JP2013247635A - デジタルチューナ - Google Patents
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Abstract
【課題】パルスノイズに対する耐性を向上することが可能なデジタルチューナを提供すること。
【解決手段】デジタルチューナ1は、ベースバンド信号を復調するFSK復調器14と、復調信号からDCオフセット電圧を除去するオフセット補正を行うDCオフセット補正回路16とを備える。DCオフセット補正回路16は、所定時間内において、複数回に亘り復調信号の信号レベルのサンプリングを行い、その最大値と最小値との平均値を算出しつつ、その平均値と正規の中心値との差分であるDCオフセット電圧を復調信号から差し引くことでDCオフセット電圧を除去する。リセット制御回路17は、ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、その信号強度の変化に基づきパルスノイズの有無を判定するとともに、パルスノイズ有りと判定したことを契機に、その時点から遡って所定時間内の最大値及び最小値をリセットするか否かを決定する。
【選択図】図1
【解決手段】デジタルチューナ1は、ベースバンド信号を復調するFSK復調器14と、復調信号からDCオフセット電圧を除去するオフセット補正を行うDCオフセット補正回路16とを備える。DCオフセット補正回路16は、所定時間内において、複数回に亘り復調信号の信号レベルのサンプリングを行い、その最大値と最小値との平均値を算出しつつ、その平均値と正規の中心値との差分であるDCオフセット電圧を復調信号から差し引くことでDCオフセット電圧を除去する。リセット制御回路17は、ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、その信号強度の変化に基づきパルスノイズの有無を判定するとともに、パルスノイズ有りと判定したことを契機に、その時点から遡って所定時間内の最大値及び最小値をリセットするか否かを決定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタル変調された信号を復調するデジタルチューナに関する。
従来、デジタル変調の例としてFSK(Frequency Shift Keying)変調方式が知られている。この変調方式では、データが「0」のとき搬送波が低周波数に変化させられ、一方、データが「1」のとき搬送波が高周波数に変化させられる。そして、この変調方式によりFSK変調された信号(以下、FSK信号と呼ぶ。)がデジタルチューナによって受信されると、その周波数に応じて低周波数の領域がLOWレベルの信号に変換されるとともに、高周波数の領域がHIGHレベルの信号に変換され、これにより各信号レベルの組み合わせによる復調信号が生成される。その結果、復調信号のうちLOWレベルの信号が「0」に、また、HIGHレベルの信号が「1」に関連付けされていることを前提に、「0」と「1」との組み合わせによる変調前のデータが正しく認識される。
ところで、温度変化や経年劣化により発信機からのFSK信号の中心周波数が変化することがある。例えば、中心周波数が高められると、図6に示すように、復調信号の中心値が正規の中心値に対しDCオフセット電圧分だけ大きくなる。この場合、正規の中心値を基準にしつつ、復調信号についてLOWレベル及びHIGHレベルを判定して2値化すると、全体的にHIGHレベル側に偏るため、正規のデータとは異なる「1」の継続されたデータが変調前のデータとして認識されることになる。
このように復調信号にDCオフセット電圧が重畳すると、デジタルチューナによる受信感度が低下するため、そのDCオフセット電圧を除去するオフセット補正の技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。以下、その原理について説明する。
ここでは図7に示すように、復調信号の中心値が正規の中心値に対しDCオフセット電圧分だけ大きい場合を前提とし、このDCオフセット電圧を除去するものとする。この場合、所定時間T1内において、複数回に亘り信号レベルのサンプリングが行われ、その最大値及び最小値が認識される。そして、その最大値と最小値との平均値が算出され、この平均値と正規の中心値との差分、すなわちDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれる。これによりDCオフセット電圧が除去される結果、補正後の所定時間T1経過後において、復調信号の中心値が正規の中心値に一致させられる。その結果、正規の中心値を基準としつつ、復調信号についてLOWレベル及びHIGHレベルを判定して2値化することで、変調前のデータを正しく認識できるようになる。
