JP2013230417A - リン回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リンを含む大量の液体であっても従来のろ過法の場合よりもリンを短時間かつ低コストに除去又は回収することができるリン除去装置、リン回収装置、リン除去方法及びリン回収方法を提供すること。
【解決手段】供給管P1から移送されてリンを吸着するジルコニウムフェライト粒子(強磁性粒子)Zと、リンを含有して下水管P2から移送された下水処理された下水(液体)と、が混ざり合う吸着槽(除去用混合部)2と、吸着槽2にて混合された下水とジルコニウムフェライト粒子Zとの混合液が流れる除去用流路3と、帯磁性を有して除去用流路3内に着脱可能に配された分離部5と、分離部5が配された除去用流路3の周囲に配されて分離部5に勾配磁場を付与する除去用超電導磁石(除去用磁気供給部)6と、を備えたリン除去装置10を備えたリン回収装置1。
【選択図】図1
【解決手段】供給管P1から移送されてリンを吸着するジルコニウムフェライト粒子(強磁性粒子)Zと、リンを含有して下水管P2から移送された下水処理された下水(液体)と、が混ざり合う吸着槽(除去用混合部)2と、吸着槽2にて混合された下水とジルコニウムフェライト粒子Zとの混合液が流れる除去用流路3と、帯磁性を有して除去用流路3内に着脱可能に配された分離部5と、分離部5が配された除去用流路3の周囲に配されて分離部5に勾配磁場を付与する除去用超電導磁石(除去用磁気供給部)6と、を備えたリン除去装置10を備えたリン回収装置1。
【選択図】図1
Description
本発明は、リン回収装置に関し、さらに詳細には各種排水中に含まれるリンを効率よく且つ所望の量確実に除去することができるリン回収装置に関する。
リンは、我々の生活や産業の様々な場面で利用され、生活排水や産業排水とともに排出されている。一部のリンは、下水処理がなされて廃棄されるが、通常のリンは公共用水域に流出し、水域の富栄養化等の問題を引き起こしている。
一方、リンは、石油と同様に枯渇が懸念される鉱物資源として重要であるので、資源循環の観点から回収・再利用の必要性が高まっている。そこで、脱リン吸着剤としてジルコニウムフェライトを用いて下水と接触させる。そして、リンを吸着させ、続いて水酸化ナトリウム溶液と反応させて得られたリン酸塩からリンを回収するリン除去及びリン回収方法が開示されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照。)。
高井智丈、岩島良憲、大島純治、村沢 崇、西田克範、小松央子、ジルコニウム系吸着剤による脱リンと資源化技術、資源環境対策、vol37、no.2、2001年2月15日、p.157−163 特開2009-136784号公報
高井智丈、岩島良憲、大島純治、村沢 崇、西田克範、小松央子、ジルコニウム系吸着剤による脱リンと資源化技術、資源環境対策、vol37、no.2、2001年2月15日、p.157−163
しかしながら、上記従来のリン除去方法及びリン回収方法では、ジルコニウムフェライトにリンを吸着させるとき、及びジルコニウムフェライトからリンを回収するときは、何れも公知のろ過法によってリンを回収し、再利用している。そのため、処理時間がかかり処理水量が制限されるため、下水施設のようなところにおける大規模なリンの除去・回収には不向きである。
また、もともと数マイクロメートル程度のジルコニウムフェライトの粒径をろ過によって除去・回収しやすい大きさにしておく必要があり、例えば、ジルコニウムフェライトの平均粒径を0.7mm程度にしている。そのため、除去・回収コストに影響がある。
さらに、特許文献1に記載の発明では、磁性粒子を回収する回収部に用いられるフィルタが特に100ミクロン以上の粒径の磁性粒子を用いた際に目詰まりを起こす場合があり、所望量確実に除去回収するに至らない場合があった。
さらに、特許文献1に記載の発明では、磁性粒子を回収する回収部に用いられるフィルタが特に100ミクロン以上の粒径の磁性粒子を用いた際に目詰まりを起こす場合があり、所望量確実に除去回収するに至らない場合があった。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、リンを含む大量の液体であっても従来のろ過法の場合よりもリンを短時間かつ低コストに除去又は回収することができるリン除去装置、リン回収装置、リン除去方法及びリン回収方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の各発明を提供するものである。
リンを含有する液体と、リンを吸着する強磁性粒子と、が混ざり合う除去用混合部、
前記除去用混合部にて混合された前記液体と前記強磁性粒子との混合液が流れる除去用流路、
