JP2013254607A - 照明制御システムおよび照明制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】座席の目的照度を満足する最低限の調光レベルを迅速に決定する。
【解決手段】この発明に係る照明制御システムは、動態検知装置と照明制御機器と照明コントローラとがネットワークに接続され、複数の照明を制御する照明制御システムであって、動態を検知して動態検知情報を生成する動態検知装置と、生成された動態検知情報に基づく在席者の座席位置に対して複数の照明の中から制御対象とする照明を選択し、選択した制御対象とする照明の調光レベルを確率的に変動させて目的照度を満たす設定の照明制御命令を生成する照明制御機器と、生成された照明制御命令を制御対象とする照明に送信する照明コントローラと、照明コントローラに接続され、受信した照明制御命令の設定に基づいて、調光レベルを変更する複数の照明とを有した。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明に係る照明制御システムは、動態検知装置と照明制御機器と照明コントローラとがネットワークに接続され、複数の照明を制御する照明制御システムであって、動態を検知して動態検知情報を生成する動態検知装置と、生成された動態検知情報に基づく在席者の座席位置に対して複数の照明の中から制御対象とする照明を選択し、選択した制御対象とする照明の調光レベルを確率的に変動させて目的照度を満たす設定の照明制御命令を生成する照明制御機器と、生成された照明制御命令を制御対象とする照明に送信する照明コントローラと、照明コントローラに接続され、受信した照明制御命令の設定に基づいて、調光レベルを変更する複数の照明とを有した。
【選択図】 図1
Description
この発明は、照明の調光レベルを制御する照明制御システムおよび照明制御方法に関する。
従来、建物のフロアに設置された照明の消費電力量を最小化するための照明制御制御方法として、人の動態(動いている状態)を検知手段で検知して点灯の必要な場所の照明を選択し、必要最低限の調光レベル(照明の明るさを0〜100%の範囲で指し示した値)で点灯する方法が提案されている。
従来技術では、照明に取り付けられた検知センサで動態を検知し、照明設置場所の真下に位置する在席場所のみ照明を点灯する事で消費電力量を削減する、という照明制御方法が提案されてきた(例えば、特許文献1)。
しかし、この照明制御方法では、例えば在席位置がフロア内でまばらであった場合、点灯する照明は自席近傍のみとなり、他方、周りに在席者が居ないため周囲の照明は減光あるいは消灯し、在席者の快適性が損なわれてしまうことがある。
そこで、他の従来技術では、例えば個別に制御可能な照明をフロア内で相互にネットワーク接続し、また在席者の情報は照明1つ1つに取り付けられた検知センサにて動態を検知することで、照明と在席者との間の距離が遠のく程、照明の調光レベルを徐々に低くする、という照明制御方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、この照明制御方法では、例えばフロアの一角に複数人が固まって在席している場合、当該一角の頭上の複数台の照明が、ある人にとっては遠い、ある人にとっては近い、という状況が生じ、制御対象である複数台の照明に対し、複数人の中の誰との間の距離を勘案して(または優先して)調光レベルを決定すればよいのか分からないことがある。
そこで、他の従来技術では、動態検知センサと照度を計測する照度センサ、及び人と照明との間の距離情報を利用し、人の近傍に位置する照明ほど調光レベルが高くなるよう設定した上で、動態を検知する度に調光レベルの変更を繰り返し、その際に照度センサで計測した照度で補正を掛け、目的とする照度を満足する調光レベルを決定する、という照明制御方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
従来の照明制御システムおよび照明制御方法は、フロア内の在席者ごとに目的とする照度を満足するための最低限の調光レベルとなるように、調光レベルの変更と照度計測を繰り返すため、調光レベルが決定されるまで時間を要してしまうという課題があった。また、調光レベルを変更する度に空間の明るさが変わるため、在席者の快適性が損なわれてしまうことがあった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、フロア内の在席状況に応じて複数の照明の調光レベルを変更する際、確率的に変動させて座席ごとに設定した目的照度を確保するとともに、また省エネルギー化の観点で、照明の調光レベルが最低値となるよう、迅速に調光レベルを決定し、照明を制御する照明制御システムおよび照明制御方法を提供することを目的とする。
