JP2013249658A - 海水取水装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より低濁度の海水を確実に取水することが可能な海水取水装置および方法を提供する。
【解決手段】海水取水装置は、海域に連通する取水水路3と、取水水路3に隣接して配置される取水槽4と、取水水路3と取水槽4との境界に配置され、満潮時に海水が越流するゲート5と、を備えており、ゲート5は、開閉可能な下可動部51を下部に有している。干潮から満潮に向かう中間時点や満潮時には、ゲート5の頂部よりも上層の低濁度の海水が取水槽4に導入される。一方、例えば干潮時には、下可動部51が開放されて取水槽4内に溜まった沈殿性粒子10が排出される。また、ゲート5が高さ可変の上可動部54を上部に有することにより、干潮から満潮に向かう中間時点において、ゲート5の高さを満潮時よりも低い状態に設定することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、海水取水装置および方法に関する。
海水淡水化プラントや発電所等の各種設備には、淡水化対象の海水や機器冷却用の海水を取水することを目的として、海水取水装置が付設されている。
この種の海水取水装置として、取水ポンプに海水を導くための取水路内に、干潮時水位より高い標高の頂部をもった堰を設置した取水構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、海水位の低下時にも、設備の稼動を継続させるために必要な海水量を堰の設置により確保できるようになっている。
特開平5−19092号公報
しかしながら、一定の海域においては、取水対象の海水は、砂やシルト等の沈殿性粒子に起因する濁度が非常に高く、取水された海水は、各種設備で使用される前に、前処理プロセスにて濁度を低減する処理(除濁処理)が施される必要がある。したがって、海水の取水時に、できるだけ低濁度の海水を取水することが前処理プロセスの負担を軽減する観点から要請される。
特に、前記一定の海域のなかには、取水対象の海水は低層部が高濁度で表層部が低濁度となる顕著な濁度分布を有すると共に、干満差が大きく水位の変動が例えば8mと非常に大きいものもある。このため、前記特許文献1に記載の取水構造では、高水位時に中層部の比較的高濁度の海水が、堰を越流して取水部である取水路プールに流入してしまい、ポンプにより取水される虞がある。
また、取水部の底に沈殿性粒子が沈殿、堆積し、取水部の水深が小さくなってしまう。このため、取水部内に確保できる海水量が減少するだけでなく、取水部内における濁度の高い海水が表層部に近くなって取水される虞が高くなる。さらに、取水部内に沈殿、堆積した沈殿性粒子を除去するための浚渫作業の負担も増大する。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、より低濁度の海水を確実に取水することが可能な海水取水装置および方法を提供することにある。
前記した目的を達成するために、本発明の一側面を反映する海水取水装置は、海域に連通する第1の取水部と、前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部と、前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置され、満潮時に海水が越流すると共に、開閉可能な下可動部を下部に有するゲートと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の他の側面を反映する海水取水装置は、海域に連通する第1の取水部と、前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部と、前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置され、満潮時に海水が越流すると共に、高さ可変の上可動部を上部に有するゲートと、を備えることを特徴とする。
また、本発明のさらに他の側面を反映する海水取水方法は、海域に連通する第1の取水部からの海水を、前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部に、前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置されるゲートの上を越流させて流入させるステップと、前記ゲートの下部に備えられる開閉可能な下可動部を開放し、前記第2の取水部内の海水を、開放された前記下可動部を通して前記第1の取水部側へ流出させるステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明のさらに他の側面を反映する海水取水方法は、干潮から満潮に向かう中間時点において、海域に連通する第1の取水部からの海水を、前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