JP2013242390A - 導電性ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ヘタリ性を有し、基層中のポリマー成分の低減を図ることができ、ロール面長方向において電気抵抗が均一な導電性ロールを提供する。
【解決手段】導電性ロール1は、軸体2と、軸体2の外周面に沿って形成された基層3と、基層3の外周面に沿って形成された表層4とを有する。基層3は、押出成形物よりなり、基層用ポリマーと電子導電剤とフィラーとを少なくとも含有するとともに、その比重が1.1以上である。表層4は、表層用ポリマーをマトリックスとして含み、その厚みが15μm以上500μm以下である。導電性ロール1は、ロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の最大値と最小値との差が10V以下であることが好ましい。表層4は、ディスペンサーコート法を用い、表層4を形成するための表層形成用材料がロール面長方向にらせん状に塗工されて形成された塗膜よりなることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ロールに関する。
従来、様々な分野において導電性ロールが用いられている。例えば、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置の分野では、導電性ロールとしての帯電ロールにより感光体表面を帯電させることが行われている。また、導電性ロールとしての現像ロールにより、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像とする現像が行われている。
上記導電性ロールとしては、例えば、特許文献1には、金属製の軸体と、軸体の外周にロール成形金型を用いて形成した導電性のシリコーンゴムからなる基層と、基層表面に形成した表層とを有する導電性ロールが開示されている。
特開2011−180205号公報
しかしながら、従来構造の導電性ロールは、以下の点で問題がある。
すなわち、導電性ロールは、感光体等の相手部材に長期間圧接させた状態で使用されることが多い。そのため、導電性ロールには、上記圧接によってロールがへたらないように耐ヘタリ性が要求される。この耐ヘタリ性を確保するためには、導電性ロールの基層にシリコーンゴム等の耐ヘタリ性に優れた材料が用いられることが一般的である。それ故、基層に含まれるポリマー量を所定量確保しなければならず、材料コスト削減等に効果的なポリマー量の低減を図ることは困難であるといった問題がある。
また、基層に導電性を付与するため、通常、基層形成用材料中に電子導電剤が添加されることが多い。この場合、ロール成形金型に上記基層形成用材料を注入すると、その注入時の高圧や金型の温度分布により、ロール軸方向における注入上流側と注入下流側とにおいて電子導電剤を均一に分散させることが難しい。その結果、ロール面長方向の導電パスが途切れ、ロール面長方向の電気抵抗を均一にすることが難しいといった問題がある。ロール面長方向の電気抵抗が不均一になると、画像形成装置に用いた場合に、白抜け画像や画像濃度の傾斜といった画像不具合が発生しやすくなる。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、耐ヘタリ性を有し、基層中のポリマー成分の低減を図ることができ、ロール面長方向において電気抵抗が均一な導電性ロールを提供することにある。
本発明の一態様は、軸体と、該軸体の外周面に沿って形成された基層と、該基層の外周面に沿って形成された表層とを有する導電性ロールであって、
上記基層は、押出成形物よりなり、基層用ポリマーと電子導電剤とフィラーとを少なくとも含有するとともに、その比重が1.1以上であり、
上記表層は、表層用ポリマーをマトリックスとして含み、その厚みが15μm以上500μm以下であることを特徴とする導電性ロールにある(請求項1)。
上記導電性ロールは、各層の構成や機能などを抜本的に見直すことによってはじめて得られたものである。従来よりロール全体の耐ヘタリ性は基層によって確保すべきとの考え方が通常であった。これに対し、上記導電性ロールは、基層機能の耐ヘタリ性を表層に機能移転することによって基層の材料設計の自由度を確保したものである。また、従来より寸法精度向上に有利なロール成形金型を用いた基層成形が一般的である。これに対し、上記導電性ロールは、基層として押出成形物を積極的に採用し、あえてロール成形金型によって成形しないという選択をすることによって基層の電気特性を向上させたものである。
すなわち、上記導電性ロールにおいて、表層は、表層用ポリマーをマトリックスとして含み、その厚みが15μm以上500μm以下である。そのため、相手部材に圧接させた状態で使用した場合であっても、厚い表層によってロール全体に要求される耐ヘタリ性を確保することができる。そのため、基層にて耐ヘタリ性を確保する必要がなくなり、基層の材料設計の自由度が向上する。
また、上記導電性ロールは、基層が、基層用ポリマーと電子導電剤とフィラーとを少なくとも含有するとともに、その比重が1.1以上とされている。つまり、上記の通り、表層にて耐ヘタリ性を確保しているため、基層の耐ヘタリ性を考慮しなくて済み、基層中にフィラーを高充填することによって、比重1.1以上という高比重化を図ることができる。そのため、占有体積の大きい基層中に含まれる基層用ポリマーを低減することができる。また、これによって材料コスト削減にも寄与することができる。
