JP2013246104A - カソードルミネッセンス用標識試薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、蛍光体粒子部分が微細であっても、より低加速電圧の電子線の照射により十分な輝度で蛍光を発することができ、高分解能でのカソードルミネッセンスイメージングに有用なカソードルミネッセンス用標識試薬と、その製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬は、標的物質への特異的結合部分と、蛍光体粒子部分とを有し、蛍光体粒子部分がM1 23:M2,M3[式中、M1は、Y、Gd、Al、Ybから選択される1種以上の金属を示し;M2は、Zn、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される1種以上の金属を示し;M3は、Eu、Tm、Tb、Er、Yb、Ce、Ho、Gd、Sm、Dy、Pr、Lu、Laから選択される1種以上の金属を示す]で表されるドープト金属酸化物からなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分解能でのカソードルミネッセンスイメージングが可能なカソードルミネッセンス用標識試薬と、その製造方法に関するものである。
生体内では様々な分子が相互に関わり合って複雑な反応系が構築されており、疾患の早期発見や治療、生命機能の探究などには分子生物学的知見が必要不可欠となっている。例えば、特定の生体内分子の発現、分布、集積などを把握することにより、生体の異常を検出し得る。そこで、様々な生体内分子の分布などを高空間分解能で同時に観察することが可能になると、生物学、医学、薬学などの分野での貢献が期待できる。
電子顕微鏡は10nm以下の空間分解能を有し、タンパク質などの生体内分子の分布を観察可能ではあるが、得られる画像はモノクロである。よって、異なる2種以上の生体内分子を区別することは非常に難しい。それに対して蛍光顕微鏡ではカラーでの観察が可能であるので、異なる生体内分子を異なる分子で標識することにより、複数種の生体内分子を相互に区別しつつ同時に観察し得る。しかし、蛍光顕微鏡を用いた場合の空間分解能は十分ではなかった。
そこで、粒径1〜100nmの蛍光体を被測定物質へ特異的に結合させ、当該結合体を顕微鏡で観察する技術が開発されている(特許文献1)。特許文献1には、複数の蛍光体を用いて複数の被測定物質を特異的に標識し、それぞれの蛍光体をカソードルミネッセンス(CL)顕微鏡で観察することによりCL光の色に応じて複数の被測定物質の空間分布を同時に観測する可能性が示されている。
また、本発明者らは、蛍光体を用いたCL顕微鏡による生体イメージングにつき検討を進めた(非特許文献1)。その結果、3種の異なるCLスペクトルをもつナノ蛍光体を細胞中に取り込ませ、CLイメージングにおいて夫々を見分けられることを示した。
特開平7−83927号公報
Hirohiko Niiokaら,Applied Physics Express,4,112402(2011年)
上述したように、蛍光体を標的物質へ選択的に結合させてCL顕微鏡などで直接観察することを志向した技術は開発されている。しかし特許文献1に記載の技術の分解能はせいぜい1μm以下とされており、生体イメージングではより高い分解能が必要であって、従来技術では十分ではないといえる。
具体的には、ゾルゲル法等で作製した蛍光体粒子は始めからネッキングしており、粒子同士が凝集している。たとえ微細な蛍光体粒子を調製しても、微細な粒子ほど表面積が大きくなるので、ファンデルワールス力により凝集してしまう。例えば非特許文献1のとおり、蛍光体粒子の一次粒子を100nm未満の微細なものとしても、測定時には2〜3μmに凝集する。この状態でCL顕微鏡により観察しても、凝集体の粒子径より高い分解能は得られない。
その一方で、蛍光体粒子を凝集前の微細なままで抗体に結合させ、標的生体内物質を標識することが考えられる。かかる態様であれば、蛍光体粒子の凝集を抑制でき、微細な蛍光体粒子に応じた分解能が得られると考えられる。しかし従来のCL用蛍光体の輝度は低いので、凝集状態であればCL顕微鏡で観察可能であるが、分散状態の蛍光体粒子では十分なイメージングが難しいという問題があった。輝度が低くても計測時間を長くすることによりイメージングが可能になり得るが、計測時間が長ければ生体内物質が帯電によって計測中に移動する試料ドリフトという現象が起こり易くなり、やはりイメージングできなくなる。
