JP2013245042A - 青果物の搬送用コンベヤベルト - Google Patents

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【課題】選別排出された果実類の落下衝撃を緩和して、その損傷を防ぐ青果物の搬送用コンベヤベルトを提供する。
【解決手段】複数本の毛材7束ねて成る複数の毛束9が分割されたベルト基体13の各列に一列に整列されて基体11の表面全体に亘って植え付けられえた青果物の搬送用コンベヤベルト1である。さらに、毛材7の高さが不揃であり、分割されたベルト基体13の表面に接着されたクッション材を備えたた青果物の搬送用コンベヤベルト1である。
【選択図】図1

Description

本発明は青果物を搬送するために用いられるコンベヤベルトに関するものである。
果実類を選別包装する施設において用いられるコンベヤベルトが特許文献1・2に開示されている。このコンベヤベルトはその表面全体に毛材を植毛したものであり、これにより、搬送中の果実の転がり及びコンベヤベルト表面から受ける振動を低減し、果実の損傷を低減している。
しかし、このコンベヤベルトは、選別排出された果実類の落下衝撃を和らげるにはそのクッション性が十分ではなかった。また、幅広のコンベヤベルトの表面全体に亘る毛材の植え付けは作業性が悪く、コンベヤベルト自体の費用が高かった。さらに、一部の毛材に破損、汚れ等が生じた場合にはコンベヤベルト全体を交換する必要があり、このためコンベヤベルトのメンテナンスに費用がかかるものであった。
実開昭61−206511号公報 実公平4−20822号公報
本発明は、上記課題に着目して為された発明であり、選別排出された果実類の落下衝撃を緩和して、その損傷を防ぐ青果物の搬送用コンベヤベルトを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するための手段として、本発明の青果物の搬送用コンベヤベルトは、複数本の毛材を束ねて成る複数の毛束がベルト基体の表面全体に亘って植え付けられ、該ベルト基体が走行方向に複数列に分割されたことを特徴とする。
(2)また、上記(1)の青果物の搬送用コンベヤベルトにおいて、前記毛束が分割された前記ベルト基体の各列に一列に整列されたことを特徴とする。
(3)さらに、上記(1)・(2)の青果物の搬送用コンベヤベルトにおいて、前記毛材の高さが不揃いであることを特徴とする。
(4)さらに、上記(1)〜(3)の青果物の搬送用コンベヤベルトにおいて、分割された前記ベルト基体の表面に接着されたクッション材を備えたことを特徴とする。
本発明の青果物の搬送用コンベヤベルトは、ベルト基体が複数列に分割されている。このため、排出された青果物が分割されたベルト基体に着地する際、このベルト基体は各々独立してたわみ、落下衝撃を複数のベルト基体が個別に吸収して、青果物の損傷を防ぐことができる。また、分割されたベルト基体又は毛束の一部に汚れや破損が生じた場合には、そのベルト基体だけを交換すればよいので、交換作業が容易であり、また交換費用を低減できる。
本発明の青果物の搬送用コンベヤベルトの使用態様を示した図である。 実施例1の分割されたベルト基体を示した斜視図である。 実施例1の青果物の搬送用コンベヤベルトの断面図である。 実施例1の他の青果物の搬送用コンベヤベルトの断面図である。 実施例1のさらに他の青果物の搬送用コンベヤベルトの断面図である。 実施例4の毛束の態様を示した断面図である。 (a)実施例6の毛束の植付態様を示した斜視図である。(b)実施例6の他の毛束植付態様を示した斜視図である。(c)実施例6のさらに他の毛束植付態様を示した斜視図である。 (a)実施例7のクッション材を備えた分割ベルト基体を示した断面図である。(b)実施例7のクッション材を備えた青果物の搬送用コンベヤベルトの断面図である。
以下、図面に従って、本発明の青果物の搬送用コンベヤベルトを説明する。
なお、本明細書においては、各図にわたって示される同じ符号は同一または同様の部材や物を示す。
本発明の青果物の搬送用コンベヤベルト1は、例えば図1に示すように、糖度やサイズ、傷の有無等を選別する選別機械3により判定され、仕分け排出された青果物5を箱詰位置まで搬送するために用いられる。複数個の青果物の搬送用コンベヤベルト1が、青果物の排出位置に設置されている。
本発明の青果物の搬送用コンベヤベルト1は、複数本の毛材7を束ねて成る複数の毛束9がベルト基体11の表面全体に亘って植え付けられ、このベルト基体11が走行方向に複数列に分割されて成るものである。
