JP2013231651A - 回転角度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転角度検出装置において、学習許容回転数の範囲外でも、回転角度の誤差の補正を適切に行うことを可能にすることである。
【解決手段】回転角度検出装置30は、レゾルバ16の温度を取得し、予め定めた学習許容回転数の範囲内で、複数の互いに離間した温度条件の下で、各回転角度についての誤差値を学習によって取得し、レゾルバ温度に対応付けて記憶する学習記憶部34と、回転電機12の回転数が学習許容回転数の範囲外であるときに、学習記憶部34において、そのレゾルバ温度に対応する誤差値を検索し、そのレゾルバ温度に対応する温度の誤差値がない場合には、そのレゾルバ温度に近い温度における誤差値を用い、補間法によって、そのレゾルバ温度の誤差値を求め、求められた誤差値に基づいて回転角度を補正する補正部36を備える。
【選択図】図1
【解決手段】回転角度検出装置30は、レゾルバ16の温度を取得し、予め定めた学習許容回転数の範囲内で、複数の互いに離間した温度条件の下で、各回転角度についての誤差値を学習によって取得し、レゾルバ温度に対応付けて記憶する学習記憶部34と、回転電機12の回転数が学習許容回転数の範囲外であるときに、学習記憶部34において、そのレゾルバ温度に対応する誤差値を検索し、そのレゾルバ温度に対応する温度の誤差値がない場合には、そのレゾルバ温度に近い温度における誤差値を用い、補間法によって、そのレゾルバ温度の誤差値を求め、求められた誤差値に基づいて回転角度を補正する補正部36を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転角度検出装置に係り、特に、検出された回転角度の誤差を学習によって補正する回転角度検出装置に関する。
回転電機のロータの回転角度を用いて回転制御を行う場合、検出された回転角度に含まれる誤差を補正または除去することが必要となる。
例えば、特許文献1には、モータ制御装置として、レゾルバが故障していると判断されるときは、外乱オブザーバの出力する推定誘起電圧から算出される推定回転角を用いることが開示されている。さらに、誘起電圧は、回転数が低いと誤差が多いので、回転角速度が所定値未満のときは、推定回転角によるモータの制御を行なわないことが述べられている。
特許文献2には、温度によって生じるレゾルバ検出角度誤差の補正方法として、レゾルバ出力のsinθ側電圧V1とcosθ側電圧V2との比α=(V1/V2)と温度Tとの関係を予めマップ化し、このα−T特性を用いて、検出角度誤差の補正を行うことが開示されている。
特許文献3には、レゾルバ/デジタル変換器を用いて制御システムとして、レゾルバ出力信号の温度依存性について、ゲイン係数の温度特性はレゾルバ出力信号の比を用いて相殺できることが述べられている。そして、信号遅延特性の温度特性は、sin信号の位相を90°シフトさせてcos信号から減算することで励磁信号との位相差を求められることが述べられている。
特許文献4には、レゾルバ位置検出装置において温度上昇による巻線抵抗の増加によって、励磁電圧信号に対し検出電圧信号の位相が進むことを指摘している。従来技術では、巻線抵抗に並列にサーミスタと抵抗素子を接続し、サーミスタの温度特性で巻線特性の温度特性を相殺しているが、前者が線形特性、後者が非線形特性のため、相殺が不十分であると述べている。そこで、励磁周波数を上げて位相を遅れ方向へずらすことが開示されている。この場合も励磁周波数と位相の関係は非線形であるので、これを補償するマップを用いて励磁周波数を決定することが述べられている。
従来技術で述べられているように、回転電機のロータの回転角度の検出にはレゾルバが用いられる。そして、レゾルバによって検出される回転角度に含まれる誤差を補正するために、学習が行われる。回転角度の誤差を補正する学習としては、時間と回転角度の関係である回転角度特性について、一回転周期の間が一定回転速度あるいは一定回転加速度であるとしたときの基準回転角度特性を用いる。
ところで、回転電機の回転数が低回転数であるときは、回転体としてのエネルギが小さいために外乱に弱く、また、一回転周期が長くなるので、一回転周期の間が一定回転速度あるいは一定回転加速度であることという学習条件を満たさないことが生じ得る。例えば、回転電機の始動時には低回転であるので学習条件を満たさないことがある。