また、輝度を高めるためには、照射電子線の加速電圧を高めるという方法もある。しかし、加速電圧を高めると照射電子線の運動エネルギーが高くなって試料中で散乱し、電子線の焦点スポットサイズが大きくなる。この場合、例えば焦点スポットに蛍光体が2つあると、これらを見分けることができなくなり、空間分解能が低下するという問題が生じる。
そこで本発明は、蛍光体粒子部分が微細であっても、より低加速電圧の電子線の照射により十分な輝度で蛍光を発することができ、高分解能でのカソードルミネッセンスイメージングに有用なカソードルミネッセンス用標識試薬と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、蛍光性酸化物にドープさせる金属の原子価を、蛍光性酸化物を構成する金属の原子価よりも小さくすることにより、蛍光体が微細なものであっても十分な輝度を示し、高分解能なカソードルミネッセンスイメージングに適用できることを見出して、本発明を完成した。
詳しくは、蛍光性酸化物にドープさせる金属の原子価が蛍光性酸化物を構成する金属の原子価よりも小さい場合、電子が余ることになり、蛍光体は高い導電性を示すようになる。その結果、当該蛍光体に電子線を照射する場合、照射電子は減速されることなく蛍光体深くまで侵入できるため、蛍光体は十分に励起されて強い蛍光を発することが可能になる。
本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬は、
標的物質への特異的結合部分と、蛍光体粒子部分とを有し、
蛍光体粒子部分がM1 23:M2,M3[式中、M1は、Y、Gd、Al、Ybから選択される1種以上の金属を示し;M2は、Zn、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される1種以上の金属を示し;M3は、Eu、Tm、Tb、Er、Yb、Ce、Ho、Gd、Sm、Dy、Pr、Lu、Laから選択される1種以上の金属を示す]で表されるドープト金属酸化物からなることを特徴とする。
本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬においては、M1としてはYが、また、M2としてはZnが好適である。かかる蛍光体粒子が、微細なものであっても高い輝度を示すことは、本発明者らの実験的知見で証明されている。
本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬における蛍光体粒子部分の粒子径としては、1nm以上、100nm以下が好適である。粒子径が100nm以下の蛍光体粒子を有するカソードルミネッセンス用標識試薬を用いれば、高分解能のカソードルミネッセンスイメージングがより確実に実施できる。一方、当該粒子径が小さいほど高分解能のカソードルミネッセンスイメージングが可能になるが、粒子径を過剰に小さくすると輝度が十分に得られず、検出できなくなるおそれがあり得る。また、カソードルミネッセンスイメージングを行う直前にTEMやSEMで観察する場合、観察できなくなるおそれがあり得る。よって、当該粒子径としては1nm以上が好適である。
本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬の製造方法は、
上記カソードルミネッセンス用標識試薬を製造するための方法であって、
1化合物、M2化合物およびM3化合物を溶媒に溶解した後、当該溶液を加熱することにより、蛍光体前駆体を調製する工程;
上記蛍光体前駆体を焼成することにより蛍光体を得る工程;
上記蛍光体をレーザーアブレーション法により粉砕することにより蛍光体粒子を得る工程;および
上記蛍光体粒子を標的物質への特異的結合部分に結合させる工程を含むことを特徴とする。
