JP2013244468A - 逆浸透膜透過水の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙パルプ工場の総合排水などのように、水質が変動し、かつ処理の難しい原水を対象に、安定かつ低コストで回収再利用が可能な処理水を得ることができる技術を提供する。
【解決手段】有機物を含む原水に凝集剤を添加して凝集分離した後、その処理水をろ過した後、さらにそのろ過処理水を逆浸透膜により透過水と濃縮水に分離する工程において、凝集分離工程をpHが3〜6の酸性領域で行うことを特徴とする排水の回収再生処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙パルプ工場から排出される総合排水に代表される生物処理が困難な難分解性の有機物を含有する排水から、効率良く、かつ安定して再生水を回収することができる水処理方法に関する。
これまで、紙パルプ工場では製紙工程あるいはパルプ化工程等において大量に使用される工業用水については、各工程における水の使用量を削減するため、通常、白水と呼ばれる使用後の用水を、例えば凝集加圧浮上分離した後、砂ろ過、あるいはろ過膜を用いて処理し、その処理水を同じ工程の供給水として循環再利用する方法が広く用いられている(特許文献1参照)。一方、上記の工程内における水の循環使用においては、循環を繰り返すことによって水質が徐々に悪化するため、処理水の一部をブロー水(余剰水)として系外に排出し、これらのブロー排水等を集めた総合排水として、活性汚泥処理や凝集沈殿処理等、所定の処理を施した上で放流されているのが一般的である。しかしながら、この総合排水は、紙パルプ工場の生産品目や生産規模によって異なるものの、数千〜数万m/日と大規模である例が多く、さらに凝集沈殿や活性汚泥による生物処理等で処理し切れない懸濁物質や難分解性の有機物が含まれていることも多いため、周囲の水環境に与える負荷は必ずしも小さいとは言えなかった。
さらに近年は、一般的に、環境意識の高まりによる工場排水の規制強化や排水の再利用による水資源の確保など、より高度な排水処理が求められるようになってきており、紙パルプ工場のように大量の工業用水を必要とする工場からの排水を回収処理し、再び工業用水として再利用することが望まれているが、これまでは、このような処理が難しい総合排水を安定、かつ低コストで処理し回収、再利用するという試みはほとんどされてこなかった。これは紙パルプ工場の排水が生物分解の難しいリグニンや、繊維質、色度成分等の原料由来の有機物や懸濁物質を含有し、さらに原料の種類(広葉樹や針葉樹等)によって、それらの排水成分が変動するため、凝集沈殿による一次処理や活性汚泥による二次処理を行った後の処理水でもなお、一般的に想定される回収再利用プロセスにおける前処理(ろ過処理)や逆浸透膜処理の汚染や閉塞等が生じ、プロセスへの負荷が高く、不安定となるためである。
また、近年では有機物を含有する排水を効率的に回収再生処理する方法として膜分離活性汚泥法(MBR)と逆浸透膜分離を組み合わせたプロセス(特許文献2参照)が浸透しつつあるが、紙パルプ工場総合排水の高次処理水においては既に前段階で活性汚泥処理を経ており生物分解できる有機物が少ないため、処理水の有機物低減効果が低く、さらに未分解の有機物や繊維質等の懸濁物質の影響でMBRの分離膜の閉塞が激しく安定した運転が望めない、という問題がある。
特開平11−333269号公報 特開2011−88151号公報
本発明は、上述した紙パルプ工場の総合排水などのように、水質が変動し、かつ処理の難しい原水を対象に、安定かつ低コストで回収再利用が可能な処理水を得ることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、かかる課題を解決するために以下の構成からなる。