このような場合に、回転数が高くて学習条件を満たしたときの誤差データを用いて補正を行うことが考えられるが、回転数が高くて学習条件を満たすときは、回転電機の温度が上昇していることが多く、低回転のときの回転電機の温度とは異なることが多い。低回転で低温のときのように、学習許容回転数の範囲外の場合には、回転角度の誤差の補正が困難である。
本発明の目的は、学習許容回転数の範囲外でも、回転角度の誤差の補正を適切に行うことを可能にする回転角度検出装置を提供することである。
本発明に係る回転角度検出装置は、レゾルバによって取得された回転電機の回転角度の誤差を補正し、補正後の回転角度を出力する回転角度検出装置であって、レゾルバの温度を検出する温度検出手段と、予め定めた学習許容回転数の範囲内で、複数の互いに離間した温度条件の下で、各回転角度についての誤差値を学習によって取得し、レゾルバ温度に対応付けて記憶する学習記憶部と、回転電機の回転数が学習許容回転数の範囲外であるときに、学習記憶部において、そのレゾルバ温度に対応する誤差値を検索し、そのレゾルバ温度に対応する温度の誤差値がない場合には、そのレゾルバ温度に近い温度における誤差値を用い、補間法によって、そのレゾルバ温度の誤差値を求め、求められた誤差値に基づいて回転角度を補正する補正部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る回転角度検出装置において、学習記憶部は、温度範囲を予め複数の領域に区分し、学習によって取得した誤差値を各領域ごとに分類して記憶することが好ましい。
上記構成によって、回転角度検出装置は、予め定めた学習許容回転数の範囲内で、複数の互いに離間した温度条件の下で、各回転角度についての誤差値を学習によって取得し、レゾルバ温度に対応付けて記憶する。そして、回転電機の回転数が学習許容回転数の範囲外であるときに、学習記憶部に記憶されている誤差値の中で、実際のレゾルバ温度に対応する温度の誤差値を用いて、回転角度の補正を行う。これによって、学習許容回転数の範囲外でも、実際のレゾルバ温度に対応して回転角度の誤差の補正を適切に行うことができる。
また、学習記憶部を検索して、実際のレゾルバ温度に対応する温度の誤差値がない場合には、そのレゾルバ温度に近い温度における誤差値を用い、補間法によって、そのレゾルバ温度の誤差値を求め、求められた誤差値に基づいて回転角度を補正する。これによって、さらに適切に回転角度の誤差の補正を行うことができる。
また、回転角度検出装置において、温度範囲を予め複数の領域に区分し、学習によって取得した誤差値を各領域ごとに分類して記憶するので、検索が容易となる。例えば、補間に必要な誤差値の検索が容易となる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下で述べる回転数、温度、領域の区分の仕方、学習の仕方等は説明のための例示である。これらは、回転角度検出装置の仕様等に応じ、適宜変更が可能である。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、回転角度検出システム10の構成図である。回転角度検出システム10は、回転電機12の回転軸の回転角度を検出し、それに含まれる誤差を補正して、補正後の回転角度を出力するシステムである。出力された回転角度は、回転電機12の回転制御等に用いられる。
回転角度検出システム10は、回転電機12の他に、レゾルバ16と回転角度検出装置30を含んで構成される。
回転電機12は、三相同期型の電動機である。勿論、回転軸の回転角度を検出する必要のあるものであれば、三相同期型以外の方式の回転電機であってもよい。回転軸14は、回転電機12のロータの出力軸である。
レゾルバ16は、回転電機12の回転軸14の回転角度に応じた信号を出力する機能を有する装置である。レゾルバ16は、回転角度検出装置30から供給される励磁信号20を用いて、回転角度情報を含み予め定めた位相関係を有する2つのレゾルバ信号22を回転角度検出装置30に出力する。
レゾルバ16は、レゾルバ温度を検出する温度検出手段としての温度センサを備える。温度センサの検出データは、適当な信号線24によって回転角度検出装置30に伝送される。
回転角度検出装置30は、レゾルバ16から伝送されてくる2つのレゾルバ信号22に基づいて回転電機12の回転軸14の回転角度を算出し、これに含まれる誤差を学習によって補正し補正後の回転角度を出力する。ここでは特に、学習許容回転数の範囲外の回転数のときに、回転角度の誤差を補正して補正後の回転角度を出力する機能を有する。かかる回転角度検出装置30は、マイクロプロセッサ等のコンピュータで構成することができる。
