以下、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図5参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。
ここで、「大当たり」とは、後述する特定入賞口(大開放口)65aを所定回数開閉動作させると共に、内部の遊技状態を遊技者に有利な状態へ移行させる当たりのことであり、大当たりとなった場合に、大当たり抽選に当選する確率(大当たりとなる確率)が通常時と比して高い確率となる状態(高確率状態)へ移行したり、後述する第2図柄において、1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態(時短状態)へ移行したりする。そして、大当たり後に移行する遊技状態に応じて、大当たり種別が決まっている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本パチンコ機10が有する大当たり種別としては、15R確変大当たり、10R確変大当たり、5R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。「10R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。「5R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。また、主表示領域Dmの中央下部には、第1入球口64に入球された球のうち、変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する、保留表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり演出が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左の小領域Ds1と右の小領域Ds3とに動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
なお、パチンコ機10が、特定入賞口65aの開閉動作を行われる「大当たり」状態にある場合は、第3図柄表示装置81において、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの区別なく、画面一杯に、大当たり演出が表示される。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動演出の一種として、一般的な変動演出とは別に、特殊変動演出が行われる。この特殊変動演出は、大当たり継続演出中に実行される変動演出であり、変動時間が、通常の変動演出の中で最も変動時間の短い短外れ(変動時間7秒)よりも更に短い1.5秒である特殊な変動演出である。ここで、大当たり継続演出とは、大当たり(特別遊技状態)が終了した後、少ない変動演出で再び大当たりとなる場合に、大当たりが継続して発生することを遊技者に示唆する演出である。
詳細については、図8を参照して後述するが、この大当たり継続演出では、先の大当たりのエンディング演出(大当たりの終了を報知する演出)から、1以上の変動演出を経て、次の大当たりのオープニング演出(大当たりの開始を報知する演出)までの間、継続して行われる。これにより、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者に与えることができ、大当たりへの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
この大当たり継続演出や、その大当たり継続演出中の変動演出として行われる特殊変動演出も、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの区別なく、第3図柄表示装置81の画面一杯に表示が行われる。特殊変動演出を含む大当たり継続演出の第3図柄表示装置81における表示される画像の詳細については、図13及び図15を参照して後述する。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数1は第1図柄表示装置37により示されると共に、保留表示領域Dbにおいても示される。保留表示領域Dbには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(「●」図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、保留表示領域Dbに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、保留表示領域Dbに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留表示領域Dbにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。あ第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、センターフレーム86の第3図柄表示装置81の下方部に、左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。特定入賞口65aは、球が入球すると15個の球が賞球として払い出される入賞口の1つである。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、上述した主制御装置110、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113,表示制御装置114、電源装置115の他、外部端子板261を主に有して構成される。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データが少なくとも格納されている。例えば、ROM202には、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c、外れ用変動パターンテーブル202d、特殊変動パターンテーブル202e、擬似大当たり継続演出時間テーブル202fを少なくとも有している。
また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図6及び図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202eについて説明する。まず、図6は、各種カウンタの概要を示す図である。なお、擬似大当たり継続演出時間テーブル202fの詳細については、図12を参照して後述する。
大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図24参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。カウンタ用バッファは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203bと1つの保留球実行エリア203cとが設けられている。保留球格納エリア203bの各保留エリア(保留第1〜第4エリア)は、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納するための、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3、変動種別カウンタ格納エリア203b4を有している。第1入球口64への入球タイミングに合わせてカウンタ用バッファから読み出されたこれらのカウンタの値は、保留球格納エリア203bのいずれかの保留エリア(保留第1〜第4エリア)に格納される。
また、保留球実行エリア203cは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアであり、これらのカウンタの値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ203c2、停止パターン選択カウンタ203c3、変動種別カウンタ203c4を有している。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタ格納エリア203b4の各値を、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。
このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。
これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を保留球実行エリア203cに移し、その保留球実行エリア203cに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が保留球実行エリア203cに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリアに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図24参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203bに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203bから保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう。)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。
大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブルによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。そして、保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数値と一致しない場合は、外れと判定する。
ここで、大当たり乱数テーブルは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブルに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブルに格納されている。
MPU201は、大当たり抽選を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブルから読み出す。そして、MPU201は、大当たり抽選に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブルから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブルから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブルから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア202b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア202b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。本パチンコ機10では、上述した通り、大当たり種別として、15R確変大当たり、10R確変大当たり、5R確変大当たり、及び、15R通常大当たりの4種類が用意されている。
ここで、図7(a)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図7(a)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図7(a)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別テーブル202bでは、上述した各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。本実施形態では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜32」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値として「33〜65」が対応づけられ、10R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「66〜84」が対応付けられ、5R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「85〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブルから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「2」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「40」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「66」であれば、大当たり種別として「10R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「99」であれば、大当たり種別として「5R通常大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に77%の確率で確変大当たりが選択され、33%の確率で通常大当たりが選択さされる。また、大当たりとなる場合に、15R大当たり(15R確変大当たり及び15R通常大当たり)となる確率は66%であり、10R確変大当たりとなる確率は19%であり、5R確変大当たりとなる確率は15%である。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブルにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図6に戻り、説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンを決定するために用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図13参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図24参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。また、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。
MPU201は、変動開始時に保留球実行エリア203cにシフトされた変動種別カウンタ格納エリア203c4の変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202c〜202eとを参照し、実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。即ち、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。
また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d1および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d2が用意されている。
また、大当たり継続演出中に実行される変動表示の変動パターンを決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、特殊変動パターンテーブル202eが用意されている。大当たり継続演出中に変動表示の変動パターンを決定する場合には、上述の大当たり用変動パターンテーブル202cや外れ用変動パターン202dを参照する代わりに、特殊変動パターンテーブル202eを参照する。
ここで、図7(b)〜(d)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図7(b)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図7(b)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり、10R確変大当たり又は5R確変大当たりである場合に参照される確変大当たり共通と、15R通常大当たりである場合に参照される15R通常大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その保留球実行エリア203cに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、保留球実行エリア203cに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
確変大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が30秒のノーマルリーチ各種と、変動時間が60秒のスーパーリーチ各種と、変動時間が90秒のスペシャルリーチ各種とがある。これら変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜10、スーパーリーチ各種が11〜99、スペシャルリーチ各種が100〜198となっている。
また、15R通常大当たり専用においても、確変大当たり共通と同様に、変動パターンとして、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種とがある。これら変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜10、スーパーリーチ各種が11〜149、スペシャルリーチ各種が150〜198となっている。
ここで、ノールリーチ各種とは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンであり、スーパーリーチ各種とは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンであり、スペシャルリーチ各種とは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。確変大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当あたり、10R確変大当たり又は5R確変大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチ各種が選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチ各種およびスーパーリーチ各種も選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動開始前の予告演出が付加されるもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
図7(c)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図7(c)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(当たり値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターン202d2から決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない短外れと、10秒と短外れより長い変動時間となるがリーチが成立しない長外れとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜148、長外れが149〜198となっている。また、リーチ共通には、上述したノーマルリーチ各種(30秒)と、スーパーリーチ各種(60秒)と、スペシャルリーチ各種(90秒)とがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜148、スーパーリーチ各種が149〜190、スペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図7(d)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照され、短外れと長外れとがある完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照され、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種があるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。ある保留エリアの第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンから決定される。
完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れ(7秒)が0〜190、長外れ(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種(30秒)が0〜148、外れスーパーリーチ各種(60秒)が149〜190、外れスペシャルリーチ各種(90秒)が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1は、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに、長外れが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、それ以外の場合よりも短外れが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d1とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図7(c)及び図7(d)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、短外れ及び長外れを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、短外れと長外れとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