この発明に係る照明制御システムは、動態検知装置と照明制御機器と照明コントローラとがネットワークに接続され、複数の照明を制御する照明制御システムであって、動態を検知して動態検知情報を生成する動態検知装置と、生成された動態検知情報に基づく在席者の座席位置に対して複数の照明の中から制御対象とする照明を選択し、選択した制御対象とする照明の調光レベルを確率的に変動させて目的照度を満たす設定の照明制御命令を生成する照明制御機器と、生成された照明制御命令を前記制御対象とする照明に送信する照明コントローラと、前記照明コントローラに接続され、受信した照明制御命令の設定に基づいて、調光レベルを変更する複数の照明とを有する。
この発明に係る照明制御システムおよび照明制御方法によれば、フロア内の在席状況に応じて複数の照明の調光レベルを変更する際、確率的に変動させて座席ごとに設定した目的照度を確保するとともに、また省エネルギー化の観点で、照明の調光レベルが最低値となるよう、迅速に調光レベルを決定するので、在席者の快適性を損なうことなく照明を制御する照明制御システムおよび照明制御方法を提供することができる。
この発明は、照明の調光レベルを制御する照明制御方法と、この照明制御方法を適用した照明制御システムに関するものである。以下に、この発明に係る照明制御システムおよび照明制御方法の一例について説明する。
なお、この発明の照明制御方法において、調光レベルの制御対象とする照明は、検知した動態自身を照らす照明ではなく、当該動態がフロア内で保有している座席位置を照らす照明とする。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの構成の一例を示すシステム構成図である。図において、動態検知装置30、照明制御機器40、照明コントローラ10は、例えばEthernet(登録商標)のような同一ネットワークに接続されている。さらに、照明コントローラ10には、複数の照明20がそれぞれに対して制御可能となるように接続されている。
図1は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの構成の一例を示すシステム構成図である。図において、動態検知装置30、照明制御機器40、照明コントローラ10は、例えばEthernet(登録商標)のような同一ネットワークに接続されている。さらに、照明コントローラ10には、複数の照明20がそれぞれに対して制御可能となるように接続されている。
動態検知装置30は、動態を検知して動態検知情報を生成する。例えば、フロアの出入り口近傍やフロア内に設置され、動態を検知すると、動態検知情報を生成して、照明制御機器40を送信先として、送信する装置である。
照明制御機器40は、動態検知装置30が生成した動態検知情報に基づく在席者の座席位置に対して複数の照明20の中から制御対象とする照明を選択し、選択した制御対象とする照明の調光レベルを確率的に変動させて目的照度を満たす設定の照明制御命令を生成する。すなわち、照明制御機器40は、動態検知装置30から動態検知情報を受信し、受信した動態検知情報に基づいて照明制御する照明制御命令を生成して、照明コントローラ10を送信先として、送信する装置である。ここで、照明制御命令には、送信先の照明コントローラ10が制御対象とする照明20の情報とその制御内容として照明の明るさを示す調光レベルを含む。
照明コントローラ10は、照明制御機器40が生成した照明制御命令を制御対象とする照明に送信する。すなわち、照明コントローラ10は、照明制御機器40から照明制御命令を受信し、受信した照明制御情報に基づいて複数台接続された照明20の中から制御対象とする各照明を送信先として、照明制御命令を送信する。
照明20は、照明コントローラ10に複数台が接続され、照明コントローラ10から送信された照明制御命令を受信し、受信した照明制御命令の設定に基づいて、調光レベルを変更する。すなわち、照明20は、照明コントローラ10から送られてきた照明制御命令の制御内容に含まれる調光レベルとなるように変更する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの制御対象とするフロアレイアウトの一例を示す制御対象フロア模式図である。図において、建物の任意のフロア100に対して、例えば、照明aからxが配置されており、在席者の座席AからFの位置関係を示している。以下、このaからxを一意に示す照明ID、このAからFを一意に示す座席IDと称する。なお、ここでは、不在者の座席はその位置ともに示していないが、各人物に対応付けられた座席への帰席、離席は、動態検知装置で検知して照明制御システムに把握されるものとする。