一般的に、カソードルミネッセンスイメージングの分解能は標識基の大きさに依存し、標識基が小さいほど分解能は高くなる。しかし、高分解能のために標識基を小さくすると十分な輝度が得られず、イメージングが難しくなるという問題が生じる。それに対して本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬の標識部分である蛍光体粒子は、たとえ微細であっても、電子線の照射により高い輝度で蛍光を発することができる。また、本発明に係る蛍光体粒子は、比較的低い加速電圧の電子線の照射でも高い輝度で蛍光を発することができるので、この点でも本発明試薬を用いたカソードルミネッセンスイメージングの分解能は高いといえる。さらに、本蛍光体粒子は導電性があるために、チャージアップによる試料ドリフトを防ぐことができる。従って、本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬は、高い分解能が要求される生体内分子などのイメージングにも適用可能である。
また、本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬の製造方法によれば、蛍光体粒子を有効に微細化することができ、本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬を効率的に製造することが可能になる。
図1は、レーザーアブレーションにより微細化する前と後における蛍光体粒子のTEM写真である。 図2は、本発明に係る蛍光体粒子のSEM写真とカソードルミネッセンス写真である。 図3は、ドープZnの原子パーセントを変えた場合における蛍光体粒子のカソードルミネッセンス輝度の変化を示すグラフである。 図4は、本発明に係る蛍光体粒子のSEM写真とカソードルミネッセンス写真である。 図5は、レーザーアブレーションにより微細化した蛍光体粒子懸濁液の写真、当該懸濁液の写真、および、当該懸濁液を24時間放置した後の写真である。
先ず、本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬の製造方法を、工程ごとに説明する。
(1) 蛍光体前駆体の調製
本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬は標的物質への特異的結合部分と、蛍光体粒子部分とを有し、蛍光体粒子部分がM1 23:M2,M3[式中、M1は、Y、Gd、Al、Ybから選択される1種以上の金属を示し;M2は、Zn、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される1種以上の金属を示し;M3は、Eu、Tm、Tb、Er、Yb、Ce、Ho、Gd、Sm、Dy、Pr、Lu、Laから選択される1種以上の金属を示す]で表されるドープト金属酸化物からなる。
本発明に係る蛍光体M1 23:M2,M3では、原子価+3の金属M1が原子価+2の金属M2に置換されて導電性となり、その結果、電子線照射による蛍光性が改善され、輝度が顕著に高まる。
1 23を構成する金属M1は、固体酸化物の状態で+3の原子価を安定に保ち且つ酸化物の状態で蛍光体の母体となるものである。かかる金属M1としては、Y、Gd、Al、Ybから選択される1種以上の金属を挙げることができ、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
1 23にドープさせる金属M2は、M1 23にドープした状態で+2の原子価を安定に保ち且つ蛍光体全体の蛍光性を失わせないものである。一般的に、金属は環境に応じて様々な原子価をとり得、+2の原子価をとり得るものも数多くあるが、原子価+2の状態が比較的不安定であり、いったん+2の状態をとっても通常の条件下において他の原子価に変化するものがある。本発明に係る金属M2には、このような金属は含まれないものとする。例えば、EuはY23にドープ可能な金属であり、原子価としては+2と+3を示すが、通常の状態では+3の原子価で安定するので、本発明に係る金属M2には含まれない。かかるM2としては、Zn、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される1種以上の金属を挙げることができ、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
