JP2013254162A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

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浩二 村田
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Abstract

【課題】本発明は、画素表示領域内に電気泳動粒子を均一に分散させて表示特性の向上を図ることができる電気泳動表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電気泳動表示装置1は、所定のギャップで対向配置された一対の基板2、4と、複数の電気泳動粒子16と複数の電気泳動粒子16を分散する分散媒8とを含み、一対の基板2、4間に封入された電気泳動媒体6と、一対の基板2、4に画定された画素領域14と、画素領域14に配置された線状の第一電極10と、第一電極10の線状端部10aに異なる距離で対向する第一及び第二対向端部12a、12b、12cを備え、画素領域14に配置された第二電極12とを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器の表示部等に用いられる電気泳動表示装置に関する。
液体中に微粒子を分散させた分散系に電界を作用させると、微粒子はクーロン力により液体中で移動(泳動)することが知られている。この現象は電気泳動と呼ばれている。近年、この電気泳動を利用して、所望の情報(画像)を表示する電気泳動表示装置が新たな表示装置として注目を集めている。電気泳動表示装置は、電圧の印加を停止した状態でも表示内容を維持する表示メモリー性を備えている。このため、電気泳動表示装置は低消費電力化を図ることができる。また、電気泳動表示装置は、一般の印刷物のように反射光を利用して画像を表示したり、特定波長の光のみを透過して画像を表示したりすることができる。電気泳動表示装置は、広視野角性を有し、高コントラストの表示が可能であるという特徴を備えている。
特表2010−511196号公報 特開2009−511975号公報
しかしながら、電気泳動表示装置は、電気泳動粒子を画素領域に亘って均一に分散させることが困難であるという問題を有している。
本発明の目的は、画素領域内に電気泳動粒子を均一に分散させて表示特性の向上を図ることができる電気泳動表示装置を提供することにある。
上記目的は、所定のギャップで対向配置された一対の基板と、複数の電気泳動粒子と前記複数の電気泳動粒子を分散する分散媒とを含み、前記一対の基板間に封入された電気泳動媒体と、前記一対の基板に画定された画素領域と、前記画素領域に配置された線状の第一電極と、前記第一電極の線状端部に異なる距離で対向する複数の対向端部を備え、前記画素領域に配置された第二電極とを有することを特徴とする電気泳動表示装置よって達成される。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記複数の対向端部は、第一の距離で直線状の前記線状端部にほぼ平行にそれぞれ対向する直線状の一対の第一対向端部と、前記第一の距離よりも長い第二の距離で前記線状端部にほぼ平行に対向し、前記一対の第一対向端部間に配置された直線状の第二対向端部とを有することを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第二電極は、前記一対の第一対向端部の一方の他端と、前記第二対向端部の一端とを結ぶ第一電極端部と、前記一対の第一対向端部の他方の一端と、前記第二対向端部の他端とを結ぶ第二電極端部とを有し、前記第一電極端部と前記第二電極極端部とはほぼ平行に対向配置されていることを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第一及び第二電極端部は、前記第一及び第二対向端部にほぼ直交する直線形状を有することを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第二電極は、凹形状を有することを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第一及び第二電極端部は、前記第二対向端部から一対の第一対向端部に向かって末広がりの階段形状を有することを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第一及び第二電極端部は、前記第一の距離よりも長く前記第二の距離よりも短い第三の距離で前記線状端部に対向する対向領域を有することを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第二対向端部の中点を通り前記第二対向端部にほぼ直交する仮想直線と、前記線状端部との交点から前記一対の第一対向端部の前記一方及び前記他方と前記第一及び第二電極端部とでそれぞれ構成される角部までのそれぞれの距離は、前記第二の距離よりも長いことを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第二電極は、前記第二対向端部から前記第一電極とは反対方向に所定距離だけ離れた点を通り前記第二対向端部に平行な仮想直線に対して線対称構造を有することを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第一電極は、前記複数の電気泳動粒子を集塵する集塵電極であり、前記第二電極は、前記複数の電気泳動粒子を前記画素領域内に分散する分散電極であることを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第一及び第二電極は、前記一対の基板のうちの表示面側に配置される基板上に形成されていることを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第一及び第二電極は、前記一対の基板のうちの非表示面側に配置される基板上に形成されていることを特徴とする。
上記本発明の電気泳動表示装置であって、前記第一電極及び前記第二電極のいずれか一方は、前記一対の基板のうちの表示面側に配置される基板上に形成され、他方は非表示面側の基板上に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、画素領域内に電気泳動粒子を均一に分散させて表示特性の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1に備えられた画素領域14の平面を模式的に示す図である。 従来の電気泳動表示装置に備えられた画素電極の平面を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の画素電極の構成を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の画素電極の構成を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の画素領域14での等電位線及び電気泳動粒子16の分散状態を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の第一電極10及び第二電極12の平面を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1であって、第二の距離L2、第二対向端部12cの長さWd及び距離L3の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1のコントラスト比を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の画素領域14を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態による電気泳動表示装置の画素電極の構成を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態による電気泳動表示装置の画素領域14での等電位線のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による電気泳動表示装置の画素領域14での等電位線を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態による電気泳動表示装置の透過率の測定値及び理論値を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による電気泳動表示装置の応答時間の測定値を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による電気泳動表示装置の第一及び第二電極10、42の平面を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施の形態の実施例1による電気泳動表示装置の第一及び第二電極10、44の平面を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施の形態の実施例2による電気泳動表示装置の第一及び第二電極10、44の平面を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施の形態の実施例3による電気泳動表示装置の第一及び第二電極10、44の平面を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施の形態の実施例4による電気泳動表示装置の第一及び第二電極10、48の平面を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施の形態による電気泳動表示装置の画素領域14を模式的に示す図である。 本発明の第5の実施の形態の実施例1による電気泳動表示装置3の隣接する2個の画素領域54の平面を模式的に示す図である。 本発明の第5の実施の形態の実施例1による電気泳動表示装置3の隣接する2個の画素領域54と、所定の駆動状態にある電気泳動粒子16とを模式的に示す図である。 本発明の第5の実施の形態の実施例2による電気泳動表示装置5の隣接する2個の画素領域54の平面を模式的に示す図である。 本発明の第5の実施の形態の実施例2による電気泳動表示装置5の隣接する2個の画素領域54と、所定の駆動状態にある電気泳動粒子とを模式的に示す図である。 本発明の第5の実施の形態の実施例3による電気泳動表示装置7の隣接する2個の画素領域54と、所定の駆動状態にある電気泳動粒子とを模式的に示す図である。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態による電気泳動表示装置について、図1乃至図10を用いて説明する。まず、本実施の形態による電気泳動表示装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態による電気泳動表示装置1の概略構成を模式的に示す図である。図1に示すように、電気泳動表示装置1は、所定のギャップ(例えば、20μm)で対向配置された一対の基板2、4を有している。基板2、4は、透明絶縁性材料で形成されている。基板2、4は例えばガラス基板である。基板2、4のそれぞれの厚さは例えば0.7mmである。基板2、4は、基板端部近傍の周囲に形成された封止壁(不図示)で貼り合わされている。電気泳動表示装置1は、基板2又は基板4両側からの表示が可能であるが、本例では基板2側が表示画面となる。電気泳動表示装置1は、透明状態時に白色表示となるように、基板4の基板2に対向する対向面の反対側の面に配置され、白色光を射出するバックライトユニット30を有している。なお、電気泳動表示装置1は、基板4側を表示画面とし、基板2の基板4に対向する対向面の反対側の面にバックライトユニット30を有していてもよい。
基板2には、複数のゲートバスライン18(図2参照)を駆動するドライバIC(不図示)が実装されたゲートバスライン駆動回路24(図1参照)と、複数のソースバスライン20(図2参照)を駆動するドライバIC(不図示)が実装されたソースバスライン駆動回路26(図1参照)とが接続されている。制御回路28から出力された所定の信号に基づいて、ゲートバスライン駆動回路24はゲートパルス信号を所定のゲートバスライン18に順次出力し、ソースバスライン駆動回路26はデータ信号を所定のソースバスライン20に出力するようになっている。また例えば、ゲートバスライン駆動回路24は後述する第一電極10に印加する電圧を生成する電圧生成回路を有している。
次に、電気泳動表示装置1の画素構造について図2を用いてより詳細に説明する。図2は、本実施の形態による電気泳動表示装置1に備えられた画素領域14の平面を模式的に示す図であり、図2(a)はマトリクス状に配置された複数の画素領域14のうちの2行2列の4個の画素領域14の等価回路を示し、図2(b)は、各画素領域14に配置された第一電極10及び第二電極12のみを抜き出して示している。図2(a)では、第一及び第二電極10、12は実際の形状で表わされ、電気泳動粒子16は実際の寸法より拡大して模式的に表わされている。また、図2(a)では、基板4、電気泳動媒体6(電気泳動粒子16を除く)の図示は省略されている。
