JP2013249332A - 水性黒色インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法、及び着色体 - Google Patents

水性黒色インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法、及び着色体 Download PDF

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大輔 小野
Yasuaki Ishiguro
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Abstract

【課題】
インクジェット記録用、筆記用具用として用いた場合、記録物の発色性、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性、耐水性、センサー対応特性がすぐれ、かつ溶解性に優れているため記録液としての保存安定性が良好な水性黒色インク組成物の提供、及びこれを用いるインクジェット記録方法、着色体の提供。
【解決手段】
(I)色素成分として、(i)C.I. Acid Black 2と(ii)オゾン濃度12ppm、湿度60%RH、温度24℃の条件下での耐オゾンガス性試験において、4時間後の色素残存率が75%以上である染料を含有することを特徴とする水性黒色インク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性黒色インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法、及び着色体に関する。
各種のカラー記録方法の中でも代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの小滴を発生させこれを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材料とが直接接触しないため音の発生が少なく静かであり、また小型化、高速化が容易という特長の為近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等用のインク及びインクジェットプリント用インクとしては、水溶性色素を水性媒体中に溶解した水性インクが使用されている。これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく、一般に水溶性有機溶剤が添加されている。そしてこれらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また使用される水溶性色素には、特に水への溶解度が高いこと、インクに添加される水溶性有機溶剤への溶解度が高いことが要求される。更に、形成される画像には耐水性、耐光性等の画像堅牢性、色再現性が求められており、また単に画像堅牢性が高いだけでなくそれぞれの色のバランスが重要となる。
近年のインクジェット技術の発達により、インクジェット印刷における印刷スピードの向上がめざましい。このため、商業印刷やオフィス環境での主用途である普通紙へのドキュメントの印刷に、電子トナーを用いたレーザープリンタと同じ様に、インクジェットプリンタを用いる動きがある。インクジェットプリンタは記録紙の種類を選ばない、機械の価格が比較的安いという利点があり、特にSOHO等の小〜中規模オフィス環境での普及が進んでいる。このように普通紙への印刷を用途としてインクジェットプリンタを使用する場合、印刷物に求められる品質の中でも発色性や耐水性がより重視される傾向がある。これらの性能を満たす為には顔料インクを用いるという方法が提案されている。しかしながら、顔料インクは溶液ではなく固体の顔料を分散させた分散液であるために、顔料インクを用いるとそのインクの保存安定性が不良であるという問題や、プリンターヘッドのノズルが詰まるという問題などが染料インクと比較して起こりやすい。また、顔料インクを使用した場合、印刷画像の耐擦性が低いことも問題とされることが多い。染料インクの場合、色素成分である染料はインク中に溶解しているため、このような顔料インクであるがゆえに生じる問題は比較的起こりにくいとされる。しかし、染料インクは特に発色性、耐光性、耐水性において顔料インクと比較して一般に著しく劣るため、その改良が強く望まれている。
インクジェットプリンタを使用する場合、記録紙の種類を選ばない反面、色相の再現性がメディアや光源に依存しないことが求められる。特にブラックインクにおいては色相の再現性がメディアや光源に依存しやすいため、演色性に優れたインクの開発が望まれている。
更に、商業印刷分野で求められる性能の1つとしては、特に可視光領域外の近赤外光領域での光の吸収性(反射特性)が挙げられる。これは、近赤外光センサーなどの様々なセンサーの読み取りの対応をする必要がある為である。
また、普通紙への印刷を目的とするインク組成物に求められる性能としては、上記の他に色再現性(発色性、すなわち彩度や明度)、保存安定性、耐オゾン性(酸化性ガス耐性)、耐湿性などが挙げられるが、そのいずれにおいても十分に満足できるインク組成物は未だ提案されていない。
従って、今後、インクを用いた印刷方法の使用分野を拡大すべく、インクジェット記録用に用いられるインク組成物及びそれによって着色された着色体には、耐光性、耐オゾンガス性、耐水性、耐湿性、センサー読み取り対応の更なる向上が強く求められている。
種々の色相のインクが種々の染料から調製されているが、それらのうち黒色インクはモノカラーおよびフルカラー画像の両方に使用される重要なインクである。しかし、濃色域と淡色域共に色相がニュートラルで且つ色濃度が高く、堅牢性にも優れた色素の開発は技術的に困難な点が多く、多大な研究開発が行われているがまだ十分な性能を有するものが少ない。その為、一般には複数の多様な色素を混合して黒色インクを調製することが行われている。しかし複数の色素を混合してインクを調製すると、単一色素でインクを調製した場合に比べて、メディア(被記録材料)によって色相が異なる、光やオゾンガスによる色素の分解、水による滲みによって特に変色が大きくなる等の問題が起こりやすい。
黒色インク用の染料として提案されている色素の多くはアゾ色素であり、そのうちC.I.Direct Black 19等のアゾ色素については、画像の光学濃度が低い、耐水性や、耐光性および耐ガス性が十分でない等の問題がある。また、同様に数多く提案されているアゾ含金色素は、耐光性が良好なものもあるが、金属イオンを含むため生物への安全性や環境に対し好ましくないこと、耐オゾンガス性が極めて弱いこと等の問題がある。これら多くのものが提案されているが、市場の要求を充分に満足する製品を提供するには至っていない。
黒色染料に色調整用の染料を更に配合した黒色インクとしては例えば特許文献1〜3のもの等が提案されているが、市場の要求を充分に満足する製品を提供するには至っていない。
また、本発明で使用する染料は特許文献4に記載されている。しかし、これらは本発明における演色性と比較しその効果は十分であるとは言えない。従って本発明は、上記文献記載の化合物と比較しても十分な特性(例えば演色性等)を有することを課題とし、実現するものである。
インクジェット記録用染料インクに適したブラックの着色剤としては、例えば上記のC.I.Direct Black 19や特許文献4に記載の本願式(1)の化合物などが知られている。
特公平7−122044号公報 特許第3178200号 特開平9−255906号公報 国際公開第2007/77931号
本発明は、溶液状で長期間保存した場合でも安定であり、色味のないニュートラルなグレー〜黒色を呈し、印字された画像の光学濃度、堅牢性、耐光性、耐オゾンガス性、耐水性がいずれも優れる黒色の記録画像を与える水性黒色インク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは上記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、黒色インクの色素成分(成分(I))として特定の色素であるC.I. Acid Black 2と一定の耐オゾンガス性を有する染料を併用することにより、色相が向上し、また特に近赤外光領域のセンサー対応を向上した上で、各種堅牢性のバランスもとれた、優れた水性黒色インク組成物が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、
1)
(I)色素成分として、(i)C.I. Acid Black 2と(ii)オゾン濃度12ppm、湿度60%RH、温度24℃の条件下での耐オゾンガス性試験において、4時間後の色素残存率が75%以上である染料を含有することを特徴とする水性黒色インク組成物、
2)
上期染料(ii)は、pH7の水溶液中で測定したλmax(最大吸収波長)が、540nm以上580nm以下の染料である上記1)に記載の水性黒色インク組成物、
3)
上期染料(ii)が分子内にアゾ結合(−N=N−)を3つ以上有する染料である上記1)又は2)に記載の水性黒色インク組成物、