1 23にドープさせる金属M3は、M1 23:M2の蛍光性が弱い場合に蛍光性を高めたり、M1 23:M2の励起波長や蛍光波長を変化させたりするためのものである。かかるM3としては、例えば、Eu、Tm、Tb、Er、Yb、Ce、Ho、Gd、Sm、Dy、Pr、Lu、Laから選択される1種以上の金属を挙げることができ、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
1 23にドープさせる金属M2の量は、本発明蛍光体の輝度の改善効果が得られる範囲で適宜調整すればよいが、例えば、本発明蛍光体を構成する金属全体に対する原子パーセントで、5at%以上、40at%以下とすることが好ましい。金属M2のドープ量が多いほど輝度向上効果は高く、上記原子パーセントが5at%以上であれば、十分な輝度向上効果が得られる。一方、金属M1に対する金属M2の割合が大き過ぎると付活物質に電子が届き難くなり発光が弱まるおそれがあり得るので、上記原子パーセントとしては40at%以下が好ましい。
1 23にドープさせる金属M3の量も、本発明蛍光体の発光を適切なものにできる範囲で適宜調整すればよいが、例えば、本発明蛍光体を構成する金属全体に対する原子パーセントで、0.001at%以上、10at%以下とすることが好ましい。上記原子パーセントが0.001at%以上であれば、本発明蛍光体の蛍光波長などを変化させ得る。一方、上記原子パーセントが高過ぎると隣接するM3間のエネルギー移動に由来した濃度消光により発光が弱まるおそれがあり得るため、上記原子パーセントとしては10at%以下が好ましい。
本発明に係る蛍光体を得るには、先ず、本発明蛍光体を構成する金属の割合を決定し、その割合に応じてM1化合物、M2化合物およびM3化合物を溶媒に溶解した後、当該溶液を加熱することにより、蛍光体前駆体を調製する。
原料となるM1化合物等は、金属M1等の、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩などの酸塩;塩化物や臭化物などのハロゲン化物;酸化物;水酸化物などを用いることができる。
溶媒は、M1化合物等を適度に溶解できるものであれば特に制限されないが、例えば水を用いることができる。また、M1化合物等の水への溶解性が比較的低い場合には、メタノールやエタノールなどのアルコール溶媒;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド溶媒などの水混和性溶媒を併用してもよい。
上記溶液に占めるM1化合物等の割合は特に制限されず、適宜調整すればよいが、例えば、全金属のモル濃度で0.005mol/L以上、5mol/L以下程度にすることができる。
さらに、ゾルゲル法で蛍光体前駆体を調製する場合には、上記溶液にゲル化剤を添加してもよい。ゲル化剤としては、例えば、グルタミン酸、クエン酸、グリシン、アスパラギン酸などのアミノ酸を用いることができる。ゲル化剤の使用量は適宜調整すればよいが、例えば、0.001mol/L以上、10mol/L以下程度にすることができ、好適には全金属とおおよそ同モル量、例えば、全金属の合計モル数の0.95倍モル以上、1.05倍モル以下とする。
得られた溶液は、加熱することにより反応を進め、さらに過剰な溶媒等を留去して蛍光体前駆体とする。加熱条件は適宜調整すればよいが、例えば、60℃以上、150℃以下で、30分間以上、10時間以下とすることができる。加熱は、温度を違えて二段階以上で行ってもよい。また、溶媒等の留去を促進するために、減圧下で加熱してもよい。
(2) 蛍光体の調製工程
次に、得られた蛍光体前駆体を焼成することにより蛍光体とする。
焼成条件は適宜調整すればよいが、例えば、500℃以上、1800℃以下の温度で、1時間以上、10時間以下程度加熱すればよい。
(3) 粉砕工程
次いで、得られた蛍光体を粉砕することにより、蛍光体粒子とする。カソードルミネッセンスの分解能は蛍光体の大きさに依存し、蛍光体粒子が凝集していると見かけ上の粒径が大きくなってしまい空間分解能が悪くなる。一方、蛍光体が小さいほど分解能は高くなるので、当該工程は重要である。
本発明では、レーザーアブレーション法により蛍光体を粉砕する。レーザーアブレーション法は、分散液や溶液に高強度のレーザーを集光してプラズマを発生させ、それに伴ってショックウェーブを誘起することにより、凝集体を微細化および分散させる技術である。よって本発明では、得られた蛍光体を水に分散させた上でレーザーを照射する。