ここで、図1のシステム構成図に示した照明制御機器40について、より詳細な構成と動作を説明する。図において、照明制御機器40は、動態情報受信手段50と、調光レベル決定手段51と、照明制御命令送信手段52と、座席情報テーブル60、照明情報テーブル61、距離情報テーブル62、目的照度テーブル63、調光レベル設定テーブル64、調光レベル状態確率テーブル65のテーブル群と、調光レベル状態確率テーブル操作手段53から構成されている。
まず、照明制御機器40の動態情報受信手段50は、動態検知装置30から動態検知情報を受信する。次に、調光レベル決定手段51は、受信した動態検知情報に基づいて、照明制御のための照明制御命令を生成する。照明制御命令送信手段52は、調光レベル決定手段51が生成した照明制御命令を照明コントローラ10に送信する。また、調光レベル状態確率テーブル操作手段53は、調光レベル決定手段51が決定した調光レベルに基づいて、調光レベル状態確率テーブルの調光レベルに対する登録値を更新する。なお、動態情報受信手段50、照明制御命令送信手段52は、一つの通信手段として構成することもできる。
調光レベル決定手段51が照明制御命令を生成する際には、座席情報テーブル60、照明情報テーブル61、距離情報テーブル62、目的照度テーブル63、調光レベル設定テーブル64、調光レベル状態確率テーブル65からなるテーブル群が参照される。これらのテーブル群について、説明する。
図3は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの一例を示す座席情報テーブルである。図において、座席情報テーブル60は、図2に示したフロア100の中に存在する座席101を一意に示す識別子である座席IDと、当該座席の位置情報として、ここではX座標、Y座標を紐付けて格納している。この座席情報テーブル60には、図2に図示したフロアの在席者の座席だけでなく、図示しない不在者の座席も含めたフロア全員の座席の位置情報が格納される。座席の位置は、フロア内に必ずしも規則的な配置でなくてもよい。
図4は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの一例を示す照明情報テーブルである。図において、照明情報テーブル61は、図2に示したフロア100内の照明20を一意に示す識別子である照明IDと当該照明の位置情報、及び照明制御の際に個々の照明へ照明制御命令を送信するのに必要な送信先のアドレス情報を紐付けて格納している。照明の位置は、フロア内に必ずしも規則的な配置でなくてもよい。
図5は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの一例を示す距離情報テーブルである。図において、距離情報テーブル62は、座席情報テーブル60に格納された各座席と照明情報テーブル61に格納された各照明との間の距離を座席ID、照明IDに紐付けて格納している。
この距離情報テーブル62に格納された各距離は、座席情報テーブル60に格納された各座席の座標と照明情報テーブル61に格納された各照明の座標から算出できるので、座席情報テーブル60と照明情報テーブル61を備え、必要とする座席と照明の距離を逐一算出するのであれば、距離情報テーブル62を備えないシステム構成もありうる。また、座席情報テーブル60に格納された各座席の座標と照明情報テーブル61に格納された各照明の座標が別途管理され、距離情報テーブル62に格納される各距離が設定されるのであれば、座席情報テーブル60と照明情報テーブル61の各座標の情報を備えないシステム構成もありうる。このとき、座席情報テーブル60は実質備えず、照明情報テーブル61は照明のアドレスのみ備えたテーブルとされる。
また、座席情報テーブル60に格納された各座席の座標と照明情報テーブル61に格納された各照明の座標は、異なる原点および/またはスケール(例えば、メートルやフィートなど)の座標系で表されていてもよい。異なる座標系で表されている場合には、照度算出前など必要なときに、座席と照明の間の各距離を同一の座標系に調整して算出してもよいし、また距離情報テーブル62には座席と照明の座標を同一の座標系に調整して算出した距離を予め格納しておくようにしてもよい。座席と照明の間の距離の算出の際に調整される同一の座標系は、座席と照明のいずれの座標系とも異なる第3の座標系も含め、照度算出式などに適合したものとすれば構わない。
