JP2013240099A - ネットワーク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小セル基地局が大セル基地局に接続されている無線端末に与える干渉を適切に低減させることが可能な無線通信システム、大セル基地局及び通信制御方法を提供する。
【解決手段】大セル基地局100は、大セル基地局100に接続されている無線端末200が受ける全干渉量と見なされるI(大セル端末)に対する、小セル基地局300から受ける干渉量であるRSRP(小セル基地局→大セル端末)の割合である、小セル基地局干渉量割合を算出する。更に、大セル基地局100は、小セル基地局干渉量割合が閾値α以上である場合には、無線端末200におけるSINRが所定のデジベル値であるβ[dB]以上となるように、送信電力調整率を設定して、小セル基地局300へ送信する。
【選択図】図3
【解決手段】大セル基地局100は、大セル基地局100に接続されている無線端末200が受ける全干渉量と見なされるI(大セル端末)に対する、小セル基地局300から受ける干渉量であるRSRP(小セル基地局→大セル端末)の割合である、小セル基地局干渉量割合を算出する。更に、大セル基地局100は、小セル基地局干渉量割合が閾値α以上である場合には、無線端末200におけるSINRが所定のデジベル値であるβ[dB]以上となるように、送信電力調整率を設定して、小セル基地局300へ送信する。
【選択図】図3
Description
本発明は、大セル基地局によって形成される大セルよりも小さい小セルを形成する小セル基地局が大セル内に設置され、大セル基地局に無線端末が接続する無線通信システム、大セル基地局及び通信制御方法に関する。
現在運用されている第3世代及び第3.5世代無線通信システムよりも高速・大容量の通信を実現する次世代無線通信システムとして、無線通信システムの標準化団体である3GPPで標準化されているLTEがある。LTEは3GPP Release 8として技術仕様が定まり、現在はRelease 8の機能改良版であるRelease 9、及び、LTEを高度化したLTE Advancedの検討が行われている。
また、LTERelease 9では、半径数[m]から十数[m]程度の通信エリアであるセル(小セルと称される)を形成し、室内に設置可能な小型の基地局である小セル基地局(Home eNodeB)の詳細機能・要件について標準化が進められている。小セル基地局は、半径数百m程度の通信エリアであるセル(大セル)を形成する大セル基地局(Macro eNodeB)のトラフィックを分散させることや、大セル内の不感地帯をカバーすることを目的として設置される。
ところで、小セル基地局が大セル内に設置された場合、小セル基地局から当該小セル基地局に接続している無線端末に向かう下りリンクが、大セル基地局に接続している無線端末に干渉を与えることがある。このような干渉を抑えるべく、小セル基地局に対する下りリンクの送信制御方法が提案されている。
例えば、非特許文献1に開示される方法では、(1)小セル基地局は、最近接の大セル基地局からの参照信号の受信電界強度(RSRP:Reference Signal Received Power)とSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)とを測定する。ここで、最近接の大セル基地局とは、小セル基地局で測定される最も大きいRSRPに対応する大セル基地局を示す。(2)次に、小セル基地局は、大セル基地局から遠ざかる方向で、且つ、小セル基地局からデシベル換算でy[dB]離れた場所に大セル基地局に接続している無線端末(大セル端末)が存在すると仮定し、当該大セル端末におけるSINRがx[dB]以上になるように、小セル基地局の下りリンクの送信電力を制御する。(3)もし、大セル端末におけるSINRがx[dB]以上にならない場合には、小セル基地局は、下りリンクの送信電力を最小値z[dBm]に下げる。その後は、(1)以降の動作が繰り返される。なお、x、y、zは、制御変数であり、その値はシステムによって定められる。
また、非特許文献2に開示される方法では、(1)大セル基地局は、小セル基地局に近づいた大セル端末を検出する。具体的には、大セル基地局は、PL(小セル基地局→大セル端末)<r[dB]を満たす大セル端末は小セル基地局の近傍にいると判定する。ここで、PL(小セル基地局→大セル端末)は、小セル基地局から大セル端末への伝搬損失(パスロス:距離減衰、シャドウィング損失、地物通過損失を含めたもの)を示す。rは、制御変数であり、その値はシステムによって定められる。(2)次に、大セル基地局は、小セル基地局へ当該小セル基地局の近傍に大セル端末が存在するか否かを、ネットワークを経由して通知する。(3)通知を受けた小セル基地局は、近傍に大セル端末が存在する場合には、下りリンクの送信電力を予め定められた小さい値に設定する。一方、通知を受けた小セル基地局は、近傍に大セル端末が存在しない場合には、下りリンクの送信電力を予め定められた大きい値に設定する。
3GPP RAN-WG4 R4-093146,"HeNB DL Performance with Adaptive Power", Qualcomn Europe.
3GPP RAN-WG4 R4-092063,"Analysis of HNB Coverage and HNB Interference to Macro UE for Enhanced Interference Management", Qualcomm Europe, NTT DOCOMO and Vodafone Group.