さらに、当該分散液へ分散剤を加えておくと、分散化させた蛍光体にその場でコーティングすることが可能となり、再凝集するのを防ぐことができる。このような分散剤としては、ポリエチレングリコール系高分子、変性シランカップリング剤、ポリビニルピロリドン類等を挙げることができる。
レーザーアブレーションの条件は、適宜調製すればよい。例えば、適切なレーザーパワーは用いるレーザーの波長やパルス幅などに依存するが、集光前で1mJ/pulse以上、40mJ/pulse以下程度にすることができ、また、照射時間を30分間以上、6時間以下程度にすることができる。また、レーザーアブレーション中は、分散液や溶液を攪拌することが好ましい。攪拌により、レーザー照射部位を通過する粒子の数が増加する。即ち、攪拌により蛍光体粒子を微細化・分散化する効率が向上し、所用の時間を短縮することが可能になる。より具体的には、蛍光体が所望の粒径になる条件でレーザーアブレーションを行えばよい。例えば、蛍光体粒子の粒径が1nm以上、100nm以下となるように粉砕する。
(4) 蛍光体粒子と特異的結合部分との結合工程
次に、微細化された蛍光体粒子を標的物質への特異的結合部分に結合させる。
標的物質は、本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬を特異的に結合させ、その存在の有無や分布等を測定すべきものであれば特に制限されない。例えば、酵素や受容体などのタンパク質;特定遺伝子などのDNA;RNA;ホルモンなどの生体内情報伝達物質;などを挙げることができる。
標的物質の特異的結合部分は、標的物質へ選択的に結合できるものをいい、標的物質に応じたものを使用すればよい。例えば、標的物質に対する抗体;受容体のリガンド;標的DNAやRNAの相補配列などを挙げることができる。
蛍光体粒子と特異的結合部分との結合方法としては、常法を用いることができる。例えば、先ず、好ましくは蛍光体粒子を高分子でコーティングする。かかるコーティングにより蛍光体粒子の凝集を抑制することができ、また、特異的結合部分との結合が容易になる。コーティングに用いる試薬としては、ポリエチレングリコール系高分子や、変性シランカップリング剤を挙げることができる。蛍光体粒子の表面は、プラスに帯電していたり、水酸基が存在するので、これらコーティング試薬により容易にコーティングできる。また、コーティング試薬中の官能基により、特異的結合部分と直接、或いは、リンカー基を介して間接的に結合させ得る。
リンカー基としては、端部および/または中間部にアミド基やエステル基などを有していてもよいアルキレン基や、抗体と結合できるプロテインA、ビオチンとアビジンまたはストレプトアビジンとの組合せなどを挙げることができる。
上記の反応は、当業者であれば公知技術を用いて容易に実施することができる。
本発明に係るカソードルミネッセンス用標識試薬は、カソードルミネッセンスイメージングに適用することができ、例えば生体試料などへ本発明試薬を添加することにより、標的物質の存在や分布などを把握することができる。
カソードルミネッセンスとは、試料に電子線を照射した際に放出される光をいい、これを測定または検出することにより、イメージングなどが可能になる。本発明の場合、例えば生体試料などへ本発明試薬を添加すれば、その特異的結合部分が生体試料内の標的物質へ選択的に結合する。当該生体試料へ電子線を照射すれば、蛍光体粒子部分を構成するドープト金属酸化物の蛍光性に応じて蛍光が発せられる。この蛍光を観察すれば、標的物質の存在や分布などを検出できる。
詳しくは、例えばエンドサイトーシスなどにより、本発明試薬を細胞内へ注入する。或いは、標的物質の存在の有無のみ確認すればよい場合には、細胞をホモジェナイズし、ホモジェナイズ後の混合液へ本発明試薬を添加してもよい。次いで、固定化、脱水、エポキシ樹脂への包埋など、常法に従ってTEM観察用の薄片試料を調製する。当該薄片試料をガラス基板上に置き、飽和KOH/エタノール溶液でエポキシ樹脂を除去する。表面電荷の影響を抑制するためにAu薄膜をスパッタする。SEM観察で位置を確認し、電子線を照射し、本発明試薬の蛍光体が発する蛍光の波長光を検出することにより、カソードルミネッセンスイメージングが可能となり、本発明試薬が特異的に結合した標的物質を検出することができる。