さらに、上記導電性ロールは、基層が押出成形物よりなる。そのため、基層がロール成形金型による金型成形物である場合に比べ、ロール面長方向における電子導電剤の導電パスが途切れ難い。そのため、ロール面長方向において電気抵抗が均一な導電性ロールとすることができる。
よって、本発明によれば、耐ヘタリ性を有し、基層中のポリマー成分の低減を図ることができ、ロール面長方向において電気抵抗が均一な導電性ロールを提供することができる。
実施例1の導電性ロールを模式的に示した図である。 図1におけるII−II断面を示した図である。 実施例2の導電性ロールを示した図である。 実験例における、導電性ロールの表層表面のらせんピッチとうねり高さについて説明するための図である。 実験例における、導電性ロールのロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の測定に用いた装置の概略構成を模式的に示した図である。 実験例における、導電性ロールのロール面長方向へのプローブの移動を模式的に示した図である。 実験例における、導電性ロールのロール面長方向における表面残留電位の分布を模式的に示した図である。
上記導電性ロールは、軸体と基層と表層とを有している。上記導電性ロールにおいて、軸体は、ロール中心軸と同軸に設けられる。軸体には、導電性を有するものを好適に用いることができる。具体的には、例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属(合金含む)からなる中実体(芯金)や中空体、導電性プラスチックからなる中実体や中空体、導電性または非導電性のプラスチックからなる中実体や中空体に金属めっきを施したものなどを例示することができる。軸体の直径は、4〜10mm程度とすることができる。
上記導電性ロールにおいて、基層は、軸体の外周面に沿って形成されている。具体的には、軸体の両端部を突出させた状態で、軸体の外周面に沿ってロール状に形成することができる。また、基層は、押出成形物よりなる。つまり、基層は、押出成形により形成されている。好ましくは、基層の寸法精度を確保しやすくなるなどの観点から、クロスヘッド押出成形により形成されているとよい。
なお、基層が押出成形物か否かは、例えば、基層表面に生じた押出成形の跡の有無等から判断しうる。他にも、そのロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の分布(波形)がロール面長全域にわたってほぼ一定となっていることを確認することによって判断することもできる。このような分布は、押出成形物に特有のものであり、ロール成形金型による金型成形では得られない分布だからである。
また、基層は、基層用ポリマーと電子導電剤とフィラーとを少なくとも含有するとともに、その比重が1.1以上である。
基層に含まれる基層用ポリマーは、基層にゴム弾性等の弾性を付与し、基層の骨格を形成する等のために重要な成分である。基層用ポリマーとしては、各種のゴム(ゴムにはエラストマー含む、以下省略)や樹脂を用いることができる。好ましくは、基層にゴム弾性を付与できるなどの観点から、ゴムが好適である。上記ゴムとしては、具体的には、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、ヒドリンゴム(ECO、CO)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。また、これらは固形のものを好適に用いることができる。基層用ポリマーは、導電性(低抵抗)、コスト等の観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などを特に好適に用いることができる。
基層に含まれる電子導電剤は、基層に導電性を付与し、体積抵抗率を調整する等のために重要な成分である。電子導電剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系導電材料、チタン酸バリウム、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は導電性を意味する。)等の導電性の金属酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。また、第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、過塩素酸塩、イオン液体等のイオン導電剤を併用することも可能である。
基層に含まれるフィラーは、基層用ポリマーとともに基層の骨格を形成し、基層の比重を1.1以上とするのに重要な役割を果たす。フィラーとしては、工業用途の点で大量に生産されており入手が容易である、比較的安価であるなどの観点から、無機系のフィラーを好適なものとして用いることができる。
上記フィラーは、炭酸カルシウム、シリカ、タルクおよびクレーから選択される1種または2種以上を含んでいるとよい(請求項5)。工業用途の点で大量に生産されており入手が容易である、分散性が良好である、補強効果により耐破壊強度が向上して基層強度が高まる、比較的安価であるなどの利点がある上、基層に高充填しても基層の導電性や寸法精度等を損ない難いからである。
