JP2013243119A - ガス拡散電極およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金族金属や金属酸化物より安価で電極活性の高いガス拡散電極を提供する。更に電極の劣化も防止され、従って電気化学システムの安定化と電極寿命の長期化を達成できるガス拡散電極を提供する。
【解決手段】導電性基体と、該導電性基体の表面に形成された、Ta、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含有する助触媒からなる助触媒層と、該助触媒層上に形成された、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh及びAgから選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物を含有する主触媒の微粒子を含有する触媒層を形成したガス拡散電極。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学プロセスに用いるガス拡散電極に関し、特にアルカリ、酸性水溶液での水素酸化、酸素還元、イオン交換膜を用いた燃料電池、食塩電解における酸素還元用ガス拡散陰極を提供することを目的とする。
ガス拡散電極は、反応原料であるガス成分の酸化あるいは還元を行うための電気化学用電極で、特に燃料電池用として盛んに開発が行われている。電解質として、リン酸、溶融塩、固体高分子電解質などがあるが、近年、低温作動型として固体高分子電解質型燃料電池が注目されている。
[燃料電池]
燃料電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換可能なクリーンかつ高効率な発電システムである。水素や有機炭素原料の酸化反応と、空気中の酸素の還元反応を組み合わせることにより、その起電力から電気エネルギーを得るものであり、特に1960年代の低温型宇宙用電池としての実用化で注目された後、最近、燃料電池自動車、小型可搬電源、家庭用電源として再び注目されている。
酸性電解質型における水素/酸素燃料電池の反応は以下のとおりである。
アノード: 2H2→4H++4e- (1)
カソード: O2+4H++4e-→2H2O (2)
アルカリ性電解質型における水素/酸素燃料電池の反応は以下のとおりである。
アノード: 4OH-+H2→4H2O+4e- (3)
カソード: O2+2H2O+4e -→ 4OH- (4)
正味の反応: 2H2+O2→2H2O (5)
燃料として水素のみならず、リチウム、亜鉛を負極とする2次電池の開発も期待されている。また原料として、メタノール、エタノール、エチレングリコール、などの他の有機物質も利用可能である。
アノード(メタノール原料の場合):CH3OH+H2O→6H++CO2+6e-(6)
水素酸化、メタノール酸化のアノード触媒、及び、酸素還元のカソード触媒として、白金などの貴金属が一般的に使用される。水素アノード触媒では、原料水素に含まれるCOなどの吸着物質が触媒特性に影響を与えるため、各種除去装置により原料中のCO混入率は10ppm以下に制御されている。メタノール燃料電池では、反応過程においてメタノール酸化で生じるCOなどの吸着による性能劣化が生じる。また、COが存在しない場合でも、長時間の使用により、触媒金属のシンタリングが進行し、性能が劣化することが報告されている。
白金などの単体触媒ではこのような欠点があるため、2元系又は多元系の触媒が開発され、優れた特性を発揮することが古くから報告されている。代表的な組成としてPt−Ru合金触媒がCO耐性に優れていることはよく知られており2〜3nmの粒子サイズを有するPt−Ru触媒をカーボン上に分散させた場合に、合金化によるCO耐性向上が確認されている。その原因としては、2元化のために添加された触媒に吸着した酸素種が、主触媒である白金表面の吸着種COと反応して、CO2となる反応を促進する機構の発現(Bifunctional mechanism)や、過電圧の小さいCO2が生成し得ない電位(或いはCOが除去されない電位)においても合金効果が生じることから、合金化により表面電子エネルギーレベルが変化し、COとの結合を弱めるように作用する機構(Intrinsic mechanism)などが提案されている(非特許文献1参照)。
触媒サイズの一般的な傾向としては、小さいほど活性が増大するが、5nm以下では結晶、露出割合、電子構造の変化、原料供給速度などの影響を受け、触媒性能が変化することも知られている。
合金触媒及びその製法について、これまでに多くの特許技術が開示されている。特許文献1では、金属合金を冶金的に製作し、これを酸洗浄した後、更に合金化しない金属を溶解することで三次元的に面積の大きい触媒を作製できることが開示されている。特許文献2では白金−鉄−銅からなる三元系触媒とその高温熱処理による製法が開示されている。特許文献3では白金−ルテニウムの、特許文献4では白金-スズ成分の開示がある。特許文献5にも合金化の技術が開示されている。特許文献6では酸素を微量添加した不活性雰囲気での焼成方法が開示されている。特許文献7では合金化としての熱処理技術が開示されている。特許文献8は炭素−白金の合金化処理で白金の格子定数は減少し、触媒活性が増加するが、格子サイズを安定化するような処理方法について開示している。特許文献9は不活性雰囲気下でのアルコールによる加熱還流による製法を開示している。
金属(合金含む)超微粉末を製造する方法として、気相化学反応法、液相還元析出法などが一般的である。前者では金属化合物を気化し、不活性雰囲気での熱分解法や、水素ガスによる気相還元法が主流となっている。
白金や白金合金の作製法については多種な方法が提案されている。その中でCravilier、Wieckowski、Adzicらは、清浄なルテニウムなどの貴金属基板上に既知量(多くは単原子層を形成するくらいの濃度)の異種貴金属(例えば白金)水溶液を滴下すると、二種の金属の酸化還元電位の差を駆動力として単原子層(濃度が濃い場合は多原子層)の金属析出が起こることを明らかにしている。参考文献として、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4などがある。
当初は金属粒子そのものが触媒として利用されたが、導電性基体(触媒基体)としてカーボン粉末に合金触媒を展開することで大幅な触媒使用量の低減が可能となった。カーボンへの固着は水溶液で分散し、還元剤と触媒イオンを混合し、表面に触媒を固着した後、熱処理を施すのが一般的であるが、処理工程が煩雑である。触媒の製法は、不活性雰囲気下、高温処理による合金触媒の製法が主に紹介されており、より安価に大量生産できる方法が求められている。
