JP2013230453A - ナノフィルタろ材およびその製造方法 - Google Patents

ナノフィルタろ材およびその製造方法 Download PDF

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登志雄 千田
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Abstract

【課題】ナノファイバー層を損傷することなく高性能で品質上安定した経済的なナノフィルタ及びナノフィルタ製造方法を提供する。
【解決手段】合繊繊維またはガラス繊維や天然繊維などからなる不織布あるいは織布のフィルタ表面に単一または繊維径が異なる複数種類のナノファイバーを重ね、ナノファイバーと前記不織布あるいは織布とを積層または混合し一体化したナノフィルタろ材、およびこのナノフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA,HEPA,ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能とした。
【選択図】図1

Description

合繊繊維またはガラス繊維や天然繊維などからなる不織布あるいは織布のフィルタ表面の上に、単一または繊維径が異なる種類のナノファイバーを重ね、前記不織布あるいは織布とナノファイバーを積層または混合し一体化したナノフィルタろ材およびこのナノフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工して、プレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能としたナノフィルタろ材の製造方法に関するものである。
半導体分野、バイオケミカル分野などのクリーンルームや一般空調などに使用される一般的なエアフィルタは捕集効率を高め、目詰まりの減少あるいは長寿命化を図るため、低効率ろ材と高効率ろ材を密接して重ね、2枚のろ材シートを重ね合わせて気流方向の上流側に低効率ろ材を、下流側に高効率ろ材となるようにセパレータを挟んでジグザグ状に折り畳み、空気漏れが生じないようにその全周をシール材で四方形枠に気密に取り付けたエアフィルタが考えられている。
また、1枚のろ材に接着材をろ材の上流側より下流側に向けて粗から密に含浸し低効率ろ材から高効率ろ材に形成する方法または溶融繊維での接着などが考えられている。
しかしながら、前者は2枚のろ材を重ね合わせてジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工するため、ろ材全体の厚みが必要以上に大きくなってしまいエアフィルタの処理風量を比較した場合、ろ過面積減少、圧損の上昇および通常のエアフィルタのサイズに比べて大きくならざるを得なかった。
また、後者は上流側より下流側に向けての接着剤での空隙低下などで品質的に不安定であった。
そこで、近年ナノファイバーの製造方法が開発され、ナノファイバーの集合体からなるシートは、従来の繊維からなるシートに比べてスリップフロー効果で低圧損化であり、細孔が小さい繊維との粒子接触が大きいため粒子捕集率が大きいことがわかり、ナノファイバーを利用したエアフィルタろ材が開発されるようになってきた。
しかしながら、エアフィルタユニットは低い圧力損失で高い捕集効率を確保するためフィルタ面積を広めプリーツ加工を施こした構造が採用されている。その形状および構造を維持するために製造工程には折り筋となる圧痕を付け、フィルタろ材によって複数の折り畳み工程や溶融樹脂ビード塗布工程、、加熱工程、冷却工程などが設けられている。
一方低圧損で捕集効率を高め、目詰まりの減少あるいは長寿命化を図る手段としてナノファイバーをフィルタの表面あるいは中間層に設ける手法や形態保持・強度向上を目的とする太い繊維層とナノファイバー層を積層してフィルタろ材を形成する手法が考えられている。
そこで、ナノファイバーを積層した素材で折り畳みフィルタを作成する場合、ナノファイバー層を損傷せずに製品化するためにナノファイバー層を養生用のクロスで覆うことが考えられている。しかしナノファイバー層と養生クロスの接着や養生クロスによるフィルタ性能の低下やコスト面での不利益は避けられない。
さらにはフィルタ積層ろ材の最表面にナノファイバー層が存在する場合、ロールで加圧・駆動したり折り畳み装置の立上げプレートでナノファイバー層を擦ったり手繰り寄せたりする通常の製造工程ではナノファイバー層を損傷し、粉塵捕集効率などのフィルタ性能を低下させてしまうといった課題があった。
また、従来は製造するフィルタ種類が変わる都度フィルタろ材を取替える必要があり、製造ラインの中にフィルタろ材をセットする作業時間による製造ラインの稼働率の低下やろ材をセットする際に調整のためにろ材を一定量使用することによる歩留まりの低下によってコストアップとなるといった課題があった。
本発明はこれらの課題を解決しょうとしたもので本発明の第1の目的は、0.03〜0.8μmのナノファイバーをフィルタに積層して、ナノファイバーろ材を提供しょうとしたものである。
本発明の第2の目的は、合繊繊維またはガラス繊維や天然繊維などからなる不織布あるいは織布のフィルタ表面の上に、単一または繊維径が異なる複数種類のナノファイバーを重ね、前記不織布あるいは織布とナノファイバーとを積層または混合し一体化したナノフィルタろ材を提供しょうとしたものである。