図7(e)は、ROM202に記憶される特殊変動パターンテーブル202eの一例を模式的に示した模式図である。上述した通り、特殊パターンテーブル202eは、大当たり継続演出中に実行される変動表示の変動パターンを決定するために用いられる変動パターンテーブルである。図7(e)に示すように、特殊パターンテーブル202eは、変動パターンとして、変動時間が1.5秒と極めて短い「特殊変動」のみが設定され、変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値(0〜198)に対して、変動パターンとして「特殊変動」が対応付けられている。
パチンコ機10は、大当たり(特別遊技状態)を終了するときに保留球格納エリア203bを参照し、その時点で保留されたものの中に「大当たり」となる保留がある場合は、現在の大当たりでのエンディング演出から、次の大当たり(保留されていた大当たり)のオープニング演出までの間、大当たり継続演出を実行する。主制御装置110では、その大当たり継続演出の開始条件が満たされるか否かを判断し、大当たり継続演出の開始条件が満たされる場合に、大当たり継続演出を開始する。このとき、主制御装置110では、大当たり継続演出を実行中に変動表示(変動演出)を開始する場合、大当たり継続演出中は特殊変動期間であるとして、その変動表示の変動パターンを決定するために、大当たり用変動パターンテーブル202cや外れ用変動パターンテーブル202dではなく、特殊変動パターンテーブル202bを参照する。
これにより、変動開始時において、大当たり抽選の結果(大当たりか外れか)や、大当たり種別の結果(15R確変大当たり、10R確変大当たり、5R確変大当たり、15R通常大当たりのいずれか)、外れとなる場合の停止パターンの結果(完全外れ、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチのいずれか)に因らず、どの場合も、変動パターンとして「特殊変動」が選択される。変動パターンとして「特殊変動」が決定されると、変動時間が1.5秒の特殊変動演出が実行される。
図6に戻って、説明する。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図13参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は非時短状態で2であり、その範囲は「240〜241」となる。また、当選することとなる乱数の値の数は時短状態で225あり、その範囲は「5〜229」となっている。
即ち、パチンコ機10の遊技状態が時短状態であるときは、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜229」の範囲にある場合に当選と判定される。一方、パチンコ機10が非時短状態であるときは、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「241〜242」の範囲にある場合に当選と判定される。そして、当たりの場合は、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図14参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図8に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ及び保留球格納エリアのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図23参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aと、特殊変動期間フラグ203dと、特殊変動回数カウンタ203eと、大当たり処理状態メモリ203fと、大当たり演出開始フラグ203gと、最大ラウンドメモリ203hと、ラウンドカウンタ203iと、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jと、擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kとを少なくとも有している。
保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(S713)にて設定される値)がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図14のS203参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図15のS305参照)。
第1入球口64への入球(始動入賞)があった場合、保留球数カウンタ203aが4未満であれば、そのときの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファより取得して、保留球格納エリア203bに格納する。一方、保留球カウンタ203aが4であれば、すでに4つの保留球が保留されていることを意味するので、その始動入賞は無視される。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図14のS205参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、その保留球数分の保留ランプ85を点灯する。ここで、音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
特殊変動期間フラグ203dは、変動演出において特殊変動演出を実行する期間であることを示すフラグである。特殊変動期間フラグ203dは、オンの場合に、変動演出において特殊変動を実行する期間であることを示し、オフの場合に、変動演出において通常の変動演出を実行する期間であることを示す。特殊変動期間フラグ203dは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(S713)にて設定される値)がオフに設定される。
上述した通り、特殊変動演出は、大当たり継続演出中に実行される変動演出であり、変動時間が1.5秒ときわめて短い特殊な変動演出である。大当たり継続演出とは、大当たり(特別遊技状態)が終了した後、少ない変動演出で再び大当たりとなる場合に、大当たりが継続して発生することを遊技者に示唆する演出である。具体的には、大当たりが終了する段階で、保留球格納エリア203bに格納された保留の中に、「大当たり」となる保留がある場合は、現在の大当たりでのエンディング演出から、1以上の変動演出を経て、次の大当たり(保留されていた大当たり)のオープニング演出までの間、大当たり継続演出が実行される。この大当たり継続演出が実行される間が特殊変動演出期間となり、特殊変動期間フラグ203dがオンに設定される。そして、次の大当たり(保留されていた大当たり)が発生し、その大当たりのオープニング演出が行われる段階で、特殊変動期間フラグ203dがオフに設定される。
ここで、図8を参照して、通常時の演出と、大当たり継続演出と、その大当たり継続演出中に実行される特殊変動演出について説明する。図8は、大当たり継続演出と特殊変動演出とを説明する説明図である。図8には、第3図柄表示装置81において表示される変動演出の表示内容と、第3図柄表示装置81において表示される大当たり演出の表示内容と、特定入賞口65aの開閉状態とのタイムチャートが示されている。
図8に示す通り、大当たり継続演出がなされていない状態で変動演出が行われ、全ての図柄列Z1〜Z3における第3図柄の変動が停止され、その停止した第3図柄が0.5秒ほど停止表示されると、その停止表示された第3図柄が確定表示される。ここで、確定表示された第3図柄が、有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えっていれば、大当たりとして大当たり演出が表示される。
大当たり継続演出がなされていない状態で実行された変動演出により大当たりとなった場合、即ち、通常の変動演出によって大当たりとなった場合、その大当たり演出では、最初に通常のオープニング演出(通常オープニング演出)を行う。ここで、図9(a)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される通常オープニング演出を説明する。図9(a)は、通常オープニング演出において第3図柄表示装置81に表示される画面を示した図である。
図9(a)に示す通り、通常オープニング演出では、主表示領域Dmに表示されていた第3図柄が消え、「大当たり〜!」の文字がその主表示領域Dmに表示される。また、副表示領域Dsの小領域Ds2に表示された少年がVサインをした画像が表示される。この通常オープニング演出により、遊技者に対して大当たりとなったことへの高揚感を与えることができる。また、この通常オープニング演出によって、通常は閉鎖されている特定入賞口65aが、これから、所定回数だけ繰り返し開放される開閉動作がなされ、特定入賞口65aに球が入賞し易い状態となることを期待させることができる。特定入賞口65aは、球が1球入賞すると15個の球が払い出されるので、大当たりとなった場合に特定入賞口65aが開閉動作することにより、多くの球が賞球として遊技者に払い出されることになる。よって、「大当たり」が遊技者に有利な遊技状態となる。よって、オープニング演出が第3図柄表示装置81に表示されることにより、多くの賞球が期待できることを遊技者に確実に知らしめることができる。
図8に戻り、説明を続ける。本実施形態において、通常オープニング演出は2.0秒短い時間だけ実行し、即座にラウンド演出を開始する。なお、通常オープニング演出が2,0秒である理由は、後述する特殊オープニング演出の説明と合わせて説明する。
ラウンド演出は、1ラウンド毎に、特定入賞口65aの開閉動作と合わせて行われる演出である。ラウンド演出では、ラウンドの進行が分かる画像を第3図柄表示装置81に表示する。なお、大当たり種別が15R確変大当たり及び15R通常大当たりの場合は15R、大当たり種別が10R確変大当たりの場合は10R、大当たり種別が5R確変大当たりの場合は5Rだけ繰り返して、特定入賞口65aの開閉動作が行わる。そして、現在、どのラウンドに対応する特定入賞口65aの開放動作を行っているかを示す画像が、第3図柄表示装置81に表示される。
大当たり種別に対応する数のラウンドが終了すると(ラウンド演出が終了すると)、次いで、エンディング演出を開始する。ここで、エンディング演出を開始する前に、保留球格納エリア203bに格納された各保留に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を先読みし、「大当たり」となる保留があるか否かを判断する。そして、「大当たり」となる保留があれば、これから開始するエンディング演出から、次の大当たり(保留されていた大当たり)のオープニング演出までの間、大当たり継続演出の実行を決定する。このとき、特殊変動期間フラグ203dをオンに設定する。そして、これから開始するエンディング演出を特殊エンディング演出にて行う。特殊エンディング演出は、2.0秒間だけ行われる。
そして、特殊エンディング演出が終了すると、保留球格納エリア203bに保留された変動演出を、保留された順に実行する。このとき、特殊変動期間フラグ203dがオンに設定されているので、特殊変動期間であると判断し、変動演出の変動パターンとして、必ず特殊変動を決定する。即ち、特殊変動期間フラグ203dがオンの場合は、変動パターンを決定する変動パターンとして、特殊変動パターンテーブル202eが設定される。これにより、上述した通り、変動演出の変動パターンは、その変動演出の結果として大当たりとなるか否かにかかわらず、変動時間が1.5秒、具体的には、図柄が変動している時間が1.0秒、図柄が停止表示され、その停止表示された図柄が確定表示されるまでの時間が0.5秒の特殊変動演出が実行される。この特殊変動演出は、再び大当たりとなるまで、全ての変動演出に対して実行される。
特殊変動期間中に実行された特殊変動演出において大当たりが発生すると、続いて、その大当たりのオープニング演出が開始される。このオープニング演出は、特殊オープニング演出として、2.0秒間行われる。この特殊オープニング演出が終了すると、一連の大当たり継続演出が終了し、その後は、先に説明した通常のラウンド演出が行われる。また、特殊オープニング演出が行われるのに合わせて、特殊変動期間フラグ203dがオフに設定され、特殊変動期間が終了する。
ここで、図10を参照して、第3図柄表示装置81に表示される大当たり継続演出について説明する。
まず、図10(a)は、大当たり継続演出の最初に行われる特殊エンディング演出において第3図柄表示装置81に表示される画面を示した図である。図10(a)に示す通り、特殊エンディング演出では、主表示領域Dm及び副表示領域Dsの区画をなくし、画面一杯に特殊エンディング演出用の画像を表示する。具体的には、画面中央上部に「くす玉」の画像と、「くす玉」から4本の紐がぶら下がっている画像を表示する。また、画面左側に「少年」の画像を表示し、画面右下に「割れたらまだまだ続くよ!」とのメッセージを示した文字が表示される。この特殊エンディング演出により、くす玉が割れれば、大当たりが継続して発生するような印象を遊技者に与えることができる。
次いで、図10(b)は、特殊変動演出において第3図柄表示装置81に表示される画面を示した図である。図10X(b)に示す通り、特殊変動演出では、特殊エンディング演出に引き続いて、1回の特殊変動演出毎に、「少年」によって「くす玉」からぶら下がった紐を一本ずつひく画像を表示する。そして、その特殊変動演出に対して行われた大当たり抽選の結果が「外れ」の場合は、「くす玉」から紐が抜け落ちて「くす玉」が割れずに維持される画像が表示される。一方、特殊変動演出に対して行われた大当たり抽選の結果が「大当たり」の場合は、紐が引かれると同時に「くす玉」が割れる画像が表示される。
このとき、「少年」が「くす玉」からぶら下がった紐を引く画像は、第3図柄表示装置81の画面一杯に表示される。一方、変動演出において第3図柄表示装置81に表示されるべき第3図柄は、第3図柄表示装置81の画面の右上隅87aと、左上隅87bと、左下隅73cとに小さく表示される。これら右上隅87aと、左上隅87bと、左下隅73cとに表示される第3図柄は正方形をしており、変動期間中は、各隅87a〜87cそれぞれの正方形の中の色を時時刻々と変化させることで第3図柄の変動表示が行われる。
そして、各隅87a〜87cの第3図柄を停止表示させた場合に、その第3図柄(正方形)の中の色が異なっている場合は外れとなり、画面中央では、「くす玉」から紐が抜け落ち、「くす玉」が割れずに維持される画像が表示される。また、各隅87a〜87cの第3図柄を停止表示させた場合に、第3図柄(正方向)の中の色が一致した場合は大当たりとなり、画面中央では、紐が引かれると同時に「くす玉」が割れる画像が表示される。
このように、特殊変動演出では、第3図柄の変動表示を第3図柄表示装置81の画面の隅にて小さく行っているので、遊技者には、画面中央部に表示された「くす玉」や「少年」の画像に注目させやすくできる。
なお、第3図柄の変動表示は、必ずしも色の変化で行われる必要はなく、数字や文字、記号などを変化させながら行うものであってもよい。また、第3図柄は、必ずしも複数用意する必要はなく、第3図柄表示装置81に1つだけ表示されてもよい。この場合、停止表示された図柄が所定の図柄であった場合に「大当たり」とし、所定の図柄以外の図柄が停止表示された場合は「外れ」としてもよい。また、本実施形態では、特殊変動演出において第3図柄を小さく表示する場合について説明したが、特殊変動演出に限り、第3図柄を第3図柄表示装置81に表示させないようにしてもよい。
次いで、図10(c)は、特殊オープニング演出において第3図柄表示装置81に表示される画面を示した図である。図10(c)に示す通り、特殊オープニング演出では、通常オープニング演出とは異なり、「大当たり」となった特殊変動演出の画像に引き続き、割れた「くす玉」の中から「まだまだ続くよ!!」と書かれた垂れ幕が出てくる画像と、「少年」から「やったね!!」とのメッセージが発せられた画像とを表示する。特殊オープニング演出は2.0秒だけ行われる。特殊オープニング演出が行われると、一連の大当たり継続演出は終了し、上述したラウンド演出が開始される。
このように、大当たり継続演出は、先の大当たりのエンディング演出から、次の大当たりのオープニング演出に至るまでの間に行われる変動演出を、通常の変動演出とは異なる特殊な変動演出で行う。
ここで、上述した通り、大当たり継続演出が行われるのは、先の大当たりが終了する段階で、保留球格納エリア203bに「大当たり」となる保留がある場合である。即ち、先の大当たりの終了から、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合に、その先の大当たりのエンディング演出から、次の大当たりのオープニング演出まで、大当たり継続演出が行われる。
従来のパチンコ機では、先の大当たりの終了から少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合であっても、先の大当たりで通常通り大当たり演出を終了し、通常の変動演出を実行して、次の大当たりも通常通りに大当たり演出を開始した。しかしながら、従来のパチンコ機では、先の大当たりの終了からすぐに次の大当たりが発生したとしても、一旦は通常の変動演出が行われるために、そこで遊技者の盛り上がりが途切れてしまい、高揚感を遊技者に持続させることができなかった。
これに対し、本パチンコ機10では、先の大当たりの終了から、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合に、その先の大当たりのエンディング演出から、次の大当たりのオープニング演出に至るまでの間に行われる変動演出を、通常の変動演出とは異なる特殊変動演出によって実行するので、その特殊変動演出により、先の大当たりから次の大当たりまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
しかも、本パチンコ機10では、先の大当たりのエンディング演出から、1以上の変動演出を経て、次の大当たりのオープニング演出に至るまで、ストーリーの繋がった一連の大当たり継続演出が行われるので、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者に与えることができる。よって、大当たりへの盛り上がりを更に途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
加えて、エンディング演出およびオープニング演出は、通常の変動演出の中で最も変動時間の短い短外れ(7秒)よりも更に短い2.0秒だけ行われる。また、特殊変動演出の変動時間もその短外れよりも短い1.5秒に設定されている。よって、大当たり継続演出中に特殊変動演出が1回行われた場合の該大当たり継続演出にかかる時間は、2.0秒(エンディング演出)+1.5秒(特殊変動演出)+2.0秒(オープニング演出)=5.5秒と、短い時間となっている。また、大当たり継続演出中に特殊変動演出が4回行われた場合であっても、該大当たり継続演出は2.0秒(エンディング演出)+1.5秒×4(特殊変動演出)+2.0秒(オープニング演出)=10秒と、短い時間で終了する。従って、2つの先の大当たりが終了してから、遊技者の盛り上がりを持続させたまま、次の大当たりを開始することができるので、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、特殊変動演出の場合、第3図柄の変動表示を、第3図柄表示装置81の画面の隅にて、第3図柄を小さく表示しながら行うので、遊技者に変動演出よりも大当たり継続演出に注目させることができる。これにより、遊技者が変動演出に意識が移り、大当たりへの盛り上がりが途切れてしまうことを抑制できる。また、大当たり継続演出に注目させることで、その大当たり継続演出によって、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者に強く持たせることができる。
なお、上述した通り、大当たり継続演出を短い時間で行うために、特殊オープニング演出は2.0秒と短い時間で行われる。本パチンコ機10では、この特殊オープニング演出の時間に合わせて、通常のオープニング演出(通常オープニング演出)も2.0秒と短い時間で行う。同様に、本パチンコ機10では、特殊エンディング演出を2.0秒と短い時間で行うので、その特殊エンディング演出の時間に合わせて、大当たり継続演出が行われない場合の通常のエンディング演出(通常エンディング演出)も2.0秒と短い時間で行う。
図8に戻り、説明を続ける。上述した通り、大当たり継続演出における特殊オープニング演出が終了すると、大当たり継続演出は終了し、通常のラウンド演出が行われる。そして、大当たり種別に対応する数のラウンドが終了すると(ラウンド演出が終了すると)、次いで、エンディング演出を開始する。ここで、エンディング演出を開始する前に、保留球格納エリア203bに格納された各保留に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を先読みし、「大当たり」となる保留があるか否かを判断する。そして、「大当たり」となる保留がなければ、通常のエンディング演出(通常エンディング演出)を実行する。この通常エンディング演出は、上述した通り、2.0秒間だけ行われる。
ここで、図9(b)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される通常エンディング演出を説明する。図9(b)は、通常エンディング演出において第3図柄表示装置81に表示される画面を示した図である。
図9(b)に示す通り、通常エンディング演出では、画面右側に「少年」の画像を表示し、「少年」が手をふりながら、「じゃあね〜!」というメッセージが発せられた画像を表示する。この通常エンディング演出により、遊技者に対して、大当たり演出が終了を認識させることができる。