しかしながら、非特許文献1に開示された方法では、小セル基地局は、大セル端末が小セル基地局から無視できない干渉を受けているか否かに関わらず、下りリンク送信電力を制御する。このため、大セル端末が、小セル基地局から無視できない干渉を受けていない場合でも、小セル基地局は下りリンク送信電力を下げてしまう可能性があり、小セル基地局の通信速度が必要以上に低下してしまう問題がある。
また、非特許文献2に開示された方法では、小セル基地局は、大セル端末が、小セル基地局の近傍に存在するか否かを、ネットワーク経由で知ることができる。このため、非特許文献2に開示された方法は、非特許文献1に開示された方法に比べ、小セル基地局は効果的に下りリンク送信電力制御を行うことができる。しかしながら、大セル端末が小セル基地局から無視できない干渉を受けているか否かは考慮されない。このため、小セル基地局が、大セル端末に対してそれほど干渉を与えていない場合であっても、小セル基地局は、送信電力を必要以上に下げている可能性がある。一方、小セル基地局が大セル端末に大きな干渉を与えていた場合には、小セル基地局は送信電力を更に下げることが望ましいが、このような制御は行われない。
そこで、本発明は、小セル基地局が大セル基地局に接続されている無線端末に与える干渉を適切に低減させることが可能な無線通信システム、大セル基地局及び通信制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。本発明の第1の特徴は、大セル基地局(大セル基地局100)によって形成される大セル(MC1)よりも小さい小セル(FC1、FC2)を形成する小セル基地局(小セル基地局300a、300b)が前記大セル内に設置され、前記大セル基地局に無線端末(無線端末200)が接続する無線通信システム(無線通信システム1)であって、前記大セル基地局又は前記大セル基地局の上位装置の少なくとも一方からなるネットワーク装置は、前記無線端末が受ける全干渉量と見なされる第1の干渉量に対する、前記小セル基地局から受ける干渉量が占める割合を取得する割合取得部(割合取得部121)と、前記割合取得部によって取得される前記割合に基づいて、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局における下りリンクである小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行う指示部(送信電力指示部122)とを備えることを要旨とする。
このような無線通信システムでは、ネットワーク装置は、大セル基地局に接続されている無線端末が受ける全干渉量と見なされる第1の干渉量に対する、小セル基地局から受ける干渉量が占める割合を取得し、当該割合に基づいて、小セル基地局に対して送信電力を制御する指示を行う。これにより、大セル基地局に接続された無線端末において、第1の干渉量に対する、小セル基地局から受ける干渉量が占める割合が大きく、小セル基地局から受ける干渉が無視できない場合には、小セル基地局における小セル下りリンクの送信電力を下げる一方、第1の干渉量に対する、小セル基地局から受ける干渉量が占める割合が小さく、小セル基地局から受ける干渉が無視できる場合には、小セル基地局における小セル下りリンクの送信電力を維持又は上げる等、小セル基地局の通信品質を必要以上に低下させることなく、当該小セル基地局が大セル基地局に接続されている無線端末に与える干渉を適切に低減させることが可能となる。
本発明の第2の特徴は、前記指示部は、前記大セル基地局から前記無線端末に向かう下りリンクの通信品質が所定の値になるように、前記小セル基地局に対して小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行うことを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、前記指示部は、前記割合取得部によって取得される前記割合が所定の閾値を超える場合に、前記小セル基地局に対して小セル下りリンクの送信電力を下げる指示を行うことを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、前記割合取得部は、前記無線端末における前記小セル基地局からの参照信号の受信電界強度を取得し、前記第1の干渉量に対する、前記参照信号の受信電界強度が占める割合を取得することを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、前記割合取得部は、前記無線端末における、前記小セル基地局及び前記無線端末が接続している前記大セル基地局以外の大セル基地局からの参照信号の受信電界強度と、熱雑音電力とを加算して前記第1の干渉量を算出することを要旨とする。
本発明の第6の特徴は前記割合取得部は、前記無線端末における前記大セル基地局からの参照信号の受信電界強度を、前記無線端末からのCQIに対応する信号対雑音電力比で除算して前記第1の干渉量を算出することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、前記割合取得部は、前記大セル基地局における下りリンクである大セル下りリンクの送信電力密度を、前記大セル下りリンクの伝搬損失で除算し、更に、前記無線端末からのCQIに対応する信号対雑音電力比で除算して前記第1の干渉量を算出することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、前記指示部から前記小セル基地局への信号の伝送遅延時間を特定する特定部と、前記指示部により前記小セル基地局に対して小セル下りリンクの送信電力を制御する指示が行われてから前記伝送遅延時間が経過した後に、無線リソースを前記無線端末に割り当てる割当部とを備えることを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、前記特定部は、前記小セル基地局へ所定の信号を送信してから前記小セル基地局からの応答の信号を受信するまでの時間に基づいて、前記伝送遅延時間を特定することを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、前記特定部は、前記小セル基地局によって周期的に送信される信号の受信間隔に基づいて、前記伝送遅延時間を補正することを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、前記特定部は、前記小セル基地局において小セル下りリンクの送信電力が制御された場合における、前記無線端末から送信されるCQIの変化に基づいて、前記伝送遅延時間を特定することを要旨とする。