4)
上記染料(ii)が下記式(1)で表される黒色染料またはその塩である上記1)乃至3)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物、
Figure 2013249332
[式(1)中、
基Aは、カルボキシル基、スルホ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシル基で置換されていても良い)および(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシル基で置換されていても良い)よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の基を持つフェニル基を、
B及びCはカルボキシル基、スルホ基、(C1〜C4)アルキル基及び(C1〜
C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基又はカルボキシル基で置換されていても良い)よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の基で置換されたパラフェニレン基であり、
はカルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキル基、スルホ基で置換されていても良いフェニル基、またはカルボキシル基を表し、
はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシル基を表し、
およびR
はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基をそれぞれ表す]。
5)
上記染料(ii)が、上記式(1)中、
基Aの置換基がスルホ基またはカルボキシル基であり、
基Bおよび基C上の置換基の少なくともひとつがスルホ基またはスルホプロポキシ基である上記4)に記載の水性黒色インク組成物
6)
上記染料(ii)が、上記式(1)において、
式(1)の基Bおよび基Cが下記式(2)で表される基である上記4)又は5)に記載の水性黒色インク組成物、
Figure 2013249332
[式(2)中、R はスルホ基またはスルホプロポキシ基を、R は水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を、*はそれぞれアゾ基の置換位置をそれぞれ表す]
7)
上記式(1)のR
がメチル基、
がシアノ基またはカルバモイル基、
が水素原子、
がスルホ基である上記4)乃至6)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物、
8)
上記式(1)において、
基Aの置換基がスルホ基またはカルボキシル基、
がメチル基、
がシアノ基またはカルバモイル基、
が水素原子、
がスルホ基、
基Bが式(2)であり、
がスルホ基またはスルホプロポキシ基、
が水素原子またはメチル基である上記4)乃至7)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物、
9)
上記式(1)において、
基Aの置換基がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、
がメチル基、
がシアノ基またはカルバモイル基、
が水素原子、
がスルホ基、
基B及び基Cが式(2)であり、
基BにおけるR がスルホ基、
基BにおけるR が水素原子であり、
基CにおけるR がスルホプロポキシ基、
基CにおけるR がメチル基である上記4)乃至8)のいずれか記載の水性黒色インク組成物、
10)
(I)色素成分総質量中、前記染料(i)を10〜90質量%、前記染料(ii)を10〜90質量%含有する上記1)乃至9)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物、
11)
更に(II)水溶性有機溶剤を含有する上記1)乃至10)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物、
12)
更に(III)尿素を含有する上記1)乃至11)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物、
13)
インクジェット記録に用いる上記1)乃至12)のいずれか一項に記載の水性黒インク組成物、
14)
上記1)乃至13)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物を用いるインクジェット記録方法、
15)
インクジェット記録方法における被記録材が情報伝達用シートである上記14)に記載のインクジェット記録方法、
16)
上記情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである上記15)に記載のインクジェット記録方法、
17)
上記1)乃至13)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ、
18)
上記1)乃至13)のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物によって着色された着色体、
に関する。
本発明の水性黒色インク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。また、本発明の水性黒色インク組成物は、インクジェット記録用、筆記用具用などに用いられ、普通紙及びインクジェット専用紙に記録した場合の記録画像の色相がニュートラルで、色素濃度の薄いインクを調製した場合でも黒色の色相の印字物が得られる。また印字濃度が高く、さらに耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性、耐水性、演色性、近赤外光領域のセンサー対応に優れている。
さらにマゼンタ、シアン及びイエロー染料と共に用いることで高発色、耐光性、耐オゾンガス性、及び耐水性に優れたフルカラーのインクジェット記録が可能である。このように本発明のインク組成物はインクジェット記録用ブラックインクとして極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「アルキル」、「アルコキシ」、「アシル」等の語は、特に断らない場合は、通常炭素数1〜20程度のものを意味し、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4のものを意味する。
本発明の水性黒色インク組成物は、色素成分(I)として(i)C.I. Acid Black 2を含有する。この化合物を含有することによって、従来の黒色インク組成物と比較して、色相、近赤外光領域でのセンサー対応、及び特に演色性を、格段に向上することができる。
C.I.Acid Black 2はWATER BLACK R−455,R−510としてオリエント化学工業株式会社より入手することができる。
また、本発明の水性黒色インク組成物は、色素成分(I)として、上記(i)に加え、(ii)オゾン濃度12ppm、湿度60%RH、温度24℃の条件下での耐オゾンガス性試験において、8時間後の色素残存率が75%以上である染料を含有する。染料(ii)としては、上記特性を有する限り、特に限定されるものではない。また、その耐オゾンガス性試験結果は、75%以上で良いが、好ましくは78%以上、更に好ましくは80%以上である。なお、この耐オゾンガス性試験は、下記光沢紙を用いて行う。
光沢紙1:Canon社製光沢紙、商品名 写真用紙 プロフェッショナルフォトペーパー [PR−101]
この性質を有する染料は、耐オゾンガス性に優れることはもちろんであるが、上記(i)C.I.Acid Black 2と併用することによって、他の各種堅牢性にも非常に優れた水性黒色インク組成物を実現することができる。従って、上記課題を解決する為には、本構成が必須である。
上記染料(ii)としては、pH7の水溶液中で測定したλmax(最大吸収波長)が、540nm以上580nm以下の染料である場合が好ましい。この範囲にλmaxを有する染料を使用した場合、染料(i)の黒色との調和が非常に良く、優れた演色性を実現することができる。
染料(ii)としては、上記特性を有する限り特に限定されるものではないが、特に分子内にアゾ結合(−N=N−)を3つ以上有する染料(ii)が好ましい。該染料を使用した場合、発色性、耐水性、耐光性、演色性に非常に優れる黒色インク組成物とすることができる。
染料(ii)として、上記式(1)で表される黒色染料またはその塩を用いた場合、本願発明の効果は更に顕著なものとなり好ましい。
上記式(1)で表される本発明のアゾ化合物は互変異性体を有し、この互変異性体としては、式(1)で表される化合物以外に下記式(3)及び(4)等が考えられる。これらの化合物も本発明に含まれる。なお、式(3)及び(4)中、基A、基B、基CおよびR 〜R は式(1)におけるものと同じ意味を有する。
Figure 2013249332