燃料電池では、貴金属と卑金属の合金でかつ超微粉末を得、かつ、これを用いた高性能な電池用触媒を得るために、より安全かつ安価な製造技術の開発が重要であり、また、電極基体と合金触媒の接合に関しても改良の余地が残されている。
[貴金属触媒以外の技術]
白金に替わる安価な触媒の検討は以前から行われており、白金等の貴金属は、高い電位においても安定で、かつ触媒能が高いため、各種の電気化学システムの電極用触媒に用いられている。しかし、白金の価格が高いことや資源量が限られていることから、白金を代替できる高活性の触媒が要望されている。水電解、有機電解、燃料電池などの分野において酸性電解質中で用いられる電気化学システム用の電極触媒として有用である。
酸性電解質に使用するガス電極における触媒に関しては、以下例示するように、多くの非貴金属触媒の開発が進められた。
特許文献10は、次の触媒を開示している。
燃料電池用負極触媒として優れた性能を有し、且つ、白金と比較して安価であって、しかも一酸化炭素の存在する雰囲気下においても優れた触媒活性を維持できる、燃料電池用の新規な触媒物質を提供する。金微粒子を含む燃料電池用負極触媒、更に、チタン、バナジウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、セリウム、タンタル、インジウム及びこれらの金属の酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分、及び/又は白金、ルテニウム及びルテニウムの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含む燃料電池用負極触媒が開示されている。
特許文献11では遷移金属であるモリブデンの窒化物について開示されている。特許文献12では、遷移金属である鉄の窒化物と貴金属の混合物が報告されている。特許文献13では、ZrO1/2Nを用いて触媒能及び安定性に優れた電極触媒が提案された。
特許文献14では、La、Ta、Nb、Ti、Zrからなる群から選択される少なくとも一つの遷移金属元素を含むオキシナイトライドからなる金属オキシナイトライド電極触媒が開示されている。
特許文献15では、酸素欠損を有するZrO2、Ta25、Nb25、SnO2、TiO2、V25、MoO3、WO3のうち、少なくとも一つの遷移金属酸化物を主触媒とし金を助触媒とし、酸性電解質に接触して可逆水素電極電位に対して0.4Vより高い電位で使用されることを特徴とする耐食性酸素還元用電極触媒が開示され、この触媒は、遷移金属酸化物及び金を微粒子として、又は遷移金属酸化物を金微粒子に被覆した微粒子として、電子伝導性粉末である触媒担体上に分散させるなどの形態で使用できる。
特許文献16は、安価で酸性電解質中で使用しうる電極触媒として、MXm/x〔式中、Mは、チタン原子、ランタン原子、タンタル原子、ニオブ原子またはジルコニウム原子を、Xは、窒素原子、ホウ素原子、炭素原子または硫黄原子をそれぞれ示し、mはMの価数を、xはXの価数をそれぞれ示す。〕で示される化合物の粉末を部分酸化することを特徴とし、例えば酸素を含む雰囲気中で上記粉末を焼成して部分酸化したものを提案している。
特許文献17は、二酸化ケイ素に白金またはその合金と、セリウム、ランタンおよびタンタルから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を担持した電極触媒であって、より実用性の高い燃料電池を製造可能な電極触媒、この電極触媒を用いた電極組成物および燃料電池を開示している。
特許文献18では、ゼロ価又は部分的に荷電した白金原子の原子的薄層によって少なくとも部分的に被包されている金属酸化物コアで構成され、或いは代わりに、又はさらに、前記金属酸化物コアが、ゼロ価又は部分的に荷電した白金クラスターに結合している、白金−金属酸化物複合粒子が提案されている。
上記特許文献記載の技術では、酸性電解質系の触媒開発において白金が利用されてきたが、貴金属の価格は非常に高いため、その使用量を最低限に減らす必要があり、非金属触媒に注目が集まっている。しかしながら安定性、寿命などについては課題が残っていため、対策として微量の貴金属で高性能を達成する技術を確立する方向も重要であるといえる。
主触媒である白金族金属と酸化物が混合された触媒に関して多くの提案はあるが、該触媒の上に酸化物を被覆することにより、水素酸化反応や、酸素還元反応の活性が高まる作用があることは、これまで報告されていない。アルカリ性電解質型においても、銀、パラジウムなどの高価な金属が多量に用いられているため、このような新規な技術を活用し触媒量を減少させることが不可欠である。
これらの従来技術以外の関連技術について説明する。
特許文献19は、有機溶媒を用いたTa、Nbの多孔性センサー材料の製造方法として、金属または金属合金上に、ニオブ層またはタンタル層を電着するために、五塩化ニオブまたは五塩化タンタルを含み、水と酸素を除いた炭酸プロピレン溶液で、0〜120℃の温度で周期的な電流反転により電析する技術が開示されている。
特許文献20は、ハロゲンを添加した有機溶媒を電解析出用溶液に使用することにより、金属種の溶解度で制約されることなく各種金属薄膜を作製する技術が開示されている。ケトン、アルコール類或いはこれらの混合物からなる有機溶媒にハロゲンを添加することにより、電解析出用溶液に金属又は合金製の陽極及び導電性陰極を浸漬し、直流電解によって陽極から金属イオンを溶出させ、金属薄膜又は金属化合物薄膜として陰極に析出させる。陽極材料に種々の金属や合金を使用できるが、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Cr、Alから選ばれたバルブメタル又はその合金を陽極に使用すると、該バルブメタルが金属の皮膜となって陰極表面に堆積する。ただし、電極触媒としての利用は想定していない。
特許文献21には、触媒として、オゾン水合成のための電解用電極技術が報告されている。平滑な基体上に白金、金、又は、導電性をもつ金属酸化物、例えば、酸化イリジウム、酸化パラジウム、又は、酸化ルテニウム、酸化物超伝導体などの上に、酸化チタン、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化ニオブなどの表面層を形成する。表面酸化物がTaOxのような酸素欠損した酸化物であることが報告されている。しかし、酸素還元、水素酸化反応に対しての活性向上、ガス拡散電極としての利用に関しては開示がない。