(1)有機物を含む原水に凝集剤を添加して凝集分離を行って凝集分離処理水を得る凝集分離工程と、前記凝集分離処理水をろ過してろ過処理水を得るろ過処理工程と、前記ろ過処理水を逆浸透膜により逆浸透膜透過水と逆浸透膜濃縮水に分離する逆浸透膜分離工程を含む逆浸透膜透過水の製造方法において、前記凝集分離工程をpHが3〜6の酸性領域で行うことを特徴とする逆浸透膜透過水の製造方法。
(2)前記凝集分離工程において凝集沈殿分離または凝集加圧浮上分離を行う(1)に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
(3)前記ろ過処理工程において精密ろ過膜または限外ろ過膜を用いる(1)または(2)に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
(4)前記逆浸透膜濃縮水を酸化分解処理した後、放流することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
(5)硫酸第一鉄と過酸化水素を用いて前記酸化分解処理を行う(4)に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
(6)前記酸化分解処理により得られた三価の鉄を含む凝集汚泥を回収し、酸を用いて溶解し鉄含有溶液を得た後、前記鉄含有溶液を前記凝集分離工程における前記凝集剤として再利用することを特徴とする(5)に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
(7)有機物を含む原水が、紙パルプ工場から排出される総合排水を凝集処理および/または生物処理した後の、高次処理水であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
本発明により、紙パルプ工場の総合排水に代表される難分解性の有機物や懸濁物質を含む排水の回収再生処理において、逆浸透膜や、その前処理として用いるろ過工程の汚染や閉塞を抑制し、再生水を安定、かつ低コストで製造することが可能となる。さらに、該回収再生処理工程から排出される逆浸透膜濃縮水の水質を改善し、放流可能なレベルに浄化することが可能となる。
本発明の基本的な構成例を示す図である。 本発明における逆浸透膜濃縮排水の処理方法の構成例を示す図である。
まず、本発明の基本的な実施形態について、図1を用いて以下に説明する。
本発明は、紙パルプ工場排水のような処理の難しい排水の回収再生処理において、膜を閉塞させる原因となる難分解性の有機物や繊維質の懸濁物質を効率良く除去するため、前処理として最初に凝集分離工程1を用いる。通常、凝集処理においては凝集剤の種類によって多少異なるが、概ねpHが6.5〜7.5程度の中性領域で処理することが一般的である。しかしながら、本発明ではこの工程をpH3〜6の酸性領域で凝集させることにより、原水中に含まれる有機物を効率的に低減することが可能となる。凝集処理のpHの範囲は上述した範囲であれば一定の有機物低減効果が得られるが、pHが低くなると装置や配管の腐食が問題となり、耐食性の高い高コストの材質を選定しなければならなくなるため、経済性と有機物の低減効果を両立するためには、pHが4.5〜6の範囲で凝集させることが好ましい。さらに好ましくはpHが5〜5.5の範囲である。
また、本発明の凝集分離処理工程で用いる凝集剤としては、特に種類を限定するものではなく、例えばポリ塩化アルミニウム(PAC)や、硫酸バンド等のアルミニウム系凝集剤の他、塩化第二鉄(FeCl)や硫酸第二鉄(FeSO)、ポリ硫酸第二鉄やポリシリカ鉄(PSI)のような鉄系凝集剤、あるいはポリアクリルアミドやポリグルタミン酸のような高分子系凝集剤等を適宜選択し、あるいは組み合わせて使用することができるが、上述したように酸性領域で凝集処理を行うため、凝集剤の種類としては、広い範囲で凝集を起こすことが可能な塩化第二鉄や硫酸第二鉄、あるいはポリ硫酸第二鉄等の鉄系凝集剤を用いるのが好ましい。
