JP2013246327A - 撮像装置及び撮影制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンズ位置を異ならせて複数の精細画像の撮影を行う際に、背景にピントが合った精細画像の取得を防止することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 精細画像及び簡易画像を生成する撮像部10と、撮影レンズ11を光軸に沿って移動させ、3以上のレンズ位置のいずれかに配置するレンズ駆動部22と、レンズ位置ごとに簡易画像を取得する第1撮影制御部21と、簡易画像ごとに、簡易画像内の2以上の評価領域について、合焦度合を示す評価パラメータをそれぞれ求める合焦評価部26と、評価領域ごとに、レンズ位置に対する評価パラメータの分布におけるピーク値を求めるピーク値算出部27と、ピーク値に基づいて、評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別する有意領域判別部30と、有意領域のピーク値に対応するレンズ位置ごとに、精細画像を取得する第2撮影制御部31により構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 精細画像及び簡易画像を生成する撮像部10と、撮影レンズ11を光軸に沿って移動させ、3以上のレンズ位置のいずれかに配置するレンズ駆動部22と、レンズ位置ごとに簡易画像を取得する第1撮影制御部21と、簡易画像ごとに、簡易画像内の2以上の評価領域について、合焦度合を示す評価パラメータをそれぞれ求める合焦評価部26と、評価領域ごとに、レンズ位置に対する評価パラメータの分布におけるピーク値を求めるピーク値算出部27と、ピーク値に基づいて、評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別する有意領域判別部30と、有意領域のピーク値に対応するレンズ位置ごとに、精細画像を取得する第2撮影制御部31により構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、撮像装置及び撮影制御方法に係り、さらに詳しくは、レンズ位置を異ならせて3以上の画像の撮影を行う撮像装置の改良に関する。
デジタルカメラには、ピント合わせを自動化するAF(オートフォーカス)機能が搭載されている。例えば、AF機能は、ピント合わせ用の撮影レンズの位置を異ならせながら撮影した複数の撮影画像ごとに合焦度合を評価し、合焦度合が最大である撮影画像に対応するレンズ位置を合焦レンズ位置として、撮影レンズを合焦レンズ位置へ移動させることにより実現される。
通常、撮影レンズの位置を異ならせながら撮影画像を取得するAF動作は、シャッターボタンの半押しを検知して開始され、半押し状態からさらにシャッターボタンを押し込むことにより、記録用の撮影画像が取得され、メモリ内に格納される。また、合焦度合は、撮影画像の中央部分を評価領域とし、当該評価領域内における隣接画素間で画素値の差分を求めることにより評価される。この様な従来の撮像装置では、撮影画像の中央部分に存在する被写体にしかピント合わせが行われなかった。
そこで、撮影画像内の2以上の評価領域ごとに合焦レンズ位置を判別し、合焦レンズ位置ごとに撮影を行う撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載された撮像装置では、評価領域ごとに、撮影レンズを合焦レンズ位置へ移動させて撮影画像を取得する動作が繰り返される。つまり、上記撮像装置では、1回のシャッターボタンの操作により、評価領域内の被写体にピントの合った複数の撮影画像を同時に取得することができる。
上述した特許文献1に記載の撮像装置では、空や海などを背景にして人物などの被写体を撮影するような場合、背景のみの評価領域についても、撮影画像が取得される。このため、背景に対してピント合わせを行った結果、被写体にピントの合っていない撮影画像も取得され、撮影時間が増大するとともに、メモリを無駄に消費してしまうという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、背景にピント合わせを行った撮影が行われるのを防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。特に、レンズ位置を異ならせて複数の精細画像の撮影を行う際に、背景にピントが合った精細画像の取得を防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、青空、海、アスファルト舗装路、地面などを背景にして人物などの被写体を撮影する場合に、被写体にピントの合っていない画像が精細画像として取得されるのを防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。また、上記撮像装置の撮影制御方法を提供することを目的とする。