図2(a)に示すように、電気泳動表示装置1は、マトリクス状に配置された複数の画素領域14(図2(a)では、2行2列の4個の画素領域14が図示されている)を有している。電気泳動表示装置1は、絶縁膜(不図示)を介して互いに交差して形成された複数のゲートバスライン18及び複数のソースバスライン20を基板2上に有している。電気泳動表示装置1は、一対の基板2、4にゲートバスライン18とソースバスライン20とで画定された画素領域14を有している。ゲートバスライン18とソースバスライン20との交差位置近傍には、画素領域14毎に薄膜トランジスタ22が配置されている。薄膜トランジスタ22のゲート電極はゲートバスライン18に接続され、ソース電極はソースバスライン20に接続され、ドレイン電極は第二電極12(詳細は後述)に接続されている。基板2は薄膜トランジスタ基板を構成している。電気泳動表示装置1は、基板4の基板2に対向する面上に形成された不図示のブラックマトリクスを有している。当該ブラックマトリクスは、基板4の法線方向に見て、例えばゲートバスライン18、第一電極10(詳細は後述)及びソースバスライン20と少なくとも重なるように格子状に形成されている。なお、電気泳動表示装置1はブラックマトリクスを有していなくてもよい。
電気泳動表示装置1は、複数の電気泳動粒子16と複数の電気泳動粒子16を分散する分散媒8とを含み、両基板2、4間に封入された電気泳動媒体6を有している。電気泳動粒子16は特定波長の光のみを透過して他の波長の光を吸収するようになっている。このため、電気泳動表示装置1は電気泳動粒子16が透過する波長の光に応じた単色の表示が可能になっている。電気泳動表示装置1は、電気泳動媒体6を用いて、バックライトユニット30が射出する白色光から所定波長の光を選択的に透過して画像を表示する透過型の表示装置である。電気泳動粒子16がバックライトユニット30からの光を散乱してしまうと電気泳動表示装置1の光透過率が低下してしまう。このため、電気泳動粒子16はバックライトユニット30からの光に対して光散乱粒子として作用しない程度の大きさである必要がある。電気泳動粒子16の粒子サイズは、例えば0.01μmから5μmの範囲にあり、より好適には0.05μmから2μmの範囲であることが望ましい。これにより、電気泳動粒子16は、可視光域内での光散乱の発生を防止できる。
電気泳動粒子16は例えば負に帯電している。電気泳動粒子16には、例えば顔料粒子、樹脂粒子又はこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種類が使用されている。例えば赤色に着色された電気泳動粒子であれば当該顔料粒子として、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、又はキナクリドンレッド、クロムバーミリオン等が用いられる。例えば緑色に着色された電気泳動粒子であれば当該顔料粒子として、フタロシアニングリーン等が用いられる。例えば青色に着色された電気泳動粒子であれば当該顔料粒子として、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等が用いられる。また、電気泳動粒子の色によらず当該樹脂粒子として、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が用いられる。なお、電気泳動粒子の形成材料は、これらの材料に限定されず、他の材料を用いることも可能である。
電気泳動表示装置1は、画素領域14に配置され、ゲートバスライン15にほぼ平行して形成された線状の第一電極10を有している。本実施の形態では、第一電極10は同一行の画素領域14で共通化されているが、第一電極10は画素領域14毎に独立して設けられていてもよい。電気泳動表示装置1は、第一電極10の直線状の線状端部10aに異なる距離で対向する複数の対向端部を備え、画素領域14に配置された第二電極12を有している。線状端部10aは第二電極12側に配置されている。第一電極10と第二電極12とで画素電極が構成される。以下、第一電極及び第二電極を合わせて「画素電極」と称する場合がある。第一電極10及び第二電極12は、画素領域14のほぼ全領域を占めている。
図2(b)に示すように、当該複数の対向端部は、第一の距離L1で線状端部10aに対向する直線状の一対の第一対向端部12a、12bと、第一の距離L1よりも長い第二の距離L2で線状端部10aにほぼ平行に対向し、一対の第一対向端部12a、12b間に配置された直線状の第二対向端部12cを有している。
第二電極12は、第一対向端部12aの他端と、第二対向端部12cの一端とを結ぶ電極端部(第一電極端部)12dと、第一対向端部12bの一端と、第二対向端部12cの他端とを結ぶ電極端部(第二電極端部)12eを有している。電極端部12dと電極端部12eとはほぼ平行に対向配置されている。電極端部12d、12eはそれぞれ、直線形状を有している。第二電極12は、電極端部12d、12eと第二対向端部12cとで三方を囲まれる電極空間部32を有している。第二電極12は、第一対向端部12aの一端から電極端部12dにほぼ平行に伸びる外周側電極端部12fと、第二対向端部12cの他端から電極端部12eにほぼ平行に伸びる外周側電極端部12gとを有している。第二電極12は第二対向端部12cにほぼ平行に伸びて外周側電極端部12f、12gの端部同士を結ぶ外周側電極端部12hを有している。外周側電極端部12hは第二対向端部12cよりも第一電極10から離れて配置されている。第二電極12は、第一対向端部12a、12b、第二対向端部12c、電極端部12d、12e及び外周側電極端部12f、12g、12hによって外形が構成される凹状形状を有している。
次に、電気泳動表示装置1の動作について説明する。本実施の形態による電気泳動表示装置1は、第一電極10に0Vの電圧が印加されており、第二電極12に印加される電圧の値に応じて電気泳動粒子16が第一電極10上に集塵したり画素領域14内に分散したりするようになっている。例えば図2(a)において1行目のゲートバスライン18に所定電圧のゲートパルス信号が入力されると、当該ゲートバスライン18に接続された薄膜トランジスタ22がオン状態となる。これにより、ソースバスライン20と第二電極12とが電気的に接続されるので、ソースバスライン20に印加されたデータ信号電圧が第二電極12に印加される。例えば図2(a)において1列目のソースバスライン20には−30Vのデータ信号電圧が印加されており、2列目のソースバスライン20には+30Vのデータ信号電圧が印加されているとすると、図中左上の画素領域14では、第一電極10から第二電極12に向かう電界が発生し、図中右上の画素領域14では、第二電極12から第一電極10に向かう電界が発生する。電気泳動粒子16は負に帯電しているため、電界の方向とは逆向きのクーロン引力を受ける。このため、左上の画素領域14内の電気泳動粒子16は第一電極10に向かうクーロン引力を受けて第一電極10上に集塵する。このように、第一電極10は、電気泳動粒子16を集塵する集塵電極としての機能を発揮する。一方、右上の画素領域14内の電気泳動粒子16は第二電極12に向かうクーロン引力を受けて第二電極12上や電極空間部32に均一に分散される。このように、第二電極12は、電気泳動粒子16を画素領域14内に分散する分散電極としての機能を発揮する。これにより、左上の画素領域14は透明表示(本例では、バックライトユニット30の発光色が白色なので白表示)となり、右上の画素領域14は電気泳動粒子16が選択的に透過する波長の光に応じた着色表示となる。このとき、2行目の薄膜トランジスタ22はオフ状態であるため、2行目の画素領域14内に生じている電界は変化せず、電気泳動粒子16は前回の表示状態(図2(a)では、第一電極10に集塵した状態)を維持する。電気泳動表示装置1は、ゲートバスライン18を順次選択して第二電極12に所望の電圧を印加して各画素領域14を着色表示又は透明表示(本例では、バックライトユニット30の発光色が白色なので白表示)として所望の画像を表示するようになっている。
次に、本実施の形態による電気泳動表示装置1の画素電極の構成について図3から図10を用いて説明する。当該画素電極の構成を説明する前にまず、従来の電気泳動表示装置の画素電極の構造について図3を用いて説明する。図3は、特許文献1及び2に開示された電気泳動表示装置に用いられている画素電極の平面を模式的に示している。
図3(a)は、特許文献1に開示された電気泳動表示装置に用いられる画素電極51、53の平面を模式的に示している。当該電気泳動表示装置では、電気泳動粒子55を表示領域57に引き付けるために、表示領域57内で対向配置された細長い直線状の一対の画素電極51、53が用いられている。当該電気泳動表示装置は、電気泳動粒子55で表示領域57を覆うために、まず電気泳動粒子55を片側の画素電極51に収集し、次に、画素電極51、55間にパルス電圧を印加することにより、電気泳動粒子55を表示領域57の全面に拡散するようになっている。電気泳動粒子55を表示領域57にわたって分散させる場合に、例えば逆三角のパルス波形の駆動電圧を画素電極51、53間に印加しなければならない。このため、特許文献1に開示された電気泳動表示装置は、電界による電気泳動粒子55の制御が難しく、図3(a)に示すように、電気泳動粒子55が画素電極51、53間で不均一に分散してしまう。これにより、当該電気泳動表示装置は、表示ムラが生じてしまうという問題を有している。
図3(b)は、特許文献2に開示された電気泳動表示装置に用いられる画素電極61、63の平面を模式的に示している。当該電気泳動表示装置は、細長い直線状の画素電極61と、画素電極61の長辺に短辺が対向配置された長方形状の画素電極63を有している。当該電気泳動表示装置は、画素電極63の全面に粒子群を分散させること、及び、画素電極61に電気泳動粒子65群を集塵させることで、着色状態と透明状態との切り替えを行うようになっている。
当該電気泳動表示装置において、画素領域67を着色状態にする際に画素電極61、63間に電圧が印加されると、画素電極61の端部と、当該端部に最も接近する画素電極63の端部との間に生じる電界の強度が最も強くなり、画素電極61の当該端部と、当該端部から最も離れた画素電極63の端部との間に生じる電界の強度が最も弱くなる。このため、図3(b)に示すように、電気泳動粒子65は、画素電極61の端部に最も近接する画素電極63の端部に集まり易いのに対し、画素電極61の端部から最も離れた画素電極63の端部には集まり難くなる。画素電極61と画素電極63とが最も接近する端部近傍に多くの電気泳動粒子65が集塵され、画素電極63上や画素電極61から最も離れた端部近傍には電気泳動粒子65が分散されず、画素領域67内で電気泳動粒子65が不均一に集塵されてしまう。このため、当該電気泳動表示装置は、表示ムラを引き起こしてしまうという問題を有している。特許文献2には、3つ以上の電極を有する電極構造や複雑な駆動方法を用いることにより、この表示ムラや電気泳動粒子65の応答時間を改善できることが開示されている。
次に、本実施の形態による電気泳動表示装置1の画素電極の構成について説明する。図4は、第一電極10に0Vの電圧を印加し、第二電極12に+30Vの電圧を印加した場合の第一及び第二電極10、12の表面を含む面内の線状端部10aと第二対向端部12cとの間の電位分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図4の図中上段には第一及び第二電極10、12の平面が示され、下段には、上段に示す第一及び第二電極10、12に対応付けて仮想直線VL2上での第一及び第二電極10、12の電位分布が示されている。上段において、仮想直線VL1は第一対向端部12bの中心を通り第一対向端部12bに直交する直線であり、仮想直線VL2は第二対向端部12cの中心を通り第二対向端部12cに直交する直線であり、仮想直線VL3は第一対向端部12aの中心を通り第一対向端部12aに直交する直線である。下段に示すグラフにおいて、縦軸は電位[V]を表し、横軸は仮想直線VL2上の第一電極10の中心からの距離[μm]を表している。●印を結ぶ曲線C1は第二対向端部12cの長さWd=0μm、すなわち特許文献2の電極構造と同様の構造での電位分布を示し、◆印を結ぶ曲線C2は第二対向端部12cの長さWd=10μmでの電位分布を示し、▲印を結ぶ曲線C3は第二対向端部12cの長さWd=20μmでの電位分布を示している。直線ILは仮想直線VL2上での理想的な電位分布を示している。
図4に示すように、仮想直線VL1、VL3上の電位分布は、第一電極10の線状端部10aでの電位0Vから第二電極12の第一対向端部12a、12bでの電位+30Vまでほぼ線形に増加する。仮想直線VL1、VL3上の電位分布は、図3(b)に示す従来の電極構造における電位分布とほとんど変わらない。すなわち、曲線C1で示されるWd=0μmでの電位分布とほぼ等しくなる。
仮想直線VL2上には電極空間部32が設けられているため、線状端部10aと第二対向端部12cとの第二の距離L2(本例では、約80μm)は線状端部10aと第一対向端部12a、12bとの間の第一の距離L1(本例では、約10μm)よりも長くなっている。このため、線状端部10aと第一対向端部12a、12bと間の電位差と、線状端部10aと第二対向端部12cとの間の電位差はいずれも30Vで等しいものの、図4のグラフに示すように、仮想直線VL2上の電位分布は線状端部10aから遠ざかるに従いゆっくり増大する(曲線C2及び曲線C3参照)。図3(b)に示す従来の電極構造では、電気泳動粒子65は画素電極61に最も近い画素電極63の端部に付着して当該端部の反対側の端部まで進行し難い。これに対し、本実施の形態による電気泳動表示装置1は、第一電極10の線状端部10aからの距離が異なる複数の対向端部12a、12b、12cを備えた第二電極12を有している。本実施の形態における第二電極12は、第一対向端部12a、12bに他に、第二対向端部12cや電極端部12d、12eから線状端部10aに向かう電界を発生できるので、負に電気泳動粒子16を第二対向端部12cや電極端部12d、12eまで容易に進行させることが可能である。これにより、電気泳動表示装置1は画素領域14の全面に電気泳動粒子16をほぼ均一に分散できるので、表示ムラを軽減することができる。