Figure 2013249332
上記式(1)における基A、基B、基Cの置換基において、(C1〜C4)アルキル基の例としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。基B及び基C上の(C1〜C4)アルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(1)におけるRにおいて、カルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキル基の例としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基等が挙げられる。好ましいものはメチル基またはエチル基であり、より好ましいものはメチル基である。
式(1)における基A、基B、基Cの置換基において、ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシル基、スルホ基またはカルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルコキシ基の例としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、イソプロポキシエトキシ基、n−ブトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、n−プロポキシプロポキシ基、イソプロポキシブトキシ基、n−プロポキシブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシエトキシ基、カルボキシメトキシ基、2−カルボキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基、3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基等が挙げられる。
式(1)における基Aの置換基において、ヒドロキシ基、スルホ基およびカルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキルスルホニル基の例としては例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヒドロキシエチルスルホニル基、2−ヒドロキシプロピルスルホニル基、2−スルホエチルスルホニル基、3−スルホプロピルスルホニル基、2−カルボキシエチルスルホニル基、3−カルボキシプロピルスルホニル基等が挙げられる。
式(1)におけるRにおいて、スルホ基で置換されていても良いフェニル基の例としては例えば、フェニル基、3−スルホフェニル基、4−スルホフェニル基、2,4−ジスルホフェニル基、3,5−ジスルホフェニル基等が挙げられる。
式(1)における好ましい基Aの置換基としては、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基)、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキルスルホニル基(例えば2−ヒドロキシエチルスルホニル基)、スルホ(C1〜C4)アルキルスルホニル基(例えば3−スルホプロピルスルホニル基)、ニトロ基、(C1〜C4)アルキル基(例えばメチル基、エチル基)、(C1〜C4)アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、ヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ基(例えば2−ヒドロキシエトキシ基)、スルホ(C1〜C4)アルコキシ基(例えば2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基)、カルボキシ(C1〜C4)アルコキシ基(例えばカルボキシメトキシ基、2−カルボキシエトキシ基)である。より好ましくは、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基)、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキルスルホニル基(例えば2−ヒドロキシエチルスルホニル基)、スルホ(C1〜C4)アルキルスルホニル基(例えば3−スルホプロピルスルホニル基)、ニトロ基、または/及び(C1〜C4)アルコキシ基である。また、場合により、カルボキシル基、スルホ基、スルホ(C1〜C4)アルキルスルホニル基、ニトロ基、(C1〜C4)アルコキシ基または/及びスルホ(C1〜C4)アルコキシ基がより好ましい。さらに好ましくは、カルボキシ基、スルホ基、(C1〜C4)アルコキシ基または/及びスルホ(C1〜C4)アルコキシ基である。最も好ましいものはカルボキシ基または/およびスルホ基である。これらの置換基は一つでも複数であってもよく、また、複数の場合、同じであっても異なっていてもよい。好ましい置換基数は1または2であり、一つの場合は置換位置はアゾ基に対して、パラ位であり、2つの場合はオルト位及びパラ位、または2つがメタ位の場合である。好ましい基Aとして、例えば、4−スルホフェニル基、2−カルボキシ−4−スルホフェニル基、2,4−または2,5−ジスルホフェニル基、4−スルホ(C1〜C4)アルコキシフェニル基、2−スルホ−4−(ニトロまたは(C1〜C4)アルコキシ)フェニル基または3,5−ジカルボキシフェニル基を挙げることが出来る(アゾ基の結合位置を1とする)。
式(1)においてパラフェニレン基である基Bおよび基Cの好ましい置換基としては、カルボキシ基、スルホ基、(C1〜C4)アルキル基(例えばメチル基、エチル基)、(C1〜C4)アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、ヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ基(例えば2−ヒドロキシエトキシ基)、スルホ(C1〜C4)アルコキシ基(例えば2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基)、カルボキシ(C1〜C4)アルコキシ基(例えばカルボキシメトキシ基、2−カルボキシエトキシ基)が挙げられる。より好ましくは、スルホ基、メチル基、メトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基またはカルボキシメトキシ基が挙げられる。さらに好ましくは、スルホ基、メチル基、メトキシ基または3−スルホプロポキシ基である。基Bおよび基Cはこれらの置換基を1〜3個、好ましくは1〜2個有する。好ましい基Bおよび基Cとしては上記式(2)で表される場合が挙げられる。置換基であるRとRの好ましい組み合わせとしては、Rがスルホ基でRが水素原子、またはRが3−スルホプロポキシ基でRがメチル基である。なお、基Bおよび基Cは同一でも異なっても良い。
式(1)における好ましいRは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、カルボキシメチル基、フェニル基、4−スルホフェニル基、カルボキシ基であり、より好ましくは、メチル基、n−プロピル基、カルボキシメチル基、4−スルホフェニル基であり、さらに好ましくは、メチル基、n−プロピル基である。
式(1)における好ましいRとRの組み合わせは、Rがメチル基でRがシアノ基、またはRがメチル基でRがカルバモイル基である。
式(1)におけるより好ましいRおよびRは、水素原子、メチル基、スルホ基であり、好ましいRとRの組み合わせは、片方が水素原子で、他方がスルホ基の場合である。
上記式(1)で示されるトリスアゾ化合物の塩は、無機又は有機の陽イオンとの塩である。そのうち無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩が挙げられる。好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩およびアンモニウム塩である。また、上記の有機の陽イオンとしては例えば下記式(5)で示される4級アンモニウムイオンがあげられるがこれに限定されるものではない。また遊離酸、その互変異性体、およびそれらの各種の塩が混合物であってもよい。例えばナトリウム塩とアンモニウム塩の混合物、遊離酸とナトリウム塩の混合物、リチウム塩、ナトリウム塩およびアンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせを用いても良い。塩の種類によって溶解性などの物性値が異なる場合も有り、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にはその比率を変化させることにより目的に適う物性を有する混合物を得ることもできる。
Figure 2013249332
