JP2013244458A - 多孔質膜のウィルス除去率評価方法 - Google Patents

多孔質膜のウィルス除去率評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウィルス除去性能を有する多孔質膜のウィルス除去性能を評価するに際し、膜素材等の条件に限定されることなく、かつ、簡便にウィルス除去性能をより正確に検査することを目的とする多孔質膜の評価手法を提供する。
【解決手段】下記の工程(1)〜(3)からなる多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。工程(1):粒径が10nm以上80nm以下の水酸化鉄コロイドを含むコロイド粒子液3を、評価される多孔質膜6を用いてろ過し、該水酸化鉄コロイド粒子液を透過したろ液を採取する工程。工程(2):前記コロイド粒子液及び工程(1)で採取されたろ液を、分光光度計を用いて各液の吸光度を測定する工程。工程(3):前記各液の吸光度から、水酸化鉄コロイド粒子の除去率を求め、さらにその値からウィルス除去率を換算する測定工程から多孔質膜のウィルス阻止率を推測する工程。
【選択図】図1

Description

本発明は、浄水処理や再生水処理等に用いる多孔質膜のウィルス除去率評価方法に関するものである。
近年、上下水の除濁や高次処理、工業排水の清澄化などの浄水分野において分離膜を使用した浄水モジュールが導入されるようになっている。これらの浄水モジュールに使用される分離膜には、精密ろ過膜(MF膜)や限外ろ過膜(UF膜)などの多孔質膜が使用されるが、特にウィルス除去性能が要求される場合は、限外ろ過膜が好ましく用いられる(非特許文献1)。
従来、ウィルス除去性能が要求される多孔質膜の性能評価手法としては、MS2ファージを用いた除去率測定が知られている(非特許文献2)。MS2ファージを用いた除去率測定より、ウィルス除去率の性能としては対数除去係数(Logarithmic Reduction Value:LRV)が用いられることが多く、例えば多孔質膜のウィルス除去性能としてLRVが4以上というようなウィルス除去性能が要求される。しかしながら、MS2ファージを用いたウィルス除去率測定はウィルスの培養が難しく、取扱いも極めて困難であるといった問題がある(特許文献1)。
一方、ウィルス除去性能を有する多孔質膜においては、既に代替粒子を用いた膜のインテグリティ試験方法が開示されている。インテグリティ試験とは、タンパクや生理活性物質等を含む溶液の中からウィルスを除去する目的で使用されるウィルス除去膜の使用後(場合によっては、使用前の)の性能確認のために行われる試験のことである。インテグリティ試験として、(a)バブルポイント法、(b)膜が有する孔径分布の大きい孔の割合を測定する方法(例えば、液体−液体の低い界面張力を利用する方法)、(c)代替粒子の濾過による方法がすでに知られている(特許文献2)。
特許文献2にも記載のとおり、(a)バブルポイント方法の測定原理は、気体−液体の表面張力差を利用し、気体圧力かけ最初に気泡が発生した圧力をバブルポイント値と定義するものである。従って、膜の孔のうち一番大きな孔を検出するものであり、孔数の割合など孔の分布に対しては考慮されておらず、ウィルス除去率との対応が必ずしも良好でなく、膜によってはバブルポイントまで圧を上昇する前に膜が物理的に破損するといった欠点がある。
一方、(b)膜が有する孔径分布の大きい孔の割合を測定する方法も種々知られているが、前述のバブルポイント圧を用いて、下式(1)を用いて孔径を算出する方法が知られている。(非特許文献1)
<式1>
D=4γcosθ/P (1)
(ここで、D:細孔径[m]、P:バブルポイント圧[Pa]、γ:液体の表面圧力[N/m]、θ:接触角[rad])
式(1)において、気泡が放出される瞬間はθ=0となるため、式(1)は、式(2)のようになる。
<式2>
D=4γ/P (2)
ところで、式(1)および式(2)によれば、微細な孔からの気泡を放出するには、Pを大きくする、すなわち高い圧力をかける必要がある。特に、ウィルス除去性能を有する膜の場合必要な平均孔径は数十nmオーダーとなる(例えば、MS2ファージの直径は約30nm程度であることが知られている。)。してみると、純水の室温(20℃)における表面張力は約0.073[N/m]であることから、その測定に必要なバブルポイント圧で少なくとも10MPa以上となる。したがって、多孔質膜の素材によっては、このような圧力に耐えることができず、バブルポイントを測定するまでに膜が破壊あるいは破裂することで計測できないという問題がある(非特許文献3)。