理想直線ILで示すように、仮想直線VL2上の電位分布は、第二電極12上での電位が第一電極10から遠ざかるに従い比例的に上昇するのが理想的である。電位分布が理想直線ILに近付く程、第二電極12上に電気泳動粒子16をムラなく均一に分散することができる。図4のグラフに示すように、例えば第二対向端部12cの長さWdが10μm、20μmと増加すればするほど、仮想直線VL2上の電位分布は理想直線ILに近付く。しかしながら、第二対向端部12cの長さWdが長すぎると、図3(a)に示す画素電極51、53の形状に近似することとなり電界による電気泳動粒子16の制御が困難になる場合がある。したがって、第二対向端部12cの長さWdは第一電極10及び第二電極12の大きさ等を考慮して設定する必要がある。第二対向端部12cの長さWdについては後述する。
図5は、第一電極10に0Vの電圧を印加し、第二電極12に+30Vの電圧を印加した場合の仮想直線VL2上の電気泳動媒体6(図1参照)の厚さ方向の所定位置での電位分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図5の図中上段には第一及び第二電極10、12が示され、下段には、上段に示す第一及び第二電極10、12に対応付けて仮想直線VL2上かつ電気泳動媒体6の厚さ方向の所定位置での第一及び第二電極12の電位分布が示されている。上段において、仮想直線VL1は第一対向端部12bの中心を通り第一対向端部12bに直交する直線であり、仮想直線VL2は第二対向端部12cの中心を通り第二対向端部12cに直交する直線であり、仮想直線VL3は第一対向端部12aの中心を通り第一対向端部12aに直交する直線である。下段に示すグラフにおいて、縦軸は電位[V]を表し、横軸は仮想直線VL2上の第一電極10の中心からの距離[μm]を表している。●印を結ぶ曲線C4は第二対向端部12cの長さWdが0μmかつ第二電極12の表面からの膜厚方向の距離が0μmでの電位分布を示し、●印を結ぶ曲線C5は第二対向端部12cの長さWdが10μmかつ第二電極12の表面からの膜厚方向の距離が0μmでの電位分布を示し、◆印を結ぶ曲線C6は第二対向端部12cの長さWdが0μmかつ第二電極12の表面からの膜厚方向の距離が10μmでの電位分布を示し、◆印を結ぶ曲線C7は第二対向端部12cの長さWdが10μmかつ第二電極12の表面からの膜厚方向の距離が10μmでの電位分布を示し、▲印を結ぶ曲線C8は第二対向端部12cの長さWdが0μmかつ第二電極12の表面からの膜厚方向の距離が20μmでの電位分布を示し、▲印を結ぶ曲線C9は第二対向端部12cの長さWdが10μmかつ第二電極12の表面からの膜厚方向の距離が20μmでの電位分布を示している。直線ILは仮想直線VL2上での理想的な電位分布を示している。曲線C4、C6、C8は特許文献2の電極構造と同様の構造での電位分布を示し、曲線C5、C7、C9は本実施の形態での電極構造での電位分布を示している。なお、曲線C4と図4に示す曲線C1とは、同一電極構造かつ同一場所での電位分布を示しているので一致しており、曲線C5と図4に示す曲線C2とは、同一電極構造かつ同一場所での電位分布を示しているので一致している。
第一及び第二電極10、12への電圧印加によって生じる電界の強度は、第一及び第二電極10、12近傍が最も強く、第一及び第二電極10、12から電気泳動媒体6の膜厚方向に遠ざかるに従って弱くなる。すなわち、仮想直線VL2上であって第一の距離L1だけ離れた場所における電位は、第二電極12の表面から電気泳動媒体6の厚さ方向に遠ざかるほど低くなる。このため、図5に示すように、第二対向端部12cの長さWdが0μmの場合には、第二電極12の表面からの距離が0μmでの電位は30Vとなり(曲線C4参照)、当該距離が10μmでの電位は約21Vとなり(曲線C6参照)、当該距離が20μmでの電位は約19Vとなる。また、第二対向端部12cの長さWdが10μmの場合には、第二電極12の表面からの距離が0μmでの電位は23Vとなり(曲線C5参照)、当該距離が10μmでの電位は約20Vとなり(曲線C7参照)、当該距離が20μmでの電位は約18.5Vとなる。仮想直線VL2上であって第一の距離L1だけ離れた場所における電位は、第二電極12の表面からの距離によらず、電極空間部32を設けている電極構造(第二対向端部12cの長さWd=10μm)の方が電極空間部32を設けていない電極構造(第二対向端部12cの長さWd=0μm)よりも低くなる。また、電界の強度は第二電極12の表面近傍では電極構造に依存し易い。このため、電極構造が異なると、第二電極12の表面からの距離が0μmでの電位分布も異なる。これに対し、第二電極12の表面から遠ざかるほど電界の強度が弱くなるため、第二電極12の表面からの距離が10μm及び20μmでの電位分布は電極構造によらずほぼ同じになる。
図6は、第一電極10に0Vを印加し、第二電極12に+30Vを印加した場合の1つの画素領域14での等電位線及び電気泳動粒子16の分散状態を説明する図である。図6(a)は当該等電位線のシミュレーション結果を示し、図6(b)は、画素領域14の平面内での電気泳動粒子16の分散状態を模式的に示している。また、図6(c)は、比較例であって、図3(b)に示す画素電極61に0Vを印加し、画素電極63に+30Vを印加した場合の1つの画素領域67での等電位線のシミュレーション結果を示している。図6(a)及び図6(b)において、仮想直線VL1は第一対向端部12bの中心を通り第一対向端部12bに直交する直線であり、仮想直線VL2は第二対向端部12cの中心を通り第二対向端部12cに直交する直線であり、仮想直線VL3は第一対向端部12aの中心を通り第一対向端部12aに直交する直線である。図6(c)には、図6(a)における画素領域14に対する仮想直線V1〜V3の相対位置と等しくなるように、画素領域67に対して仮想直線V1〜V3が図示されている。また、図6(a)から図6(c)の図中に点線で示す等電位線EL1は8.9Vの電位を示し、等電位線EL2は15.2Vの電位を示し、等電位線EL3は23.0Vの電位を示し、等電位線EL4は29.5Vの電位を示し、等電位線EL5は29.9Vの電位を示している。
図6(a)に示すように、本実施の形態における画素電極構造では、仮想直線VL1、VL3近傍での等電位線EL1〜EL5は線状端部10a及び第一対向端部12a、12bとほぼ平行である。図6(c)に示すように、従来の画素電極構造では、仮想直線VL1、VL3近傍での等電位線EL1〜EL5は、画素電極61と画素電極63とが互いに対向する端部とほぼ平行である。このように、仮想直線VL1、VL3近傍では、等電位線EL1〜EL5の形状は本実施の形態における画素電極構造と従来の画素電極構造とでほぼ同一である。このため、仮想直線VL1、VL3近傍において、本実施の形態における画素電極構造での電位勾配は、従来の画素電極構造での電位勾配とほとんど差異がない。
従来の画素電極構造の仮想直線VL2近傍での等電位線EL1〜EL5の形状は仮想直線VL1、VL3近傍での等電位線EL1〜EL5の形状とほとんど同じであるのに対し、本実施の形態における画素電極構造における仮想直線VL2近傍での等電位線EL1〜EL5の形状は仮想直線VL1、VL3近傍での等電位線線EL1〜EL5の形状とは全く異なる。仮想直線VL2近傍では、等電位線EL1〜EL5は第二対向端部12c側ほど間隔が広くなる。このため、本実施の形態における画素電極構造での電位勾配は第二対向端部12c側に進むに従い徐々に小さくなっている。すなわち、本実施の形態では、電極空間部32での電位が第二対向端部12c側に進むに従いゆっくりと徐々に大きくなる。これにより、電極空間部32での電位はより緩やかに第二電極12に収束している。このため、図6(b)に示すように、第一電極10に集塵していた電気泳動粒子16は、第一及び第二電極10、12間に生じる電界で制御されながら第二電極12の第二対向端部12cや電極端部12d、12eに到達し画素領域14内に分散する。
本実施の形態による電気泳動表示装置1は、線状端部10aから第一の距離L1だけ離れた電極空間部32の入り口において電気泳動粒子16が捕らわれ難くなる。このため、電極空間部32に進入して第二対向端部12cまで到達する電気泳動粒子16の割合が増加する。また、第一電極10と第二電極12との間には、第一対向端部12a、12bから線状端部10aに向かう電界に加えて、第二電極12の第二対向端部12cおよび電極端部12d、12eから線状端部10aに向かう電界が電極空間部32内にも生じる。このように、本実施の形態による電気泳動表示装置1は、従来の電気泳動表示装置と比較して、第二電極12の存在領域側まで食い込む電気力線の本数が増加するので、負に帯電している電気泳動粒子16は電極空間部32内に進入して画素領域14のほぼ全面に分散し易くなる。これにより、電気泳動表示装置1は、画素領域14における表示ムラを軽減することができる。電気泳動表示装置1は、電気泳動媒体6の厚さ方向において、第二電極12の存在領域側まで食い込む電気力線の本数が増加する傾向を示す。また、当該傾向は、第二電極12表面近傍で最も顕著になる。
次に、第二対向端部12cの長さWdと第二の距離L2との関係について図7及び図8を用いて説明する。図7は、第一電極10及び第二電極12の平面を模式的に示している。図7に示すように、第一電極10の電極幅をWaとし、第一対向端部12a、12bから外周側電極端部12hまでの第二電極端部間長さをWbとし、外周側電極端部12hから画素領域14の端部までの長さをWcとする。また、第一の距離がL1であり、第二の距離がL2であり、第二対向端部12cの長さがWdである。第二対向端部12cの長さWdは、電極端部12d、12e間の距離でもあり、電極空間部32の幅でもある。
第二対向端部12cの中点を通り第二対向端部12cにほぼ直交する仮想直線VL2上を第一電極10の線状端部10aから第二対向端部12cまで、あるいはその逆方向に電気泳動粒子16が移動するためには、仮想直線VL2と、線状端部10aとの交点から第一対向端部12a、12bと電極端部12d、12eとでそれぞれ構成される角部までのそれぞれの距離L3が第二の距離L2よりも長いことを要する。すなわち、距離L3と第二の距離L2とは以下の式(1)及び式(2)を満たす必要がある。
L2<L3 ・・・(1)
L3=√(L1+(Wd/2)) ・・・(2)
式(1)を満たさず、例えば第二の距離L2と距離L3とがL2>L3の関係を有していると、第一電極10と第二電極12とは、図3(a)に示す画素電極51、53のように対向する線状の電極と考えることができる。上記の通り、対向する線状の電極では電気泳動粒子16を画素領域14内に均一に分散することが困難である。このため、本実施の形態による電気泳動表示装置1は、式(1)及び式(2)を満たすように第一及び第二電極10、12が形成されていることを要する。
図8は、式(1)及び式(2)を満たす第二の距離L2、第二対向端部12cの長さWd及び距離L3の一例を示す一覧表である。図8では、第一電極10の電極幅Wa、外周側電極端部12hから画素領域14の端部までの長さWc及び第一の距離L1をそれぞれ10μm一定として第二の距離L2、第二対向端部12cの長さWd及び距離L3が計算されている。また、図8に示す長さWdの各値は、式(1)及び式(2)を満たす最小の整数値である。当該一覧表は、左欄の「第二の距離L2[μm]」、中欄の「第二対向端部12cの長さWd[μm]」及び右欄の「距離L3[μm]」で構成されている。
図8に示すように、第二の距離L2が80μmでは、長さWdは159μmとなり、長さL3は80.1μmとなり、第二の距離L2が70μmでは、長さWdは139μmとなり、長さL3は70.2μmとなり、第二の距離L2が60μmでは、長さWdは119μmとなり、長さL3は60.3μmとなり、第二の距離L2が50μmでは、長さWdは98μmとなり、長さL3は50.01μmとなり、第二の距離L2が40μmでは、長さWdは78μmとなり、長さL3は40.3μmとなり、第二の距離L2が30μmでは、長さWdは57μmとなり、長さL3は30.2μmとなり、第二の距離L2が20μmでは、長さWdは35μmとなり、長さL3は20.1μmとなり、第二の距離L2が10μmでは、長さWdは0μmとなり、長さL3は10μmとなる。
例えば、電気泳動表示装置1が第一電極10の延伸方向に直交する方向の長さが110μmの画素領域14を有しているとすると、第二の距離L2は80μmとなり、第二対向端部12cの長さWdは0μmよりも長く159μmよりも短いことが画素領域14内に電気泳動粒子16を均一に分散するための最低限の条件となる。
次に、本実施の形態による電気泳動表示装置1の画素電極の形状とコントラスト比との関係について図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態による電気泳動表示装置1のコントラスト比の計算結果を示している。図9(a)及び図9(b)は、当該コントラスト比を計算するために用いた電気泳動表示装置1の1つの画素領域14の断面を模式的に示している。図9(a)は、第二電極12上に電気泳動粒子16が分散した着色状態を示し、図9(b)は、第一電極10上に電気泳動粒子16が集塵した透明状態を示している。