図6は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの一例を示す目的照度テーブルである。図において、目的照度テーブル63は、照明制御の際に目標とする目的照度を、各座席IDに紐付けて格納している。
図7は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの一例を示す調光レベル設定テーブルである。図において、調光レベル設定テーブル64は、距離情報テーブル62に格納された座席と照明との間の各距離で、例えば、予め設定された有効半径内に存在する照明を制御対象として選択し、座席との間の距離に応じて目的照度を確保できるだけの調光レベルを予め算出し、座席IDに紐付けて照明IDとその調光レベルを格納している。座席と各照明との間の距離によっては、座席に対応させる照明数が異なることもある。
図8は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの一例を示す調光レベル状態確率テーブルである。図において、調光レベル状態確率テーブル65は、2つ以上の座席から紐付けされている照明に対し、距離情報テーブル62に格納している距離に基づいて予め算出した確率値を照明IDと調光レベルに紐付けて格納している。この確率値は、当該照明との距離がより短い方の座席の調光レベルが優先的に選択されるように設定される。ここで、同一照明IDの取り得る調光レベルに対して登録された確率値の積算は、1(100%)になるように正規化して設定される。
図8の調光レベル状態確率テーブル65に格納されている調光レベルは、調光レベル設定テーブル64で同一の照明IDに対して規定された調光レベルの値の範囲を取りうるものとする。例えば、図7の調光レベル設定テーブル64において、座席ID=AおよびBに共通の照明ID=cが設定されている。ここでは、確率を%で表すものとすると、この照明ID=cに対して、座席ID=Aの調光レベルは33%、座席ID=Bの調光レベルは18%であるので、調光レベル状態確率テーブル65の当該照明ID=cの調光レベルは18〜33%までの範囲で値を取り得るものとし、この例では1%刻みで調光レベルを設定している。なお、ここでは照明ID=cの照明が座席ID=AおよびBのみから調光レベルの範囲を決定すると説明したが、座席ID=AおよびB以外の、例えば座席ID=Xにも紐付けられている場合は、その調光レベルも含めてその最小値から最大値とする範囲が設定される。各調光レベルに対する確率値は、調光レベル設定テーブル64において、座席との間の距離がより短い調光レベルの値が優先的に選択されるように、確率の初期値が設定された以降、更新されていく。
これら座席情報テーブル60、照明情報テーブル61、距離情報テーブル62、目的照度テーブル63、調光レベル設定テーブル64、調光レベル状態確率テーブル65のテーブル群を参照して、調光レベル決定手段51が制御対象とする照明20の調光レベルを決定する照明制御の動作について説明する。
まず、照明制御を実行する前に、座席情報テーブル60、照明情報テーブル61、距離情報テーブル62、目的照度テーブル63、調光レベル設定テーブル64、調光レベル状態確率テーブル65には、対象とするフロア(エリア)に合わせた設定情報が予め格納されているものとする。
図9は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムの一例を示す動態検知図である。図において、既に人が座っている座席(A)101の隣の座席(B)に、新規に人200が着席してくる状態を示している。ここでは、動態検知装置30が例えばフロアの出入り口に設置されているものとする。
まず、フロアに入ってくる人200が動態検知装置30で検知されると、動態検知装置30から照明制御機器40へ動態検知情報が送信されてくる。この動態検知情報を動態受信手段50が受信すると、当該動態検知情報を基に、その人がこのフロアに座席を保有しているか判断し、座席を保有している人であれば、明るさを変更する制御対象となる、例えば、座席ID=Bを特定する。
