JP2013254131A - 投写光学系及びこれを備えるプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】アスペクト比を切り替えて横縦比の調整された画像形成が可能なプロジェクターへの適用に際してフレア等の発生を抑制できる投写光学系及びこれを組み込んだプロジェクターを提供すること。
【解決手段】第2群40が光変調素子である液晶パネル18Gの調整方向と他方向とで異なるパワーを持つことで、幅と高さとの比であるアスペクト比の変換を可能とし、この際に長円形状(楕円形状)の非円形絞り70が、調整方向と他方向とで異なる径(有効径)を有している。これにより、非円形絞り70において、光線を遮る量に過不足が生じることを回避して、フレア等の発生を抑制できる。また、この投写光学系20をプロジェクター100に適用することで、プロジェクター100は、良好な状態で画像光を投射できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、投写像のアスペクト比を切り替えることができる投写光学系及びこれを備えるプロジェクターに関する。
プロジェクターの投写光学系に用いられるアスペクト比変換用のコンバーターとして、本来の投写光学系の前面位置すなわち像側正面に進退可能に配置されるフロント配置型のコンバーターが存在する。
しかしながら、この種のコンバーターは、プロジェクター本体から独立した外付けの光学部として設けられており、プロジェクターを大型化させるとともに、コンバーターを含めた全投写光学系の調整を複雑にし、或いは画像を著しく劣化させる。
なお、プロジェクターの投写光学系ではなく、カメラ等の撮像光学系に使用されるアスペクト比変換用のコンバーターやアナモフィック撮像システムとして、結像光学系の像側に着脱可能に配置されるリア配置型のリレー系が存在する(特許文献1,2参照)。例えば特許文献2のリレー系は、第1群と第2群と第3群とからなり、これらのうち中央の第2群は、アナモフィックコンバーターであり、第1群と第3群との間に挿脱可能になっている。
しかしながら、特許文献1等に開示されたリレー系又はアナモフィックコンバーターのようにアスペクト比を変換可能とする場合、例えばアナモフィックレンズで、圧縮または伸張の変換に伴って、光線の光束形状が変化する。このため、かかるリレー系をプロジェクターに適用した場合、投写光学系に設けられる絞り(アイリス)において、光線を過度に遮ったり、逆に、光線を十分に遮ることができなかったりして、フレアの発生等を招き、画像を劣化させてしまう可能性がある。
なお、特許文献1等の技術は、撮像光学系に関するものであり、これを投写光学系にそのまま用いると、上記のような絞りに関係する事項以外にも、種々の制約が生じる可能性がある。例えば、投写光学系では、一般的にアオリを利用すること(表示パネルをレンズ光軸に対して垂直な方向にオフセット又はシフトさせること)が常識であるが、撮像光学系では、そのような機能は不要なので、上記のようなアオリに係る課題、例えばアオリ状態でアナモフィックコンバーターを挿入するとスクリーン上で画像の位置ズレが生じることに対しての対処等については、一切考慮されていない。
特開2005−300928号公報 特表2008−511018号公報
本発明は、アスペクト比を切り替えて横縦比の調整された画像形成が可能なプロジェクターへの適用に際してフレア等の発生を抑制できる投写光学系及びこれを組み込んだプロジェクターを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る投写光学系は、光変調素子の画像を被投写面上に拡大投写する際に、光変調素子の画像の横縦比と、被投写面上に投写される画像の横縦比とを異なるものとする投写光学系であって、被投写面側から順に、拡大光学系である第1群と、光軸に対して回転非対称な面を持つとともに、圧縮又は伸張による変換調整を行う調整方向と他方向とで異なるパワーを持った少なくとも1つ以上の光学系で構成される調整光学要素を含み、光変調素子の縦方向と横方向とのうち少なくとも一方向を調整方向として上記変換調整を行う第2群とを備え、調整光学要素での圧縮又は伸張による上記変換調整の調整割合に応じて調整方向と他方向とで異なる径を有する長円形状の非円形絞りを備える。
上記投写光学系によれば、第2群が調整方向と他方向とで異なるパワーを持つ調整光学要素を含んでいることで、幅と高さとの比であるアスペクト比の変換を可能としている。特に、この際に非円形絞りが、変換調整の調整割合に応じて、調整方向と他方向とで異なる径を有するものとなっている。これにより、非円形絞りにおいて光軸のまわりの方向に依存して光線を遮る量に過不足が生じることを回避して、フレア等の発生を抑制できる。例えば、この投写光学系をプロジェクターに適用すれば、良好な画像を得ることができる。
本発明の具体的な側面によれば、非円形絞りが、第2群よりも光変調素子側に配置されている。この場合、非円形絞りによって変換用の第2群に入射する前に光束の部分的な遮光をすることで、第2群の温度上昇の低減が可能になる。
本発明の別の側面によれば、非円形絞りが、第2群の調整光学要素に近接して配置されている。この場合、非円形絞りによって変換用の第2群の調整光学要素に入射する直前の光束の部分的な遮光をすることが可能になる。
本発明のさらに別の側面によれば、第2群において、上記変換調整が、調整方向についての圧縮変換であり、非円形絞りが、調整方向に長軸を有する楕円状の開口形状を有する。この場合、圧縮変換に際して、非円形絞りにおいて縦方向の光線が必要以上にけられて(遮断されて)しまい横方向の光線を想定以上に通過させてしまうことを回避して、適切な遮光が可能になる。
本発明のさらに別の側面によれば、第2群において、上記変換調整が、調整方向についての伸張変換であり、非円形絞りが、調整方向に短軸を有する楕円状の開口形状を有する。この場合、伸張変換に際して、非円形絞りにおいて横方向の光線のケラレ量(遮光量)が足りず、使用を想定していない光線を通過させてしまい縦方向の光線を想定以上に遮断してしまうことを回避して、適切な遮光が可能になる。