図8に戻り、説明を続ける。通常エンディング演出が終了すると、通常の態様で、変動演出が行われる。即ち、特殊変動パターンテーブル203eではない通常の変動パターンテーブル(大当たり用変動パターンテーブル202c、外れ用変動パターンテーブル203d)を使用して変動パターンを決定し、変動演出を実行する。
図5に戻り、RAM203の説明を続ける。特殊変動回数カウンタ203eは、特殊変動期間において、連続して特殊変動演出が行われる回数を計数するためのカウンタである。本実施形態では、特殊変動期間において連続して特殊変動演出が行われる回数を4回までとしている。そこで、特殊変動回数カウンタ203eは、特殊変動期間において連続して特殊変動演出が行われる回数を計数し、特殊変動演出が4回連続して行われても、大当たりが発生しなかった場合には、特殊変動期間フラグ203dをオフに設定して、特殊変動期間を終了させ、また、大当たり継続演出を終了させる。
この特殊変動回数カウンタ203eは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(S713)にて設定される値)がゼロに設定されており、特殊変動期間フラグ203dがオンに設定される、即ち、特殊変動期間が開始されるのに合わせて、「4」が設定される(図20のS544参照)。そして、変動演出の開始を設定するに際し(図16の変動演出処理)、特殊変動期間フラグ203dがオンの場合に、特殊変動回数カウンタ203eの値が「0」か否かが判断される。その結果、特殊変動回数カウンタ203eが「1」以上であれば、変動パターンテーブルとして特殊変動パターンテーブル202eを設定し、特殊変動回数カウンタ203eを1減算する(図16のS404,S405)。そして、大当たりが発生すれば、特殊変動回数カウンタ203eを0に初期化する(図18のS515)。これに対し、特殊変動回数カウンタ203eの値が「0」であれば、特殊変動期間フラグ203dをオフに設定して特殊変動期間を終了し(図16のS406)、更に、変動パターンテーブルとして通常の変動パターンテーブル(大当たり用変動パターンテーブル202b、外れ用変動パターンテーブル202c)を設定する。これにより、特殊変動演出が4回連続して行われても、大当たりが発生しなかった場合には、特殊変動期間を終了させ、大当たり継続演出を終了させることができる。
なお、本実施形態において、特殊変動期間が設定されるのは、先の大当たりが終了する段階で、保留球格納エリア203bに格納された保留の中に、「大当たり」となる保留がある場合である。保留球格納エリア203bに格納される保留球数は最大で「4」であるので、本来であれば、特殊変動期間において、特殊変動演出が4回連続して行われる間に必ず大当たりが発生するはずである。しかしながら、ノイズなどの何らかの理由により、保留球格納エリア203bに格納された保留の中に、「大当たり」となる保留がなくても、特殊変動期間が設定される場合もあり得る。そこで、本実施形態では、特殊変動演出が4回連続して行われたにもかかわらず、大当たりが発生しなかった場合には、特殊変動期間を終了させている。これにより、大当たりが発生するまで特殊変動期間が継続され、変動時間が1.5秒と短い特殊変動演出が繰り返し行われることで、遊技者の遊技に対する興趣を阻害してしまうことを抑制することができる。
大当たり処理状態メモリ203eは、大当たり演出の制御状態を格納するためのメモリである。大当たり演出を制御する後述の大当たり処理(図17参照)では、大当たり処理状態メモリ203eに格納された大当たり演出の制御状態に応じて、大当たり演出の制御を行う。
大当たり演出の制御状態としては、大当たり発生前の「大当たり前」と、オープニング演出中の「オープニング中」と、ラウンド演出中の「ラウンド中」と、後述する擬似大当たり継続演出中の「継続演出中」と、エンディング演出中の「エンディング中」とがある。大当たり処理状態メモリ203eは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(S713)にて設定される値)として「大当たり前」が設定される。
そして、大当たり演出の制御状態が「大当たり前」にある場合に、大当たりが発生すれば、オープニング演出を開始して「オープニング中」へ移行し、オープニング演出開始後2秒経過した後に特定入賞口65aの開閉制御を開始して「ラウンド中」へ移行する。
また、大当たり演出の制御状態が「ラウンド中」にある場合に、大当たり種別に対応する数のラウンドが終了すると、エンディング演出を開始して「エンディング中」へ移行し、エンディング演出開始後2秒経過した後に「大当たり前」へ移行する。
また、大当たり演出の制御状態が「ラウンド中」にある場合に、大当たり種別に対応する最終ラウンドではなく且つ第5ラウンド又は10Rが終了した時点で、擬似大当たり継続演出を開始し、大当たり演出の制御状態を「継続演出中」へ移行する。
ここで、図11を参照して、擬似大当たり継続演出について説明する。図11(a)は、大当たり種別が15R大当たり(15R確変大当たり、15R通常大当たり)の場合の大当たり演出のタイミングチャートであり、図11(b)は、大当たり種別が10R確変大当たりの場合の大当たり演出のタイミングチャートである。
擬似大当たり継続演出とは、図11に示すように、大当たり演出途中に行われる演出である。具体的には、大当たり種別が15R大当たりであった場合には、第5ラウンド及び10Rが終了した時点で、擬似大当たり継続演出が行われる。また、大当たり種別が10R確変大当たりであった場合には、第5ラウンドが終了した時点で、擬似大当たり継続演出が行われる。
この擬似大当たり継続演出では、上述した大当たり継続演出と同様の演出が行われるものである。即ち、擬似大当たり継続演出が開始されると、図10(a)に示した特殊エンディング演出と同じ内容の画像が同じ時間(2.0秒)だけ第3図柄表示装置81に表示される。次いで、図10(b)に示した特殊変動演出と同じ内容の画像が同じ時間(1.5秒)だけ、1回〜4回繰り返し第3図柄表示装置81に表示される。そして、図10(c)に示した特殊オープニング演出と同じ内容の画像が同じ時間(2.0秒)だけ第3図柄表示装置81に表示される。これにより、擬似大当たり継続演出は、大当たり継続演出と同様に、特殊変動演出と同じ内容の画像の繰り返し回数に応じて、5.5秒(2.0秒+1.5秒×1+2.0秒)〜10秒(2.0秒+1.5秒×4+2.0秒)の間、実行される。なお、擬似大当たり継続演出において、特殊変動演出と同じ内容の画像を繰り返し表示する場合のその繰り返し回数は、その擬似大当たり継続演出を開始するときに、適宜決定する。
このように、大当たり継続演出と同等の擬似大当たり継続演出が、大当たり演出の途中で行われるので、遊技者からみた場合、大当たり継続演出と擬似大当たり継続演出とは全く同じ演出であると認識される。よって、2つの大当たり演出の間で実行される大当たり継続演出と、大当たり演出の途中で実行される擬似大当たり継続演出とを区別することなく、区別することなく遊技者はこれらの演出を見ることになる。よって、遊技者にとっては、これら2つの演出を、単に大当たり状態が継続することを示す演出として認識できる。従って、大当たり継続演出において、実際には変動演出が行われるものの、その変動演出に意識が向くことなく、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者により強く持たせることができる。よって、2つの大当たりの盛り上がりが途切れてしまうことを抑制し、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
なお、擬似大当たり継続演出では、特殊変動演出と同じ内容の画像を表示するが、特殊変動演出において表示される第3図柄は表示させない。これは、大当たり中に変動演出が行われているとの勘違いを起こさせないためである。擬似大当たり継続演出では、特殊変動演出において第3図柄が表示されていた位置に、第3図柄とは形の異なる画像(例えば、円形の画像)を表示し、その円形の中の色を時間経過とともに変化させて表示させる。これにより、擬似大当たり継続演出においても、ほぼ特殊変動演出と同等の画像を表示させることができ、特殊変動演出が行われる大当たり継続演出と、大当たり演出途中に実行される擬似大当たり継続演出との違いを、遊技者が一見しただけでは分かりにくいようしている。よって、遊技者からみた場合、大当たり継続演出と擬似大当たり継続演出とは全く同じ演出であると認識させることができる。
なお、特殊変動演出において、第3図柄を数字や文字、記号などで構成して、変動表示を行うものである場合は、擬似大上がり継続演出では、特殊変動演出の第3図柄に相当するものとして、その第3図柄で使用される数字等とは異なる数字等を用いて、時間の経過と共にその数字等を変化させて表示するものであってもよい。また、特殊変動演出において、第3図柄による変動表示が非表示とされる場合は、擬似大当たり継続演出において、特殊変動演出の第3図柄に相当するものを表示させなくてもよい。
大当たり処理状態が「継続演出中」である場合、擬似大当たり継続演出にかかる時間が経過すると、「ラウンド中」へ移行する。そして、引き続き、ラウンド演出の制御が行われる。
図5に戻り、RAM203の説明を続ける。大当たり演出開始フラグ203gは、大当たり演出の開始を示すフラグである。この大当たり演出開始フラグ203gは、オンとオフの値を取り、オンの場合に、大当たり演出の開始が示される。
大当たり演出開始フラグ203gは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(S713)にて設定される値)がオフに設定されており、変動演出が確定表示される時にその確定表示された図柄が大当たり図柄となっている場合に、大当たり演出開始フラグ203gをオンに設定する。そして、大当たり処理状態メモリ203fが「大当たり前」にある場合に、大当たり演出開始フラグ203gがオン状態になると、オープニング演出が開始され、大当たり演出開始フラグ203gがオフに初期化された上で、大当たり処理状態メモリ203fが「オープニング中」へ移行する。これにより、大当たり演出が開始される。
最大ラウンドメモリ203hは、大当たり種別に対応する最大ラウンド数を設定するためのメモリである。この最大ラウンドメモリ203hには、大当たり演出開始フラグ203gがオンにされるのに合わせて、即ち、変動演出が確定表示される時にその確定表示された図柄が大当たり図柄となっている場合に、その確定表示された変動演出において設定された大当たり種別に対応した最大ラウンド数が設定される。即ち、15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合は、最大ラウンドメモリ203hに「15」が設定され、10R確変大当たりの場合は、最大ラウンドメモリ203hに「10」が設定され、5R確変大当たりの場合は、最大ラウンドメモリ203hに「5」が設定される。
ラウンドカウンタ203iは、大当たり演出中に実行されるラウンド数を計数するためのカウンタである。大当たり演出中に、1ラウンド分のラウンド演出が開始される度にラウンドカウンタ203iに1加算する。そして、1ラウンド分のラウンド演出の終了時に、ラウンドカウンタ203iの値が最大ラウンドメモリ203hと一致した場合には、ラウンドカウンタ203iの値を0に初期化した上で、エンディング演出を開始し、大当たり処理状態を「エンディング中」へ移行させる。これにより、大当たり種別に対応するラウンド数分のラウンド演出が、大当たり演出中に実行される。
また、1ラウンド分のラウンド演出の終了時に、ラウンドカウンタ203iの値が最大ラウンドメモリ203hと一致していない場合において、その値が「5」又は「10」となっている場合は、擬似大当たり継続演出を開始し、大当たり処理状態を「継続演出中」へ移行させる。
擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jは、大当たり種別が15R大当たり(15R確変大当たり、15R通常大当たり)又は10R確変大当たりの場合に、第5ラウンドが終了した時点で行われる擬似大当たり継続演出の時間を決定するために用いられるカウンタである。また、擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kは、大当たり種別が15R大当たり(15R確変大当たり、15R通常大当たり)の場合に、10Rが終了した時点で行われる擬似大当たり継続演出の時間を決定するために用いられるカウンタ203kである。これら擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203j及び擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kは、0〜3の範囲で更新されるカウンタである。
これらのカウンタの更新は、更新処理が行われる度に1ずつカウントされ、カウンタの値が3の場合は、0に戻される。これらのカウンタの更新処理は、2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図13参照)が実行される毎に1回行われる(S104参照)。また、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jは、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図24参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。これにより、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jと擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kとが、互いに無関係に更新される。
大当たり種別が15R大当たり(15R確変大当たり、15R通常大当たり)又は10R確変大当たりの場合に、第5ラウンドが終了した時点で行われる擬似大当たり継続演出の時間の決定は、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jと擬似大当たり継続演出時間テーブル202fとを参照して行う。また、大当たり種別が15R大当たり(15R確変大当たり、15R通常大当たり)の場合に、10Rが終了した時点で行われる擬似大当たり継続演出の時間の決定は、擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kと擬似大当たり継続演出時間テーブル202fとを参照して行う。
ここで、図12を参照して、擬似大当たり継続演出時間テーブル202fについて説明する。図12は、擬似大当たり継続演出時間テーブル202fの一例を模式的に示した図である。図12に示すように、擬似大当たり継続演出時間テーブル202fは、擬似大当たり継続演出時間と、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203j及び擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kの取り得る値とを対応付けたテーブルである。
具体的には、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203j及び擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kの値「0」に対して、擬似大当たり継続演出時間として5.5秒が対応付けられ、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203j及び擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kの値「1」に対して、擬似大当たり継続演出時間として7.0秒が対応付けられ、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203j及び擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kの値「2」に対して、擬似大当たり継続演出時間として8.5秒が対応付けられ、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203j及び擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kの値「3」に対して、擬似大当たり継続演出時間として10.0秒が対応付けられている。
第5ラウンド終了時点で擬似大当たり継続演出の時間を決定する場合、そのときの擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jの値に対応付けられた擬似大当たり継続演出時間を、今回の擬似大当たり継続演出の時間として決定する。また、10R終了時点で擬似大当たり継続演出の時間を決定する場合、そのときの擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kの値に対応付けられた擬似大当たり継続演出時間を、今回の擬似大当たり継続演出の時間として決定する。
擬似大当たり継続演出時間として5.5秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が1回だけ行われる擬似大当たり継続演出が実行される。擬似大当たり継続演出時間として7.0秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が2回行われる擬似大当たり継続演出が実行される。擬似大当たり継続演出時間として8.5秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が3回行われる擬似大当たり継続演出が実行される。擬似大当たり継続演出時間として10.0秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が4回行われる擬似大当たり継続演出が実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための特定入賞口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドにより示される変動時間に基づいて、その変動時間で実行すべき変動演出の変動態様の設定、等といった制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。また、RAM223は、保留球数カウンタ223aを少なくとも有している。
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図27のS1107参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図28のS1207参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留カウンタ203aの値に同期させながら変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図27参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図27のS1104参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図28のS1202参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81の画面表示を制御する装置であり、第3図柄の変動表示(変動演出)や大当たり時の大当たり演出といった種々の画面表示を、音声ランプ制御装置113(主制御装置111)から送信されるコマンドに従って制御するものである。
表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドやその他の各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータ(キャラクタ情報)を圧縮された形式で記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示させる画像を生成するためにキャラクタROM235から読み出された複数のキャラクタ情報を解凍した形式で記憶する領域(図示せず)と、その解凍した複数のキャラクタ情報の少なくとも一部を用いて生成した1フレーム分の表示データを、その表示がなされるまで一時的に記憶するフレームバッファ領域(図示せず)とを有するメモリである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234のフレームバッファ領域に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図13から図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次いで、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jと擬似大当たり継続時間2カウンタ203kとの更新を実行する(S104)。ここでは、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jと擬似大当たり継続時間2カウンタ203kとをそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、いずれも3)に達した際に、それぞれ0にクリアする。