本発明の第3の目的は、プレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能として稼働率を高め、歩留まりを向上させることよるコスト改善に寄与できるようにしたものである。
本発明の第4の目的は、コンパクトなエアフィルタのサイズで処理風量が大きく、圧力損失の低い前記フィルタおよびそれぞれのフィルタパックを提供しょうとしたものである。
本発明の第5の目的は、高効率でありながら、寿命の長い前記フィルタおよびそれぞれのフィルタパックを提供しょうとしたものである。
本発明の第6の目的は、前記フィルタおよびそれぞれのフィルタパックを安価に提供しょうとしたものである。
本発明の第1の解決手段は、フィルタ供給工程、筋付け工程、前段折り畳み工程、後段折り畳み工程、切断工程からなる従来のフィルタ製造装置において、従来のフィルタ供給工程と筋付け工程の間に、ナノファイバー紡糸工程とナノファイバーをフィルタに積層するナノファイバー被覆工程とを設けたことを特徴としたものである。
本発明の第2の解決手段は、前記のナノフィルタ製造方法で、合繊繊維またはガラス繊維や天然繊維などからなる不織布あるいは織布のフィルタ表面の上に、単一または繊維径が異なる複数種類のナノファイバーを重ね、ナノファイバーと前記不織布あるいは織布とを積層または混合し一体化したことを特徴としたものである。
本発明の第3の解決手段は、前記のナノフィルタの製造方法で、前記のナノファイバー層の表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体を付けて、繊維径が1〜100μm、厚みが0.05〜1.5mmの不織布あるいは織布を乾燥固着して一体にしたナノフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能としたものである。
本発明の第4の解決手段は、前記のナノフィルタろ材の製造方法で、前記のナノフィルタろ材の表裏面にエンボス加工を施したナノフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工する際に、予め各エンボスの頂部に塗布された樹脂ビード同士を固着することにより一体に連結したプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能としたものである。
本発明の第5の解決手段は、前記のナノフィルタろ材の製造方法で、前記のフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工し、ひだ折り加工したナノフィルタろ材間にビード状接着剤またはセパレータを挟み込んで外枠内にシール材で気密に取り付けてプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能としたものである。
本発明の第6の解決手段は、前記ナノフィルタろ材の製造方法において、ナノファイバー紡糸工程を高電圧が印加する高電圧発生部とポリマー溶剤溶液をポンプにて送給できるようにしたチューブを接続したノズルと繊維分散供給用の圧縮エアーを吐き出すエアーブローから構成したものである。
本発明の第7の解決手段はナノファイバーをフィルタに積層被覆する工程と必要な場合はその積層被覆層を接着する工程とを、折り筋をつける筋付け工程と溶融樹脂ビードを塗布する工程との間に、あるいは溶融樹脂ビード塗布工程を設けない場合は後段折り畳み工程の間に折り畳みフィルタの製造工程を挿入配置したものである。
本発明の第8の解決手段はフィルタ供給工程、筋付け工程、前段折り畳み工程、後段折り畳み工程、切断工程からなる従来のフィルタ製造装置において、従来のフィルタ供給工程と筋付け工程の間に、フィルタ表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体を付ける工程とナノファイバー紡糸工程とナノファイバーをフィルタに積層被覆する工程とを設けたことを特徴としたものである。
ここで、フィルタ供給工程は合繊繊維またはガラス繊維や天然繊維などからなる不織布あるいは織布のフィルタを巻き付けた回転ドラムから構成され、前記フィルタを筋付け工程へ供給されるようになっている。
フィルタ供給工程と筋付け工程の間に設けたフィルタ表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体を付ける工程は、必要に応じて使用するが、スプレー構造のノズルからフィルタ表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体が塗布されるようになっている。
さらに、フィルタ供給工程と筋付け工程の間に設けたナノファイバー紡糸工程は、高電圧が印加され先端が針状に形成されたノズルとノズルの後端に接続したチューブとノズルの先端後方に設けた繊維分散供給用の圧縮エアーを吐き出すエアーブローとから構成されている。そして、チューブには容器内のポリマー溶剤溶液をポンプにて送給できるようにつながれ、針状のノズルから高圧エアーで吹き飛ばされた荷電ナノファイバーが放射状に放出されるようになっている。