回転角度検出装置30は、レゾルバ信号から回転角度を算出し、デジタルデータを出力するR/D変換部32と、学習許容回転数の範囲内の回転数について学習を行い、取得した回転角度の誤差値をレゾルバ温度に関連付けて記憶する学習記憶部34と、学習記憶部34に記憶された誤差値を用いて学習許容回転数の範囲外の回転数についての回転角度の誤差を補正して補正後の回転角度を出力する補正部36を含んで構成される。
かかる機能はソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には回転角度学習補正プログラムを実行することで実現できる。かかる機能の一部をハードウェアで実現してもよい。
上記構成の作用、特に、学習記憶部34と補正部36の機能について、以下に図面を用いて詳細に説明する。
図2は、レゾルバ温度に対応付けて回転角度の誤差値を記憶する学習の手順を示すフローチャートである。各手順は、回転角度学習補正プログラムの処理手順に対応する。かかる手順は、学習記憶部34の機能によって実行される。
回転角度学習補正プログラムにおける学習記憶に関する部分が立ち上がると、回転電機12の現在の回転数が予め定めた学習許容回転数の上下限の範囲内か否かが判断される(S10)。学習許容回転数の範囲は、回転角度の誤差の補正のための学習に適した回転数として予め定めることができる。学習許容回転数の範囲としては、回転体の回転エネルギが外乱の影響を受けないくらい大きいか、1回転周期が適当な長さか等で定められる。一例を示すと、毎分3000回転から10000回転を学習許容回転数の範囲と定めることができる。
S10の判断が否定されると、学習に不適当であるので、そこで終了する(S12)。S10の判断が肯定されると、学習温度θTと、回転角度誤差e(θT)が取得される(S14)。学習温度θTは、レゾルバ温度で、レゾルバ16に設けられる温度センサの値を取得して用いられる。回転角度誤差e(θT)は、R/D変換部32から出力される回転角度に基づいて計算される。具体的には、時間軸に沿って取得した回転角度の特性線と、回転電機12の回転が一定回転速度あるいは一定回転加速度としたときの時間軸に沿った回転角度の基準特性線とを比較して、各回転角度についての誤差値が計算される。
次に、温度範囲を予め複数の領域に区分して、取得した学習温度θTがどの領域に含まれるかを判断し、学習温度θTが含まれる領域に対応付けて、取得した回転角度誤差e(θT)が記憶される。
図2では、温度範囲をT1未満、T1以上からT2未満、T2以上からT3未満、T3以上からT4未満等のn+1の領域に区分した場合について、取得した回転角度誤差e(θT)がどの領域に関連付けて記憶されるかの手順が示されている。
具体的には、まず、学習温度θTがT1未満か否かが判断される(S16)。判断が肯定されると、取得された回転角度誤差e(θT)は、学習記憶部34のメモリの領域M0に、学習温度θTに関連付けて記憶される(S18)。これで、1つの学習温度についての回転角度誤差値のメモリへの格納が終了するので、以後の処理は行われない。
メモリの領域M0は、学習温度がT1未満の温度範囲にあるときの回転角度誤差値を格納する領域である。そこで、このときの学習温度θTが領域M0の温度範囲の温度であることを示すため、温度をtとして添え字に0を用いて、θT(t0)と表すものとする。同様に、このときの回転角度誤差e(θT)が領域M0の温度範囲の温度のときの回転角度誤差値であることを示すため、e0(t0)と表すものとする。したがって、領域M0には、[t0,e0(t0)]のデータ組が格納される。
S16の判断が否定されると、学習温度θTがT1以上からT2未満か否かが判断される(S20)。判断が肯定されると、取得された回転角度誤差e(θT)は、学習記憶部34のメモリの領域M1に記憶される(S22)。これで、1つの学習温度についての回転角度誤差値のメモリへの格納が終了するので、以後の処理は行われない。
メモリの領域M1は、学習温度がT1以上からT2未満の温度範囲にあるときの回転角度誤差値を格納する領域である。そこで、このときの学習温度θTが領域M1の温度範囲の温度であることを示すため、温度をtとして添え字に1を用いて、θT(t1)と表すものとする。同様に、このときの回転角度誤差e(θT)が領域M1の温度範囲の温度のときの回転角度誤差値であることを示すため、e1(t1)と表すものとする。したがって、領域M1には、[t1,e1(t1)]のデータ組が格納される。
