JP2013233109A - 農業用連棟温室ハウス - Google Patents

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Abstract

【課題】連棟ハウスの屋根から注がれた陽射しの殆ど全てを日陰部として損出させることなく、連棟ハウス内の農作物に有効に照射させるとともに、栽培植物にとって最も貴重な照射時間を長くし、且つ、各棟の農作物の受光量の均一化を図ることにより、ハウス内の農作物の品質の向上と均一化、発病の防止等を図り、収穫量が高く、経済性に優れた農業用連棟温室ハウスを提供する。
【解決手段】各棟の屋根裏部屋Yと栽培室Sとを開閉する保温カーテン8で仕切ると共に、各棟Mの屋根の谷間に雨樋6を備えた農業用連棟温室ハウス1において、各棟の屋根裏部屋Yの所定の位置で、屋根から受けた太陽光を栽培室Sに向かって反射させる反射機9を、屋根と保温カーテン8との間で奥行き方向Oに配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、農業用連棟温室ハウスに関する、詳しくは、営業用農作物であるトマト・キュウリ・イチゴなどの栽培に使われる連棟式の温室ハウスに入射する太陽光を有効に活用する技術に関する。
農業用に営利栽培されているトマト・キュウリ・イチゴなどの促成・越冬栽培に使用される冬季農業用温室栽培ハウスでは、ハウス全体で受けた太陽光を直接ハウス内の栽培作物に当てる光と、ハウス内に設けた反射資材で受けて内部に屈折させて栽培作物に当てる光とで、ハウス内の栽培作物に陽射しを隈なく当てて、高品質で、高収穫量を得る工夫がなされている。
例えば、棟の向きを東西方向にした単棟の屋根型温室ハウスであって、南面側の屋根を広くして受光量を増やし、北面側の屋根兼壁には反射板を設けて、南面側の屋根から入射した光を内部に反射させて栽培作物に当てるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、棟の向きを東西方向にした単棟の屋根型温室ハウスであって、北壁側近くに反射板を設けて、この反射板を季節によって南側に移動したり、必要に応じて反射板の丈の長さ変えたりして内部の栽培作物に有効に照射するものがある(例えば、特許文献2参照)。
然しながら、これらの発明にあっては小規模のものにおいては経済性を含めて有効であるが、500平方メートル級以上のものに適用する場合には、反射板に係わる設備費は僅かであるが、栽培環境(温度、湿度、受光条件)を整える建屋を含む初期設備投資と、保温の燃料費等の管理維持費が嵩み経営を圧迫してしている。
一方、各棟の間口(4〜5m)、高さ(3〜4m)として、ハウス内の容積を最小化することによって建屋、暖房機等の初期設備投資、保温の燃料費等の管理維持費など採算ベースに適合する温室ハウスとして、農業用連棟温室ハウス(3棟以上、500平方メートル級以上)がある。
この農業用連棟温室ハウスは、単棟の屋根型温室ハウスと比べて同一床面積であっても、内容積が減っている分(約5割程度)受光量も減っていることに加えて、連棟式の構造から生じる前記単棟の屋根型温室ハウスには無かった問題点(後述)があり農作物の品質、収穫量、病害の発生等の改善が望まれている。
特に、この改善事項は受光条件が非常に厳しい、太陽の仰角が小さい冬至前後の約2ヶ月間(11月下旬から2月初旬)に顕著である。
即ち、越冬栽培や促成栽培など暖房機を使用して栽培を行う場合、保温カーテンは(一層、二層、三層などあり材質も様々である)冬季の暖房費節約のため必要不可欠の物であり、各棟ごとに設けられた保温カーテンは夜に閉め昼間に開けられる。この開けられた保温カーテンの寄せ部と、各棟の繋ぎ目に設けられた雨樋と、隣の屋根とが農業用連棟温室ハウス内に日陰を作る、所謂、無効の入射光となる。