ここで、動態検知装置30が人ID・座席IDテーブル(図示せず)を備え、検知したフロアに入ってくる人のID(人ID)から座席IDを判断し、照明制御機器40が座席IDを動態検知情報として受信するものとしてもよいし、照明制御機器40が人ID・座席IDテーブル(図示せず)を備え、動態検知装置30からフロアに入ってくる人の人IDを動態検知情報として受信して座席IDを判断するようにしてもよい。この人ID・座席IDテーブルは、人IDと座席IDを対応させる最小限の情報を持つことで、人と座席を対応付けることだけできれば、個人を特定できなくても構わない。
なお、動態検知装置30は、フロアの出入り口だけでなく、フロア内に設置してもよく、さらに1つに限らず複数設置してもよい。例えば、フロア内に複数の動態検知装置30を設置して、人がフロア内でも保有する座席から遠くに検出される場合には照明制御の対象とせず、座席の近くに検出された場合に照明制御の対象とするようにしてもよい。また、フロアの出入り口に動態検知装置30を設置せず、上述のフロア内に設置した動態検知装置30のみで動態を検知するようにしても構わない。
次に、調光レベル決定手段51は、動態情報から特定した座席ID=Bを基に、調光レベル設定テーブル64から照明ID(c、d、h、j、k、p)とそれに紐付く調光レベルを取得する。この際、取得した照明IDに対し、その時点で他の座席と共有して紐付けられていない、特定した座席IDとのみ紐付けられている照明ID(d、j、k、p)については、調光レベル設定テーブル64で設定されている調光レベルをそのまま取得する。また、他の座席と共有して紐付けられている照明ID(c、h)の調光レベルについては、次に説明する方法で取得する。
図10は、この発明の実施の形態1に係る照明制御方法における調光レベル決定方法の一例を示すフローチャートである。
図において、まず、調光レベル決定手段51は、調光レベル状態確率テーブル65から制御対象とする照明IDに紐付けられている調光レベルと確率値の情報を全て取得する(ステップS1)。
調光レベルの決定処理(ステップS2〜S5)は、例えば、取得した先頭の確率値から順に乱数と比較して、条件に合った確率値に対応する調光レベルが見つかるまで繰り返し、見つかり次第、処理を終了するものとする。また、取得したすべての確率値を比較し終えても該当する調光レベルが見つからなかった場合、再度先頭の確率値から比較する処理を繰り返す。
すなわち、調光レベルの決定処理は、まず、保持している情報の中から調光レベルの確率値を1つ取り出す(ステップS2)。次に、0〜100の範囲で乱数を生成する(ステップS3)。生成した乱数と取り出した確率値を比較する(ステップS4)。
比較の結果、生成した乱数の値の方が低くなかった場合(No)、保持している情報の中から次の調光レベルの確率値を取り出して、再度乱数を生成させ、乱数と確率値を比較する処理を繰り返す(S2〜S4)。
一方、比較の結果、生成した乱数の値の方が低い場合(Yes)、取り出した調光レベルを当該照明IDの調光レベルとして決定する(ステップS5)。
調光レベル状態確率テーブル65の情報を用いた調光レベルの決定によって、明るさを変更する座席IDに紐付いた全ての照明IDの調光レベルが決定すると、照明制御命令送信手段52は照明コントローラ10に対して当該調光レベルに変更するための照明制御命令を送信し、照明20の制御を実行する。
このように、調光レベルの制御対象とされる座席IDについて、他の座席IDにも紐付けられたすべての照明20について調光レベルを変更する制御を行い、例えば、図9の座席ID=Bの場合、他の座席ID=Aとも紐付けられた2つの照明ID=c、iについて、調光レベルの変更値をそれぞれ決定する。なお、ここでは座席AおよびBの関係から、2つの照明ID=c、iに対する調光レベルを変更する制御を説明したが、例えば、図2に示す座席CやDに人が在席した場合、その座席IDと照明IDの紐付けによっては、より多くの照明に対して調光レベルを変更する制御を行うことになる。
この図10で示したこの発明の実施の形態1に係る照明制御方法における調光レベル決定方法で説明したように、調光レベル決定手段は、動態検知情報から座席IDを特定し、特定した座席IDに紐付けられた制御対象とする照明の照明IDと調光レベルを調光レベル設定テーブルから取得し、他の座席IDと共有される照明の照明IDの調光レベルを調光レベル状態確率テーブルに格納された当該照明IDの確率値と発生させた乱数値とに基づいて決定する。
図11は、この発明の実施の形態1に係る照明制御方法における調光レベル状態確率更新方法の一例を示すフローチャートである。
