JP2013229436A - 半導体装置、照度センサ、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、照度センサ、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感度特性の変動が小さい半導体装置、照度センサ、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】高濃度P型基板20と、高濃度P型基板20上に設けられ、高濃度P型基板20よりも不純物濃度が低い低濃度P型領域21と、低濃度第1導電型領域21と低濃度第1導電型領域21上に設けられた第2導電型領域27と、第2導電型領域27上に設けられた第1導電型領域24と、低濃度第1導電型領域21と第2導電型領域27との接合部によって形成された第1フォトダイオードPDと、第2導電型領域27と第1導電型領域24との接合部によって形成された第2フォトダイオードPDを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、照度センサ、半導体装置の製造方法に関し、例えば、複数のフォトダイオードを有する半導体装置、照度センサ、及び半導体装置の製造方法に関する。
近年フラットパネルディスプレイの低消費電力化や携帯端末の電池寿命拡大のためバックライトの光量調節が必要とされている。このための周囲の明るさを測定するデバイスとして照度センサが用いられている。照度とは、眼の感度(視感度)に近づくよう、人間の眼が感じられる可視光と呼ばれる400〜800nmの波長領域で補正した光強度である。照度センサはこの波長域のみの光強度に応答する信号を出力する必要がある。このため、数個のフォトダイオードを組み合わせ相互に演算して照度を算出する構成がとられる。特許文献1は、PN接合の深さが異なるフォトダイオードを有する受光素子を開示している。
特許文献1のフォトダイオードはフォトダイオードを構成するPN接合の深さによって光電流を発生する変換効率の波長依存性が異なることを利用している。具体的には、複数のPN接合の光電流を演算することで、400〜800nmの人間の目の感度(視感度)に近い分光特性を得ている。
特許文献1の図1では、P型基板の表面に近い側から3種のフォトダイオード(PD1、PD2、PD3)が同一の領域に形成されている。表面に近いフォトダイオードほど短波長の光に応答する。ここで、中間の深さのフォトダイオードPD2の電流からフォトダイオードPD1およびフォトダイオードPD3の電流を差し引くことで、可視光強度にのみ応答する分光感度を得ている。
特開平7−38136号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、チップ厚のばらつきに対して、感度特性の変動が大きくなってしまうという課題がある。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、半導体装置は、高濃度第1導電型基板と、高濃度第1導電型基板上に設けられた低濃度第1導電型領域と備え、低濃度第1導電型領域の上に、接合深さの異なるフォトダイオードが形成されている。
前記一実施の形態によれば、感度特性の変動が小さい半導体装置、照度センサ、半導体装置の製造方法を提供することができる。
本実施の形態にかかる半導体装置の構成例を示す断面図である。 比較例となる半導体装置の構成を示す断面図である。 白熱電球の発光スペクトルを示すグラフである。 シリコンに対する赤外光の侵入長を示すグラフである。 実施の形態1にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の実装形態を模式的に示す断面図である。 2つの受光素子を有する半導体装置の構成を模式的に平面図である 図7のVII−VII断面図である フォトダイオードの接続構成を示す回路図である。 実施の形態1にかかる半導体装置のフォトダイオードの感度の分光曲線を示すグラフである。 比較例にかかる半導体装置のフォトダイオードの感度の分光曲線を示すグラフである。 実施の形態1に係る半導体装置を照度センサとして用いた時の感度の分光曲線を示すグラフである。 比較例に係る半導体装置を照度センサとして用いた時の感度の分光曲線を示すグラフである。 実施の形態2に係る半導体装置の構成を示す断面図である。 実施の形態2の変形例にかかる半導体装置の構成を示す断面図である。 実施の形態2にかかる半導体装置の具体的な構成を示す断面図である。 実施の形態3にかかる半導体装置の実装形態を模式的に示す断面図である。 実施の形態3にかかる半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。 図18のXIX−XIX断面図である。 実施の形態3に係る半導体装置において、フォトダイオードの接続構成を示す回路図である。
本実施の形態に係る構成により、チップ厚のばらつきに対する感度特性の変動が小さくできる理由を以下に説明する。図1は、本実施の形態に係る半導体装置(受光装置)の構成の一例を示す断面図である。図2は、比較例である半導体装置の構成を示す断面図である。ここでは、半導体装置が照度を測定する照度センサであるとして説明を行う。
