエピトープタグ、または例えば、IgもしくはFcドメインであり得る。発現ライブラリーを、例えば、セルソーティングまたはこのような結合成分を発現する部分集団を検出するための他のスクリーニングによって、サイトカインの特異的結合についてスクリーニングし得る。例えば、Hoら(1993)、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:11267−11271;およびLiuら(1994)、J.Immunol.152:1821−29を参照のこと。あるいは、パニング方法を使用し得る。例えば、SeedおよびAruffo(1987)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 84:3365−3369を参照のこと。
標識とのタンパク質架橋技術を、IL−B50サイトカインの結合パートナーを単離するために適用し得る。これは、例えば、リガンド−レセプター様の様式で、このサイトカインと特異的に相互作用するタンパク質の同定を可能にする。IL−B50がIL−7Rαサブユニットに結合することが予期されるが、これはIL−B50のβサブユニットであるようである。従って、別のサブユニットが、IL−B50についてのαレセプターサブユニットとして作用する。
初期の実験は、予期されるように、既知のIL−7レセプター成分がIL−B50への応答に関与するか否かを決定するために実施されている。これらの機能的レセプター複合体が、特異的レセプターサブユニットまたは付属レセプターサブユニットのいずれかで、IL−B50レセプター複合体と多くまたはすべての成分を共有し得ることもまた、かなり可能性がある。
本発明の多くの改変およびバリエーションが、当業者に明らかなように、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。本明細書中に記載の特定の実施態様は例示のみの目的で提供され、そして本発明は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の完全な範囲に沿って限定されるべきである。
(実施例)
(I.一般的方法)
多くの以下の標準的方法が、例えば、以下において記載または参照される:
タンパク質精製の方法としては、硫安沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離法、結晶化などのような方法が挙げられる。例えば、以下:
;およびタンパク質精製生成物の使用についての製造業者の文献(例えば、Pharmacia、Piscataway、NJ、またはBio−Rad,Richmond,CA)を参照のこと。組換え技術との組み合わせは、例えば、プロテアーゼで除去可能な配列を介した、適切なセグメント(エピトープタグ)への(例えば、FLAG配列または融合され得る等価物への)融合を可能にする。例えば、以下を参照のこと。
サイトカインアッセイは、例えば、以下に記載されている。
血管の生物学的活性についてのアッセイは、当該分野において周知である。これらは、腫瘍または他の組織における脈管形成活性および脈管静的(angiostatic)活性、例えば、動脈平滑筋の増殖(例えば、Koyamaら、(1996)Cell 87:1069−1078を参照のこと)、血管上皮への単球接着(McEvoyら(1997)、J.Exp.Med.185:2069−2077を参照のこと)などを包含する。また、
神経細胞の生物学的活性についてのアッセイは、例えば、以下に記載されている:
(II.ヒトIL−B50のクローニング)
この遺伝子の配列を、表1に提供する。この配列は、精巣から作製されたcDNAライブラリー由来である。この配列は、かなり稀であり、入手可能な配列データベースにおいて頻繁に見出されない。この配列は、この遺伝子の細胞分布を決定するための、PCRプライマーまたはプローブの調製を可能にする。この配列は、このメッセージをコードするゲノムDNAの単離を可能にする。
このプローブまたはPCRプライマーを用いて、種々の組織型または細胞型が、細胞分布を決定するために探査される。PCR産物を、例えば、TAクローニングキット(Invitrogen)を用いて、クローン化する。得られたcDNAプラスミドを、自動化シークエンサー(Applied Biosystems)で、両方の末端から配列決定する。
(III.IL−B50の細胞発現)
霊長類IL−B50をコードするcDNAに特異的な、適切なプローブまたはプライマーを調製する。代表的には、例えば、ランダムプライミングによって、このプローブを標識する。
サザン分析:霊長類の増幅されたcDNAライブラリー由来のDNA(5μg)を、挿入物を放出するために適切な制限酵素を用いて消化し、1%アガロースゲルで泳動し、そしてナイロンメンブレン(Schleicher and Schuell、Keene、NH)に転写した。