さらにまた、(c)代替粒子の濾過による方法としては、金コロイドを利用したインテグリティテスト方法が知られている。当該方法は、ウィルス粒子のかわりに金コロイド粒子を含む溶液でフィルターを濾過し、その除去性能を測定することを特徴とするものである(特許文献2)。
しかしながら、金コロイドは、ある種のタンパク質との相互作用が強い(例えばグロブリンを吸着する。)。膜表面や内部の孔にタンパク質が残存すると、見掛け上微粒子除去能は増加するという問題があった。また、金コロイド溶液自体が高価かつ入手が困難であり、直接法などで全数調査を行うことは困難であったという問題があった。
特表平9−509831号公報 特許第3328857号公報
膜ろ過技術(p10、12〜13)、工業調査会、2006年発行 J.of Memb.sci.,326(2009)111−116 膜ろ過技術(p56〜58)、工業調査会、2006年発行
本発明は、上述のような課題を解決するものであり、ウィルス除去性能を有する多孔質膜のウィルス除去性能を評価するに際し、膜素材等の条件に限定されることなく、かつ、簡便にウィルス除去性能をより正確に検査、特に非破壊検査による全数検査することを目的とする多孔質膜の評価手法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決しうる本願発明は、下記の工程(1)〜(3)からなる多孔質膜のウィルス除去率評価方法である。
下記の工程(1)〜(3)からなる多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
工程(1):粒径が10nm以上80nm以下の範囲内に分画された水酸化鉄コロイドを含むコロイド粒子液を、評価される多孔質膜を用いてろ過し、該水酸化鉄コロイド粒子液を透過したろ液を採取する工程。
工程(2):前記コロイド粒子液及び工程(1)で採取されたろ液を分光光度計を用いて各液の吸光度を測定する工程。
工程(3):前記各液の吸光度から、水酸化鉄コロイド粒子の除去率を求め、さらにその値からウィルス除去率を換算する測定工程から多孔質膜のウィルス阻止率を推測する工程。
特に、酸化鉄コロイド粒子の粒径が20nm以上30nm以下に分画されていると、精度がより高くなるため好ましい。
以上のように、本発明のウィルス除去率評価方法によれば、培養と取り扱いとその除去率評価の難しいウィルスの代替粒子用いる水酸化鉄コロイド粒子は簡便に入手することができ容易に測定に用いることができる。特に、粒径10nm〜80nmに分画した水酸化鉄コロイド粒子を含むコロイド粒子液を用いることより、ウィルス除去膜のウィルス除去性能が簡便に予測できる。
本発明の多孔質膜の評価に用いるデッドエンドろ過試験装置である。 実施例1のMS2除去率と水酸化鉄コロイド粒子濃度の関係を示すグラフである。
以下、本発明の多孔質膜のウィルス除去率評価方法の一例を示して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例示に必ずしも限定されない。
(本発明の対象となる多孔質膜)
本発明の評価方法が対象とする多孔質膜は、ウィルス除去性能を有する膜である。分画に寄与する孔の平均孔径としては、数十〜数百nmの孔径を有する膜を用いることが好ましい。一般的にこのような多孔質膜は限外ろ過膜と呼ばれている。
膜の形状は平膜・中空糸膜等のいずれでも好適に用いることができる。さらに、膜基材も、通常膜基材に用いることができるいかなるものであっても用いることができるが、例えば、ポリスルホン、セルロース、ポリフッ化ビニリデンなどからなる熱可塑性高分子である中空糸膜を用いることができるが、耐薬品性の観点からポリフッ化ビニリデン膜を用いることが好ましい。
また、評価する多孔質膜の形態としては中空糸膜であると、水酸化鉄コロイド粒子液のデッドエンドろ過のしやすさから好適に用いることができる。
(水酸化鉄コロイド粒子液)