部に、前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置されるゲートの上部に備えられる高さ可変の上可動部の高さを満潮時よりも低く設定して前記上可動部の上を越流させて流入させるステップ(a)と、満潮時に、前記第1の取水部からの海水を前記第2の取水部に、前記上可動部の高さを前記中間時点よりも高く設定して前記上可動部の上を越流させて流入させるステップ(b)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、より低濁度の海水を確実に取水することが可能な海水取水装置および方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。 図1のII−II線に沿う概略断面図である。 干潮から満潮に向かう中間時点における取水槽周辺の概略拡大断面図である。 満潮時における取水槽周辺の概略拡大断面図である。 干潮時における取水槽周辺の概略拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る干潮から満潮に向かう中間時点における取水槽周辺の概略拡大断面図である。 満潮時における図6に示す取水槽周辺の概略拡大断面図である。 干潮時点における図6に示す取水槽周辺の概略拡大断面図である。 (a)は、本発明の第3実施形態に係る満潮時における取水槽周辺の概略拡大断面図であり、(b)は、干潮から満潮に向かう中間時点における図9(a)に示す取水槽周辺の概略拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。 本発明の第5実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。 本発明の第6実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図5を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。図2は、図1のII−II線に沿う概略断面図である。図1に示す海水取水装置は、ここでは、海水淡水化プラント(図示せず)に付設され、淡水化対象の海水を取水するものである。
図1および図2に示すように、海水取水装置1は、海域2に連通する取水水路(第1の取水部)3と、取水水路3に隣接して配置される取水槽(第2の取水部)4と、取水水路3と取水槽4との境界に配置され、満潮時に海水が越流するゲート5と、を備えている。取水水路3は、所定深さに掘られた断面コ字状のカナルであり、陸地9から海域2に向かって延伸している。なお、図2中の符号Bは満潮時の水位を示し、符号Cは干潮時の水位を示している。
また、海水取水装置1は、取水槽4内の海水が導入される貯留槽6を備えている。貯留槽6は、取水槽4からの海水を受ける原水受槽(受槽)61と、原水受槽61から溢れた海水を貯留する原水槽(本槽)62と、を有している。取水槽4内の海水は、ポンプ71の作動により、配管72を通って貯留槽6の原水受槽61に送られるようになっている。
さらに、海水取水装置1は、原水受槽61から取水槽4まで延伸する排出管81と、排出管81に設けられる開閉弁82と、を備えている。原水受槽61の底には、排出管81の方に向かって徐々に低くなるように傾斜した傾斜面63a,63b,63cが形成されている。
図3は、干潮から満潮に向かう中間時点における取水槽周辺の概略拡大断面図である。図4は、満潮時における取水槽周辺の概略拡大断面図である。図5は、干潮時における取水槽周辺の概略拡大断面図である。なお、図3〜図5において、符号10は砂やシルト等の沈殿性粒子を示し、矢印は海水の流れ方向を示す(図6〜図9でも同様)。また、図3中の符号Aは干潮から満潮に向かう或る中間時点における水位を示している。
図3〜図5に示すように、ゲート5は、開閉可能な下可動部51を下部に有している。下可動部51は、回動軸52と、回動軸52のまわりで手動や電動等により回動される板状の下ゲート部材53とを備えて構成されている。なお、下可動部51が閉止状態にあるときに取水水路3と取水槽4との間がシールされるように、例えば下ゲート部材53の周縁部にシール部材(図示せず)が設置されることが望ましい。
また、ゲート5は、高さ可変の上可動部54を上部に有している。上可動部54は、回動軸55と、回動軸55のまわりで手動や電動等により回動される板状の上ゲート部材56とを備えて構成されている。ゲート5は、上可動部54の頂部が最も高い位置にあるときの高さが、水位が最大となる大潮の満潮時において所定の水深以上の上澄水のみを取水できるような高さに設定されている(図4参照)。
取水槽4は、ここでは、取水水路3の陸地9(図1参照)側の端部に、ゲート5により区画されて形成されている。取水槽4の底には、下可動部51の下端に向かって徐々に低くなるように傾斜した傾斜面41が形成されている。ポンプ71は、海水の吸入口(図示せず)を備えており、取水槽4内のなるべく上層の濁度の低い海水を吸入できるように、傾斜面41上の比較的高い場所に設置されている。なお、ポンプ71の吸入口の高さ方向の位置が取水槽4内の海水の水位に応じて変化するように構成してもよい。また、配管72の入口を取水槽4内に設置して、ポンプ71は配管72の途中に設置されてもよい。