しかしながら、上記態様によるオフセット補正では、サンプリングの度に、そのサンプリングから遡って所定時間T1内の最小値及び最大値が選択されつつ、当該補正が進行される。このため、図8に示すように、LOWレベルの電圧V1とHIGHレベルの電圧V2とが交互に繰り返される復調信号が得られる場合において、信号レベルが電圧V1にあるポイントP0のタイミングでパルスノイズが印加されつつ、丸数字1による1ビット目の信号レベルが電圧V2に満たない電圧V3のとき、次のような問題が生じる。
この場合、ノイズ印加後の最初のサンプリングから遡った所定時間T1内において、信号レベルの最大値は電圧V2であり、また、最小値は電圧V1である。このため、所定時間T1での平均値としてゼロが算出され、この平均値と正規の中心値であるゼロとの差分はゼロとなる。すなわち、この場合、パルスノイズが印加されたことでDCオフセット電圧が重畳されているにも関わらず、DCオフセット電圧がゼロとみなされ、このゼロとみなされたDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれるところ、丸数字1による1ビット目の信号レベルは補正後も電圧V3のままとなる。すなわち、1ビット目について、DCオフセット電圧は除去できていないことになる。
そして、サンプリングが繰り返され、後の所定時間Tx内において、ノイズ印加直前の電圧V1の領域が含まれなくなった段階では、信号レベルの最大値として電圧V4が選択されるとともに、最小値として電圧V3が選択される。この所定時間Txでの平均値は、ノイズ印加前の信号レベルである電圧V1や電圧V2に依存せず、言い換えるとノイズ印加後の信号レベルである電圧V3や電圧V4だけに依存するため、丸数字4による4ビット目からはDCオフセット電圧を適切に除去できるようになる。
このように従来の技術によるオフセット補正では、パルスノイズが印加された場合に、丸数字1による1ビット目から丸数字3による3ビット目までの3ビットについて、DCオフセット電圧を適切に除去できない問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、パルスノイズに対する耐性を向上することが可能なデジタルチューナを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、デジタル変調された信号を復調するデジタルチューナであって、復調前の信号であるベースバンド信号を復調する復調手段と、前記復調手段による復調後の信号である復調信号からDCオフセット電圧を除去するオフセット補正を行う補正手段とを備え、前記補正手段は、所定時間内において、複数回に亘り前記復調信号の信号レベルのサンプリングを行い、その最大値と最小値との平均値を算出しつつ、その平均値と正規の中心値との差分である前記DCオフセット電圧を前記復調信号から差し引くことで当該DCオフセット電圧を除去するデジタルチューナにおいて、前記ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、その信号強度の変化に基づきパルスノイズの有無を判定するとともに、パルスノイズ有りと判定したことを契機に、その時点から遡って前記所定時間内の最大値及び最小値をリセットするか否かを決定するリセット制御手段をさらに備えることをその要旨としている。
同構成によると、パルスノイズ有りと判定されたことを契機に、最大値及び最小値がリセットされたとき、補正手段によるオフセット補正では、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値が用いられる。この場合、ノイズ印加前の信号レベルに依存することなく、リセット後において復調信号の信号レベルが変化した時点で、DCオフセット電圧を適切に除去できるようになる。
一方、パルスノイズ有りと判定されても、最大値及び最小値がリセットされないとき、補正手段によるオフセット補正では、ノイズ印加後のサンプリングによる信号レベルが、その時点から遡って所定時間内の最大値を超えることを条件に最大値が更新され、また、最小値についても同様、必要に応じて更新される。この場合、ノイズ印加前後を問わずサンプリングの度に、そのサンプリングから遡って所定時間内の最大値及び最小値が用いられるため、当該最大値と最小値との間に差分が形成されていることを条件に、DCオフセット電圧を適切に除去できることになる。
このようにパルスノイズが印加された場合に選択的にリセット動作を行う本構成によると、パルスノイズが印加されても、DCオフセット電圧を適切に除去できるようになる。従って、パルスノイズに対する耐性を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデジタルチューナにおいて、前記リセット制御手段は、パルスノイズ有りと判定したとき、そのパルスノイズの印加されている期間が基準値を超えたことを条件に、その時点から遡って前記所定時間内の最大値及び最小値をリセットすることをその要旨としている。