第1の本発明による撮像装置は、画素数の異なる精細画像及び簡易画像のいずれかを生成する撮像手段と、撮影レンズを光軸に沿って移動させ、3以上のレンズ位置のいずれかに配置するレンズ駆動手段と、上記レンズ位置ごとに、上記簡易画像を取得する第1撮影制御手段と、上記簡易画像ごとに、当該簡易画像内の2以上の評価領域について、合焦度合を示す評価パラメータをそれぞれ求める合焦評価手段と、上記評価領域ごとに、上記レンズ位置に対する上記評価パラメータの分布におけるピーク値を求めるピーク値算出手段と、上記ピーク値に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別する有意領域判別手段と、上記有意領域の上記ピーク値に対応する上記レンズ位置ごとに、上記精細画像を取得する第2撮影制御手段とを備えて構成される。
この撮像装置では、レンズ位置ごとに簡易画像を取得し、簡易画像内の複数の評価領域ごとに評価パラメータのピーク値が求められる。このため、評価領域内の被写体にピントが合った複数の精細画像を取得することができる。その際、評価パラメータのピーク値に基づいて、評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別することにより、背景のみの評価領域を除外することができる。このため、レンズ位置を異ならせて複数の精細画像の撮影を行う際に、背景にピントが合った精細画像が取得されるのを防止することができる。
第2の本発明による撮像装置は、上記構成に加え、上記ピーク値を判定閾値と比較するピーク値比較手段を備え、上記有意領域判別手段が、上記ピーク値の比較結果に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別するように構成される。
この様な構成によれば、ピーク値の高さによって評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別するので、合焦度合の低い画像が精細画像として取得されるのを防止することができる。
例えば、空や海などを背景にして人物などの被写体を撮影する場合に、背景に対して合焦度合を評価すれば、画素値の変化が少ないことから、評価パラメータのピーク値は低い。この様な背景のみの評価領域を除外して精細画像を取得することにより、被写体にピントが合っていない画像が精細画像として取得されるのを防止することができる。
第3の本発明による撮像装置は、上記構成に加え、上記評価領域内の各画素を3以上の色相区分に分類し、上記評価領域ごとに色相分布を求める色相判別手段を備え、上記有意領域判別手段が、上記ピーク値の比較結果及び上記色相分布に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別するように構成される。
この様な構成によれば、ピーク値の高さと色相分布とによって評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別するので、色相の変化が少ない評価領域を除外して精細画像を取得することができる。
第4の本発明による撮像装置は、上記構成に加え、上記色相判別手段が、上記評価領域が単一色領域であるか否かを判別し、上記有意領域判別手段が、上記ピーク値が上記判定閾値以上であり、かつ、単一色領域であると判別されなかった評価領域を有意領域と判断するように構成される。
この様な構成によれば、単一色の評価領域を除外して精細画像を取得することができる。例えば、青空、海、アスファルト舗装路、地面などの背景は、色相の変化が少なく、特定の色相区分に属する画素数が多くなる。つまり、この様な背景のみの評価領域は、色相分布を求めて、評価領域が単一色領域であるか否かを判別することにより、確実に除外することができる。
第5の本発明による撮像装置は、上記構成に加え、第2撮影制御手段が、上記非有意領域の上記ピーク値に対応する上記レンズ位置を飛ばして、上記精細画像を取得するように構成される。