また、TEMを用いてカソードルミネッセンスを観察できる顕微鏡もあり、本発明で用いることもできる。この場合、試料のTEM像とカソードルミネッセンス像を同時に観察でき、例えばミトコンドリアなどの細胞小器官を明確に観察でき得る。さらに、SEMやTEMを用いて液中の生体試料を観察可能な技術も開発されているので、本発明試薬を用い、生体試料を生きた状態に近いままSEM、TEM、およびカソードルミネッセンスで観察することが可能になるといえる。
複数の標的物質を検出したい場合には、それぞれの標的物質へ特異的に結合できる特異的結合部分に異なる蛍光を発する蛍光体粒子部分を結合させて本発明試薬を調製し、それら本発明試薬を試料に作用させる。その結果、各標的物質はそれぞれ異なる蛍光を発するので、それぞれの波長の蛍光を測定すれば、同一試料内に含まれる複数の標的物質の検出が可能になる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
(1) 蛍光体粒子の調製
硝酸イットリウム(1.471g)、硝酸ユーロピウム(0.081g)および硝酸亜鉛(0.214g)を超純水(40mL)に溶解し、金属モル濃度が0.06mol/Lの溶液とした。当該溶液にグルタミン酸(0.706g,0.06mol)を加え、80℃で1時間撹拌した。次いで、110℃で2時間撹拌することにより水を蒸発させることで、ゲル状の蛍光体前駆体を得た。電気炉を用い、大気下、当該前駆体を900℃で3時間焼成することにより、金属成分に占めるZnの割合が15at%のY23:Eu,Zn蛍光体を調製した。
得られた蛍光体を蒸留水に分散させ、撹拌しつつ、繰り返し周波数10Hz、パルス幅5nm、集光前レーザーパワー20mJ/pulseでNd:YAGレーザーを3時間照射してアブレーションを起こし、蛍光体を微細化した。微細化前の蛍光体のTEM像を図1(a)に、微細化後のTEM像を図1(b)に示す。図1のとおり、レーザーアブレーションにより蛍光体粒子が微細化され、粒径数nmから数十nmの微細な蛍光体粒子が得られることが明らかにされた。
(2) カソードルミネッセンス
上記(1)で製造された蛍光体粒子のSEM画像を撮影した。また、以下のとおりカソードルミネッセンスを測定した。具体的には、微細化された上記蛍光体粒子をSi基板上に分散させ、加速電圧3kV、電流値313pA、カソードルミネッセンス取得波長614nm、露光時間10ms/pixelで測定した。SEM画像を図2(a)に、カソードルミネッセンス画像を図2(b)に示す。
図2のとおり、本発明に係る蛍光体粒子は、粒径が50nm以下の微細なものであっても、電子線の照射により十分な輝度を示すことが証明された。
実施例2
上記実施例1(1)において硝酸亜鉛の使用量を変更し、蛍光体の金属成分に占めるZnの原子パーセントを5at%または30at%に変更した蛍光体を調製した。また、比較のために、Znを含まない蛍光体を調製した。これら各蛍光体に照射電流値を変化させつつ電子線を照射し、その輝度の相対値を求めた。結果を図3に示す。
図3のとおり、Y23にZnをドープさせず、Euのみをドープさせた場合には、照射電流値を高めても輝度はそれほど高まらない。その原因としては、Y23:Euは導電性を有さず電子線照射によりチャージアップが引き起こされ、照射電子はチャージアップ電子と反発して減速されるため、蛍光体深くまで侵入できず、結果として励起できる蛍光体の体積が減少し、輝度が低減されることが考えられる。なお、Euは+2の原子価もとりえるが、+3の状態の方が安定であるため、Y23:Eu中では+3の状態で存在し、当該蛍光体は導電性を示さない。
一方、Y23:Eu,Zn蛍光体では、ドープされたZnの原子パーセントに比例して輝度が高まる。その理由としては、+2で安定に存在するZnにドープされることによりYの原子価(+3)との差に応じて導電性が生じ、上記の問題が起こらず、照射電子線に応じた輝度を示すことが考えられる。このように本発明に係る蛍光体粒子は、Znのドープにより輝度が高められていることが実証された。