同構成によると、周期の長いパルスノイズが印加された場合には、そのパルスノイズによる影響が大きいことから、最大値及び最小値がリセットされ、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値に基づいて、オフセット補正が適切に行われる。一方、周期の短いパルスノイズが印加された場合には、そのパルスノイズによる影響が小さいことから、最大値及び最小値はリセットされない。この場合、たとえ周期が短くともパルスノイズが印加される度にリセットを繰り返す構成とは異なり、復調信号の信号レベルの変化を待つことなく、最大値と最小値との間に差分が形成されていることを条件に、オフセット補正ができるようになる。従って、特に周期の短いパルスノイズが印加された場合において、オフセット補正の追従性が高められ、そうしたパルスノイズに対する耐性を向上することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のデジタルチューナにおいて、前記リセット制御手段は、前記ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、直前の信号強度に対する変化量が閾値を超えたことを条件に、パルスノイズ有りと判定することをその要旨としている。
同構成によると、パルスノイズが印加されると、ベースバンド信号の信号強度が急激に変化するため、そうした現象の有無がリセット制御手段によって監視されつつ、パルスノイズの有無が適切に判定される。従って、その判定結果を踏まえつつ、オフセット補正を適切に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のデジタルチューナにおいて、前記リセット制御手段は、前記ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、直前の信号強度に対する変化量が前記閾値を超えたとき、当該直前の信号強度を変化前の信号強度としてレジスタに保存するとともに、その時点からの経過時間をカウンタによりカウントし、さらに、前記リセット制御手段は、前記経過時間が前記基準値に達するまでの期間内におけるベースバンド信号の信号強度を現在の信号強度として前記変化前の信号強度と比較し、当該現在の信号強度が前記変化前の信号強度に戻らないまま前記経過時間が前記基準値に達したことを条件に、その時点から遡って前記所定時間内の最大値及び最小値をリセットすることをその要旨としている。
同構成によると、パルスノイズ有りと判定されてからの経過時間が基準値に達するまでの期間内において、現在の信号強度が変化前の信号強度と比較され、これにより、ノイズ印加前の信号強度に戻ったか否かが検証される。従って、その検証結果を踏まえつつ、リセット動作を行うか否かを適切に決定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載のデジタルチューナにおいて、前記基準値は、1ビット分のデータによる区間として規定されていることをその要旨としている。
同構成によると、1ビット分のデータによる区間に満たない短い周期のパルスノイズが印加された場合には、リセットがかからないため、その時点での最大値及び最小値に基づいて、オフセット補正を適切に行うことができる。従って、この場合、ノイズ印加後の最初の1ビットについても、変調前のデータを正しく認識できるようになる。
本発明によれば、パルスノイズに対する耐性を向上することができる。
以下、本発明に係るデジタルチューナの一実施の形態について説明する。本実施の形態のデジタルチューナは、車両用の電子キーシステムに適用されるとともに、車両オーナが所持する電子キーからのFSK信号を復調するものと規定される。
図1に示すように、電子キー2は不揮発性のメモリ2aを備えるとともに、このメモリ2aには電子キー2に対し個別に設定されたIDコードが記憶されている。電子キー2は、ユーザによりスイッチ操作がなされると、車両ドアの施錠或いは解錠を要求する操作コードと上記IDコードとを含む原信号を生成するとともに、この原信号をFSK変調方式によりデジタル変調し、それをUHF(Ultra High Frequency)帯のFSK信号として送信する。
車両側のデジタルチューナ1は、FSK信号の受信媒体となる受信アンテナ10と、中間周波数変換部11と、アナログ/デジタル変換器12と、第1のローパスフィルタ13と、FSK復調器14と、第2のローパスフィルタ15と、DCオフセット補正回路16と、リセット制御回路17と、サーチアイ回路18とを備えている。