本発明に用いる水酸化鉄コロイド粒子は粒径が、10nm〜80nm、好ましくは15nm〜35nm、さらに好ましくは20nm〜30nmの範囲内に分画されたものを用いる。水酸化鉄コロイド粒子径が10nmより小さいものを実質的に含む場合は、阻止率の一般的な指標となるMS2ファージと比較して小さすぎ、また80nmより大きい場合は、分子径サイズが大きすぎるため、MS2ファージの除去率を推測に用いることは困難である。また、粒径80nm以上はコロイド粒子自体が不安定となりやすく、ろ過中に崩壊する恐れがある。
よって、これらの条件では、MS2ファージの阻止率との相関性が著しく低下するおそれがある。水酸化鉄コロイド粒子は赤褐色の有色粒子であるため、分光光度計を用いた吸光度測定によるろ液濃度測定が容易になる。
なお、本発明の酸化鉄コロイド粒子液は、市販の粒径既知の水酸化鉄コロイド粒子液を用いてもよく、公知の方法により、微粒子及び巨大粒子をカットし分画した水酸化鉄コロイド粒子を純水等の中に分散させコロイド溶液を調整してもよい。分画においては、上限及び下限を厳密に10nm(20nm)および80nm(30nm)とする必要は必ずしもなく、10nm〜80nm(20〜30nm)内に入るようにすればよい。
工程(1)で用いる水酸化鉄コロイド粒子液の濃度は、0.001〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
水酸化鉄コロイド粒子液の濃度が0.001質量%より小さい場合は、水酸化鉄コロイド粒子の溶液中での安定性が低下し凝集し沈降してしまう恐れがあるため、MS2ファージ除去率との相関性が著しく低下する問題がある。一方、水酸化鉄コロイド粒子液の濃度が1質量%より大きい場合は測定する膜によっては、膜の目詰まりの問題がある。
本発明の液の調整やろ過液には、測定濃度調整等の必要に応じて中性または弱酸性(pH4〜7、より好ましくは4前後)とすることが水酸化鉄コロイドの安定性の点から好ましい。特に、低濃度の無機酸水溶液、中でも希塩酸を用いることでより簡便に液の濃度およびpHの調整を行うことができる。
(工程(1))
工程(1)は、評価対象とする多孔質膜にて、水酸化鉄コロイド粒子液をろ過する工程である。ろ過は、測定時間短縮、水酸化鉄コロイド粒子液少量化、測定設備と工程の簡略化の理由からデッドエンドろ過であることが好ましい。
ろ過する多孔質膜を用いて膜モジュールを作製し、評価に供する。膜モジュールの構造としては、多孔質中空糸膜を用いた場合には、ポッテイング樹脂(ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)を用いて固定した形状の膜モジュールが例示される。ろ過する前の水酸化鉄コロイド粒子液と多孔質膜でろ過された水酸化鉄コロイド粒子液を、各々採取する。デッドエンドろ過するために水酸化鉄コロイド粒子液は加圧されるが、加圧ろ過圧力は、多孔質膜の構造に影響しないような圧力以下、具体的には約70kPa程度であればよい。
(安定化剤)
また、本発明で溶液中に水酸化鉄コロイド粒子の安定化剤を添加してもよい。安定化剤としては、多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、界面活性剤等のポリマーを好適に用いることができる界面活性剤としてはポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが挙げられ、TritonX−100 、Tween20、Tween80等を用いることができる。
(工程(2))
工程(2)では、工程(1)で採取したろ過液および水酸化鉄コロイド粒子液を、分光光度計を用いて吸光度を測定する。測定する吸光度は水酸化鉄コロイド粒子液によるため、水酸化鉄コロイド粒子液を分光光度計で測定して吸収スペクトルが極大となる波長を決定する。決定した吸収波長にて水酸化鉄コロイド粒子液および多孔質膜でろ過した後の液を用いて測定する。
ろ過前の水酸化鉄コロイド粒子液の吸光度をCo、多孔質膜でろ過した後の吸光度をCfとすると、評価対象とする多孔質膜の水酸化鉄コロイド粒子液の除去率(%)は、特許文献4に示されるような式(3)より求められる。
<式3>
水酸化鉄コロイド除去率(%)=100−〔{(Co−Cf)/Co}×100〕 (3)
(工程(3))
このようにして式(3)から求めた水酸化鉄コロイド粒子の除去率は、実施例で示すようにMS2の対数除去率(LRV)と対比することにより、MS2の阻止率の推測が可能である。