図1では、高濃度P型基板20の上に、低濃度P型領域21が形成されている。そして、低濃度P型領域21内に、2つのフォトダイオードPDが形成されている。具体的には、低濃度P型領域21の上に、N型領域27が形成されている。N型領域27の上に、P型領域24が形成されている。すなわち、N型領域27と高濃度P型基板20との間に低濃度P型領域21が配置されている。低濃度P型領域21とN型領域27との接合部がフォトダイオードPDとなり、N型領域27とP型領域24との接合部がフォトダイオードPDとなる。2つのフォトダイオードPDは、接合深さが異なっている。フォトダイオードPDを構成するPN接合が、高濃度基板上に設けた低濃度層中に形成されている。そして、高濃度P型基板20の表面には、電極31が形成されている。
一方、比較例では、低濃度P型基板10の上に、N型領域11が形成されている。そして、N型領域11の上に、P型領域12が形成されている。低濃度P型基板10とN型領域11との接合部がフォトダイオードとなり、N型領域11とP型領域との接合部とはフォトダイオード(PD)となる。2つのフォトダイオードは、接合深さが異なっている。そして、高濃度P型基板10の表面には、電極19が形成されている。
図1、図2では、深さの異なる2つのPN接合を設けている。このPN接合がフォトダイオードを構成する。例えば、照度センサでは、2つのPN接合からの光電流を演算して可視光以外の感度を低減する。
照度センサのICチップは、パッケージへの組立に際し、チップ厚を200μm程度まで研削により薄くなる。このとき、フォトダイオードでは、波長1μm付近の赤外線に対する感度が、チップ厚の変動、裏面の表面状態によって、ばらついてしまう。このために、照度センサの出力電流の光源の種類に対する依存性が大きくなる。比較例の構成では、特に赤外光の発光成分が大きな白熱電球に対する感度がばらつくという課題がある。
この課題が生ずるメカニズムを以下に説明する。照度センサでは、主に短波長光に応答するPN接合の浅いフォトダイオードと、主に長波長光(赤外光)に応答するPN接合の深いフォトダイオードが形成されている。特許文献1では、PN接合の浅いフォトダイオードの電流から、PN接合の深いフォトダイオードの電流を差し引くことで、赤外領域の感度をキャンセルしている。このため、赤外光の割合が大きな光源の下では、差し引かれる電流が変化するために感度がばらつくことになる。
図3に白熱電球の発光スペクトルを示す。白熱電球では、特に波長800nm(0.8μm)以上の赤外領域における発光強度が可視光域中の400〜700nmに比べ非常に大きい。従って、赤外領域の感度が照度センサ全体の感度に大きく影響する。この赤外光の吸収と光電流の発生が深い位置で生じるため、チップ厚、基板の裏面状態によって赤外感度が変動する。
図4はSi(シリコン)に対する光の侵入深さを示したグラフである。Siではそのバンドギャップに対応する波長約1.1μmまでの赤外光が吸収される。図4に示したように、吸収される赤外光の侵入長(強度が1/eとなる深さ)は、波長1.0μmで160μmであり、基板研削後のチップ厚に近い深さとなる。その結果、この波長域の赤外光は基板の深い位置で吸収される。加えて、基板を透過し裏面で反射した後に吸収される成分も現れる。このため、赤外感度は、チップ厚や裏面状態の影響を受けやすくなる。
比較例の構成において、チップ厚のばらつきによって赤外感度が変動するという課題が生じる原因を説明する。赤外域の長波長光がP型基板10の深い領域で吸収される。すると、赤外光の吸収によって発生した光キャリアが、N型領域11と低濃度P形基板10との接合部であるPN接合を越えて、N型領域11に到達する。さらに、光キャリアがN型領域11を拡散して、電極19より電流として取り出されることになる。このように、チップ厚がばらつくと、基板の深い位置で生じる光キャリアが大きく変化する。よって、電極19から取り出される電流の変動が大きくなる。
図1に示す構成によって、チップ厚のばらつきによる感度変動を低減できる理由について説明する。図1では、高濃度P型基板20の上に、低濃度P型領域21が形成されている。そして、低濃度P型領域21内にN型領域27を設けてPN接合を形成する。高濃度P型基板20内では、不純物濃度が高いため、発生した少数キャリア(電子)の寿命が短くなる。少数キャリアは、すぐに再結合して、減少してしまう。よって、高濃度P型基板20内で発生した光キャリアの電子がPN接合を超えてN型領域27まで到達することができなくなる。このように少数キャリアが光電流として寄与しなくなることで、赤外領域の応答が抑えられる。チップ厚のばらつきによって、基板の深い位置で生じる光キャリアが大きく変化した場合であっても、電極31より取り出される電流の変動を低減することができる。高濃度P型基板20内で発生した光キャリアが光電流として取り出されることを防ぐことで、赤外線に対する感度を抑えることができる。これにより、チップ厚ばらつきや裏面処理の相違に起因した、赤外線感度ばらつきを低減できる。ひいては白熱電球等の電球に対する感度ばらつきを低減できる。
実施の形態1.