特に栽培作物のトマト・キュウリ・イチゴ等にとって、太陽光が弱く、照射仰角が少ない季節には、この日陰部によって、太陽光の30〜40%が失われている。この日陰部は、着色不良・着果不良・高湿度による病気の多発など多くの発育障害の原因になる。
上記受光条件の悪化要因を整理すれば、各棟の間口幅、高さを押さえたことに起因する下記の欠点であり、特に冬場の太陽の仰角が小さい時期に顕著である。
1、各棟間に設けられる雨樋の増加により生じる日陰部の増加。
2、内部の天井側に設ける保温カーテンを開けたときに生じる、保温カーテン寄せ部による日陰部の増加。
3、多棟にしたことにより生じる、前棟の屋根による日陰部の増加。
4、各棟の間口を狭め(4〜5メートル)たことにより生じる、屋根有効受光面積の減少。
5、暖房機運転中に保温カーテンが閉めてられていることによって生じる、早夕の屋根からの有効な照射時間の減少。
特開昭63−119629号公報 特開平07−203777号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑みてなされたもので、連棟ハウスの屋根から注がれた陽射しの殆ど全てを日陰部として損出させることなく、連棟ハウス内の栽培作物に有効に照射させるとともに、栽培作物にとって最も貴重な照射時間を長くし、且つ、各棟の栽培作物の受光量の均一化を図ることにより、ハウス内の栽培作物の品質の向上と均一化、及び、発病の防止等を図り、収穫量が高く、経済性に優れた農業用連棟温室ハウスを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は、連棟する各棟ごとに各棟の屋根裏部屋と栽培室とを開閉する保温カーテンで仕切ると共に、隣り合う棟の屋根と屋根とが連結される谷間部に雨樋と該雨樋の下部に前記保温カーテンの寄せ部を備えた農業用連棟温室ハウスにおいて、前記各棟の屋根裏部屋の所定の位置で屋根の棟方向に配置されていて、屋根から受けた太陽光を前記栽培室に向かって反射させる反射機を備えた構成要件で農業用連棟温室ハウスを構成している。
また、反射機の所定の位置は、間口の間を水平方向に移動可能とする移動点であってもよい。
また、棟が南北方向に設置されたものにあっては、反射機は両面が反射する反射機であって、午前中は前記棟の西側に配置され、午後は移動させて前記棟の東側に配置されていてもよい。
また、棟が東西方向に設置されたものにあっては、反射機は片面が反射する反射機であって、終日前記棟の北側に配置されていてもよい。
また、反射機は角度と丈の長さが可変可能であってもよい。
尚、所定の位置とは、設置される緯度と経度とによって変化するが、基本となる位置は極寒期で、南中時の太陽の仰角が屋根Nに接する接点である。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては反射機の無い農業用連棟温室ハウスと比較した場合にあっては、次に列挙する効果が得られる。
(1)朝の保温カーテンが閉められている時間帯に屋根裏部屋に差し込んだ陽射しは、反射機によって屋根裏部屋を急速に暖めるので朝の保温カーテンを開く時間が早まり、同様にして夕方の保温カーテンを閉める時間が遅くなるので、一日の照射時間が長くなる。
(2)保温カーテンが開いている時間帯において、反射機は本来日陰となる損出入射光の大部分を反射光として再生して栽培室に戻すので、栽培室の有効入射光量が増大する。
(3)屋根からの直接の入射光と反射機で反射された光とが、栽培室の棟方向に列状に植えられた栽培作物に対して、棟単位で、両側から当たるので、栽培作物にとってキメ細やかな日陰部の無い陽当たりとなり、且つ、各棟全体としての受光量の均一化が測られる。
(4)以上のことによって、ハウス内の栽培作物の品質の向上と均一化、及び、発病の防止等を図り、収穫量が高く、経済性に優れた農業用連棟温室ハウスを提供できる。