ベルト基体11は、図1に示すように、コンベヤプーリ15に掛け渡されて、図示しない駆動装置によって所定方向に走行され、青果物5を搬送するゴム製等のベルトである。このベルト基体11は、毛材7を植え付け可能な厚みを備えている。このベルト基体11はその走行方向に分割され、分割されたベルト基体13(以下、分割ベルト基体13という)が所定の間隔を隔てて平行に掛け渡される。ベルト基体11の長さ、分割数、及び分割ベルト基体13の幅は特に限定されず、搬送対象や搬送経路に応じて適宜設計される。
本実施例では、図2に示すように、ベルト基体11として厚みが15mm、ベルト長さが7mのエンドレスベルトを用いており、これを分割してベルト幅が15mmの分割ベルト基体13を形成している。この分割ベルト基体13は互いに5mmの間隔を設けてコンベヤプーリ15に平行に掛け渡されている。分割ベルト基体13は、その長手方向に、一列に植え付けられた毛束9を備えている。
毛束9は、図2に示すように、複数本の毛材7が束ねられて成るものである。この毛材7として、代表的にはナイロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の化学繊維からなるブリッスルを用いることができる。毛束9は、分割ベルト基体13に垂直に植え付けられて固定される。その植付間隔及びベルト基体表面からの長さは、搬送対象の青果物5に応じて設計してもよい。例えば、比較的実が小さく軽い青果物5を搬送する場合は、青果物5が毛束9間に挟まらないように、間隔を狭く(例えば10mm〜20mm)、また長さを短く(例えば30mm〜50mm)設計される。一方、比較的実が大きく重い青果物5を搬送する場合は、青果物5の落下衝撃を十分に吸収できるよう、間隔を広く(例えば20mm〜30mm)、毛束9を長く(例えば50mm〜100mm)設計される。また、分割ベルト基体13毎に植付間隔を変えても良い。
毛束9は、排出される青果物5の落下衝撃を吸収し、搬送中の青果物5の転がりを防止する。この毛束9は、汚れや破損に応じて植替えることができる。
搬送対象をミカンとする本実施例においては、65本のポリプロピレンから成るブリッスルを束ねて毛束9を構成し、この毛束9を分割ベルト基体13に20mmの間隔で植え付け固定している。この毛束9の長さは70mmである。
本発明の青果物の搬送用コンベヤベルト1は、以下の工程を経て製造される。
(1)搬送対象の青果物5の大きさから必要とするベルト基体11の幅を設定し、そのベルト基体11を適宜分割して分割ベルト基体13を準備する。
(2)分割ベルト基体13に所定の間隔で複数の植毛穴17を形成する。
(3)複数本の毛材7を準備して、これを束状に纏めて毛束9を形成する。
(4)折り曲げた毛束9を植毛穴17に金属製の止め具19とともに打ち込み嵌合して植え付ける。
(5)上記(3)工程と(4)工程を繰り返して、全ての植毛穴17に毛束9を植え付ける。これにより、複数の毛束9が植え付けられた分割ベルト基体13が形成される。
(7)他の分割ベルト基体13について上記(2)〜(6)工程を行って、本発明の青果物の搬送用コンベヤベルト1が形成される。
本発明の青果物の搬送用コンベヤベルト1がコンベヤプーリ15に掛け渡されて用いられる。分割ベルト基体13をコンベヤプーリ15に並べて掛けた際に、毛束9が横方向に不揃いであっても良い。
本発明の青果物の搬送用コンベヤベルト1は、ベルト基体11が複数列に分割されている。このため、図3に示すように、排出された青果物5が分割ベルト基体13に着地する際、この分割ベルト基体13は各々独立してたわみ、落下衝撃を複数の分割ベルト基体13が個別に吸収して、青果物5の損傷を防ぐことができる。また、分割ベルト基体13又は毛束9の一部に汚れや破損が生じた場合には、その分割ベルト基体13だけを交換すればよいので、交換作業が容易であり、また交換費用を低減できる。
また、毛束9を植え替えることができる。このため、毛束9のみに汚れや破損が生じた場合には分割ベルト基体13を交換する必要がなく、メンテナンス費用も低減できる。
本実施例の青果物の搬送用コンベヤベルトは、図4に示すように、ベルト基体11の縁部の分割ベルト基体13aが他の分割ベルト基体13bから突出したものであってもよい。この縁部の分割ベルト基体13aは、両端が大径のコンベヤプーリ15aに掛け渡されることによって、他の分割ベルト基体13bから突出して配置される。この青果物の搬送用コンベヤベルトは、縁部の分割ベルト基体13aと他の分割ベルト基体13bとの間に段差21が形成されるため、搬送中の青果物5の落下を防ぐことができる。
また、本実施例の青果物の搬送用コンベヤベルトは、図5に示すように、ベルト基体11の端部の分割ベルト基体13aが他の分割ベルト基体13bよりもたわみにくいものであってもよい。縁部の分割ベルト基体13aとしては、他の分割ベルト基体13bよりも伸張性の低い材質のものや、他の分割ベルト基体13bよりも太いものや、短いものを用いることができる。この端部の分割ベルト基体13aを他の分割ベルト基体13bとともにコンベヤプーリ15に架け渡すことにより、他の分割ベルト基体13bよりもたわみにくい端部の分割ベルト基体13aが形成される。この青果物の搬送用コンベヤベルトは、搬送中の青果物の5の落下を防ぐことができる。