基層は、他の成分を任意に含有することができる。他の成分としては、例えば、可塑剤、軟化剤、滑剤、触媒、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤などの各種添加剤を例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
基層は、基層用ポリマー100質量部に対し、電子導電剤を、好ましくは10〜70質量部程度、より好ましくは20〜60質量部程度、さらに好ましくは30〜50質量部程度含有することができる。ロール面長方向の導電パスを確実に形成しやすくなる、ロールの導電性能を高める、基層用ポリマーの補強効果が向上するなどの利点があるからである。
基層は、基層用ポリマー100質量部に対し、フィラーを、好ましくは20〜100質量部程度、より好ましくは50〜95質量部程度、さらに好ましくは70〜90質量部程度含有することができる。基層の比重を1.1以上としやすくなるからである。
基層の比重は、ロール面長方向における中央部、両端部の基層から採取した各試験片について体積当たりの重さを測定して求めた3点の比重の平均値である。詳しくは後述する。基層用ポリマーの低減、材料コストの削減などの観点から、基層の比重は、好ましくは1.15以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.25以上、さらにより好ましくは1.3以上とすることができる。なお、基層の比重の上限は、特に限定されるものではないが、フィラーの混合状態の悪化などの観点から、好ましくは1.8程度以下、より好ましくは1.5程度以下とすることができる。
基層の厚みは、ロールの柔軟性、相手部材との接地性の確保、変形に対する回復性向上などの観点から、例えば、0.5〜10mm程度、具体的には1〜5mm程度、より具体的には2〜4mm程度とすることができる。なお、基層は、1層から構成されていてもよいし、複数層から構成することもできる。
上記導電性ロールにおいて、表層は、基層の外周面に沿って形成されている。表層は、基層の代わりに耐ヘタリ性を確保する機能を新たに付加させている層であり、表層用ポリマーを主成分とし、その厚みは15μm以上500μm以下である。
表層の厚みが15μmを下回ると、表層によって耐ヘタリ性を確保することが難しくなる。表層の厚みは、耐ヘタリ性の向上、耐久性向上などの観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは23μm以上、さらに好ましくは25μm以上、さらにより好ましくは28μm以上、特に好ましくは30μm以上とすることができる。一方、表層の厚みは、コーティングによる表層の形成容易性、表層表面の過度な凹凸の抑制などの観点から、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは250μm以下、さらにより好ましくは200μm以下、特に好ましくは150μm以下とすることができる。なお、表層の厚みは、ロール面長方向におけるロール中央部、両端面から中央側へ10〜20mm程度入った位置にてロール面長方向に対して垂直に切断した断面を、レーザー顕微鏡で観察し、得られた3箇所の表層の厚みの平均値である。
表層は、表層用ポリマーをマトリックスとして含む。ここにいう「マトリックス」とは、表層の基本骨格を形づくる成分のことである。表層用ポリマーとしては、具体的には、例えば、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの各種熱可塑性または熱硬化性の樹脂や、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、シリコーンゴム(Q)、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの各種ゴムを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。これらのうち、好ましくは、熱可塑性樹脂である。柔軟性に富む上、表層による耐ヘタリ性の確保がしやすく、相手部材を傷つけ難いなどの利点があるからである。
表層は、他の成分を任意に含有することができる。例えば、表層は、イオン導電剤を含有することができる(請求項6)。この場合には、導電性ロールの残留電荷量による表面残留電位の絶対値を低くすることができる。そのため、電子写真方式の画像形成装置に用いた場合に良好な画像を形成しやすくなる。とりわけ、現像ロールとして用いた場合には、ロールの残留電荷を抑制できるので、ロール表面に静電引力などによりトナーが付着したままとなり難く、トナー離型性が向上する。そのため、トナーフィルミングやカブリ画像・ゴースト画像等の画像不具合が発生し難くなるなどの利点がある。また、帯電ロールとして用いた場合には、ロールの電気応答性に優れるので、感光体の帯電バラツキなどを抑制することができ、良好な画像を得やすくなるなどの利点がある。