また、反射機を備えた単棟の農業用温室ハウスと比較した場合にあっては、上記効果に加えて、以下の効果が得られる。
(5)初期設備費が大幅に削減されると共に暖房費用が大幅に削減されるので、採算の改善が大幅に図られることとなる。
本発明を実施するための実施の形態の全体斜視図。 同上実施の形態の間口側から見た透視図。 同上実施の形態における反射機の活用説明図。 同上実施例1(南北棟)における1月中旬の受光説明図。 (A)朝(8:30)の平面図 (B)南中時の平面図 (C)夕(15:30)の平面図 (D)朝(8:30)の正面図(間口が正面) (E)朝(8:30)の側面図 同上実施例1おける太陽光受光の説明図(1月中旬、朝8:30)。 同上実施例2(東西棟)における1月中旬の受光説明図。(A)朝、昼(南中時)、夕の平面図 (B)朝(8:30)の正面図(側壁が正面) (C)朝(8:30)の側面図
以下、図面に示す発明を実施するための実施の形態を、図に基づいて詳細に説明する。説明にあたって、実施例に共通の事項を先ず説明し、続いて、その活用の形態を実施例1、2として説明する。
図1乃至図3に基づいて本発明を実施するための実施例1、2に共通な事項である農業用連棟温室ハウスの構造と、年間を通しての栽培作物の育成過程と、その時々における太陽光の受光状況と、暖房機、反射機、保温カーテン等の管理状況を説明する。
図において、1は6連棟式アーチ屋根型温室ハウス(以後ハウスという)であり、各棟の間口(M)の幅が4メートル(間口幅の合計24m)、奥行となる側壁(O)の長さ36m、高さ(H)が3.3m、アーチ状の屋根(N)の屋根高(h)が1.4mの平面長方形(864平方メートル)の1〜6棟からなる立体構造物である。
間口Mが奥行き方向に南北方向を向いているものを南北棟ハウス(実施例1)と呼び、東西方向を向いているものを東西棟ハウス(実施例2)と呼ぶ。
このハウス1の内部には、基礎工事された土台(図示せず)の上に間口幅の4m間隔で碁盤目状に立設された支柱2と、この支柱2間を升目状に連結する横梁3とからなる鋼鉄製の屈強なハウス1の核となる構造物がる。屋根Nと雨樋6と側壁Oとは、この屈強な構造物を核として取り付けられている。
屋根Nは、アーチ状の屋根骨格4の外周に複数年張りの透光性の外張りポリフィルム(図示せず)が張られたものである。屋根骨格4はパイプ材をアーチ状に加工したアーチ部材40を棟の奥行き方向に50cm間隔で配置し、このアーチ部材40を串刺し状に奥行き方向に連結して補強する屋根補強部材41(鋼材製の直管パイプ)とからなる。
側壁Oは、弓形に加工されたパイプ状の鋼材からなる側壁骨格5の外周にポリフィルム(図示せず)が張られたものである。
更に、ハウス1の内部には、以下に示す内装装置が取り付けられている。7は第1、第2のカーテンレールであり間口Mの幅方向の各支柱2間に、上下に20cm離して張られている。
8はカーテンレール7上に配置された2重の保温カーテンであり、各棟を単位として間口Mの幅で、奥行36mの全長に渡っている。この保温カーテン8は、間口Mの幅の中央で2分割されていて夫々のカーテンレール7上を滑りながら開閉される。開かれた夫々の保温カーテン8の残り幅(m)は約35cmである。この保温カーテン8を境界として上方が屋根裏部屋Y、下方が栽培室Sである。
保温カーテン8の開閉操作(条件)は、栽培室Sの温度が栽培作物にとり下限となる所定の温度(P℃)以下にならないように、暖房機(図示しない)の運転と連動させて行うものであって、以下の2条件の場合には保温カーテン8を閉じる操作を行い、この条件を満たさない場合には保温カーテン8を開く操作を行う。
条件1:ハウス1に入射する陽射しが無くて、栽培室Sの温度が所定の温度(P℃)以下になる場合には、常に保温カーテン8を閉じて暖房機を運転して栽培室Sの温度を所定の温度(P℃)以上に維持する(日没から夜明け前の間、曇りの日が該当する)。