この様な構成によれば、有意領域ごとに、評価パラメータのピーク値に対応するレンズ位置へ撮影レンズを移動させて精細画像を取得するという一連の撮影に要する時間を短縮することができる。
第6の本発明による撮影制御方法は、画素数の異なる精細画像及び簡易画像のいずれかを生成する撮像手段と、撮影レンズを光軸に沿って移動させ、3以上のレンズ位置のいずれかに配置するレンズ駆動手段とを備えた撮像装置における撮影制御方法であって、上記レンズ位置ごとに、上記簡易画像を取得する第1撮影ステップと、上記簡易画像ごとに、当該簡易画像内の2以上の評価領域について、合焦度合を示す評価パラメータをそれぞれ求める合焦評価ステップと、上記評価領域ごとに、上記レンズ位置に対する上記評価パラメータの分布におけるピーク値を求めるピーク値算出ステップと、上記ピーク値に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別する有意領域判別ステップと、上記有意領域の上記ピーク値に対応する上記レンズ位置ごとに、上記精細画像を取得する第2撮影ステップとを備えて構成される。
本発明による撮像装置では、背景にピント合わせを行った撮影が行われるのを防止することができる。特に、レンズ位置を異ならせて複数の精細画像の撮影を行う際に、背景にピントが合った精細画像の取得を防止することができる。
また、本発明によれば、青空、海、アスファルト舗装路、地面などを背景にして人物などの被写体を撮影する場合に、被写体にピントの合っていない画像が精細画像として取得されるのを防止することができる。また、本発明によれば、上述した様な撮像装置の撮影制御方法を提供することができる。
<撮像装置1>
図1は、本発明の実施の形態による撮像装置1の一構成例を示したブロック図である。この撮像装置1は、撮像部10、第1撮影制御部21、レンズ駆動部22、精細画像記憶部23、簡易画像記憶部24、ファインダー画面表示部25、合焦評価部26、ピーク値算出部27、判定閾値記憶部28、ピーク値比較部29、有意領域判別部30、第2撮影制御部31、色相分布算出部32及び単一色判別部33により構成される。
図1は、本発明の実施の形態による撮像装置1の一構成例を示したブロック図である。この撮像装置1は、撮像部10、第1撮影制御部21、レンズ駆動部22、精細画像記憶部23、簡易画像記憶部24、ファインダー画面表示部25、合焦評価部26、ピーク値算出部27、判定閾値記憶部28、ピーク値比較部29、有意領域判別部30、第2撮影制御部31、色相分布算出部32及び単一色判別部33により構成される。
例えば、撮像装置1は、被写体による反射光を受光して、画像データを生成するデジタルカメラであり、画像データを用いてピント合わせを自動的に行うAF機能を有する。撮像部10は、撮影レンズ11、撮像素子12及び信号処理部13により構成され、被写体による反射光を受光して画像データを生成し、精細画像記憶部23又は簡易画像記憶部24内に格納する。
撮影レンズ11は、ピント合わせ用の光学レンズであり、所定の可動範囲内で光軸に沿って移動させることができる。上記光軸は、被写体による反射光の受光軸であり、撮影レンズ11は、その中心軸(主軸)を受光軸に一致させて配置されている。
撮像素子12は、撮影レンズ11を介して被写体による反射光を受光する多数の受光素子が基板上に2次元配置され、各受光素子が受光量に応じた画素信号を出力するイメージセンサである。例えば、撮像素子12は、R(赤)、G(緑)、B(青)の色成分ごとに画素信号を出力するカラー方式のCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)イメージセンサである。
信号処理部13は、画素信号をデジタルデータに変換し、記録用の精細画像SIと、精細画像SIに比べて画素数の少ない簡易画像KIを生成する。精細画像SIは、画素値を示す多数の画素データからなる静止画像である。簡易画像KIは、ファインダー画面表示部25に表示し、或いは、合焦レンズ位置を求めるための画像である。
例えば、簡易画像KIは、画素の間引き処理により、精細画像SIから作成される。また、例えば、精細画像SIは、横方向に1600画素、縦方向に1200画素からなるのに対し、簡易画像SIは、横方向に400画素、縦方向に300画素からなる。
信号処理部13は、第1撮影制御部21又は第2撮影制御部31からの指示に基づいて、精細画像SI又は簡易画像KIのいずれかを生成し、精細画像記憶部23又は簡易画像記憶部24内に格納する。