帯磁性を有して前記除去用流路内に着脱可能に配された複数の分離部、および
該分離部が配された前記除去用流路の周囲に配されて前記分離部に勾配磁場を付与する除去用磁気供給部、
を備えているリン除去装置と、
リンが吸着された前記強磁性粒子と、アルカリ性溶液と、が混ざり合う回収用混合部と、
前記回収用混合部にて混合された前記強磁性粒子と前記アルカリ性溶液とのアルカリ混合液が流れる回収用流路と、
帯磁性を有して前記回収用流路内に着脱可能に配された複数の回収部と、
該回収部が配された前記回収用流路の周囲に配されて前記回収部に勾配磁場を付与する回収用磁気供給部と、
を備え、
前記分離部は、前記除去用流路内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部と、両支持部により支持され、前記混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部とを具備しており、
前記回収部は、前記回収用流路内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部と、両支持部により支持され、前記アルカリ混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部とを具備していることを特徴とするリン回収装置。
2.前記回収用流路が途中で複数の分岐路に分岐され、
前記回収部及び前記回収用磁気供給部が、前記分岐路のそれぞれに配されていることを特徴とする1に記載のリン回収装置。
リンを含有する液体と、リンを吸着する強磁性粒子と、が混ざり合う除去用混合部、
前記除去用混合部にて混合された前記液体と前記強磁性粒子との混合液が流れる除去用流路、
帯磁性を有して前記除去用流路内に着脱可能に配された複数の分離部、および
該分離部が配された前記除去用流路の周囲に配されて前記分離部に勾配磁場を付与する除去用磁気供給部、
を備えているリン除去装置と、
リンが吸着された前記強磁性粒子と、アルカリ性溶液と、が混ざり合う回収用混合部と、
前記回収用混合部にて混合された前記強磁性粒子と前記アルカリ性溶液とのアルカリ混合液が流れる回収用流路と、
帯磁性を有して前記回収用流路内に着脱可能に配された複数の回収部と、
該回収部が配された前記回収用流路の周囲に配されて前記回収部に勾配磁場を付与する回収用磁気供給部と、
を備え、
前記分離部は、前記除去用流路内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部と、両支持部により支持され、前記混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部とを具備しており、
前記回収部は、前記回収用流路内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部と、両支持部により支持され、前記アルカリ混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部とを具備していることを特徴とするリン回収装置。
2.前記回収用流路が途中で複数の分岐路に分岐され、
前記回収部及び前記回収用磁気供給部が、前記分岐路のそれぞれに配されていることを特徴とする1に記載のリン回収装置。
本発明におけるリン除去装置は、リンを吸着させた強磁性粒子と液体との混合液が、除去用流路を流れて勾配磁場が付与された分離部を通過する際に、磁化された分離部に強磁性粒子を付着させることができる。そして、分離部を除去用流路から取り出すことによって、強磁性粒子とともにリンを液体から容易に除去することができる。
また、上記リン除去装置おいては、前記強磁性粒子として、ジルコニウムフェライト粒子を特に好ましく用いることができる。
この場合は、ジルコニウムフェライト粒子に作用する磁気力と磁気速度が大きいので、除去用磁気供給部からの磁界が低くても、分離部に付着させることができる。また、磁気速度が大きいことから、混合液の流速が高くても強磁性粒子を分離部に付着させることができる。
この場合は、ジルコニウムフェライト粒子に作用する磁気力と磁気速度が大きいので、除去用磁気供給部からの磁界が低くても、分離部に付着させることができる。また、磁気速度が大きいことから、混合液の流速が高くても強磁性粒子を分離部に付着させることができる。
また、上記リン除去装置は、前記除去用流路が途中で複数の分岐路に分岐され、前記分離部及び前記除去用磁気供給部が、前記分岐路のそれぞれに配されているのが好ましい。これにより、より大量の液体を高速で処理することができる。
また、上記リン除去装置は、前記除去用磁気供給部が、超電導磁石を備えているのが好ましい。
この場合は、磁気を付与する際のランニングコストを低く抑えることができる。
この場合は、磁気を付与する際のランニングコストを低く抑えることができる。