条件2:ハウス1に入射する陽射しが有っても、屋根裏部屋Yの温度が所定の温度(P℃)以下の場合には、保温カーテン8を閉じて栽培室Sの温度が所定の温度(P℃)以上になるように暖房運転を行う(極寒期の早朝および夕方が該当)。
この操作は、ハウス1の規模に応じて、手動または自動の操作手段で行われる(図示しない)。
9は屋根裏部屋Yに配置された反射機で、各棟の奥行き方向に配置された反射軸91に反射板92を吊り下げたものでる。この反射軸91は屋根補強部材41を利用して水平に固定された反射機レール93上を移動可能に取り付けられている。この取り付け位置は、入射角30°の入射光とハウス1の屋根Nとの接点(K)を起点とし、入射角150°の入射光とハウス1の屋根Nとの接点を終点となるように取り付けられる。この反射機9は反射板92の下端がカーテンレール81に届く丈の垂れ下がり長さを有し、奥行き全長に渡る広さを備えた反射シート92を備える、と共に、必要に応じて反射機軸91を中心にしてハウス1内部に向かって反射角度を変えられる反射角可変機能と、丈の長さを調整する丈長調整機能と、反射機レール上を移動する位置移動機能とを備えている(図示しない)。
尚、反射角度の可変機構、丈長の調整機構、反射機の位置移動機構等は図示しないが、規模に応じて、既知の手段で手動操作、または、自動操作等選択すればよい。
次に年間をとしたハウス1の使い方を説明する(図3参照)
―定植時期から育生期(8〜9月)―
夏の高温期には、透光性の外張りポリフィルムで覆われたハウス1の中は換気扇(図示しない)を使っても、日中50度近くに達し、高温障害との戦いとなる。その最中の8月中旬頃にトマトの定植がされる。この時期には、不織布の日除カーテン(図示しない)を使って日中の日除けを行うが、朝夕には反射機9を使って太陽光線を充分当てることにより成長が早いので(高温障害を受けないように注意しながら)なるべく朝夕の長い時間日除カーテンを開き、反射機9を使って、栽培作物に光を無駄なく照射させる(従って、反射機9を巻き上げ式にしておくと使い勝手がよい)。
―収穫前期(9〜11月)―
9月下旬〜10月頃は日照時間も長く、外気温も低下し、不織布の日除カーテンを開いていても日焼けや高温障害の心配も無くなる時期なので、反射機1を早朝から日暮れまでの終日使って、太陽光線を充分に取り込みたい時期である。
尚、10月中旬より栽培室Sの温度が所定温度(P℃)を下まわりはじめるので、保温カーテン8の開閉と暖房機の使用とが必要となる。
―収穫難関期(11〜翌年2月)―
11月下旬頃より1月下旬頃まで最も栽培の難しい時期となる。反射機9の機能をフルに活用して、入射光を作物に無駄なく、長い時間、照射させたい。保温カーテン8を開いている時間を出来るだけ長くするために、午前中の光だけでなく午後の光も少しでも取り込むため、天候に注意し、反射機9の機能(反射角可変機能と、丈長調整機能と、反射機レー位置移動機能)をフルに活用する期間である。このようにすることによって、冬季ハウス内で最も環境の悪い場所(西の雨樋・カーテン下)を減らし、病気の減少と収量の増加を図る。
―収穫後期(3〜6月)―
気温の上昇とともに日照時間も伸びはじめるので暖房機が不要となり、日が昇る時から日暮れまで保温カーテン8を開き反射機9が有効に活用される。しかし、4月下旬頃からは高温傷害の危険性がではじめるので、徐々に反射機9の活用は朝夕とし、日中の活用は控える時期となる(巻き上げ式の反射機が有効に活用される時期となる)。
―休耕期間(7〜8月)―
この時期約1ケ月の間は、連作対策等の養生期間とし、ハウス1内に水を張って休耕する。