本実施の形態にかかる半導体装置(受光装置)の構成について、図5を用いて説明する。図5は、半導体装置に設けられた受光素子100の構成を模式的に示す断面図である。受光素子100は、高濃度P型基板20と、低濃度P型領域21と、N型領域27と、P型領域24と、高濃度N型領域25と、P型素子分離領域26と、電極31〜34と、フォトダイオードPD1〜PD3を備えている。N型領域27は、高濃度N型埋め込み領域22とN型注入領域23とを備えている。
高濃度P型基板20は、ボロン濃度が約1.0×1018cm−3であり、抵抗率が0.03ΩmのP型基板である。高濃度P型基板20には、上から順に、高濃度N型領域25、P型領域24、N型注入領域23、高濃度N型埋め込み領域22、低濃度P型領域21が形成されている。高濃度P型基板20上には、低濃度P型領域21が形成されている。なお、高濃度P型基板20の不純物濃度は、低濃度P型領域21、及びP型領域24よりも高くなっている。さらに、低濃度P型領域21の上には、高濃度N型埋め込み領域22が形成されている。高濃度N型埋め込み領域22の上には、N型注入領域23が形成されている。
N型注入領域23の上にはP型領域24が形成されている。N型注入領域23は、高濃度N型埋め込み領域22よりも不純物濃度が低くなっている。N型注入領域23と低濃度P型領域21との間に、高濃度N型埋め込み領域22を設けることで、引き出し抵抗を低減することができる。P型領域24の不純物濃度は、低濃度P型領域21よりも高くなっている。P型領域24の上には、高濃度N型領域25が形成されている。高濃度N型領域25と高濃度N型埋め込み領域22の不純物濃度は、N型注入領域23よりも高くなっている。P型素子分離領域26は、隣接する素子を分離するために設けられている。すなわち、P型素子分離領域26に囲まれた領域が素子領域となる。
高濃度P型基板20と、低濃度P型領域21と、P型領域24と、P型素子分離領域26は、それぞれ、ボロン等のP型不純物を含有している。高濃度N型埋め込み領域22と、N型注入領域23と、高濃度N型領域25は、ヒ素などのN型不純物を含有している。なお、それぞれの領域の不純物濃度は特に限定されるものではない。P型の領域とN型の領域とが接している界面がPN接合となって、フォトダイオードが形成される。例えば、低濃度P型領域21とN型領域27との接合部によってフォトダイオードPD1が形成される。N型領域27とP型領域24との接合部によって、フォトダイオードPD2が形成されている。P型領域24と高濃度N型領域25との接合部によってフォトダイオードPD3が形成されている。
さらに、半導体装置の表面には、電極31が設けられている。図5では、複数の電極31を区別するために、電極31a、電極31b、電極31c、及び電極31gとして示している。なお、以下の説明では、特に区別しない場合、電極31a、電極31b、電極31c、及び電極31gを電極31として総称する。電極31は、フォトダイオードPD1〜PD3に逆バイアス電圧を与えるために設けられている。そして、フォトダイオードPD1〜PD3で発生した光電流は、電極31によって取り出される。例えば、高濃度N型領域25の上には、電極31aが設けられている。また、P型領域24の上には、電極31bが設けられており、N型注入領域23の上には、電極31cが設けられており、P型素子分離領域26の上には電極31gが設けられている。光キャリアが電極31まで拡散することで、光電流が発生する。
フォトダイオードPD1は、フォトダイオードPD2、3よりも深い位置に形成されている。フォトダイオードPD2は、フォトダイオードPD3よりも深い位置に形成されている。具体的な一例として、フォトダイオードPD3のPN接合の深さを、表面から0.15μmとし、フォトダイオードPD2の接合の深さを、表面から0.5μmとし、フォトダイオードPD1の接合の深さを、表面から2.5μmとしている。接合位置が最も深いフォトダイオードPD1は、フォトダイオードPD2、PD3よりも赤外光に対する感度が高くなる。最も表面側に位置するフォトダイオードPD3は、フォトダイオードPD1、PD2よりも紫外光に対する感度が高くなる。フォトダイオードPD1のPN接合の深さを10μmより大きくすることで、赤外光の感度を高くすることができる。