ファインダー画面表示部25は、簡易画像記憶部24内に格納された簡易画像KIをファインダー画面に表示する。簡易画像KIは、一定時間ごとに取得され、撮影方向、すなわち、撮影レンズ11の光軸方向に存在する被写体がファインダー画面内に動画像として表示される。
レンズ駆動部22は、第1撮影制御部21又は第2撮影制御部31からの指示に基づいて、撮影レンズ11を光軸に沿って移動させ、3以上のレンズ位置xk(k=1〜N1、N1は3以上の整数)のいずれかに配置する。第1撮影制御部21は、レンズ駆動部22及び信号処理部13を制御し、レンズ位置xkごとに、AF用の簡易画像KIkを取得する。
例えば、レンズ位置xkは、等間隔に定められ、撮影レンズ11の可動範囲Kの一端を始点とし、他端を終点として、始点に近いレンズ位置x1から順に、撮影レンズ11をレンズ位置xkへ移動させて簡易画像KIkを取得するという動作を繰り返す。この一連の撮影処理は、シャッターボタンの操作に基づいて、開始される。
合焦評価部26は、簡易画像KIk内の2以上の評価領域HRi(i=1〜N2、N2は2以上の整数)について、合焦度合を示す評価パラメータyikをそれぞれ求める。各評価領域HRiは、その形状、サイズ及び簡易画像KIk内における位置を任意に指定することができる。例えば、簡易画像KIkを9つの矩形領域に均等に分割した際の各矩形領域が評価領域HRiとして用いられる。ただし、これらの評価領域HRiは、各簡易画像KIkに共通の画像領域であり、評価パラメータyikは、簡易画像KIkごとに求められる。
評価パラメータyikは、評価領域HRi内の各画素データに基づいて、算出され、レンズ位置xkに関連づけて保持される。具体的には、隣接する画素間で画素値の差分を求め、この差分値の空間変化量に基づいて、エッジを検出する。そして、評価領域HRi内におけるエッジの数を計数することにより、評価パラメータyikが求められる。例えば、エッジ検出には、ラプラシアンフィルタが用いられる。ラプラシアンフィルタは、画像データに対し空間に関する2次微分を計算することにより、エッジ(輪郭)を検出するための画像処理フィルタである。
ピーク値算出部27は、レンズ位置xkに対する評価パラメータyikの分布におけるピーク値yimaxを求める。ピーク値yimaxは、評価領域HRiごとに求められ、最も大きな評価パラメータyikがピーク値yimaxとして求められる。ここでは、評価パラメータyikのピーク値yimaxに対応するレンズ位置xkを合焦レンズ位置xfiと呼ぶ。
簡易画像KIkをAF用の画像として用いて、ピーク値yimaxや合焦レンズ位置xfiを求めるので、精細画像SIを用いる場合に比べて、合焦レンズ位置xfiを求める際の処理負荷を軽減させることができる。
なお、統計的手法を用いて、レンズ位置xkごとの評価パラメータyikからなる各計測点に対し、2次関数などをフィッティングさせることにより、レンズ位置xkの間隔よりも高い精度で、ピーク値yimaxと合焦レンズ位置xfiとを求めるような構成であっても良い。
ピーク値比較部29は、ピーク値yimaxを判定閾値記憶部28内に予め保持される所定の判定閾値ytと比較し、その比較結果を有意領域判定部30へ出力する。判定閾値ytは、背景のみの評価領域などを除外するためのパラメータであり、各評価領域HRiに共通の固定値である。ただし、判定閾値ytをピーク値yimaxの変動幅に応じて変化させるような構成であっても良い。
有意領域判別部30は、ピーク値yimaxの比較結果に基づいて、評価領域HRiが有意領域YRi及び非有意領域NYRiのいずれであるのかを判別し、その判別結果を第2撮影制御部31へ出力する。第2撮影制御部31は、レンズ駆動部22及び信号処理部13を制御し、有意領域YRiのピーク値yimaxに対応する合焦レンズ位置xfiごとに、精細画像SIを取得する。
合焦レンズ位置xfiの異なる複数の有意領域YRiが存在する場合は、撮影レンズ11を合焦レンズ位置xfiへ移動させて精細画像SIを取得するという動作が繰り返される。その際、第1撮影制御部21による一連の撮影処理の終了時における撮影レンズ11の位置に合焦レンズ位置xfiが近い有意領域YRiから順に、精細画像SIが取得される。これにより、撮影レンズ11を合焦レンズ位置xfiへ移動させて精細画像SIを取得するという一連の撮影処理に要する時間を短縮することができる。