特許文献22は、導電性基体上の触媒層上に形成された水素吸着性層を含む水素発生用電極が開示されている。水素が関与する反応への効果は、水素原子のスピルオーバー、逆スピルオーバー現象として説明される。ただし、酸素還元に対しての活性向上に関しては開示がない。
本発明者等は、酸素還元に対する活性向上に関して研究を重ね、導電性基体表面に形成した白金族金属系等の主触媒粒子の表面に、タンタル等金属及び/又は金属酸化物を含む助触媒層を形成したガス拡散電極において、導電性基体表面に形成した主触媒粒子の表面に助触媒層を形成することにより、水素ガス酸化および酸素ガス還元活性が向上することを発明し、特許出願した(特許文献23)。然るに、特許文献23に開示された主触媒粒子の表面に助触媒層を形成した層構造では、助触媒層が最表面層となるため、酸素還元反応(ORR)の向上が必ずしも十分ではなかった。
米国特許第3428490号明細書 特開平2−61961号公報 特開平2−111440号公報 特開平2−111452号公報 特開平5-47389号公報 特開平6−246161号公報 特開平10−69914号公報 特開2001−52718号公報 特開2003−226901号公報 特開2004−146223号公報 特開2005−63677号公報 特開2005−44659号公報 特開2009−82909号公報 特開2005−161203号公報 国際公開第2006/019128号 特開2006−198570号公報 特開2007−35289号公報 特表2008−545604号公報 ドイツ国特許公開第3411321号公報 特開2003−129275号公報 特開2007−224351号公報 特開2008−240001号公報 特開2010−280974号公報
J. Applied Electrochem. 31, 325-334 (2001) 。 M. J. Llorka, J. M. Feliu, A. Aldaz and J. Clavilier, J. Electroanal. Chem., 1993, 351, 299。 S. Park, A. Wieckowski and M. J. Weaver, J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 2282、 S. R. Brankvic, J. MacBreen and R. R. Adzic, Surf. Sci., 2001, 479, L363
本発明は、上記の問題点を解決し、反応原料であるガス成分の酸化あるいは還元を行うための電気化学用ガス拡散電極、特に燃料電池用ガス拡散電極において、水素ガス酸化および酸素ガス還元活性を飛躍的に向上することのできるガス拡散電極及びその製造方法を提供することにある。
本発明における第1の課題解決手段は、上記目的を達成する為、導電性基体と、該導電性基体の表面に形成された、Ta、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含有する助触媒からなる助触媒層と、該助触媒層上に形成された、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh及びAgから選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物を含有する主触媒の微粒子からなる主触媒層とよりなることを特徴とするガス拡散電極を提供することにある。
本発明における第2の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記主触媒が、ランタン系金属、弁金属、鉄系金属、銀から選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物を含有するガス拡散電極を提供することにある。
本発明における第3の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記導電性基体がカーボン導電性基体であるガス拡散電極を提供することにある。
本発明における第4の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記助触媒の触媒量が、0.2mmol/m2から4mmol/m2であり、前記主触媒の触媒量(A)と前記助触媒の触媒量(B)とのモル比率(A/B)が0.20〜4.10であるガス拡散電極を提供することにある。
本発明における第5の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記主触媒がPt、助触媒がTaOxからなるガス拡散電極を提供することにある。
本発明における第6の課題解決手段は、上記目的を達成する為、導電性基体の表面に、Ta、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の塩を溶解した有機溶媒を用いためっきを行うことにより、前記基体上にTa、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含有する助触媒からなる助触媒層を形成し、しかる後、該助触媒層上に、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh及びAgから選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物を含有する主触媒の微粒子からなる触媒層を形成することを特徴とするガス拡散電極の製造方法を提供することにある。
本発明における第7の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記主触媒が、ランタン系金属、弁金属、鉄系金属、銀から選択される少なくとも1種類の金属及び/又は金属の酸化物を含有するガス拡散電極の製造方法を提供することにある。
本発明における第8の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記導電性基体がカーボン導電性基体であるガス拡散電極の製造方法を提供することにある。
本発明における第9の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記助触媒の触媒量が、0.2mmol/m2から4mmol/m2であり、前記主触媒の触媒量(A)と前記助触媒の触媒量(B)のモル比率(A/B)が0.20〜4.10であるガス拡散電極の製造方法を提供することにある。
本発明における第10の課題解決手段は、上記目的を達成する為、前記主触媒がPt、助触媒層がTaOxであるガス拡散電極の製造方法を提供することにある。