そして、本発明に係るリン回収装置は、アルカリ性溶液との反応によってリンが脱離した強磁性粒子を含むアルカリ混合液が、回収用流路を流れて勾配磁場が付与された回収部を通過する際に、磁化された回収部に強磁性粒子を付着させることができる。そして、回収部を回収用流路から取り出すことによって、強磁性粒子をアルカリ混合液から容易に回収することができ、しかも回収部で目詰まりを起こすことがないので所望の量のリンを確実に回収できる。
また、本発明に係るリン回収装置は、前記回収用流路が途中で複数の分岐路に分岐され、前記回収部及び前記回収用磁気供給部が、前記分岐路のそれぞれに配されているのが好ましい。この場合は、より大量の液体を高速で処理することができる。
本発明によれば、ろ過法よりも高速かつ大量の液体からリンを吸着した強磁性粒子を取り出すことができ、リンを含む大量の液体を短時間かつ低コストに処理して、液体からリンを除去することができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図面を参照して説明するが本発明はこれらに制限されるものではない。
本実施形態に係るリン回収装置1は、図1に示すように、供給管P1から移送されてリンを吸着するジルコニウムフェライト粒子(強磁性粒子)Zと、リンを含有して下水管P2から移送された下水処理された下水(液体)と、が混ざり合う吸着槽(除去用混合部)2と、吸着槽2にて混合された下水とジルコニウムフェライト粒子Zとの混合液が流れる除去用流路3と、帯磁性を有して除去用流路3内に着脱可能に配された分離部5と、分離部5が配された除去用流路3の周囲に配されて分離部5に勾配磁場を付与する除去用超電導磁石(除去用磁気供給部)6と、を備えたリン除去装置10を備えている。
本実施形態に係るリン回収装置1は、図1に示すように、供給管P1から移送されてリンを吸着するジルコニウムフェライト粒子(強磁性粒子)Zと、リンを含有して下水管P2から移送された下水処理された下水(液体)と、が混ざり合う吸着槽(除去用混合部)2と、吸着槽2にて混合された下水とジルコニウムフェライト粒子Zとの混合液が流れる除去用流路3と、帯磁性を有して除去用流路3内に着脱可能に配された分離部5と、分離部5が配された除去用流路3の周囲に配されて分離部5に勾配磁場を付与する除去用超電導磁石(除去用磁気供給部)6と、を備えたリン除去装置10を備えている。
また、リン回収装置1は、リンが吸着されて供給管P3から移送されたジルコニウムフェライト粒子ZPと、供給管P4から供給される水酸化ナトリウム溶液(アルカリ性溶液)と、が混ざり合う脱離槽(回収用混合部)11と、脱離槽11にて混合されたジルコニウムフェライト粒子ZPと水酸化ナトリウム溶液とのアルカリ混合液が流れる回収用流路12と、帯磁性を有して回収用流路12内に着脱可能に配された回収部13と、回収部13が配された回収用流路12の周囲に配されて回収部13に勾配磁場を付与する回収用超電導磁石(回収用磁気供給部)15と、を備えている。
ジルコニウムフェライト粒子Zの磁化特性を図2に示す。飽和磁化はマグネタイトなどに比べて小さいが、大きな磁化率χを持つ強磁性体(フェライトなのでフェリ磁性)となっている。ジルコニウムフェライト粒子Zの有効径は、数マイクロメートル程度となっており、焼結等されずにそのままの大きさで使用されている。
吸着槽2には、貯留されたジルコニウムフェライト粒子Zと下水とを攪拌して混合するための攪拌器16が設けられている。また、脱離槽11には、貯留されたジルコニウムフェライト粒子ZPと水酸化ナトリウム溶液とを攪拌して混合するための攪拌器17が設けられている。
除去用流路3は吸着槽2と、回収用流路12は脱離槽11と、それぞれ連通されている。除去用流路3及び回収用流路12における、分離部5又は回収部13が配された部分は、本体部分から着脱可能に構成されている。すなわち除去用流路3は本体3−1と本体3−1内に配されたカートリッジ型の分離部5とからなり、回収用流路12は本体12−1と本体12−1内に配されたカートリッジ型の回収部13とからなる。
次に図3を参照して分離部5及び回収部13について説明する。
分離部5は、除去用流路3内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部5−1と、両支持部5−1により支持され、混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部5−2とを具備しており、回収部13は、回収用流路12内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部13−1と、両支持部13−1により支持され、アルカリ混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部13−2とを具備している。