尚、上記するように、ハウス1の管理は年間を通じて高温と低温障害対策、陽当たりの均一化、日照時間の確保、陽当たりと保温カーテンの開閉時間の関係等の緻密な管理を必要とすることから、その事業規模によっては、屋根裏部屋Yと栽培室S内の適所に照度計と温度計等を配置して、これらの計測器と連動させて、保温カーテン8の開閉と、暖房機・送風機の運転と、反射機9の位置と角度と丈の長さ等を、栽培植物の成長過程から収穫期に至る過程の最適化制御を図ることができる。
図1〜5に基づいて本発明を実施するための実施例1を詳細に説明をする。
設置位置等の諸元は以下の通りである。
・ ハウス1の設置位置:北緯36度31分、東経139度、南北棟式。
・ 栽培作物:トマト。
・ 栽培期間等:詳細は、図3参照。
・ イ、ハウス栽培期間:8月中旬の定植から翌年6月中旬の約10ヶ月間。
・ ロ、休耕期間:7、8月の間の約1ヶ月間は連作対策等の養生期間として休耕。
・ ハ、反射機の活用期間:反射機は休耕期間及び高温障害の恐れがある時間帯を除き有効に活用する。特に、反射機を最も有効に活用する期間は、11月下旬から2月下旬までの3ヶ月間である。
この実施例1は、前記実施の形態の間口Mが南北方向に配置された、所謂、南北棟方式のハウス1の形態であり、東側に位置する1棟から順次2棟・・・6棟で構成されている。
陽射しが最も弱い栽培難関期の1月中旬において、保温カーテン8を開く頃の陽射しは(間口Mの面に対して)入射角α=20°、仰角β=20°で南東方向から入射し、お昼前後の南中時には入射角α=90°、仰角β=30°で入射し、保温カーテン8を閉める頃には入射角α=160°、仰角β=20°で入射している。(図3,4,5参照)
以下、陽射しが最も弱い難関期の1月中旬の状態を例として説明する。
太陽が昇るとともに、ハウス1に屋根Nからの入射光(U)と側壁Oからの入射光(V)と間口からの入射光(W)とが入射するが、屋根入射光(U)は閉められている保温カーテン8で遮られて栽培室Sには入射せずに屋根裏部屋Yに入射するに留まっている。
しかし、屋根裏部屋Yの温度は、北側定位置(K点)にセットされている反射機9に陽射しが当たり始めると急速に上昇し始め、屋根裏部屋Yの温度が所定の栽培室Sの保温温度(P℃)に近ずいてくる。この頃が、保温カーテン8を開くタイミングとなる。このタイミングは、反射機9が無い時に比べて小1時間早ることとなる。
同様にして、保温カーテンを閉める時間は小1時間ほど遅くなる(図3参照)。
具体的には、太陽の仰角が15度を超え、入射角が20度頃(午前8時頃)になると屋根裏部屋Yの温度が略温室内の温度となり保温カーテン8を開けられる条件が整う。
この時の屋根裏部屋Yの温度は反射機9の有無によって5〜10℃(午前8時、外気温−2℃の場合の測定値)の違いがある。
保温カーテン8が開かれているときのハウス1の受光量と各棟の受光量の関係を以下に示す(図5参照)。
尚、図5は1月中旬で、保温カーテン8を開いた直後の場合であって、仰角が20°、入射角が20°を想定したものである。
・ハウス1の全受光量(Z)=屋根受光量(U)+側壁受光量(V)+間口受光量(W)
・・Uは、1棟から6棟の受光量U1+・・+U6の和である。
・・・U1のうち有効な1棟への入射光量は、1棟内に日陰を作らないu1と、反射機9に当たり内部に反射される反射機回復光R1の入射光である。尚、L8は1棟の入射光側の保温カーテン8による損出分で、L1は1棟目の保温カーテン8と屋根の接線方向の間に入射する入射光で日陰部を構成するゾーンとなる棟境界損出受光量であるが、このゾーンに設けられた反射機9によって8割程度が反射機回復光R1として回生させる(この量R1は全棟同じである)。
・・・U2のうち有効な2棟への入射光量は、2棟内に日陰を作らないu2と反射機9に当たり内部に反射されるR2(R1と同量で全棟同量)の入射光である。
このとき、U2<U1となる。その理由は、前棟のL1の影響を受けているためである。
・・・U3〜U6の入射光量は、U2と同じとなる。