次に、特定入賞口65aの開放態様を設定するなど大当たり演出を制御する大当たり処理を実行し(S105)、次いで、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S106)、更に、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S107)。なお、大当たり処理の詳細については図18〜図21を参照して後述し、変動処理の詳細については図15,図16を参照して説明し、更に、始動入賞処理の詳細は、図14を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図14のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S107)を説明する。図14は、この始動入賞処理(S107)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S107)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、第3図柄表示装置81における連続予告演出開始の許可判定処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S201:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S201:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S202:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S201:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S202:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S203)、更に、前記ステップS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値と、変動種別カウンタCS1の値を、RAM203の保留球格納エリア203bの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S204)。
次いで、S203の処理によって更新された保留球数カウンタ203aの値Nを含めた保留球数コマンドを作成して設定する(S205)。そして、始動入賞処理を終了し、タイマ割込み処理に戻る。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aを更新し、その保留球数カウンタ223aの値を表示用保留球数コマンドによって表示制御装置114へ通知する。これにより、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに、保留球数カウンタ223aで示される保留球数N分の保留球数図柄(「●」図柄)が表示される。
次に、図15,図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S106)について説明する。まず、図15は、この変動処理(S106)を示すフローチャートである。この変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置85で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S304)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であれば(S304:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S304:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S305)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203c側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→保留球実行エリア203c、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S307)。なお、変動開始処理については、図16を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S308:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S309)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S310)。第1図柄の停止図柄の設定は、図16を参照して後述する変動開始処理(S307)によって予め行われる。即ち、変動開始処理(S307)では、S306の処理により、保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり種別が決定される。そして、第1図柄表示装置37の停止表示として、大当たりの場合は、その決定された大当たり種別に対応する停止図柄が設定され、外れの場合は外れに対応する停止図柄が設定される。
S310の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定する(S311)。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次いで、S310の処理に第1図柄表示装置37の停止表示として設定された停止図柄が、大当たりか否かを判断する(S313)。その結果、大当たりでなければ(S313:No)、そのまま、変動処理を終了し、タイマ割込み処理に戻る。一方、大当たりであった場合は(S313:Yes)、大当たり演出開始フラグ203gをオンに設定する(S314)。そして、S310の処理により設定された停止図柄に対応する大当たり種別に対応した最大ラウンド数を最大ラウンドメモリ203hに設定し(S315)、変動処理を終了して、タイマ割込処理へ戻る。
S314の処理によって大当たり演出開始フラグ203gがオンされることにより、停止図柄として大当たり図柄が第1表示制御装置37及び第3図柄表示装置81に確定表示された後、大当たり演出が開始される。また、S315の処理では、S310の処理により設定された停止図柄に対応する大当たり種別が、15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合には、最大ラウンド数として「15」が最大ラウンドメモリ203hに設定され、10R確変大当たりの場合には、最大ラウンド数として「10」が最大ラウンドメモリ203hに設定され、5R確変大当たりの場合には、最大ラウンド数として「5」が最大ラウンドメモリ203hに設定される。これにより、大当たり種別に対応するラウンド数分のラウンド演出が、大当たり演出中に実行される。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S307)について説明する。図16は、変動開始処理(S307)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S307)は、タイマ割込処理(図13参照)の変動処理(図15参照)の中で実行され、保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり抽選を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動時間)を決定する。
変動開始処理では、まず、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを設定する。具体的には、まず、特殊変動期間フラグ203dがオンか否かを判断する(S401)。そして、特殊変動期間フラグ203dがオフの場合は(S401:No)、特殊変動期間(図8参照)ではないので、変動パターンの決定に使用する変動パターンテーブルとして通常の変動パターンテーブル(大当たり用変動パターンテーブル203c及び外れ用変動パターンテーブル203d)を設定し(S402)、S407の処理へ移行する。
一方、特殊変動期間フラグ203dがオンの場合は(S401:Yes)、特殊変動期間(図8参照)にある。この場合は、まず、特殊変動回数カウンタ203eの値が0か否かを判断する(S403)。その結果、特殊変動回数カウンタ203eの値が0の場合は(S403)、特殊変動期間中に特殊変動演出が既に4回実行されたにもかかわらず、大当たりが発生しなかったことを意味するので、特殊変動期間フラグ203dをオフに設定する(S406)。
本実施形態では、特殊変動期間において連続して特殊変動演出が行われる回数を4回までとしている。そこで、特殊変動回数カウンタ203eは、特殊変動期間において連続して特殊変動演出が行われる回数を計数し、特殊変動演出が4回連続して行われても、大当たりが発生しなかった場合には、特殊変動期間フラグ203dをオフに設定して、特殊変動期間を終了させ、大当たり継続演出を終了させる。
なお、本実施形態において、特殊変動期間が設定されるのは、上述した通り、先の大当たりが終了する段階で、保留球格納エリア203bに格納された保留の中に、「大当たり」となる保留がある場合である。保留球格納エリア203bに格納される保留球数は最大で「4」であるので、本来であれば、特殊変動期間において、特殊変動演出が4回連続して行われる間に必ず大当たりが発生するはずである。しかしながら、ノイズなどの何らかの理由により、保留球格納エリア203bに格納された保留の中に、「大当たり」となる保留がなくても、特殊変動期間が設定される場合もあり得る。そこで、本実施形態では、特殊変動演出が4回連続して行われたにもかかわらず、大当たりが発生しなかった場合には、特殊変動期間を終了させている。これにより、大当たりが発生するまで特殊変動期間が継続され、変動時間が1.5秒と短い特殊変動演出が繰り返し行われることで、遊技者の遊技に対する興趣を阻害してしまうことを抑制することができる。
S406の処理の後、S402の処理へ移行し、変動パターンの決定に使用する変動パターンテーブルとして通常の変動パターンテーブル(大当たり用変動パターンテーブル203c及び外れ用変動パターンテーブル203d)を設定して(S402)、S407の処理へ移行する。
一方、S403の処理の結果、特殊変動回数カウンタ203eの値が0でなければ(S403:Yes)、変動パターンの決定に使用する変動パターンテーブルとして特殊変動パターンテーブルを設定する(S404)。これにより、特殊変動期間に行われる変動演出は、変動パターンとして、変動時間が1.5秒(図柄が変動している時間が1.0秒、図柄が停止表示され、その停止表示された図柄が確定表示されるまでの時間が0.5秒)と極めて短い「特殊変動」が選ばれることになる。次いで、特殊変動回数カウンタ203eを1減算し(S405)、S407の処理へ移行する。
S407の処理では、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選を行う(S407)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブルの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブルの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S407の処理では、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S407の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S407:Yes)、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定し、それに基づいて大当たり時の表示態様(停止図柄)を設定する(S408)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202bとによって設定される大当たり種別、即ち、15R確変大当たり、15R通常大当たり、10R確変大当たり、5R確変大当たりのいずれであるか、に基づいて、第1図柄表示装置37の停止図柄(LED37aの点灯状態)および第3図柄表示装置81の停止図柄が設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S409)。この変動パターンの決定は、S402の処理により通常の変動パターンテーブルが設定された場合は、保留球実行エリア203cに格納された変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cと、S408の処理で決定された大当たり種別とに基づいて行われる。即ち、大当たり用変動パターンテーブル202cにおいて、大当たり種別に対応するグループ(群)の中で、保留球実行エリア203cに格納された変動種別カウンタCS1の値を対応づけている変動パターンを、これから開始する変動表示の変動パターンとして決定する。また、S404の処理により特殊変動パターンテーブル202eが設定された場合は、これから開始する変動表示の変動パターンとして特殊変動を決定する。
S407の処理で大当たりではないと判別された場合には(S407:No)、外れ時の表示態様(停止図柄)が設定される(S410)。S410の処理では、第1図柄表示装置37の停止図柄を外れ図柄に対応した停止図柄に設定すると共に、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別(停止図柄)として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが、設定されている。
なお、S404の処理により、変動パターンテーブルとして特殊変動パターンテーブル203eが設定された場合は、変動パターンとして変動時間の極めて短い特殊変動が選択されるので、リーチ演出などは行えない。よって、この場合、外れ時の停止図柄として全て完全外れを設定してもよい。
次に、外れ時の変動パターン(変動時間)を決定する(S411)。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、外れ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。ここで、S402の処理により通常の変動パターンテーブルが設定された場合に、パチンコ機10の遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあれば、図7(c)に示す外れ(通常)用変動パターンテーブルに基づいて、短外れ、長外れ、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種の中から、S410の処理によって設定された停止種別と、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンが決定される。また、パチンコ機10の遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあれば、図7(d)に示す外れ(確変)用変動パターンテーブルに基づいて、短外れ、長外れ、ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種の中から、S410の処理によって設定された停止種別と、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1とに対応付けられた外れ時の変動パターンが決定される。一方、S404の処理により特殊変動パターンテーブル202eが設定された場合は、これから開始する変動表示の変動パターンとして特殊変動を決定する。そして、予めテーブル等により規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
S409又はS411の処理が終わると、そのS409又はS411の処理で決定された変動パターン(変動時間)を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S412)。次いで、S408又はS410の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S413)、変動開始処理を終了する。
次いで、図17〜図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理(S105)を説明する。まず、図17は、大当たり処理(S105)を示すフローチャートである。この大当たり処理(S105)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、特定入賞口65aの開放態様を設定したり、大当たり演出の各種タイミングを調整したりして、大当たり演出を制御する処理である。ここで設定された開放態様に基づいて、後述するメイン処理(図24参照)の特定入賞口開閉処理(S804)によって、特定入賞口65aの開閉が制御される。なお、この大当たり処理(S105)は、大当たり処理状態メモリ203fに格納された大当たり処理状態に基づいて、その大当たり処理状態に応じた処理を実行する。
具体的には、大当たり処理(S105)では、まず、大当たり処理状態メモリ203fに格納された大当たり処理状態を確認する(S501)。そして、大当たり処理状態が「大当たり前」である場合は(S501:「大当たり前」)、大当たり演出が開始される前(大当たり前)であるので、その開始前に必要な処理を行う大当たり前処理を実行し(S502)、大当たり処理を終了する。
大当たり処理状態が「オープニング中」である場合は(S502:「オープニング中」)、大当たり演出においてオープニング演出が行われているので、そのオープニング演出が行われている場合に必要な処理と、ラウンド演出の開始の設定とを行うオープニング中処理を実行し(S503)、大当たり処理を終了する。
大当たり処理状態が「ラウンド中」である場合は(S502:「ラウンド中」)、大当たり演出においてラウンド演出が行われているので、そのラウンド演出が行われている場合に必要な処理を行うラウンド中処理を実行し(S504)、大当たり処理を終了する。
大当たり処理状態が「継続演出中」である場合は(S502:「継続演出中」)、大当たり演出において、上述した擬似大当たり継続演出(図11参照)が行われているので、その擬似大当たり継続演出が行われている場合に必要な処理を行う継続演出中処理を実行し(S505)、大当たり処理を終了する。
また、大当たり処理状態が「エンディング中」である場合は(S502:「エンディング中」)、大当たり演出においてエンディング演出が行われているので、そのエンディング演出が行われている場合に必要な処理を行うエンディング中処理を実行し(S506)、大当たり処理を終了する。
なお、大当たり前処理(S502)、オープニング中処理(S503)、ラウンド中処理(S504)、継続演出中処理(S505)、エンディング中処理(S506)の詳細については、それぞれ、図18、図19、図20、図21(a)及び図21(b)を参照して後述する。
次いで、図18を参照し、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり前処理(S502)を説明する。図18は、この大当たり前処理(S502)を示すフローチャートである。大当たり前処理(S502)は、大当たり処理(図17参照)の一処理であり、大当たり演出が開始される前(大当たり前)に必要な処理を行う処理である。
この大当たり前処理では、まず、大当たり演出開始フラグ203aがオンか否かを判断する(S511)。大当たり演出開始フラグ203aがオフであれば、大当たり演出の開始タイミングではないので、そのまま大当たり前処理を終了し(S511:No)、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
一方、大当たり演出開始フラグ203aがオンの場合は(S511:Yes)、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81にて行われた変動表示(変動演出)が、大当たり図柄で確定表示され、大当たり演出の開始タイミングとなったことを意味する。そこで、この場合、まず、特殊変動期間フラグ203dがオンか否かを判断する(S512)。その結果、特殊変動期間フラグ203dがオンの場合は(S512:Yes)、大当たりが確定表示された変動表示(変動演出)が特殊変動演出であり、大当たり継続演出が行われていることを意味する(図8参照)。
そこで、この場合、特殊オープニングコマンドを設定する(S513)。ここで設定された特殊オープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、特殊オープニングコマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用特殊オープニングコマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81にて、図10(c)に示す特殊オープニング演出が表示される。
次いで、特殊変動期間フラグ203dをオフに設定し(S514)、また、特殊変動回数カウンタ203eを0に設定して(S515)、S517の処理へ移行する。S514の処理によって特殊変動期間フラグ203dをオフに設定することにより「、特殊変動期間が終了し、合わせて大当たり継続演出が終了する。
一方、S512の処理の結果、特殊変動期間フラグ203dがオフの場合は(S516)、大当たりが確定表示された変動表示(変動演出)が特殊変動演出ではなく、大当たり継続演出が行われてもいないので、通常オープニングコマンドを設定し(S516)、S517の処理へ移行する。ここで設定された通常オープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、通常オープニングコマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用通常オープニングコマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81にて、図9(a)に示す通常オープニング演出が表示される。
S517の処理では、大当たり処理状態メモリ203fの大当たり処理状態を「オープニング中」に設定する(S517)。そして、大当たり演出開始フラグ203gをオフに設定して(S518)、大当たり前処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
次いで、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるオープニング中処理(S503)を説明する。図19は、このオープニング中処理(S503)を示すフローチャートである。オープニング中処理(S503)は、大当たり処理(図17参照)の一処理であり、オープニング演出が行われている場合に必要な処理と、ラウンド演出の開始の設定とを行う処理である。