詳細には、分離部5及び回収部13はいずれも同様に形成されており、支持部5−1,13−1は共に除去用流路3及び回収用流路12内に設置するためのリング5−3、13−3と、リング内部に十字に設けられた支持棒5−4、13−4とからなる。
支持棒5−4、13−4の中間部分及び交差部分に棒状の粒子集積部5−2、13−2が固定されている。
支持部を形成する材料としては、磁性を帯びないものであれば特に制限なく用いることができ、具体的にはプラスチック、セラミックスなどを用いることができる。また、粒子集積部の形成材料としては、軟磁性材料、たとえば鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、ソフトフェライト、アモルファス磁性合金、ナノクリスタル磁性合金などを用いることができる。
分離部5は、除去用流路3内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部5−1と、両支持部5−1により支持され、混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部5−2とを具備しており、回収部13は、回収用流路12内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部13−1と、両支持部13−1により支持され、アルカリ混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部13−2とを具備している。
詳細には、分離部5及び回収部13はいずれも同様に形成されており、支持部5−1,13−1は共に除去用流路3及び回収用流路12内に設置するためのリング5−3、13−3と、リング内部に十字に設けられた支持棒5−4、13−4とからなる。
支持棒5−4、13−4の中間部分及び交差部分に棒状の粒子集積部5−2、13−2が固定されている。
支持部を形成する材料としては、磁性を帯びないものであれば特に制限なく用いることができ、具体的にはプラスチック、セラミックスなどを用いることができる。また、粒子集積部の形成材料としては、軟磁性材料、たとえば鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、ソフトフェライト、アモルファス磁性合金、ナノクリスタル磁性合金などを用いることができる。
次に、本実施形態に係るリン除去装置10及びこれを備えるリン回収装置1の作用について、リン除去方法及びリン回収方法と合せて説明する。
リン回収方法は、図4に示すように、ジルコニウムフェライト粒子Zと、リンを含有する下水処理された下水と、を混合してリンをジルコニウムフェライト粒子Zに吸着させる吸着工程(S01)と、分離部5に勾配磁場を付与して、ジルコニウムフェライト粒子Zと下水との混合液を分離部5に流す流通工程(S02)と、粒子集積部5−2に付着したジルコニウムフェライト粒子ZPを分離部5とともに混合液から取り出す分離工程(S03)と、を備えたリン除去工程(ST1)を行う。
リン回収方法は、図4に示すように、ジルコニウムフェライト粒子Zと、リンを含有する下水処理された下水と、を混合してリンをジルコニウムフェライト粒子Zに吸着させる吸着工程(S01)と、分離部5に勾配磁場を付与して、ジルコニウムフェライト粒子Zと下水との混合液を分離部5に流す流通工程(S02)と、粒子集積部5−2に付着したジルコニウムフェライト粒子ZPを分離部5とともに混合液から取り出す分離工程(S03)と、を備えたリン除去工程(ST1)を行う。
そして、さらに、リン除去工程(ST1)によってリンを吸着したジルコニウムフェライト粒子ZPと、水酸化ナトリウム溶液と、を混合してリンをジルコニウムフェライト粒子ZPからリン酸化ナトリウム(リン酸塩)として脱離させる脱離工程(S04)と、回収部13に勾配磁場を付与して、ジルコニウムフェライト粒子Zと水酸化ナトリウム溶液とのアルカリ混合液を回収部13に流す流通工程(S05)と、回収部13に付着したジルコニウムフェライト粒子Zを回収部13とともにアルカリ混合液から取り出す回収工程(S06)と、を行い、実施することができる。
まず、吸着工程(S01)では、ジルコニウムフェライト粒子Zと下水とを吸着槽2にて混合して、攪拌器16にて攪拌しながらリンをジルコニウムフェライト粒子Zに吸着させる。ジルコニウムフェライト粒子Zの添加量は下水におけるリンの含有量に応じて任意である。
流通工程(S02)では、除去用超電導磁石6を駆動して粒子集積部5−2を磁化して、吸着槽2から除去用流路3に混合液を流す。このとき、磁化された粒子集積部5−2まで流れたジルコニウムフェライト粒子ZPが磁力によって粒子集積部5−2に吸着される。そして、分離工程(S03)では、ジルコニウムフェライト粒子ZPが付着した分離部5を除去用流路3から取り出す。取り出した粒子集積部5−2は消磁され、リンが吸着されたジルコニウムフェライト粒子ZPを回収することができる。こうして、下水Wからリンが除去される。