S20の判断が否定されると、学習温度θTがT2以上からT3未満か否かが判断される(S24)。判断が肯定されると、取得された回転角度誤差e(θT)は、学習記憶部34のメモリの領域M2に記憶される(S26)。これで、1つの学習温度についての回転角度誤差値のメモリへの格納が終了するので、以後の処理は行われない。
メモリの領域M2は、学習温度がT2以上からT3未満の温度範囲にあるときの回転角度誤差値を格納する領域である。既に記憶領域M1,M2で説明したように、ここでも、学習温度θTが領域M2の温度範囲の温度であること、回転角度誤差e(θT)が領域M2の温度範囲の温度のときの回転角度誤差値であることを示すため、添え字に2を用いる。したがって、領域M2には、[t2,e2(t2)]のデータ組が格納される。
以下、温度範囲についての判断が否定されると、次の温度範囲に含まれるか否かの判断が行われ、これが繰り返される。一般的には、学習温度θTがTn-1以上からTn未満か否かが判断される(S28)。判断が肯定されると、取得された回転角度誤差e(θT)は、学習記憶部34のメモリの領域Mn-1に[tn-1,en-1(tn-1)]のデータ組として記憶される(S30)。
S28の判断が否定されると、最後に、学習温度θTがTn以上か否かが判断される(S32)。これが最後の判断であり、温度範囲に上限はないので、取得された回転角度誤差e(θT)は、学習記憶部34のメモリの領域Mnに[tn,en(tn)]のデータ組として記憶される(S34)。
これで、1つの学習について、取得した学習温度θTがどの領域に含まれるかを判断し、学習温度θTが含まれる領域に対応付けて、取得した回転角度誤差e(θT)が記憶される。そして、次の学習が引き続き行われ、別の学習温度θTの下で、回転角度誤差e(θT)が取得され、上記の手順が実行されて、この新しい[学習温度θT、回転角度誤差e(θT)]のデータ組が、該当する温度範囲の領域に格納される。
図3は、学習によって誤差値を取得し記憶する実際の様子を示す図である。横軸は回転数で、縦軸は温度である。曲線40が学習を行おうとして、各温度で回転角度誤差を取得した軌跡線である。図3において、二重線で囲まれた範囲の中が学習許容回転数の範囲である。縦軸は、温度T1,T2,T3,T4,T5,T6によって7つの領域に区分される。7つの領域は、学習記憶部34のメモリにおける7つの記憶領域M0,M1,M2,M3,M4,M5,M6である。
したがって、曲線40が二重線で囲まれた範囲の中にあるときに、学習が許容され、この範囲外では学習が許容されない。学習が許容されない状態は、図2のフローチャートのS10の判断が否定された状態である。
曲線40が学習許容回転数の範囲内にあるときは、各回転数において、学習温度θTとそのときの回転角度誤差e(θT)が取得される。取得された[学習温度θT、回転角度誤差e(θT)]のデータ組は、図2のフローチャートで説明した手順に従って、学習記憶部34のメモリの7つの領域の中の該当する1つの領域に格納される。
取得され格納された[学習温度θT、回転角度誤差e(θT)]のデータ組は、メモリの7つの領域の各領域について1つのデータ組のみが記憶される。図3では曲線40上において白丸で示した位置が[学習温度θT、回転角度誤差e(θT)]のデータ組を取得した位置であるが、メモリの同じ領域内においては、取得したデータ組が記憶されても、次の新しいデータ組によって上書きされて残されない。各領域で最後に取得されたデータ組のみがその領域において記憶される。各領域で記憶されたデータ組の取得された位置は、図3において曲線40上における黒丸の位置で示される。
図3の例では、領域M2で[θT=t2,e2(t2)]のデータ組が記憶され、領域M3で[θT=t3,e3(t3)]のデータ組が記憶され、領域M4で[θT=t4,e4(t4)]のデータ組が記憶され、領域M6で[θT=t6,e6(t6)]のデータ組が記憶される。
図4は、図3の例について、学習記憶部34のメモリに記憶された内容を示す図である。ここでは、具体的な温度の値を示した。もっとも、ここで示す温度の値は説明のための例示であって、実際の温度の値と必ずしも同じではない。図4では、温度範囲を10℃単位で7つの領域に区分してある。例えば、領域M0は10℃未満の温度範囲であり、領域M1は10℃以上20℃未満の温度範囲である。以下、領域M2は20℃以上30℃未満の温度範囲であり、領域M3は30℃以上40℃未満の温度範囲であり、領域M4は40℃以上50℃未満の温度範囲であり、領域M5は50℃以上60℃未満の温度範囲であり、領域M6は60℃以上の温度範囲である。