このオープニング中処理では、まず、オープニング演出を開始してからの経過時間(オープニング期間)が2秒を経過したか否かを判断し(S521)、2秒経過していなければ(S521:No)、オープニング演出中であるので、そのままオープニング中処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
一方、オープニング演出を開始してからの経過時間(オープニング期間)が2秒を経過した場合は(S521:Yes)、オープニング演出が終了したことを意味するので、次いで、ラウンド演出の開始を設定するS522〜S525の処理を実行する。なお、S522〜S525の処理は、オープニング演出が終了した後だけでなく、ラウンド演出の開始の設定を行う場合に必ず実行される。
S522〜S525の処理では、まず、ラウンドカウンタ203iに1を加算し(S522)、これから実行するラウンド演出のラウンド数を算出する。なお、S521の処理によって、オープニング演出を開始してからの経過時間(オープニング期間)が2秒を経過したと判断されてから、S522の処理へ移行された場合、S522の処理が行われる前のラウンドカウンタ203iの値は「0」に設定されている。よって、オープニング演出が終了した直後にS522の処理が実行されると、ラウンドカウンタ203iの値は「1」となるので、オープニング演出終了後は、第1ラウンドのラウンド演出が行われることになる。
次いで、ラウンドカウンタ203iで示されるラウンド数を示すラウンドコマンドを設定する(S523)。ここで設定されたラウンドコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、ラウンドコマンドを受信すると、表示制御装置114に対してラウンド数を含む表示用ラウンドコマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81にて、表示用ラウンドコマンドにて示されるラウンド数に応じたラウンド演出が表示される。
次いで、特定入賞口65aの閉鎖条件として「特定入賞口65aへの10球入賞、又は、特定入賞口65aを開放してから30秒経過」と設定して、特定入賞口65aの開閉制御を開始する(S524)。これにより、特定入賞口65aの開閉動作が、後述するメイン処理(図24参照)の特定入賞口開閉処理(S804)により行われる。この場合、特定入賞口開閉処理(S804)では、まず、特定入賞口65aを開放し、「特定入賞口65aに球が10球入賞するか、又は、特定入賞口65aを開放してから30秒経過する」という閉鎖条件が成立するまで、特定入賞口65aを継続して開放し続ける。そして、閉鎖条件が成立すると、特定入賞口65aを閉鎖する。
その後、大当たり処理状態メモリ203fの大当たり処理状態を「ラウンド中」に設定して(S525)、大当たり前処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
次いで、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるラウンド中処理(S504)を説明する。図20は、このラウンド中処理(S504)を示すフローチャートである。ラウンド中処理(S504)は、大当たり処理(図17参照)の一処理であり、ラウンド演出が行われている場合に必要な処理を行う処理である。
このラウンド中処理では、まず、S524の処理(図19参照)により設定された特定入賞口65aの閉鎖条件を満たしたか否かを判断する(S531)。そして、特定入賞口65aの閉鎖条件を満たしていなければ(S531:No)、そのままラウンド中処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
一方、S531の処理の結果、特定入賞口65aの閉鎖条件を満たしている場合は(S531:Yes)、1のラウンドのラウンド演出が終了することを意味するので、次いで、ラウンドカウンタ203iの値が、最大ラウンドメモリ203hの値と一致するか否かを判断する(S532)。
その結果、ラウンドカウンタ203iの値が、最大ラウンドメモリ203hの値と一致しなければ(S532:No)、大当たり演出が行われる契機となった大当たりの大当たり種別に対応するラウンド数だけ、まだラウンド演出が行われていないことを意味する。そこでこの場合、次に、ラウンドカウンタ203iの値が「5」か否かを判断する(S533)。ラウンドカウンタ203iの値が「5」であれば(S533:Yes)、大当たり種別が15R大当たり(15R確変大当たり、15R通常大当たり)又は10R確変大当たりの場合に、第5ラウンドが終了したことを意味する。
そこで、この場合、第6ラウンドを開始する前に、擬似大当たり継続演出を行うために、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jの値を読み出し、その読み出した値に対応する擬似大当たり継続演出時間を、擬似大当たり継続演出時間テーブル202fから決定し(S534)、S537の処理へ移行する。
また、S533の処理の結果、ラウンドカウンタ203iの値が「5」でなければ(S533:No)、次いで、ラウンドカウンタ203iの値が「10」か否かを判断する(S535)。ラウンドカウンタ203iの値が「10」であれば(S535:Yes)、大当たり種別が15R大当たり(15R確変大当たり、15R通常大当たり)の場合に、第10ラウンドが終了したことを意味する。
そこで、この場合、第11ラウンドを開始する前に、擬似大当たり継続演出を行うために、擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kの値を読み出し、その読み出した値に対応する擬似大当たり継続演出時間を、擬似大当たり継続演出時間テーブル202fから決定し、S537の処理へ移行する。
S537の処理では、S534又はS536の処理により決定した擬似大当たり継続演出時間を含む擬似大当たり継続演出コマンドを設定する(S537)。ここで設定された擬似大当たり継続演出コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、擬似大当たり継続演出コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用擬似大当たり継続演出コマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81にて、擬似大当たり継続演出が表示される。
ここで、S534及びS536の処理により、擬似大当たり継続演出の時間として、5.5秒、7.0秒、8.5秒、10.0秒の中から1つ決定される。これらの時間は、大当たり継続演出の時間と同一であり、擬似大当たり継続演出時間として5.5秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が1回だけ行われる擬似大当たり継続演出が実行される。擬似大当たり継続演出時間として7.0秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が2回行われる擬似大当たり継続演出が実行される。擬似大当たり継続演出時間として8.5秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が3回行われる擬似大当たり継続演出が実行される。擬似大当たり継続演出時間として10.0秒が決定された場合、特殊変動演出と同様の演出が4回行われる擬似大当たり継続演出が実行される。
このように、大当たり継続演出と同等の擬似大当たり継続演出が、大当たり演出の途中で行われるので、遊技者からみた場合、大当たり継続演出と擬似大当たり継続演出とは全く同じ演出であると認識される。よって、2つの大当たり演出の間で実行される大当たり継続演出と、大当たり演出の途中で実行される擬似大当たり継続演出とを区別することなく、区別することなく遊技者はこれらの演出を見ることになる。よって、遊技者にとっては、これら2つの演出を、単に大当たり状態が継続することを示す演出として認識できる。従って、大当たり継続演出において、実際には変動演出が行われるものの、その変動演出に意識が向くことなく、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者により強く持たせることができる。よって、2つの大当たりの盛り上がりが途切れてしまうことを抑制し、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
S537の処理の後、大当たり処理状態メモリ203fの大当たり処理状態を「継続演出中」に設定して(S538)、ラウンド中処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
一方、S535の処理の結果、ラウンドカウンタ203iの値が「10」でなければ(S535:No)、図19のS522の処理へ移行し、次のラウンドに対するラウンド演出の開始の設定を行う。
また、S532の処理の結果、ラウンドカウンタ203iの値が、最大ラウンドメモリ203hの値と一致する場合は(S532:Yes)、大当たり演出が行われる契機となった大当たりの大当たり種別に対応するラウンド数だけ、ラウンド演出が行われたことを意味する。そこでこの場合は、ラウンドカウンタ203iを0に初期化し(S539)、次いで、保留球格納エリア203bに保留されている各保留球の第1当たり乱数カウンタ202b1の値を判定する(S540)。
この判定では、保留球数カウンタ203aが「1」の場合は、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ202b1の値だけを判定する。また、保留球数カウンタ203aが「2」の場合は、保留第1エリアと保留第2エリアとの第1当たり乱数カウンタ202b1の値を判定する。保留球数カウンタ203aが「3」の場合は、保留第1エリア〜保留第3エリアの第1当たり乱数カウンタ202b1の値を判定する。保留球数カウンタ203aが「4」の場合は、全ての保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の第1当たり乱数カウンタ202b1の値を判定する。そして、判定した保留エリアの中に、少なくとも1つの保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタ203b1が「大当たり」を示す値であった場合に、保留球の中に「大当たり」があると判定する。なお、保留球数カウンタ203aが「0」の場合は、保留球格納エリア203bに保留されたものがないので、保留球の中に「大当たり」はない、と判定する。
そして、S540の判定により、保留球の中に「大当たり」があるか否かを判断し(S541)、保留球の中に「大当たり」があると判断される場合は(S541:Yes)、特殊エンディングコマンドを設定する(S542)。ここで設定された特殊エンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、特殊エンディングコマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用特殊エンディングコマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81にて、図10(a)に示すような特殊エンディング演出が表示される。
そして、特殊変動期間フラグ203dをオンに設定し(S543)、大当たり継続演出を開始すると共に、特殊変動期間を開始する。また、特殊変動回数カウンタ203eを「4」に設定し(S544)、S546の処理へ移行する。これにより、特殊変動期間に行われる特殊変動演出を最大4回までにし、最大4回の特殊変動演出が行われても大当たりとならなかった場合は、特殊変動期間を終了させる。
本実施形態において、特殊変動期間が設定されるのは、先の大当たりが終了する段階で、保留球格納エリア203bに格納された保留の中に、「大当たり」となる保留がある場合である。保留球格納エリア203bに格納される保留球数は最大で「4」であるので、本来であれば、特殊変動期間において、特殊変動演出が4回連続して行われる間に必ず大当たりが発生するはずである。しかしながら、ノイズなどの何らかの理由により、保留球格納エリア203bに格納された保留の中に、「大当たり」となる保留がなくても、特殊変動期間が設定される場合もあり得る。そこで、本実施形態では、特殊変動演出が4回連続して行われたにもかかわらず、大当たりが発生しなかった場合には、特殊変動期間を終了させている。これにより、大当たりが発生するまで特殊変動期間が継続され、変動時間が1.5秒と短い特殊変動演出が繰り返し行われることで、遊技者の遊技に対する興趣を阻害してしまうことを抑制することができる。
S541の処理の結果、S540の判定により、保留球の中に「大当たり」がないと判断される場合は(S541:No)、通常エンディングコマンドを設定して(S545)、S546の処理へ移行する。ここで設定された通常エンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、通常エンディングコマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用通常エンディングコマンドを送信する。これにより、保留球の中に「大当たり」がなければ、大当たり継続演出は行われず、第3図柄表示装置81にて、図9(b)に示すような通常エンディング演出が表示される。
S546の処理では、大当たり処理状態メモリ203fの大当たり処理状態を「エンディング中」に設定して(S546)、ラウンド中処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
次いで、図21(a)を参照し、主制御装置110内のMPU201により実行される継続演出中処理(S505)を説明する。図21(a)は、この継続演出中処理(S506)を示すフローチャートである。継続演出中処理(S505)は、大当たり処理(図17参照)の一処理であり、擬似大当たり継続演出が行われている場合に必要な処理を行う処理である。
継続演出中処理(S505)では、擬似大当たり継続演出が開始されてから、図20のS534又はS536の処理によって決定した、擬似大当たり継続演出時間を経過したか否かを判断する(S551)。そして、擬似大当たり継続演出時間を経過していなければ(S551:No)、継続演出中処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
一方、S551の処理の結果、擬似大当たり継続演出時間を経過していれば(S551:Yes)、擬似大当たり継続演出の終了を意味するので、再びラウンド演出を実行するために、図19のS522の処理へ移行し、次のラウンドに対するラウンド演出の開始の設定を行う。
次いで、図21(b)を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるエンディング中処理(S506)を説明する。図21(b)は、このエンディング中処理(S506)を示すフローチャートである。エンディング中処理(S506)は、大当たり処理(図17参照)の一処理であり、エンディング演出が行われている場合に必要な処理を行う処理である。
エンディング中処理(S506)では、まず、エンディング演出を開始してからの経過時間(エンディング期間)が2秒を経過したか否かを判断し(S561)、2秒経過していなければ(S561:No)、エンディング演出中であるので、そのままエンディング中処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。
一方、エンディング演出を開始してからの経過時間(エンディング期間)が2秒を経過した場合は(S561:Yes)、エンディング演出が終了したことを意味するので、大当たり処理状態メモリ203fの大当たり処理状態を「大当たり前」に設定して(S562)、ラウンド中処理を終了し、大当たり処理(S105)も終了して、タイマ割込処理へ戻る。これにより、一連の大当たり演出が終了する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S704)、オンされていれば(S704:Yes)、処理をS711へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S705)、記憶されていなければ(S705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS711へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S705:Yes)、RAM判定値を算出し(S706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS711へ移行する。なお、図24のS813の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S711の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S711)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S712,S713)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S712,S713)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S712,S713)を実行する。RAMの初期化処理(S712,S713)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S712)、その後、RAM203の初期値を設定する(S713)。RAM203の初期化処理の実行後は、S710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S709)、S710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S710の処理では、割込みを許可する(S710)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS801〜S805の各処理が実行され、その残余時間でS808,S809,S810のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図13参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S801)。
具体的には、タイマ割込処理(図13参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図14参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンドや、特定入賞口65aを開閉動作させている場合に第3図柄表示装置81に大当たり演出を表示させるのに必要なオープニングコマンド(通常オープニングコマンド、特殊オープニングコマンド)、ラウンドコマンド、擬似大当たり継続演出コマンド、エンディングコマンド(通常エンディングコマンド、特殊エンディングコマンド)等を、音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S803)、次いで、上述の大開放口設定処理により設定された特定入賞口65aの開閉動作(閉鎖条件)に従って、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための特定入賞口開閉処理を実行する(S804)。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S805)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S806)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S806:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S807)、既に所定時間が経過していれば(S807:Yes)、処理をS801へ移行し、上述したS801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S807:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2、変動種別カウンタCS1、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jの更新を繰り返し実行する(S808〜S810)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S808)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S802の処理と同一の方法によって実行する(S809)。
更に、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jの更新を実行する(S810)。具体的には、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では3)に達した際に、0にクリアする。
ここで、S801〜S805の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。また、擬似大当たり継続演出時間1カウンタ203jを、擬似大当たり継続演出時間2カウンタ203kと無関係に更新することができる。