ヒトmRNA単離のサンプルとしては、以下が挙げられ得る:休止している、末梢血単核細胞(単球、T細胞、NK細胞、顆粒球、B細胞)(T100);プールされ、2時間、6時間、12時間、抗CD−3で活性化された、末梢血単核球細胞(T101);休止しているT細胞であるTH0クローン Mot 72(T102);プールされ、3時間、6時間、12時間、抗CD−28および抗CD−3で活性化された、T細胞であるTH0クローンMot 72(T103);プールされ、2時間、7時間、12時間、特定のペプチドでアネルギー処理されたT細胞である、TH0クローンMot 72(T104);プールされ、3時間、6時間、12時間、抗CD28および抗CD3で活性化されたT細胞であるTH1クローンHY06(T108);プールされ、2時間、6時間、12時間、特定のペプチドでアネルギー処理されたT細胞であるTH1クローンHY06(T109);休止しているT細胞であるTH2クローンHY935(T110);プールされ、2時間、7時間、12時間、抗CD28および抗CD3で活性化されたT細胞である、TH2クローンHY935(T111);休止しているT細胞腫瘍株JurkatおよびHut78(T117);プールされ、休止している、T細胞クローンである、AD130.2、Tc783.12、Tc783.13、Tc783.58、Tc782.69(T118);休止している、T細胞であるランダムなγδT細胞クローン(T119);CD28−T細胞クローン;休止している、脾臓細胞(B100);抗CD40およびIL−4で活性化された、脾臓細胞(B101);プールされ、休止している、B細胞EBV株、WT49、RSB、JY、CVIR、721.221、RM3、HSY(B102);プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化されたB細胞株JY(B103);プールされ、休止している、NK20クローン(K100);プールされ、6時間PMAおよびイオノマイシンで活性化された、NK20クローン(K101);IL−2処置した、LGL白血病患者の末梢血から誘導されたNKLクローン(K106);プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化された造血前駆細胞株TF1(C100);休止している、U937前単球株(M100);プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化された、U937前単球株(M101);プールされ、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、LPS、IFNγ、抗IL−10で活性化された溶出単球(M102);プールされ、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、LPS、IFNγ、IL−10で活性化された溶出単球(M103);プールされ、4時間、16時間LPS、IFNγ、抗IL−10で活性化された溶出単球(M106);プールされ、4時間、16時間、LPS、IFNγ、IL−10で活性化された溶出単球(M107);1時間LPSで活性化された溶出単球(M108);6時間LPSで活性化された、溶出単球(M109);休止している、CD34+ GM−CSF、TNFα 12日目由来のDC70% CD1a+(D101);1時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化された、CD34+ GM−CSF、TNFα 12日目由来の、DC70% CD1a+(D102);6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化された、CD34+ GM−CSF、TNFα 12日目由来の、DC70% CD1a+(D103);プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化されたCD34+ GM−CSF、TNFα 12日目(FACS分類)由来のDC95% CD1a+(D104);プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化された、DC95% CD14+1(前の CD34+ GM−CSF、TNFα 12日(FACS分類)(D105);プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化されたCD34+ GM−CSF、TNFα12日目(FACS分類)由来のDC CD1a+ CD86+(D106);休止している、単球 GM−CSF、IL−4 5日目、由来のDC(D107);休止している単球GM−CSF、IL−4 5日目、由来のDC(D108);プールされ、4時間、16時間、LPS活性化された、単球GM−CSF、IL−4 5日目、由来のDC(D109);プールされ、4時間、16時間、単球GM−CSF、IL−4 5日目、活性化TNFα、単球上清由来のDC(D110);未刺激の上皮細胞;IL−1β活性化上皮細胞;プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイオノマイシンで活性化された肺繊維芽細胞肉腫株MRC5(C101);プールされ、1時間、6時間、PMAおよびイノマイシンで活性化された、腎臓上皮癌腫細胞株CHA(C102)。