中間周波数変換部11は、受信アンテナ10で受信されたFSK信号の周波数と局部発振器による信号の周波数との差の周波数、すなわち中間周波数の信号を生成する。アナログ/デジタル変換器12は、中間周波数の信号をアナログ/デジタル変換してベースバンド信号を生成する。FSK復調器14は、第1のローパスフィルタ13によって低周波数帯域の除去されたベースバンド信号を復調して復調信号を生成する。
DCオフセット補正回路16は、第2のローパスフィルタ15によって低周波数帯域の除去された復調信号からDCオフセット電圧を除去するオフセット補正を行って補正信号を生成する。このオフセット補正では、例えば2.5ビット分のデータによる区間として規定される所定時間内において、複数回に亘り復調信号の信号レベルのサンプリングが行われ、その最大値と最小値との平均値が算出される。そして、その平均値と正規の中心値との差分であるDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれることで当該DCオフセット電圧が除去される(図7による原理と同様)。
リセット制御回路17は、上記オフセット補正について、所定時間内の最大値及び最小値をリセットするか否かを決定する。サーチアイ回路18は、正規の中心値を基準としつつ、補正信号についてLOWレベル及びHIGHレベルを判定して2値化する。後段の車両制御部は、2値化信号を解析し、基準IDコードに一致するIDコードが含まれていることを条件に、操作コードに応じて車両ドアを施錠或いは解錠する。
次に、デジタルチューナ1の作用について説明する。ここでは、リセット制御回路17の動作、すなわちオフセット補正について、所定時間内の最大値及び最小値をリセットするか否かを決定するときの動作を説明する。
図2に示すように、リセット制御回路17は、ステップS1において、ベースバンド信号の信号強度を監視し、所定のサンプリング周期による直前の信号強度に対する変化量が閾値を超えたとき(ステップS2においてYES)、ステップS3において、当該直前の信号強度を変化前の信号強度としてレジスタに保存する。すなわち、リセット制御回路17は、信号強度の変化に基づきパルスノイズの有無を判定し、直前の信号強度に対する変化量が閾値を超えたことを条件に、パルスノイズ有りと判定する。そして、パルスノイズ有りと判定したとき、ノイズ印加前の信号強度をレジスタに保存する。
そして、リセット制御回路17は、ステップS4において、カウンタによるカウントを開始し、ステップS5において、カウンタをインクリメントする。そして、リセット制御回路17は、現在のベースバンド信号の信号強度が上記変化前の信号強度と同じレベルのとき(ステップS6においてYES)、すなわちノイズ印加前の信号強度に戻ったとき、一連の処理を終了する。
一方、リセット制御回路17は、現在のベースバンド信号の信号強度が上記変化前の信号強度と同じレベルでないとき(ステップS6においてNO)、すなわちパルスノイズの印加状態が継続されているとき、ステップS7において、カウンタによる経過時間が1ビット分のデータによる区間として規定される基準値に達したか否かを判断する。そして、リセット制御回路17は、上記経過時間が基準値に到達していないとき(ステップS7においてNO)、ステップS5に移行してカウンタをインクリメントした後、ステップS6において、現在のベースバンド信号の信号強度が上記変化前の信号強度と同じレベルであるか否かを判断する。そして、リセット制御回路17は、上記経過時間が基準値に達する前に(ステップS7においてNO)、ノイズ印加前の信号強度に戻ったとき(ステップS6においてYES)、一連の処理を終了し、ノイズ印加前の信号強度に戻らないまま(ステップS6においてNO)、基準値に達したとき(ステップS7においてYES)、ステップS8に移行する。そして、リセット制御回路17は、ステップS8において、DCオフセット補正回路16によるオフセット補正について、所定時間内の最大値及び最小値をリセットする。
次に、リセット制御回路17により最大値及び最小値がリセットされた場合のDCオフセット補正回路16の動作を説明する。
図3に示すように、ポイントP0でパルスノイズが印加される直前のサンプリングから遡って所定時間T1内の最大値は電圧V2であり、また、最小値は電圧V1である。このため、所定時間T1での平均値としてゼロが算出され、この平均値と正規の中心値であるゼロとの差分、すなわちこの場合、ゼロとして規定されるDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれるところ、ポイントP0よりも前の段階では、補正信号として補正前の復調信号がそのまま出力される。