本発明の第12の特徴は、前記指示部は、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局の最大送信電力の値、及び、前記小セル基地局の最大送信電力を定める変数の何れかを送信することを要旨とする。
本発明の第13の特徴は、大セルを形成し、前記大セルよりも小さい小セルを形成する小セル基地局が前記大セル内に設置されるとともに、無線端末が接続する大セル基地局であって、前記無線端末が受ける全干渉量と見なされる第1の干渉量に対する、前記小セル基地局から受ける干渉量が占める割合を取得する割合取得部と、前記割合取得部によって取得される前記割合に基づいて、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局における下りリンクである小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行う指示部とを備えることを要旨とする。
本発明の第14の特徴は、大セルを形成し、前記大セルよりも小さい小セルを形成する小セル基地局が前記大セル内に設置されるとともに、無線端末が接続する大セル基地局における通信制御方法であって、前記大セル基地局が、前記無線端末が受ける全干渉量と見なされる第1の干渉量に対する、前記小セル基地局から受ける干渉量が占める割合を取得するステップと、前記大セル基地局が、取得される前記割合に基づいて、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局における下りリンクである小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行うステップとを備えることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、小セル基地局が大セル基地局に接続されている無線端末に与える干渉を適切に低減させることが可能な無線通信システム、大セル基地局及び通信制御方法を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの構成、(2)無線通信システムの動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)無線通信システムの構成
(1.1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の全体概略構成図である。無線通信システム1は、例えば、第3.9世代(3.9G)携帯電話システムであるLTE Release9 や、第4世代(4G)携帯電話システムとして位置づけられているLTE-Advancedに基づく構成を有する。
(1.1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の全体概略構成図である。無線通信システム1は、例えば、第3.9世代(3.9G)携帯電話システムであるLTE Release9 や、第4世代(4G)携帯電話システムとして位置づけられているLTE-Advancedに基づく構成を有する。
図1に示すように、無線通信システム1は、大セル(例えば、マクロセル)MC1を形成する大セル基地局(例えば、マクロセル基地局)100と、小セル(例えば、フェムトセルやピコセル)FC1及びFC2をそれぞれ形成する小セル基地局(例えば、フェムトセル基地局やピコセル基地局)300a及び300bとを有する。大セルMC1の半径は、例えば数百[m]程度であり、小セルFC1及びFC2のそれぞれの半径は、例えば数[m]から十数[m]程度である。大セル基地局100には無線端末200が接続している。
なお、以下においては、小セルFC1及びFC2を区別しないときは単に「小セルFC」と称し、小セル基地局300a及び300bを区別しないときは単に「小セル基地局300」と称する。
大セル基地局100は、通信事業者がセル間干渉を考慮した置局設計に基づく場所に設置される。一方、小セル基地局300は、ユーザにより任意の場所(具体的には、室内)に設置される程度に小型に構成されている。小セル基地局300は、大セル基地局100のトラフィックを分散させることや、大セルMC1内の不感地帯をカバーすることを目的として、大セルMC1内に設置されている。
大セル基地局100は、専用線を介してコアネットワーク500に接続されている。一方、小セル基地局300は、ADSLやFTTH等の一般公衆回線を介して通信事業者のコアネットワーク500に接続されている。また、コアネットワーク500には、MME(Mobility Management Entity)等の上位装置400が接続されている。
大セル基地局100と無線端末200とが接続して通信を行っている場合における、当該通信に用いられる下りリンク(大セル基地局100から無線端末200に向かうリンクであり、以下、「大セル下りリンク」と称する)の周波数帯域と、小セル基地局300と図示しない無線端末とが接続して通信を行っている場合における、当該通信に用いられる下りリンク(小セル基地局300から図示しない無線端末に向かうリンクであり、以下、「小セル下りリンク」と称する)の周波数帯域とが同一である場合、小セル基地局300から図示しない無線端末へ下りリンクを用いて送信される無線信号によって、大セル基地局100と通信を行っている無線端末200は干渉を受けることになる。
本実施形態では、上述したように、無線端末200が小セル基地局300から干渉を受ける場合に、大セル基地局100は、小セル基地局300の下りリンクの送信電力を制御することによって、干渉を低減させる。
(1.2)大セル基地局の構成
図2は、大セル基地局100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、大セル基地局100は、アンテナ部101、無線通信部110、制御部120、記憶部130及び有線通信部140を有する。
図2は、大セル基地局100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、大セル基地局100は、アンテナ部101、無線通信部110、制御部120、記憶部130及び有線通信部140を有する。
無線通信部110は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路等を用いて構成され、アンテナ部101を介して、無線信号の送受信を行う。また、無線通信部110は、送信信号の符号化及び変調と、受信信号の復調及び復号とを行う。