次に、図3〜図5を参照しながら前記のように構成された第1実施形態の作用について説明する。
図3に示すように、干潮から満潮に向かう中間時点においては、上可動部54の頂部の高さ、すなわちゲート5の高さが満潮時よりも低く設定される。上可動部54の高さは、上ゲート部材56が鉛直上方に起立した状態から傾斜した状態となるように回動軸55のまわりで回動されることにより変更される。上ゲート部材56は、図3では上ゲート部材56の頂部が取水水路3側に倒れるように傾斜されているが、上ゲート部材56の頂部が取水槽4側に倒れるように傾斜されてもよい。
そして、上ゲート部材56が傾斜した状態で、海域2(図1参照)に連通する取水水路3からの海水が、取水水路3に隣接して配置される取水槽4に、取水水路3と取水槽4との境界に配置されるゲート5の上可動部54の上を越流して流入する。したがって、干潮から満潮に向かう中間時点の水位Aにおいて、満潮時よりも低い状態に設定されたゲート5の頂部よりも上層の表層付近のより低濁度の海水のみが取水槽4に導入される。
また、干潮から満潮に向かう中間時点において、取水槽4内の海水は、ポンプ71の作動により貯留槽6に送られ、一旦、原水受槽61で受けられる。原水受槽61内の海水が一杯になると、原水受槽61内の海水のうちの表層部のより低濁度の海水が、原水受槽61から溢れて原水槽62に導入されて貯留される。取水槽4内の海水が貯留槽6に送られている間、開閉弁82は閉じられている。
図4に示すように、満潮時には、取水水路3からの海水が取水槽4に、ゲート5の上を越流して流入する。前記したように満潮時に海水がゲート5を越流するようにゲート5の高さが設定されており、満潮時の水位Bは、ゲート5の高さ(上可動部54の上ゲート部材56の頂部の高さ)よりも高くなる。
この満潮時には、上可動部54の高さが、干潮から満潮に向かう中間時点よりも高く設定される。例えば、満潮時には、上ゲート部材56が鉛直上方に起立した状態、すなわちゲート5の高さが最も高い状態に設定される。したがって、満潮時において、最も高い状態に設定されたゲート5の頂部よりも上層の表層付近の海水のみが取水槽4に流入するため、より低濁度の海水が取水槽4に導入される。
また、満潮時においても、取水槽4内の海水は、ポンプ71の作動により、原水受槽61を経て貯留槽6に送られる。取水槽4内の海水が貯留槽6に送られている間、開閉弁82は閉じられている。
なお、上可動部54を設けることなくゲート5の高さを一定にした場合には、以下の問題が生じる。すなわち、ゲート5の頂部高さを高くして固定すれば、満潮時において表層付近の低濁度の海水が取水槽4内に流入するが、干潮から満潮に向かう中間時点においては水位Aがゲート5の高さよりも低くなって取水槽4に流入しない場合が増え、取水槽4内に海水を十分確保できない。一方、ゲート5の高さを低くして固定すれば、干潮から満潮に向かう中間時点においても取水槽4内に海水を十分確保できるが、満潮時においては中層部の比較的高濁度の海水までが取水槽4内に導入されてしまう。特に濁度が高く、干満の差が大きい海域では、この問題が顕著に現れる。
これに対し、第1実施形態によれば、より低濁度の海水を、干潮から満潮に向かう中間時点、および満潮時のいずれにおいても十分に取水槽4内に導入することができる。ここで、上可動部54の高さは、干潮から満潮に向かう間の少なくとも一つの時点において、満潮時よりも低く設定される。ただし、上可動部54の高さは、干潮から満潮に向かう間で変化する海水位に応じて、段階的あるいは連続的に前記海水位よりも所定距離(例えば2m)だけ低くなるように設定されることがより望ましい。このように構成すれば、より一層低濁度の海水を確実に取水槽4内に導入することができる。
ここでは、満潮から干潮に向かう中間時点(引き潮時)においては、干潮から満潮に向かう中間時点(満ち潮時)と同様に、ゲート5の上可動部54の高さが満潮時よりも低く設定される。ただし、上可動部54の高さは、満潮から干潮に向かう間で変化する海水位に応じて、段階的あるいは連続的に前記海水位よりも所定距離(例えば2m)だけ低くなるように設定されることがより望ましい。なお、引き潮時において、ゲート5の上可動部54の高さを満潮時と同じ高さに維持して取水槽4に溜めた海水が流れ出ないようにし、取水槽4内の海水がポンプ71により汲み出されて例えば所定量以下になった場合には、適宜ゲート5の上可動部54を低く設定して海水を取水槽4内に流入させるように構成してもよい。
図5に示すように、例えば干潮時には、ゲート5の下部に備えられる開閉可能な下可動部51が開放される。すなわち、下可動部51は、下ゲート部材53が鉛直下方に垂下した状態から傾斜した状態となるように回動軸52のまわりで回動されることにより開放状態とされる。下可動部51の開放時には、ポンプ71は停止される。