以下に、実施例により発明をさらに詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
(水酸化鉄コロイド粒子液の調整)
水酸化鉄コロイド粒子液としては、セパシグマ製のFCP20(0.1質量%、水酸化鉄コロイドの分画粒径20〜30nm、pH=4.0)を用いた。
(吸光度の測定)
吸光度は、(株)日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計U−1800を用いて測定を行った。多孔質膜の評価の前に水酸化鉄コロイド粒子液の吸光度を測定し、吸収スペクトルが極大となる波長は480nmであった。この波長にて、ろ過前および多孔質膜でろ過した後の水酸化鉄コロイド粒子液の吸光度を測定した。
(水酸化鉄コロイド粒子液のろ過試験)
図1に示すろ過装置を用い、以下の手順にて水酸化鉄コロイド粒子液のろ過試験を行った。膜モジュールをろ過試験装置に取り付け、膜モジュール内を純水で満たした。次いで、水酸化鉄コロイド粒子液をフィルターに対し70kPaで加圧して10mlろ過した。その後膜モジュールに通水液を70kPaで加圧して流し、10mlずつろ液を採取した。各ろ液の吸光度と原液の吸光度を測定し、Beerの法則により、入射光が溶質によって吸収される割合は濃度に比例する原理を用いて、吸光度からろ液に残存する水酸化鉄コロイド粒子の濃度を算出し、以下の式から除去率を求めた。
<式4>
水酸化鉄コロイド粒子除去率(%)=100−〔{(Co−CF)/Co}×100〕
ここで、ろ過前の水酸化鉄コロイド粒子液の吸光度をCo、多孔質膜でろ過した後の吸光度をCfである。
(MS2阻止率試験)
対数除去率は下記の式により求められる。
<式5>
[対数除去率(LRV)=log10(Co/Cf)]
ろ過前のMS2原液およびろ過液1ml中のMS2の定量は、宿主と混釈した平板培地に形成されるプラーク(pfu)を計数してMS2の値とした。定量は設定した希釈段階の10倍きざみで原倍から106倍までの6段階とし、30〜 200個のプラークが形成されたプレートの計数値からそのプレートの希釈倍数を掛けた値とした。
[培養条件]培地:Peptone/10g,Yeast extract/2g,
MgS0・7HO/1g,精製水/1L,Agar下層15g(上層6g),
pH:7.0,温度:36±1℃で18〜24時間培養
(水酸化鉄コロイド粒子除去率からMS2ウィルス阻止率の換算)
水酸化鉄コロイド粒子除去率を横軸に、MS2ウィルス阻止率を縦軸に相関図をプロットし、そのプロットから一次近似式を算出する。本実施例においては、以下の式2を得た。
<式5>
MS2ファージの阻止率(LRV)=287.62×ln(水酸化鉄コロイド粒子液除去率(%))−1314.4
この式により、水酸化鉄コロイド粒子の除去率から、MS2ウィルスの阻止率の予測が可能となり、限外濾過膜に求められるLRV4以上を満たす多孔質膜の水酸化鉄コロイド粒子除去率は96%以上であると推測される。
<実施例1>
上記水酸化鉄コロイド粒子液と通水液の調製条件に従い、水酸化鉄コロイド粒子除去率試験液を用意する。測定に用いる多孔質膜は、エタノールによって親水化されたポリフッ化ビニリデンからなる多孔質膜を用いた。多孔質膜は、ポリエステル製編紐を支持体とし、その上に膜基材ポリマーとしてポリフッ化ビニリデン、添加剤ポリマーとしてポリビニルピロリドンを用い非溶媒誘起相分離法による乾湿式賦形にて、製造された三菱レイヨン製中空糸膜を使用し、膜面積 0.0036mとなるように多孔質中空糸膜モジュール作成した。
このモジュールを用いて上記のMS2阻止率試験、および水酸化鉄コロイド粒子除去率測定を行い、その結果を表1と図2に示す。水酸化鉄コロイド粒子除去率とMS2阻止率(LRV)に相関が見られ、例えば、限外ろ過膜に求められるウィルス除去性能LRV4以上を満たす多孔質膜の水酸化鉄コロイド粒子除去率は以下の式から97.9%以上となることが推測された。
[MS2ファージの阻止率(LRV)=287.62×ln(水酸化鉄コロイド粒子液除去率(%))−1314.4]
Figure 2013244458
<比較例1>