そして、図3において学習記憶された4つのデータ組は、領域M2における[29℃、e2(29℃)]、領域M3における[39℃、e3(39℃)]、領域M4における[47℃、e4(47℃)]、領域M6における[63℃、e6(63℃)]である。領域M0,領域M1,領域M5については、学習記憶が未だ行われていない。
次に、学習記憶されたデータ組を用いて、学習許容回転数の範囲外において、回転角度の補正を行う手順について説明する。図5は、図2の手順で学習記憶されたデータ組を用いて回転角度の補正を行う手順を示すフローチャートである。各手順は、回転角度学習補正プログラムの処理手順に対応する。かかる手順は、補正部36の機能によって実行される。
回転角度学習補正プログラムにおける補正に関する部分が立ち上がると、回転電機12の現在の回転数が予め定めた学習許容回転数の上下限の範囲の外か否かが判断される。実際には、学習許容回転数を超えた高回転側が問題になることはほとんどないので、図5では、現在の回転数が学習許容下限回転数未満であるか否かが判断される(S40)。図2の例に従えば、学習許容下限回転数は、毎分3000回転である。S40の判断が否定されるときは、回転数が学習許容回転数の範囲内であるので、従来技術に従って、1回転周期前の誤差を用いて回転角度の補正が行われる(S42)。
次に、現在の検出温度θtが取得される(S44)。現在の検出温度θtとは、回転角度の検出を行っていて、その誤差を補正しようとするときのレゾルバ16の温度である。例えば、回転電機12の始動時であれば、回転数が低回転であって、学習許容回転数の範囲外であることが多く、また、回転電機12およびレゾルバ16の温度も低温であることが多い。このような場合で回転電機12の回転軸14の回転角度を検出し、これを補正しようとするときは、回転電機12の始動時におけるレゾルバ16の温度がθtである。
次に、学習記憶部34においてデータ組を記憶するメモリの複数の領域のどの領域に検出温度θtが属するか判断し、さらに、学習記憶部34に既に記憶されている複数のデータ組の学習温度θTとの関係を判断する。例えば、検出温度θtが領域M3に属すると判断されると、さらに、検出温度θtが既に学習記憶部34のメモリに記憶されているデータ組の学習温度θTと一致するか否かが判断される。多くの場合、一致することは少ないので、その場合には、補間法が適用できるように、検出温度θtに近い学習温度θTの2つのデータ組がどれかが判断される。
具体的には、まず、検出温度θtが温度t0未満か否かが判断される(S46)。温度t0は、領域M0において既に記憶されているデータ組の学習温度θTである。学習温度θTは、複数の領域に区分したときの温度T0とは異なる値であるので、その区別を明らかにするために、t0と表した。S46の判断が肯定されると、領域M0に記憶されているデータ組[θT=t0,e0(t0)]を用いて補正が行われる(S48)。これで、1つの検出温度についての回転角度誤差の補正が終了するので、以後の処理は行われない。
この場合、検出温度θtは領域M0の温度範囲の温度であるので、そのことを示すために、温度をθとして添え字に0を用いて、θT(θ0)と表すものとする。なお、図2で説明したときの領域M0に含まれる学習温度θTはt0で、今回の領域M0に含まれる検出温度θtはθ0である。以下、同様に、領域M1に含まれる検出温度θtはθ1と示し、領域M2に含まれる検出温度θtはθ2と示し、領域Mn-1に含まれる検出温度θtはθn-1と示し、領域Mnに含まれる検出温度θtはθnと示す。
S46の判断が否定されると、次に、検出温度θtが温度t0以上でt1未満か否かが判断される(S50)。温度t1は、領域M1において既に記憶されているデータ組の学習温度θTである。S50の判断が肯定されると、検出温度θtが温度t1と一致していれば、領域M1に記憶されているデータ組[θT=t1,e1(t1)]を用いて補正が行われる。一致していないときが多いが、その場合には、領域M0に記憶されているデータ組[θT=t0,e0(t0)]と、領域M1に記憶されているデータ組[θT=t1,e1(t1)]を用いて、補間法によって検出温度θt=θ1における補正値を求め、その補間法によって求められた誤差値を用いて補正が行われる(S52)。これで、1つの検出温度についての回転角度誤差の補正が終了するので、以後の処理は行われない。