無線通信部110は、無線端末200が受ける全干渉量を求めるための情報を当該無線端末200から受信する。ここで、無線端末200が受ける全干渉量を求めるための情報とは、CQI(Channel Quality Indicator)と、無線端末200における小セル基地局300からの参照信号の受信電界強度(以下、「RSRP(小セル基地局→大セル端末)」と称する)と、無線端末200における、当該無線端末200が接続している大セル基地局100からの参照信号の受信電界強度(以下、「RSRP(大セル基地局→大セル端末)」と称する)と、無線端末200における、当該無線端末200が接続していない大セル基地局、すなわち、大セル基地局100以外の大セル基地局(以下、「他大セル基地局」と称する)からの参照信号の受信電界強度(以下、「RSRP(他大セル基地局→大セル端末)」と称する)とである。
なお、RSRP(小セル基地局→大セル端末)は、無線端末200が小セル基地局300から受ける干渉量を示す情報としても使用される。また、RSRP(小セル基地局→大セル端末)は、無線端末200において参照信号の送信元である小セル基地局300毎に測定され、対応する小セル基地局300の識別情報であるIDが含まれる。更には、RSRP(他大セル基地局→大セル端末)は、無線端末200において参照信号の送信元である他大セル基地局毎に測定される。
制御部120は、例えばCPUを用いて構成され、大セル基地局100が具備する各種の機能を制御する。記憶部130は、例えばメモリを用いて構成され、大セル基地局100の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。有線通信部140は、コアネットワーク500を介して、他の大セル基地局や小セル基地局300との通信を行う。
制御部120は、割合取得部121、送信電力指示部122及び伝搬損失測定部123を有する。
割合取得部121は、無線通信部110によって受信された、CQI、RSRP(小セル基地局→大セル端末)、RSRP(大セル基地局→大セル端末)、RSRP(他大セル基地局→大セル端末)を取得する。
次に、割合取得部121は、無線端末200が受ける全干渉量と見なされる値であるI(大セル端末)を算出する。I(大セル端末)の算出には、以下の第1乃至第3の手法が用いられる。
第1の手法では、割合取得部121は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)とRSRP(他大セル基地局→大セル端末)の合計値を算出する。
次に、割合取得部121は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)とRSRP(他大セル基地局→大セル端末)の合計値に、予め定められている熱雑音電力値を加算して、I(大セル端末)を得る。ここで、熱雑音電力値は、記憶部130に記憶されている。あるいは、熱雑音電力値は、無線端末200から送信される。
第2の手法では、割合取得部121は、CQIに基づいて、無線端末200における大セル下りリンクに対応するSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)を算出する。次に、割合取得部121は、RSRP(大セル基地局→大セル端末)をSINRで除算して、I(大セル端末)を得る。
第3の手法では、割合取得部121は、CQIに基づいて、無線端末200における大セル下りリンクに対応するSINRを算出する。
ここで、伝搬損失測定部123は、大セル基地局100と無線端末200とが接続して通信を行っている場合における、当該通信に用いられる上りリンク(無線端末200から大セル基地局100に向かうリンクであり、以下、「大セル上りリンク」と称する)の伝搬損失(以下、「上り伝搬損失」と称する)を測定する。ここで、伝搬損失とは、距離減衰、シャドウィング損失、地物通過損失を含めたものである。
割合取得部121は、伝搬損失測定部123によって測定された上り伝搬損失を取得する。更に、割合取得部121は、上り伝搬損失から大セル下りリンクの伝搬損失(以下、「下り伝搬損失」と称する)PLを推定する。例えば、割合取得部121は、上り伝搬損失を下り伝搬損失と見なす。また、割合取得部121は、上り伝搬損失に対して所定の補正値を加えた値を下り伝搬損失と見なす。
次に、割合取得部121は、大セル基地局100における大セル下りリンクの送信電力密度(以下、「下り送信電力密度」)Pを取得する。例えば、下り送信電力密度Pは、記憶部130に記憶されている。更に、割合取得部121は、下り送信電力密度Pを下り伝搬損失PLで除算し、更に、除算により得られた値を、SINRで除算することにより、I(大セル端末)を得る。
上述した第1乃至第3の手法によって、I(大セル端末)が算出された後、割合取得部121は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)をI(大セル端末)で除算することによって、無線端末200が受ける全干渉量に対する、RSRP(小セル基地局→大セル端末)に対応する小セル基地局300によって無線端末200が受ける干渉量の割合(以下、「小セル基地局干渉量割合」と称する)を算出する。ここで、割合取得部121は、複数のRSRP(小セル基地局→大セル端末)を取得した場合、換言すれば、無線端末200が複数の小セル基地局300から干渉を受けている場合には、各小セル基地局300に対応するRSRP(小セル基地局→大セル端末)毎に、当該RSRP(小セル基地局→大セル端末)をI(大セル端末)で除算することによって、小セル基地局300毎に、小セル基地局干渉量割合を算出する。
送信電力指示部122は、算出された小セル基地局干渉量割合が閾値α以上であるか否かを判定する。ここで、閾値αは0乃至1の実数値であり、無線通信システム1において予め定められ、記憶部130に記憶されている。
小セル基地局干渉量割合が閾値α以上である場合には、無線端末200が、小セル基地局干渉量割合に対応する小セル基地局300から無視できない干渉を受けていると見なされる。この場合、送信電力指示部122は、無線端末200におけるSINRが所定のデジベル値であるβ[dB]以上となるように、小セル基地局300における小セル下りリンクの送信電力を調整するための調整率(以下、「送信電力調整率」と称する)を設定する。
具体的には、送信電力指示部122は、無線通信部110により受信された、RSRP(大セル基地局→大セル端末)を、無線端末200において受信される、大セル基地局100からの信号の受信電界強度であるS(大セル端末)とする。あるいは、送信電力指示部122は、大セル基地局100の送信電力を下り伝搬損失で除算した値を、S(大セル端末)とする。
ここで、無線端末200における大セル下りリンクに対応するSINRは、S(大セル端末)/I(大セル端末)により求められる。そこで、送信電力指示部122は、以下の式を満たすγを送信電力調整率として決定する。