本発明の毛束9の先端部において各毛材7の毛先が不揃いであってもよい。このような毛束9は、長さの異なる複数本の毛材7を束ねて形成したり、同一長さの複数本の毛材7の端を揃えずに束ねて形成したり、又は植え付けられた毛束9の先端をすきばさみで切って形成することができる。
この複数の毛材7が束ねられて成り、その毛先が不揃いな毛束9は、最先端の毛先から順に落下する青果物5を受けて、青果物5にかかる落下衝撃を徐々に吸収していき、青果物5の損傷を防止することができる。
さらに、各毛束9の長さが不揃いであってもよい。これにより、青果物5にかかる落下衝撃を長い毛束9から順に徐々に吸収して青果物5の損傷を防止することができる。
毛束9を構成する各毛材7の柔軟性が異なるものであってもよい。この様な毛束9は、ナイロン・ポリプロピレン・ポリ塩化ビニルから成る複数種類の毛材7を用いて形成できる。
柔軟性が異なる複数本の毛材7から成る毛束9は、落下する青果物5を受けて、柔軟な毛材7から順に変形していき青果物5にかかる落下衝撃を徐々に吸収して青果物5の損傷を防止することができる。
青果物の搬送用コンベヤベルトは、図6に示すように、分割ベルト基体13毎に太さの異なる毛材7a・7bを植え付けて、分割ベルト基体13毎に毛束9の柔軟性が異なるように形成したものであってもよい。また、分割ベルト基体13毎に毛材7の材質を変えることによって毛束9の柔軟性を変えても良い。
分割ベルト基体13が動力伝達ベルトであり、この動力伝達ベルトを所定の間隔でコンベヤプーリ15に平行に掛けてもよい。この動力伝達ベルトとしては、例えばVベルト、平ベルトが挙げられる。
分割ベルト基体13として動力伝達ベルトを用いた本発明の青果物の搬送用コンベヤベルト1は、ベルト基体11にかかるコストを低減させることができる。また、上述の(1)製造工程を省略することができる。
分割ベルト基体13は、その長手方向に複数列に植え付けられた毛束9を備えたものであっても良い。例えば、図7(a)に示すように、複数の毛束9が縦横に配列されても良い。また、図7(b)に示すように、一の列の毛束9と他の列の毛束9とをたがい違いに植え付けたものあっても良い。さらに、図7(c)に示すように、長さの異なる毛束9a・9bを交互に植え付けたものであってもよい。また、不規則に毛束9を植え付けたものであっても良い。
分割ベルト基体13は、図8(a)に示すように、分割ベルト基体13の表面にクッション材23が設けられたものであってもよい。クッション材23は、分割ベルト基体13よりもクッション性の高いフェルトやスポンジ等であり、分割ベルト基体13の表面に接着される。
この青果物の搬送用コンベヤベルトは、分割ベルト基体13の表面にクッション材23が設けられているため、排出落下された青果物5が分割ベルト基体13から受ける損傷を回避することができる。
本実施例の他の態様として、図8(b)に示すように、毛束9が植え付けられた分割ベルト基体13と隣り合う分割ベルト基体13との間に、表面にクッション材23が設けられたベルト25を配置して成る青果物の搬送用コンベヤベルトであってもよい。
以上、本発明の青果物の搬送用コンベヤベルトについて説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものであり、これらの態様はいずれも本発明の範囲に属するものである。
1...青果物の搬送用コンベヤベルト、3...選別機械、5...青果物、7...毛材、9...毛束、11...ベルト基体、13...分割されたベルト基体(分割ベルト基体)、15...コンベヤプーリ、17...植毛穴、19...止め具、21...段差、23...クッション材、25...ベルト

Claims (4)

  1. 複数本の毛材を束ねて成る複数の毛束がベルト基体の表面全体に亘って植え付けられ、該ベルト基体が走行方向に複数列に分割された青果物の搬送用コンベヤベルト。
  2. 前記毛束が、分割された前記ベルト基体の各列に一列に整列されたことを特徴とする請求項1に記載の青果物の搬送用コンベヤベルト。
  3. 前記毛材の高さが不揃いであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の青果物の搬送用コンベヤベルト。
  4. 分割された前記ベルト基体の表面に接着されたクッション材を備えた請求項1〜請求項3に記載の青果物の搬送用コンベヤベルト。
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