さらに、塩化第二鉄や硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などはそれ自体が酸性を示すため、原水の性状や凝集剤の添加量によっては、凝集剤の添加だけで処理に最適なpH範囲を得ることが可能であるが、それ以外の場合は凝集分離処理のpHを上述した範囲に調整するため本発明では凝集剤と同時にpH調整剤を添加することによって目標のpHに調整することもある。pH調整剤としては原水のpHや凝集剤の種類や添加量、さらに目標とするpHの値によって、酸を用いることもあればアルカリを用いることもある。具体的には、酸としては硫酸、また、アルカリについては水酸化ナトリウムを用いるのが経済的であり、かつ添加量も少なくて済むため好ましい。
本発明の凝集分離工程1では、まず、原水に上述した薬剤を適宜原水に添加し数分間、急速撹拌することによって凝集反応を起し、原水中の有機物や懸濁物質を取り込んだ凝集体を形成させる。さらにその後、数分間ゆっくりと撹拌することにより水中に形成された凝集体を成長させ、その後、分離工程で凝集分離処理水2と凝集汚泥に分離する。この分離工程については、沈殿槽を用いた沈殿分離や浮上槽を用いた浮上分離を用いることができる。沈殿分離については横流式や中心駆動式、傾斜板式等、種々形式があるが、本発明では特にその形式を限定するものではない。また、浮上分離についても加圧浮上式や分散空気式、あるいは電解式など種々方式があるが、これらについても特にその形式を限定するものではない。しかしながら、本発明の処理対象とする紙パルプ工場排水のように軽質の有機物や懸濁物質が主体の原水においては、沈殿分離よりも浮上分離の方が分離速度が速く、処理効率が高くなるため好ましく、さらには加圧浮上式が処理効率が高く、かつ経済的である点で好ましい。本工程の凝集分離により得られる凝集分離処理水2は処理時のpHによって左右されるが、原水と比較すると、概ね有機物(COD−Cr)としては原水中に含まれる量の20〜50%程度、懸濁物質(SS)としては原水に含まれる量の5〜20%まで低減することが可能となる。なお、凝集分離工程1で使用する薬品(凝集剤、pH調整剤)の添加量については原水の性状によって適宜決まるものであり、本発明では特に限定するものではない。
次に、本発明では、凝集分離工程1で得られた凝集分離処理水2を、さらにろ過処理工程3で処理することによって、その処理水4を逆浸透膜分離工程5に供給可能なレベルにまで清澄化する。ろ過処理工程3ではその方式を特に限定するものではなく、例えばシリカサンドやアンスラサイトを用いた単層ろ過や複層ろ過等の砂ろ過や、アクリルやポリエステルの短繊維、あるいは長繊維を用いた繊維ろ過、または精密ろ過(MF)や限外ろ過(UF)等の膜ろ過を用いることができるが、そのろ過処理水4の清澄度やろ過処理の安定性等を考慮すると、精密ろ過(MF)あるいは限外ろ過(UF)膜を用いるのが好ましい。さらに好ましくは限外ろ過(UF)膜を用いるのが、ろ過処理水4の清澄度が非常に高くなり、後段の逆浸透膜分離工程5の運転が安定するために良い。また、膜ろ過の材質や形態についても、所定の処理水質が安定して得られるものであれば特に限定するものではなく、例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスルホン(PS)、三酢酸セルロース(CTA)等の高分子や、アルミナ、シリカ、ガラス等の無機材質を使用することができる。また形態についてはプレートアンドフレームスパイラル型のような平膜や中空糸膜、あるいは管状膜を使用することができるが、運転の容易さ、安定性、耐薬品性、および処理水質や経済性等を考慮すると材質としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、形態としては中空糸膜を用いた限外ろ過(UF)膜を用いるのが好ましい。