但し、上記の式を満たすγがない場合には、送信電力指示部122は、送信電力調整率を0とする。また、β[dB]は、無線通信システム1において予め定められ、記憶部130に記憶されている。更に、送信電力指示部122は、送信電力調整率の算出に用いた小セル基地局干渉量割合に対応する小セル基地局300に対して、有線通信部140、コアネットワーク500を介して、当該送信電力調整率を送信する。
一方、小セル基地局干渉量割合が閾値α未満である場合には、無線端末200が、小セル基地局干渉量割合に対応する小セル基地局300から無視できないほどの干渉は受けていないと見なされる。この場合、送信電力指示部122は、1以上の値である送信電力調整率を設定し、対応する小セル基地局300に対して、有線通信部140、コアネットワーク500を介して、当該送信電力調整率を送信する。
なお、無線端末200が複数の小セル基地局300から干渉を受けており、その結果、複数の小セル基地局300に対応するRSRP(小セル基地局→大セル端末)が取得され、小セル基地局300毎に、小セル基地局干渉量割合が算出される場合には、送信電力指示部122は、小セル基地局300毎に送信電力調整率を設定する。この場合、送信電力調整率の送信先となる小セル基地局300は、当該小セル基地局300に対応するRSRP(小セル基地局→大セル端末)内のIDにより特定可能である。
小セル基地局300は、送信電力指示部122からの送信電力調整率を受信すると、その時点における小セル下りリンクの送信電力の値に送信電力調整率を乗算して、新たな小セル下りリンクの送信電力の値とする。
なお、小セル基地局300は、過去の所定期間において、大セル基地局100から複数の送信電力調整率を受信した場合、これら複数の送信電力調整率のうち、最小の送信電力調整率を、その時点における小セル下りリンクの送信電力の値に乗算して、新たな小セル下りリンクの送信電力の値とすることができる。また、小セル基地局300は、大セル基地局100から送信電力調整率を受信するとともに、図示しない他の大セル基地局からも送信電力調整率を受信した場合には、これら複数の送信電力調整率のうち、最小の送信電力調整率を、その時点における小セル下りリンクの送信電力の値に乗算して、新たな小セル下りリンクの送信電力の値とすることができる。
但し、小セル基地局300は、算出した新たな小セル下りリンクの送信電力の値が上限値を上回る場合には、新たな小セル下りリンクの送信電力の値を上限値とする。一方、小セル基地局300は、算出した新たな小セル下りリンクの送信電力の値が下限値を下回る場合には、新たな小セル下りリンクの送信電力の値を下限値とする。
(2)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム1の動作について説明する。図3は、無線通信システム1の第1の動作例を示すシーケンス図である。
次に、無線通信システム1の動作について説明する。図3は、無線通信システム1の第1の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS101において、大セル基地局100と接続している無線端末200は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)、RSRP(他大セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)を測定し、大セル基地局100へ送信する。大セル基地局100は、無線端末200からのRSRP(小セル基地局→大セル端末)、RSRP(他大セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)を受信する。
ステップS102において、大セル基地局100は、受信したRSRP(小セル基地局→大セル端末)、RSRP(他大セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)を記憶する。更に、ステップS103において、大セル基地局100は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)とRSRP(他大セル基地局→大セル端末)との合計値を算出し、当該合計値に熱雑音電力値を加算することにより、I(大セル端末)を算出する。
ステップS104において、大セル基地局100は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)をI(大セル端末)で除算することで、小セル基地局干渉量割合を算出し、更に、小セル基地局干渉量割合が閾値α以上であるか否かを判定する。
小セル基地局干渉量割合が閾値α未満である場合、ステップS104において、大セル基地局100は、1以上の値である送信電力調整率を、対応する小セル基地局300へ送信する。
一方、小セル基地局干渉量割合が閾値α以上である場合、ステップS106において、大セル基地局100は、無線端末200におけるSINRがβ[dB]以上となるように、送信電力調整率を算出する。更に、ステップS107において、大セル基地局100は、算出した送信電力調整率を、対応する小セル基地局300へ送信する。
ステップS106及びステップS107のいずれかにおいて、小セル基地局300は、送信電力調整率を受信する。ステップS108において、小セル基地局300は、過去の所定期間において、大セル基地局100から受信した複数の送信電力調整率、あるいは、大セル基地局100からとともに図示しない他の大セル基地局から受信した複数の送信電力調整率のうち、最小の送信電力調整率を、その時点における小セル下りリンクの送信電力の値に乗算して、新たな小セル下りリンクの送信電力の値とする。
図4は、無線通信システム1の第2の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS201において、大セル基地局100と接続している無線端末200は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)を測定し、大セル基地局100へ送信する。また、無線端末200は、測定した大セル下りリンクに対応するSINRからCQIを求め、当該CQIを大セル基地局100へ送信する。大セル基地局100は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)と、CQIとを受信する。
ステップS202において、大セル基地局100は、受信したRSRP(小セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)と、CQIとを記憶する。更に、ステップS203において、大セル基地局100は、記憶したCQIに基づいて、無線端末200における大セル下りリンクに対応するSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)を算出する。