そして、取水槽4内の海水は、開放された下可動部51を通して取水水路3側へ流出する。これにより、取水槽4内に溜まった泥状の沈殿性粒子10は、取水槽4内の海水に押し流されるようにして、海水と共に取水水路3側へ排出される。このとき、取水槽4内の海水は、取水槽4の底に形成された傾斜面41に沿って勢い良く取水水路3側へ流出するため、沈殿性粒子10は効率良く取水槽4から排出される。
ここで、取水槽4内の海水が沈殿性粒子10の排出のために流出して空になったとしても、貯留槽6の原水槽62には、海水淡水化プラントの稼動に支障を与えることのない十分な量の海水が貯留されている。そして、原水槽62内の海水は、海水淡水化プラントに供給されるようになっている。
また、下可動部51の開放時には、開閉弁82も開放される。これにより、原水受槽61内に溜まった泥状の沈殿性粒子10もまた、取水槽4内を経由して、海水と共に取水水路3側へ排出される。このとき、原水受槽61内の海水は、原水受槽61の底に形成された傾斜面63a,63b,63c(図1参照)に沿って勢い良く排出管81へ流出するため、沈殿性粒子10は効率良く原水受槽61から排出される。
前記したように第1実施形態に係る海水取水装置1は、海域2に連通する取水水路3と、取水水路3に隣接して配置される取水槽4と、取水水路3と取水槽4との境界に配置され、満潮時に海水が越流するゲート5と、を備えており、ゲート5は、開閉可能な下可動部51を下部に有している。
このような第1実施形態によれば、干潮から満潮に向かう中間時点や満潮時には、海域2に連通する取水水路3からの海水が、取水水路3に隣接して配置される取水槽4に、取水水路3と取水槽4との境界に配置されるゲート5の上を越流して流入するので、ゲート5の頂部よりも上層の低濁度の海水が取水槽4に導入される。一方、例えば干潮時には、ゲート5の下可動部51を開放状態とすることにより、海水と共に取水槽4内に溜まった泥状の沈殿性粒子10を取水水路3側へ排出することができる。これにより、沈殿性粒子10の沈殿、堆積による取水槽4の水深の縮小によって取水槽4内に確保できる海水量が減少すると共に濁度の高い海水が表層部に近くなる結果取水されてしまう虞を抑制することができる。
すなわち、海水取水装置1において、より低濁度の海水を確実に取水することが可能となる。また、取水槽4内に沈殿、堆積した沈殿性粒子10を除去するための浚渫作業の負担も軽減することができる。さらには、海水淡水化プラントの前処理プロセスにおける除濁処理の負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、ゲート5は、高さ可変の上可動部54を上部に有している。このような構成によれば、干潮から満潮に向かう中間時点には、ゲート5の高さを満潮時よりも低く設定することにより、満潮時よりも低い状態のゲート5の頂部よりも上層の表層付近のより低濁度の海水のみを取水槽4に導入することができる。一方、満潮時には、ゲート5の高さを干潮から満潮に向かう中間時点よりも高い例えば最も高い状態に設定することにより、より高い状態に設定されたゲート5の頂部よりも上層の表層付近のより低濁度の海水のみを取水槽4に導入することができる。このようにして、より低濁度の海水を、干潮から満潮に向かう中間時点、および満潮時のいずれにおいても十分に取水槽4内に導入することができる。
したがって、海水取水装置1において、より一層低濁度の海水を確実に取水することが可能となる。また、取水槽4内に導入される海水がより低濁度となるため、取水槽4内に沈殿、堆積する沈殿性粒子10が少なくなる結果、沈殿性粒子10を除去するための浚渫作業の負担もより軽減される。さらには、海水淡水化プラントの前処理プロセスにおける除濁処理の負担がより軽減される。
≪第2実施形態≫
次に、図6〜図8を参照しながら本発明の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る干潮から満潮に向かう中間時点における取水槽周辺の概略拡大断面図である。図7は、満潮時における図6に示す取水槽周辺の概略拡大断面図である。図8は、干潮時点における図6に示す取水槽周辺の概略拡大断面図である。図1〜図5に示した第1実施形態と同様の構成及び作用は、第2実施形態に取り込まれるものとして詳細な説明を適宜省略する。
図6〜図8に示すように、第2実施形態では、ゲート5aは、開閉可能な下可動部51を下部に有している点で第1実施形態と同様であるが、高さ可変の上可動部54を上部に有していない点で第1実施形態と相違している。本発明は、この第2実施形態のような構成を採用することも可能である。