本発明のさらに別の側面によれば、第2群が、光路上に進退可能であり、非円形絞りが、第2群に固定され第2群とともに光路上に進退する。この場合、第2群を光路上に配置して横縦比又はアスペクト比を変換して投写する第1動作状態と、第2群を光路上に配置せず横縦比又はアスペクト比を変換しないで投写する第2動作状態とにおいて、非円形絞りが、第1動作状態においてのみ光束の遮光に影響し、第2動作状態では、光束の遮光に関与しないものにでき、第1及び第2動作状態のいずれにおいても適切な遮光を維持できる。
本発明のさらに別の側面によれば、第2群よりも光変調素子側に配置され、光軸に対して回転対称な面を持った補正光学要素からなる第3群をさらに備える。この場合、収差を抑えて良好な画像形成ができる。
本発明のさらに別の側面によれば、非円形絞りが、第2群と第3群との間に配置される。この場合、非円形絞りを冷却するための装置の設置が行いやすく、非円形絞りでの遮光に伴う周辺の光学系の温度上昇を低減できる。
発明に係るプロジェクターは、上述した投写光学系と、光変調素子とを備える。本プロジェクターによれば、光変調素子の画像の横縦比と異なる横縦比の画像を被投写面上に投写することができる。この際、特別な投写光学系により、フレア等の発生を抑制し、良好な画像を投影できる。
第1実施形態に係るプロジェクターの使用状態を説明する図である。 図1のプロジェクターの概略構成を示す図である。 図1のプロジェクターのうち投写光学系の構造を説明する図である。 (A)は、投写光学系の横断面の構成を示し、(B)は、投写光学系の縦断面の構成を示す。 (A)は、投写光学系の第1動作状態を示し、(B)は、投写光学系の第2動作状態を示す。 (A)は、投写光学系のうち第2群及びその周辺の各部の構成を示す斜視図であり、(B)は、(A)を像面側から見た平面図である。 調整光学要素での圧縮変換に伴う縦断面についての光線の変化を示す図である。 第1実施形態の実施例1の光学系の横断面の構成について説明する図である。 第1実施形態の実施例1の光学系の縦断面の構成について説明する図である。 (A)は、第2実施形態に係るプロジェクターの投写光学系の横断面の構成を示し、(B)は、投写光学系の縦断面の構成を示す。 調整光学要素での伸張変換に伴う横断面についての光線の変化を示す図である。 (A)は、第3実施形態に係るプロジェクターの投写光学系の横断面の構成を示し、(B)は、投写光学系の縦断面の構成を示す。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係るプロジェクター及び投写光学系を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るプロジェクター2は、画像信号に応じて画像光PLを形成し、当該画像光PLをスクリーンSC等の被投写面へ向けて投写する。プロジェクター2の投写光学系20は、プロジェクター2内に内蔵された光変調素子である液晶パネル18G(18R,18B)の画像をスクリーン(被投写面)SC上に拡大投写する際に、液晶パネル18G(18R,18B)の画像の横縦比又はアスペクト比AR0に対して、スクリーンSC上に投写される画像の横縦比又はアスペクト比AR2を異なるものとすることができる。つまり、液晶パネル18Gの表示領域A0の横縦比AR0と、スクリーンSCの表示領域A2の横縦比AR2とは、異なるものとすることができるが、同一のものとすることもできる。具体的には、液晶パネル18Gの表示領域A0の横縦比AR0は、例えば1.78:1であり、スクリーンSCの表示領域A2の横縦比AR2は、例えば1.78:1、1.85:1、2.35:1、2.4:1等とされる。
図2に示すように、プロジェクター2は、画像光を投写する光学系部分50と、光学系部分50の動作を制御する回路装置80とを備える。
光学系部分50において、光源10は、例えば超高圧水銀ランプであって、R光,G光,及びB光を含む光を射出する。ここで、光源10は、超高圧水銀ランプ以外の放電光源であってもよいし、LEDやレーザーのような固体光源であってもよい。第1インテグレーターレンズ11及び第2インテグレーターレンズ12は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子を有する。第1インテグレーターレンズ11は、光源10からの光束を複数に分割する。第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子は、光源10からの光束を第2インテグレーターレンズ12のレンズ素子近傍にて集光させる。第2インテグレーターレンズ12のレンズ素子は、重畳レンズ14と協働して、第1インテグレーターレンズ11のレンズ素子の像を液晶パネル18R,18G,18Bに形成する。このような構成により、光源10からの光が液晶パネル18R,18G,18Bの表示領域(図1の表示領域A0)全体を略均一な明るさで照明する。
偏光変換素子13は、第2インテグレーターレンズ12からの光を所定の直線偏光に変換させる。重畳レンズ14は、第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子の像を、第2インテグレーターレンズ12を介して液晶パネル18R,18G,18Bの表示領域上で重畳させる。
第1ダイクロイックミラー15は、重畳レンズ14から入射したR光を反射させ、G光及びB光を透過させる。第1ダイクロイックミラー15で反射されたR光は、反射ミラー16及びフィールドレンズ17Rを経て、光変調素子である液晶パネル18Rへ入射する。液晶パネル18Rは、R光を画像信号に応じて変調することにより、R色の画像を形成する。
第2ダイクロイックミラー21は、第1ダイクロイックミラー15からのG光を反射させ、B光を透過させる。第2ダイクロイックミラー21で反射されたG光は、フィールドレンズ17Gを経て、光変調素子である液晶パネル18Gへ入射する。液晶パネル18Gは、G光を画像信号に応じて変調することにより、G色の画像を形成する。第2ダイクロイックミラー21を透過したB光は、リレーレンズ22,24、反射ミラー23,25、及びフィールドレンズ17Bを経て、光変調素子である液晶パネル18Bへ入射する。液晶パネル18Bは、B光を画像信号に応じて変調することにより、B色の画像を形成する。