次に、半導体装置の製造方法について説明する。ボロンを高濃度でドープした高濃度P型基板20を用意する。そして、高濃度P型基板20の上に、低濃度P型領域21をエピタキシャル成長させる。低濃度P型領域21の不純物濃度は、高濃度P型基板20よりも低くなっている。低濃度P型領域21を成長させた後、ヒ素をイオン注入して、押し込み熱処理を実施する。これにより、高濃度N型埋め込み領域22が形成される。低濃度P型領域21の上に、高濃度N型埋め込み領域22を直接形成することで、低濃度P型領域21と高濃度N型埋め込み領域22との接合部が、フォトダイオードPD1となる。次いで、高濃度N型埋め込み領域22の上に、N型注入領域23をエピタキシャル成長させる。これにより、高濃度N型埋め込み領域22とN型注入領域23を有するN型領域27が低濃度P型領域21の上に形成される。さらに、イオン注入と、押し込み熱処理で、P型素子分離領域26を形成する。
さらに、ボロン及びヒ素のイオン注入と、それに続く熱処理で、P型領域24と高濃度N型領域25とを形成する。N型注入領域23の上にP型領域24を直接形成することで、N型注入領域23とP型領域24との接合部に、フォトダイオードPD2が形成される。P型領域24の上に、高濃度N型領域25を直接形成することで、P型領域24と高濃度N型領域25との接合部にフォトダイオードPD3が形成される。さらに、基板表面にアルミニウムで電極31を形成する。これにより、図5に示す縦構造の半導体装置が製造される。
次に、図5で示した縦構造の受光素子100を有する半導体装置の実装形態を図6に示す。半導体装置であるICチップ101の実装形態を示す断面図である。さらに、図6では、上部に全体構成を示し、下部に一点鎖線で囲まれた部分を拡大して図示している。
リードフレーム102にICチップ101がマウントされている。そして、ICチップ101にボンディングワイヤ104が接続されている。これにより、ICチップ101の電極パッドとリードフレーム102上のリードが接続される。そして、透明モールド103を充填することで、リードフレーム102上のICチップ101を封止する。これにより、IC101がリードフレーム102上に固定されたパッケージとなる。
ICチップ101には、2つの受光素子100が設けられている。ここでは、2つの受光素子100を区別するため、受光素子100aと受光素子100bとしている。また、透明モールド103内には、受光素子100の受光領域以外の部分を遮光するための配線37が設けられている。なお、配線37は例えば、アルミニウム等の金属配線となっており、光を遮光する。配線37には開口部38、及び開口部39が設けられている。開口部38は、受光素子100aの上に設けられ、開口部39は受光素子100bの上に設けられている。従って、開口部38に入射した光が受光素子100aに入射し、開口部39に入射した光が、受光素子100bに入射する。
図7に、配線37の構成を示す上面図を示す。配線37には、2つの受光素子100a、100bに光を入射させるための開口部38、及び開口部39が設けられている。開口部38、及び開口部39は矩形状となっており、開口部38が開口部39よりも大きくなっている。ここで、開口部38の面積が、開口部39の面積のn倍(nは1より大きい正数)となっている。開口部38に入射した光は、受光素子100aで検出され、開口部39に入射した光は、受光素子100bで検出される。開口部38、及び開口部39の外側に入射した光は、配線37で反射、又は吸収され、受光素子100a、100bでっ検出されない。
後述するように、受光素子100aが可視光用の受光素子100となり、受光素子100bが赤外光用の受光素子100となる。従って、可視光用の受光素子100aの受光面積が、赤外光用の受光素子100bの受光面積のn倍となっている。
図7のVIII−VIII断面図を図8に示す。図8に示すように、受光素子100aと受光素子100bは、図5で示した受光素子100と同じ断面構造を有している。すなわち、受光素子100aと受光素子100bは同じ縦構造を有している。なお、図8では、リードフレーム102を省略している。ここでは、受光素子100aに設けられている電極31を電極31a、電極31b、電極31cとし、受光素子100bに設けられている電極31を電極31d、電極31e、電極31fとし、P型素子分離領域26の上に設けられている電極31を電極31gとして、識別している。
受光素子100aに設けられた電極31a、電極31b、電極31cは、図5と同様の構成となっている。電極31aと電極31bとは接続されている。また、電極31cは電源電圧VCCが供給されている。受光素子100bにおいて、高濃度N型領域25の上に電極31dが配置され、P型領域24の上に、電極31eが配置され、N型注入領域23の上に電極31fが配置されている。そして、電極31dと電極31eと電極31fは接続されている。