また、第2撮影制御部31では、非有意領域NYRiのピーク値yimaxに対応する合焦レンズ位置yimaxを飛ばして、精細画像SIを取得する動作が行われる。これにより、有意領域YRiについて、合焦レンズ位置yimaxへ撮影レンズ11を移動させて精細画像SIを取得するという一連の撮影に要する時間をさらに短縮することができる。
色相分布算出部32は、評価領域HRi内の各画素を3以上の色相区分に分類し、評価領域HRiごとに色相分布を求める。具体的には、各画素がいずれの色相区分に属するのかを判別し、色相区分に属する画素数を計数することにより、色相区分ごとの画素数からなる色相分布が求められる。
単一色判別部33は、求められた色相分布に基づいて、評価領域HRiが単一色領域であるか否かを判別し、その判別結果を有意領域判別部30へ出力する。例えば、画素数が一定数を越えている色相区分があれば、評価領域HRiは単一色領域であると判断される。
有意領域判別部30では、ピーク値yimaxの比較結果と、単一色判別部33による単一色領域の判別結果とに基づいて、評価領域HRiが有意領域YRi及び非有意領域NYRiのいずれであるのかを判別する。具体的には、ピーク値yimaxが判定閾値yt以上であり、かつ、単一色領域であると判別されなかった評価領域HRiが、有意領域YRiと判断される。つまり、ピーク値yimaxが判定閾値yt未満であるか、或いは、単一色領域であると判別された評価領域HRiは、非有意領域NYRiと判断され、精細画像SIは取得しない。
<簡易画像2>
図2は、図1の撮像装置1の動作の一例を示した図であり、ファインダー画面表示部25に表示される簡易画像2が示されている。この簡易画像2は、山や青空を背景にし、複数の人物を被写体3として撮影された静止画像であり、AF用の画像として用いられる。
図2は、図1の撮像装置1の動作の一例を示した図であり、ファインダー画面表示部25に表示される簡易画像2が示されている。この簡易画像2は、山や青空を背景にし、複数の人物を被写体3として撮影された静止画像であり、AF用の画像として用いられる。
評価領域HRiは、この様な簡易画像2を均等に分割することによって形成される。この例では、横長の矩形形状からなる9つの評価領域HR1〜HR9が形成されている。中段に配置された3つの評価領域HR4〜HR6と、下段の中央及び右端に配置された評価領域HR8,HR9とには、人物が撮影され、また、上段の左端及び中央に配置された評価領域HR1,HR2には、山や建物が撮影されている。
これに対し、上段の右端に配置された評価領域HR3と、下段の左端に配置された評価領域HR7とには、人物や建物といった被写体3は撮影されておらず、背景のみの領域に相当する。この様な背景のみの評価領域HR3,HR7について、合焦度合を評価すれば、画素値の変化が少ないことから、評価パラメータyikのピーク値yimaxは小さく、判定閾値ytとの比較により、識別することができる。
<評価パラメータyik>
図3は、図1の撮像装置1の動作の一例を示した図であり、レンズ位置xkごとに求められた評価領域HRiの評価パラメータyikが示されている。この図には、レンズ位置xを20ステップ(N1=20)に区分して簡易画像2を取得し、評価パラメータyi1〜yi20を求めた場合が示されている。
図3は、図1の撮像装置1の動作の一例を示した図であり、レンズ位置xkごとに求められた評価領域HRiの評価パラメータyikが示されている。この図には、レンズ位置xを20ステップ(N1=20)に区分して簡易画像2を取得し、評価パラメータyi1〜yi20を求めた場合が示されている。
また、レンズ位置xkが終点(x20=190)に近いほど、撮像装置1からの撮影距離が短い被写体3にピントが合うようになっている。ピーク値yimaxに対する判定閾値ytは、55程度である。
この例では、レンズ位置x1=0からx4=30まで、評価パラメータyikは、一定値30であり、レンズ位置x4=30からx9=80までの範囲では、評価パラメータyikが一定の傾きで増加している。また、レンズ位置x9=80からx14=130までの範囲では、評価パラメータyikが一定の傾きで減少し、レンズ位置x14=130からx20=190まで、評価パラメータyikは、一定値30である。
評価パラメータyikは、レンズ位置x9=80において最大であり、合焦レンズ位置xfi=80、ピーク値yimax=80が求められる。つまり、撮影レンズ11を合焦レンズ位置xfi=80に移動させて精細画像SIを取得することにより、評価領域HRi内の被写体3にピントが合った画像を得ることができる。