S806の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S806:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S811以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S811)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S812)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S813)、RAM203のアクセスを禁止して(S814)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S806の処理は、S801〜S805で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS808〜S810の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25から図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図25は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1018の電源断処理(図26参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S902)。図26を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図26のS1015参照)、S1018の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1018の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S902:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S903)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S906の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S903:Yes)、S904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S903:No)、S908へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S903:Yes)、S904へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S903:No)、S908へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S902:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1018の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S904の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S904)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S905:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S906)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S905:No)、RAM223の異常を報知して(S907)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S908の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S908)。電源断フラグはS1018の電源断処理の実行前にオンされる(図26のS1017参照)。つまり、電源断フラグは、S1018の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S908:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S909)、RAM223の初期値を設定した後(S910)、割込み許可を設定して(S911)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS904からS906の処理を経由してS908の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S908:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS909をスキップして、処理をS910へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S910)、割込み許可を設定して(S911)、メイン処理へ移行する。
なお、S909のクリア処理をスキップするのは、S904からS906の処理を経由してS908の処理へ至った場合には、S904の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回S1001の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1001)、1m秒以上経過していなければ(S1001:No)、S1002〜S1012の処理を行わずにS1013の処理へ移行する。S1001の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1002〜S1012が表示や音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1013の変動表示処理やS1014のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1014の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1013の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1001の処理で1m秒以上経過していれば(S1001:Yes)、まず、S1003〜S1014の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1002)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1009の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1003)、その後電源投入報知処理を実行する(S1004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1005の処理へ移行する。
S1005の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1006)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1007)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1007の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1009)、その後音編集・出力処理を実行する(S1010)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1010の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1011)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1012)、S1013の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1009のランプ編集処理が実行される。なお、S1010の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。また、カウンタ更新処理では、RAM223に設けられた各種カウンタの更新が行われる。
S1013の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドを生成し、生成したコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する(S1013)。この変動表示処理の詳細については、図28を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1014)。このコマンド判定処理の詳細については、図27を参照して後述する。
S1014の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1015)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1015の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1015:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1017)、電源断処理を実行する(S1018)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1019)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1015の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1015:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1016)、RAM223が破壊されていなければ(S1016:No)、S1001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1016:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1014)について説明する。図27は、このコマンド判定処理(S1014)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1014)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1101)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1101:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、短外れ、長外れ、特殊変動のいずれか)を抽出して(S1102)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図28参照)において、この記憶された変動パターン種別に基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1101:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1103)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1103:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S1104)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出して、RAM233に記憶する(S1105)。そして、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1103:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1106)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1106:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S1107)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1107の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
次いで、保留球数カウンタ223aの値を示す表示用保留球数コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1108)。そして、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに、表示用保留球数コマンドによって示される保留球数N、即ち、保留球数カウンタ223aで示される保留球数N分の保留球数図柄(「●」図柄)を表示する。
一方、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1106:No)、次いで、主制御装置110より特殊オープニングコマンドを受信したか否かを判別する(S1109)。そして、特殊オープニングコマンドを受信したと判別された場合(S1109:Yes)、表示用特殊オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1110)、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。表示制御装置114では、この表示用特殊オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に、図10(a)に示す特殊オープニング演出を表示する。
一方、特殊オープニングコマンドを受信していないと判別された場合(S1109:No)、次いで、主制御装置110より通常オープニングコマンドを受信したか否かを判別する(S1111)。そして、通常オープニングコマンドを受信したと判別された場合(S1111:Yes)、表示用通常オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1112)、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。表示制御装置114では、この表示用通常オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81に、図9(a)に示す通常オープニング演出を表示する。
一方、通常オープニングコマンドを受信していないと判別された場合(S1111:No)、次いで、主制御装置110よりラウンドコマンドを受信したか否かを判別する(S1113)。そして、ラウンドコマンドを受信したと判別された場合(S1113:Yes)、そのラウンドコマンドによって示されるラウンド数を含む表示用ラウンドコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1114)、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。表示制御装置114では、この表示用ラウンドコマンドを受信すると、その表示用ラウンドコマンドによって示されるラウンド数に応じたラウンド演出を、第3図柄表示装置81に表示する。
一方、ラウンドコマンドを受信していないと判別された場合(S1113:No)、次いで、主制御装置110より擬似大当たり継続演出コマンドを受信したか否かを判別する(S1115)。そして、擬似大当たり継続演出コマンドを受信したと判別された場合(S1115:Yes)、その擬似大当たり継続演出コマンドによって示される擬似大当たり継続演出時間を含む表示用擬似大当たり継続演出コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1116)、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。表示制御装置114では、この表示用擬似大当たり継続演出コマンドを受信すると、その表示用擬似大当たり継続演出コマンドによって示される時間で擬似大当たり継続演出を、第3図柄表示装置81に表示する。
一方、擬似大当たり継続演出コマンドを受信していないと判別された場合(S1115:No)、次いで、主制御装置110より特殊エンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S1117)。そして、特殊エンディングコマンドを受信したと判別された場合(S1117:Yes)、表示用特殊エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1118)、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。表示制御装置114では、この表示用特殊エンディングコマンドを受信すると、図10(c)に示す特殊エンディング演出を、第3図柄表示装置81に表示する。
一方、特殊エンディングコマンドを受信していないと判別された場合(S1117:No)、次いで、主制御装置110より通常エンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S1119)。そして、通常エンディングコマンドを受信したと判別された場合(S1119:Yes)、表示用通常エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1120)、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。表示制御装置114では、この表示用通常エンディングコマンドを受信すると、図9(b)に示す通常エンディング演出を、第3図柄表示装置81に表示する。
S1119の処理の結果、通常エンディングコマンドを受信していないと判別された場合(S1119:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1121)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
主制御装置110より受信した確定コマンドは、このS1121の処理によって、表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用確定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行した第3図柄の変動演出を確定表示させる。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1013)について説明する。図28は、この変動表示処理(S1013)を示したフローチャートである。この変動表示処理(S1013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図26参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを示制御装置114に送信するために設定する処理である。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S1201)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1201:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S1201:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1202)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS1102の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、短外れ、長外れ、特殊変動のいずれか)と、S1105の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S1203)。
そして、RAM223に設けられたカウンタの値と、S1203の処理より取得した変動パターン種別および停止種別とに基づいて、詳細な変動パターンを決定する(S1204)。ここで、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS1204によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
S1204の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1205)。また、S1203の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1206)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S1207)、その減らした保留球数カウンタ223aの値を示す表示用保留球数コマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1208)。そして、変動表示処理を終了してメイン処理へ戻る。
表示制御装置114では、S1208の処理により設定された表示用保留球数コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに、表示用保留球数コマンドによって示される保留球数N、即ち、保留球が消費されるのに合わせて減らされた保留球数カウンタ223aで示される保留球数N分の保留球数図柄(「●」図柄)を表示する。
次に、図29及び図30を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ236より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図29を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図29は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源が投入された場合に起動され、電源が断されるまで実行され続けるものである。