なお、上記イオン導電剤は、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、過塩素酸塩、イオン液体などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。また、イオン導電剤の含有量は、表層用ポリマー100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部程度、より好ましくは1〜5質量部程度とすることができる。
また、表層は、例えば、導電性ロールを現像ロールとして用いる場合等には、他の成分として、表層表面に粗さを付与するためにウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、シリカなどからなる粗さ形成用粒子を含有することができる。他の成分として、電子導電剤、レべリング剤、架橋剤、架橋助剤、熱硬化性エラストマー、熱硬化性樹脂などの添加剤を1種または2種以上含有することができる。
表層は、例えば、ロールコート法、ディスペンサーコート法(ノズルコート法)等の塗工法を用い、表層を形成するための表層形成用材料を基層表面に塗工して形成された塗膜より構成することができる。表層は、好ましくは、ディスペンサーコート法による塗膜よりなるとよい。この場合には、重ね塗り等を行わなくても、一度の塗工によって上記厚みを有する表層を形成しやすい。そのため、重ね塗りによる密着性低下による表層剥離や塗りムラなどを抑制しやすくなる。したがって、良好な密着性、均一な厚みを有する表層を構成することができる。なお、ロールコート法は、表層形成用材料の粘度を低く調整し、塗工性を確保する必要がある。そのため、ロールコート法による塗膜は、表層の端部の厚みを厚くすることと相まって塗液ダレが生じる場合があり、これによって表層の厚みが不均一になる場合がある。これに対し、ディスペンサーコート法による塗膜であれば、高粘度の表層形成用材料を塗工しやすく、また、ワークを横置きにしても塗工することができる等の利点もある。そのため、塗液ダレが生じ難く、均一な厚みを有する表層を構成しやすくなる。また、表層形成用材料を繰り返し使うことがなく、いわゆるワンウェイ塗工で済むため、これによって表層形成用材料の圧送シェア等による材料劣化や特性変動が生じる問題を解決することもできる。また、ディスペンサーの吐出口から直接ワーク表面に塗布することができるので、他の機械部品などへの表層形成用材料の付着、飛沫がなくなる。そのため、これらの乾燥による表層への異物混入を抑制しやすくなる。それ故、異物不良の少ない表層を形成するのに有利である。
とりわけ、表層は、ディスペンサーコーティング法を用い、表層形成用材料がロール面長方向にらせん状に塗工されて形成された塗膜よりなることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記ディスペンサーコート法を用いたことによる利点に加え、ロール周方向かつロール面長方向において均一な膜厚を有する表層を得やすいなどの利点がある。また、塗液ダレによってロール端部の外径が大きくなるのを効果的に抑制することができる。そのため、圧接する相手部材の削れやロール端部の膨れによるバウンディング等も抑制することができる。なお、上記ディスペンサーコート法による塗膜は、具体的には、隣り合うらせん部同士が当接した状態でロール面長方向に連続する構成とすることができる。
上記の場合、表層表面のらせんピッチは、好ましくは1mm〜25mmの範囲内、表層表面のうねり高さは、好ましくは0.01μm〜2μmの範囲内とすることができる(請求項4)。
この場合には、ディスペンサーコート法による塗膜の形成性が良好であるとともに、表層表面のらせん模様による凹凸が過度に大きくなるのを抑制することができる。したがって、この導電性ロールを、特に、電子写真方式を採用する画像形成装置の現像ロールとして用いた場合には、表層表面のらせん模様が画像に現れる画像不具合を抑制しやすくなる。
なお、上記らせんピッチは、JIS B 0601:2001に準拠し、表面粗さ・輪郭形状測定機を用いて、表層表面におけるロール面長方向の輪郭形状を測定し、得られた測定波形における10点の山−山間の距離の平均値である。また、上記うねり高さは、上記得られた測定波形における10点の山の高さの平均値である。詳しくは後述する。
上記らせんピッチは、塗膜形成性、生産性、画像形成装置に用いた場合の画質などの観点から、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは2.5mm以上とすることができる。また、上記らせんピッチは、表層表面の過度ならせん模様による凹凸の抑制などの観点から、好ましくは23mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは18mm以下とすることができる。一方、上記うねり高さは、塗膜形成性、生産性、画像形成装置に用いた場合の画質などの観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.08μm以上、さらに好ましくは0.1μmとすることができる。また、上記うねり高さは、表層表面の過度ならせん模様による凹凸の抑制などの観点から、好ましくは1.9μm以下、より好ましくは1.8μm以下、さらに好ましくは1.7μm以下とすることができる。