図2の簡易画像2の場合、評価領域HR1〜HR9について、評価パラメータyikのピーク値yimaxと、対応する合焦レンズ位置xfiとがそれぞれ求められる。ピーク値yimaxが判定閾値yt以上の評価領域HRiが、有意領域YRiとして判別され、ピーク値yimaxが判定閾値yt未満の評価領域HRiが、非有意領域NYRiとして判別される。
例えば、(y1max,xf1)=(60,30)、(y2max,xf2)=(80,80)、(y3max,xf3)=(35,160)、(y4max,xf4)=(60,50)、(y5max,xf5)=(90,150)、(y6max,xf6)=(70,140)、(y7max,xf7)=(40,30)、(y8max,xf8)=(60,150)、(y9max,xf9)=(90,170)である。
この場合、評価領域HR3及びHR7が非有意領域であり、評価領域HR1,HR2,HR4〜HR6,HR8,HR9は有意領域である。評価領域HR1,HR2,HR4〜HR6,HR8,HR9について、精細画像SIを取得する際は、合焦レンズ位置xfiが終点x=190に近いものから順に取得される。すなわち、xf9=170,xf5=xf8=150,xf6=140,xf2=80,xf4=50,xf1=30の順で、精細画像SIが取得される。つまり、合焦レンズ位置の異なる6つの精細画像SIが取得される。
図4のステップS101〜S111は、図1の撮像装置1におけるシャッター操作時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、第1撮影制御部21は、シャッターボタンの操作に基づいて、AF用の簡易画像2を取得するための一連の撮影処理を開始し、撮影レンズ11を始点から終点まで移動させ、レンズ位置xkごとに簡易画像2を取得することを繰り返す(ステップS101)。
次に、合焦評価部26は、レンズ位置xkごとに取得された簡易画像2に基づいて、評価領域HRiごとの評価パラメータyikを算出する(ステップS102)。ピーク値算出部27は、レンズ位置xkごとに算出された評価パラメータyikに基づいて、ピーク値yimax及び合焦レンズ位置xfiを算出する(ステップS103)。
次に、第2撮影制御部31は、撮影レンズ11を合焦レンズ位置xfiに移動させる(ステップS104)。このとき、撮影レンズ11の可動範囲内の終点に最も近い合焦レンズ位置xfiから順に移動させる。
ピーク値比較部29は、撮影レンズ11の移動後、合焦レンズ位置xfiに対応するピーク値yimaxを判定閾値ytと比較する(ステップS105)。色相分布算出部32は、ピーク値yimaxが判定閾値yt以上であれば、各評価領域HRiについて、色相分布を算出する(ステップS106,S107)。そして、単一色判別部33は、色相分布に基づいて、評価領域HRiが単一色領域であるか否かを判別する(ステップS108)。
有意領域判別部30は、ピーク値yimaxが判定閾値yt以上であり、かつ、評価領域HRiが単一色領域でなければ、当該評価領域HRiが有意領域YRiであると判別する。第2撮影制御部31は、この有意領域YRiの判別結果に基づいて、精細画像SIの取得を指示し、得られた画像データを保存させる(ステップS109,S110)。
ステップS104からステップS110までの処理手順は、簡易画像2内の全ての評価領域HRiについて、撮影レンズ11を合焦レンズ位置xfiに移動させ、ピーク値yimaxの比較や単一色領域の判別を行うまで繰り返される(ステップS111)。
本実施の形態によれば、評価パラメータyikのピーク値yimaxを判定閾値ytと比較した比較結果と単一色領域であるか否かの判別結果とに基づいて、評価領域HRiが有意領域YRiであるか否かを判別することにより、背景のみの評価領域HRiを除外して精細画像SIを取得することができる。このため、レンズ位置xkを異ならせて複数の精細画像SIの撮影を行う際に、背景にピントが合った精細画像SIが取得されるのを防止することができる。
特に、ピーク値yimaxの大きさによって有意領域YRiであるか否かを判別するので、合焦度合が低く、被写体3にピントが合っていないような画像が精細画像SIとして取得されるのを防止することができる。また、色相分布によって単一色領域であるか否かを判別するので、単一色の評価領域HRiを除外して精細画像SIを取得することができる。