マウス対応物が、同定され、そしてその分布は同様に評価される。マウスmRNA単離のためのサンプルとしては、以下が挙げられ得る:休止しているマウス線維芽L細胞株(C200);Braf:ER(エストロゲンレセプターへのBraf融合)トランスフェクト細胞、コントロール(C201);休止している、脾臓由来Me114+ナイーブT細胞(T209);プールされ、6時間、12時間、24時間、IFNγおよびIL−4に暴露され、TH1細胞に分極するように、IFNγ、IL−12、および抗IL−4で刺激された、脾臓由来のMe114+ナイーブT細胞(T210);プールされ、6時間、13時間、24時間、IL−4および抗IFNγに暴露され、Th2細胞に分極するように、IL−4および抗IFNγで刺激された、脾臓由来のMe114+ナイーブT細胞(T211);TH1分極されたT細胞(IFN−γおよび抗IL−4で、7日間分極された、脾臓由来の、Mal14明、CD4+細胞;T200);TH2分極されたT細胞(IL−4および抗IFN−γで、7日間分極された、脾臓由来の、Mal14明、CD4+細胞;T201);トランスジェニックBalb/Cから3×(倍)高度にTH1分極されたT細胞(Openshawら(1995)J.Exp.Med.182:1357〜1367を参照のこと;プールされ、2時間、6時間、24時間、抗CD3で活性化された;T202);トランスジェニックBalb/Cから3×(倍)高度にTH2分極されたT細胞(プールされ、2時間、6時間、24時間、抗CD3で活性化された(T203);トランスジェニックC57 bl/6から3×(倍)高度にTH1分極されたT細胞(プールされ、2時間、6時間、24時間、抗CD3で活性化された;T212);トランスジェニックC57 bl/6から3×(倍)高度にTH2分極されたT細胞(プールされ、2時間、6時間、24時間、抗CD3で活性化された;T213);高度にTH1分極したT細胞(IFNγ、IL−12および抗−IL−4で3×(倍)分極された、トランスジェニックBalb/C由来のナイーブCD4+T細胞;プールされ、IGIF、IL−12および抗IL−4を用いて6時間、12時間、24時間刺激された);胸腺から分類されたCD44−CD25+前T細胞(T204);抗原での最終刺激後、3週間休止している、TH1 T細胞クローンD1.1(T205);15時間10μg/ml ConA刺激したTH1 T細胞クローンD1.1(T206);抗原での最終刺激後、3週間休止する、TH2 T細胞クローンCDC35(T207);15時間10μg/ml ConAで刺激したTH2 T細胞クローンCDC35(T208);非刺激B細胞株CH12(B201);非刺激成熟B細胞白血病細胞株A20(B200);脾臓由来の非刺激ラージB細胞(B202);LPS活性化、総脾臓由来B細胞(B203);休止している、脾臓由来のメトリザマイド富化樹状細胞(D200);休止している、骨髄由来樹状細胞(D201);GM−CSFおよびIL−4中において培養された、抗B220、抗CD3、および抗クラスIIで枯渇した、未刺激の骨髄由来樹状細胞(D202);プールされ、1日、5日間、抗CD40で刺激した、GM−CSFおよびIL−4中において培養された、抗B220、抗CD3、および抗クラスIIで枯渇した、骨髄由来樹状細胞(D203);LPSで4時間活性化した単球細胞株RAW 264.7(M200);GMおよびM−CSFで誘導された骨髄マクロファージ(M201);24時間、LPS、IFNγ、およびIL−10で刺激された、GM−CSFで誘導された骨髄マクロファージ(M205);24時間LPS、IFNγおよび抗IL−10で刺激した、GM−CSFで誘導された骨髄マクロファージ(M206);腹膜マクロファージ(M207);休止している、マクロファージ細胞株J774(M202);0.5時間、1時間、3時間、6時間、12時間でプールした、マクロファージ細胞株J774+LPS+抗IL−10(M203);0.5時間、1時間、3時間、5時間、12時間でプールされた、マクロファージ細胞株J774+LPS+抗IL−10(M204);未刺激肥満細胞株MC−9およびMCP−12(M208);未刺激の、脳微小血管内皮細胞由来の不死化内皮細胞株(E200);TNFαで一晩刺激した、脳微小血管内皮細胞由来の不死化内皮細胞株(E201);TNFαで一晩刺激した、脳微小血管内皮細胞由来の不死化内皮細胞株(E202);TNFαおよびIL−10で一晩刺激した、脳微小血管内皮細胞由来の不死化内皮細胞株(E203);wt C57 bl/6マウス由来の全大動脈;5ケ月ApoE KOマウス由来の全大動脈(X207);12ヶ月のApoE KOマウス由来の全大動脈(X207);wt胸腺(O214);全胸腺、rag−1(O208);全腎臓、rag−1(O209);全腎臓、NZ B/Wマウス;および全心臓、rag−1(O202)。