また、ろ過処理工程3においては、前工程である凝集分離工程1において使用される凝集剤が極微量であるが漏洩し、ろ過処理工程3を通過して逆浸透膜分離工程5において濃縮される過程で析出し逆浸透膜表面に付着、堆積して膜閉塞を起こす危険性があるため、ろ過処理工程3の供給水(凝集分離処理水2)にアルカリ剤を添加してpHを6.5〜7.5の中性領域に戻してからろ過を行うことが、ろ過の前で処理水に残留している凝集剤が析出し、それがろ過によって除去されるため好ましい。また、アルカリ剤と同時に酸化剤を併用添加すると、凝集剤の酸化が促進され、析出が容易となるのでさらに好ましい。ここで、アルカリ剤としては例えば水酸化ナトリウムを使用することができ、酸化剤としては安価な次亜塩素酸ナトリウムを使用することができる。勿論、これら以外の薬剤を使用することについても、同様な効果を発現し、ろ過処理工程や逆浸透膜分離工程への悪影響がなければ、本発明は何らその種類を限定するものではない。なお、ろ過処理工程3で使用する薬品(酸化剤,pH調整剤)の添加量については原水(凝集分離処理水2)の性状によって適宜決まるものであり、本発明では特に限定するものではない。
ろ過処理工程3で得られるろ過処理水の水質については、その清澄度を示す指標としてSDI(Silt Density Index)を用いると、逆浸透膜分離工程5の供給水としては4以下、好ましくは3以下の値が要求されるが、上述した実施形態を用いることにより、要求水質を満足することが可能となる。さらに上述の好ましい実施形態を採用すれば、SDIの値はさらに低下し、逆浸透膜分離工程5の運転安定性を向上させることが可能となる。
上述の方法で清澄化されたろ過処理水4は逆浸透膜分離工程5に供給され、所定の圧力に加圧されて逆浸透膜(RO)モジュールにより逆浸透膜透過水6と逆浸透膜濃縮水7に分離される。ここで逆浸透膜モジュールとは逆浸透膜エレメントを圧力容器に収納したものであるが、逆浸透膜エレメントについては、材質としては架橋芳香族ポリアミドや酢酸セルロースなどの高分子素材が用いられ、形態としては平膜を用いたスパイラル型、プレート・アンド・フレーム型構造のものや、中空糸膜構造のものを適宜使用することができ、その材質や形態を特に限定するものではないが、透過水の水質が良く、かつ取り扱いが容易で経済性に優れている点で、架橋芳香族ポリアミドを用いたスパイラル型エレメントを用いるのが好ましい。
なお、逆浸透膜分離工程5に供給されるろ過処理水4においては、前工程であるろ過処理工程3で酸化剤を添加する場合があり、酸化剤が残留する可能性がある。したがって、逆浸透膜に架橋芳香族ポリアミドのような酸化剤により酸化劣化を引き起こす危険性がある材質を用いる場合は、供給水であるろ過処理水4に所定量の還元剤を添加し、残留している酸化剤を中和する必要がある。還元剤の種類としては、重亜硫酸ナトリウム(SBS:NaHSO)やチオ硫酸ナトリウム(Na)等を用いるのが、安価で効果が高いため好ましい。また、これら還元剤の添加量については、他の薬品と同様、原水(ろか処理水4)の性状や前工程における酸化剤の添加量、あるいはろ過処理水4に残留する酸化剤の濃度によって適宜決められるものであり、本発明では特に限定しない。
逆浸透膜分離工程5で得られた逆浸透膜透過水6は、有機物や有害な物質をほとんど含まず、塩分濃度も低くなっているので、工業用水や飲料水あるいは灌漑用水等、目的に応じて適宜、殺菌等の後処理を施した上で再生水として利用される。
一方、逆浸透膜濃縮水7の方は原水の水質にもよるが、化学的酸素要求量(COD)やpH、色度等、排水規制の基準値を満足していれば、そのまま河川や海域に放流することが可能である。しかしながら、原水の水質が悪い場合は、逆浸透膜分離工程5において排水規制の対象となる成分が濃縮されて基準値を超えてしまう場合があり、その場合は別途、逆浸透膜濃縮水7を排水基準を満足するように処理する必要がある。