なお、本実施の形態では、評価パラメータyikのピーク値yimaxを判定閾値ytと比較して評価領域HRiが有意領域YRi及び非有意領域NYRiのいずれであるのかを判別する場合の例について説明したが、本発明は有意領域YRiの判別方法をこれに限定するものではない。例えば、ピーク値yimaxが高い方から一定数だけ有意領域YRiとし、ピーク値yimaxが低いものは非有意領域NYRiとするような構成のものも本発明には含まれる。
1 撮像装置
10 撮像部
11 撮影レンズ
12 撮像素子
13 信号処理部
21 第1撮影制御部
22 レンズ駆動部
23 精細画像記憶部
24 簡易画像記憶部
25 ファインダー画面表示部
26 合焦評価部
27 ピーク値算出部
28 判定閾値記憶部
29 ピーク値比較部
30 有意領域判別部
31 第2撮影制御部
32 色相分布算出部
33 単一色判別部
2 簡易画像
3 被写体
10 撮像部
11 撮影レンズ
12 撮像素子
13 信号処理部
21 第1撮影制御部
22 レンズ駆動部
23 精細画像記憶部
24 簡易画像記憶部
25 ファインダー画面表示部
26 合焦評価部
27 ピーク値算出部
28 判定閾値記憶部
29 ピーク値比較部
30 有意領域判別部
31 第2撮影制御部
32 色相分布算出部
33 単一色判別部
2 簡易画像
3 被写体
Claims (6)
- 画素数の異なる精細画像及び簡易画像のいずれかを生成する撮像手段と、
撮影レンズを光軸に沿って移動させ、3以上のレンズ位置のいずれかに配置するレンズ駆動手段と、
上記レンズ位置ごとに、上記簡易画像を取得する第1撮影制御手段と、
上記簡易画像ごとに、当該簡易画像内の2以上の評価領域について、合焦度合を示す評価パラメータをそれぞれ求める合焦評価手段と、
上記評価領域ごとに、上記レンズ位置に対する上記評価パラメータの分布におけるピーク値を求めるピーク値算出手段と、
上記ピーク値に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別する有意領域判別手段と、
上記有意領域の上記ピーク値に対応する上記レンズ位置ごとに、上記精細画像を取得する第2撮影制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。 - 上記ピーク値を判定閾値と比較するピーク値比較手段を備え、
上記有意領域判別手段は、上記ピーク値の比較結果に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 上記評価領域内の各画素を3以上の色相区分に分類し、上記評価領域ごとに色相分布を求める色相判別手段を備え、
上記有意領域判別手段は、上記ピーク値の比較結果及び上記色相分布に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 上記色相判別手段は、上記評価領域が単一色領域であるか否かを判別し、
上記有意領域判別手段は、上記ピーク値が上記判定閾値以上であり、かつ、単一色領域であると判別されなかった評価領域を有意領域と判断することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 - 第2撮影制御手段は、上記非有意領域の上記ピーク値に対応する上記レンズ位置を飛ばして、上記精細画像を取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の撮像装置。
- 画素数の異なる精細画像及び簡易画像のいずれかを生成する撮像手段と、撮影レンズを光軸に沿って移動させ、3以上のレンズ位置のいずれかに配置するレンズ駆動手段とを備えた撮像装置における撮影制御方法であって、
上記レンズ位置ごとに、上記簡易画像を取得する第1撮影ステップと、
上記簡易画像ごとに、当該簡易画像内の2以上の評価領域について、合焦度合を示す評価パラメータをそれぞれ求める合焦評価ステップと、
上記評価領域ごとに、上記レンズ位置に対する上記評価パラメータの分布におけるピーク値を求めるピーク値算出ステップと、
上記ピーク値に基づいて、上記評価領域が有意領域及び非有意領域のいずれであるのかを判別する有意領域判別ステップと、
上記有意領域の上記ピーク値に対応する上記レンズ位置ごとに、上記精細画像を取得する第2撮影ステップとを備えたことを特徴とする撮影制御方法。
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