図3に示すように、ポイントP0でパルスノイズが印加される直前のサンプリングから遡って所定時間T1内の最大値は電圧V2であり、また、最小値は電圧V1である。このため、所定時間T1での平均値としてゼロが算出され、この平均値と正規の中心値であるゼロとの差分、すなわちこの場合、ゼロとして規定されるDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれるところ、ポイントP0よりも前の段階では、補正信号として補正前の復調信号がそのまま出力される。
そして、ポイントP0でパルスノイズが印加されたことに伴い、最大値及び最小値がリセットされると、DCオフセット補正回路16によるオフセット補正では、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値が用いられる。すなわち、ノイズ印加後の丸数字1による1ビット目の信号レベルは電圧V3であり、また、丸数字2による2ビット目の信号レベルは電圧V4である。このため、ポイントP1以後の丸数字2による2ビット目のオフセット補正では、最大値として電圧V4が用いられるとともに、最小値として電圧V3が用いられ、これらの平均値が算出される。そして、この平均値と正規の中心値であるゼロとの差分、すなわちノイズ印加に伴うDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれた補正信号が生成される。この2ビット目の補正信号は、正規の中心値であるゼロを基準としたとき、HIGHレベル側にあるところ、補正前の電圧V4に対応する変調前のデータ「1」との間で整合が図られている。すなわち、丸数字2による2ビット目は正しく復調できていることになる。
そして、丸数字3による3ビット目から丸数字6による6ビット目についても、2ビット目と同様、最大値である電圧V4と最小値である電圧V3との平均値が算出され、この平均値と正規の中心値であるゼロとの差分、すなわちノイズ印加に伴うDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれた補正信号が生成される。例えば、3ビット目の補正信号は、正規の中心値を基準としたとき、LOWレベル側にあるところ、補正前の電圧V3に対応する変調前のデータ「0」との間で整合が図られている。すなわち、丸数字3による3ビット目も正しく復調できていることになる。
次に、変調前のデータについて「0」が2ビット連続する間にパルスノイズが印加されたことに伴い、リセット制御回路17により最大値及び最小値がリセットされた場合のDCオフセット補正回路16の動作を説明する。
図4に示すように、ポイントP0でパルスノイズが印加される前の動作は上記態様と同じであり、すなわちポイントP0よりも前の段階では、補正信号として補正前の復調信号がそのまま出力される。
そして、ポイントP0でパルスノイズが印加されたことに伴い、最大値及び最小値がリセットされると、DCオフセット補正回路16によるオフセット補正では、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値が用いられる。すなわち、この場合、ノイズ印加後の丸数字1による1ビット目の信号レベル及び丸数字2による2ビット目の信号レベルは共に電圧V3であり、また、丸数字3による3ビット目の信号レベルは電圧V4である。このため、ポイントP2以後の丸数字3による3ビット目のオフセット補正では、最大値として電圧V4が用いられるとともに、最小値として電圧V3が用いられ、これらの平均値が算出される。そして、この平均値と正規の中心値であるゼロとの差分、すなわちノイズ印加に伴うDCオフセット電圧が復調信号から差し引かれた補正信号が生成される。この3ビット目の補正信号は、正規の中心値であるゼロを基準としたとき、HIGHレベル側にあるところ、補正前の電圧V4に対応する変調前のデータ「1」との間で整合が図られている。すなわち、この場合、丸数字3による3ビット目から正しく復調できていることになる。
次に、1ビット分のデータによる区間に満たない短い周期のパルスノイズが印加された場合にリセット制御回路17により最大値及び最小値がリセットされないようにしたことによるメリットを説明する。