式(5)においてZ、Z、Z、Zは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基およびヒドロキシアルコキシアルキル基よりなる群から選択される基を表す。式(5)におけるZ、Z、Z、Zのアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、ヒドロキシアルキル基の具体例としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等のヒドロキシ(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−ヒドロキシエトキシプロピル基、2−ヒドロキシエトキシプロピル基、4−ヒドロキシエトキシブチル基、3−ヒドロキシエトキシブチル基、2−ヒドロキシエトキシブチル基等のヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基が挙げられ、これらのうちヒドロキシエトキシ(C1〜C4)アルキル基が好ましい。特に好ましいものとしては水素原子;メチル基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等のヒドロキシ(C1〜C4)アルキル基;ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−ヒドロキシエトキシプロピル基、2−ヒドロキシエトキシプロピル基、4−ヒドロキシエトキシブチル基、3−ヒドロキシエトキシブチル基、2−ヒドロキシエトキシブチル基等のヒドロキシエトキシ(C1〜C4)アルキル基が挙げられる。
式(5)のZ、Z、Z、Zの具体例を表1に示す。
Figure 2013249332
式(1)で示される本発明のトリスアゾ化合物は、例えば次のような方法で合成することができる。また、各工程における化合物の構造式は遊離酸の形で表すものとする。
下記式(6)
Figure 2013249332
(式中、基Aは式(1)におけるのと同じ意味を有する。)
で表される化合物を常法によりジアゾ化し、これと下記式(7)
Figure 2013249332
(式中、基Bは式(1)における基Bに対応するフェニル基を示す)
で表される化合物を常法によりカップリング反応させ下記式(8)
Figure 2013249332
(式中、基Aおよび基Bは式(1)におけるのと同じ意味を有する)で表される化合物を得る。得られた式(8)の化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記式(9)
Figure 2013249332
(式中、基Cは式(1)における基Cに対応するフェニル基を示す)
で表される化合物を常法によりカップリング反応させ下記式(10)
Figure 2013249332
(式中、基A、基Bおよび基Cは式(1)におけるのと同じ意味を有する。)
で表される化合物を得る。得られた式(10)の化合物を常法によりジアゾ化した後、これと下記式(11)
Figure 2013249332
(式中、R1 からR4 は式(1)におけるのと同じ意味を有する。)
で表される化合物を常法によりカップリング反応させる事により式(1)で表される本発明のトリスアゾ化合物を得ることができる。また、式(11)で表される化合物は、特許文献4に記載の方法に準じて合成することができる。
上記式(1)に示した本発明の化合物の好適な具体例として、特に限定されるものではないが、下記表2乃至5で示される化合物が挙げられる。各表においてスルホ基及びカルボキシル基は遊離酸の形で表記するものとする。
Figure 2013249332
Figure 2013249332
Figure 2013249332
Figure 2013249332
式(6)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施される。たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜30℃、好ましくは5〜15℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(6)の化合物のジアゾ化物と式(7)の 化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体(水及び水可溶性若しくは混和性の有機溶媒との混合溶媒)中、例えば−5〜30℃、好ましくは0〜25℃の温度において、酸性から中性のpH値、たとえばpH1〜6で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、上記のpH値への調整を塩基の添加によって行うのが好ましい。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、アンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(6)の化合物と式(7)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(8)の化合物のジアゾ化はそれ自体公知の方法で実施される。たとえば無機酸媒質中、例えば−5〜40℃、好ましくは5〜30℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(8)の化合物のジアゾ化物と式(9)の化合物とのカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜40℃、好ましくは10〜30℃の温度ならびに酸性から中性のpH値、たとえばpH2〜7で行うことが有利である。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、反応液の好ましいpH条件へのpH値の調整を塩基の添加によって行うのが好ましい。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、アンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(8)の化合物と式(9)の化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。
式(10)の化合物のジアゾ化もそれ自体公知の方法で実施され、たとえば無機酸媒質中例えば−5〜40℃、好ましくは10〜30℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(10)の化合物のジアゾ化物と式(11)の化合物のカップリングもそれ自体公知の条件で実施される。水又は水性有機媒体中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜30℃の温度ならびに弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが有利である。好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH6〜10で実施され、pH値の調整は塩基の添加によって実施される。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、あるいはアンモニア又は有機アミンなどが使用できる。式(10)と(11)の化合物は、ほぼ化学量論量で用いる。
本発明の式(1)で示されるトリスアゾ化合物を所望の塩とするには、カップリング反応後、所望の無機塩または有機の陽イオンの塩を反応液に添加することにより塩析するか、或いは鉱酸の添加により遊離酸の形で単離し、これを水、酸性化した水および水性有機媒体などを必要に応じ用いて洗浄することにより無機塩を除去後、水性の媒体中で所望の無機又は有機の塩基により中和することで対応する塩の溶液とすることが出来る。ここで酸性の水とは、例えば硫酸、塩酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸を水に溶解し、酸性にしたものをいう。また水性有機媒体とは、水を含有する水と混和可能な有機物質および水と混和可能ないわゆる有機溶剤などをいい、具体例としては後述する水溶性有機溶剤などが挙げられるが、通常溶剤として分類されない有機物質であっても水と混和可能なものであれば必要に応じて使用することが可能である。無機塩の例としては塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等アルカリ金属塩、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等のアンモニウム塩が挙げられ、有機の陽イオンの塩の例としては、前記した式(5)で表される4級アンモニウムのハロゲン塩等が挙げられる。無機の塩基の例としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリは、有機アミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの前記した式(5)で表される4級アンモニウム類等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のインク組成物について説明する。本発明の上記式(1)で表されるトリスアゾ化合物を含む水性組成物は、セルロースからなる材料を染色することが可能である。また、その他カルボンアミド結合を有する材料にも染色が可能で、皮革、織物、紙の染色に幅広く用いることができる。一方、本発明の化合物の代表的な使用法としては、該化合物を液体の媒体に溶解した染料組成物、特にインク組成物が挙げられる。