上記のように、配線37は、開口部38、及び開口部39を規定している。開口部38は、受光素子100aの受光面積を規定し、開口部39は、受光素子100bの受光面積を規定する。すなわち、受光素子100aのフォトダイオードPD1〜PD3は、開口部38を通過した光を受光する。受光素子100bのフォトダイオードPD1〜PD3は、開口部39を通過した光を受光する。そして、フォトダイオードPD1〜PD3では、受光した光に応じて発生した光キャリアが電流として取り出される。そして、開口部38の面積は、開口部39の面積の定数n倍となっている。従って、受光素子100aでは、受光素子100bよりもより多くの光キャリアが発生する。
また、図8では、受光素子100a、及び受光素子100bの断面構造に加えて、バイポーラ回路40を示している。ICチップ101には、ベースB、エミッタE、及びコレクタCを有するバイポーラトランジスタ41等のバイポーラ回路40が形成されている。また、ベースBと、エミッタEとコレクタCの上には電極31が形成されている。ここでは、バイポーラ回路40として、1つのバイポーラトランジスタ41を示しているが、回路構成は特に限定されるものではない。バイポーラトランジスタ41と受光素子100aとは、P型素子分離領域26によって隔てられている。また、バイポーラ回路40は、配線37によって覆われている。
以下、バイポーラプロセスでの半導体装置の製造工程について簡便に説明する。ボロンを高濃度でドープした高濃度P型基板20を用意する。そして、高濃度P型基板20の上に、低濃度P型領域21をエピタキシャル成長させる。低濃度P型領域21の不純物濃度は、高濃度P型基板20よりも低くなっている。低濃度P型領域21を成長させた後、ヒ素をイオン注入して、押し込み熱処理を実施する。これにより、高濃度N型埋め込み領域22とコレクタCの下部が形成される。
次いで、高濃度N型埋め込み領域22の上に、N型注入領域23をエピタキシャル成長させる。これにより、高濃度N型埋め込み領域22とN型注入領域23を有するN型領域27が低濃度P型領域21の上に形成される。さらに、イオン注入と、押し込み熱処理で、P型素子分離領域26を形成する。さらに、リンイオンを注入した後、熱処理を行う。これにより、不純物が深く拡散して、コレクタCの上部が形成される。
さらに、ボロンのイオン注入と、それに続く熱処理で、P型領域24を形成する。イオン注入などにより、バイポーラトランジスタ41のベースBを形成する。リン又はヒ素のイオン注入と、それに続く熱処理で、高濃度N型領域25と形成する。次に、イオン注入などにより、バイポーラトランジスタ41のエミッタEを形成する。さらに、基板表面にアルミニウムで電極31を形成する。これにより、図8に示す縦構造の半導体装置が製造される。
この構成において、フォトダイオードPD2の電流を定数倍し、フォトダイオードPD1の電流を差し引いた電流を照度電流として用いることができる。このための回路構成は、図8に示した2つの受光素子100a、受光素子100bを用いることで、実現することができる。すなわち、フォトダイオードPD1〜PD3を有する素子を二つ設けて、例えば、図9に示すように接続する。なお、図9は、図8の受光素子100a、受光素子100bの等価回路図である。
受光素子100aに設けられた電極31aと電極31bとが接続されている。受光素子100bに設けられた電極31d、電極31eと、電極31fとが接続されている。さらに、電極31bと電極31eとが接続された接続ノードが出力端子に接続されている。電極31をアルミ配線等で接続することで、図9に示す回路構成を形成することができる。図9の回路構成では、2つの受光素子100a、100bの電極31を配線で接続するだけで、出力電流を減算することができる。そのため、図7に示したように開口部38を開口部39のn倍の大きさにしている。
ここでは、逆バイアス電圧がかかるように、フォトダイオードPD1〜PD3を接続している。受光素子100aのフォトダイオードPD2と受光素子100bのフォトダイオードPD1とに逆バイアス電圧がかかっている。なお、フォトダイオードPD3のアノードとカソードを短絡するのは、波長の短い青色光から紫外光により、表面付近で発生するキャリア(電子−正孔対)による電流を短絡し、回路に流れることを排除するためである。図9に示す回路構成では、受光素子100aの出力電流は、フォトダイオードPD2に流れる電流となり、受光素子100bの出力電流は、フォトダイオードPD1に流れる電流となる。