図において、照明制御を実行後、調光レベル状態確率テーブル操作手段53は、明るさを変更した座席IDの座席の机上面照度を取得する(ステップS101)。ここで、照度を取得する方法として、例えば逐点法による計算で算出する方法を利用してもよいし、照度センサで実際に計測する方法や複数の方法の組合せを利用することもできる。
該当座席IDの目的照度を目的照度テーブル63から取得する(ステップS102)
照明制御を実行後に取得した座席の照度を、目的照度テーブル63の該当座席IDの設定している照度で除算した値を算出する(ステップS103)。
調光レベル状態確率テーブル65において、確率的に調光レベルを決定した照明IDを取得する(ステップS104)。
算出した値を、取得した照明IDにおいて決定された調光レベルに対する確率値に乗算し、確率値を変更する(ステップS105)。
確率値を変更すると、調光レベル状態確率テーブル65の同一照明IDの取り得る調光レベルの確率値の積算が100%に満たなくなるため、これを正規化する。正規化の手法としては、まず、同一照明IDの取り得る調光レベルの全ての確率値を積算した積算値を算出する(ステップS106)。
同一照明IDの取り得る調光レベルの各確率値をその積算値で除算して正規化する(ステップS107)。
調光レベル状態確率テーブル65における該当照明IDの各調光レベルの確率値を全て更新する(S108)。
上記操作によって、各座席に予め設定された照度を満足するように照明の調光レベルを決定することができ、複数の座席に紐付いた照明については、繰り返し制御を掛けることなく、制御を実行するごとに確率的に収まるべき調光レベルを選択することができ、当該制御も1回しか実行しないため、照明が明滅することなく快適性を損なわずに済むことになる。
確率の初期値は、例えば、座席からの距離が短い照明の方が高い確率値を示すように、より近くに存在する座席で設定された調光レベルに近い値の方が優先的に選択されるよう調整しておく。この調整方法の一例として、超パラメータをフィッティングしたベータ分布から算出する方法があるが、この方法に限るものではない。なお、調光レベル設定テーブルにおいて、紐付けられている座席IDが一つしか存在しない照明IDの調光レベルについては、常に100%の確率で選択されるため、調光レベル状態確率テーブルには当該照明IDに係わる確率は持たなくてもよい。
この図11で示したこの発明の実施の形態1に係る照明制御方法における照明制御方法における調光レベル状態確率更新方法で説明したように、調光レベル状態確率テーブル操作手段は、調光レベル決定手段が決定した照明IDの調光レベルに制御した座席の照度と目的照度テーブルに格納された座席の目的照度に基づいて、調光レベル状態確率テーブルに格納された当該照明IDの調光レベルに対する確率値を更新する。
この発明の実施の形態1に係る照明制御システムおよび照明制御方法では、目的照度テーブル63の目的照度の値を変更した場合、調光レベル設定テーブル64の各照明の調光レベルも該当する照度を確保できる最低限の値となるように更新する。また、調光レベル状態確率テーブル65において、複数の座席に重複して紐付けられている照明については新規に設定した調光レベルに応じて調光レベルの取得範囲を変更するとともに、確率値も新規に設定する。この操作によって、各照明が当該照度を確保する最低限の調光レベルへと収束するため、途中で目的照度を変更することが可能となる。
なお、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムおよび照明制御方法では、図1に示したように、1台の動態検知装置30を備えた照明制御システムの構成で説明したが、例えば、複数の出入り口を有するフロアに設置するシステムでは、複数の動態検知装置30を備えて運用する構成もあることは言うまでもない。また、例えば、フロア内が複数の区画で区切られるような場合には、各区画に対して、照明コントローラ10とその照明コントローラ10に接続される複数の照明20を設けても構わない。また、各区画に照明制御機器40を備えて、照明制御を分担させてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムおよび照明制御方法によれば、フロア内の在席状況に応じて複数の照明の調光レベルを変更する際、確率的に変動させて座席ごとに設定した目的照度を確保するとともに、また省エネルギー化の観点で、照明の調光レベルが最低値となるよう、迅速に調光レベルを決定し、照明を制御するようにしたので、在席者の快適性を損なわずに済むという効果がある。
実施の形態2.