次に上述した逆浸透膜分離工程5からの逆浸透膜濃縮水7の処理方法について図2を用いて説明する。本発明の逆浸透膜透過水の製造方法によれば、前処理に当たる凝集分離工程1においてpHが3〜5の酸性領域で凝集分離を施すことにより有機物の濃度を下げ、それをろ過処理によって清澄化しているため、逆浸透膜分離工程5から排出される逆浸透膜濃縮水7については排水規制の主要な項目である懸濁物質(SS)濃度については特に問題とはならないが、化学的酸素要求量(COD)や生物学的酸素要求量(BOD)、色度等は難分解性の溶解性有機成分が主体であるため、前処理で完全に除去することができず逆浸透膜分離工程5で濃縮される。したがって、逆浸透膜濃縮水7の処理方法としてはこれらの成分を効率的に分解し、低減する方法が求められる。
本発明では上記の点に着目し、逆浸透膜分離工程5の逆浸透膜濃縮水7を処理する方法として、難分解性有機物を酸化して分解する酸化分解工程8を適用することによって効率的に処理し、処理排水の水質を排水基準に適合させることが好ましい。
ここで、酸化分解工程8に用いる酸化分解法については、ヒドロキシラジカル(・OH)を生成してその強力な酸化力を利用する促進酸化法の一種であるフェントン法や二酸化チタンを用いた光触媒法の他に、オゾンや紫外線をそれぞれ単体で用いるか、あるいは組み合わせることにより酸化分解を行う方法等があり、本発明では原水水質や目標水質に応じてこれらの酸化分解法を適宜選択し採用することができるが、特殊な設備を必要とせず設備コストを抑えることが可能なフェントン法を用いるのが好ましい。さらには該フェントン法で発生する三価の鉄を含む凝集汚泥を回収し、酸を用いて溶解処理を行い鉄含有溶液を得た後、その鉄含有溶液を前処理の凝集分離工程1の凝集剤として再利用する工程を組み入れることにより、凝集剤の使用量やコストを低減することができるため、より好ましい。
ここで、酸化分解工程8に上述したフェントン法を採用した場合の処理例について、図2を用いて以下に詳しく述べる。
フェントン法は酸性領域において、二価の鉄イオンが過酸化水素に触媒的に反応して、強力な酸化力を有するヒドロキシラジカル(・OH)を連鎖反応的に発生させ、これにより有機物を分解する方法であり、本発明ではこの反応を起こさせるため逆浸透膜分離工程5の逆浸透膜濃縮水7に二価の鉄化合物である硫酸第一鉄(FeSO)を添加し、さらに酸化剤である過酸化水素(H)を添加する。このとき、ヒドロキシラジカルの生成反応を効率良く起こさせるため逆浸透膜濃縮水7のpHは2〜3の範囲にする必要があるが、硫酸第一鉄と過酸化水素の添加によりpHが上記の範囲(2〜3)に収まらない場合は、硫酸(HSO)を添加してpHを調整しても良い。また、これらの薬品を添加する際は、十分に混合しヒドロキシラジカルの生成反応や有機物の酸化分解反応が均一かつ十分に行われるよう反応槽を設け、槽内で十分に撹拌混合するのが好ましい。また、上記の酸化分解反応を十分に進めるため、該反応槽の滞留時間としては少なくとも10分以上、好ましくは30分以上確保するのが良いが、長くとも60分あれば十分である。
次に、フェントン法では酸化分解工程8で有機物が酸化分解された酸化分解処理水9には、三価の鉄イオンが含まれているため、これに水酸化ナトリウム(NaOH)を加え、中和することにより水酸化物として鉄を水中に析出させ、さらに凝集剤を添加して鉄の水酸化物を凝集沈殿分離することにより、処理排水11と凝集沈殿汚泥12に分離する凝集沈殿分離工程10を経る。このとき、添加される凝集剤としては、特に限定するものではないが、ポリアクリルアミドやポリグルタミン酸等の高分子系凝集剤を用いるのが、凝集効果が高く好ましい。また、凝集沈殿分離工程10は、通常、凝集反応槽と沈殿槽から構成されるが、これら各槽における滞留時間については、原水や酸化分解処理水9の性状によって適宜決定されるものであり、本発明においては特に限定するものではない。
なお、本発明の濃縮水処理工程、すなわち酸化分解工程8および凝集沈殿分離工程10において使用される各薬品の添加量についても、原水や逆浸透膜濃縮水7の性状によって適宜決められるべきものであり。本発明においては特に範囲を限定するものではない。