受光面積が同じと仮定した時の、受光素子100aのフォトダイオードPD2に流れる電流をIPD2とし、受光素子100bのフォトダイオードPD1に流れる電流をIPD1とする。図7に示したように、受光素子100aの受光面積が、受光素子100bの受光面積のn倍となっている。回路全体の出力電流は、n×Ia−Ibとなる。すなわち、回路の出力端子からn×Ia−Ibが出力される。
平面視における受光素子100aと受光素子100bとの面積比を、上記の定数n倍となっている。すなわち、受光素子100aのフォトダイオードPD2の面積が受光素子100bのフォトダイオードPD1の面積の定数倍となるように開口部38と開口部39の大きさを設定する。こうすることで、400〜800nmの感度が相対的に高くなり、 視感度に近い分光特性を有する照度センサを形成することができる。すなわち、赤外領域の感度が高いフォトダイオードPD1の出力電流が、可視光以上の波長に感度があるフォトダイオードPD2の出力電流から減算される。これにより、可視光域の感度を強調することができる。
実施の形態1にかかる受光素子の感度の分光曲線を図10に示す。また、図11に比較例にかかる受光素子の感度の分光曲線を示す。すなわち、図10は、低濃度P型領域21を有する高濃度P型基板20上に、接合深さの異なる3つのフォトダイオードPD1〜PD3が設けられている受光素子100の分光感度曲線である。一方、図11は、低濃度P型基板上に、接合深さの異なる3つのフォトダイオードが設けられている受光素子での分光感度曲線である。図10、図11は、フォトダイオードPD1〜PD3の感度の分光曲線のシミュレーション結果を示している。さらに、図10、図11では、チップ厚が±20%変動した時の分光曲線を重ね書きしている。より具体的には、+20%、+10%、0%、−10%、−20%の分光曲線を示している。
低濃度P型基板を用いた受光素子では、図11に示すように、赤外線に応答するフォトダイオードPD1の感度が大きく変化している。すなわち、チップ厚に応じて、フォトダイオードPD1の感度が大きく変動することになる。一方、実施の形態1にかかる受光素子では、フォトダイオードPD1の感度の分光曲線がチップ厚に応じてほとんど変動しない。すなわち、チップ厚が変化した場合でも、フォトダイオードPD1の感度がほぼ一定である。本実施の形態では、高濃度P型基板20上に低濃度P型領域21を形成し、低濃度P型領域21中に接合深さの異なるPN接合を形成している。そして、接合深さの浅いフォトダイオードPD2から接合深さの深いPD1の出力電流を減算している。これにより、チップ厚のばらつきや高濃度P型基板20の裏面状態による感度低下を低減することができる。特に、チップ厚が200μm以下の場合に有効である。
図12に、本実施の形態にかかる受光素子での合成感度の分光曲線を示す。図13に比較例にかかる受光素子での合成感度の分光曲線を示す。ここでの合成感度は、人間の視感度に近づけた場合の感度曲線である。図10、図11と同様に、図12、及び図13もチップ厚を±20%変動した時のシミュレーション結果を示している。高濃度P型基板20を用いた構成では、合成比を5.0とし、低濃度P型基板10を用いた構成では、合成比を8.5としている。なお、合成比とは、受光素子100aのフォトダイオードPD2と受光素子100bのフォトダイオードPD1との面積比を示す値であり、上記の定数倍の定数nに相当する。なお、接合部の深さを上述の値とすると、フォトダイオードPD2が400nm以下に感度を持たなくなる。すなわち、フォトダイオードPD3を設けることで、波長400nm以下におけるフォトダイオードPD2の感度を低減することができる。よって、視感度に近い合成感度を得る場合、フォトダイオードPD3の感度については、フォトダイオードPD2の感度から減算しなくてもよくなる。
このとき、蛍光灯と白熱電球の感度比は、本実施の形態にかかる構成では1.07:1.08とほぼ等しくなる。すなわち、チップ厚が0%の時、白熱電球の感度を蛍光灯の感度で規格化した値が1.07であり、±20%の時、白熱電球の感度を蛍光灯の感度で規格化した値が1.08となる。一方、比較例の構成では、蛍光灯と白熱電球の感度比は、1.08:0.98となり、約10%変化する。すなわち、高濃度P型基板20を用いない構成では、チップ厚のばらつきによる感度変動が大きくなる。