クロスダイクロイックプリズム19は、光合成用のプリズムであり、各液晶パネル18R,18G,18Bで変調された光を合成して画像光とし、投写光学系20へ進行させる。
投写光学系20は、各液晶パネル18G,18R,18Bによって変調されクロスダイクロイックプリズム19で合成された画像光PLを図1のスクリーンSC上に拡大投写する。この際、投写光学系20は、スクリーンSC上に投写される画像の横縦比AR2を、液晶パネル18G,18R,18Bの画像の横縦比AR0と異なるものとしたり、この横縦比AR0と等しいものとすることができる。
回路装置80は、ビデオ信号等の外部画像信号が入力される画像処理部81と、画像処理部81の出力に基づいて光学系部分50に設けた液晶パネル18G,18R,18Bを駆動する表示駆動部82と、投写光学系20に設けた駆動機構(不図示)を動作させて投写光学系20の状態を調整するレンズ駆動部83と、これらの回路部分81,82,83等の動作を統括的に制御する主制御部88とを備える。
画像処理部81は、入力された外部画像信号を各色の諧調等を含む画像信号に変換する。画像処理部81は、投写光学系20が画像の横縦比又はアスペクト比(縦横比)を変換して投写する第1動作状態である場合、投写光学系20による横縦比の変換を逆にした画像のアスペクト比変換を予め行ってスクリーンSC上に表示される画像が縦横に伸縮しないようにする。具体的には、投写光学系20によって例えば1.78:1から例えば2.4:1となるように横方向に画像の伸張が行われる場合、予め、横方向に0.742=1.78/2.4倍の画像の圧縮が行われ、或いは、縦方向に1.35=2.4/1.78倍の画像の伸張が行われる。一方、投写光学系20が画像の横縦比又はアスペクト比を変換しないで投写する第2動作状態である場合、画像処理部81は、上記のような画像のアスペクト比変換を行わない。なお、画像処理部81は、外部画像信号に対して歪補正や色補正等の各種画像処理を行うこともできる。
表示駆動部82は、画像処理部81から出力された画像信号に基づいて液晶パネル18G,18R,18Bを動作させることができ、当該画像信号に対応した画像又はこれに画像処理を施したものに対応する画像を液晶パネル18G,18R,18Bに形成させることができる。
レンズ駆動部83は、主制御部88の制御下で動作し、例えば投写光学系20を構成する絞りを含む一部の光学要素を光軸OAに沿って適宜移動させることにより、投写光学系20による図1のスクリーンSC上への画像の投写倍率を変化させることができる。また、レンズ駆動部83は、投写光学系20を構成する絞りを含む別の一部の光学要素を光軸OA上すなわち光路上に進退させることにより、図1のスクリーンSC上に投写される画像の横縦比AR2を変化させることができる。レンズ駆動部83は、投写光学系20全体を光軸OAに垂直な上下方向に移動させるアオリの調整により、図1のスクリーンSC上に投写される画像の縦位置を、歪みを抑制しつつ変化させることができる。
以下、図3を参照して、実施形態の投写光学系20について説明する。投写光学系20は、レンズ等の複数の光学要素を組み合わせてなる本体部分20aと、本体部分20aの一部又は全体を移動させることでその結像状態を調整する駆動機構61,62,63,64とを備える。
本体部分20aは、スクリーンSC側から順に、第1群30と、第2群40と、非円形絞り70と、第3群60とからなる。ここで、非円形絞り70は、第2群40と第3群60との間に配置され、第2群40と一体化した状態で第2群40とともに移動する。
第1群30は、第1レンズ部31と、第2レンズ部32とを有する。たとえば、第1レンズ部31を構成する少なくとも1枚のレンズを光軸OAに沿って手動等により微動させることにより、本体部分20aのフォーカス状態を調整することができる。また、第2レンズ部32を構成する少なくとも1枚のレンズを、図3の駆動機構61により光軸OAに沿って移動させて、本体部分20aによる投写倍率を変更することができる。なお、図4(A)等に示すように、第1群30の第2レンズ部32には、円形絞りIRが設けられている。
第2群40は、横方向(X方向)と縦方向(Y方向)で異なる焦点距離を持つ調整光学要素であり、結果的に第1群30も含めた投写光学系20の全系としても、縦方向と横方向とで異なる焦点距離を持つことになる。すなわち、本体部分20aによる投射に際して縦方向の拡大倍率と横方向の拡大倍率とが互いに異なるものとなり、液晶パネル18G(18R,18B)に表示された画像の横縦比AR0とは異なる横縦比AR2の画像をスクリーンSC上に投写することができる。第2群40は、光軸OAに対して回転非対称な面を持つ1つ以上の調整用の光学要素を含み、具体的には、図4(B)に示す縦方向(Y方向)の断面に関して、スクリーンSC側から順に、正のパワーを持つ第1の光学要素群41と、負のパワーを持つ第2の光学要素群42とで構成されている。なお、第1の光学要素群41と第2の光学要素群42とは、図4(A)に示す横方向(X方向)の断面に関して、パワーを有していない。
このように、アナモフィック光学系である第2群40を、縦断面に関して、正の屈折力を持つ第1の光学要素群41と負の屈折力を持つ第2の光学要素群42との組合せとすることにより、第2群をアフォーカル系のように機能させることができ、簡易に変倍すなわちズーミングを行なうことができる。