図9(c)は、第二の距離L2及び第二対向端部12cの長さWdを変更した場合のコントラスト比の計算結果を示す一覧表である。当該一覧表は、左から第1欄の「第二電極端部間長さWb[μm]」、第2欄の「第二の距離L2[μm]」、第3欄の「第二対向端部12cの長さWd[μm]」、第4欄の「距離L3[μm]」、第5欄の「透過率[%](着色状態)」、第6欄の「透過率[%](透明状態)」及び第7欄の「コントラスト比」で構成されている。透過率は、基板4に入射する入射光の光強度I1に対する、画素領域14を通って基板2から射出する射出光の光強度I2(I2/I1)であり、コントラスト比は、着色状態の透過率に対する透明状態の透過率である。当該透過率及びコントラスト比は、基板2、4、第一及び第二電極10、12並びに分散媒の透過率を100%と仮定し、ブラックマトリクス34を完全吸収体と仮定し、電気泳動粒子16を透過する特定波長の光以外の波長の光に対して完全吸収体と仮定し、画素領域14の開口率を80%として計算されている。また、透過率及びコントラスト比の計算において、当該特定波長の光の光強度は射出光の光強度I2から除かれている。
本例では、第一電極10の延伸方向に直交する方向の画素領域14の長さを110μmとし、第一電極10の電極幅Wa、外周側電極端部12hから画素領域14の端部までの長さWc及び第一の距離L1をそれぞれ10μm一定と仮定している。このため、第二電極端部間長さWb及び距離L3は80μm一定となる。図9(c)に示すように、第二の距離L2と距離L3とが式(1)及び式(2)を満たす場合には、着色状態の透過率は9%となり、透明状態の透過率は80%となり、コントラスト比は8.8となる。例えば、第二電極端部間長さWbが70μm以下の場合には、コントラスト比は4.4以下と極端に低くなる。このため、第二電極端部間長さWbは80μm程度が望ましい。また、本例では、第一電極10の電極幅Wa、外周側電極端部12hから画素領域14の端部までの長さWc及び第一の距離L1は、10μm一定としているが、より好ましくは10μmより短い方がよい。
例えば画素領域14の長さを110μmとし、第二電極端部間長さWbが80μmであり第二の距離L2が80μmであるとすると、第二対向端部12cの長さWdは0μmよりも長く159μmより短いことが、コントラスト比が8.0よりも大きく、かつ電気泳動粒子16を画素領域14内に均一に分散する条件となる。第二対向端部12cの長さWdの最適値は0〜159μmの中から選択する必要がある。第二対向端部の長さWdの最適値の選択は、第一及び第二電極10、12間に生じる電界の他に分散媒8の流体(粘度)的な効果も考慮する必要がある。分散媒8の流体の影響は無視できず、第二対向端部12cの長さWdは20μmあるいはそれ以下であることが望ましい。
次に、さらに高いコントラスト比を実現する方法について図10を用いて説明する。図10は、電気泳動表示装置1に備えられた1つの画素領域14を模式的に示している。図10(a)は着色状態を示し、図10(b)は擬似分散状態(詳細は後述)を示し、図10(c)は透明状態を示している。図10(a)から図10(c)において、図中上段には画素領域14の断面が模式的に示され、下段には画素領域14の平面が模式的に示されている。なお、本例では、電気泳動粒子16は正に帯電しているものとする。
第一電極10に+30Vを印加し、第二電極12に0Vを印加すると、図10(a)に示すように、電気泳動粒子16は第二電極12上及び電極空間部32上に分散し、電気泳動表示装置1は着色状態となる。図10(b)に示す擬似分散状態は、第一及び第二電極10、12に印加された電圧に基づく電界に応じて電気泳動粒子16が移動している中間状態である。第一電極10に+30Vを印加し、第二電極12に0Vを印加すると、図10(b)に示すように、電気泳動粒子16は、擬似分散状態において第二電極12上及び電極空間部32上に加えて、図中黒丸で示すように、第一電極10の線状端部10aと第二電極12の第一対向端部12a、12bとの間や外周側電極端部12hと画素領域14の端部との間に分散する。このため、擬似分散状態は、着色状態と比較して、画素領域14の広範囲に亘って電気泳動粒子16が分散する。基板2、4、第一及び第二電極10、12並びに分散媒8の透過率を100%と仮定し、ブラックマトリクス34及び電気泳動粒子16を完全吸収体と仮定すると、擬似分散状態での透過率はほぼ0%となる。
第一電極10に0Vを印加し、第二電極12に+30Vを印加すると、図10(c)に示すように、電気泳動粒子16は第一電極10上に集塵し、電気泳動表示装置1は透明状態となる。コントラスト比は、着色状態の透過率又は擬似分散状態の透過率に対する透明状態の透過率である。擬似分散状態の透過率がほぼ0%であるのに対し、着色状態の透過率は例えば9%であるため(図9(c)参照)、擬似分散状態のコントラスト比は着色状態のコントラスト比よりも高くなる。このように、電気泳動表示装置1は、擬似分散状態を利用することにより、コントラスト比の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施の形態による電気泳動表示装置1は、所定のギャップで対向配置された一対の基板2、4と、複数の電気泳動粒子16と複数の電気泳動粒子16を分散する分散媒8とを含み、一対の基板2、4間に封入された電気泳動媒体6と、一対の基板2、4に画定された画素領域14と、画素領域14に配置された線状の第一電極10と、第一電極10の線状端部10aに異なる距離で対向する第一及び第二対向端部12a、12b、12cを備え、画素領域14に配置された第二電極12とを有している。
当該構成を備えた電気泳動表示装置1によれば、線状端部10aと第一及び第二対向端部12a、12b、12cとの間、及び、線状端部10aと電極端部12d、12eとの間に生じる電界により電気泳動粒子16を画素領域14内にほぼ均一に分散することができる。これにより、電気泳動表示装置1は表示ムラを低減できる。さらに、電気泳動表示装置1はコントラスト比の向上を図ることができる。また、電気泳動表示装置1は、カラーフィルタを用いずにカラー表示が可能であるため、光の利用効率の向上を図ることができる。
次に、電気泳動表示装置1の製造方法について図1及び図2を参照しつつ説明する。電気泳動表示装置1の製造方法ではまず、透明絶縁性の基板上に直接、または必要に応じて保護膜を形成した後、例えばアルミニウム等を全面に成膜して金属層を形成する。次いで、金属層上に形成した所定のレジストマスクを用いて金属層をパターニングし、ゲートバスライン18、ゲート電極及び第一電極10に電圧を印加するための第一電極電圧印加用端子を形成する。ゲート電極を形成せずにゲートバスライン18の一部がゲート電極として機能するようにしてもよい。また、ゲートバスライン18の一端部がゲートバスライン駆動回路24を接続するための接続端子となる。
次いで、例えばシリコン窒化膜を基板全面に成膜して、ゲート電極直上ではゲート絶縁膜となり、残余の領域では層間絶縁膜となる絶縁膜を形成する。次に、動作半導体層を形成するための例えばアモルファスシリコン(a−Si)層を基板全面に成膜する。さらに、オーミックコンタクト層(不図示)を形成するための例えばna−Si層を基板の全面に形成する。次に、na−Si層上に形成した所定のレジストマスクを用いてオーミックコンタクト層及び動作半導体層をエッチングしてチャネル・アイランドを形成する。
次いで、例えばアルミニウム等を基板全面に成膜して金属層を形成する。当該金属層上に形成した所定のレジストマスクを用いて金属層をパターニングし、ソース電極、ドレイン電極及びソースバスライン20を形成する。ソースバスライン20の一端部がソースバスライン駆動回路26を接続するための接続端子となる。
次いで、オーミックコンタクト層のエッチング及び動作半導体層のハーフエッチングによりチャネルを分離する。これにより、薄膜トランジスタ22が形成される。
次に、基板全面に層間絶縁膜を形成する。当該層間絶縁膜上に形成した所定のレジストマスクを用いて層間絶縁膜をパターニングし、ドレイン電極の一部及び第一電極電圧印加用端子の一部がそれぞれ露出すコンタクトホールを形成する。
次に、透明酸化物導電材料(例えば、ITO(インジウム・ティン・オキサイド))を用いて基板全面に透明導電層を形成する。当該透明導電層上に形成した所定のレジストマスクを用いて当該透明導電層をパターニングして、第一及び第二電極10、12を形成する。このとき、第一電極10は層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して第一電極電圧印加用端子に電気的に接続され、第二電極12は層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極と電気的に接続される。これにより、基板2が完成する。
次に、基板2の外周部に、電気泳動媒体6の注入口となる切断部を備えた封止壁を塗布形成し、ブラックマトリクスが形成された基板4を重ね合わせ、所定のギャップを有するように基板2、4を加圧して貼り合わせる。次に、毛細管現象を利用して注入口から電気泳動媒体6を基板2、4の間に注入し、当該注入口を封止する。これにより、電気泳動表示パネルが形成される。次いで、基板2の外周部に形成され、ゲートバスライン18の一端部である接続端子と第一電極電圧印加用端子にゲートバスライン駆動回路24を接続し、ソースバスライン20の一端部である接続端子にソースバスライン駆動回路26を接続し、制御回路28を接続し、基板4の基板2に対向する対向面の反対側の面にバックライトユニット30を配置して電気泳動表示装置1が完成する。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態による電気泳動表示装置について図11から図16を用いて説明する。本実施の形態による電気泳動表示装置は、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1に対して第二電極の形状が異なる点を除いて同一の構成を有している。このため、本実施の形態による電気泳動表示装置の画素電極について主に説明する。なお、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
図11は、第一電極10に0Vの電圧を印加し、第二電極42に+30Vの電圧を印加した場合の第一及び第二電極10、42の表面を含む面内の線状端部10a及び第二対向端部12c間の電位分布のシミュレーション結果を示すグラフである。図11の図中上段には第一及び第二電極10、42の平面が示され、下段には、上段に示す第一及び第二電極10、42に対応付けて仮想直線VL2上での第一及び第二電極10、42の電位分布が示されている。上段において、仮想直線VL1は第一対向端部42bの中心を通り第一対向端部42bに直交する直線であり、仮想直線VL2は第二対向端部42cの中心を通り第二対向端部42cに直交する直線であり、仮想直線VL3は第一対向端部42aの中心を通り第一対向端部42aに直交する直線である。下段に示すグラフにおいて、縦軸は電位[V]を表し、横軸は仮想直線VL2上の第一電極10の中心からの距離[μm]を表している。■印を結ぶ曲線C10は、本実施の形態における第二電極24での電位分布を示している。また、当該グラフには、比較例として図4の下段のグラフに示す曲線C1、C2、C3が合わせて示されている。直線ILは仮想直線VL2上での理想的な電位分布を示している。
図11の上段に示すように、本実施の形態における第一電極10は、上記実施の形態における第一電極10と同様の構成を有している。本実施の形態における第二電極42は、第一電極10の線状端部10aに異なる距離で対向する複数の対向端部を有している。当該複数の対向端部は、第一の距離L1で線状端部10aに対向する直線状の一対の第一対向端部12a、12bと、第一の距離L1よりも長い第二の距離L2で線状端部10aにほぼ平行に対向し、一対の第一対向端部12a、12b間に配置された直線状の第二対向端部12cを有している。
第二電極42は、第一対向端部42aの他端と、第二対向端部42cの一端とを結ぶ電極端部(第一電極端部)42dと、第一対向端部42bの一端と、第二対向端部42cの他端とを結ぶ電極端部(第二電極端部)42eとを有している。電極端部42d、42eはそれぞれ、第二対向端部42cから第一対向端部42a、42bに向かって末広がりの階段形状を有している。電極端部42dと電極端部42eとはほぼ平行に対向配置されている。電極端部42dは、第一の距離L1よりも長く第二の距離L2よりも短い第三の距離L3で線状端部10aに対向する対向領域42iを有している。電極端部42eは、第一の距離L1よりも長く第二の距離L2よりも短い第三の距離L3で線状端部10aに対向する対向領域42jを有している。第二電極42は、第一及び第二対向端部42a、42b、42cに加えて、対向領域42i、42jを有しているので、線状端部10aに異なる距離で対向する3つの対向端部を備えていると看做すこともできる。
第二電極42は、電極端部42d、42eと第二対向端部42cとで三方を囲まれる電極空間部32を有している。第二電極42は、第一対向端部42aの一端から電極端部12dにほぼ平行に伸びる外周側電極端部42fと、第二対向端部42bの他端から電極端部42eにほぼ平行に伸びる外周側電極端部42gとを有している。第二電極42は第二対向端部42cにほぼ平行に伸び外周側電極端部42f、42gの端部同士を結ぶ外周側電極端部42hを有している。外周側電極端部42hは第二対向端部42cよりも第一電極10から離れて配置されている。