フィルタ供給工程と筋付け工程の間に設けたナノファイバーをフィルタに積層被覆するナノファイバー被覆工程はノズル先端と逆電位を持った捕集電極板と捕集電極板の表面に移動可能に配置された接着媒体が塗布された、あるいは供給できるフィルタとから構成され、均一に且つ一定の層厚、目付量でナノファイバー層がフィルタに積層被覆されるようになっている。
筋付け工程は、ナノファイバー層が均一に且つ一定の層厚で積層被覆されたフィルタに一定間隙で折り筋を付ける筋付け機から構成されている。
前段折り畳み工程は前記フィルタの折筋に沿ってジグザグ状に折り目が付けられるようになっている。
加熱工程はジグザグ状に折り目が付けられた前記フィルタを加熱して折曲部に折目癖をつけるようになっている。
後段折り畳み工程は折目癖が付けられた前記フィルタが最終的に折り畳まれるようになっている。
切断工程は、連続的に出てくる折り畳みフィルタをカッターで所定の長さに裁断され各種フィルタおよびフィルタパックとして生産可能としたものである。
そして、ポリマー溶剤溶液を構成する高分子物質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリ−m−フェニレンテレフタレ−ト、ポリ−p−フェニレンイソフラテート、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート、ポリアミド、セルロース、アラミド、ポリカブロラクトン、ポリ乳酸などが使用でき、特にこれらに限定されるものではない。
使用できる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、ポリエーテルスルホン酸、トルエン、ヘキサンなどが使用でき、特にこれらに限定されるものではない。
また、不織布あるいは織布からなるフィルタの材質はポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、塩化ビニリデン繊維などの有機繊維やガラス繊維が使用可能である。これらを単独で用いてもよいし2種類以上を併用しても良い。
これらのフィルタの形成方法としては湿式抄紙法を用いる方法や乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法などが用いられる。
接着媒体はバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーが使用される。そしてバインダは有機系バインダ、無機系バインダ又は混合して加えて得られる混合バインダが使用される。なお、好ましくはアクリル樹脂が使用される。溶融繊維は芯鞘構造の繊維が使用される。さらに接着パウダーとしては軟化点の低い樹脂の粉末が使用される。
また、ナノファイバーとは単繊維直径が好ましくは10〜800nmの範囲内にあるものを指し、その形態は繊維状の形態であればよく、長さや断面形状にはこだわらないものである。そして超極細繊維を構成する材料は特に限定されるものではないが、例えばポリエステルやポリアミド、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフイド(PPS)などが挙げられる。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。また、ポリアミドとしてはナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)などが挙げられる。ポリオレフィンとしてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。上記材料以外にもフェノール樹脂やポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)ポリスルホン、フッ素系高分子、セルロースやそれらの誘導体、他素材を用いることももちろん可能である。
本発明に使用されるナノファイバー層は上述のようなナノファイバーから構成されているが、ナノファイバーは束状ではなくナノファイバーが無方向に分散した状態にあるのが好ましい。これはナノファイバーが束状に集合した状態にあると平均繊維径が小さいにもかかわらず太い繊維と大差がなく濾過性能が劣る傾向があるためである。
そして、ナノファイバー層は電界紡糸法、溶融紡糸法により製造されたものを含んでいる。このように電界紡糸法により製造されたナノファイバー層はスリップフローや清浄効果と言うナノサイズ効果を有するため各種フィルタの性能改善面ですぐれている。この電界紡糸法とは従来公知の方法でありノズルなどから供給した紡糸溶液に対して電界を作用させることによりノズル先端から噴射後も静電反発を繰返しながら繊維径を減少させる方法である。
次いで前記繊維化したナノファイバーをフィルタ上に集積させてナノファイバー層を形成する。このフィルタはナノファイバーを捕集できるものであれば良く特に限定されるものではない。たとえばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維などの合成繊維の織布あるいは不織布、ガラス繊維の織布あるいは不織布あるいはこれらを適宜混合した素材に必要な場合は有機系バインダ、無機系バインダを単独あるいは混合して加えて得られる混合バインダを適当量加えて湿式抄紙法や乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法などで形成したシートを、その後乾燥して作成したものでもよい。