第2群40を図3に示す進退駆動機構である第1アナモフィック駆動機構62により一体として光路上に進退させることにより、スクリーンSC上に投写される画像の横縦比又はアスペクト比を所望のタイミングで切り替えることができる。具体的には、図5(A)に示すように、第2群40を光路上に配置した第1動作状態とすることにより、液晶パネル18G(18R,18B)に形成される画像を縦方向に圧縮した横縦比(例えば2.4:1)でスクリーンSC上に画像を投写することができる。あるいは、図5(B)に示すように、第2群40を光路上から退避させた第2動作状態とすることにより、液晶パネル18G(18R,18B)に形成される画像のままの横縦比(例えば1.78:1)でスクリーンSC上に画像を投写することができる。第2群40によってスクリーンSC上に投写される画像を縦方向に圧縮する構成は、横寸法が固定されたスクリーンSCを使用する際に有効である。つまり、このようなスクリーンSCに対して投写光学系20による投写距離等を変えずに横縦比だけの変更が可能になる。なお、第2群40を構成する第1の光学要素群41と第2の光学要素群42とを第2アナモフィック駆動機構63により光軸OA方向に移動させることもできる。これらの間隔を調整することにより、スクリーンSC上に投写される画像の横縦比又はアスペクト比(縦横比)を連続的に増減させることができる。なお、第2群40の進退に伴って、非円形絞り70も進退するものとなっている。
図5(B)に示すように投写光学系20の第2群40を光路外に退避させて第2動作状態とした場合、投写光学系20内の第2群40の位置には、非円形絞り70を含めた光学系が何も配置されていない状態となる。すなわち、第2群40を退避させているとき、投写光学系20は第1群30と第3群60とが協働して回転対称な光学要素のみで構成されることになるので、液晶パネル18G(18R,18B)の表示領域A0の横縦比又はアスペクト比とスクリーンSCの表示領域A2の横縦比又はアスペクト比とは一致することになる。ここで、第1群30は、一般的な投写光学系と同じ拡大光学系及び変倍光学系の機能を受け持ち、第1群30のみで液晶パネル18Gの像をスクリーンSC上で結像させることができる。さらに、第2群40を退避させた際には透過率が向上し、画像を明るくできる。第3群60は、詳しくは後述するが、複数のレンズを有し、光学系全体の収差を抑える補正光学要素として機能する。
また、図3に示すように、投写光学系20では、全系駆動機構64によって本体部分20a全体を光軸OAに垂直な方向に移動させてシフト量を調整することにより、スクリーンSC上に投写される画像の光軸OAからのズレ量を少ない画像歪みで増減させることができる。つまり、本体部分20aの光軸OAを液晶パネル18Gの中心軸AXに平行な状態を保ちつつ、本体部分20aの光軸OAを液晶パネル18Gの中心軸AXに対して適当なシフト量SFだけ移動させることで、光軸OAから例えば上方向(+Y方向)に外れた位置に画像を投写することができ、シフト量SFの調整によって画像の投写位置を縦方向に上下移動させることができる。なお、本体部分20aの光軸OAの液晶パネル18Gの中心軸AXを基準するズレ量であるシフト量SFは、必ずしも可変とする必要はなく、例えばゼロでない値で固定することもできる。なお、駆動機構61、進退駆動機構である第1アナモフィック駆動機構62、第2アナモフィック駆動機構63、及び全系駆動機構64は、モーター、機械的な伝達機構、センサー等を有しており、図2のレンズ駆動部83からの駆動信号に応じて動作する。これらの駆動機構61,62,63,64は、レンズ駆動部83からの駆動信号によって単独で動作するだけでなく、複合的に動作する。
図4(A)及び4(B)に戻って、第3群60は、横方向及び縦方向にパワーを持つ回転対称な光学要素回転対称レンズを1枚以上含む。第3群60は、正のパワーを有するため光変調素子から射出した光の広がりを抑えることができる。そのため、第2群40へ入射する光の角度を抑えることができ、第2群40で発生する収差を抑えることができる。結果的に、第3群60は、投写光学系20全体の収差を抑える役割があり、第3群60は補正光学要素として複数のレンズを有し、それらのレンズ中に正のパワーを有するものとし、必要であれば、非球面のものを含めるものとする。
非円形絞り70は、第2群40と第3群60との間に配置され、例えば第2群40のうち調整光学要素の1つである第2の光学要素群42に近接して配置されている。非円形絞り70は、光束を部分的に遮光することで、液晶パネル18G(18R,18B)から射出される光束すなわち画像光の主光線の射出角度や方向を調整することができる。つまり、非円形絞り70は、液晶パネル18G(18R,18B)の画面の各位置における主光線の射出角度等を調整する。特に、本実施形態では、非円形絞り70は、第3群60を通過した光束の断面の形状を整えるために規定の形状となっている。具体的には、図4(A)、4(B)及び図6(A)、6(B)に示すように、非円形絞り70は、例えば矩形のフレームの中央に第2群40において圧縮変換を行う調整方向である縦方向(Y方向)を長軸とし、変換を行わない非調整方向である横方向(X方向)を短軸とする長円形状(楕円形状)のものとして設けられている。言い換えると、非円形絞り70は、横方向に関する開口幅D1が縦方向に関する開口幅D2よりも小さくなる長円形状(楕円形状)の開口OPを有して、縦方向と横方向とで有効径を異なるものにしている。これにより、第2群40における縦圧縮によるアスペクト比変換に対応する適正な画像光となるべき有効な成分を残し他の不要な成分を取り除くための部分的な遮光がなされる。なお、例えば図6(A)及び図6(B)に示すように、非円形絞り70の開口OPが縦方向に長い楕円形状であるため、開口OPを通過した直後の光束は、全体として開口OPの形状に沿った縦長の楕円形状となるが、第2群40を構成する光学要素群41,42を経て変換調整がなされた後においては、第2レンズ部32を構成するレンズと相似な円形状となる。なお、図4(A)等に示すように、円形絞りIRは、横方向に関しても縦方向に関しても等しい径である開口幅DRの円形状の開口を有している。