この発明の実施の形態1では、照明制御機器40が照明を制御する際に、照明コントローラ10を経由して照明制御命令を送信するようにしたものについて説明したが、次に、この発明の実施の形態2では、照明コントローラ10内に照明制御機器40を内包した照明コントローラ10でシステムを構成することで、照明制御機器を独立に要せず照明20を制御するものを示す。
この発明の実施の形態1では、照明制御機器40が照明を制御する際に、照明コントローラ10を経由して照明制御命令を送信するようにしたものについて説明したが、次に、この発明の実施の形態2では、照明コントローラ10内に照明制御機器40を内包した照明コントローラ10でシステムを構成することで、照明制御機器を独立に要せず照明20を制御するものを示す。
図12は、この発明の実施の形態2に係る照明制御システムの構成の一例を示すシステム構成図である。図において、動態検知装置30は、状態検知情報を照明コントローラ10に内包された照明制御機器40に送信する。照明制御機器40は、受信した状態検知情報に基づいて、制御対象の照明20に対して照明制御命令を生成し、照明コントローラ10は、照明制御機器40が生成した照明制御命令を複数台接続された照明20の中から制御対象とする各照明に対して、照明制御命令を送信する。
ここで、この発明の実施の形態2に係る照明制御システムは、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムに対して照明制御機器40を内包した照明コントローラ10の構成に形態を変更しているが、基本的な照明レベルの決定等の動作は、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムで説明した同一番号を付した構成要素の動作と同様に説明できるため、その動作の詳細な説明は省略する。
なお、ここで示した図12では、照明コントローラ10を複数備え、各照明コントローラ10に照明制御機器40が内蔵される照明制御システムの構成を採っているが、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムで説明した図1のような照明コントローラ10、照明制御機器40が1つずつの構成においても、照明コントローラ10が照明制御機器40を内蔵することができる。
以上のように、この発明の実施の形態2に係る照明制御システムおよび照明制御方法によれば、この発明の実施の形態1に係る照明制御システムおよび照明制御方法と同様に、フロア内の在席状況に応じて複数の照明の調光レベルを変更する際、確率的に変動させて座席ごとに設定した目的照度を確保するとともに、また省エネルギー化の観点で、照明の調光レベルが最低値となるよう、迅速に調光レベルを決定し、照明を制御するようにしたので、在席者の快適性を損なわずに済むという効果がある。
また、この発明の実施の形態2に係る照明制御システムおよび照明制御方法によれば、照明制御機器を照明コントローラに内蔵したので、コンパクトな実装が可能となる効果がある。また、大規模な照明制御システムであっても、複数配置した照明コントローラのそれぞれに接続された照明のみを、内蔵した照明制御機器の制御対象とすることで、制御負荷の軽減が図ることができる。
また、この発明の実施の形態2に係る照明制御システムおよび照明制御方法によれば、照明制御機器を照明コントローラと一体化したので、照明制御システム構築作業の容易化が実現できるようになる。
10 照明コントローラ、20 照明、30 動態検知装置、40 照明制御機器、50 動態検知情報受信手段、51 調光レベル決定手段、52 照明制御命令送信手段、53 調光レベル状態確率テーブル操作手段、60 座席情報テーブル、61 照明情報テーブル、62 距離情報テーブル、63 目的照度テーブル、64 調光レベル設定テーブル、65 調光レベル状態確率テーブル、100 フロア、101 座席、200 動態。
Claims (7)
- 動態検知装置と照明制御機器と照明コントローラとがネットワークに接続され、複数の照明を制御する照明制御システムであって、
動態を検知して動態検知情報を生成する動態検知装置と、
生成された動態検知情報に基づく在席者の座席位置に対して複数の照明の中から制御対象とする照明を選択し、選択した制御対象とする照明の調光レベルを確率的に変動させて目的照度を満たす設定の照明制御命令を生成する照明制御機器と、
生成された照明制御命令を前記制御対象とする照明に送信する照明コントローラと、
前記照明コントローラに接続され、受信した照明制御命令の設定に基づいて、調光レベルを変更する複数の照明と
を有する照明制御システム。 - 前記照明制御機器は、
前記動態検知装置から前記動態検知情報を受信する動態情報受信手段と、
受信された動態検知情報に基づいて、前記照明制御命令を生成する調光レベル決定手段と、
生成された照明制御命令を前記照明コントローラに送信する照明制御命令送信手段と
を備えた請求項1記載の照明制御システム。 - 前記照明制御機器は、
フロア内の各座席の位置情報を、当該座席を一意に示す識別子である座席IDに紐付けて格納する座席情報テーブルと、