本発明のガス拡散電極によれば、カーボンのような導電性基体の表面に、活性の小さいTa、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含有する助触媒を、イオン性溶媒などの有機溶媒を用いためっき法などにより形成し、これを助触媒層とし、その表面にPt、Ir、Ru、Pd、Rh及びAgから選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物よりなる高価な主触媒を含有する主触媒層を形成することにより、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh及びAg等の高価な金属を単独で使用するガス拡散電極より、安価で活性の高いガス拡散電極を提供することができる。
本発明においては、TaOxとTa25等の活性の小さいTa、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含有する助触媒が共存し、導電性を発現すると同時に、酸素化学種のスピルオーバー現象に寄与し主触媒の活性が向上するものと考えられる。
更に、本発明の助触媒となる金属酸化物の表面には、自然酸化膜が形成されていることが確認されている。この場合、自然酸化物は実質上微量であるが、本発明では、助触媒層の一部を形成する有効な成分として機能している。
更に、本発明によれば、助触媒層の上に活性なPt等の主触媒を形成させることにより、主触媒の活性を向上することができるとともに、導電性基体であるカーボン微粉末の一部の表面もTaOx等によりメッキされるため、Pt等の主触媒のみならず導電性基体であるカーボン減耗も防止され、長期的安定性に貢献することができる。
更に、本発明によるガス拡散電極は、副反応で生成する過酸化水素等の活性酸素種の生成を抑制し、電極の劣化が防止される。従って電気化学システムの安定化と電極寿命の長期化を達成できる。
図1(a)は、本発明のガス拡散電極における酸素還元反応機構の推定を例示する概略図、図1(b)は、該ガス拡散電極の酸素吸着プロセス時における触媒作用を例示する概略図である。 図2(a)は、本発明のガス拡散電極におけるTaOxマトリックスよりなる助触媒層中に沈着したPt微粒子を示した図、図2(b)は、該ガス拡散電極のPt−O−Ta触媒構造を示した概略図である。 図3は、本発明のガス拡散電極を使用する燃料電池の一例を示す概略断面図である。 図4(a)、 (a’)は、比較例1のPt/GC板、 (b)、 (b’) は、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC、 (c)、 (c’)は、実施例2のPt/TaOx(8C)/GC、(d)、 (d’)は、実施例3のPt/TaOx(20C)/GC電極の電子顕微鏡写真である。 図5(a)、(b)および(c)は、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC電極のTa、PtおよびCのAESマッピングにおける分布を示したものである。 図6(a)、(b)および(c)は、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC電極の電子顕微鏡写真およびBSEMである。 図7(a)及び(b)は、それぞれ比較例1と実施例1の炭素Cの1sのXPSデータである。 図8は、実施例1、2、3のPt/TaOx(2C)/GC、Pt/TaOx(8C)/GC、Pt/TaOx(20C)/GC電極と比較例1のPt/GC板のサイクリックボルタモグラムを示したものである。 図9(a)、(b)、(c)は、比較例1、実施例1、2、3のPt/GC、Pt/TaOx(2C)/GC、Pt/TaOx(8C)/GC、Pt/TaOx(20C)/GC電極における回転リングディスク電極による測定結果であり、各電極をそれぞれ、(1)、(2)、(3)、(4)として示した。図9(a)は、ディスク電極での酸素還元電流−電位関係及びリング電極での過酸化水素の酸化電流−電位関係を、図9(b)は、ディスク電極での過酸化水素の生成割合−電位関係を、図9(c)は、ディスク電極の電流密度−電位関係(Tafelプロット)を示したものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明者は、前記した従来の問題点を解決するため、鋭意研究した結果、酸素還元反応(以下、「ORR」という)に対し高い電極触媒能を持つガス拡散電極触媒として、Pt含有量の少ないPt ナノ粒子担持TaOx修飾グラッシーカーボン(以下、「GC」という)である(Pt/TaOx/GC)の新しい複合材電極触媒の開発に成功したものである。
Pt/TaOx/GC電極触媒は、GC基体上にTaOxを電着し、更にPtの微粒子(ナノ粒子)を電着することにより製造した。この複合電極触媒の電気化学的特性及び電極触媒特性を調べるために、走査電子顕微鏡(以下、「SEM」という)、X線回折顕微法 (以下、「XRD」という)、 X線光電子分光(以下、「XPS」という)による表面特性分析とともに、サイクリックボルタメトリーと回転リングディスク電極ボルタメトリーを使用した。
その結果、Pt/TaOx/GC電極触媒は、水素及び酸素含有種のいわゆるスピルオーバー現象が観察され、Ptの電気化学的活性表面(以下、「ECSA」という)が著しく増加したことが実証された。PtとTaOxに関するXPS分析が、金属−酸化物担体相互作用を強力な証拠として示唆した。これらの結果に基づき、観察されたORR向上のメカニズムが推論された。
本発明においては、グラッシーカーボン(GC)等の導電性基体の表面に、まずTaOx等の助触媒の粒子を形成し、次に、Pt等の主触媒の微粒子を電気化学的に電析させた新規のPt/TaOx/GC電極触媒により、酸素還元反応(ORR)が飛躍的に向上することを実証したものである。ORRに対するPt/TaOx/GC 電極触媒の電極触媒能は、未修飾Pt/GCと比較し、0.60Vでの反応電流において2−20倍程度大きいことが分かった。SEM画像では、これら2種間の電極触媒にPtナノ粒子のサイズと分布に有意差は見られず、これらが観察されたORR作用を誘引する要素ではないことを示している。
酸素含有種のスピルオーバーは、PtとTaOxとの電子的相互作用により、Pt/TaOx/GC電極触媒でのORR向上のための支配的要因であると考えられる。ここで注目すべきことは、d軌道の電子はPtと酸化物間の電子的相互作用を強制的に引き起こすことである。一方、Ta25は、d軌道にPtと共有されるいかなる電子も持たない。Ptは、XPSスペクトルから明らかなように、Ta25層に担持されたと想定される。