本実施の形態では、電極空間部32の幅が2段階になっている。第一対向端部42aと電極端部42dとで構成される角部と、第一対向端部42bと電極端部42eとで構成される角部との距離である電極空間部幅Wd1は30μmであり、第二対向端部42cの長さと等しい電極空間部幅Wd2は10μmである。また、第一の距離L1が10μmであり、第二の距離L2が70μmであり、第三の距離L3が40μmである。なお、第二電極42の外形寸法はこれらに限定されない。
図11の下段のグラフに示すように、本実施の形態における第二電極42の電位分布を示す曲線C10は、上記第1の実施の形態における第二電極12の電位分布を示す曲線C2、C3よりも直線ILに近付いている。すなわち、本実施の形態における第二電極42は、電極空間部32の幅を複数段階(本例では、2段階)とすることにより、仮想直線VL2上の電位分布は、電極空間部32の幅が一定の第二電極12の電位分布と比較して、さらになだらかに増大し、理想的な電位分布に近付いている。また、電極空間部32に生じる電界の強度は、第二電極42の方が第二電極12よりも強い。このため、本実施の形態による電気泳動表示装置は、第一電極10に集塵している電気泳動粒子を第一電極10の遠方まで移動させることができる。これにより、本実施の形態による電気泳動表示装置は、画素領域14の全面に電気泳動粒子をより均一に分散できるので、表示ムラを軽減することができる。
本実施の形態おける1つの画素領域14での等電位線のシミュレーション結果について、図6(a)を参照しつつ図12を用いて説明する。図12は、第一電極10に0Vを印加し、第二電極42に+30Vを印加した場合の1つの画素領域14での等電位線のシミュレーション結果を示している。図12において、仮想直線VL1は第一対向端部12bの中心を通り第一対向端部12bに直交する直線であり、仮想直線VL2は第二対向端部12cの中心を通り第二対向端部12cに直交する直線であり、仮想直線VL3は第一対向端部12aの中心を通り第一対向端部12aに直交する直線である。また、図12の図中に点線で示す等電位線EL1は8.9Vの電位を示し、等電位線EL2は15.2Vの電位を示し、等電位線EL3は23.0Vの電位を示し、等電位線EL4は29.5Vの電位を示し、等電位線EL5は29.9Vの電位を示している。
図12及び図6(a)に示すように、仮想直線VL1、VL3近傍での等電位線EL1〜EL5は、第二電極12、42の形状によらずほぼ同一の形状を有している。これに対し、仮想直線VL2近傍を含む電極空間部32での等電位線EL1〜EL5は、第二電極42の方が第二電極12よりも密になっている。このため、電極空間部32に生じる電界は第二電極12の方が第二電極12よりも強くなる。また、第二電極42は、第二電極12と比較して、所定の領域毎に電界強度の異なる電界を電極空間部32に生じさせることができ、電極空間部32に複雑な電界を発生できる。これにより、本実施の形態による電気泳動表示装置は、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1よりも第二電極42及び電極空間部32に電気泳動粒子を分散し易くなり、表示ムラを軽減することができる。
次に、第一電極10の線状端部10aと第二電極42の対向領域42i、42jとの間隔である第三の距離L3について図13を用いて説明する。図13は、第一電極10に0Vを印加し、第二電極42に+30Vを印加した場合の1つの画素領域14での等電位線を模式的に示している。図13(a)は、相対的に短い第三の距離L3を備えた第一及び第二電極10、42の平面を模式的に示し、図13(b)は、図13(a)に示す第三の距離L3よりも長い第三の距離L3を備えた第一及び第二電極10、42の平面を模式的に示している。図13(a)及び図13(b)に示す第二電極42は、第三の距離L3が異なる点を除いて同様の形状を有している。
図13(a)及び図13(b)に示すように、等電位線EL11、EL12、EL13のうちの+30Vに最も近い電位の等電位線EL13は、第三の距離L3が長い方が第二対向端部42cに相対的に近くなる。第三の距離L3を長くして対向領域42i、42jと第二対向端部42cとの距離が短くなることにより、第二対向端部42c近傍の電極空間部32での等電位線は密になる。このため、相対的に長い第三の距離L3を備えた第二電極42を有する画素電極は、所定の強度の電界を第二対向端部42c近傍まで生じさせることができる。当該画素電極を備えた電気泳動表示装置は、電極空間部32に電気泳動粒子を分散し易くなり、表示ムラを軽減することができる。
次に、本実施の形態による電気泳動表示装置の透過率について上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の透過率とともに図14を用いて説明する。図14は、画素領域が透明状態及び疑似分散状態での電気泳動表示装置の透過率の測定値及び理論値を示す一覧表である。当該一覧表は、左欄の「画素領域の状態等」、中欄の「測定値」及び右欄の「理論値」の3項目で構成されている。中欄の「測定値」は「第1の実施の形態」、「第2の実施の形態」及び「従来の電極構造」の3つの項目に分類されている。右欄の「理論値」は「第2の実施の形態」と「従来の電極構造」の2つの項目に分類されている。「画素領域の状態等」は、透過率の測定及び理論値を求める際の画素領域の状態等を表わし、上から順に「透明状態[%]」、「疑似分散状態[%]」及び「ΔT[%]」の3つの項目に分類されている。「透明状態[%]」は画素領域が透明状態である場合の透過率を示し、「疑似分散状態[%]」は画素領域が疑似分散状態である場合の透過率を示し、「ΔT[%]」は透明状態での透過率から疑似分散状態での透過率を減算した透過率差を示している。「第1の実施の形態」は画素電極が第一及び第二電極10、12で構成されていることを示し、「第2の実施の形態」は画素電極が第一及び第二電極10、42で構成されていることを示し、「従来の電極構造」は画素電極が画素電極61、63で構成されていることを示している。
図14に示すように、画素領域が透明状態での透過率の測定値は、「第1の実施の形態」では60%となり、「第2の実施の形態」では59%となり、「従来の電極構造」では65%となる。また、画素領域が疑似分散状態での透過率の測定値は、「第1の実施の形態」では40%となり、「第2の実施の形態」では35%となり、「従来の電極構造」では51%となる。したがって、透過率差ΔTは、「第1の実施の形態」では20%となり、「第2の実施の形態」では24%となり、「従来の電極構造」では14%となる。図12を用いて説明したように、第二電極42は、第二電極12と比較して、電極空間部32に生じる電界強度が強いため、第一電極10に集塵していた電気泳動粒子が外周側電極端部12hまで到達し易くなり表示ムラが改善される。なお、第二電極12及び第二電極42のいずれを有していても、透明状態における透過率はほぼ同じである。
また、画素領域が透明状態での透過率の理論値は、「第2の実施の形態」では73%となり、「従来の電極構造」では67%となる。また、画素領域が疑似分散状態での透過率の理論値は、「第2の実施の形態」では30%となり、「従来の電極構造」では33%となる。したがって、透過率差ΔTは、「第2の実施の形態」では43%となり、「従来の電極構造」では34%となる。なお、当該理論値は、測定で使用した電気泳動粒子の光吸収率の値及び電極構造、基板の光透過率から算出されている。
次に、本実施の形態による電気泳動表示装置の応答時間について上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1の応答時間とともに図15を用いて説明する。図15は、画素領域が透明状態及び疑似分散状態での電気泳動表示装置の応答時間の測定値を示す一覧表である。当該一覧表は、左から第1欄の「画素領域の状態等」、第2欄の「第1の実施の形態」、第3欄の「第2の実施の形態」及び第4欄の「従来の電極構造」の4項目で構成されている。「画素領域の状態等」は、応答時間を測定する画素領域の状態等を表わし、上から順に「tA[sec]」及び「tB[sec]」の2つの項目に分類されている。「tA[sec]」は画素領域が疑似分散状態から透明状態に移行する際の応答時間を示し、「tB[%]」は画素領域が透明状態から疑似分散状態に移行する際の応答時間を示している。第2欄の「第1の実施の形態」は画素電極が第一及び第二電極10、12で構成されていることを示し、第3欄の「第2の実施の形態」は画素電極が第一及び第二電極10、42で構成されていることを示し、第4欄の「従来の電極構造」は画素電極が画素電極61、63で構成されていることを示している。
電気泳動表示装置の応答時間は、画素内に生じる電界強度、電気泳動粒子の電気泳動移動度及び電気泳動粒子の画素電極への付着などによって決定される。電気泳動粒子の画素電極への付着は、画素電極が画素領域の平面内を占める割合である被覆率に依存する。なお、本例では画素電極はITOで形成されているため、以下、当該被覆率を「ITO被覆率」と称する。図15に示す「第1の実施の形態」、「第2の実施の形態」及び「従来の電極構造」では、画素内に生じる電界強度及び電気泳動粒子の電気泳動移動度は同じであるため、応答時間はITO被覆率に依存する。
図15に示すように、画素領域が疑似分散状態から透明状態に移行する際の応答時間tAは、「第1の実施の形態」では0.46secとなり、「第2の実施の形態」では0.66secとなり、「従来の電極構造」では0.82secとなる。従来の電極構造ではITO被覆率が85%であるのに対し、本実施の形態ではITO被覆率が48%であり、上記第1の実施の形態ではITO被覆率が39%である。このように、本実施の形態及び上記第1の実施の形態の画素電極の形状は、従来の画素電極の形状と比較して、ITO被覆率が低下している。このため、本実施の形態及び上記第1の実施の形態の電気泳動表示装置は、電気泳動粒子が第二電極12、42に付着するのを防止して、電気泳動粒子の応答時間tAを短くすることができる。
画素領域が透明状態から疑似分散状態に移行する際の応答時間tBは、「第1の実施の形態」では0.04secとなり、「第2の実施の形態」では0.05secとなり、「従来の電極構造」では0.04secとなる。応答時間tBはITO被覆率にほとんど依存せずにほぼ一定の値となる。画素電極構造は、表示ムラの発生の有無には大きく寄与するが、応答時間tBにはほとんど寄与しない。
以上説明したように、本実施の形態及び上記第1の実施の形態の電気泳動表示装置は、低透過率かつ高速応答を実現することができる。
次に、本実施の形態の変形例による電気泳動表示装置について図16を用いて説明する。本変形例による電気泳動表示装置は、2段以上の階段状に形成された電極端部42d、42eを備えた第二電極42を有する点に特徴を有している。以下、本実施の形態における第二電極42と異なる点のみを簡述する。
図16は、本変形例おける第一及び第二電極10、42の平面を模式的に示している。図16に示すように、本変形例における第二電極42は、2段階の階段形状に形成された電極端部42d、42eを有している。電極端部42dは、第一の距離L1よりも長く第二の距離L2よりも短い第三の距離L3で線状端部10aに対向する対向領域42iと、第三の距離L3よりも長く第二の距離L2よりも短い第四の距離L4で線状端部10aに対向する対向領域42kとを有している。電極端部42eは、第一の距離L1よりも長く第二の距離L2よりも短い第三の距離L3で線状端部10aに対向する対向領域42jと、第三の距離L3よりも長く第二の距離L2よりも短い第四の距離L4で線状端部10aに対向する対向領域42lとを有している。第二電極42は、第一及び第二対向端部42a、42b、42cに加えて、対向領域42i、42j、42k、42lを有しているので、線状端部10aに異なる距離で対向する4つの対向端部を備えていると看做すこともできる。
例えば第一電極10に印加する電圧よりも高い電圧を第二電極42に印加すると、図16に示すように、第二電極42から第一電極10に向かう電界E1、E2、E3、E4が生じる。電界E1、E2、E3、E4の強度は、第一及び第二電極10、42の間の距離が短いほど強くなる。このため、第一対向端部42a、42bと線状端部10aとの間に生じる電界E1の強度が最も強くなり、対向領域42i、42jと線状端部10aとの間に生じる電界E2の強度がその次に強くなり、対向領域42k、42lと線状端部10aとの間に生じる電界E3の強度がその次に強くなり、第二対向端部42cと線状端部10aとの間に生じる電界E4の強度が最も弱くなる。また、対向領域42i、42kを除く電極端部42dと線状端部10aとの間、及び、対向領域42j、42lを除く電極端部42eと線状端部10aとの間にも電界が生じる。このように、本変形例による電気泳動表示装置は、第一電極10と第二電極42との間の領域毎に電界の強弱をつけることができる。これにより、電気泳動表示装置は、画素領域内に電気泳動粒子を均一に分散し易くなるので、画素領域に生じる表示ムラを低減することができる。