S50の判断が否定されると、次に、検出温度θtが温度t1以上でt2未満か否かが判断される(S54)。温度t2は、領域M2において既に記憶されているデータ組の学習温度θTである。S54の判断が肯定されると、検出温度θtが温度t2と一致していれば、領域M2に記憶されているデータ組[θT=t2,e2(t2)]を用いて補正が行われる。一致していないときが多いが、その場合には、領域M1に記憶されているデータ組[θT=t1,e1(t1)]と、領域M2に記憶されているデータ組[θT=t2,e2(t2)]を用いて、補間法によって検出温度θt=θ2における補正値を求め、その補間法によって求められた誤差値を用いて補正が行われる(S56)。これで、1つの検出温度についての回転角度誤差の補正が終了するので、以後の処理は行われない。
以下、温度範囲についての判断が否定されると、次の温度範囲に含まれるか否かの判断が行われ、これが繰り返される。一般的には、検出温度θtがtn-1以上からtn未満か否かが判断される(S58)。判断が肯定されると、検出温度θtが温度tnと一致していれば、領域Mnに記憶されているデータ組[θT=tn,en(tn)]を用いて補正が行われる。一致していないときが多いが、その場合には、領域Mn-1に記憶されているデータ組[θT=tn-1,en-1(tn-1)]と、領域Mnに記憶されているデータ組[θT=tn,en(tn)]を用いて、補間法によって検出温度θt=θn-1における補正値を求め、その補間法によって求められた誤差値を用いて補正が行われる(S60)。
S58の判断が否定されると、最後に、検出温度θtがtn以上か否かが判断される(S62)。これが最後の判断であり、温度範囲に上限はないので、領域Mnに記憶されているデータ組[θT=tn,en(tn)]を用いて補正が行われる。
これで、1つの回転角度検出について補正が行われたので、次の角度検出と補正が引き続き行われ、別の検出温度θtの下で上記の手順が実行される。
図6は、学習許容下限回転数未満の回転数の下で、補正が行われる実際の様子を示す図である。図6は図3に対応する図で、横軸は回転数で、縦軸は温度である。図3で説明した曲線40が一点鎖線で示されており、曲線42は、いま補正を行おうとして、各温度で回転角度を検出した軌跡線である。曲線42は、二重線で囲まれた学習許容回転数の範囲の外にある。縦軸は、学習によって既に回転角度の誤差値が記憶されているデータ組の学習温度t2,t3,t4,t6が示されている。また、7つの記憶領域M0,M1,M2,M3,M4,M5,M6の範囲も示されている。
いま補正を行おうとして回転角度を検出した位置は、曲線42上において三角印で示されている。1つは、検出温度θtが領域M3に属する位置で、もう1つは、検出温度θtが領域M5に属する位置である。既に学習によって記憶されているデータ組の学習温度θTは、t2,t3,t4,t6である。
したがって、検出温度θtが領域M3に属する回転角度については、領域M2に記憶されているデータ組[θT=t2,e2(t2)]と、領域M3に記憶されているデータ組[θT=t3,e3(t3)]を用いて、補間法によって検出温度θt=θ3における補正値を求め、その補間法によって求められた誤差値を用いて補正が行われる。
検出温度θtが領域M5に属する回転角度については、領域M5についての学習が行われていないので、領域M5に記憶されているデータ組がない。この場合は、検出温度θt=θ5に最も近い温度において学習されて記憶された2つのデータ組を用いて補正を行う。いまの場合、領域M4に記憶されているデータ組[θT=t4,e4(t4)]と、領域M6に記憶されているデータ組[θT=t6,e6(t6)]を用いて、補間法によって検出温度θt=θ5における補正値を求め、その補間法によって求められた誤差値を用いて補正が行われる。
検出温度θtが領域M5に属する回転角度については、領域M5についての学習が行われていないので、領域M5に記憶されているデータ組がない。この場合は、検出温度θt=θ5に最も近い温度において学習されて記憶された2つのデータ組を用いて補正を行う。いまの場合、領域M4に記憶されているデータ組[θT=t4,e4(t4)]と、領域M6に記憶されているデータ組[θT=t6,e6(t6)]を用いて、補間法によって検出温度θt=θ5における補正値を求め、その補間法によって求められた誤差値を用いて補正が行われる。