図7は、第2群40の調整光学要素である光学要素群41,42における圧縮変換に伴う光線の変化のうち、調整方向に関する断面である縦断面についての光線の光路変化を示す図である。図示のように、縦方向に圧縮される光学系の場合、縦断面について見ると、液晶パネル18G側から負のレンズ群である光学要素群42、正のレンズ群である光学要素群41の順に並ぶアフォーカル光学系になっているので、液晶パネル18G側から入った画像光PLの光線が、スクリーン側(拡大光学系側)に出射されるときには、広がった状態になる。一方、横方向断面は平面なので(図5(A)参照)、液晶パネル18G側から入った光線は、幅を維持したまま射出される(図7の一点鎖線参照)。したがって、調整方向である縦方向を長軸とし非調整方向である横方向を短軸とする楕円形状の非円形絞り70を配置する、すなわち、非円形絞り70の形状を横方向に比べて縦方向を長くすることで、光量低下を防止することができる。なお、仮に、非円形絞り70を通常の形状である円形で配置してしまうと、圧縮変換によって縦方向について画像光PLの光線が広がった分、縦方向の光線がけられて(遮断されて)しまうことになり、これは光量低下につながる。また、けられた(遮断された)成分に起因してゴーストやフレア等が発生する可能性もある。本実施形態では、このような事態を回避することができる。
また、既述のように、非円形絞り70は、第1アナモフィック駆動機構62による第2群40の進退に伴って進退する。つまり、図5(A)及び5(B)に示すように、非円形絞り70は、第2群40と一体的にユニット化されており、第2群40とともに光路上に配置される第1動作状態においてのみ光束の遮光に影響し、第2動作状態では光路外にあり、光束の遮光に関与しないものとなる。これにより、圧縮変換を行う第1動作状態のみならず、変換を行わない第2動作状態においても適切な遮光を維持できる。より詳しく説明すると、アナモフィックレンズ光学系である第2群40を出し入れすることで、2つのアスペクト比を切り替える場合、第2群40が挿入されていない第2動作状態では、回転対称な光学系のみで構成されるので、最適な絞り形状は円形絞りIRのような円形である。一方、アナモフィックレンズが挿入されている第1動作状態では、第2群40のための最適な絞り形状は楕円形状になる。従って、非円形絞り70を第2群40の前段に設け、第2群40に連動して出し入れさせることにより、第1動作状態及び第2動作状態のいずれにおいても常に最適な状態のケラレ(遮光)を実現でき、光学性能向上につながる。また非円形絞り70を、第2群40の出し入れ機構と一体的に配置することで、特別な構造を必要とせず簡単に連動させることが可能になり、コストダウン・信頼性の向上にもつながる。
また、一般に絞りを配置すると絞りの設置個所で光の一部が遮断されるため、当該絞り及びその周辺部分で温度上昇が発生する。この温度上昇により、近接する光学系の屈折率、厚み、曲率、レンズ間隔が動き、光学性能が大きく劣化する場合がある。絞りに近接する光学系が一般的な回転対称のレンズである場合、この温度上昇によりバックフォーカスが動き、フォーカスがずれるという現象が発生するが、例えばフォーカスを調整すれば、元のピント位置に戻すことができる。例えば第2レンズ部32に設けられる円形絞りIRに関しては、このような対処が考えられる。一方、非円形絞り70の場合のように、絞りに近接する光学系がアナモフィック光学系の場合、回転非対称な光学系のため温度上昇により、縦方向と横方向で異なるフォーカスズレである非点隔差が発生する。この差は、例えばフォーカスを調整しても、元に戻すことができない。これに対して、本実施形態では、遮光を行う長円形状の非円形絞り70を、アナモフィック光学系である第2群40よりも光路前段側に配置することで、遮光されるべき不要光が第2群40に入射することを防ぎ、第2群40の温度上昇を抑制している。特に、本実施形態では、非円形絞り70を、第2群40と補正光学系である第3群60との間に配置している。この場合、例えば冷却のための手段を非円形絞り70の周辺に設けやすくなるので、アナモフィック光学系である第2群40の温度上昇を比較的容易にかつ確実に低減できる。
なお、非円形絞り70は、駆動機構61により、第1動作状態において、第1群30の第2レンズ部32のズーム動作に連動して光軸OAに沿って移動するものとしてもよい。
上記実施形態の投写光学系20の場合、調整光学要素である第2群40を構成する光学要素群41,42の片面又は両面をシリンドリカルレンズ面とすることで、上記圧縮変換が可能となる。これらのシリンドリカルレンズは、一方向のみに曲率を有する形状であることから、加工が容易で高精度が期待でき、コストダウンが可能である。また、平面断面側の偏芯感度が低く、組立性が向上し、結果的に、高性能化が期待できる。つまり、第2群40をシリンドリカルレンズで構成することで、投写光学系20の精度を確保しつつコストダウンが可能になる。
なお、第2群40を構成する光学要素群41,42の片面又は両面は、シリンドリカルレンズ面に限らず、アナモフィックレンズ(例えばトーリック又はトロイダルレンズ)とすることも可能である。
以上において、第2群40を構成するシリンドリカル型又はアナモフィックレンズ型の光学要素群41,42の片面又は両面は、横のX断面又は縦のY断面に関して非球面式、具体的には、以下の多項式hで表される形状を持つものとできる。
Figure 2013254131
ここで、yは光軸OAからの像の高さ(像高)、cは基準とする球面の曲率、kは円錐定数、A、A、A、A、A10、・・・のそれぞれは所定の補正項とする。
さらに、第2群40を構成する光学要素群41,42の片面又は両面は、自由曲面とすることができる。アナモフィックレンズを用いることにより、Y方向及びX方向の両断面で曲率をコントロールできるので、非点収差の低減が可能で、高性能化が可能になる。また、非球面とすることにより、各種収差の低減が可能で、高性能化が可能になる。さらに、自由曲面とすることにより、スクリーンSC上又は液晶パネル18G(18R,18B)上のイメージサークル面において、液晶パネル18G(18R,18B)の縦横方向以外の中間の斜め方向の結像状態の最適化も容易になり、高性能化が可能になる。
第2群40については、2枚の光学要素群41,42に限らず3枚以上の光学要素群で構成することができる。この際、第2群40によって色収差が発生しないことが望ましい。このため、以下の関係
Σ(φi×νi)≒0
ここで、
φi:第2群40を構成する各レンズの屈折率