電源が投入されてMPU231によりメイン処理が実行されると、まず、初期設定処理を実行する(S1301)。具体的には、まず、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM235に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM234に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、解凍したキャラクタ情報を記憶したビデオRAM234内の領域とは異なるビデオRAM234内の領域に用意されたフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他、初期化に必要な設定を行う。
初期設定処理が完了すると、次いで、割込許可を設定し(S1302)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1302の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図30(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図30(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S1401)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図30(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図30(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画および表示を画像コントローラ236に対して指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ236からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ236において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ236に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ236では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
このV割込処理では、図30(b)に示すように、まず、コマンド判定処理(S1501)を実行する。この、コマンド判定処理(S1501)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、その表示用変動パターンテーブルコマンドにより示された詳細な変動パターンによって変動演出が第3図柄表示装置81に実行されるように、画像の描画および表示の制御を開始する。
表示用停止種別コマンドが格納されていた場合は、その表示用停止種別コマンドにより示される停止図柄で第3図柄表示装置81にて実行される変動演出が停止表示されるように、高速変動中(第3図柄の内容が遊技者に認識できないように第3図柄の変動表示が行われている間)に、表示中の第3図柄の入れ替えを行う。表示用確定コマンドが格納されていた場合は、第3図柄表示装置81にて実行されている変動演出において確定表示がなされるように画像の描画および表示の制御を行う。
表示用通常オープニングコマンド又は表示用特殊オープニングコマンドが格納されていた場合は、通常オープニング演出(図9(a))又は特殊オープニング演出(図10(a))が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画および表示の制御を開始する。
表示用ラウンドコマンドが格納されていた場合は、その表示用ラウンドコマンドにより示されるラウンド数に応じたラウンド演出が第3図柄表示装置81に表示されるよう画像の描画および表示の制御を開始する。
表示用擬似大当たり継続演出コマンドが格納されていた場合は、その表示用擬似大当たり継続演出コマンドにより示される擬似大当たり継続演出時間に対応した擬似大当たり継続演出が、第3図柄表示装置81に表示されるよう、画像の描画および表示の制御を開始する。
表示用通常エンディングコマンド又は表示用特殊エンディングコマンドが格納されていた場合は、通常エンディング演出(図9(b))又は特殊エンディング演出(図10(c))が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画および表示の制御を開始する。
さて、このコマンド判定処理(S1501)では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出や連続予告演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
コマンド判定処理(S1501)が終了すると、次いで、表示設定処理(S1502)を実行する。表示設定処理(S1502)では、コマンド判定処理(S1501)などによって定められた第3図柄表示装置81に表示すべき画面の種別に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を、具体的に特定する。
表示設定処理(S1502)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S1503)。このタスク処理では、表示設定処理(S1502)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクタ(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクタ(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった、描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、描画処理を実行する(S1504)。この描画処理では、タスク処理(S1503)で決定された、1フレームを構成する各種キャラクタの種別やそれぞれのキャラクタの描画に必要なパラメータを、画像コントローラ236に対して送信する。これにより、画像コントローラ236では、これらの情報に従って、画像の描画処理を実行すると共に、1V前に受信した情報に従って描画した画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを第3図柄表示装置81へ送信する制御を行う。
その後、その他の必要な処理、例えば、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行した後(S1505)、V割込処理を終了する。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たりが終了する段階で保留球格納エリア203bに保留されている各種カウンタの値を先読みし、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合に、その先の大当たりのエンディング演出から、次の大当たりのオープニング演出に至るまでの間に行われる変動演出を、通常の変動演出とは異なる特殊変動演出によって実行する。
従来のパチンコ機では、先の大当たりの終了から少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合であっても、先の大当たりで通常通り大当たり演出を終了し、通常の変動演出を実行して、次の大当たりも通常通りに大当たり演出を開始した。しかしながら、従来のパチンコ機では、先の大当たりの終了からすぐに次の大当たりが発生したとしても、一旦は通常の変動演出が行われるために、そこで遊技者の盛り上がりが途切れてしまい、高揚感を遊技者に持続させることができなかった。
これに対し、本パチンコ機10では、先の大当たりの終了から、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合に、その先の大当たりのエンディング演出から、次の大当たりのオープニング演出に至るまでの間に行われる変動演出を、通常の変動演出とは異なる特殊変動演出によって実行するので、その特殊変動演出により、先の大当たりから次の大当たりまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、先の大当たりのエンディング演出は、そのエンディング演出が開始される前に先読みされた、保留球格納エリア203bに保留されている各種カウンタの値に基づき、保留されている中に「大当たり」となる変動演出がある場合には、特殊なエンディング演出とし、保留されている中に「大当たり」となる変動演出がなければ、通常のエンディング演出としている。これにより、保留されている中に「大当たり」となる変動演出があり、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合には、先の大当たりのエンディング演出と、その後に実行される変動演出とで、特殊な演出を行うことができる。よって、先の大当たりの終了を遊技者に報知するエンディング演出の段階から、次の大当たりへ盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、次の大当たりのオープニング演出は、そのオープニング演出が開始される契機となった変動演出が特殊変動演出である場合に特殊なオープニング演出とし、該変動演出が通常の変動演出である場合には通常のオープニング演出としている。これにより、保留されている中に「大当たり」となる変動演出があり、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合には、その変動演出で特殊な演出を行った後、続けて、大当たりの開始を遊技者に報知するオープニング演出においても特殊なオープニング演出が行われるので、盛り上がりを維持させたまま次の大当たりへ遊技者を突入させることができ、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
特に、本パチンコ機10では、先の大当たりのエンディング演出から、1以上の変動演出を経て、次の大当たりのオープニング演出に至るまで、ストーリーの繋がった一連の大当たり継続演出が行われるので、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者に与えることができる。よって、大当たりへの盛り上がりを更に途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、エンディング演出およびオープニング演出は、通常の変動演出の中で最も変動時間の短い短外れ(7秒)よりも更に短い2.0秒だけ行われる。また、特殊変動演出の変動時間もその短外れよりも短い1.5秒に設定されている。よって、大当たり継続演出中に特殊変動演出が1回行われた場合の該大当たり継続演出にかかる時間は、2.0秒(エンディング演出)+1.5秒(特殊変動演出)+2.0秒(オープニング演出)=5.5秒と、短い時間となっている。また、大当たり継続演出中に特殊変動演出が4回行われた場合であっても、該大当たり継続演出は2.0秒(エンディング演出)+1.5秒×4(特殊変動演出)+2.0秒(オープニング演出)=10秒と、短い時間で終了する。従って、2つの先の大当たりが終了してから、遊技者の盛り上がりを持続させたまま、次の大当たりを開始することができるので、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、特殊変動演出の場合、第3図柄の変動表示を、第3図柄表示装置81の画面の隅にて、第3図柄を小さく表示しながら行うので、遊技者に変動演出よりも大当たり継続演出に注目させることができる。これにより、遊技者が変動演出に意識が移り、大当たりへの盛り上がりが途切れてしまうことを抑制できる。また、大当たり継続演出に注目させることで、その大当たり継続演出によって、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者に強く持たせることができる。
尚、上記実施形態に記載の「第3図柄」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出(変動表示)」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり図柄」が、特許請求の範囲に記載の「予め定めた識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が、特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応し、上記実施形態に記載の「特殊変動」が、特許請求の範囲に記載の「特定の種別」に対応し、上記実施形態に記載の「特殊変動演出」が、特許請求の範囲に記載の「特定の態様の識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「エンディング演出」が、特許請求の範囲に記載の「第1の演出」に対応し、上記実施形態に記載の「オープニング演出」が、特許請求の範囲に記載の「第2の演出」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、先の大当たりのエンディング演出から、1以上の変動演出を経て、次の大当たりのオープニング演出に至るまで、ストーリーの繋がった一連の大当たり継続演出を行う場合について説明したが、これを先の大当たりのエンディング演出から、次の大当たりに至る直前の変動演出までに対して、ストーリーの繋がった一連の大当たり継続演出を行うようにしてもよい。この場合、オープニング演出は、通常のオープニング演出だけを行ってもよい。これにより、先の大当たりのエンディング演出から次の大当たりに至る直前までの間、少なくとも、ストーリーの繋がった一連の大当たり継続演出が行われるので、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者に与えることができる。よって、大当たりへの盛り上がりを更に途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、先の大当たりのエンディング演出が終了した直後から次の大当たりのオープニング演出に至るまで、若しくは、先の大当たりのエンディング演出が終了した直後から次の大当たりに至る直前の変動演出までに対して、ストーリーの繋がった一連の大当たり継続演出を行うようにしてもよい。これらによっても、先の大当たりのエンディング演出が終了した直後から次の大当たりに至る直前までの間は、少なくとも、ストーリーの繋がった一連の大当たり継続演出が行われるので、2つの大当たりがまるで連続しているかのような印象を遊技者に与えることができる。よって、大当たりへの盛り上がりを更に途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
上記実施形態では、大当たり継続演出において、特殊変動演出が行われる変動演出の回数を、先の大当たりのエンディング演出が終了してから最大4回まで、即ち、保留可能な最大の変動演出の数までとする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり継続演出において、特殊変動演出が行われる変動演出の回数を、保留可能な最大の変動演出の数よりも少ない数としてもよい。この場合、エンディング演出が開始される前に先読みされる保留球の数を、特殊変動演出が行われる変動演出に限って行ってもよい。例えば、特殊変動演出が行われる変動演出の数を2とした場合、特殊変動演出が行われる変動演出が保留された保留球格納エリア203bの各保留エリアのうち、保留第1エリアと保留第2エリアとに格納された第1当たり乱数カウンタ203b1の値を先読みしてもよい。
上記実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、それぞれの第1入球口で保留可能な最大球数が設定されていてもよく、また、一の第1入球口に入賞した保留球が優先して変動演出が行われるようにしてもよい。このとき、優先して変動演出が行われる一の第1入球口が保留可能な最大球数以下の数の変動演出に対して、特殊変動演出が行われるようにしてもよい。ここで、優先して変動演出が行われる一の第1入球口への保留球に対する変動演出が行われ、その一の第1入球口への保留球が消化されたとしても、再び、一の第1入球口へ始動入賞があれば、その一の第1入球口へ始動入賞した保留球に対して優先して変動演出が行われるため、優先して変動演出が行われない他の第1入球口に入賞した保留球に対して、いつ変動演出が行われるか分からない。よって、優先して変動演出が行われる一の第1入球口が保留可能な最大球数よりも多い数の変動演出に対して、特殊変動演出が行われるようにした場合、どの保留球を先読みすればよいか判断が難しくなる。これに対し、優先して変動演出が行われる一の第1入球口が保留可能な最大球数以下の数の変動演出に対して、特殊変動演出が行われるように構成すれば、優先して変動演出が行われる一の第1入球口に入賞した保留球に対して先読みを行えばよく、先読みすべき保留球の判断を容易に行うことができる。
上記実施形態では、エンディング演出を開始する前に、保留球格納エリア203bに格納された各保留に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を先読みし、「大当たり」となる保留があれば、これから開始するエンディング演出から、次の大当たり(保留されていた大当たり)のオープニング演出までの間、大当たり継続演出の実行を決定する場合について説明した。これに対し、保留球格納エリア203bに格納された各保留に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を先読みしたときに、必ずしも「大当たり」となる保留がない場合にも、所定の確率でこれから開始するエンディング演出から、次の大当たり(保留されていた大当たり)のオープニング演出までの間、大当たり継続演出の実行を決定してもよい。或いは、保留球格納エリア203bに格納された各保留に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を先読みしたときに、「大当たり」となる保留があっても、所定の確率で、大当たり継続演出の非実行を決定してもよい。これにより、大当たり継続演出が行われても、大当たりとならない場合が生じたり、大当たり継続演出が行われなくても、すぐに大当たりが発生したりする場合が生じるので、大当たり継続演出に対し、より複雑な思いを遊技者に持たせることができる。よって、遊技者の興趣を更に向上させることができる。
上記実施形態では、確変大当たりとなった場合に、次の大当たりが発生するまで、高確率状態を継続するパチンコ機10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大当たりが発生した場合に、その大当たりの発生後から所定回数の変動演出に対して、大当たりとなる確率が高確率となるパチンコ機であってもよい。この場合、特殊変動演出が設定される変動演出の回数を、大当たりとなる確率が高確率となる所定回数としてもよい。これにより、先の大当たり後に大当たり継続演出が開始され、変動演出が特殊変動演出によって行われた場合、高確率状態にあるうちに次の大当たりとなることを示唆できるので、先の大当たりから次の大当たりまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、この場合、先の大当たりが終了する前の先読みの結果、先の大当たりの発生後から所定回数の変動演出に対して「大当たり」となる保留球がなくても、所定の割合で、先の大当たり後に大当たり継続演出を開始し、変動演出を特殊変動演出によって行ってもよい。或いは、先の大当たりが終了する前の先読みの結果、先の大当たりの発生後から所定回数の変動演出に対して「大当たり」となる保留球がなっても、所定の割合で、先の大当たり後に大当たり継続演出を開始せず、変動演出を通常の変動演出によって行ってもよい。これにより、先の大当たりから大当たり継続演出が開始され、特殊変動演出によって変動演出が行われたにもかかわらず、先の大当たりの後の高確率状態にある変動演出において大当たりが発生しなかったり、先の大当たりから大当たり継続演出が開始されず、通常の変動演出が行われていたのもかかわらず、先の大当たりの後の高確率状態にある変動演出において大当たりが発生したりするので、遊技者は、大当たり継続演出の現出とからめながら、高確率状態にある変動演出が行われている間、大当たりとなることへの期待感を高めることができる。よって、遊技者の興趣を更に向上させることができる。
上記実施形態では、通常オープニング演出および特殊オープニング演出のいずれも、そのオープニング演出に係る時間を同じ2.0秒とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、通常オープニング演出を10.0秒とし、特殊オープニング演出を通常オープニング演出よりも短い2.0秒として、そのオープニング演出が開始される契機となった変動演出が特殊変動演出であるか否かに応じて、オープニング演出にかかる時間をかえてもよい。通常オープニング演出の時間を長くすることで、遊技を始めてから初めて又は時間をおいて、大当たりが発生したことを盛り上げる演出を行うことができる。よって、遊技者の興趣を高めることができる。一方、特殊オープニング演出に係る時間を短くすることで、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合に、すぐにラウンド演出を開始することできる。よって、先の大当たりの盛り上がりを維持させたまま次の大当たりへ遊技者を突入させることができ、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
また、この場合、特殊オープニング演出にかかる時間を0秒、即ち、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合は、オープニング演出を省略するようにしてもよい。これにより、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合に、最も早くラウンド演出を開始することできるので、先の大当たりの盛り上がりを維持させたまま次の大当たりへ遊技者を突入させることができ、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