上記式(1)で示される本発明のトリスアゾ化合物を含む反応液、例えば後述する合成例1の(工程3)における反応液などは、インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、まずこれを乾燥、例えばスプレー乾燥させて単離するか、または、該反応液に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムまたは硫酸ナトリウム等の無機塩類を添加することによって塩析するか、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸を添加することによって酸析す
るか、あるいは前記した塩析と酸析を組み合わせた酸塩析することによって本発明のトリスアゾ化合物を取り出し、次にこれを用いてインク組成物を調製することもできる。
上記式(1)で示される黒色染料は、カップリング反応後、鉱酸の添加により遊離酸の形で単離する事ができ、これから水または酸性化した水による洗浄により無機塩を除去する事が出来る。次に、この様にして得られる低い塩含有率を有する酸型色素は、水性媒体中で所望の無機又は有機の塩基により中和することで対応する塩の溶液とすることが出来る。無機の塩基の例としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられ、有機の塩基の例としては、有機アミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどがあげられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の水性黒色インク組成物は、(i)C.I. Acid Black 2を0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは1〜4質量%含有し、更に染料(ii)を0.1質量%〜20質量%、好ましくは1質量%〜10質量%含有し、水を主要な媒体とするインク組成物である。また、染料(ii)として上記式(1)で表される化合物を含有する場合にも同様に、0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%含有する。
本発明の黒色インク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、C.I. Acid Black 2や上記式(1)で表される化合物としては、金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1質量%以下(対色素原体)程度である。無機物の少ない本発明の化合物を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法又は本発明の化合物の乾燥品あるいはウェットケーキをメタノール等のアルコール及び水の混合溶媒中で撹拌し、濾過分取、乾燥するなどの方法で脱塩処理すればよい。
本発明の水性黒色インク組成物は、色調調整を目的として、更に他の色相を有する染料を含有しても良い。他の染料としては、染料の被記録材への染着性の観点から、反応染料、酸性染料又は直接染料が好ましく、直接染料がより好ましい。
本発明の水性黒色インク組成物に含有しても良い反応染料の具体例としては、例えばC.I.Reactive Yellow 2、3、18、81、84、85、95、99、102等のイエロー系の染料;C.I.Reactive Orange 5、9、12、13、35、45、99等のオレンジ系の染料;C.I.Reactive Brown 2、8、9、17、33等のブラウン系の染料;C.I.Reactive Red 3、3:1、4、13、24、29、31、33、125、151、206、218、226、245等のレッド系の染料;C.I.Reactive Violet 1、24等のバイオレット系の染料;C.I.Reactive Blue 2、5、10、13、14、15、15:1、49、63、71、72、75、162、176等のブルー系の染料;C.I.Reactive Green 5、8、19等のグリーン系の染料;C.I.Reactive Black 1、8、23、39等のブラック系の染料;等が挙げられる。
本発明の水性黒色インク組成物に含有しても良い酸性染料の具体例としては、例えばC.I.Acid Yellow 1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、40:1、42、44、49、59、59:1、61、65、72、73、79、99、104、110、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、219:1、220、230、232、235、241、242、246等のイエロー系の染料;C.I. Acid Orange 3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168等のオレンジ系の染料;C.I.Acid Brown 2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413等のブラウン系の染料;C.I.Acid Red 1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、82、88、97、97:1、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、264、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415等のレッド系の染料;C.I.Acid Violet 17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126等のバイオレット系の染料;C.I.Acid Blue 1、7、9、15、23、25、40、61:1、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、127:1、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、277:1、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350等のブルー系の染料;C.I.Acid Green 1、9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109等のグリーン系の染料;C.I.Acid Black 1、2、3、24、24:1、26、31、50、52、52:1、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222等のブラック系の染料;等が挙げられる。
本発明の水性黒色インク組成物に含有しても良い直接染料の具体例としては、例えばC.I. Direct Yellow 8、11、12、21、28、33、39、44、49、50、85、86、87、88、89、98、100、110、132、142、144、146等のイエロー系の染料;C.I. Direct Orange17、26、39、102等のオレンジ系の染料;C.I.Direct Red2、4、6、9、17、23、26、28、31、39、54、55、57、62、63、64、65、68、72、75、76、79、80、81、83、83:1、84、89、92、95、99、111、141、173、180、184、207、211、212、214、218、221、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247等のレッド系の染料;C.I.Direct Violet 7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101等のバイオレット系の染料;C.I.Direct Blue 1、15、22、25、41、76、77、80、86、87、90、98、106、108、120、158、163、168、199、200、201、202、226等のブルー系の染料;C.I.Direct Brown 106、125、195等のブラウン系の染料;C.I.Direct Black 17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195等のブラック系の染料;等が挙げられる。