高性能フィルタの濾材シートとして使用する場合は濾材シートの厚みが0.2〜2.0mmで、粒径0.3μmの粒子に対して10〜80%の捕集効率を有しており、準HEPA、HEPAの濾材シートとして使用する場合はシートの厚みが0.1〜3.0mmで、粒径0.3μmの粒子に対して95〜99.97%以上の捕集効率を有している。ULPAフィルタの濾材シートとして使用する場合はシートの厚みが0.1〜2.5mmで、粒径0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の捕集効率を有している。
次にナノフィルタの製造方法は下記の要領にて行われる。
まず、フィルタ供給工程において、フィルタ供給部からフィルタが繰り出される。
次に繰り出されたフィルタはフィルタ表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体を付ける工程でスプレー構造のノズルからフィルタ表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体が塗布される。
次に、ナノファイバー紡糸工程で、ポリマー溶剤溶液を針状のノズルから高圧エアーで吹き飛ばされた荷電ナノファイバーが放射状に放出され、ナノファイバー被覆工程で前記バインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体が塗布されたフィルタ表面に均一に且つ一定の層厚でナノファイバー層が積層被覆される。
次に、ナノファイバー層を均一に且つ一定の層厚で積層被覆したナノフィルタろ材は、筋付け工程で、一定間隙の折り筋が付与される。
次に、折り筋が付与されたナノフィルタろ材は、前段折り畳み工程で折筋に沿ってジグザグ状に折り目が付けられる。
次に、ジグザグ状に折り目が付けられた前記ナノフィルタろ材は加熱工程で加熱され、折曲部に折目癖がつけられる。
次に、折目癖が付けられた前記ナノフィルタろ材は後段折り畳み工程で最終的に折り畳まれる。
次に、切断工程で連続的に繰り出されてくる折り畳まれたナノフィルタろ材はカッターで所定の長さに裁断され各種フィルタおよびフィルタパックとして生産される。
必要に応じて、フィルタ供給工程において、フィルタ供給部から繰り出されたとフィルタはフィルタ表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体を付ける工程でスプレー構造のノズルからフィルタ表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体が塗布される。
本発明の製造方法に基づいて作られたフィルタろ材を各種フィルタパックやそれらのフィルタパックとして用いた時に得られる効果は下記のようになる。
(1)フィルタ製造工程にナノファイバー被覆装置を設けることで、従来のフィルタ幅やビードの連続、断続、無塗布の対応のほかに一種類のフィルタから効率、使用目的の異なった多様なフィルタの製造が可能になる。
これにより、従来はフィルタの種類ごとに準備していたろ材の種類が集約され、製造装置の段取り替えにより休転時間が短縮されるので生産性の向上、コスト削減に寄与できる。
(2)ナノファイバーはナノファイバーに係わる製造方法によりフィルタ表面にコーティングされるが、フィルタとの接着が不足する場合は接着剤として軟化点の低い樹脂の粉末をナノファイバーのコーティングに先立って散布したり、前記樹脂製の短繊維もしくは芯鞘構造の繊維をフィルタに混紡したりしておくことによりナノファイバーの被覆後に加熱工程を通すことでナノファイバーとフィルタとを強固に接着できる。
(3)フィルタの最表面にナノファイバー層を配置してもロールで加圧・駆動したり、後段の折り畳み機の立上げプレートでナノファイバー層を擦ったり手繰り寄せたりする工程においてもナノファイバー層を損傷し、捕集効率などのフィルタ性能を低下させてしまうことがない。
(4)同一フィルタでプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを製造できる。
(5)フィルタ種類が変わる都度、フィルタ素材を取り替える必要がなく、また製造ライン中にフィルタをセットする際に調整のために使用する濾材の量を大幅に減少できる。よって稼働率を高め歩留まりを向上させることによるコスト改善に寄与できる。
(6)特にナノフィルタろ材をプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA,HEPA,ULPAフィルタなどのフィルタパックとして使用した場合は低圧力損失でありながら高い捕集効率を可能にしたものである。
本発明のナノフィルタの製造方法を示す概略図。
以下、本発明の実施形態に係るナノフィルタ製造方法について図1に基づいて説明する。
1はフィルタ供給工程を示し、フィルタ供給工程において回転ドラム2から繰り出されたガラス繊維や合繊繊維または天然繊維などからなる不織布あるいは織布のフィルタは接着媒体を付ける工程3において、フィルタ表面に溶融繊維の接着媒体4が塗布される。