上記実施形態では、通常エンディング演出および特殊エンディング演出のいずれも、そのエンディング演出に係る時間を同じ2.0秒とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、通常エンディング演出を10.0秒とし、特殊エンディング演出を通常エンディング演出よりも短い2.0秒として、そのエンディング演出が開始される前に先読みされた、保留球格納エリア203bに保留されている各種カウンタの値に基づき、保留されている中に「大当たり」となる変動演出があるか否かに応じて、エンディング演出にかかる時間をかえてもよい。通常エンディング演出の時間を長くすることで、大当たりを得たことに対する余韻を遊技者に浸らすことができる。一方、特殊エンディング演出に係る時間を短くすることで、少ない変動演出の回数で再び大当たりとなる場合に、すぐに次の大当たりが発生するように仕向けることできる。よって、先の大当たりの盛り上がりを維持させたまま次の大当たりへ遊技者を突入させることができ、遊技者における遊技への興趣を継続させることができる。
上記実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす(図28のS1207参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図15参照)において、変動開始処理(S307)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図15のS305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて、各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる画像を制御してもよい。
上記実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて識別情報の動的表示の種別を選定する選定手段とを有する主制御手段と、その主制御手段からの指示に基づいて、前記選定手段により選定された前記識別情報の動的表示の種別に対応した前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段を有する副制御手段とを備え、前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記主制御手段は、前記始動条件の成立が検出された場合に、少なくとも前記取得手段で取得した前記情報を所定の上限数まで記憶可能な記憶手段と、遊技者への前記所定の遊技価値の付与が終了することを契機として、その終了前に前記記憶手段に記憶された前記情報を判定する判定手段と、その判定手段の判定結果に基づいて、前記識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出され得る場合は、前記所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、前記選定手段により選定される前記識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定する設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段において、検出手段により所定の始動条件の成立が検出されると、取得手段により情報が取得され、その取得された情報に基づいて識別情報の動的表示の種別が、選定手段により選定される。また、副制御手段において、主制御手段からの指示に基づいて、選定手段により選定された識別情報の動的表示の種別に対応した識別情報の動的表示が、動的表示実行手段により実行される。そして、動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示において、予め定めた識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
また、主制御手段には、始動条件の成立が検出された場合に、少なくとも取得手段で取得された情報が所定の上限数まで記憶手段に記憶可能とされており、遊技者の所定の遊技価値の付与が終了することを契機として、その終了前に記憶手段に記憶された情報が判定手段により判定される。そして、判定手段の判定結果に基づいて、識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が再び現出され得る場合は、所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対して、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるよう設定手段により設定される。これにより、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情報が現出されるまで、特定の種別に対応した識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行され得る。よって、この特定の種別に対応した識別情報の動的表示により、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情報が現出されるまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記動的表示実行手段は、前記選定手段により選定された前記識別情報の動的表示の種別が前記特定の種別である場合に、その特定の種別に対応した前記識別情報の動的表示として、特定の態様の識別情報の動的表示を実行するものであり、その特定の態様の識別情報の動的表示は、前記識別情報が遊技者の視線の中心から外れた位置で動的表示され、遊技者の視線の中心に特定の画像を表示する態様であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選定手段により選定された識別情報の動的表示の種別が特定の種別である場合に、その特定の種別に対応した前記識別情報の動的表示として、特定の態様の識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。そして、この特定の態様の識別情報の動的表示は、識別情報が遊技者の視線の中心から外れた位置で動的表示され、遊技者の視線の中心に特定の画像を表示する態様である。これにより、この特定の種別に対応した識別情報の動的表示により、遊技者は、識別情報の動的表示を気にすることなく、特定の画像を主に視認することになる。よって、この特定の画像を視認することによって、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情報が現出されるまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、前記主制御手段は、前記遊技者への所定の遊技価値の付与を終了してから、前記識別情報の動的表示を開始するまでの間に、第1の演出を実行するよう前記副制御手段に指示する第1指示手段を備え、前記副制御手段は、前記第1指示手段からの指示に基づいて、前記遊技者への所定の遊技価値の付与を終了してから、前記識別情報の動的表示を開始するまでの間に、第1の演出を実行する第1演出実行手段を備え、前記判定手段は、前記第1演出実行手段に前記第1の演出を実行させる前に、前記記憶手段に記憶された前記情報を判定し、前記第1指示手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出され得る場合は、前記第1の演出の種別として、前記設定手段により前記識別情報の動的表示の種別として選定されるように設定される前記特定の種別に対応する種別を、前記副制御手段に指示するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者への所定の遊技価値の付与を終了してから、識別情報の動的表示を開始するまでの間に、第1の演出を実行するよう、主制御手段の第1指示手段によって副制御手段に指示される。副制御手段は、この第1指示手段からの指示に基づいて、遊技者への所定の遊技価値の付与を終了してから、識別情報の動的表示を開始するまでの間に、第1演出実行手段によって、第1の演出を実行する。一方、判定手段は、第1演出実行手段に第1の演出を実行させる前に、記憶手段に記憶された情報を判定し、その判定手段の判定結果に基づいて、識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出され得る場合は、第1の演出の種別として、設定手段により識別情報の動的表示の種別として選定されるように設定される特定の種別に対応する種別が、指示手段によって副制御手段に指示される。これにより、遊技者への所定の遊技価値の付与を終了してから、識別情報の動的表示を開始するまでの間に実行される第1の演出と、その後に行われる所定回数の識別情報の動的表示とで、対応する一連の演出を行わせることができる。よって、その一連の演出によって、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情報が現出されるまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1指示手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出され得る場合は、前記第1の演出の種別として、他の場合に指示される第1の演出の種別よりも時間の短い種別を、前記副制御手段に指示することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段の判定結果に基づいて、識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出され得る場合は、第1の演出の種別として、他の場合に指示される第1の演出の種別よりも時間の短い種別が、第1指示手段によって副制御手段に指示される。これにより、判定手段の判定結果に基づいて、識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出され得ない場合は、第1の演出が長い時間行われるので、所定の遊技価値が付与された余韻を遊技者に浸らすことができる。一方で、判定手段の判定結果に基づいて、識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出され得る場合は、第1の演出が短い時間で終了するので、すぐに予め定めた識別情報が現出されるように仕向けることができる。よって、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情報が現出されるまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1,B2のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出されてから、前記遊技者への所定の遊技価値の付与が開始されるまでの間に、第2の演出を実行するよう前記副制御手段に指示する第2指示手段を備え、前記副制御手段は、前記第2指示手段からの指示に基づいて、前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出されてから、前記遊技者への所定の遊技価値の付与が開始されるまでの間に、第2の演出を実行する第2演出実行手段を備え、前記第2指示手段は、前記設定手段により、前記所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、前記選定手段により選定される前記識別情報の動的表示の種別として、前記特定の種別が選定されるように設定された場合は、前記第2の演出の種別として、前記特定の種別に対応する種別を前記副制御手段に指示するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1,A2,B1,B2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出されてから、遊技者への所定の遊技価値の付与が開始されるまでの間に、主制御手段の第2指示手段によって、第2の演出を実行するよう副制御手段に指示される。副制御手段は、その第2指示手段からの指示に基づいて、動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が現出されてから、遊技者への所定の遊技価値の付与が開始されるまでの間に、第2演出実行手段によって、第2の演出を実行する。ここで、設定手段により、所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定された場合は、第2の演出の種別として、特定の種別に対応する種別が第2指示手段により副制御手段に指示される。これにより、遊技者への所定の遊技価値の付与が終了してから行われる所定回数の識別情報の動的表示と、再び予め識別情報が現出してから遊技者への所定の遊技価値の付与が開始されるまでの間に実行される第2の演出とで、対応する一連の演出を行わせることができる。よって、その一連の演出によって、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情報が現出されるまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記第2指示手段は、前記設定手段により、前記所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、前記選定手段により選定される前記識別情報の動的表示の種別として、前記特定の種別が選定されるように設定された場合は、前記第2の演出の種別として、他の場合に指示される第2の演出の種別よりも時間の短い種別を、前記副制御手段に指示することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定された場合は、第2の演出の種別として、他の場合に指示される第2の演出の種別よりも時間の短い種別が、第2指示手段によって副制御手段に指示される。これにより、設定手段により、所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定されていない場合は、第2の演出が長い時間行われるので、所定の遊技価値が付与されることを盛り上げる演出を行うことができる。一方で、設定手段により、所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定された場合は、第2の演出が短い時間で終了するので、すぐに所定の遊技価値の付与を開始できる。よって、先の所定の遊技価値の付与の盛り上がりを維持させたまま次の所定の遊技価値の付与を行うことができ、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記主制御手段は、前記設定手段により、前記所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、前記選定手段により選定される前記識別情報の動的表示の種別として、前記特定の種別が選定されるように設定された場合は、前記第2の演出を非実行とする非実行手段を備えることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により、所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定された場合は、第2の演出が非実行手段によって非実行とされる。これにより、設定手段により、所定の遊技価値の付与が終了した後、所定回数の識別情報の動的表示に対し、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定された場合は、第2の演出がなされることなく、すぐに所定の遊技価値の付与を開始できる。よって、先の所定の遊技価値の付与の盛り上がりを維持させたまま次の所定の遊技価値の付与を行うことができ、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3のいずれかにおいて、前記選定手段により選定される前記識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように前記設定手段により設定される前記所定回数の識別情報の動的表示は、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて実行される前記識別情報の動的表示であることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定手段により設定される所定回数の識別情報の動的表示は、記憶手段に記憶された情報に基づいて実行される識別情報の動的表示であるので、記憶手段に記憶された情報の中に、識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が再び現出され得る情報があれば、所定の遊技価値の付与が終了した後、その記憶手段に記憶された情報によって再び予め識別情報が現出されるまで、特定の種別に対応した識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行させることができる。よって、この特定の種別に対応した識別情報の動的表示により、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情が現出されるまでの盛り上がりを確実に途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3のいずれかにおいて、前記遊技機は、遊技者に前記所定の遊技価値を付与した後、特定の回数の識別情報の動的表示において、遊技者に有利な遊技状態となるものであり、前記選定手段により選定される前記識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように前記設定手段により設定される前記所定回数の識別情報の動的表示は、前記遊技者に有利な遊技状態となる前記特定の回数の識別情報の動的表示であることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に所定の遊技価値を付与した後、特定の回数の識別情報の動的表示において、遊技者に有利な遊技状態となる。そして、選定手段により選定される識別情報の動的表示の種別として、特定の種別が選定されるように設定手段により設定される所定回数の識別情報の動的表示は、この遊技者に有利な遊技状態となる前記特定の回数の識別情報の動的表示となる。これにより、遊技者に有利な遊技状態となる特定の回数の識別情報の動的表示の中に、識別情報の動的表示において予め定めた識別情報が再び現出され得る情報があれば、所定の遊技価値の付与が終了した後、その記憶手段に記憶された情報によって再び予め識別情報が現出されるまで、特定の種別に対応した識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行させることができる。よって、特定の種別に対応した識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行されると、遊技者に有利な遊技状態にある識別情報の動的表示によって、予め定めた識別情報が再び現出することを遊技者に強く意識させることができる。従って、予め識別情報が現出されるまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3,D1,D2のいずれかにおいて、前記動的表示実行手段は、前記選定手段により選定された前記識別情報の動的表示の種別が前記特定の種別である場合に、その特定の種別に対応した前記識別情報の動的表示として、特定の態様の識別情報の動的表示を実行するものであり、前記副制御手段は、遊技者に前記所定の遊技価値を付与している途中で、前記動的表示実行手段に対し、前記特定の態様に対応した識別情報の動的表示と略同一の表示を実行させる手段を備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3,D1,D2のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選定手段により選定された識別情報の動的表示の種別が特定の種別である場合に、その特定の種別に対応した識別情報の動的表示として、特定の態様の識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。一方、副制御手段は、遊技者に前記所定の遊技価値を付与している途中で、動的表示実行手段に対し、特定の態様に対応した識別情報の動的表示と略同一の表示が実行される。これにより、実際には、識別情報の動的表示が行われてはいないものの、特定の態様に対応した識別情報の動的表示と略同一の表示を遊技者に視認させることによって、特定の態様に対応した実際の識別情報の動的表示と、所定の遊技価値が付与されている途中で表示される、特定の態様に対応した識別情報の動的表示と略同一の表示とを、遊技者に対して混同して認識させることができる。よって、これらの表示が、遊技者に所定の遊技価値を付与する状態が継続して行われることを強く印象付ける表示として遊技者に認識させることができる。よって、特定の態様に対応した実際の識別情報の動的表示も、所定の遊技価値の付与が終了した後、再び、予め識別情報が現出されるまでの盛り上がりを途切れさせることなく、遊技者における遊技への興趣を継続させることができるという効果がある。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3,D1,D2,E1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3,D1,D2,E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1,A2,B1,B2,C1〜C3,D1,D2,E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。