図1(a)は、本発明のガス拡散電極における酸素還元反応機構を例示する概略図であって、ORR中、OHのPt表面からTaOxマトリックスへ酸素含有種のスピルオーバー効果を示したものであり、図1(b)は、該ガス拡散電極のPt−O−Ta触媒構造を示した概略図であり、Oブリッジを介してTaへの電子ドネーションによるO2とPtの相互作用の向上示した略図である。要約すると、図1(a)に示すように、(i) Pt表面に吸着したOHは、先ず、TaOxにスピルオーバーし、(ii) Pt中のd 軌道電子がTaにTaーOーPt架橋結合を通じて供与され、両者がPt表面へのO2吸着を促進し、(iii)最終的にORR向上がもたらされる。
図2(a)は、本発明のガス拡散電極におけるTaOxマトリックスよりなる助触媒層中に沈着したPt微粒子を示した図であり、図2(b)は、該ガス拡散電極のPt−TaOx触媒構造を示した概念図であり、Pt粒子はTaOx粒子に取り囲まれることで触媒性能が向上していることが推察される。
ORR向上には、XPS分析から明らかなように、PtとTaOx間の電子的相互作用からくる酸素含有種のスピルオーバーが重要な要素として強く示唆される。このスピルオーバー効果は、また、Pt/TaOx/GC電極触媒上で電気化学的に活発なPt表面積の増加をもたらしている。
更に、回転リングディスク電極のボルタメトリー測定から、この新規電極触媒は未修飾のものと比較し、明らかに限界電流が増加し、また、リング電流が減少しており、完全な4電子還元経路が確認される。これらの発見より、ORRの向上が観察された理由として、TaOxがスピルオーバー効果によってPt表面でのOH形成を減少させ、また、本発明によるガス拡散電極においては、Taへの電子供給により酸素吸着のためのPtのd軌道空孔を促進するという役割を果たしている、というメカニズムが考えられる。
[導電性基体]
導電性基体は、カーボンから成るクロス、繊維焼結体等の多孔性材料を用いることが望ましい。該基体はガス、液の供給、除去のため、適度の多孔性を有しかつ十分な導電性を保つことが好ましい。厚さ0.01〜5mm、空隙率が30〜95%、代表的孔径が0.001〜1mmが好ましい。カーボンクロスは数μmの細いカーボン繊維を数百本の束とし、これを織布としたものであるが、気液透過性に優れた材料である。カーボンペーパーはカーボン原料繊維を製紙法にて薄膜の前駆体とし、これを焼結したものであるが、これも使用に適する材料である。上記基体材料の表面の疎水性は運転とともに低下するため、長期的に十分なガス供給能を維持するために、疎水性バインダーを添加することが知られている。
前述の通り、導電性基体は高導電性であることが好ましい。前記カーボン材料は導電性ではあるが、金属に比較すれば劣っており、1mΩcm以下にすることは困難である。性能を改善し高導電性化する目的で、プレス加工を施すことが好ましい。プレス加工は、カーボン材料を圧縮することによって全体の導電性を高めるとともに、圧力を加えて使用した際の導電性変化を低減させ、かつ、触媒と導電性基体間の接合度が向上することによる導電性向上に寄与する。また、導電性基体および触媒の圧縮、及び触媒と導電性基体の接合度の向上によって、原料酸素ガスの供給能力も向上する。プレス加工装置としては、ホットプレス、ホットローラーなどの公知の装置を利用できる。プレス条件としては、室温〜360℃にて、圧力0.1〜5MPaが望ましい。
[助触媒の粒子]
助触媒層は使用状況における安定性があり、貴金属に比較して安価な材料であることが不可欠であり、Ta、Ti、Nb、Zr、Wから選ばれる少なくとも1種類以上の金属酸化物を含有する助触媒の粒子よりなる。この助触媒としては、Ta、Ti、Nb、Zr、Wから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を含有してもよい。
助触媒の粒子の平均付着量は、主触媒の微粒子の表面積に対する助触媒の触媒量(B)は、0.2mmol/m2〜4mmol/m2となるようにすることが好ましい。その理由は、助触媒の量が、0.2mmol/m2未満であると、触媒促進という特異的な効果が低下し、一方、4mmol/m2超であると電解の進行の妨げになるからである。更に、前記主触媒の触媒量(A)と前記助触媒の触媒量(B)のモル比率(A/B)は、0.20〜4.10とすることが好ましい。A/Bのモル比率は、助触媒の限定理由と同様の理由によるものであり、A/Bが0.20未満になると、触媒促進という特異的な効果が低下し、4.10超になると、電解の進行の妨げとなるためである。これらの数値限定の根拠は、後述する実施例に記載の通りである。
導電性基体上に形成する助触媒層は次に示すいずれかの技術を用いて形成することができる。
溶融めっきは、溶融金属中に基体を浸漬し、溶融金属を基体表面に付着させる方法である。必要に応じて付着過程において電流を流す。TaOxの場合、たとえばLiF−NaF(モル%として60:40)の溶融塩にK2Ta2F7を添加し、電気炉にてAr雰囲気下800℃に維持し、電流を流すことによりTaOx層を形成できる。
五塩化タンタルとアルキルイミダゾリウムクロライドと弗化リチウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の弗化物からなる溶融塩を電解浴に用い、低温の溶融塩電解浴を用いて、めっき法によりTaOx層を形成することもできる。
助触媒層を形成するその他の方法としては、CVDと称される化学蒸着法があり、半導体製造工程で汎用されている成膜技術である。低温で気化した金属塩と高温に加熱された固体との接触において、熱分解反応、水素還元反応、高温不均化反応等によって目的とする金属或いは金属化合物を析出させる方法である。例えば、無機塩の水素還元反応を利用する場合、Nbは水素によるNbCl5から低次のNb3Cl8の生成とその高温不均化反応による分解を繰り返しながら析出される。一方、TaはTaCl5から水素によって直接還元される。
助触媒層を形成するその他の方法としては、PVDと称される物理蒸着法も使用され、真空蒸着、スパッターリング、イオンプレーティングなどの手法があり、既存の市販装置を用いることができる。真空蒸着法は物理蒸着法の一態様であり、減圧された空間の中で、蒸着すべき金属を加熱し基体表面に付着させる。通常10-1〜10-2Paの範囲で制御する。スパッターリングも物理蒸着法の一態様であり、真空蒸着に比較して、低温で高融点物質の膜が得られる、大面積にわたって均一な膜が成形できる、合金組成に対応できる、応答性が速く制御しやすい、などの特徴を有し普及が進んでいる。イオンプレーティングもまた物理蒸着法の一態様であり、減圧したガス中の放電状態下でプラズマ化した金属イオンを電場で加速させ、負に分極した基体に蒸着させる方法である。スパッターリングより付き回り、均一性の点で品質良好な膜を得ることが可能である。