ステップS204において、大セル基地局100は、RSRP(大セル基地局→大セル端末)をSINRで除算することにより、I(大セル端末)を算出する。
ステップS205乃至ステップS209の動作は、図3のステップS104乃至ステップS108の動作と同様であるので、その説明は省略する。
図5は、無線通信システム1の第3の動作例を示すシーケンス図である。
ステップS301において、大セル基地局100と接続している無線端末200は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)を測定し、大セル基地局100へ送信する。また、無線端末200は、測定した大セル下りリンクに対応するSINRからCQIを求め、当該CQIを大セル基地局100へ送信する。大セル基地局100は、RSRP(小セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)と、CQIとを受信する。
ステップS302において、大セル基地局100は、受信したRSRP(小セル基地局→大セル端末)及びRSRP(大セル基地局→大セル端末)と、CQIとを記憶する。更に、ステップS303において、大セル基地局100は、記憶したCQIに基づいて、無線端末200における大セル下りリンクに対応するSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)を算出する。
ステップS304において、大セル基地局100は、下り伝搬損失PLと、下り送信電力密度Pとを取得する。ステップS305において、大セル基地局100は、下り送信電力密度Pを下り伝搬損失PLで除算し、更に、除算により得られた値を、SINRで除算することにより、I(大セル端末)を算出する。
ステップS306乃至ステップS310の動作は、図3のステップS104乃至ステップS108の動作と同様であるので、その説明は省略する。
なお、大セル基地局100に接続している無線端末が複数存在する場合には、上述した図3乃至図5の動作は、無線端末毎に行われる。
(3)作用・効果
本実施形態における無線通信システム1は、大セル基地局100が、当該大セル基地局100に接続されている無線端末200が受ける全干渉量と見なされるI(大セル端末)に対する、小セル基地局300から受ける干渉量であるRSRP(小セル基地局→大セル端末)の割合である、小セル基地局干渉量割合を算出する。更に、大セル基地局100は、小セル基地局干渉量割合が閾値α以上である場合には、当該小セル基地局干渉量割合に対応する小セル基地局300から無視できない干渉を受けていると見なして、無線端末200におけるSINRが所定のデジベル値であるβ[dB]以上となるように、送信電力調整率を設定して、小セル基地局300へ送信する。
本実施形態における無線通信システム1は、大セル基地局100が、当該大セル基地局100に接続されている無線端末200が受ける全干渉量と見なされるI(大セル端末)に対する、小セル基地局300から受ける干渉量であるRSRP(小セル基地局→大セル端末)の割合である、小セル基地局干渉量割合を算出する。更に、大セル基地局100は、小セル基地局干渉量割合が閾値α以上である場合には、当該小セル基地局干渉量割合に対応する小セル基地局300から無視できない干渉を受けていると見なして、無線端末200におけるSINRが所定のデジベル値であるβ[dB]以上となるように、送信電力調整率を設定して、小セル基地局300へ送信する。
これにより、大セル基地局100に接続された無線端末200に対応する小セル基地局干渉量割合が大きく、無線端末200において小セル基地局300から受ける干渉が無視できない場合には、小セル基地局300における小セル下りリンクの送信電力を干渉を低減させるように適切に制御する。一方、小セル基地局干渉量割合が小さく、無線端末200において小セル基地局300から受ける干渉が無視できる場合には、大セル基地局100は、小セル基地局300における小セル下りリンクの送信電力を維持したり、上昇させることによって、小セル基地局300の通信品質を必要以上に低下させることなく、当該小セル基地局300が大セル基地局100に接続されている無線端末200に与える干渉を適切に低減させることが可能となる。
(4)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した実施形態では、大セル基地局100は、小セル基地局300へ送信電力調整率を送信した後、特段の処理を行っていないが、その後に無線端末200に対して、無線リソースであるリソースブロックを割り当てる場合には、大セル基地局100から小セル基地局300への送信電力調整率の伝送遅延時間を考慮して、送信電力調整率を送信してから伝送遅延時間が経過した後に、リソースブロックを割り当てるようにすることが好ましい。
図6は、伝送遅延時間を考慮したリソースブロックの割り当てを行う大セル基地局100の構成を示すブロック図である。図6に示す大セル基地局100aは、図2に示す大セル基地局100と比較すると、制御部120が新たに特定部124及び割当部125を備える。
特定部124は、無線端末200が受ける干渉の発生源である小セル基地局300への信号の伝送遅延時間を特定する。無線端末200が受ける干渉の発生源である小セル基地局300が複数存在する場合には、小セル基地局300毎に伝送遅延時間が特定される。
例えば、伝送遅延時間は、予め定められており、過去の統計等によって、遅くとも当該伝送遅延時間内に小セル基地局300へ到達すると予測される時間であり、例えば20[ms]である。この場合、伝送遅延時間は、記憶部130に記憶されており、特定部124は、記憶部130内の伝送遅延時間を読み出す。
あるいは、伝送遅延時間は、無線通信システム1におけるネットワークの構成時に測定された伝送遅延時間である。例えば、LTEでは、X2コネクションでのセットアップ時に、大セル基地局100が「X2 SETUP REQUEST」メッセージを送信し、当該メッセージの応答として小セル基地局300から「X2 SETUP RESPONSE」メッセージが返される。この際、「X2 SETUP REQUEST」メッセージの送信から「X2 SETUP RESPONSE」メッセージの受信までの時間の1/2が伝送遅延時間として測定され、記憶部130に記憶される。特定部124は、記憶部130内の伝送遅延時間を読み出す。
あるいは、大セル基地局100が、周期的に所定の信号(例えば、ネットワーク500がLANやインターネット等のTCP/IPを採用するネットワークである場合には、ping))を小セル基地局300へ送信し、当該小セル基地局300からの応答信号を受信する。特定部124は、最新の信号の送信から応答信号の受信までの時間の1/2を伝送遅延時間として特定する。更には、特定部124は、小セル基地局300からのOI等の周期的に送信されるメッセージの受信間隔に基づいて、伝送遅延時間の変化を特定し、当該変化に応じて伝送遅延時間を補正する。具体的には、伝送遅延時間は、メッセージの受信間隔が長いほど、長くなるように補正される。