続いて脱離工程(S04)では、攪拌器17で攪拌しながらジルコニウムフェライト粒子ZPと水酸化ナトリウム溶液とを脱離槽11にて混合する。このとき、ジルコニウムフェライト粒子ZPから離脱したリンが混合液中のナトリウムイオンと反応してリン酸ナトリウムが形成される。
流通工程(S05)では、回収用超電導磁石15を駆動して粒子集積部13−2を磁化して、脱離槽11から回収用流路12に混合液を流す。このとき、磁化された粒子集積部13−2まで流れたジルコニウムフェライト粒子Zが磁力によって粒子集積部13に吸着される。そして、回収工程(S06)では、ジルコニウムフェライト粒子Zが付着した回収部13を回収用流路12から取り出す。取り出した粒子集積部13−2は消磁され、ジルコニウムフェライト粒子Zを回収する。この際、リン酸ナトリウムが溶解した溶液は回収用流路12から回収される。
こうして下水中のリンがリン酸ナトリウムとして回収される。そして、回収したジルコニウムフェライト粒子Zは、公知の方法によって酸性溶液中に浸漬して再び元の状態に戻す。
このリン除去装置10及びリン除去方法によれば、リンを吸着させたジルコニウムフェライト粒子ZPと下水との混合液が、除去用流路3を流れて勾配磁場が付与された粒子集積部5−2を通過する際に、磁化された粒子集積部5−2にジルコニウムフェライト粒子ZPを漏れることなく付着させることができる。そして、分離部5を除去用流路3から取り出すことによって、ジルコニウムフェライト粒子Zとともにリンを下水から容易に除去することができる。また、この際ジルコニウムフェライト粒子Zは磁力により吸着離脱を自在にコントロールできるため、ろ過に適する大きさに加工しておく等特別の加工が必要がない。
したがって、従来のろ過法によるリンの回収よりも高速かつ大量の下水処理された下水からリンを吸着したジルコニウムフェライト粒子Z,ZPを取り出すことができ、リンを含む大量の下水を短時間かつ低コストに処理して、リンを除去することができる。
特に、ジルコニウムフェライト粒子Zを使用するので、作用する磁気力と磁気速度が大きく、除去用超電導磁石6又は回収用超電導磁石15の磁界が低くても、粒子集積部5−2、13−2に付着させることができる。また、磁気速度が大きいことから、混合液の流速が高くても粒子集積部5−2、13−2に付着させることができる。
また、除去用超電導磁石6及び回収用超電導磁石15によって磁界を形成するので、ランニングコストを低く抑えることができる。
また、このリン回収装置1及びリン回収方法によれば、リンを吸着したジルコニウムフェライト粒子ZPと水酸化ナトリウム溶液との反応によってリンが脱離したジルコニウムフェライト粒子Zを容易に回収できる。すなわち、アルカリ混合液が、回収用流路12を流れて勾配磁場が付与された回収部13を通過する際に、磁化された粒子集積部13にジルコニウムフェライト粒子Zを付着させることができる。そして、回収部13を回収用流路12から取り出すことによって、ジルコニウムフェライト粒子Zをアルカリ混合液から容易に回収することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図5に示すように、除去用流路20が途中で複数の分岐路21A,21Bに分岐され、分離部5及び除去用超電導磁石6が、分岐路21A,21Bのそれぞれに配されたリン除去装置22としてもよい。この場合、分岐路21A,21Bのうち何れか一方に配された除去用超電導磁石6の機能を停止して、粒子集積部5を取り出すことにより、上記と同様、下水の処理量を低減することなく、下水を処理することができる。したがって、より多くのジルコニウムフェライト粒子ZP又はZを短時間で回収することができ、より大量の下水を高速で処理することができる。
例えば、図5に示すように、除去用流路20が途中で複数の分岐路21A,21Bに分岐され、分離部5及び除去用超電導磁石6が、分岐路21A,21Bのそれぞれに配されたリン除去装置22としてもよい。この場合、分岐路21A,21Bのうち何れか一方に配された除去用超電導磁石6の機能を停止して、粒子集積部5を取り出すことにより、上記と同様、下水の処理量を低減することなく、下水を処理することができる。したがって、より多くのジルコニウムフェライト粒子ZP又はZを短時間で回収することができ、より大量の下水を高速で処理することができる。