上記の成膜方法は、製作条件が厳しく、装置費用もかかり必ずしも容易な手段ではない。一方、有機溶媒を用いためっき法は、装置が安価で成膜が容易であり、工業化に有利である。水溶液ではめっきが困難なTaOxなどの金属も容易に成膜が可能であることが報告されている。
めっきに使用する有機溶媒としては、ポリカーボネートや、CH3CORで表される構造を有するメチルケトン系のものが好ましく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等またはこれらの混合物を用いることができる。
電解質としては、目的の金属めっきを妨げるものでなければ特に限定はない。Li、Na、KなどのカチオンのClO4塩などが好ましい。それらの濃度は0.002M〜0.1Mであることが好ましく、0.005M〜0.05Mであることが特に好ましい。
めっきする対象の金属イオンは、陽極溶解により補給することが可能である。また、金属塩を溶解させておくことも好ましい。金属イオン濃度は0.002mol/L〜0.1mol/Lであることが好ましく、0.005mol/L〜0.05mol/Lであることが特に好ましい。
めっき時の電流密度は1mA/cm2〜1A/cm2の範囲が好ましい。これより小さいと生産性が劣り、これより大きいと良質なめっき層が得られない。
有機溶媒温度は0℃〜70℃であることが好ましく、15℃〜50℃であることがより好ましい。温度がこれよりも低いと溶液のイオン溶解度が低下し、また、70℃を超えると溶液が蒸発し利用が困難となる。
助触媒となる金属酸化物の表面には自然酸化膜が形成されて安定化している。必要に応じて、熱処理を加えることができる。
[主触媒の微粒子]
主触媒の微粒子は、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh、Agから選択される少なくとも1種類以上の金属又はその酸化物を含み、前記導電性基体上に形成される。具体例としては、Pt単独、Ru−Pt、Ru酸化物などがある。また、主触媒の微粒子は、これら白金族金属や銀及び/又その金属酸化物以外に、ランタン系金属、バルブ金属、鉄系金属から選択される少なくとも1種類の金属及び/又金属酸化物を含んで、合金や複合酸化物を構成していても良い。具体例としては、Pt−Ag、Pd−Ag、Ru−Ni酸化物、Pt−Ce酸化物、Ru−Ce酸化物、Pt−La酸化物、Ru−La酸化物などがある。
例えば食塩電解での酸素還元触媒は、高温アルカリ中で安定であり、安価であることが好ましく、主反応である酸素還元による水酸化物イオン生成の触媒として、通常銀或いは銀合金(銅、白金、パラジウム少量を含有していても良い)を選択する。これらは市販されている粉末も使用できるが、既知方法に従って作製しても良い。銀触媒、合金触媒は、例えば硝酸銀、あるいは硝酸銀と硝酸パラジウムなどの水溶液に、還元剤を混合して合成する湿式法が好ましい。また、蒸着、スパッターリングなどの乾式法により合成することもできる。
[触媒スラリー]
本発明の触媒成分は粒子に展開することにより、触媒表面積を有効に拡大することができる、通常、グラッシーカーボン、ファーネスブラック、アセチレンブラックなどと称される微粒子状の炭素微粒子が用いられる。炭素粒子の粒径は0.01〜1μmが好ましい。
前記基体に塗布、固着するための疎水性バインダー材料としては、フッ化ピッチ、フッ化黒鉛、フッ素樹脂が好ましく、特に耐久性のあるフッ素樹脂を200℃から400℃の温度において焼成して使用することは、均一かつ良好な性能を得るために好ましい方法である。フッ素成分の粉末の粒径は0.005〜1μmが好ましい。塗布、乾燥、焼成は数回に分けて実施すると、均質な触媒層が得られるので特に好ましい。
図3は、ガス拡散電極を使用する燃料電池の概略断面図である。高分子固体電解質として機能するイオン交換膜1の両面には、それぞれガス拡散電極である板状の酸素極(カソード)2及び水素極(アノード)3が密着している。両極2、3は、例えば炭素繊維製の多孔性クロス基体に、Pt-O-Taからなる触媒を有する炭素粒子とフッ素樹脂製粒子を担持させたものである。
前記酸素極2及び水素極3のそれぞれのイオン交換膜1とは反対面の周縁には、額縁状の酸素極用ガスケット4と水素極用ガスケット5が密着している。当該酸素極用ガスケット4と水素極用ガスケット5のそれぞれの内縁側には、多孔性の酸素極用集電体6と水素極用集電体7が、酸素極2及び水素極3に接触するように設置されている。
前記酸素極用ガスケット4には、イオン交換膜に向かう側に複数の凹面が形成された酸素極フレーム8の周縁が接触し、この酸素極フレーム8と酸素極2間に酸素極室9が形成されている。
他方、前記水素極用ガスケット5には、イオン交換膜に向かう側に複数の凹面が形成された水素極フレーム10の周縁が接触し、この水素極フレーム10と水素極3間に水素極室11が形成される。
12は酸素極フレーム8の上部に横向きに開口された酸素ガス供給口、13は酸素極フレーム8の下部に横向きに開口された未反応酸素ガス及び生成水取出口、14は水素極フレーム10の上部に横向きに開口された水素ガス供給口、15は水素極フレーム10の下部に横向きに開口された未反応水素ガス取出口である。
次に本発明によるガス拡散電極、その製造法及び使用等に関する実施例及び比較例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
グラッシーカーボンを0.5M硫酸水溶液中で2.0Vの電位(銀・塩化銀電極を基準として)に20秒保持し、前処理を施した。電解質として1MのLiClO4を含むポリカーボネートに塩化タンタルを0.05M溶解させた。この溶液に前処理した前記グラッシーカーボン板を浸漬し、室温にて、0.3Vから−2.0V(同液に浸漬したAg極を基準として)の間で電位操作を2回繰り返し、グラッシーカーボン板上にTaOxよりなる助触媒の粒子を含有する助触媒層を形成した。次いで、これを塩酸に塩化白金酸3mM溶解した溶液において、−0.06V(銀・塩化銀電極を基準として)に保持しめっきを行い、100nmのナノサイズのPtの微粒子を前記助触媒層上に形成した。このときのPt厚さは160mg/m2であり、Pt/Ta25(2c)/GC電極(括弧は電位操作回数を示す)が製作された。更に、−1.24Vでの還元操作において、一部のTa25の還元が進行し、TaOxの生成が起きていると推定される。