このような第2実施形態によれば、干潮から満潮に向かう中間時点(図6参照)や満潮時(図7参照)には、ゲート5aの頂部よりも上層の低濁度の海水が取水槽4に導入される。一方、例えば干潮時(図8参照)には、ゲート5aの下可動部51を開放状態とすることにより、海水と共に取水槽4内に溜まった泥状の沈殿性粒子10を排出することができ、沈殿性粒子10が溜まって取水槽4が浅くなることによって取水槽4内に確保できる海水量が減少すると共に濁度の高い海水が表層部に近くなる結果取水されてしまう虞を抑制することができる。すなわち、より低濁度の海水を確実に取水することが可能となる。また、取水槽4内に沈殿、堆積した沈殿性粒子10を除去するための浚渫作業の負担も軽減することができる。さらには、海水淡水化プラントの前処理プロセスにおける除濁処理の負担を軽減することができる。
≪第3実施形態≫
次に、図9を参照しながら本発明の第3実施形態について説明する。
図9(a)は、本発明の第3実施形態に係る干潮から満潮に向かう中間時点における取水槽周辺の概略拡大断面図であり、図9(b)は、満潮時における図9(a)に示す取水槽周辺の概略拡大断面図である。なお、図1〜図5に示した第1実施形態と同様の構成及び作用は、第3実施形態に取り込まれるものとして詳細な説明を適宜省略する。
図9(a)(b)に示すように、第3実施形態では、ゲート5bは、高さ可変の上可動部54を上部に有している点で第1実施形態と同様であるが、開閉可能な下可動部51を下部に有していない点で第1実施形態と相違している。本発明は、この第3実施形態のような構成を採用することも可能である。
このような第3実施形態によれば、干潮から満潮に向かう中間時点(図9(a)参照)には、満潮時よりも低い状態に設定したゲート5bの頂部よりも上層の表層付近のより低濁度の海水のみを取水槽4に導入できる。一方、満潮時(図9(b)参照)には、干潮から満潮に向かう中間時点よりも高い例えば最も高い状態に設定したゲート5の頂部よりも上層の表層付近のより低濁度の海水のみを取水槽4に導入できる。こうして、より低濁度の海水を、干潮から満潮に向かう中間時点、および満潮時のいずれにおいても十分に取水槽4内に導入することができる。すなわち、より低濁度の海水を確実に取水することが可能となる。また、取水槽4内に導入される海水がより低濁度となるため、取水槽4内に沈殿、堆積する沈殿性粒子10が少なくなる結果、沈殿性粒子10を除去するための浚渫作業の負担も軽減することができる。さらには、海水淡水化プラントの前処理プロセスにおける除濁処理の負担を軽減することができる。
≪第4実施形態≫
次に、図10を参照しながら本発明の第4実施形態について説明する。
図10は、本発明の第4実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。なお、図1〜図5に示した第1実施形態と同様の構成及び作用は、第4実施形態に取り込まれるものとして詳細な説明を適宜省略する。
図10に示すように、第4実施形態では、取水水路3の陸地9側の端部に、取水水路3とは少なくとも幅寸法(取水水路3の長手方向に垂直な方向の寸法)が大きい取水槽4aが設けられている点で、第1実施形態と相違している。このような第4実施形態によれば、前記した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができることに加えて、取水槽4aに、より多くの海水を導入して確保することができる。
≪第5実施形態≫
次に、図11を参照しながら本発明の第5実施形態について説明する。
図11は、本発明の第5実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。なお、図1〜図5に示した第1実施形態と同様の構成及び作用は、第5実施形態に取り込まれるものとして詳細な説明を適宜省略する。
図11に示すように、第5実施形態では、取水槽4bと貯留槽6とが、堰64を介して隣接して設けられている点で第1実施形態と相違している。また、第1実施形態におけるポンプ71、配管72、排出管81、および開閉弁82が、第5実施形態では省略されている。したがって、第5実施形態では、取水槽4b内の海水の水位が所定高さに設定された堰64よりも高くなると、堰64の頂部よりも上層の濁度の低い海水が、取水槽4から溢れ出し、堰64を越流して貯留槽6の原水受槽61に送られる。このような第5実施形態によっても、前記した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
≪第6実施形態≫
次に、図12を参照しながら本発明の第6実施形態について説明する。
図12は、本発明の第6実施形態に係る海水取水装置の概略平面図である。なお、図1〜図5に示した第1実施形態と同様の構成及び作用は、第6実施形態に取り込まれるものとして詳細な説明を適宜省略する。