・・Vは、1棟から6棟の受光量V1+・・+V6の和である。
・・・V1は1棟のみが受ける受光量で2棟以降には存在しない。
・・Wは1棟〜6棟まで同量の受光量である。
従って、この時点での各棟の受光量は、U1>U2=U3・・=U6となる。この状況は、陽が昇るにつれて緩和され続け、南中時には全棟同量の受光量となる。
南中時には全棟同量の受光量となり、その後夕方に向かって逆転し、U6>U5=U4・・=U1となる。
この理由は、太陽が南中となる頃(図4B参照)は太陽の入射角90°、仰角30°となり、以下の条件となるからである。
・1棟目固有に存在した側壁受光量Vが無くなる。
・ 境界損出受光量が自棟の一対の保温カーテン8の日陰部のみとなる。
この時期に、反射機9の位置を東側の160°接線位置である終点に移動して午後の反射光の取り込みに備える。
この南中時を過ぎると、夕方に向かって陽射しは西に傾いて下り続けるので、反射機9の移動と相まって、午前の状況と逆転した受光条件となり、U6>U5>U4=U3・・=U1となる。
そして保温カーテン8を閉める頃には、太陽の入射角160°、仰角20°となる。
以上の通り、一日を通して1棟から6棟には略同量の陽射しが当たることとなり、且つ、栽培植物には午前と午後に別けて両側からの陽射しを受けることになる。
また、この間にあって、各棟単位で見ると、有効入射光(u)と反射機9の反射光とが、常に両側から栽培作物に陽射しとして注がれることになる。
これらのことによって、栽培室S内の各棟の中央奥行きに列状に植栽された栽培作物には常に左右両側からの陽射しが当たるので、高収穫量にして、品質のばらつきの少ない高品質の収穫物を得ることができる。
このことは、反射機9を使わないものと比較すると、極めて優れた結果を得ていることで実証されている。
また、単棟式のものと比較したときに、初期投資とランニングコストの優位性のみでなく、幅4mの棟単位で陽射しを受ける、所謂、きめ細かな配慮となり、品質、収穫量においても優位であることが明言され、実証もされている。
この結果を纏めると、以下示す効果が得られる。
(1)保温カーテン8を開ける時間が小1時間早まり、閉める時間が小1時間延びるのでハウス1全体の受光量が増加するとともに、各棟の受光量の均一化が図られる。
(2)南北棟が不利とされていた「南北の列に植えられた栽培作物は、列の北側に行くほど南側の作物の陰になり受光量が減り不利である点」については、南中時前後を除き、屋根からの直接の陽射しが、各棟単位で、午前中は南東方向から差し込むとともに、反射機で反射した陽射しが南西方向から差し込み、午後は南西方向から差し込むとともに、反射機で反射した陽射しが南東方向から差し込みむので、栽培作物には左右両側から陽射しが照射されることになるので、前記不利点を解消することとなる。
(3)以上のことによって、経済性の面から見ると、単棟の屋根型温室ハウスと同等以上の収穫量、品質を確保でき、発病も減ることとなり、且つ、初期投資は激減し、管理・維持費にも優れているので損益の改善が著しい。
尚。反射光の更なる活用として、北側の間口M面、及び、東西の側壁O面に反射機を取り付けると更によい。ただし、東側の側壁O面に取り付けた反射機は午前中は使わずに午後活用し、西側の側壁O面に取り付けた反射機は午前中活用し午後は使わないようにする。
次に、図6に示す本発明を実施するための実施例2を説明する。なお、説明に当たって、前記実施例1と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
前記実施例1と主に異なる点は、
(1)棟の間口Mを東西向きにした点と、
(2)反射シート92が片面反射シートとした点と、
(3)反射機9を午前午後で移動しない点と、
である(装置の構造は同じ)。
このように形成した農業用連棟温室ハウスにあっても、以下の点を除き、実施例1と同様な作用効果を得られる。