その後、0.1M過塩素酸中で、0.06Vから1.30Vの間で電位操作を繰り返した。これによりTaOxの一部が再度Ta25に酸化されると推定される。このとき、Pt−O−Taの結合が形成されたと推定される。実施例1の電極をPt/TaOx(2C)/GC電極(括弧は電位操作回数を示す)という。
該めっき被覆電極はメタノールと水によって洗浄され、0.5M硫酸中、室温下で0.06Vから1.30Vの間で電位操作を数回繰り返した。
100nmのナノサイズのPt均一層は、2g/m2であり、その厚さが160mg/m2は被覆率8%に匹敵する。CV20回品の厚さが100nmの場合、Ta25の密度8.73g/cm3、分子量441から約2mmol/m2と計算される。
計算根拠は以下の通りである。
Ptの比重は21.45g/cm3、100nmの層の重さは1m2あたりで、
100×10-7cm×100cm×100cm×21.45g/cm3=2.145(g)
160mg/m2の被覆率は、
0.16÷2.145=0.08、約8%となる。
Ta25の比重は8.73g/cm3、100nmの層の重さは1m2あたり
100×10-7cm×100cm×100cm×8.73g/cm3=0.873(g)
分子量441であるから、0.873g/m2は、
0.873÷441=0.002、約2mmol/m2となる。
従って、2回品であれば0.2mmol/m2と推定され、2回から40回では0.2mmol/m2から4mmol/m2となる、一方、Ptは160/195=0.821mmol/m2であり、そのモル比率Pt/Taは、0.20〜4.10となる。
20回品が約2mmol/m2となるので、比例計算して、2回品は約0.2mmol/m2となる。また、40回品は約4mmol/m2となる。
一方、160mg/m2はPtの分子量195であるから、そのモル量は
0.160÷195=0.821mmol/m2となる。
従って、Pt/Ta比は、
0.821mmol/m2 ÷(0.2mmol/m2〜4mmol/m2)=4.1〜0.2となる。
<実施例2、3>
実施例2は、実施例1における助触媒形成の際の電位操作を2回から電位操作を8回に変更し、実施例3は、電位操作を20回に変更し、それ以外の条件は、全て実施例1と同様とした。実施例2の電極を、Pt/TaOx(8C)/GC電極(括弧は電位操作回数を示す)、実施例3の電極を、Pt/TaOx(20C)/GC電極(括弧は電位操作回数を示す)という。
<実施例4>
実施例4として、40回電位操作を繰り返したPt/TaOx(40C)/GC電極を作製し、電気化学的特性を測定したところ、Tafel勾配は、電流密度の小さい範囲で−87mV/dec、大きい範囲で−180mV/decであった。過酸化水素の生成割合は10%となった。Pt/TaOx(40C)/GCはPt/TaOx(20C)/GC電極よりやや性能が劣っているが、比較例1よりも改善が認められた。実施例4の電極を、Pt/TaOx(40C)/GC電極(括弧は電位操作回数を示す)という。
<実施例5>
炭素繊維(バラード社製)製クロスの片面に、炭素粉末(米国キャボット社製バルカンXC−72)とテトラフルオロカーボン樹脂の水懸濁液(三井デュポンフロロケミカル株式会社製30J)から成る混合ペーストを塗布し、大気中300 ℃で焼成した。次に1MのLiClO4を含むポリカーボネート(PC)に塩化タンタルを0.1M溶解させた。室温にて、前記クロスに0.5C/cm2の電気量を流し、ガス電極上にTaをめっきした。助触媒量は500mg/m2で析出量は、2.778mmol/m2あった。次に、塩酸に塩化白金酸0.03mM溶解した溶液においてPtめっきを行った。このときのPt厚さは160mg/m2であった。
この電極の触媒面にナフィオン液(米国アルドリッチ社製)を塗布しガス電極を2枚作製した。イオン交換膜(米国デュポン社製ナフィオン112 )の両面に、前記2枚のガス電極の触媒面側が接触するよう配置し、圧力0.2MPa、温度120℃で5分間ホットプレスして接合した。この電極を図3のようなセルに組み込み、片側に水蒸気で飽和した80℃の水素ガスを、反対側に水蒸気で飽和した80℃の酸素ガスを供給して燃料電池として作動させた。80℃、80A/dm2 で0.7Vの出力が得られた。750時間を経過しても性能に変化はなかった。
表1に実施例1〜5におけるPt及びTaの析出量及びモル比率であるA/Bを示した。
<比較例1>
Ta層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で電極を作成した。比較例1の電極をPt/GC電極という。
<比較例2>
Taめっきを行わなかった電極で同様の電池評価を実施したところ、初期は0.63Vの出力が得られたものの、750時間後には0.5Vまで低下した。
図4(a)、(a’)は、比較例1のPt/GC電極、図4(b)、(b’)は、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC電極、図4(c)、(c’)は、実施例2のPt/TaOx(8C)/GC、図4(d)、(d’)は、実施例3のPt/TaOx(20C)/GC電極の電子顕微鏡写真を示したものである。その結果、比較例1のPt/GC電極では、30−180nmのPt粒子が観察され、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC、)、実施例2のPt/TaOx(8C)/GC、実施例3のPt/TaOx(20C)/GC電極のPtの粒度分布では、25−110nmとやや小さくなったが、その粒度分布は、ほとんど差異がなかった。
図5(a)、(b)および(c)は、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC電極のTa、PtおよびCのAESマッピングにおける分布を示したものである。
また、図6(a)、(b)および(c)は、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC電極の電子顕微鏡写真およびBSEMであり、TaOx(2C)層がGC表面を均一に被覆していることがわかる。BSEM(バックスキャッタリング電子顕微鏡)測定によりTaOx(20C)層の厚さが100nm程度であり、その層内に100nm程度のPt粒子が析出していることがわかる。
これらの図より、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC電極は、Pt粒子はTaOx粒子に取り囲まれることで触媒性能が向上していることが推察される。