νi:第2群40を構成する各レンズのアッベ数
が成り立つことが望ましい。
以上のように本実施形態の投写光学系20によれば、第2群40が光変調素子である液晶パネル18Gの調整方向と他方向とで異なるパワーを持つことで、幅と高さとの比であるアスペクト比の変換を可能とし、この際に、非円形絞り70が、例えば長円形状(楕円形状)であり、変換調整の調整割合に応じて調整方向と他方向とで異なる径を有するものとなっている。これにより、非円形絞り70において、光線を遮る量に過不足が生じることを回避して、フレア等の発生を抑制できる。また、この投写光学系20をプロジェクター100に適用することで、プロジェクター100は、良好な状態で画像光を投射できる。
〔実施例1〕
図8及び図9は、第1実施形態の投写光学系20の具体的な実施例1を説明する図であり、第1動作状態での投写光学系20を示すものである。図8は、横断面の状態を示し、図9は、縦断面の状態を示している。
投写光学系20は、レンズL1〜L24、円形絞りIR1〜IR3及び非円形絞り70からなる。このうちレンズL1〜L24に関しては、レンズL1〜L16によって第1群30が構成され、レンズL17〜L21によって第2群40が構成され、レンズL22〜L24によって第3群60が構成されている。第1群30に含まれるレンズL1〜L16は、光軸OAのまわりに回転対称な球面のレンズである。第1群30のうち、レンズL1〜L7は、第1レンズ部31を構成し、レンズL8〜L16は、第2レンズ部32を構成している。なお、円形絞りIR1〜IR3は、第2レンズ部32に設けられた円形状の開口を有する絞りであり、図4(A)等に示す円形絞りIRに相当する。第2群40のうち、接合レンズL17,L18は、縦のY方向に関して正のパワーを有するレンズとなっており、横のX方向に関してパワーを有しないシリンドリカルレンズとなっている。つまり、接合レンズL17,L18は、第1の光学要素群41を構成している。また、単独のレンズL19〜L21は、全体として縦のY方向に関して負のパワーを有するレンズとなっており、いずれも横のX方向に関してパワーを有しないシリンドリカルレンズとなっている。つまり、レンズL19〜L21は、第2の光学要素群42を構成している。第3群60に含まれるレンズL22,L23は、負のメニスカスレンズであり、レンズL24は、正のメニスカスレンズである。なお、第1群30のレンズL1,L7と、第2群のレンズL21と、第3群60のレンズL23とは、非球面レンズである。特に、レンズL21は、アナモフィック非球面レンズである。非球面式について具体的には、上述した多項式hで表される形状が同様に適用される。すなわち、
Figure 2013254131
に適宜数値を入れることで、形状が特定される。
また、投写光学系20のうち、非円形絞り70は、各レンズの光線を制限する固定絞りであり、円形絞りIR1〜IR3は、各レンズの光線を制限する固定絞り又は可動絞りである。これらのうち、円形状の開口を有する円形絞りIR1は、レンズL12とレンズL13との間に配置され、円形絞りIR2は、レンズL13とレンズL14との間に配置され、円形絞りIR3は、レンズL16とレンズL17との間すなわち第1群30と第2群40との間に配置されている。また、長円形状の開口を有する非円形絞り70は、レンズL21とレンズL22との間すなわち第2群40と第3群60との間に配置されている。
以下の表1及び表2に、実施例1のレンズデータ等を示す。表1は、第1動作状態での投写光学系20に関するものである。表1の上欄において、「面番号」は、像面側から順に各レンズの面又は絞りに付した番号である。また、「R1」、「R2」は、Y及びX曲率半径を示し、「D」は、次の面との間のレンズ厚み或いは空気空間を表している。さらに、「Nd」は、レンズ材料のd線における屈折率を示し、「νd」は、レンズ材料のd線におけるアッベ数を示し、また、「Q1」、「Q2」は、Y及びX有効径を示す。なお、表1の下欄には、実施例1の投写光学系20を構成するレンズのうち、上述した非球面式又は多項式で表される非球面であるレンズL1,L7,L23について、非球面形状が示されている。
Figure 2013254131
また、アナモフィック非球面レンズであるレンズL21の非球面データは、以下の表2に示す通りである。
Figure 2013254131
表1に示すように、長円形状(楕円形状)である非円形絞り70では、Y方向の開口幅D2とX方向の開口幅D1とに相当するY有効径の値「Q1」とX有効径の値「Q2」とが、異なっている。具体的には、縦方向(Y方向)の有効径の値Q1が14mmであるのに対して、横方向(X方向)の有効径の値Q2が12.5mmとなっている。これにより、非円形絞り70での遮光による光量低下等が抑制されている。図9は、非円形絞り70のY有効径を14mmとして描かれた光線図であるが、仮に非円形絞り70を円形絞りとするすなわちY有効径を12.5mmとすると、例えば最大像高の上光線PL1が大きく遮られることになる。この場合、光量が落ちるだけではなく、テレセン性、すなわち上光線と下光線の中央の光線の平行性も悪くなり、色ムラなどの発生原因にもなる。これに対して、本実施例では上記のように、非円形絞り70を長円形状である楕円絞りとすることでこれらの問題を解決している。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る投写光学系等について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態の投写光学系等の変形例であり、特に説明しない部分又は事項は、第1実施形態の場合と同様である。