あるいは、特定部124は、小セル基地局300における、小セル下りリンクの送信電力が制御された場合における、無線端末200から送信されるCQIの変化に基づいて、伝送遅延時間を特定する。具体的には、小セル基地局300における、小セル下りリンクの送信電力が低下した場合には、CQIがそれまでより向上する。この場合、特定部124は、大セル基地局100が、送信電力調整率を送信してから、CQIが向上するまでの時間を伝送遅延時間として特定する。
ここで、CQIがそれまでより向上する場合とは、CQIの値が、直前のCQIの値、あるいは、過去の所定期間内のCQIの時間平均値よりも、所定の閾値分だけ大きくなった場合や、CQIから求まるSINRの値が目標とする所定のSINRよりも大きくなった場合を意味する。なお、特定部124が、CQIが向上したことの判定を、複数のサブフレーム分連続して行うようにすることで、当該判定をより確実に行うことが可能となる。
割当部125は、送信電力指示部122によって、小セル下りリンクの送信電力を低下させるための送信電力調整率が送信されてから伝送遅延時間に相当する時間が経過したか否かを判定する。ここで、送信電力指示部122が複数の小セル基地局300に対して、送信電力調整率を送信した場合には、割当部125は、送信先の小セル基地局300のそれぞれに対応する伝送遅延時間のうち、最大の伝送遅延時間に相当する時間が経過したか否かを判定する。
送信電力指示部122によって、小セル下りリンクの送信電力を低下させるための送信電力調整率が送信されてから伝送遅延時間に相当する時間が経過した後、割当部125は、リソースブロックを、小セル基地局300から受ける干渉の影響が大きい無線端末200に対して割り当てる。なお、小セル基地局300が、送信電力調整率を受信した後に、その時点における小セル下りリンクの送信電力の値に送信電力調整率を乗算して、新たな小セル下りリンクの送信電力の値とするまでの処理時間を考慮して、割当部125は、送信電力調整率が送信されてから、伝送遅延時間と小セル基地局300における送信電力制御の処理時間とを加えた時間に相当する時間が経過した後に、リソースブロックを、小セル基地局300から受ける干渉の影響が大きい無線端末200に対して割り当てるようにしてもよい。この場合、小セル基地局300における送信電力制御の処理時間は、予め定められて記憶部130に記憶されている。
このように、大セル基地局100は、当該大セル基地局100に接続している無線端末200に対して、リソースブロックを割り当てようとする際において、送信電力調整率を、小セル基地局300へ送信してから、大セル基地局100から小セル基地局300への信号の伝送遅延時間が経過した後に、リソースブロックを無線端末200へ割り当てる。従って、大セル基地局100は、小セル基地局300において小セル下りリンクの送信電力が低下した後に、リソースブロックを無線端末200に割り当てる、換言すれば、干渉が抑制された後にリソースブロックを無線端末200に割り当てることが可能となり、干渉が生じているリソースブロックを割り当てるという無駄な割り当て処理を行うことがない。
また、上述した実施形態では、送信電力指示部122は、送信電力調整率を小セル基地局300へ送信したが、送信電力調整率に代えて、小セル基地局300の最大送信電力の値、及び、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数の何れかを送信するようにしてもよい。
具体的には、送信電力指示部122は、小セル基地局干渉量割合が閾値α以上である場合には、無線端末200におけるSINRが所定のデジベル値であるβ[dB]以上となるように、小セル基地局300の最大送信電力の値、及び、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数の何れかを設定する。
一方、小セル基地局干渉量割合が閾値α未満である場合には、送信電力指示部122は、小セル基地局300における送信電力の上限値を最大送信電力の値とする。あるいは、送信電力指示部122は、小セル基地局300における送信電力の上限値を定める変数を、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数とする。
更に、送信電力指示部122は、対応する小セル基地局300に対して、有線通信部140、コアネットワーク500を介して、小セル基地局300の最大送信電力の値、及び、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数の何れかを送信する。
小セル基地局300は、送信電力指示部122からの最大送信電力の値を受信した場合には、当該最大送信電力の値以下の電力値を、新たな小セル下りリンクの送信電力の値とする。また、小セル基地局300は、送信電力指示部122からの最大送信電力を定める変数を受信した場合には、当該変数によって定められる最大送信電力の値以下の電力値を、新たな小セル下りリンクの送信電力の値とする。
上述した実施形態では、大セル基地局100は、小セル基地局干渉量割合と閾値αを比較し、その比較結果に応じて送信電力調整率、小セル基地局300の最大送信電力の値、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数を設定したが、閾値αとの比較はせずに、小セル基地局干渉量割合が大きいほど、対応する小セル基地局300における小セル下りリンクの送信電力が低下するように、当該小セル基地局300に指示をするようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、大セル基地局100が、小セル基地局干渉量割合の算出、小セル基地局300への送信電力調整の指示を行うようにしたが、上位装置400が行うようにしてもよい。