図7は、実施例1及び比較例1のXPSであり、図7(a)のPt/GC(比較例1)では、Pt−Cの結合を示唆するピークが存在している一方、図7(b)のPt/TaOx(2C)/GC(実施例1)では、ピークがなくPtがGC上には析出していないことを示唆している。
図8に、0.5M硫酸水溶液中、室温下、0.05V/sでサイクリックボルタンメトリー計測をした結果を示した。水素の吸脱着電流(0.2V付近)および酸素含有種の吸脱着電流(0.8V付近)は、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC、実施例2のPt/TaOx(8C)/GC、実施例3のPt/TaOx(20C)/GC電極の順に大きくなった。この現象はいわゆるスピルオーバー効果であり、PtとTaOxの間の相互作用を反映した結果である。Ptの析出量にもとづいて計算される有効な電極面積は、この順に1.4m2/g(Pt)、2.08m2/g(Pt)、5.71m2/g(Pt)に増加した。
比較例1のPt/GC板について実施例1と同様の計測を行ったところ、実施例1−5に比較してわずかな電流しか観察されなかった。有効な電極面積は0.27m2/g(Pt)であった。
図9には、回転リングディスク装置(回転数1600rpm)による電位−電流関係図を測定した結果を示した。比較例1のPt/GC電極(1)、実施例1のPt/TaOx(2C)/GC電極(2)、実施例2のPt/TaOx(8C)/GC電極(3)、実施例3のPt/TaOx(20C)/GC電極(4)のディスク電極での酸素還元電流−電位関係及びリング電極での過酸化水素の酸化電流−電位関係を図9(a)に示した。又、比較例1及び実施例1−3のディスク電極での過酸化水素の生成割合(XH2O2)を図9 (b)で示した。
その結果、酸素の2電子還元により生じる過酸化水素の生成割合は、図9(b)に示すように、比較例1、実施例1、2、3のPt/GC電極(1)、Pt/TaOx(2C)/GC電極(2)、Pt/TaOx(8C)/GC電極(3)、Pt/TaOx(20C)/GC電極(4)の順に小さく、0.6Vにて、それぞれ、30%、22%、13%、8%となった。実施例1、2、3によれば、過酸化物の生成が抑制され、電極あるいはセル構成部品の劣化が進行しにくいことを示唆した。
比較例1、実施例1−3のPt/GC電極(1)、Pt/TaOx(2C)/GC電極(2)、Pt/TaOx(8C)/GC電極(3)、Pt/TaOx(20C)/GC電極(4)は、この順に活性が高く、Tafel勾配は、図9 (c)に示すように、電流密度の小さい範囲で、それぞれの電極(1)、(2)、(3)、(4)の順に、−109mV/dec、−96mV/dec、−87mV/dec、−78mV/dec、大きい範囲で、それぞれ、−199mV/dec、−182mV/dec、−168mV/dec、−154mV/decであり、この順に酸素還元活性が高かった。
比較例1のPt/GC板(1)では、Tafelプロットは、上記の通りであり、酸素還元活性は実施例1〜3に比較して減少することが分かった。
1 イオン交換膜
2 酸素極
3 水素極
4 酸素極用ガスケット
5 水素極用ガスケット
6 酸素極用集電体
7 水素極用集電体
8 酸素極フレーム
9 酸素極室
10 水素極フレーム
11 水素極室
12 酸素ガス供給口
13 未反応酸素ガス及び生成水取出口
14 水素ガス供給口
15 未反応水素ガス取出口

Claims (10)

  1. 導電性基体と、該導電性基体の表面に形成された、Ta、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含有する助触媒からなる助触媒層と、該助触媒層上に形成された、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh及びAgから選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物を含有する主触媒の微粒子からなる主触媒層とよりなることを特徴とするガス拡散電極。
  2. 前記主触媒が、ランタン系金属、弁金属、鉄系金属、銀から選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載のガス拡散電極。
  3. 前記導電性基体がカーボン導電性基体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス拡散電極。
  4. 前記助触媒の量が、0.2mmol/m2から4mmol/m2であり、前記主触媒の触媒量(A)と前記助触媒の触媒量(B)の比率(A/B)が0.20〜4.10であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガス拡散電極。
  5. 前記主触媒の微粒子がPt、助触媒層がTaOxからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガス拡散電極。
  6. 導電性基体の表面に、Ta、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の塩を溶解した有機溶媒を用いためっきを行うことにより、前記基体上にTa、Ti、Nb、Zr、Wから選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含有する助触媒からなる助触媒層を形成し、しかる後、該助触媒層上に、Pt、Ir、Ru、Pd、Rh及びAgから選択される少なくとも1種の金属及び/又は金属の酸化物を含有する主触媒の微粒子からなる主触媒層を形成することを特徴とするガス拡散電極の製造方法。
  7. 前記主触媒が、ランタン系金属、弁金属、鉄系金属、銀から選択される少なくとも1種類の金属又は金属の酸化物を含有することを特徴とする請求項6に記載のガス拡散電極の製造方法。
  8. 前記導電性基体がカーボン導電性基体であることを特徴とする請求項6又は7に記載ガス拡散電極の製造方法。
  9. 前記助触媒の量が、0.2mmol/m2から4mmol/m2であり、前記主触媒の触媒量(A)と前記助触媒の触媒量(B)の比率(A/B)が0.20〜4.10であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のガス拡散電極の製造方法。
  10. 前記主触媒の微粒子がPt、助触媒がTaOxであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のガス拡散電極の製造方法。
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