図5に示す比較例のように、復調信号の立ち上がりや立ち下がりのタイミングで短い周期のパルスノイズが印加され、その度に最大値及び最小値がリセットされると、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値に基づくオフセット補正が行われることになるが、そうすると次のような問題が生じる。すなわち、この場合、リセット後において復調信号の信号レベルが切り替わる前に、次のパルスノイズが印加されることに伴い、次のリセットが行われるため、こうした状況が繰り返される限り、最大値と最小値との間に差分が形成されず、これによりDCオフセット電圧を除去することができなくなる。これに対し、本構成では、短い周期のパルスノイズが印加された場合には、最大値及び最小値がリセットされないため、その時点での最大値と最小値との間に差分が形成されていることを条件に、DCオフセット電圧を除去することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)パルスノイズ有りと判定されたことを契機に、最大値及び最小値がリセットされたとき、DCオフセット補正回路16によるオフセット補正では、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値が用いられる。この場合、ノイズ印加前の信号レベルに依存することなく、リセット後において復調信号の信号レベルが変化した時点で、DCオフセット電圧を適切に除去することができる。
(1)パルスノイズ有りと判定されたことを契機に、最大値及び最小値がリセットされたとき、DCオフセット補正回路16によるオフセット補正では、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値が用いられる。この場合、ノイズ印加前の信号レベルに依存することなく、リセット後において復調信号の信号レベルが変化した時点で、DCオフセット電圧を適切に除去することができる。
(2)パルスノイズ有りと判定されても、最大値及び最小値がリセットされないとき、DCオフセット補正回路16によるオフセット補正では、ノイズ印加後のサンプリングによる信号レベルが、その時点から遡って所定時間内の最大値を超えることを条件に最大値が更新され、また、最小値についても同様、必要に応じて更新される。この場合、ノイズ印加前後を問わずサンプリングの度に、そのサンプリングから遡って所定時間内の最大値及び最小値が用いられるため、当該最大値と最小値との間に差分が形成されていることを条件に、DCオフセット電圧を適切に除去することができる。
(3)上記(1)及び(2)のようにパルスノイズが印加された場合に選択的にリセット動作を行う本構成によると、パルスノイズが印加されても、DCオフセット電圧を適切に除去することができる。従って、パルスノイズに対する耐性を向上することができる。
(4)周期の長いパルスノイズが印加された場合には、そのパルスノイズによる影響が大きいことから、最大値及び最小値がリセットされ、その時点からの新たなサンプリングによる最大値及び最小値に基づいて、オフセット補正を適切に行うことができる。
(5)周期の短いパルスノイズが印加された場合には、そのパルスノイズによる影響が小さいことから、最大値及び最小値はリセットされない。この場合、たとえ周期が短くともパルスノイズが印加される度にリセットを繰り返す構成とは異なり、復調信号の信号レベルの変化を待つことなく、最大値と最小値との間に差分が形成されていることを条件に、オフセット補正を行うことができる。従って、周期の短いパルスノイズが印加された場合において、オフセット補正の追従性が高められ、そうしたパルスノイズに対する耐性を向上することができる。
(6)パルスノイズが印加されると、ベースバンド信号の信号強度が急激に変化するため、そうした現象の有無がリセット制御回路17によって監視されつつ、パルスノイズの有無が適切に判定される。従って、その判定結果を踏まえつつ、オフセット補正を適切に行うことができる。
(7)パルスノイズ有りと判定されてからの経過時間が基準値に達するまでの期間内において、現在の信号強度が変化前の信号強度と比較され、これにより、ノイズ印加前の信号強度に戻ったか否かが検証される。従って、その検証結果を踏まえつつ、リセット動作を行うか否かを適切に決定することができる。
(8)1ビット分のデータによる区間に満たない短い周期のパルスノイズが印加された場合には、リセットがかからないため、その時点での最大値及び最小値に基づいて、オフセット補正を適切に行うことができる。従って、この場合、ノイズ印加後の最初の1ビットについても、変調前のデータを正しく認識することができる。
(9)変調前のデータが短いコードの組み合わせによる場合程、リセット後において復調信号の信号レベルがより早く変化するため、DCオフセット電圧を除去できるようになる開始のタイミングがいち早く訪れる。従って、この場合、オフセット補正の追従性を高めることができる。
尚、上記実施の形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施の形態では、FSK変調方式によるデジタル変調のなされた信号を復調するデジタルチューナに具体化されていたが、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式或いはPSK(Phase Shift Keying)変調方式によるデジタル変調のなされた信号を復調するデジタルチューナに具体化されてもよい。