図10(A)及び10(B)は、図4(A)及び4(B)に示す投写光学系20の変形例である投写光学系120を説明する図である。第2群140は、縦方向(Y方向)と横方向(X方向)で異なる焦点距離を持っており、結果的に第1群30も含めた投写光学系120の全系としても、縦方向と横方向とで異なる焦点距離を持つことになる。この場合、第2群140は、横方向(X方向)の断面に関して、スクリーンSC側から順に、負のパワーを持つ第1の光学要素群141と、正のパワーを持つ第2の光学要素群142とで構成されている。なお、第1の光学要素群141と第2の光学要素群142とは、図10(B)に示す縦方向(Y方向)の断面に関して、パワーを有していない。図10(A)及び10(B)に示すように、第2群40を光路上に配置して、液晶パネル18G(18R,18B)に形成される画像を横方向に伸張した横縦比(例えば2.4:1)でスクリーンSC上に画像を投写することができる。図示を省略するが、この第2群140を光路上から退避させた場合、液晶パネル18G(18R,18B)に形成される画像のままの横縦比(例えば1.78:1)でスクリーンSC上に映像を投写することができる。つまり、横方向が伸張による変換調整を行う調整方向であり、縦方向が非調整方向である。さらに、第2群140を構成する第1の光学要素群141と第2の光学要素群142とを図3の第2アナモフィック駆動機構63により光軸OA方向に移動させてこれらの間隔を調整することにより、スクリーンSC上に投写される画像の縦横比(アスペクト比)又は横縦比を連続的に増減させることもできる。なお、第2群40によってスクリーンSC上に投写される画像を横方向に伸張する構成は、縦寸法が固定されたスクリーンSCを使用する際に有効である。つまり、このようなスクリーンSCに対して投写光学系120による投写距離等を変えずに横縦比だけの変更が可能になる。
図10(A)及び10(B)に示すように、非円形絞り170は、横方向に関する開口幅D1が縦方向に関する開口幅D2よりも小さくなる長円形状の開口OPを有する楕円絞りである。これにより、第2群40における横伸張によるアスペクト比変換に対応する適正な画像光の部分的な遮光がなされるものとなる。
なお、非円形絞り170は、第2群140の進退に伴って進退する。つまり、非円形絞り170は、第2群40と一体的にユニット化されており、第2群140とともに光路上に配置される第1動作状態においてのみ光束の遮光に影響し、第2動作状態では光路外にあり、光束の遮光に関与しないものとなる。
図11は、第2群140の調整光学要素である光学要素群141,142における伸張変換に伴う光線の変化のうち、調整方向に関する断面である横断面についての光線の光路変化を示す図である。図示のように、横方向に伸張される光学系の場合、横断面について見ると、液晶パネル18G側(図10(A)等参照)すなわち−Z側から負のレンズ群である光学要素群142、正のレンズ群である光学要素群141の順に並ぶアフォーカル光学系になっている。従って、液晶パネル18G側から入った画像光PLの光線が、スクリーン側(拡大光学系側)に出射されるときには、光線が狭まった状態になる。一方、縦方向断面は平面なので(図10(A)参照)、液晶パネル18G側から入った光線は、出射されるときも光束の幅は、そのままである(図11の一点鎖線参照)。したがって、調整方向である横方向を短軸とし非調整方向である縦方向を長軸とする長円形状(楕円形状)の非円形絞り170を配置する、すなわち、非円形絞り170の形状を横方向に比べて縦方向を長くすることで、光量低下を防止することができる。なお、仮に、非円形絞り170を通常の形状である円形で配置してしまうと、伸張変換によって横方向について画像光PLの光線が狭まった分、横方向の光線のケラレ量(遮光量)が足りず、使用を想定していない光線を通過させてしまうことで、フレア等が発生したり、最適化の際に必要以上の光線を使用してしまって全体の性能が低下したりする。本実施形態では、このような事態を回避することができる。
なお、本実施形態の非円形絞り170は、縦方向を長軸とし、横方向を短軸とする長円形状であり、結果として、縦方向及び横方向に関しては、長軸短軸の方向が第1実施形態の非円形絞り70と一致している。しかし、調整方向及び非調整方向に関しては、調整方向が短軸の方向であり、非調整方向が長軸の方向となっており、第1実施形態の非円形絞り70とは異なっていることになる。
以上のように本実施形態の投写光学系120によれば、第2群40が液晶パネル18G(18R,18B)の縦横方向に関して異なるパワーを持つので、第1群30も含めた投写光学系120の全系としても、縦横方向に異なる焦点距離を持つことになり、液晶パネル18G(18R,18B)の画像の横縦比とスクリーンSC上に投写される画像の横縦比とを異なるものにできる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る投写光学系等について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態の投写光学系等の変形例であり、特に説明しない部分又は事項は、第1実施形態の場合と同様である。
図12(A)及び12(B)は、第3実施形態に係る投写光学系220を説明する図である。この投写光学系220は、第1群30と第2群40とからなり、第1実施形態の投写光学系20のような第3群60を有しない。この場合、非円形絞り70は、第2群40とクロスダイクロイックプリズム19との間に配置され、特に第2群40のうち調整光学要素の1つである第2の光学要素群42に近接して配置されている。非円形絞り270は、横方向に関する開口幅D1が縦方向に関する開口幅D2よりも小さくなる長円形状(楕円形状)の開口OPを形成している。これにより、第2群40における縦圧縮によるアスペクト比変換に対応する適正な画像光の部分的な遮光がなされるものとなる。
なお、非円形絞り270は、第2群40の進退に伴って進退する。つまり、非円形絞り270は、第2群40と一体的にユニット化されており、第2群40とともに光路上に配置される第1動作状態においてのみ光束の遮光に影響し、第2動作状態では光路外にあり、光束の遮光に関与しないものとなる。
また、図12(A)及び12(B)に示す例では、図4(A)及び4(B)に示す場合と同様に、スクリーンSC側から順に、正のパワーを持つ第1の光学要素群41と、負のパワーを持つ第2の光学要素群42とで構成され、縦方向への圧縮変換によるアスペクト比の調整を行うものとしているが、図10(A)及び10(B)に示す横方向への伸張変換によるアスペクト比の調整を行うものとしてもよい。この場合も、非円形絞り270の形状は、横方向に関する開口幅D1が、縦方向に関する開口幅D2よりも小さい長円形状の開口を形成することができる。