フロア内の各照明の位置情報と前記照明制御命令の送信先アドレス情報を、当該照明を一意に示す識別子である照明IDに紐付けて格納する照明情報テーブルと、
前記座席情報テーブルに格納された各座席と前記照明情報テーブルに格納された各照明との間の距離を、前記座席IDと前記照明IDに紐付けて格納する距離情報テーブルと、
各座席の目標とする目的照度を、前記座席IDに紐付けて格納する目的照度テーブルと、
前記距離情報テーブルに格納された座席と照明との間の距離に基づいて決められた前記制御対象とする照明が前記目的照度テーブルに格納された目的照度を確保できる調光レベルとその照明IDとを、座席IDに紐付けて格納する調光レベル設定テーブルと、
2つ以上の座席に紐付けされている照明に対し、前記距離情報テーブルに格納された距離に基づいて予め算出した確率値を、照明IDと調光レベルに紐付けて格納する調光レベル状態確率テーブルと、
前記調光レベル決定手段が決定した照明IDの調光レベルに制御した座席の照度と前記目的照度テーブルに格納された座席の目的照度に基づいて、前記調光レベル状態確率テーブルに格納された当該照明IDの調光レベルの確率値を更新する調光レベル状態確率テーブル操作手段と
を備え、
前記調光レベル決定手段は、前記動態検知情報から前記座席IDを特定し、特定した座席IDに紐付けられた前記制御対象とする照明の照明IDと調光レベルを前記調光レベル設定テーブルから取得し、他の座席IDと共有される照明の照明IDの調光レベルを前記調光レベル状態確率テーブルに格納された当該照明IDの確率値と発生させた乱数値とに基づいて決定する
請求項2記載の照明制御システム。 - 前記調光レベル状態確率テーブルに格納される照明IDの調光レベルの各確率値は、照明との距離がより短い方の座席の調光レベルが優先的に選択されるように設定され、
前記調光レベル状態確率テーブル操作手段は、前記調光レベル決定手段が決定した照明IDの調光レベルの確率値の更新に伴い、前記調光レベル状態確率テーブルに格納される同一照明IDに対応するすべての確率値の合計が1となるように正規化する
請求項3記載の照明制御システム。 - 前記照明コントローラを複数備え、
前記照明制御機器は、生成した照明制御命令を前記制御対象とする照明が接続された前記照明コントローラに送信する
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の照明制御システム。 - 前記照明制御機器が照明コントローラ内に備えられた
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の照明制御システム。 - ネットワークに接続された動態検知装置と照明制御機器と照明コントローラとによって、複数の照明を制御する照明制御方法であって、
動態検知装置が、動態を検知して動態検知情報を生成する動態検知ステップと、
照明制御機器が、生成された動態検知情報に基づく在席者の座席位置に対して複数の照明の中から制御対象とする照明を選択し、選択した制御対象とする照明の調光レベルを確率的に変動させて目的照度を満たす設定の照明制御命令を生成するステップと、
照明コントローラが、生成された照明制御命令を前記制御対象とする照明に送信するステップと、
前記照明コントローラに接続された複数の照明が、受信した照明制御命令の設定に基づいて、調光レベルを変更するステップと
を有する照明制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012128545A JP2013254607A (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 照明制御システムおよび照明制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012128545A JP2013254607A (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 照明制御システムおよび照明制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013254607A true JP2013254607A (ja) | 2013-12-19 |
Family
ID=49951957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012128545A Pending JP2013254607A (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 照明制御システムおよび照明制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013254607A (ja) |
-
2012
- 2012-06-06 JP JP2012128545A patent/JP2013254607A/ja active Pending
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