本実施の形態に係る構成では、白熱電球に対する感度のばらつきを低減することができる。すなわち、チップ厚がばらついた場合でも、照度を適切に検出することができる。このように、本実施の形態の構成のよって、チップ厚のバラツキに対する感度の変動を低減することができる。
上述したように、本実施の形態では、不純物を高濃度で含有する高濃度P型基板20を用いている。高濃度P型基板20の不純物濃度は、1.0×1017cm−3〜5.0×1018cm−3とすることが好ましい。高濃度P型基板20の不純物濃度を変化させることで、電子の拡散長が変化する。高濃度P型基板20の裏面近傍が、キャリアの寿命が短く、拡散長も短い高濃度領域となっている。高濃度P型基板20中で吸収された光によって発生するキャリアが、高濃度P型基板20中で再結合する。従って、光電流として寄与せずに、感度曲線の変化を抑制することができる。さらに、基板を透過して、基板裏面で反射した光による影響を低減することができる。チップ厚がばらついた場合でも、感度曲線の変化を小さくすることができる。白熱電球に対する感度変化を小さくすることができる。よって、感度変化の小さい受光素子を実現することができる。
さらに、基板側面から斜め方向から入射した赤外光の影響を低減することもできる。例えば、波長1.0μmの赤外線の侵入長は160μmである。よって、波長1.0μmより可視光域に近い赤外光が基板側面から斜め入射することで、高濃度P型基板20の底面(裏面)の近傍まで到達することになる。このような斜め入射による赤外光が高濃度P型基板20の裏面近傍で吸収されると、光キャリアが発生する。しかしながら、上記の構成によって、光キャリアが再結合され、光電流として寄与しなくなる。よって、斜め入射による赤外光の影響を軽減することができ、感度変化の小さい半導体装置を実現することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる半導体装置について、図14を用いて説明する。図14は、半導体装置の構成を示す側面断面図である。実施の形態2の半導体装置では、N型領域27の構成が実施の形態1と異なっている。すなわち、N型領域27が高濃度N型埋め込み領域22とN型注入領域23とに分けられていない。N型領域27以外の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と重複する内容については、適宜説明を省略する。高濃度P型基板20よりも表面側の構成が変わったとして、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、N型領域27は、エピタキシャル成長によって低濃度P型領域21の上に形成することができる。本実施の形態では、N型領域27を形成するためのイオン注入が不要となり、製造工程を簡略化することができる。
不純物濃度の好適な例について以下に示す。高濃度N型領域25の不純物濃度は、2.0×1018cm−3〜5.0×1019cm−3とすることが好ましい。P型領域24の不純物濃度は1.0×1016cm−3〜1.0×1018cm−3とすることが好ましい。N型領域27の不純物濃度は、1.0×1015cm−3〜5.0×1015cm−3とすることが好ましい。低濃度P型領域21の不純物濃度は、1.0×1014cm−3〜2.0×1015cm−3とすることが好ましい。高濃度P型基板20の不純物濃度は、1.0×1017cm−3〜5.0×1018cm−3とすることが好ましい。
接合深さの好適な例について以下に示す。フォトダイオードPD3の深さ、すなわち、高濃度N型領域25とP型領域24との接合部の深さは、0.1μm〜0.2μmとすることが好ましい。さらに、フォトダイオードPD2の深さ、すなわち、N型領域27とP型領域24との接合部の深さは、0.3μm〜1.0μmとすることが好ましい。フォトダイオードPD1の深さ、すなわち、N型領域27と低濃度P型領域21と接合深さは、2μm〜10μmとすることが好ましい。高濃度P型基板20と低濃度P型領域21との接合深さ、すなわち、高濃度P型基板20と低濃度P型領域21との界面の深さは、10μmより大きくすることが好ましく、また20μm以下とすることが好ましい。なお、接合深さは、素子の表面、すなわち、高濃度N型領域25の上面からの深さである。また、上記の不純物濃度、及び接合深さの具体例は、上記した実施の形態1や、後述する変形例と実施の形態3についても適用可能である。
変形例.