上記導電性ロールにおいて、そのロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の最大値と最小値との差は、10V以下であることが好ましい(請求項2)。この場合には、ロール面長方向における電気抵抗の均一性を一層向上させることができる。
なお、上記残留電荷量による表面残留電位の最大値と最小値との差は、回転数60rpmで導電性ロールを回転させるとともに、100μAのコロナ電流を印加してロール表面を帯電させた際におけるロール面長方向の表面残留電位の分布を測定し、この分布から求めた表面残留電位の最大値および最小値の値から算出することができる。詳しくは後述する。
上記残留電荷量による表面残留電位の最大値と最小値との差は、ロール面長方向における電気抵抗の均一性向上や、画像濃度の傾斜、バラツキ、白抜け画像等の画像不具合の効果的な抑制などの観点から、好ましくは8V以下、より好ましくは7V以下、さらに好ましくは5V以下とすることができる。なお、上記導電性ロールにおいて、上記表面残留電位の最大値は、特に限定されるものではないが、好ましくは30V以下、より好ましくは20V以下、さらに好ましくは10V以下程度とすることができる。電子写真方式の画像形成装置に用いた場合に良好な画像を形成しやすくなるからである。
上記導電性ロールは、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像ロールとして用いることができる(請求項7)。上記画像形成装置としては、例えば、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、POD(Print On Demand)装置等の画像形成装置を例示することができる。
この場合には、感光体やトナー層形成用ブレード等と圧接した状態で使用されてもへたり難く、ロール面長方向の電気抵抗の不均一による白抜け画像や画像濃度の傾斜等が抑制された良好な画像を形成可能な現像ロールが得られる。
また、上記導電性ロールは、電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる帯電ロールとして用いることもできる(請求項7)。この場合には、感光体と圧接した状態で使用されてもへたり難く、感光体を均一に帯電しやすい帯電ロールが得られる。
実施例に係る導電性ロールについて、図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
図1、図2に示すように、実施例1の導電性ロール1は、軸体2と、軸体2の外周面に沿って形成された基層3と、基層3の外周面に沿って形成された表層4とを有している。なお、本例の導電性ロールは、帯電像を用いる電子写真方式の画像形成装置に組み込んで用いられる現像ロールである。
基層3は、押出成形物よりなり、基層用ポリマーと電子導電剤とフィラーとを少なくとも含有するとともに、その比重が1.1以上である。表層4は、表層用ポリマーをマトリックスとして含み、その厚みが15μm以上500μm以下である。本例において、表層4は、ディスペンサーコート法を用い、表層4を形成するための表層形成用材料がロール面長方向にらせん状に塗工されて形成された塗膜よりなる。
(実施例2)
図3に示すように、実施例2の導電性ロール1は、表層4が、ロールコート法を用いて表層形成用材料が塗工されて形成された塗膜よりなる点で、実施例1の導電性ロール1と異なっている。その他の構成は、実施例1と同様の構成を有する。
以下、実施例1または実施例2に従う導電性ロールの試料と、比較例の導電性ロールの試料を作製し、評価を行った。その実験例について説明する。
(実験例)
<基層形成用材料の準備>
試料の導電性ロールにおける基層を形成するための材料として以下のものを準備した。
・基層用ポリマー(アクリロニトリル−ブタジエンゴム:NBR)[日本ゼオン(株)製、「ニポールDN3350」]
・電子導電剤(カーボンブラック)[ライオン(株)製、「ケッチェンブラックEC300J」]
・フィラー(炭酸カルシウム)[白石カルシウム(株)製、「白艶華A」]
・可塑剤(パラフィン系プロセス油)[出光興産(株)、「ダイアナプロセスオイルPW380」]
・触媒(酸化亜鉛)[堺化学工業(株)製、「酸化亜鉛2種」]
・滑剤(ステアリン酸)[花王(株)、「ルナックS−30」]
・加硫剤(硫黄)
・加硫促進剤(1)[大内新興化学工業(株)、「ノクセラーDM」)]
・加硫促進剤(2)[大内新興化学工業(株)、「ノクセラーTS」)]
・加硫促進剤(3)[大内新興化学工業(株)、「ノクセラーCZ」)]
準備した各材料を、表1に示す配合割合(質量部)となるように秤量した。ニーダー練り機およびオープンロール練り機を用いて、秤量した材料を表1に示す配合にてそれぞれ30分間ずつ混練し、各基層形成用材料を調製した。
<表層形成用材料の準備>
試料の導電性ロールにおける表層を形成するための材料として以下のものを準備した。
・表層用ポリマー(熱可塑性ポリウレタン樹脂)[日本ポリウレタン工業(株)製、「ニッポラン2304」]
・イオン導電剤(第四級アンモニウム塩)
・粗さ形成用粒子(ウレタン樹脂粒子、平均粒径10μm)[根上工業(株)製、「アートパールC400」]
準備した各材料を、表1に示す配合割合(質量部)となるように秤量した。秤量した各材料と溶媒(MEK)とを混合することにより、各表層形成用材料を調製した。
<試料1〜6、試料10、11の導電性ロールの作製>