即ち、東西に向いた間口M(反射機軸に同じ)の南側方向から、南中時を頂点とし、午前は増加、午後は減少する時々刻々変わる仰角の陽射しを受ける形態であり、反射機9を午前、午後とも同じ位置に固定して使用する(反射角度と丈の長さは適宜調整する)。
従って、午前午後を通して常に南側(太陽側)に位置する1棟目の受光量が多く、2棟、3棟と順次減少し、3棟〜6棟が略同一の受光量となる。
従って、各棟の受光量の均一化という点では、実施例1に劣ているが、午前午後で反射機の位置を変える必要が無いので、この分の手間がかからない。
尚。反射光の更なる活用として、北側の側壁O面、及び、東西の間口M面に反射機を取り付けると更によい。ただし、東側の間口M面にに取り付けた反射機は午前中は使わずに午後活用し、西側のに間口M面取り付けた反射機は午前中活用し午後は使わないようにする。
以上、南北棟と東西棟の使い勝手を説明したが、周囲の環境、土地の形状、緯度・経度等の条件を加味して棟の向きを変えることが可能である。
この場合の肝要な点は、反射機9の取り付け位置、丈の長さ、反射角度等を最寒気の前後約1〜2ケ月を最適条件が得られるように設定すればよい。
この場合の作用効果等は、実施例1と実施例2との中間の値として得られることとなる。
本発明は、農業用連棟温室ハウスを製造、使用する産業で利用される。
N、屋根 M、間口 O、側壁
Y、屋根裏部屋 S、栽培室 m、(保温カーテンの)寄せ部
1、アーチ屋根型連棟温室ハウス(ハウス)
2、(鉄鋼製の枠組み構造物の)支柱
3、(鉄鋼製の枠組み構造物の)横梁
4、40、41、アーチ屋根骨格
5、側壁骨格
6、雨樋
7、カーテンレール
8、保温カーテン
9、91、92、93、反射機
K、(反射機の)所定の位置。

Claims (5)

  1. 連棟する各棟ごとに各棟の屋根裏部屋と栽培室とを開閉する保温カーテンで仕切ると共に、隣り合う棟の屋根と屋根とが連結される谷間部に雨樋と該雨樋の下部に前記保温カーテンの寄せ部を備えた農業用連棟温室ハウスにおいて、
    前記各棟の屋根裏部屋の所定の位置で屋根の棟方向に配置されていて、屋根から受けた太陽光を前記栽培室に向かって反射させる反射機を備えたことを特徴とする農業用連棟温室ハウス。
  2. 前記反射機の所定の位置は、間口の間を水平方向に移動可能とする移動点であることを特徴とする請求項1記載の農業用連棟温室ハウス。
  3. 前記農業用連棟温室ハウスの棟が南北方向に設置されたものにあっては、前記反射機は両面が反射する反射機であって、午前中は前記棟の西側に配置され、午後は移動させて前記棟の東側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の農業用連棟温室ハウス。
  4. 前記農業用連棟温室ハウスの棟が東西方向に設置されたものにあっては、前記反射機は片面が反射する反射機であって、終日前記棟の北側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の農業用連棟温室ハウス。
  5. 前記反射機は角度と丈の長さが可変可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の農業用連棟温室ハウス。
JP2012107419A 2012-05-09 2012-05-09 農業用連棟温室ハウス Pending JP2013233109A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020184987A (ja) * 2019-05-13 2020-11-19 隆司 垣本 ソーラーシェアリングシステム

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