・上記実施の形態では、FSK変調方式によるデジタル変調のなされた信号を復調するデジタルチューナに具体化されていたが、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式或いはPSK(Phase Shift Keying)変調方式によるデジタル変調のなされた信号を復調するデジタルチューナに具体化されてもよい。
・上記実施の形態では、車両用の電子キーシステムに適用されるデジタルチューナに具体化されていたが、本デジタルチューナは、車両用或いは建物用を問わず、種々の通信システムに適用されてもよい。
1…デジタルチューナ、2…電子キー、2a…メモリ、10…受信アンテナ、11…中間周波数変換部、12…アナログ/デジタル変換器、13…第1のローパスフィルタ、14…FSK復調器(復調手段)、15…第2のローパスフィルタ、16…DCオフセット補正回路(補正手段)、17…リセット制御回路(リセット制御手段)、18…サーチアイ回路。
Claims (5)
- デジタル変調された信号を復調するデジタルチューナであって、復調前の信号であるベースバンド信号を復調する復調手段と、前記復調手段による復調後の信号である復調信号からDCオフセット電圧を除去するオフセット補正を行う補正手段とを備え、前記補正手段は、所定時間内において、複数回に亘り前記復調信号の信号レベルのサンプリングを行い、その最大値と最小値との平均値を算出しつつ、その平均値と正規の中心値との差分である前記DCオフセット電圧を前記復調信号から差し引くことで当該DCオフセット電圧を除去するデジタルチューナにおいて、
前記ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、その信号強度の変化に基づきパルスノイズの有無を判定するとともに、パルスノイズ有りと判定したことを契機に、その時点から遡って前記所定時間内の最大値及び最小値をリセットするか否かを決定するリセット制御手段をさらに備える
ことを特徴とするデジタルチューナ。 - 前記リセット制御手段は、パルスノイズ有りと判定したとき、そのパルスノイズの印加されている期間が基準値を超えたことを条件に、その時点から遡って前記所定時間内の最大値及び最小値をリセットする
請求項1に記載のデジタルチューナ。 - 前記リセット制御手段は、前記ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、直前の信号強度に対する変化量が閾値を超えたことを条件に、パルスノイズ有りと判定する
請求項1又は2に記載のデジタルチューナ。 - 前記リセット制御手段は、前記ベースバンド信号の信号強度を監視しつつ、直前の信号強度に対する変化量が前記閾値を超えたとき、当該直前の信号強度を変化前の信号強度としてレジスタに保存するとともに、その時点からの経過時間をカウンタによりカウントし、
さらに、前記リセット制御手段は、前記経過時間が前記基準値に達するまでの期間内におけるベースバンド信号の信号強度を現在の信号強度として前記変化前の信号強度と比較し、当該現在の信号強度が前記変化前の信号強度に戻らないまま前記経過時間が前記基準値に達したことを条件に、その時点から遡って前記所定時間内の最大値及び最小値をリセットする
請求項3に記載のデジタルチューナ。 - 前記基準値は、1ビット分のデータによる区間として規定されている
請求項2〜4のいずれか一項に記載のデジタルチューナ。
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JP2012122198A JP2013247635A (ja) | 2012-05-29 | 2012-05-29 | デジタルチューナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2012
- 2012-05-29 JP JP2012122198A patent/JP2013247635A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN109155638A (zh) * | 2016-12-08 | 2019-01-04 | 华为技术有限公司 | 一种收音机天线诊断电路、诊断方法及装置 |
CN109155638B (zh) * | 2016-12-08 | 2020-07-24 | 华为技术有限公司 | 一种收音机天线诊断电路、诊断方法及装置 |
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