直径6mm、SUM(鉄)製の軸体の外周面上に、クロスヘッド押出成形装置を用いて、調製した基層形成用材料をロール形状に押出成形した。具体的には、クロスヘッド押出成形装置のダイスの円形口部に対して上記軸体を通過させながら、ダイスと軸体との隙間に所定の基層形成用材料を供給することにより、軸体の外周面上に基層形成用材料を押出成形した。次いで、これを150℃で40分間加熱処理した。これにより軸体の外周面に沿って押出成形物よりなる基層(厚み3mm)が形成されたロール体を作製した。
次に、ディスペンサー(液体定量吐出装置)を準備し、エアー加圧タンクに表層形成材料を収容した。次いで、水平状態に配設したロール体の外周面とディスペンサーのニードルノズルとのクリアランスを1mm以下として、ロール体およびディスペンサーをセットした。次いで、ロール体を軸中心に回転させながら、表層形成材料を所定の圧力にて吐出するニードルノズルをロール軸方向の一方端から他方端にかけて移動させ、ロール体の外周面上に表層形成材料をらせん状に塗工した。この際、上記塗工は、隣り合うらせん部同士が互いに当接するように行った。次いで、これを50℃で15分間加熱処理した。これにより、押出成形物よりなる基層の外周面に、ディスペンサーコート法により形成した塗膜よりなる表層を有する試料1〜6、試料10、11の導電性ロールを作製した。なお、上記において、ノズル移動速度は0.1〜20mm/秒、ロール体の回転数は30〜300rpm、表層形成用材料の液粘度は5〜30000mPa・s程度の間とした。
<試料7の導電性ロールの作製>
試料1〜6、試料10、11の作製と同様にして、軸体の外周面に沿って押出成形物よりなる基層(厚み3mm)が形成されたロール体を作製した。
次いで、このロール体の表面に、ロールコート法を用いて、上記調製した表層形成用材料を塗工し、50℃にて15分間加熱した。これにより、押出成形物よりなる基層の外周面に、ロールコート法により形成した塗膜よりなる表層を有する試料7の導電性ロールを作製した。
<試料8、9の導電性ロールの作製>
円柱状のロール成形空間を有するロール成形金型を準備し、155℃で予熱した。その後、ロール成形空間と同軸となるように上記と同じ軸体をセットし、この軸体をセットしたロール成形空間に、上記調製した基層形成用材料を注入し、155℃にて45分間加熱した後、冷却、脱型した。これにより、軸体の外周面に沿って金型成形物よりなる基層(厚み3mm)が形成されたロール体を作製した。
次いで、試料1〜6、試料10、11の導電性ロールを作製と同様にして、このロール体の外周面にディスペンサーコート法により表層を形成し、試料8、9の導電性ロールを作製した。
得られた試料1〜試料11の導電性ロールについて、以下のロール特性、画像評価を行った。
<ロール特性>
−基層の比重−
各試料の導電性ロールにおける基層から縦(軸方向と垂直方向)3mm×横(軸方向) 10mm×高さ1.5mmの大きさの試験片を採取した。具体的には、ロール面長方向における基層の中央部、両端面から中央側へ10〜20mm程度入った位置の3箇所から上記試験片を採取した。そして、採取した3つの試験片についてそれぞれ体積、重量を測定して比重を求め、得られた3点の比重の平均値を、基層の比重とした。
−表層の厚み−
レーザー顕微鏡[(株)キーエンス製、「VK−9700」]を用い、上述した方法により、各試料の導電性ロールの表層の厚みを測定した。
−表層のらせんピッチ、うねり高さ−
JIS B 0601:2001に準拠し、表面粗さ・輪郭形状測定機[(株)東京精密製、「サーフコム1400D」]用いて、各試料の表層表面におけるロール面長方向の輪郭形状を測定した。この際、測定条件は、ピックアップ:E−DT−S02A、触針:0102503、カットオフ 0.8μm、測定スピード:0.3mm/秒、測定倍率:5000倍という条件とした。上記のようにして得られる輪郭形状の測定波形を図4に模式的に示す。図4に示すように、得られた測定波形Wにおける10点の山Y−山Y間の距離Pの平均値を、表層表面のらせんピッチとした。また、得られた測定波形Wにおける10点の山Yの高さHの平均値を、表層表面のうねり高さとした。
−表層のヘタリ量−
各試料の導電性ロールにおける表層のロール面長方向に沿ってブレード部材を当接させた。なお、ブレード部材は、板状でロール面長より長さが10〜20mm程度短く、表層と当接させる側縁には先細り状の傾斜が形成されている。また、上記ブレード部材の重量は1kgである。この包丁状の形状を有するブレード部材により1kg重の荷重をロール表面(表層表面)に負荷し、その状態を保ったまま23℃×53%RHの環境下にて12日間放置した。その後、ブレード部材の荷重を除荷し、真円度・円筒形状測定機(東京精密(株)製、「ロンコム60A」)を用いてロールの真円度を測定し、得られた波形チャートからロールの外径変化量を算出した。なお、上記測定は、ロール面長方向における中央部、両端面から中央側へ20mm入った位置の3箇所について行い、3箇所の外径変化量の平均値を、表層のヘタリ量とした。
−ロールの表面残留電位−