水酸化鉄コロイド粒子の代わりに、MS2ウィルス相当の大きさを有する直径33nmのマグスフェア社製ラテックス粒子を用い、吸光度の測定波長を320nmとした以外は実施例1と同様に多孔質膜のろ過試験を行った。しかし、ラテックス粒子では吸光度の値が安定しなかったため吸光度測定が困難であり、ラテックス粒子の除去率(濃度)を決定することができなかった。
<比較例2>
水酸化鉄コロイド粒子の代わりに、MS2ウィルス相当の大きさを有する直径35nmの堺化学社製の酸化亜鉛粒子を用い、吸光度の測定波長を380nmとした以外は実施例1と同様に多孔質膜のろ過試験を行った。しかし、酸化亜鉛は凝集体での存在確率が高く、分散が困難であったため、MS2阻止率との相関を見出せなかった。
<比較例3>
水酸化鉄コロイド粒子の代わりに、MS2ウィルス相当の大きさを有する直径25nmの扶桑化学社製のコロイダルシリカ粒子を用い、吸光度の測定波長を320nmとした以外は実施例1と同様に多孔質膜のろ過試験を行った。しかし、コロイダルシリカは化学結合した2次粒子径での存在確率が高く、MS2阻止率との相関を見出せなかった。
本発明は、例えば、細菌類(長径約数十nm)や、HIV、マイコプラズマ、リケッチャ、クラミジア、ポリオ、肝炎ウイルス(A,BまたはC型)等のウィルス(15nm)またはプリオン(直径10nm)の除去に用いる多孔質膜の評価(完全性試験等)高い信頼度で用いることができる。
1:原液投入口
2:通液側三方コック(ボールバルブ)
3:コロイド溶液タンク
4:通水液タンク
5:吐出側三方コック
6:多孔質膜モジュール
7:ろ液吐出口

Claims (10)

  1. 下記の工程(1)〜(3)からなる多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
    工程(1):粒径が10nm以上80nmの範囲内に分画された水酸化鉄コロイドを含むコロイド粒子液を、評価される多孔質膜を用いてろ過し、該コロイド粒子液を透過したろ液を採取する工程。
    工程(2):前記コロイド粒子液及び工程(1)で採取されたろ液を、分光光度計を用いて各液の吸光度を測定する工程。
    工程(3):前記各液の吸光度から、水酸化鉄コロイド粒子の除去率を求め、さらにその値からウィルス除去率を換算する測定工程から多孔質膜のウィルス阻止率を推測する工程。
  2. 前記水酸化鉄コロイドの粒径が20nm以上30nm以下の範囲内である請求項1記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  3. 前記工程(1)におけるろ過が、デッドエンドろ過である請求項1または2に記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  4. 前記水酸化鉄コロイド粒子液の濃度が0.001〜1質量%である、請求項1〜3いずれか一項に記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  5. 前記コロイド粒子液には、水酸化鉄コロイド粒子の安定化剤が含まれる請求項1〜4いずれか一項に記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  6. 前記安定化剤が、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1以上のポリマーである請求項5に記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  7. 前記安定化剤が界面活性剤である請求項5に記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  8. 前記コロイド粒子液を純水または塩酸を溶媒として用いて調整する請求項1〜7いずれか一項に記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  9. 前記工程(1)を、ろ過通水を純水または希塩酸を用いて行う請求項1〜8いずれか一項に記載の多孔質膜のウィルス阻止率評価方法。
  10. 多孔質膜がポリフッ化ビニリデンからなる限外ろ過膜であることを特徴とする請求項1〜9いずれか一項に記載の多孔質膜の評価方法。
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