これら調色用の染料のうち、C.I. Direct Yellow 86、132、142、C.I. Direct Orange 17、39、C.I. Direct Red 80、84、227、C.I. Direct Brown 106、125、195、C.I. Direct Orange 95、C.I. Direct Red 249、254から選択される1又は2以上の染料を含有する場合、本発明の黒色インク組成物はさらに色再現性の幅を広げられ、好適である。
他の染料を含有する場合、(I)色素成分総質量中、上記(i)を20〜70質量%、上記(ii)を20〜70質量%に対し5〜50質量%含有する場合が好ましく、更には、上記(i)を30〜60質量%、上記(ii)を30〜60質量%に対し5〜20質量%含有する場合が特に好ましい。
本発明の水性黒色インク組成物は水を媒体として調製され、本発明の効果を害しない範囲内において必要に応じ、水溶性有機溶剤(水と混和可能な有機溶剤)(成分(II))やインク調製剤を適宜含有しても良い。なお、インク組成物のpHとしては、保存安定性を向上させる点で、pH6〜10が好ましく、pH7〜10がより好ましい。また、着色組成物の表面張力としては、25〜70mN/mが好ましく、25〜60mN/mがより好ましい。さらに、着色組成物の粘度としては、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。
上記水性黒色インク組成物の調整において用いられる水溶性有機溶剤(成分(II))としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマーまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γーブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。これら水溶性有機溶剤の中で、好ましくは2−ピロリドン、イソプロピルアルコール、グリセリン、ジグリセリン、ブチルカルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールであり、更に好ましくは、2−ピロリドン、イソプロピルアルコール、グリセリン、ブチルカルビトールである。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明の水性黒色インク組成物の総量に対し、水溶性溶剤の好ましい含有率は、0〜50質量%、更に好ましくは、25〜50質量%である。
上記水性黒色インク組成物の調製において用いられるインク調製剤は、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤などがあげられる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらは着色組成物中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
防腐剤としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオシキド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオシキド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤として、ソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等があげられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを例えば5〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その例として、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム(アンモニア)、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、酢酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム等の無機塩基などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えばε−カプロラクタム、エチレンカーボネート、尿素などが挙げられる。特に尿素(成分(III))を含有する場合は、本発明の好ましい態様の一つである。
酸化防止剤としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類、等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアニオン系、カチオン系、ノニオン系などの公知の界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノールRTM104、105、82、420、440、465、オルフィンRTMSTGなど)、などが挙げられる。このうち、サーフィノールRTM420、440、465は好ましく用いられ、サーフィノールRTM440は特に好ましく用いられる。なお、本明細書中において、上付きの「RTM」は登録商標を意味する。
これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明の水性黒色インク組成物の製造において、添加剤等の各薬剤を溶解させる順序には特に制限はない。黒色インク組成物の調製に用いる水は、イオン交換水、蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。また、必要に応じインク組成物の調製後に、メンブランフィルター等を用いて精密濾過を行って、インク組成物中の夾雑物を除いても良い。特に、本発明のインク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用する場合には、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は通常1〜0.1μm、好ましくは0.8〜0.1μmである。
本発明の水性黒色インク組成物は、各種分野において使用することができるが、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク等に好適であり、該インク組成物を含有してなるインクジェット用インクとして用いることが、特に好ましく、後述する本発明のインクジェット記録方法において好適に使用される。
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。本発明のインクジェット記録方法は、本発明の水性黒色インク組成物をインクジェット用インクとして記録を行うことを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法においては、本発明の水性黒色インク組成物を用いて受像材料に記録を行うが、その際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の方法、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等を用いることができる。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明の着色体は前記の本発明の水性黒色インク組成物で着色されたものであり、より好ましくは本発明の水性黒色インク組成物を用いてインクジェットプリンタによって着色されたものである。着色されうるものとしては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層には、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれ、例えば代表的な市販品としてはピクトリコ(旭硝子(株)製)、プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー、光沢ゴールド、プラチナグレード(いずれもキヤノン(株)製)、写真用紙(光沢)、フォトマット紙、写真用紙クリスピア(高光沢)(いずれもセイコーエプソン(株)製)、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙、アドバンストフォトペーパー(いずれも日本ヒューレット・パッカード(株)製)、フォトライクQP(コニカ(株)製)、画彩写真仕上げPro(富士フィルム(株)製)等がある。なお、普通紙、上質紙、コート紙も当然に使用できる。