さらに、回収用流路が複数の分岐路に分岐され、回収部及び回収用超電導磁石が分岐路のそれぞれに同様に配されていてもよい。この場合、複数の分岐路のうち何れか一つに配された回収用超電導磁石の機能を停止して、粒子集積部を取り出すことにより、上記と同様、下水の処理量を低減することなく、下水を処理することができる。したがって、脱リン後のより多くのジルコニウムフェライト粒子Zを短時間で回収することができ、より大量の下水を高速で処理することができる。
1 リン回収装置
2 吸着槽(除去用混合部)
3,20 除去用流路
5 分離部
6 除去用超電導磁石(除去用磁気供給部)
10,22 リン除去装置
11 脱離槽(回収用混合部)
12 回収用流路
13 回収部
15 回収用超電導磁石(回収用磁気供給部)
21A,21B 分岐路
2 吸着槽(除去用混合部)
3,20 除去用流路
5 分離部
6 除去用超電導磁石(除去用磁気供給部)
10,22 リン除去装置
11 脱離槽(回収用混合部)
12 回収用流路
13 回収部
15 回収用超電導磁石(回収用磁気供給部)
21A,21B 分岐路
Claims (2)
- リンを含有する液体と、リンを吸着する強磁性粒子と、が混ざり合う除去用混合部、
前記除去用混合部にて混合された前記液体と前記強磁性粒子との混合液が流れる除去用流路、
帯磁性を有して前記除去用流路内に着脱可能に配された複数の分離部、および
該分離部が配された前記除去用流路の周囲に配されて前記分離部に勾配磁場を付与する除去用磁気供給部、
を備えているリン除去装置と、
リンが吸着された前記強磁性粒子と、アルカリ性溶液と、が混ざり合う回収用混合部と、
前記回収用混合部にて混合された前記強磁性粒子と前記アルカリ性溶液とのアルカリ混合液が流れる回収用流路と、
帯磁性を有して前記回収用流路内に着脱可能に配された複数の回収部と、
該回収部が配された前記回収用流路の周囲に配されて前記回収部に勾配磁場を付与する回収用磁気供給部と、
を備え、
前記分離部は、前記除去用流路内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部と、両支持部により支持され、前記混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部とを具備しており、
前記回収部は、前記回収用流路内において所定間隔を空けて固定される、磁性を帯びない一対の支持部と、両支持部により支持され、前記アルカリ混合液の流れ方向に沿って設けられる棒状で且つ帯磁性の粒子集積部とを具備していることを特徴とするリン回収装置。 - 前記回収用流路が途中で複数の分岐路に分岐され、
前記回収部及び前記回収用磁気供給部が、前記分岐路のそれぞれに配されていることを特徴とする請求項1に記載のリン回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2012102846A JP2013230417A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | リン回収装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012102846A Pending JP2013230417A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | リン回収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013230417A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103803688A (zh) * | 2014-02-17 | 2014-05-21 | 江苏晋煤恒盛化工股份有限公司 | 一种用于处理含磷污水的滤柱及含磷污水的处理方法 |
CN104028214A (zh) * | 2014-04-02 | 2014-09-10 | 安徽农业大学 | 一种农业生物质碳基磁性吸附材料的制备方法 |
CN114057263A (zh) * | 2021-11-01 | 2022-02-18 | 北京航天石化技术装备工程有限公司 | 一种基于Janus粒子的油水分离回收装置、系统及方法 |
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2012
- 2012-04-27 JP JP2012102846A patent/JP2013230417A/ja active Pending
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CN103803688A (zh) * | 2014-02-17 | 2014-05-21 | 江苏晋煤恒盛化工股份有限公司 | 一种用于处理含磷污水的滤柱及含磷污水的处理方法 |
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