次に、塗布されたフィルタ表面には、ナノファイバー紡糸工程5において高電圧が印加されたノズル6から高圧エアーで放射状に吹き飛ばされ、ナノファイバー被覆工程7においてノズル6先端と逆電位を持った捕集電極板8の前方に移動可能に配置された前記フィルタ表面に均一に且つ一定の層厚でナノファイバー層がフィルタに積層される。
次に、筋付け工程9において、筋付け機でナノファイバー層が均一に且つ一定の層厚で積層されたフィルタが一定間隙で折り筋が付与される。さらに、前段折り畳み工程10においてグザグ状に折り目が付けられ、加熱工程11において、ジグザグ状に折り目が付けられた折曲部で折目癖がつけられる。
さらに、後段折り畳み工程12において、前記フィルタが最終的に折り畳まれる。
さらに、切断工程13において、連続的に出てくる前記フィルタがカッター14で所定の長さに裁断され、ナノフィルタろ材として完成される。15はナノファイバー層の表面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体、16は繊維径が1〜100μm、厚みが0.05〜1.5mmの不織布あるいは織布である。
最終的にフィルタろ材として各種フィルタおよびフィルタパックに使用される。
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の変更が可能である。例えば前記実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
空調用フィルタを扱っている業界においては、低い圧力損失で且つ高い捕集効率および長寿命の性能を持ったフィルタを従来から追い求めている。しかし上記のそれぞれの性能は相反する性能を持ったものであることなどからなかなか理想とするものが生まれてこなかった。そこで近年繊維業界の技術開発により細繊維、ナノファイバーなどが開発されてきたのをきっかけにフィルタ業界でも理想の性能をもった空調用フィルタの開発が注目されている。そこで本発明はナノファイバーを損傷することなく、そのナノファイバー効果を単層あるいは複数層で遺憾無く発揮し低圧損で高効率・長寿命の性能を持ったナノフィルタろ材およびその製造方法を提供しょうとしたもので本発明は産業上極めて利用価値の高いものである。
1・・・フィルタ供給部 2・・・回転ドラム
3・・・接着媒体を付ける工程 4・・・接着媒体
5・・・ナノファイバー紡糸工程 6・・・ノズル
7・・・ナノファイバー被覆工程 8・・・捕集電極板
9・・・筋付け工程 10・・・前段折り畳み工程
11・・・加熱工程 12・・・後段折り畳み工程
13・・・切断工程 14・・・カッター

Claims (7)

  1. フィルタ供給工程、筋付け工程、前段折り畳み工程、後段折り畳み工程、切断工程などからなる従来のフィルタ製造装置において、従来のフィルタ供給工程と筋付け工程の間に、0.03〜0.8μmのナノファイバー紡糸工程とナノファイバーをフィルタに積層するナノファイバー被覆工程とを設けた製造工程で、合繊繊維またはガラス繊維や天然繊維などからなる不織布あるいは織布のフィルタ表面の上に、単一または繊維径が異なる種類のナノファイバーを重ね、ナノファイバーと前記不織布あるいは織布とを積層または混合し一体化したことを特徴とするナノフィルタろ材。
  2. 請求項1のナノフィルタろ材のナノファイバー層の表面または裏面にバインダ、溶融繊維あるいは接着パウダーの接着媒体を付けて、繊維径が1〜100μm、厚みが0.05〜1.5mmの不織布あるいは織布を乾燥固着して一体化したことを特徴とする請求項1のナノフィルタろ材。
  3. 請求項1または2のナノフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能としたことを特徴とするナノフィルタろ材の製造方法。
  4. 請求項1または2のナノフィルタろ材の表裏面にエンボス加工を施して、このナノフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工する際に、予め各エンボスの頂部に塗布された樹脂ビード同士を固着することにより一体に連結しプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタパックまでを生産可能としたことを特徴とするナノフィルタろ材の製造方法。
  5. 請求項1または2のナノフィルタろ材をジグザグ状に折り畳んでひだ折り加工し、ひだ折り加工したナノフィルタろ材間にビード状接着剤またはセパレータを挟み込んで外枠内にシール材で気密に取り付けてプレフィルタから中高性能フィルタ、準HEPA、HEPA、ULPAフィルタおよび前記フィルタのフィルタパックまでを生産可能としたことを特徴とするナノフィルタろ材の製造方法。
  6. 請求項1または2のナノファイバー紡糸工程を高電圧が印加する高電圧発生部とポリマー溶剤溶液をポンプなどにて送給できるようにしたチューブを接続したノズルと繊維分散供給用の圧縮エアーを吐き出すエアーブローとから構成したことを特徴とするナノフィルタろ材の製造方法。
  7. 請求項1または2のナノファイバー紡糸工程に使用するノズルを複数段設け、単一または複数径ナノファイバーが発生できるように配置したことを特徴とするナノフィルタろ材の製造方法。
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