この場合、上位装置400は、制御部内に割合取得部121、送信電力指示部122を備える。そして、上位装置400は、小セル基地局300からのRSRP(小セル基地局→大セル端末)やCQIを、大セル基地局100を介して受信し、大セル基地局100からの下り伝搬損失を受信する。更に、割合取得部121は、これらRSRP(小セル基地局→大セル端末)、CQI、下り伝搬損失を適宜用いて、小セル基地局干渉量割合を算出し、送信電力指示部122は、小セル基地局干渉量割合に基づいて、送信電力調整率、小セル基地局300の最大送信電力の値、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数を設定し、小セル基地局300へ送信する。または、大セル基地局100が送信電力調整率、小セル基地局300の最大送信電力の値、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数を設定し、上位装置400が通知された送信電力調整率、小セル基地局300の最大送信電力の値、小セル基地局300の最大送信電力を定める変数を小セル基地局300へ送信するようにしてもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
なお、日本国特許出願第2009−231030号(2009年10月2日出願)の全内容、及び、日本国特許出願第2009−251666号(2009年11月2日出願)が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
本発明の無線通信システム、大セル基地局及び通信制御方法は、小セル基地局が大セル基地局に接続されている無線端末に与える干渉を適切に低減させることが可能であり、無線通信システム等として有用である。
Claims (14)
- 大セル基地局によって形成される大セルよりも小さい小セルを形成する小セル基地局が前記大セル内に設置され、前記大セル基地局に無線端末が接続する無線通信システムであって、
前記大セル基地局又は前記大セル基地局の上位装置の少なくとも一方からなるネットワーク装置は、
前記無線端末が受ける全干渉量と見なされる第1の干渉量に対する、前記小セル基地局から受ける干渉量が占める割合を取得する割合取得部と、
前記割合取得部によって取得される前記割合に基づいて、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局における下りリンクである小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行う指示部と、
を備える無線通信システム。 - 前記指示部は、前記大セル基地局から前記無線端末に向かう下りリンクの通信品質が所定の値になるように、前記小セル基地局に対して小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行う請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記指示部は、前記割合取得部によって取得される前記割合が所定の閾値を超える場合に、前記小セル基地局に対して下りリンクの送信電力を下げる指示を行う請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記割合取得部は、前記無線端末における前記小セル基地局からの参照信号の受信電界強度を取得し、前記第1の干渉量に対する、前記参照信号の受信電界強度が占める割合を取得する請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記割合取得部は、前記無線端末における、前記小セル基地局、及び、前記無線端末が接続している前記大セル基地局以外の大セル基地局からの参照信号の受信電界強度と、熱雑音電力とを加算して前記第1の干渉量を算出する請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記割合取得部は、前記無線端末における前記大セル基地局からの参照信号の受信電界強度を、前記無線端末からのCQIに対応する信号対雑音電力比で除算して前記第1の干渉量を算出する請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記割合取得部は、前記大セル基地局における下りリンクである大セル下りリンクの送信電力密度を、前記大セル下りリンクの伝搬損失で除算し、更に、前記無線端末からのCQIに対応する信号対雑音電力比で除算して前記第1の干渉量を算出する請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記指示部から前記小セル基地局への信号の伝送遅延時間を特定する特定部と、
前記指示部により前記小セル基地局に対して小セル下りリンクの送信電力を制御する指示が行われてから前記伝送遅延時間が経過した後に、無線リソースを前記無線端末に割り当てる割当部とを備える請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記特定部は、前記小セル基地局へ所定の信号を送信してから前記小セル基地局からの応答の信号を受信するまでの時間に基づいて、前記伝送遅延時間を特定する請求項8に記載の無線通信システム。
- 前記特定部は、前記小セル基地局によって周期的に送信される信号の受信間隔に基づいて、前記伝送遅延時間を補正する請求項9に記載の無線通信システム。
- 前記特定部は、前記小セル基地局において小セル下りリンクの送信電力が制御された場合における、前記無線端末から送信されるCQIの変化に基づいて、前記伝送遅延時間を特定する請求項8に記載の無線通信システム。
- 前記指示部は、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局の最大送信電力の値、及び、前記小セル基地局の最大送信電力を定める変数の何れかを送信する請求項1に記載の無線通信システム。
- 大セルを形成し、前記大セルよりも小さい小セルを形成する小セル基地局が前記大セル内に設置されるとともに、無線端末が接続する大セル基地局であって、
前記無線端末が受ける全干渉量と見なされる第1の干渉量に対する、前記小セル基地局から受ける干渉量が占める割合を取得する割合取得部と、
前記割合取得部によって取得される前記割合に基づいて、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局における下りリンクである小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行う指示部と、を備える大セル基地局。 - 大セルを形成し、前記大セルよりも小さい小セルを形成する小セル基地局が前記大セル内に設置されるとともに、無線端末が接続する大セル基地局における通信制御方法であって、
前記大セル基地局が、前記無線端末が受ける全干渉量と見なされる
第1の干渉量に対する、前記小セル基地局から受ける干渉量が占める割合を取得するステップと、
前記大セル基地局が、取得される前記割合に基づいて、前記小セル基地局に対して、前記小セル基地局における下りリンクである小セル下りリンクの送信電力を制御する指示を行うステップと、を備える通信制御方法。
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