以下の中で高いシグナルを検出した:LPSで4時間活性化した単球細胞株RAW 264.7(M200);トランスジェニックC57bl/6から3×(倍)高度にTH1分極したT細胞(プールされ、2時間、6時間、24時間プールされ、抗CD3で活性化された;T212);および高度にTH1分極されたT細胞(IFNγ、IL−12および抗IL−4で3×(倍)分極したトランスジェニックBalb/C由来のナイーブCD4+T細胞;プールされ、6時間、12時間、24時間、IGIF、IL−12および抗IL−4で刺激された)。
(IV.IL−B50の染色体マッピング)
IL−B50をコードする単離されたcDNAを用いる。染色体マッピングは標準的技術である。例えば、BIOS Laboratories(New Haven,CT)およびPCRとともにマウス体細胞ハイブリッドパネルを用いる方法を参照のこと。
(V.IL−B50タンパク質の精製)
複数のトランスフェクトされた細胞株を、他の細胞と比較して高いレベルでサイトカインを発現する細胞についてスクリーニングする。種々の細胞株を、取り扱いについて有利な細胞の特性について、スクリーニングし、そして選択する。天然のIL−B50は、天然の供給源から単離され得るか、または適切な発現ベクターを用いる形質転換細胞からの発現により得る。より高い有効性の分泌が、異種のシグナル配列の使用により達成された。発現されたタンパク質の精製は、標準的手順により達成されるか、または細胞溶解物または上清からの高い効率での有効な精製のための操作手段と併用され得る。FLAGまたはHis6セグメントは、このような精製特徴のために用いられ得る。あるいは、親和性
クロマトグラフィーは、特定の抗体とともに用いられ得る。以下を参照のこと。
タンパク質は、所望の場合、coli、昆虫細胞、または哺乳動物発現系において産生される。
(VI.相同性IL−B50遺伝子の単離)
IL−B50 cDNA、または他の種の対応する配列は、所望の供給源由来のライブラリー、例えば、霊長類細胞cDNAライブラリーをスクリーニングするためのハイブリダイゼーションプローブとして用いられ得る。多数の異なる種が、簡易なハイブリダイゼーションに必要なストリンジェンシーについて、およびプローブを用いる存在についての両方のためにスクリーニングされ得る。交差ハイブリダイゼーションの特異性を示すクローンについて選択するために、適切なハイブリダイゼーション条件が用いられる。
ペプチド配列に基づいた縮重プローブを用いるハイブリダイゼーションによるスクリーニングはまた、適切なクローンの単離を可能にする。あるいは、PCRスクリーニングのために適切なプライマーの使用は、適切な核酸クローンの富化を生じる。
類似の方法が、種改変体、多形性改変体、対立遺伝子改変体のいずれかを単離するために適用可能である。種改変体は、プローブとしての1つの種からの全長単離体またはフラグメントの単離に基づき、種間ハイブリダイゼーション技術を用いて単離される。
あるいは、ヒトIL−B50に対して惹起される抗体は、適切な、例えば、cDNAライブラリーから交差反応性タンパク質を発現する細胞についてスクリーニングするために用いられる。精製したタンパク質または規定されたペプチドは、上記のように、標準的方法により抗体を生成するために有用である。合成ペプチドまたは精製したタンパク質は、免疫系に提示され、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を生成する。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。得られた抗体を、記載したように、スクリーニング、精製、または診断のために用いる。
(VII.IL−B50に特異的な抗体の調製)
合成ペプチドまたは精製タンパク質は、免疫系に提示され、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を生成する。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。ポリクローナル血清またはハイブリドーマが調製され得る。適切な状況では、結合試薬は、上記のように(例えば、蛍光、またはその他の方法)標識されるか、またはパニング方法のための基板に固定されるかのいずれかである。免疫選択、吸収、枯渇、および関連技術が、選択試薬(例えば、結合のための選択性の所望のスペクトルを示す)を調製するために利用可能である。
(VIII.生物学的機能の大きさの評価)
IL−B50の生物学的活性を、部分的には、IL−B50とIL−7との間の配列および構造の相同性に基づいて試験する。最初に、IL−7の生物学的活性を示すアッセイを調べる。