本実施例における電極端部42d、42が複数の階段形状に形成され、第二対向端部42cから第一対向端部42a、42bに向かう末広がりの直線形状に近付くほど、電極空間部32に生じる電界の強弱をつけることができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態による電気泳動表示装置について図17から図20を用いて説明する。本実施の形態による電気泳動表示装置は、第二電極が、第二対向端部から第一電極とは反対方向に所定距離だけ離れた点を通り当該第二対向端部に平行な仮想直線に対して線対称構造を備えている点に特徴を有している。また、本実施の形態による電気泳動表示装置は、第一及び第二電極で構成される画素電極の形状が異なる点を除いて、上記第1及び第2の実施の形態による電気泳動表示装置と同様である。以下、図17から図20を用いて画素電極の構成について簡述する。なお、上記第1及び第2の実施の形態による電気泳動表示装置と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図17は、本実施の形態の実施例1における1つの画素領域14に備えられた第一及び第二電極10、44の平面を模式的に示している。図17に示すように、本実施例における第一電極10及び第二電極44は、仮想直線VLに対して線対称構造を有している。第一電極10は第二電極44を挟んで対向配置されている。2つの第一電極10のうちのいずれか一方と仮想直線VLとの間の第二電極44は、上記第2の実施の形態における第二電極42とほぼ同様の形状を有している。第二電極44は、外周側電極端部42h同士で2つの第二電極42を繋ぎ合わせた構成を有している。なお、仮想直線VLは、第二対向端部44cから当該第二対向端部44cに対向する第一電極10とは反対方向に所定距離だけ離れた点を通り当該第二対向端部44cに平行な直線である。
図17に示すように、本実施例による電気泳動表示装置は、第一電極10の延伸方向に直交する方向に並ぶ隣接画素領域で第一電極10が共用されるようになっている。当該隣接画素領域の境界は、線状端部10aとほぼ平行であって第一電極10のほぼ中央に設けられている。第一電極10には隣接する2つの画素領域に分散する電気泳動粒子が集塵するので、本実施例による電気泳動表示装置は、第一電極10の延伸方向に直交する方向には同一色の画素が形成される。また、電気泳動粒子は第一電極10の線状端部10a近傍に集塵し易い。このため、第一電極10の電極幅を長くすると、電気泳動粒子は、第一電極10上を越えて隣接する画素領域に移動し難くなり、混色を防止できる。このため、本実施例による電気泳動表示装置は、第一電極10の電極幅を所定の長さよりも長くすることにより、第一電極10の延伸方向に直交する方向に並ぶ隣接画素領域に異なる色の画素を形成できる。
本実施例における第二電極44は仮想直線VLに対して線対称構造を有しているため、例えば本実施例における画素領域14の長辺の長さが上記第2の実施の形態における画素領域14の長辺の長さと同じ場合、本実施例における第二対向端部44c及び対向領域44i、44jと第一電極10の線状端部10aとの間の距離は、上記第2の実施の形態における第二対向端部42c及び対向領域42i、42jと線状端部10aとの間の距離の約1/2となる。本実施例の方が上記第2の実施の形態よりも当該距離が短いため、第二対向端部44c及び対向領域44i、44jと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値と、第二対向端部42c及び対向領域42i、42jと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値とが同一であると、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第2の実施の形態による電気泳動表示装置よりも画素領域14の電極空間部32に強電界を生じさせることができる。電気泳動粒子の移動速度は電界の強度に比例するため、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第2の実施の形態による電気泳動表示装置よりも高速応答が可能になる。
また、第二対向端部44c及び対向領域44i、44jと線状端部10aとの間の距離は、上記第2の実施の形態における第二対向端部42c及び対向領域42i、42jと線状端部10aとの間の距離の約1/2であるため、第二対向端部44c及び対向領域44i、44jと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値が第二対向端部42c及び対向領域42i、42jと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値の約1/2であっても、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第2の実施の形態による電気泳動表示装置における電極空間部32に生じるのとほぼ同じ強度の電界を電極空間部32に発生することができる。このように、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第2の実施の形態による電気泳動表示装置と比較して、画素領域14内に電気泳動粒子を分散するために第二電極44に印加する駆動電圧を約半分にすることができるので、低消費電力化を図ることができる。
次に、本実施の形態の実施例2による電気泳動表示装置について図18を用いて説明する。図18は、本実施例における1つの画素領域14に備えられた第一及び第二電極10、44の平面を模式的に示している。図18に示すように、本実施例における画素電極は、第一電極10の延伸方向に直交する方向に並ぶ隣接画素領域で第一電極10が共用されていない点を除いて、上記実施例1における画素電極と同一の構造を有している。本実施例では、画素領域14は、2つの第一電極10を含むように配置されている。例えば仮想線VLより図中左側に配置された第一電極10と第二電極44との間で電気泳動粒子を集塵したり分散したりでき、仮想線VLより図中右側に配置された第一電極10と第二電極44との間で電気泳動粒子を集塵したり分散したりできる。また、第一電極10に集塵する電気泳動粒子は、当該第一電極10の配置された画素領域14内で集塵したり分散したりして、隣接画素領域にはほとんど分散しない。このため、本実施例により電気泳動表示装置は、第一電極10の電極幅を長くしなくても、第一電極10の延伸方向に直交する方向に互いに異なる色の画素を形成することができる。
また、本実施例による電気泳動表示装置は、仮想線VLに対して線対称の画素電極を有し、上記実施例1による電気泳動表示装置と同様の画素電極構造を有しているので、上記第2の実施の形態による電気泳動表示装置に対して、上記実施例1と同様の効果が得られる。
次に、本実施の形態の実施例3による電気泳動表示装置について図19を用いて説明する。図19は、本実施例における1つの画素領域14に備えられた第一及び第二電極10、48の平面を模式的に示している。本実施例による電気泳動表示装置は、第二電極の形状が異なる点を除いて、上記実施例1による電気泳動表示装置と同様の構成を有している。図19に示すように、本実施例における第一及び第二電極10、48は、仮想直線VLに対して線対称構造を有している。第一電極10は第二電極48を挟んで対向配置されている。2つの第一電極10のうちのいずれか一方と仮想直線VLとの間の第二電極48は、上記第1の実施の形態における第二電極12とほぼ同様の形状を有している。第二電極48は、外周側電極端部12h同士で2つの第二電極12を繋ぎ合わせた構成を有している。なお、仮想直線VLは、第二対向端部48cから当該第二対向端部48cに対向する第一電極10とは反対方向に所定距離だけ離れた点を通り当該第二対向端部48cに平行な直線である。
図19に示すように、本実施例による電気泳動表示装置は、第一電極10の延伸方向に直交する方向に並ぶ隣接画素領域で第一電極10が共用されるようになっている。当該隣接画素領域の境界は、線状端部10aとほぼ平行であって第一電極10のほぼ中央に設けられている。第一電極10には隣接する2つの画素領域に分散する電気泳動粒子が集塵するので、本実施例による電気泳動表示装置は、第一電極10の延伸方向に直交する方向には同一色の画素が形成される。また、電気泳動粒子は第一電極10の線状端部10a近傍に集塵し易い。このため、第一電極10の電極幅を長くすると、電気泳動粒子は、第一電極10上を越えて隣接する画素領域に移動し難くなり、混色を防止できる。このため、本実施例による電気泳動表示装置は、第一電極10の電極幅を所定の長さよりも長くすることにより、第一電極10の延伸方向に直交する方向に並ぶ隣接画素領域に異なる色の画素を形成できる。
本実施例における第二電極48は仮想直線VLに対して線対称構造を有しているため、例えば本実施例における画素領域14の長辺の長さが上記第1の実施の形態における画素領域14の長辺の長さと同じ場合、本実施例における第二対向端部48cと第一電極10の線状端部10aとの間の距離は、上記第1の実施の形態における第二対向端部12cと線状端部10aとの間の距離の約1/2となる。本実施例の方が上記第1の実施の形態よりも当該距離が短いため、第二対向端部48cと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値と、第二対向端部12cと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値とが同一であると、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1よりも画素領域14の電極空間部32に強電界を生じさせることができる。電気泳動粒子の移動速度は電界に比例するので、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1よりも高速応答が可能になる。
また、第二対向端部48cと線状端部10aとの間の距離は、上記第1の実施の形態における第二対向端部12cと線状端部10aとの間の距離の約1/2であるため、第二対向端部48cと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値が第二対向端部12cと線状端部10aとの間に印加される電圧の電圧値の約1/2であっても、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1における電極空間部32に生じるのとほぼ同じ強度の電界を電極空間部32に発生することができる。このように、本実施例による電気泳動表示装置は、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と比較して、画素領域14内に電気泳動粒子を分散するために第二電極48に印加する駆動電圧を約半分にすることができるので、低消費電力化を図ることができる。
次に、本実施の形態の実施例4による電気泳動表示装置について図20を用いて説明する。図20は、本実施例における1つの画素領域14に備えられた第一電極10及び第二電極48の平面を模式的に示している。図20に示すように、本実施例における画素電極は、第一電極10の延伸方向に直交する方向に並ぶ隣接画素領域で第一電極10が共用されていない点を除いて、上記実施例3における画素電極と同一の構造を有している。本実施例では、画素領域14は、2つの第一電極10を含むように配置されている。例えば仮想線VLより図中左側に配置された第一電極10と第二電極48との間で電気泳動粒子を集塵したり分散したりでき、仮想線VLより図中右側に配置された第一電極10と第二電極48との間で電気泳動粒子を集塵したり分散したりできる。また、第一電極10に集塵する電気泳動粒子は、当該第一電極10の配置された画素領域14内で集塵したり分散したりして、隣接画素領域にはほとんど分散しない。このため、本実施例により電気泳動表示装置は、第一電極10の電極幅を長くしなくても、第一電極10の延伸方向に直交する方向に互いに異なる色の画素を形成することができる。
また、本実施例による電気泳動表示装置は、仮想線VLに対して線対称の画素電極を有し、上記実施例3による電気泳動表示装置と同様の画素電極構造を有しているので、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1に対して、上記実施例3と同様の効果が得られる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態による電気泳動表示装置について図21を用いて説明する。本実施の形態による電気泳動表示装置は、第一電極と第二電極とが異なる基板に形成されている点に特徴を有している。図21は、本実施の形態による電気泳動表示装置に備えられた1つの画素領域14を模式的に示している。図中上段には画素領域14の断面が模式的に示され、下段には画素領域14の平面が模式的に示されている。本実施の形態による電気泳動表示装置は、第一電極と第二電極とが異なる基板に形成されていること、及び、ブラックマトリクスが形成されていない点を除いて、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同様の構成を有している。上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。また、以下、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と異なる点のみを簡述する。
図21に示すように、第一電極50は基板4上に形成されている。第一電極50は上記第1の実施の形態における第一電極10と同様の形状を有している。第一電極50の形成材料はステンレス、黒鉛等である。このため、第一電極50はステンレス、黒鉛等の黒色(不透明)電極となる。また、第一電極50の光透過率は低いため、第一電極50はブラックマトリクスとしての機能を発揮するようになっている。