図5に、導電性ロールのロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の測定に用いた装置の概略構成を模式的に示す。試料の導電性ロール1は、矢印Rの方向に回転可能にセットされている。導電性ロール1の軸体2は、接地されている(図中G1)。導電性ロール1の周囲には、コロトロンCと表面電位計Sとが配置されている。コロトロンCは、コロトロンワイヤーCWから導電性ロール1のロール表面に向けて電子Eを放電する。表面電位計Sは、プローブSPを有するとともに、接地されている(図中G2)。表面電位計SのプローブSPは、コロトロンCから1/4周期分後方の位置に配設されている。また、プローブSPと導電性ロール1の表面とのクリアランスCLは、1mmに設定されている。上記において、導電性ロール1における表層4および基層3の電気抵抗が高いと、それだけ電子Eがロール内部に移動し難く、表層4表面に残留する。表面電位計Sによる測定値が残留電荷量による表面残留電位(V)である。この値が大きいほど、ロール内部に電子Eが逃げ難い、つまり、ロールの電気抵抗がその部分で高いことを示す。
そして以下の測定手順により、試料の導電性ロールについて、ロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の分布を測定した。すなわち、初めに、23℃×53%RHの環境下、試料の導電性ロール1を回転数60rpmで回転させた。次いで、表面電位計SのプローブSPを、ロール面長方向の一方端部付近にセットした。次いで、コロトロンCを用い、100μA(定電流)のコロナ電流の印加を開始し、5秒程度待機させた。表面電位計Sの測定電圧が安定するまで5秒程度かかるためである。次いで、図6に示すように、ロール一方端部から逆側のロール他方端部までロール面長方向に沿って、プローブSPを5mm/秒の速度にて矢印Aに示すように移動させながらロール表面の残留電荷量による表面残留電位を測定した。なお、プローブSPがロール他方端部まで移動した段階でプローブSPの移動および上記印加を終了させた。以上により、試料の導電性ロールについて、ロール表面のロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の分布を求めた。本実験例では、上記測定により、図7に模式的に示すような表面残留電位の分布10や表面残留電位の分布11が得られる。図7において、T1が印加開始時点、T2がプローブSPの移動開始時点、T3がプローブSPの移動および印加終了時点に対応する。そして、T2からT3までの表面残留電位の分布から、表面残留電位の最大値および最小値を求め、ロールの表面残留電位差(=表面残留電位の最大値−最小値)Δ値を算出した。
<画像評価>
−スパイラル画像の有無−
試料の導電性ロールを、カラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSiO SP C310」)の現像ロールとして組み込み、K色ベタ画像の画出しを実施した。そして、その画像に、表層表面のらせん模様に起因する模様が表れなったかったものを「A」、上記模様が画像一面に表れたものを「C」と評価した。
−セット画像−
ヘタリ量測定後の導電性ロールを、カラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSiO SP C310」)のカートリッジの現像ロールとして組み込み、23℃×53%RHの環境下にて、K色ハーフトーン画像の画出しを実施した。そして、その画像に、ブレード部材による押し付けで形成された放置痕に対応するスジが全くみられなかったものを「A」、放置痕に対応するスジがかなりひどくみられたものを「C」と評価した。
−白抜け画像−
試料の導電性ロールを、カラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSiO SP C310」)の現像ロールとして組み込み、K色ベタ画像の画出しを実施した。そして、端部白抜け等の白抜け画像が発生しなったかったものを「A」、白抜け画像が発生したものを「C」と評価した。
−画像濃度傾斜−
試料の導電性ロールを、カラーレーザープリンター((株)リコー製、「IPSiO SP C310」)の現像ロールとして組み込み、K色ベタ画像の画出しを実施した。そして、その画像の長手方向の左右両側における上方部、中央部、下方部の画像濃度を、白色光度計((有)東京電色製、「TC−6DS/A」)を用いて測定した。そして、画像の長手方向の左側における上方部、中央部、下方部の測定値の平均値を求めるともに、画像の長手方向の右側における上方部、中央部、下方部の測定値の平均値を求め、両平均値の差を画像濃度傾斜とした。画像濃度傾斜の値が0.1を上回る場合を画像不良と判断した。
表1に、作製した試料の導電性ロールの詳細な構成、ロール特性、画像評価の結果をまとめて示す。
Figure 2013242390
表1によれば、以下のことがわかる。
すなわち、試料8の導電性ロールは、ロール面長方向の電気抵抗の均一性の指標であるΔ値が極めて大きな値となった。これは、試料8の導電性ロールは、基層がロール成形金型による金型成形物よりなる。そのため、基層形成用材料の注入時の高圧や金型の温度分布、さらにフィラーの高充填等の影響も相まって、ロール軸方向における注入上流側と下流側において電子導電剤を均一に分散させることができず、ロール面長方向の導電パスが途切れてロール面長方向の電気抵抗が不均一となったためである。その結果、画像評価において、白抜け画像および画像濃度傾斜の発生による画像不具合が発生した。