図12に示すように、第6実施形態では、貯留槽6が省略されると共に、取水水路3の陸地9側の端部に、海水淡水化プラントの稼動に支障を与えることのない十分な量の海水を確保できる容量を持った取水槽4cが設けられている点で、第1実施形態と相違している。なお、この第6実施形態では、取水槽4c内の海水は、沈殿性粒子10の排出のために全部流出させるのではなく、一部を残すようにして海水淡水化プラントの稼動に必要な最小限の海水を確保することが望ましい。このような第6実施形態によっても、前記した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明について実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、前記した実施形態では、下可動部51は、回動軸52と、回動軸52のまわりで手動や電動等により回動される板状の下ゲート部材53とを備えて構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、下ゲート部材53が上下にスライド移動することにより、下可動部51が開閉可能に構成されてもよい。同様に、上ゲート部材56が上下にスライド移動することにより、上可動部54が高さ可変に構成されてもよい。
また、前記した実施形態では、干潮時にゲート5aの下可動部51を開放して、海水と共に取水槽4内に溜まった泥状の沈殿性粒子10を排出するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば干潮時の前後等の干潮時以外の適当な時点で、下可動部51を開放して沈殿性粒子10を排出するようにしてもよい。
また、前記した実施形態では、海水取水装置1は、海水淡水化プラントに付設されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば発電所等、海水を利用する各種設備に付設され得る。
1 海水取水装置
2 海域
3 取水水路(第1の取水部)
4,4a,4b,4c 取水槽(第2の取水部)
5,5a,5b ゲート
10 沈殿性粒子
51 下可動部
54 上可動部
6 貯留槽
61 原水受槽(受槽)
62 原水槽(本槽)

Claims (8)

  1. 海域に連通する第1の取水部と、
    前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部と、
    前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置され、満潮時に海水が越流すると共に、開閉可能な下可動部を下部に有するゲートと、
    を備えることを特徴とする海水取水装置。
  2. 前記ゲートは、高さ可変の上可動部を上部に有することを特徴とする請求項1に記載の海水取水装置。
  3. 前記第2の取水部内の海水が導入される貯留槽をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の海水取水装置。
  4. 前記貯留槽は、前記第2の取水部からの海水を受ける受槽と、前記受槽から溢れた海水を貯留する本槽と、を有し、
    前記受槽から前記第2の取水部まで延伸する排出管と、排出管に設けられる開閉弁と、をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の海水取水装置。
  5. 海域に連通する第1の取水部と、
    前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部と、
    前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置され、満潮時に海水が越流すると共に、高さ可変の上可動部を上部に有するゲートと、
    を備えることを特徴とする海水取水装置。
  6. 海域に連通する第1の取水部からの海水を、前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部に、前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置されるゲートの上を越流させて流入させるステップと、
    前記ゲートの下部に備えられる開閉可能な下可動部を開放し、前記第2の取水部内の海水を、開放された前記下可動部を通して前記第1の取水部側へ流出させるステップと、
    を備えることを特徴とする海水取水方法。
  7. 干潮から満潮に向かう中間時点において、海域に連通する第1の取水部からの海水を、前記第1の取水部に隣接して配置される第2の取水部に、前記第1の取水部と前記第2の取水部との境界に配置されるゲートの上部に備えられる高さ可変の上可動部の高さを満潮時よりも低く設定して前記上可動部の上を越流させて流入させるステップ(a)と、
    満潮時に、前記第1の取水部からの海水を前記第2の取水部に、前記上可動部の高さを前記中間時点よりも高く設定して前記上可動部の上を越流させて流入させるステップ(b)と、を備えることを特徴とする海水取水方法。
  8. 前記ステップ(a)において、上可動部の高さは、変化する海水位に応じて、段階的あるいは連続的に前記海水位よりも所定距離だけ低くなるように設定されることを特徴とする請求項7に記載の海水取水方法。
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