図21の下段に示すように、基板4(当該下段では不図示)の法線方向に見て、第一電極50の線状端部50aは、第二電極12の第一対向端部12a、12b及び第二対向端部12cのそれぞれと異なる距離で対向配置されている。このため、本実施の形態による電気泳動表示装置は、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同様の効果が得られる。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態による電気泳動表示装置について図22から図26を用いて説明する。本実施の形態による電気泳動表示装置は、複数の副画素領域を1単位として画素領域が構成されている点に特徴を有している。
まず、本実施の形態の実施例1による電気泳動表示装置3について図22及び図23を用いて説明する。図22は、本実施例による電気泳動表示装置3に備えられた画素領域54の平面を模式的に示す図であり、マトリクス状に配置された複数の画素領域54のうちの隣接する2個の画素領域54を示している。図22では、画素領域54に備えられた第一及び第二電極10、52のみが抜き出されて図示されている。なお、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
図22に示すように、本実施例では、3つの副画素領域54aを1単位として画素領域54が構成されている。副画素領域54aには、第一電極10及び第二電極52が配置されている。第二電極52は、上記第3の実施の形態の実施例2における第二電極46が第一電極10の延伸方向に複数(本例では2つ)接続された構成を有している。図示は省略するが、電気泳動表示装置3では、副画素領域54aはゲートバスラインとソースバスラインとで確定されている。また、副画素領域54a毎に第二電極52に接続された薄膜トランジスタが設けられている。当該薄膜トランジスタは、当該ゲートバスラインと当該ソースバスラインとの交差位置近傍に設けられている。
次に、本実施例による電気泳動表示装置3の動作について簡述する。図23は、図22に示す画素領域54の平面と、所定の駆動状態にある電気泳動粒子16とを示している。図23では、電気泳動粒子16の存在領域が斜線で示されている。
本実施例による電気泳動表示装置3は、複数の単色の電気泳動粒子16を副画素領域54a毎に有している。電気泳動粒子16は例えば負に帯電している。例えば、各第一電極10に0Vを印加し、図23の図中左側の画素領域54の各第二電極52に+30Vの電圧を印加し、図中右側の画素領域54の各第二電極52に−30Vの電圧を印加すると、図23に示すように、電気泳動粒子16は、左側の画素領域54では副画素領域54aのほぼ全面に分散し、右側の画素領域54では第一電極10に集塵する。これにより、左側の画素領域54は電気泳動粒子16の色に対応する色に着色された着色状態となり、右側の画素領域54は透明状態となって不図示のバックライトユニットの発光色である白色状態となる。本実施例による電気泳動表示装置3は、第一電極10と、第一電極10と異なる距離で対向する複数の対向端部を備えた第二電極52を有しているので、副画素領域54a内にほぼ均一に電気泳動粒子を分散できる。
また、本実施例では、1つの画素領域54が3つの副画素領域54aを有しているため、4階調表示が可能である。例えば、3つの副画素領域54aを全て透明状態とすることにより階調「3」の表示状態となり、3つの副画素領域54aのうちの1つを着色状態とし2つを透明状態とすることにより階調「2」の表示状態となり、2つを着色状態とし1つを透明状態とすることにより階調「1」の表示状態となり、全ての副画素領域54aを着色状態とすることにより階調「0」の表示状態となる。また、3つの副画素領域54aの面積を異ならせることにより、着色状態における副画素領域54aの輝度を変えることができる。副画素領域54aの面積が広いほど輝度は高くなる。このように、着色状態に輝度の重みづけができるので8階調表示が可能になる。
以上説明したように、本実施例による電気泳動表示装置3は、第一電極10と、第一電極10と異なる距離で対向する複数の対向端部を備えた第二電極52を有しているので、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同様の効果が得られる。また、本実施例による電気泳動表示装置3は、複数の副画素領域54aを1単位とする画素領域54を有している。これにより、電気泳動表示装置3は、第二電極52に印加する電圧の組み合わせを変えるだけで階調表示を行うことができる。
次に、本実施の形態の実施例2による電気泳動表示装置5について図24及び図25を用いて説明する。本実施例による電気泳動表示装置5はカラー表示が可能な点に特徴を有している。図24は、本実施例による電気泳動表示装置5に備えられた画素領域58の平面を模式的に示す図であり、マトリクス状に配置された複数の画素領域58のうちの隣接する2個の画素領域58を示している。図24では、画素領域58に備えられた第一及び第二電極10、56のみが抜き出されて図示されている。なお、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
図24に示すように、本実施例では、赤色画素領域58R、緑色画素領域58G及び青色画素領域58Bを1単位として画素領域58が構成されている。赤色画素領域58Rには、対向配置された一対の第一電極10と、一対の第一電極10の間に挟まれた第二電極56とが配置されている。第一及び第二電極10、56は、上記第3の実施の形態の実施例3における第一及び第二電極10、48が第一電極10の延伸方向に複数(本例では2つ)接続された構成を有している。緑色画素領域58G及び青色画素領域58Bにそれぞれ配置された第一及び第二電極10、56は、赤色画素領域58Rに配置された第一及び第二電極10、56と同様の構成を有している。図示は省略するが、電気泳動表示装置5では、赤色画素領域58R、緑色画素領域58G及び青色画素領域58Bはゲートバスラインとソースバスラインとでそれぞれ確定されている。また、赤色画素領域58R、緑色画素領域58G及び青色画素領域58B毎に第二電極56に接続された薄膜トランジスタが設けられている。当該薄膜トランジスタは、当該ゲートバスラインと当該ソースバスラインとの交差位置近傍に設けられている。
次に、本実施例による電気泳動表示装置5の動作について簡述する。図25は、図24に示す画素領域58の平面と、所定の駆動状態にある赤色電気泳動粒子16R、緑色電気泳動粒子16G、及び青色電気泳動粒子16Bとを示している。図25では、電気泳動粒子16R、16G、16Bのそれぞれの存在領域が斜線で示されている。
本実施例による電気泳動表示装置5は、複数の赤色電気泳動粒子16Rを赤色画素領域58Rに有し、複数の緑色電気泳動粒子16Gを緑色画素領域58Gに有し、複数の青色電気泳動粒子16Bを青色画素領域58Bに有している。各色の電気泳動粒子16R、16G、16Bは例えば負に帯電している。例えば、各第一電極10に0Vを印加し、図25の図中左側の画素領域58の各第二電極56に+30Vの電圧を印加し、図中右側の画素領域58の各第二電極56に−30Vの電圧を印加すると、図25に示すように、左側の画素領域58では、赤色電気泳動粒子16Rは赤色画素領域58Rのほぼ全面に分散し、緑色電気泳動粒子16Gは緑色画素領域58Gのほぼ全面に分散し、青色電気泳動粒子16Bは青色画素領域58Bのほぼ全面に分散する。一方、右側の画素領域58では、赤色電気泳動粒子16Rは赤色画素領域58Rの一対の第一電極10のいずれにも集塵し、緑色電気泳動粒子16Gは緑色画素領域58Gの一対の第一電極10のいずれにも集塵し、青色電気泳動粒子16Bは青色画素領域58Bの一対の第一電極10のいずれにも集塵する。これにより、左側の赤色画素領域58Rは赤色の着色状態となり、緑色画素領域58Gは緑色の着色状態となり、青色画素領域58Bは青色の着色状態となる。これより、基板2側から観測すると、図25の左側の画素領域58は白色状態として見える。一方、右側の赤色画素領域58R、緑色画素領域58G及び青色画素領域58Bはそれぞれ透明状態となって不図示のバックライトユニットの発光色である白色状態となるが、粒子による吸収がないために、より一層明るい白色として見える。
また、電気泳動表示装置5は、例えば、赤色画素領域58Rの第一電極10に0Vを印加し、図25の図中左側の赤色画素領域58Rの第二電極56に+30Vの電圧を印加し、緑色画素領域58G及び青色画素領域58Bの第一電極10に0Vを印加し、図25の図中左側の緑色画素領域58G及び青色画素領域58Bの第二電極56に−30Vの電圧を印加すると、赤色電気泳動粒子16Rは赤色画素領域58Rのほぼ全面に分散し、緑色電気泳動粒子16Gは緑色画素領域58Gの一対の第一電極10のいずれにも集塵し、青色電気泳動粒子16Bは青色画素領域58Bの一対の第一電極10のいずれにも集塵する。これより、左側の画素領域58は赤色状態として見える。また、緑色状態、青色状態も同様にして表示することができ、カラー化することができる。
本実施例による電気泳動表示装置5は、隣接する異なる色の画素領域の境界近傍の画素領域内に第一電極10を有している。全ての第一電極10は同電位に維持されているので、隣接する第一電極10の間に電界は生じない。これにより、電気泳動表示装置5は、各画素領域に生じる電界が隣接画素領域間で互いに影響しないようになっている。これにより、電気泳動粒子が異なる色を表示する画素領域にほとんど分散しなくなるので、本実施例による電気泳動表示装置5は各色の画素領域毎に隔壁等を設けなくても混色を防止できる。
次に、本実施の形態の実施例3による電気泳動表示装置7について図26を用いて説明する。本実施例による電気泳動表示装置7は、カラー表示が可能であり、かつ赤色画素領域60R、緑色画素領域60G及び青色画素領域60Bのそれぞれが複数の副画素領域で構成されている点に特徴を有している。図26は、本実施例による電気泳動表示装置5に備えられた画素領域60の平面を模式的に示す図であり、マトリクス状に配置された複数の画素領域60のうちの隣接する2個の画素領域60を示している。図26では、画素領域60に備えられた第一及び第二電極10、56が抜き出されて図示されている。また、図26には、電気泳動粒子の存在領域が斜線で図示されている。なお、上記実施例2による電気泳動表示装置5と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
図26に示すように、本実施例では、赤色画素領域60R、緑色画素領域60G及び青色画素領域60Bを1単位として画素領域60が構成されている。本実施例における赤色画素領域60Rは、赤色副画素領域60R1、60R2を有している。赤色副画素領域60R1と赤色副画素領域60R2との間には、第一電極10が配置されている。赤色副画素領域60R1には、第一電極10と、第二電極56とが設けられている。赤色副画素領域60R1の第二電極56は、赤色副画素領域60R1の第一電極10と、赤色副画素領域60R1と赤色副画素領域60R2との間の第一電極10とに挟まれて配置されている。赤色副画素領域60R2には、第二電極56と、第一電極10とが設けられている。赤色副画素領域60R2の第二電極56は、赤色副画素領域60R1と赤色副画素領域60R2との間の第一電極10と、赤色副画素領域60R2の第一電極10とに挟まれて配置されている。
緑色画素領域60Gは、緑色副画素領域60G1、60G2を有している。緑色副画素領域60G1と緑色副画素領域60G2との間には、第一電極10が配置されている。緑色副画素領域60G1には、第一電極10と、第二電極56とが設けられている。緑色副画素領域60G1の第二電極56は、緑色副画素領域60G1の第一電極10と、緑色副画素領域60G1と緑色副画素領域60G2との間の第一電極10とに挟まれて配置されている。緑色副画素領域60G2には、第二電極56と、第一電極10とが設けられている。緑色副画素領域60G2の第二電極56は、緑色副画素領域60G1と緑色副画素領域60G2との間の第一電極10と、緑色副画素領域60G2の第一電極10とに挟まれて配置されている。
青色画素領域60Bは、青色副画素領域60B1、60B2を有している。青色副画素領域60B1と青色副画素領域60B2との間には、第一電極10が配置されている。青色副画素領域60B1には、第一電極10と、第二電極56とが設けられている。青色副画素領域60B1の第二電極56は、青色副画素領域60B1の第一電極10と、青色副画素領域60B1と青色副画素領域60B2との間の第一電極10とに挟まれて配置されている。青色副画素領域60B2には、第二電極56と、第一電極10とが設けられている。青色副画素領域60B2の第二電極56は、青色副画素領域60B1と青色副画素領域60B2との間の第一電極10と、青色副画素領域60B2の第一電極10とに挟まれて配置されている。
図示は省略するが、電気泳動表示装置7では、赤色副画素領域60R1、60R2、緑色副画素領域60G1、60G2及び青色副画素領域60B1、60b2はゲートバスラインとソースバスラインとでそれぞれ確定されている。また、赤色副画素領域60R1、60R2、緑色副画素領域60G1、60G2及び青色副画素領域60B1、60b2毎に第二電極56に接続された薄膜トランジスタが設けられている。当該薄膜トランジスタは、当該ゲートバスラインと当該ソースバスラインとの交差位置近傍に設けられている。