試料9の導電性ロールは、試料8の導電性ロールに比べ、Δ値が低減されているものの、それでも比較的大きな値となっている。このように基層が金型成形物である場合には、ロール面長方向の電気抵抗を均一にするのは困難である。また、試料8の導電性ロールに比べてΔ値が低減されているので、画像評価において、白抜け画像の画像不具合までは生じなかったが、画像濃度傾斜の発生による画像不具合が発生した。
試料10の導電性ロールは、表層の厚みが15μmを下回っている。そのため、表層のヘタリ量が大きく、1.1以上の比重を有する基層の使用下において、表層によりロールの耐ヘタリ性を確保することができない。そのため、画像評価では、ブレード部材との圧接によってロールがへたってスジ状の跡がつき、これに起因するスジ状の画像不具合が発生した。
試料11の導電性ロールは、表層の厚みが500μmを上回っている。そのため、ディスペンサーコート法により形成した表層におけるうねりピッチやうねり高さが過度に大きくなった。その結果、画像評価では、表層表面のらせん模様が画像に現れる画像不具合が発生した。
これらに対し、試料1〜試料7の導電性ロールは、表層が、表層用ポリマーをマトリックスとして含み、その厚みが15μm以上500μm以下である。そのため、表層のヘタリ量が少なく、ロールに要求される耐ヘタリ性を確保することができる。その結果、画像評価では、ブレード部材と長時間圧接された後に画出しした場合であっても、スジ状の画像不具合が発生しない。また、表層表面のらせん模様に起因する画像不具合も抑制することができる。
また、試料1〜試料7の導電性ロールは、基層が、基層用ポリマーと電子導電剤とフィラーとを少なくとも含有するとともに、その比重が1.1以上とされている。つまり、上記の通り、表層にて耐ヘタリ性を確保しているため、基層の耐ヘタリ性を考慮しなくて済み、基層中にフィラーを高充填することによって、比重1.1以上という高比重化を図ることができている。そのため、占有体積の大きい基層中に含まれる基層用ポリマーを低減することができる。また、これにより材料コスト削減にも寄与することができる。
さらに、試料1〜試料7の導電性ロールは、基層が押出成形物よりなるため、電子導電剤の導電パスがロール面長方向において途切れ難い。そのため、ロール面長方向において電気抵抗を均一にすることができる。特に、ロール表面のロール面長方向におけるΔ値が10以下であるため、白抜け画像や画像濃度傾斜の画像不具合を効果的に抑制することができる。
上記によれば、耐ヘタリ性を有し、基層中のポリマー成分の低減を図ることができ、ロール面長方向において電気抵抗が均一な導電性ロールが得られることが確認できた。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記導電性ロールは、帯電像を用いる電子写真方式の画像形成装置に組み込んで用いられる帯電ロールにも適用することができる。耐ヘタリ性、ロール面長方向における電気抵抗の均一性が現像ロールと同様に要求されるからである。
1 導電性ロール
2 軸体
3 基層
4 表層

Claims (7)

  1. 軸体と、該軸体の外周面に沿って形成された基層と、該基層の外周面に沿って形成された表層とを有する導電性ロールであって、
    上記基層は、押出成形物よりなり、基層用ポリマーと電子導電剤とフィラーとを少なくとも含有するとともに、その比重が1.1以上であり、
    上記表層は、表層用ポリマーをマトリックスとして含み、その厚みが15μm以上500μm以下であることを特徴とする導電性ロール。
  2. 請求項1に記載の導電性ロールであって、
    そのロール面長方向における残留電荷量による表面残留電位の最大値と最小値との差が10V以下であることを特長とする導電性ロール。
  3. 請求項1または2に記載の導電性ロールであって、
    上記表層は、ディスペンサーコート法を用い、上記表層を形成するための表層形成用材料がロール面長方向にらせん状に塗工されて形成された塗膜よりなることを特徴とする導電性ロール。
  4. 請求項3に記載の導電性ロールであって、
    上記表層表面のらせんピッチが1mm〜25mmの範囲内にあり、
    上記表層表面のうねり高さが0.01μm〜2μmの範囲内にあることを特徴とする導電性ロール。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ロールであって、
    上記フィラーは、炭酸カルシウム、シリカ、タルクおよびクレーから選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする導電性ロール。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性ロールであって、
    上記表層は、さらに、イオン導電剤を含有することを特徴とする導電性ロール。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性ロールであって、
    電子写真方式の画像形成装置に組み込まれる現像ロールまたは帯電ロールとして用いられることを特徴とする導電性ロール。
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