図7は、図6の例について、学習記憶部34のメモリに記憶された内容を参照しながら、補正のために用いられるデータ組を説明する図である。ここでは、具体的な温度の値を示した。もっとも、ここで示す温度の値は説明のための例示であって、実際の温度の値と必ずしも同じではない。図7では、図4で説明した記憶データが領域ごとに区別して示され、これを参照できるように、図6の2つの検出温度が示されている。
図7の例では、検出温度θ3=37℃に一致する学習温度はないので、37℃を挟む2つのデータ組である[θT=t2=29℃,e2(t2=29℃)]と、[θT=t3=39℃,e3(t3=39℃)]を用いて、補間法により、θ3=37℃に対応する回転角度誤差値e3(t3=37℃)を求める。具体的には、e3(t3=37℃)=[e3(t3=39℃)−e2(t2=29℃)]×[(t3=37℃)−(t2=29℃)]/[(t3=39℃)−(t2=29℃)]+e2(t2=29℃)として、θ3=37℃に対応する回転角度誤差値e3(t3=37℃)を求める。
また、検出温度θ5=52℃に一致する学習温度はないので、52℃を挟む2つのデータ組である[θT=t4=47℃,e4(t4=47℃)]と、[θT=t6=63℃,e6(t6=63℃)]を用いて、補間法により、θ5=52℃に対応する回転角度誤差値e5(t3=52℃)を求める。具体的には、e5(t5=52℃)=[e6(t6=63℃)−e4(t4=47℃)]×[(t5=52℃)−(t4=47℃)]/[(t5=52℃)−(t4=47℃)]+e4(t4=47℃)として、θ5=52℃に対応する回転角度誤差値e5(t5=52℃)を求める。
図8は、横軸に回転角度、縦軸に誤差を取った誤差曲線で、補間法によってe3(θt=θ3)と、e5(θt=θ5)を求める様子を示す図である。ここでは、学習によって既に記憶されている4つの誤差曲線が実線で示され、補間法で求められる2つの誤差曲線が破線で示されている。ここで示されるように、e3(θt=θ3)は、既に記憶されているe2(θT=t2)とe3(θT=t3)の2つから補間法で求められる。また、e5(θt=θ5)は、既に記憶されているe4(θT=t4)とe6(θT=t6)の2つから補間法で求められる。
このように、学習許容回転数の範囲内の回転数における学習で取得される誤差値を学習温度に関連付けて記憶し、これを利用することで、学習許容回転数の範囲外の回転数においても、検出回転角度について十分な補正を行うことができる。
本発明に係る回転角度検出装置は、車両に搭載される回転電機の回転制御に利用できる。
10 回転角度検出システム、12 回転電機、14 回転軸、16 レゾルバ、20 励磁信号、22 レゾルバ信号、24 信号線、30 回転角度検出装置、32 R/D変換部、34 学習記憶部、36 補正部、40,42 曲線。
Claims (2)
- レゾルバによって取得された回転電機の回転角度の誤差を補正し、補正後の回転角度を出力する回転角度検出装置であって、
レゾルバの温度を検出する温度検出手段と、
予め定めた学習許容回転数の範囲内で、複数の互いに離間した温度条件の下で、各回転角度についての誤差値を学習によって取得し、レゾルバ温度に対応付けて記憶する学習記憶部と、
回転電機の回転数が学習許容回転数の範囲外であるときに、学習記憶部において、そのレゾルバ温度に対応する誤差値を検索し、そのレゾルバ温度に対応する温度の誤差値がない場合には、そのレゾルバ温度に近い温度における誤差値を用い、補間法によって、そのレゾルバ温度の誤差値を求め、求められた誤差値に基づいて回転角度を補正する補正部と、
を備えることを特徴とする回転角度検出装置。 - 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
学習記憶部は、
温度範囲を予め複数の領域に区分し、学習によって取得した誤差値を各領域ごとに分類して記憶することを特徴とする回転角度検出装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017532567A (ja) * | 2014-10-24 | 2017-11-02 | モーグ インコーポレイテッド | 位置センサアセンブリ |
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-
2012
- 2012-04-27 JP JP2012103370A patent/JP2013231651A/ja active Pending
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