(A.前駆細胞の増殖/分化への効果)
種々の細胞型の増殖および分化への効果は、種々の濃度のサイトカインで評価する。特定の場合、関連するサイトカインIL−7および/または幹細胞因子と組み合わせて、用量応答分析が実行される。
詳細には、IL−7は、リンパ球産生の発生および分化に対して強力な効果を示す。IL−B50が、臍帯血細胞から誘導される初期前駆細胞の増殖または分化に効果を有するか否かを確認するために臍帯血細胞で試験される。好ましくは、この細胞は、初期前駆細胞、例えば、幹細胞(例えば、臍帯血、骨髄、胸腺、脾臓、またはCD34+前駆細胞に起源する)である。例えば、EddingtonおよびLotze(1998)を参照のこと。
(B.ヒト末梢血単核細胞(PBMC)の増殖へのIL−B50の効果)
記載のように(Boyumら)、フィコール−ハイパークを通して遠心分離により、正常な健常ドナーの軟膜から、全PBMCを単離する。IL−B50の非存在下または存在下で、96ウェルプレート(Falcon,Becton−Dickinson,NJ)中の、1%ヒトAB血清を含有する、200μlのYssel’s培地(Gemini Bioproducts,Calabasas,CA)中でPBMCを培養する。細胞を、培地単独中で、または100U/ml IL−2(R&D Systems)と培地の組み合わせ中で、120時間培養する。3H−チミジン(0.1mCi)を、培養の最後の6時間に添加し、そして液体シンチレーション計数により3H−チミジンの取り込みを測定する。
ネイティブなタンパク質、組換えタンパク質および融合タンパク質を、多数の他の生物学的アッセイ系において(例えば、T細胞、B細胞、NK、マクロファージ、樹状細胞、造血前駆細胞、などで)、アゴニスト活性およびアンタゴニスト活性について試験する。
IL−B50を、IL−7レセプターを発現するトランスフェクトされた細胞およびコントロールにおいて、アゴニスト活性またはアンタゴニスト活性について評価する。
IL−B50を、マクロファージ/樹状細胞活性化および抗原提示アッセイ、抗原または同種刺激に応答するT細胞サイトカインの産生および増殖における効果について評価する。例えば、de Waal Malefytら(1991)J.Exp.Med.174:1209〜1220;de Waal Malefytら(1991)J.Exp.Med.174:915〜924;Fiorentinoら(1991)J.Immunol.147、3815〜3822;Fiorentinoら(1991)J.Immunol.146:3444〜3451;およびGrouxら(1996)J.Exp.Med.184:19〜29を参照のこと。
IL−B50をまた、NK細胞刺激に対する効果について評価する。アッセイは、例えば、Hsuら(1992)Internat.Immunol.4:563〜569;およびSchwarzら(1994)J.Immunother.16:95〜104に基づき得る。他のアッセイが、細胞傷害性T細胞およびLAK細胞への効果を評価するために適用される。例えば、NamienおよびMire−Sluis(1998)を参照のこと。
B細胞の増殖および分化の効果は、例えば、Defranceら(1992)J.Exp.Med.175:671〜682;Roussetら(1992)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 89:1890〜1893に記載の方法論により分析される。この方法論には、IgG2およびIgA2スイッチ因子アッセイ(switch
factor assay)が挙げられる。COS7上清と異なり、NIH3T3およびCOP上清は、ヒトB細胞アッセイを見かけ上は妨害しないことに留意のこと。
(C.ヒト単球上の細胞表面分子の発現への効果)
単球は、正常な健常ドナーの末梢血単核細胞からネガティブ選択により精製され得る。手短には、3×108のフィコールの帯状単核細胞を、例えば、200μlのαCD2(Leu−5A)、200μlのαCD3(Leu−4)、100μlのαCD8(Leu2a)、100μlのαCD19(Leu−12)、100μlのαCD20(Leu−16)、100μlのαCD56(Leu−19)、100μlのαCD67(IOM67;Immunotech、Westbrook、ME)、および抗−グリコホリン抗体(10F7MN、ATCC、Rockville、MD)からなる、モノクローナル抗体の反応混合液(Becton−Dickinson;Mountain View、CA)とともに氷上でインキュベートする。抗体結合細胞を洗浄し、次いで、20:1のビーズ対細胞比で、ヒツジ抗マウスIgG結合磁気ビーズ(Dynal,Oslo、Norway)とともにインキュベートする。抗体結合細胞を、磁場の適用により単球から分離する。続いて、ヒト単球を、IL−B50、IL−6、G−CSF、または組み合わせの非存在下または存在下で、1%ヒトAB血清を含む、Yssel’s培地(Gemini Bioproducts、Calabasas、CA)中で培養する。