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
上記では、非円形絞り70,170,270を第2群40,140の光入射側に配置しているが、温度上昇等の問題が生じなければ、非円形絞り70,170,270を上記以外の位置に設置するものとしてもよい。例えば第1の光学要素群と第2の光学要素群との間の位置といった第2群40,140の内部側の位置に設置してもよい。
例えば、上記実施形態では、投写光学系20等の第2群40等により、液晶パネル18G等に表示された画像を縦方向に圧縮(縮小)又は横方向に伸張してスクリーンSC上に相対的に横長のアスペクト比となるように変換した画像を投写したが、第2群40等のレンズ構成を変更することで、相対的に縦長のアスペクト比となるように変換した画像を投写することもできる。
また、上記では、縦方向についてのみ圧縮による変換調整を行うすなわち縦方向のみが調整方向であるとするか、横方向についてのみ伸張による変換調整を行うすなわち横方向のみが調整方向であるとしているが、縦方向への圧縮と横方向への伸張との双方を行い、縦方向及び横方向の双方とも調整方向とする態様も可能である。なお、この場合、非円形絞りの形状は、縦方向が長軸、横方向が短軸となり、長軸短軸の方向が第1及び第2実施形態の非円形絞り70,170と一致したものとなる。
液晶パネル18G,18R,18Bは、透過型に限らず、反射型とすることができる。ここで、「透過型」とは、液晶パネルが変調光を透過させるタイプであることを意味しており、「反射型」とは、液晶パネルが変調光を反射するタイプであることを意味している。
プロジェクターとしては、投写面を観察する方向から画像投写を行う前面投写型のプロジェクターと、投写面を観察する方向とは反対側から画像投写を行う背面投写型のプロジェクターとがあるが、図2等に示すプロジェクターの構成は、いずれにも適用可能である。
液晶パネル18G,18R,18Bに代えて、マイクロミラーを画素とするデジタル・マイクロミラー・デバイス等を、光変調素子として用いることもできる。
2…プロジェクター、 10…光源、 15,21…ダイクロイックミラー、 17B,17G,17R…フィールドレンズ、 18B,18G,18G…液晶パネル、 19…クロスダイクロイックプリズム、 20,120,220…投写光学系、 20a…本体部分、 30…第1群、 31…第1レンズ部(第1レンズ群)、 32…第2レンズ部、 40,140…第2群、 60…第3群、 41,42,141,142…光学要素群、 50…光学系部分、 61…ズーム駆動機構、 62…第1アナモフィック駆動機構、 63…第2アナモフィック駆動機構、 64…全系駆動機構、 70,170,270…非円形絞り、 80…回路装置、 81…画像処理部、 83…レンズ駆動部、 88…主制御部、 AX…中心軸、 L1-L24…レンズ、 OA…光軸、 PL…画像光、 SC…スクリーン、 D1,D2…開口幅

Claims (9)

  1. 光変調素子の画像を被投写面上に拡大投写する際に、前記光変調素子の画像の横縦比と、前記被投写面上に投写される画像の横縦比とを異なるものとする投写光学系であって、
    前記被投写面側から順に、拡大光学系である第1群と、光軸に対して回転非対称な面を持つとともに、圧縮又は伸張による変換調整を行う調整方向と他方向とで異なるパワーを持った少なくとも1つ以上の光学系で構成される調整光学要素を含み、前記光変調素子の縦方向と横方向とのうち少なくとも一方向を前記調整方向として前記変換調整を行う第2群とを備え、
    前記調整光学要素での圧縮又は伸張による前記変換調整の調整割合に応じて前記調整方向と他方向とで異なる径を有する長円形状の非円形絞りを備える、投写光学系。
  2. 前記非円形絞りは、前記第2群よりも前記光変調素子側に配置されている、請求項1に記載の投写光学系。
  3. 前記非円形絞りは、前記第2群の前記調整光学要素に近接して配置されている、請求項2に記載の投写光学系。
  4. 前記第2群において、前記変換調整は、前記調整方向についての圧縮変換であり、
    前記非円形絞りは、前記調整方向に長軸を有する楕円状の開口形状を有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の投写光学系。
  5. 前記第2群において、前記変換調整は、前記調整方向についての伸張変換であり、
    前記非円形絞りは、前記調整方向に短軸を有する楕円状の開口形状を有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の投写光学系。
  6. 前記第2群は、光路上に進退可能であり、
    前記非円形絞りは、前記第2群に固定され前記第2群とともに光路上に進退する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の投写光学系。
  7. 前記第2群よりも前記光変調素子側に配置され、光軸に対して回転対称な面を持った補正光学要素からなる第3群をさらに備える、請求項1から6までのいずれか一項に記載の投写光学系。
  8. 前記非円形絞りは、前記第2群と前記第3群との間に配置される、請求項7に記載の投写光学系。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の投写光学系と、
    前記光変調素子とを備える、
    プロジェクター。
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JP2020036104A (ja) * 2018-08-27 2020-03-05 哲理 園田 情報伝達システム
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