次に、本発明においては、その特徴の一つとして該凝集沈殿分離工程10で発生した鉄の水酸化物からなるスラリー状の凝集沈殿汚泥12を回収し、これを鉄溶解工程13において、酸で溶解することにより三価の鉄イオンを含む水溶液とすることにより、鉄(III)溶液14を最初の回収再生処理における凝集分離工程1の凝集剤として再利用することが可能な点がある。これにより本発明のプロセスで使用する凝集剤の量を削減することが可能となり、薬品コストの低減を図ることができる。ここで、凝集沈殿汚泥12の溶解に用いる酸の種類としては、例えば塩酸や硫酸、硝酸等の無機酸を用いるのが好ましく、これらの中では硫酸を用いるのが溶解性が高く、かつ安価である点で特に好ましい。また、鉄溶解工程13における溶解手段としては特に限定するものではないが、凝集沈殿汚泥12のスラリーを溶解槽に供給し、該溶解槽内に酸を加えて撹拌溶解する方法が簡易である点で好ましい。
本発明の逆浸透膜透過水の製造方法は、原水が有機物を含有する排水であれば特に種類を問わず用いることができるが、有機物が難分解性である方が本発明の逆浸透膜透過水の製造方法の効果が高く、その中でも特に処理の困難な有機物を含む紙パルプ工場から排出される総合排水を凝集処理および/または生物処理した後の高次処理水を回収再生処理するのが、その効果を最も発揮することができ、逆浸透膜や、その前処理として用いるろ過工程の汚染や閉塞を抑制し、再生水を安定、かつ低コストで製造するとともに、該回収再生処理工程から排出される逆浸透膜濃縮排水の水質を改善し、放流可能なレベルに浄化することが可能となるので好ましい。
1:凝集分離工程
2:凝集分離処理水
3:ろ過処理工程
4:ろ過処理水
5:逆浸透膜分離工程
6:逆浸透膜透過水
7:逆浸透膜濃縮水
8:酸化分解工程
9:酸化分解処理水
10:凝集沈殿分離工程
11:処理排水
12:凝集沈殿汚泥(スラリー)
13:鉄溶解工程
14:鉄(III)溶液

Claims (7)

  1. 有機物を含む原水に凝集剤を添加して凝集分離を行って凝集分離処理水を得る凝集分離工程と、前記凝集分離処理水をろ過してろ過処理水を得るろ過処理工程と、前記ろ過処理水を逆浸透膜により逆浸透膜透過水と逆浸透膜濃縮水に分離する逆浸透膜分離工程を含む逆浸透膜透過水の製造方法において、前記凝集分離工程をpHが3〜6の酸性領域で行うことを特徴とする逆浸透膜透過水の製造方法。
  2. 前記凝集分離工程において凝集沈殿分離または凝集加圧浮上分離を行う請求項1に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
  3. 前記ろ過処理工程において精密ろ過膜または限外ろ過膜を用いる請求項1または2に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
  4. 前記逆浸透膜濃縮水を酸化分解処理した後、放流することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
  5. 硫酸第一鉄と過酸化水素を用いて前記酸化分解処理を行う請求項4に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
  6. 前記酸化分解処理により得られた三価の鉄を含む凝集汚泥を回収し、酸を用いて溶解し鉄含有溶液を得た後、前記鉄含有溶液を前記凝集分離工程における前記凝集剤として再利用することを特徴とする請求項5に記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
  7. 有機物を含む原水が、紙パルプ工場から排出される総合排水を凝集処理および/または生物処理した後の、高次処理水であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の逆浸透膜透過水の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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