細胞表面分子の発現の分析は、直接的免疫蛍光検査により実行し得る。例えば、2×105の精製したヒト単球を、1%ヒト血清を含有する、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS
)中で、氷上で20分間インキュベートする。細胞を200×gでペレット化させる。20mlのPEまたはFITC標識したmAb中で、細胞を再懸濁する。氷上でのさらに20分間のインキュベーション後、細胞を、1%ヒト血清含有PBS中で洗浄し、続いて、PBSのみで2回洗浄する。細胞を1%パラホルムアルデヒド含有PBS中で固定し、そしてFACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson;Mountain View、CA)で分析する。例示的なmAbは、以下を用いる:例えば、CD11b(抗−mac1)、CD11c(a gp150/95)、CD14(Leu−M3)、CD54(Leu 54)、CD80(抗−BB1/B7)、HLA−DR(L243)(以上、Becton−Dickinsonから)およびCD86(FUN 1;Pharminogen)、CD64(32.2;Medarex)、CD40(mAb89;Schering−Plough France)。
(D.ヒト単球によるサイトカイン産生へのIL−B50の効果)
ヒト単球を記載のように単離し、そしてIL−B50(1/100希釈バキュロウイルスが発現した物質)の非存在下または存在下で、1%ヒトAB血清を含む、Yssel’s培地(Gemini Bioproducts、Calabasas、CA)中で培養する。さらに、単球を、IL−B50の非存在下または存在下でLPS(E.coli 0127:B8 Difco)で刺激し、そしてELISAにより、細胞培養上清中のサイトカイン(IL−1β、IL−6、TNFα、GM−CSF、およびIL−10)の濃度を、決定した。
サイトカインについての細胞質内染色のために、単球を、IL−B50およびLPS(E.coli 0127:B8 Difco)ならびに10mg/ml Brefeldin A(Epicentre technologies Madison WI)の非存在下、または存在下に、Yssel’s培地中にて12時間、培養する(百万/ml)。細胞をPBS中で洗浄し、そして2%ホルムアルデヒド/PBS溶液中で、20分間、室温でインキュベートする。続いて、細胞を洗浄し、透過化緩衝液(PBS/BSA(0.5%)/Azide(1mM)中の0.5%サポニン(Sigma))中で再懸濁し、そして室温で20分間インキュベートする。細胞(2×105)を遠心分離し、そして、透過化緩衝液中で1:10希釈した、20mlの直接結合体化した抗サイトカインmAb中で、20分間、室温で再懸濁する。以下の抗体が用いられ得る:IL−1α−PE(364−3B3−14);IL−6−PE(MQ2−13A5);TNFα−PE(MAb11);GM−CSF−PE(BVD2−21C11);およびIL−12−PE(C11.5.14;Pharmingen San Diego,CA)。続いて、細胞を透過化緩衝液中で2回、そしてPBS/BSA/Azide中で1回洗浄し、そしてFACScanフローサイトメーター(Becton Dickinson;Mountain View、CA)で分析する。
(IX.遺伝的に改変した動物の作製および分析)
トランスジェニックマウスは、標準的な方法により生成され得る。このような動物は、特定の組織における、または完全に生物体全体にわたる、遺伝子の欠失の効果を決定するために有用である。これは、種々の段階における動物または特定の組織の発生への興味深い洞察を提供し得る。さらに、生物学的ストレスへの種々の応答への効果を評価し得る。例えば、Hoganら(1995)Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual(第二版)Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと。
本明細書において引用される全ての参考文献は、各個々の刊行物または特許出願が全ての目的においてその全体が参考として援用されるように、詳細に、そして個々に示されるのと同じ程度に、本明細書において参考として援用される。
本発明の多くの改変および変更は、当業者に明白なように、その精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。本明細書において記載される特定の実施態様は、単に例として提供され、そして、本発明は、上記の特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに、このような請求項の用語のみにより限定されるべきである。