これらのうち、特に多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録した画像がオゾンガスによって変退色が大きくなることが知られているが、本発明の水性黒色インク組成物は耐オゾンガス性も優れているため、このような被記録材への記録の際にも効果を発揮する。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、黒色の本発明のインク組成物、公知公用のマゼンタインク組成物、シアンインク組成物、イエローインク組成物、必要に応じて、グリーンインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物及びレッド(又はオレンジ)インク組成物と併用される。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その容器を、本発明のインクジェット記録用水性黒色インク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置に装填されて使用される。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
本発明の水性黒色インク組成物は、普通紙及びインク受容層を有する情報伝達用シートといった被記録材上で非常に鮮明で、彩度及び印字濃度が高く、理想的な色相の黒色の記録画像を与える。このため、写真調のカラー画像を紙の上に忠実に再現させることも可能である。また、本発明の水性黒色インク組成物は長期間保存後の固体析出、物性変化、色相変化等もなく、貯蔵安定性が極めて良好である。
本発明の水性黒色インク組成物はインクジェット記録用、筆記具用として用いられ、特にインクジェットインクとして使用しても、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体析出は非常に起こりにくく、噴射器(記録ヘッド)を閉塞することもない。また、本発明の水性黒色インク組成物は連続式インクジェットプリンタを用い、比較的長い時間間隔においてインクを再循環させて使用する場合においても、又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
さらに、本発明の水性黒色インク組成物により、インク受容層を有する情報伝達用シートに記録された画像は、耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性、耐擦性、耐光性等の各種堅牢性、特に耐水性、耐オゾンガス性が良好であり、この理由から、写真調の画像の長期保存安定性にも優れている。また、従来のインクと比較して、普通紙上での彩度、明度、及び印字濃度等の発色性、演色性、特に近赤外光領域のセンサー対応特性および発色性の高さにも優れている。
このように、本発明の水性黒色インク組成物は、各種の記録インク用途、特にインクジェット記録用のインク用途に極めて有用である。
以下に本発明を合成例と実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準であり、また反応温度は内温である。また、実施例中で得た化合物の各構造式において、カルボキシ基、スルホ基等の酸性官能基は、遊離酸の形で記載した。
[(A)黒色染料の合成]
[合成例1]
(工程1)
水100部に2,4−ジスルホアニリン25.3部を水酸化ナトリウムの添加によりpH5.0〜6.0として溶解した。該溶液に35%塩酸31.3部を添加後、0〜5℃とし、40%亜硝酸ナトリウム水溶液19.0部を添加しジアゾ化した。このジアゾ溶液に式(13)の化合物24.0部を、水240部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を4.5〜5.5として溶解させた液を約20分かけて滴下した。滴下後、そこに10〜20℃で炭酸ナトリウムを添加し、pH値を2.0〜3.0とし、同温度、pHを保持したまま3時間撹拌した。撹拌後塩化ナトリウムの添加により塩析し、この析出物を濾過分離、乾燥させ、下記式(12)の化合物42.1部を得た。
Figure 2013249332
(工程2)
上記式(12)で表される化合物7.6部を水40部に懸濁し水酸化ナトリウムの添加によりpH値を4.0〜5.0とし溶解した。この溶液に35%塩酸6.0部の添加後、15〜25℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.9部を添加し、ジアゾ化した。別に、特開2004−083492に記載の方法で得られる下記式(13)の化合物3.6部を水30部に、水酸化ナトリウムの添加によりpH4.5〜5.5として溶解した。この溶液に、上記で得られたジアゾ懸濁液を、15〜25℃で約30分かけ滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加により溶液のpH値を3.5〜4.5に保持した。その後2時間攪拌し、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分離して、下記式(14)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを得た。
Figure 2013249332
Figure 2013249332
(工程3)
2−(シアノメチル)ベンズイミダゾールとアセト酢酸エチルをエタノール中、ナトリウムメトキシドの存在下に加熱反応させ、希塩酸の添加により酸析して下記式(15)の化合物を得た。得られた該化合物8.9部を6%発煙硫酸64部中に15〜25℃でゆっくり添加した。添加後、同温度で2時間撹拌した後、190部の氷水中に約10分で滴下した。析出した結晶を濾過分離し、乾燥して、式(16)の化合物10.7部を得た。
Figure 2013249332
Figure 2013249332
(工程4)
合成例1(工程2)で得られた式(14)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを水80部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を6.0〜7.0として溶解し、ここに40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.3部を添加後、この溶液を35%塩酸5.2部と水70部の混合液中に20〜30℃で滴下しジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、合成例1(工程3)で得られた式(16)の化合物3.0部を水50部に水酸化ナトリウムの添加によりpH値を8.0〜9.0として溶解した溶液に、20〜30℃で滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加によりpH値を7.0〜8.0に保持した。滴下後、同温度で2時間撹拌し、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過分離した。得られたウェットケーキを水60部に溶解後、メタノール100部の添加により晶析し、析出物を濾過分離した。得られたウェットケーキを更に水50部に溶解後、メタノール120部の添加により晶析し、析出物を濾過分離し、乾燥して本発明の式(17)のトリスアゾ化合物9.0部をナトリウム塩として得た。この化合物のpH7〜8の水溶液中での最大吸収波長(λmax)は554nmであり、溶解度は100g/L以上であった。耐オゾン性の試験結果は76%以上であった。
Figure 2013249332
[(B)黒色インク組成物の調製]
[実施例1〜3]
本発明の黒色インク組成物は下記表6に示した組成比で各成分を混合し、固形分が溶解するまでおおよそ1時間攪拌した後、0.45μmのメンブランフィルター(商品名、セルロースアセテート系濾紙、アドバンテック社製)で濾過することにより試験用の黒色インク組成物を調製した。染料としては、下記実施例1〜3に記載の組み合わせで調製した。
なお、下記表6中、「サーフィノール104PG50」は商品名であり、日信化学社製のアセチレングリコール系ノニオン界面活性剤である。
Figure 2013249332
[実施例1]
C.I. Acid Black 2(X=0.7部)
合成例1で合成した化合物(X=2.8部)
合計X=3.5部
[実施例2]
C.I. Acid Black 2(X=1.4部)
合成例1で合成した化合物(X=2.1部)
合計X=3.5部
[実施例3]
C.I. Acid Black 2(X=2.1部)
合成例1で合成した化合物(X=1.4部)
合計X=3.5部
これら水性黒色インク組成物は、貯蔵中、沈殿分離が生ぜず、また長期間保存後においても物性の変化は生じなかった。
比較例1として実施例1〜3と同様に比較例用の染料を表6に示した組成比で混合し、同様の方法で比較例用の黒色インク組成物を作成した。
[比較例1]
合成例1で合成した化合物(X=3.5部)
合計X=3.5部
[(C)インクジェットプリント]
上記実施例1〜3、比較例1で得られたそれぞれのインク組成物を使用し、インクジェットプリンタ(商品名 Canon社 IP4100 )により、下記光沢紙2乃至4にインクジェット記録を行った。
光沢紙2:Canon社製光沢紙、商品名 写真用紙 光沢プロ [PT−101A420]
光沢紙3:Canon社製光沢紙、商品名 写真用紙 光沢ゴールド [GL−101A420]