次に、本実施例による電気泳動表示装置7の動作について簡述する。本実施例による電気泳動表示装置7は、複数の赤色電気泳動粒子16Rを赤色画素領域60Rに有し、複数の緑色電気泳動粒子16Gを緑色画素領域60Gに有し、複数の青色電気泳動粒子16Bを青色画素領域60Bに有している。各色の電気泳動粒子16R、16G、16Bは例えば負に帯電している。
例えば、各第一電極10に0Vを印加し、図26の図中左側の画素領域60の各第二電極56に−30Vの電圧を印加し、図中右側の画素領域60の各第二電極56に+30Vの電圧を印加すると、図26に示すように、左側の画素領域60では、赤色電気泳動粒子16Rは赤色画素領域60Rの3本の第一電極10のいずれにも集塵し、緑色電気泳動粒子16Gは緑色画素領域60Gの3本の第一電極10のいずれにも集塵し、青色電気泳動粒子16Bは青色画素領域60Bの3本の第一電極10のいずれにも集塵する。これより、図中左側の画素領域60は粒子による吸収がないため、明るい白色表示となる。一方、右側の画素領域60では、赤色電気泳動粒子16Rは赤色副画素領域60R1、60R2のそれぞれのほぼ全面に分散し、緑色電気泳動粒子16Gは緑色副画素領域60G1、60G2のそれぞれのほぼ全面に分散し、青色電気泳動粒子16Bは青色副画素領域60B1、60B2のそれぞれのほぼ全面に分散する。これにより、左側の赤色画素領域60R、緑色画素領域60G及び青色画素領域60Bはそれぞれ透明状態となって不図示のバックライトユニットの発光色である白色状態となり、右側の赤色画素領域60Rは赤色の着色状態となり、緑色画素領域60Gは緑色の着色状態となり、青色画素領域60Bは青色の着色状態となる。これより、図中右側の画素領域60は粒子による吸収があるため、暗い白色状態となる。
また、電気泳動表示装置7は、例えば、赤色画素領域60Rの第一電極10に0Vを印加し、図26の図中左側の赤色画素領域60Rの第二電極56に+30Vの電圧を印加し、緑色画素領域60G及び青色画素領域60Bの第一電極10に0Vを印加し、図26の図中左側の緑色画素領域60G及び青色画素領域58Bの第二電極56に−30Vの電圧を印加すると、赤色電気泳動粒子16Rは赤色副画素領域60R1、60R2のそれぞれのほぼ全面に分散し、緑色電気泳動粒子16Gは緑色画素領域60Gの3本の第一電極10のいずれにも集塵し、青色電気泳動粒子16Bは青色画素領域60Bの3本の第一電極10のいずれにも集塵する。これより、左側の画素領域60は赤色状態として見える。また、緑色状態、青色状態も同様にして表示することができ、カラー化することができる。
本実施例による電気泳動表示装置7は、隣接する異なる色の画素領域の境界近傍の画素領域内に第一電極10を有している。全ての第一電極10は同電位に維持されているので、隣接する第一電極10の間に電界は生じない。これにより、電気泳動表示装置7は、各画素領域に生じる電界が隣接画素領域間で互いに影響しないようになっている。これにより、電気泳動粒子が異なる色を表示する画素領域にほとんど分散しなくなるので、本実施例による電気泳動表示装置5は各色の画素領域毎に隔壁等を設けなくても混色を防止できる。
また、本実施例では、赤色画素領域60R、緑色画素領域60G及び青色画素領域60Bがそれぞれ2つの副画素領域を有している。このため、電気泳動表示装置7は、各色毎に3階調表示が可能となり、合計27色の表示が可能になる。また、電気泳動表示装置7は、2つの副画素領域の面積を異ならせることにより、各色毎に4階調表示が可能となり、合計64色の表示が可能になる。
以上説明したように、本実施例による電気泳動表示装置7は、第一電極10と、第一電極10と異なる距離で対向する複数の対向端部を備えた第二電極56を有しているので、上記第1の実施の形態による電気泳動表示装置1と同様の効果が得られる。また、本実施例による電気泳動表示装置7は、赤色画素領域60R、緑色画素領域60G及び青色画素領域60Bを1単位とする画素領域60を有している。さらに、赤色画素領域60R、緑色画素領域60G及び青色画素領域60Bはそれぞれ2つの副画素領域を有している。これにより、電気泳動表示装置7は、第二電極56に印加する電圧の組み合わせを変えるだけで階調表示を行うことができる。
本実施の形態による第二電極は、上記実施例1〜3における第二電極52、56に限られない。例えば、上記第1の実施の形態における第二電極12、上記第2の実施の形態における第二電極42及び上記第3の実施の形態における第二電極44、46であってもよい。また、本実施の形態による第二電極は、第二電極12が第一電極10の延伸方向に複数接続された形状(櫛歯形状)や第二電極42が第一電極10の延伸方向に複数接続された形状であってもよい。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記第1から第5の実施の形態では、透過型の電気泳動表示装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。本発明は、例えば反射型の電気泳動表示装置にも適用できる。当該反射型の電気泳動表示装置は、特定波長の光を反射し残余の波長の光を透過する電気泳動粒子と、バックライトユニット30に代えて例えば黒色板とを有している。反射型の電気泳動表示装置において、電気泳動粒子が分散状態の画素領域は、基板を介して電気泳動媒体に入射した光のうちの特定波長の光を選択的に反射する(例えば反射率は50〜60%)ので、当該特定波長の光に応じた着色表示となる。一方、電気泳動粒子が集塵状態の画素領域は、基板を介して電気泳動媒体に入射した光を透過するので、黒色板の色である黒色表示となる。このように、反射型の電気泳動表示装置は、カラーフィルタを用いずにカラー表示が可能であるため、光の利用効率の向上を図ることができる。
反射型の電気泳動表示装置に用いられる電気泳動粒子は、透過型の電気泳動表示装置に用いられる電気泳動粒子と粒子サイズが異なるものの、同様の材料で形成することができる。例えば赤色に着色された電気泳動粒子であれば当該顔料粒子として、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、又はキナクリドンレッド、クロムバーミリオン等が用いられる。例えば緑色に着色された電気泳動粒子であれば当該顔料粒子として、フタロシアニングリーン等が用いられる。例えば青色に着色された電気泳動粒子であれば当該顔料粒子として、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等が用いられる。また、電気泳動粒子の色によらず当該樹脂粒子として、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が用いられる。なお、電気泳動粒子の形成材料は、これらの材料に限定されず、他の材料を用いることも可能である。
なお、上記詳細な説明で説明した事項は組み合わせることが可能である。
媒体内を移動する粒子を備えた表示装置に適用できる。
1、3、5、7 電気泳動表示装置
2、4 基板
6 電気泳動媒体
8 分散媒
10、50 第一電極
10a、50a 線状端部
12、20、42、44、52、56 第二電極
12a、12b、42a、42b、44a、44b 第一対向端部
12c、42c、44c 第二対向端部
12d、12e、42d、42e 電極端部
12f、12g、12h、42f、42g、42h 外周側電極端部
14、54、58、57、60、67 画素領域
16 電気泳動粒子
16B 青色電気泳動粒子
16G 緑色電気泳動粒子
16R 赤色電気泳動粒子
18 ゲートバスライン
20 ソースバスライン
22 薄膜トランジスタ
24 ゲートバスライン駆動回路
26 ソースバスライン駆動回路
28 制御回路
30 バックライトユニット
42i、42j、42k、42l 対向領域
51、53、61、63 画素電極
54、58 画素領域
54a 副画素領域
58B 青色画素領域
58G 緑色画素領域
58R 赤色画素領域
60B1、60B2 青色副画素領域
60G1、60G2 緑色副画素領域
60R1、60R2 赤色副画素領域

Claims (13)

  1. 所定のギャップで対向配置された一対の基板と、
    複数の電気泳動粒子と前記複数の電気泳動粒子を分散する分散媒とを含み、前記一対の基板間に封入された電気泳動媒体と、
    前記一対の基板に画定された画素領域と、
    前記画素領域に配置された線状の第一電極と、
    前記第一電極の線状端部に異なる距離で対向する複数の対向端部を備え、前記画素領域に配置された第二電極と
    を有することを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 請求項1記載の電気泳動表示装置であって、
    前記複数の対向端部は、第一の距離で直線状の前記線状端部にほぼ平行にそれぞれ対向する直線状の一対の第一対向端部と、前記第一の距離よりも長い第二の距離で前記線状端部にほぼ平行に対向し、前記一対の第一対向端部間に配置された直線状の第二対向端部とを有すること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  3. 請求項2記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第二電極は、
    前記一対の第一対向端部の一方の他端と、前記第二対向端部の一端とを結ぶ第一電極端部と、
    前記一対の第一対向端部の他方の一端と、前記第二対向端部の他端とを結ぶ第二電極端部と
    を有し、
    前記第一電極端部と前記第二電極極端部とはほぼ平行に対向配置されていること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  4. 請求項3記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第一及び第二電極端部は、前記第一及び第二対向端部にほぼ直交する直線形状を有すること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  5. 請求項4記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第二電極は、凹形状を有すること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  6. 請求項3記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第一及び第二電極端部は、前記第二対向端部から一対の第一対向端部に向かって末広がりの階段形状を有すること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  7. 請求項6記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第一及び第二電極端部は、前記第一の距離よりも長く前記第二の距離よりも短い第三の距離で前記線状端部に対向する対向領域を有すること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  8. 請求項3から7までのいずれか一項に記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第二対向端部の中点を通り前記第二対向端部にほぼ直交する仮想直線と、前記線状端部との交点から前記一対の第一対向端部の前記一方及び前記他方と前記第一及び第二電極端部とでそれぞれ構成される角部までのそれぞれの距離は、前記第二の距離よりも長いこと
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  9. 請求項2から8までのいずれか一項に記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第二電極は、前記第二対向端部から前記第一電極とは反対方向に所定距離だけ離れた点を通り前記第二対向端部に平行な仮想直線に対して線対称構造を有すること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第一電極は、前記複数の電気泳動粒子を集塵する集塵電極であり、
    前記第二電極は、前記複数の電気泳動粒子を前記画素領域内に分散する分散電極であること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第一及び第二電極は、前記一対の基板のうちの表示面側に配置される基板上に形成されていること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  12. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第一及び第二電極は、前記一対の基板のうちの非表示面側に配置される基板上に形成されていること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
  13. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の電気泳動表示装置であって、
    前記第一電極及び前記第二電極のいずれか一方は、前記一対の基板のうちの表示面側に配置される基板上に形成され、他方は非表示面側の基板上に形成されていること
    を特徴とする電気泳動表示装置。
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