さらに、蛍光体の金属成分に占めるZnの原子パーセントが30at%となるよう調製したY23:Eu,Zn蛍光体において、上記実施例1(2)と同様にSEM画像とカソードルミネッセンス画像を撮影した。SEM画像を図4(a)に、カソードルミネッセンス画像を図4(b)に示す。図4のとおり、本発明に係る蛍光体粒子は、その粒径が20nm程度でも十分な輝度を示し、カソードルミネッセンスイメージングが可能であることが示された。
参考例1 分散剤を用いたレーザーアブレーションの効果
上記実施例1と同様の方法により、金属成分に対する原子パーセントが5at%のEuによりドープされたY23:Eu蛍光体を調製した。当該蛍光体(0.5mg)を、超純水(5mL)、または、超純水にポリビニルピロリドン(PVP)を溶解した0.1wt%溶液(5mL)に添加し、攪拌しつつ、レーザーアブレーションにより蛍光体粒子を微細化した。詳しくは、再生増幅器の付いたフェムト秒Ti:Sapphireレーザーを用い、集光前のレーザーパワーを700mW、波長を800nm、繰り返し周波数を1kHzとし、レーザーを1時間照射した。さらに、上記2種類の懸濁液を超音波で15分処理した後、24時間放置し、沈殿の状態を観察した。レーザーアブレーション直後の蛍光体懸濁液の写真を図5(a)に、レーザーアブレーション直後の蛍光体懸濁液に254nmのUVランプを照射した蛍光写真を図5(b)に、24時間放置後の蛍光体懸濁液の写真を図5(c)に示す。
図5(a)と図5(b)のとおり、レーザーアブレーション直後では、何れの懸濁液でも蛍光体粒子が均一に分散していることが分かる。しかし、分散剤であるポリビニルピロリドン(PVP)を用いない場合には、放置後、蛍光体粒子が再凝集等により沈殿してしまった。それに対して分散剤を用いた場合には、放置後においても蛍光体粒子の沈殿は少なく、液中に蛍光体粒子が均一分散していることが証明された。
以上より、レーザーアブレーションにより蛍光体粒子を十分に微細化することができるが、分散性を安定により一層高めるには、分散剤を用いて個々の蛍光体粒子の凝集を防ぐことが有効である。

Claims (5)

  1. 標的物質への特異的結合部分と、蛍光体粒子部分とを有し、
    蛍光体粒子部分がM1 23:M2,M3[式中、M1は、Y、Gd、Al、Ybから選択される1種以上の金属を示し;M2は、Zn、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される1種以上の金属を示し;M3は、Eu、Tm、Tb、Er、Yb、Ce、Ho、Gd、Sm、Dy、Pr、Lu、Laから選択される1種以上の金属を示す]で表されるドープト金属酸化物からなることを特徴とするカソードルミネッセンス用標識試薬。
  2. 1がYである請求項1に記載のカソードルミネッセンス用標識試薬。
  3. 2がZnである請求項1または2に記載のカソードルミネッセンス用標識試薬。
  4. 蛍光体粒子部分の粒子径が1nm以上、100nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のカソードルミネッセンス用標識試薬。
  5. カソードルミネッセンス用標識試薬を製造するための方法であって、
    上記カソードルミネッセンス用標識試薬は標的物質への特異的結合部分と、蛍光体粒子部分とを有し、蛍光体粒子部分がM1 23:M2,M3[式中、M1は、Y、Gd、Al、Ybから選択される1種以上の金属を示し;M2は、Zn、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される1種以上の金属を示し;M3は、Eu、Tm、Tb、Er、Yb、Ce、Ho、Gd、Sm、Dy、Pr、Lu、Laから選択される1種以上の金属を示す]で表されるドープト金属酸化物からなるものであり、
    1化合物、M2化合物およびM3化合物を溶媒に溶解した後、当該溶液を加熱することにより、蛍光体前駆体を調製する工程;
    上記蛍光体前駆体を焼成することにより蛍光体を得る工程;
    上記蛍光体をレーザーアブレーション法により粉砕することにより蛍光体粒子を得る工程;および
    上記蛍光体粒子を標的物質への特異的結合部分に結合させる工程を含むことを特徴とする製造方法。
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