光沢紙4:EPSON社製光沢紙、商品名 高光沢クリスピア
印刷の際は、反射濃度が100%、80%、60%、40%、20%、10%の6段階の階調が得られるように画像パターンを作り、濃黒色〜淡黒色のグラデーションの記録物を得て、これを試験片とし以下の評価試験を実施した。印刷時はグレースケールモードを用いているため、黒色記録液以外のイエロー、シアン、マゼンタの各記録液は併用されていない。以下に記す試験方法のうち、測色機を用いて評価する項目である印字濃度評価では、印刷物の印刷濃度(反射濃度D値)を測色する際に、このD値が最も高い部分を用いた。また、分光光度計を用いて近赤外領域の反射率を評価する際も同様に、印刷物のD値が最も高い階調部分を用いて測定を行った。
[(D)演色性の評価]
本発明の水性インク組成物による記録画像につき、記録画像の濃度変化は、GRETAG−MACBETH社製の測色機、商品名 SpectroEye を用い、試験前の記録画像の反射濃度Dk値が1.0に最も近い階調部分を測色することにより測定した。測色する際は、いずれも濃度基準にDIN、視野角2°の条件で行なった。

[1)光源演色性評価]
光沢紙2の試験片について下記光源1乃至4にて測色を行い、光源1での測定値と光源2乃至5での測定値との比較評価を行った。
光源1:D50
光源2:D65
光源3:F2
光源4:F3
光源5:F4
評価はLabを測定し、その差を色差△Eとした。△Eは下記式により算出した。
△E={(L−L×(a−a×(b−b1/2
以下に結果と判断基準を示す。
Figure 2013249332
×:△E>1.0
△:1.0≧△E>0.6
○:△E≦0.6
Figure 2013249332
×:△E>100.0
△:100.0≧△E>70.0
○:△E≦70.0
Figure 2013249332
×:△E>190.0
△:190.0≧△E>100.0
○:△E≦100.0
Figure 2013249332
×:△E>200.0
△:200.0≧△E>140.0
○:△E≦140.0

[2)メディア演色性評価]
上記光源1を用い、上記光沢紙2乃至4の試験片について測色を行い、光沢紙2での測 定値と光沢紙3及び4での測定値との比較評価を行った。
評価については、上記評価1)と同様に△Eを算出し比較した。
以下に結果と判断基準を示す。
Figure 2013249332
×:△E>16.0
△:16.0≧△E>3.0
○:△E≦3.0
Figure 2013249332
×:△E>59.0
△:59.0≧△E>51.0
○:△E≦51.0
表7乃至12より、本発明の水性黒色インク組成物は従来の黒色インク(比較例)と比較して光源演色性及びメディア演色性において優れていることがわかる。
本発明の水性黒色インク組成物は、光源演色性及びメディア演色性に優れる。従ってインクジェット記録用、筆記用具用黒色インク液として好適に用いられる。


Claims (18)

  1. (I)色素成分として、(i)C.I. Acid Black 2と(ii)オゾン濃度12ppm、湿度60%RH、温度24℃の条件下での耐オゾンガス性試験において、4時間後の色素残存率が75%以上である染料を含有することを特徴とする水性黒色インク組成物。
  2. 前期染料(ii)は、pH7の水溶液中で測定したλmax(最大吸収波長)が、540nm以上580nm以下の染料である請求項1に記載の水性黒色インク組成物。
  3. 前期染料(ii)が分子内にアゾ結合(−N=N−)を3つ以上有する染料である請求項1又は2に記載の水性黒色インク組成物。
  4. 前記染料(ii)が下記式(1)で表される黒色染料またはその塩である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物。
    Figure 2013249332
    [式(1)中、
    基Aは、カルボキシル基、スルホ基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、(C1〜C4)アルキル基、(C1〜C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基またはカルボキシル基で置換されていても良い)および(C1〜C4)アルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホ基またはカルボキシル基で置換されていても良い)よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の基を持つフェニル基を、
    B及びCはカルボキシル基、スルホ基、(C1〜C4)アルキル基及び(C1〜
    C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基、(C1〜C4)アルコキシ基、スルホ基又はカルボキシル基で置換されていても良い)よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の基で置換されたパラフェニレン基であり、
    はカルボキシル基で置換されていても良い(C1〜C4)アルキル基、スルホ基で置換されていても良いフェニル基、またはカルボキシル基を表し、
    はシアノ基、カルバモイル基またはカルボキシル基を表し、
    およびR
    はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、塩素原子またはスルホ基をそれぞれ表す]。
  5. 前記染料(ii)が、上記式(1)中、
    基Aの置換基がスルホ基またはカルボキシル基であり、
    基Bおよび基C上の置換基の少なくともひとつがスルホ基またはスルホプロポキシ基である請求項4に記載の水性黒色インク組成物。
  6. 前記染料(ii)が、上記式(1)において、
    式(1)の基Bおよび基Cが下記式(2)で表される基である請求項4又は5に記載の水性黒色インク組成物。
    Figure 2013249332
    [式(2)中、R はスルホ基またはスルホプロポキシ基を、R は水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基またはエトキシ基を、*はそれぞれアゾ基の置換位置をそれぞれ表す]。
  7. 前記式(1)のR がメチル基、
    がシアノ基またはカルバモイル基、
    が水素原子、
    がスルホ基である請求項4乃至6のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物。
  8. 前記式(1)において、
    基Aの置換基がスルホ基またはカルボキシル基、
    がメチル基、
    がシアノ基またはカルバモイル基、
    が水素原子、
    がスルホ基、
    基Bが式(2)であり、
    がスルホ基またはスルホプロポキシ基、
    が水素原子またはメチル基である請求項4乃至7のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物。
  9. 前記式(1)において、
    基Aの置換基がスルホ基でその置換位置がアゾ基に対してパラ位、
    がメチル基、
    がシアノ基またはカルバモイル基、
    が水素原子、
    がスルホ基、
    基B及び基Cが式(2)であり、
    基BにおけるR がスルホ基、
    基BにおけるR が水素原子であり、
    基CにおけるR がスルホプロポキシ基、
    基CにおけるR がメチル基である請求項4乃至8のいずれか記載の水性黒色インク組成物。
  10. (I)色素成分総質量中、前記染料(i)を10〜90質量%、前記染料(ii)を10〜90質量%含有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物。
  11. 更に(II)水溶性有機溶剤を含有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物。
  12. 更に(III)尿素を含有する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物。
  13. インクジェット記録に用いる請求項1乃至12のいずれか一項に記載の水性黒インク組成物。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物を用いるインクジェット記録方法。
  15. インクジェット記録方法における被記録材が情報伝達用シートである請求項14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物を含む容器を装填したインクジェットプリンタ。
  18. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水性黒色インク組成物によって着色された着色体。


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