実施の形態2の変形例について、図15を用いて説明する。図15は、変形例にかかる半導体装置の構成を示す側面断面図である。変形例にかかる半導体装置では、P型素子分離領域26が設けられていない点で、図14の構成と異なっている。なお、P型素子分離領域26以外の構成については、図14と同様の構成であるため、適宜説明を省略する。図15に示す構成を得るためには、N型領域27をエピタキシャル成長ではなく、イオン注入によって形成すればよい。こうすることで、P型素子分離領域26が不要となる。このような構成でも、上記と同様の効果を得ることができる。また、低濃度P型領域21を形成した後の構成を、エピタキシャル成長を用いずに製造することができる。
図15に示す断面構成の受光素子100の具体的な素子構成を図16に示す。図16は、2つの受光素子100a、100bを有する半導体装置の断面構成を示す図である。図16では、図8で示した断面構成に対応するものである。受光素子100aと受光素子100bは同じ縦構造を有している。なお、図16では、回路部分にバイポーラトランジスタではなくMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ51、52が設けられている。すなわち、MOSプロセスによって、本実施の形態にかかる半導体装置を製造した例を図16に示す。
受光素子100aと受光素子100bの構成は、図8と同様になっている。そして、電極31a〜31fが、図8、及び図9と同様に接続されている。電極31aは電源電圧VDDが供給されている。MOSプロセスであるため、P型素子分離領域26は設けられていない。MOS回路50には、NMOSトランジスタ51と、PMOSトランジスタ52が設けられている。NMOSトランジスタ51、及びPMOSトランジスタ52のそれぞれは、ソースS、ゲートG、及びドレインDを有している。なお、MOS回路50をNMOSトランジスタ51とPMOSトランジスタ52の各1個で代表させたが、MOS回路50は特に限定されるものではない。このような縦構造であっても、実施の形態1と同様の回路構成とすることができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る半導体装置について図17〜図19を用いて説明する。図17は、本実施の形態にかかる半導体装置の実装形態を示す断面図である。図18は、実施の形態3にかかる半導体装置の構成を模式的に示す平面図である。図19は、図18のXIX−XIX断面図である。本実施の形態では、縦構造の異なる受光素子が隣接して設けられている。なお、上記の実施の形態と重複する内容については、適宜説明を省略する。
図17に示すように、ICチップ101は、受光素子100cと受光素子100dと減算回路35とを備えている。ICチップ101の上には透明モールド103が設けられている。そして、透明モールド103には、減算回路35を覆う配線37が設けられている。また、図6と同様に、配線37には、開口部38と開口部39が設けられている。受光素子100cは、開口部38を通過した光を受光し、受光素子100dは開口部39を通過した光を受光する。受光素子100cが可視光用であり、受光素子100dが赤外光用である。減算回路35は、受光素子100cの出力電流から受光素子100dの出力電流を減算する。これにより、赤外線の影響を低減することができ、照度に近い分光感度曲線を得ることができる。
図18に示すように、開口部38は、開口部39よりも大きくなっている。ここでも、開口部38の大きさを開口部39のn倍(nは1より大きい正数)としている。そして、配線37で覆われた箇所に、減算回路35が設けられている。受光素子100cと受光素子100dの縦構造は、図19に示されている。
実施の形態1、2と同様に、高濃度P型基板20の上に、低濃度P型領域21が設けられている。そして、赤外光用の受光素子100dでは、実施の形態2と同様に、高濃度P型基板20の表面から順に、高濃度N型領域25、P型領域24、N型領域27、低濃度P型領域21が形成されている。そして、高濃度N型領域25とP型領域24の接合部がフォトダイオードPD3といる。P型領域24とN型領域27との接合部がフォトダイオードPD2となっている。N型領域27と低濃度P型領域21との接合部がフォトダイオードPD1となっている。このように、受光素子100cでは、接合深さの異なるフォトダイオードPD1〜PD3が設けられている。なお、受光素子100cの縦構造は、実施の形態2と同様としたが、実施の形態1と同様の縦構造を採用することも可能である。
電極31cは、高濃度N型領域25の上に形成されている。電極31dは、P型領域24の上に形成されている。電極31eは、N型領域27の上に形成されている。電極31cと電極31dと電極31fは、接続されている。
一方、可視光用の受光素子100cでは、高濃度P型基板20の表面から順に、高濃度P型領域29、N型領域28が設けられている。そして、高濃度P型領域29とN型領域28との接合部がフォトダイオードPD5となる。N型領域28と低濃度P型領域21との接合部がフォトダイオードPD4となる。このように、受光素子100dでは接合深さの異なるフォトダイオードPD4、PD5が設けられている。なお、フォトダイオードPD4は、図10のPD2と同様の分光感度曲線を有し、フォトダイオードPD5は、図10のPD3と同様の分光感度曲線を有している。
電極31aは、高濃度P型領域29の上に形成されている。電極31bは、N型領域28の上に形成されている。電極31aと電極31bは、接続されている。また、低濃度P型領域21の上には、電極31gが設けられている。電極31gはグランドに設置されている。
受光素子100c、100dを有する半導体装置の製造方法について、以下に説明する。まず、高濃度P型基板20を用意する。そして、高濃度P型基板20の上に、低濃度P型領域21をエピタキシャル成長させる。低濃度P型領域21の上に、N型領域27、P型領域24、高濃度N型領域25、N型領域28、高濃度P型領域29を形成する。N型領域27、P型領域24、高濃度N型領域25、N型領域28、高濃度P型領域29は、イオン注入とそれに続く熱処理により形成することができる。さらに、アルミ等によって電極31を形成する。電極31は、低濃度P型領域21、N型領域27、P型領域24、高濃度N型領域25、N型領域28、高濃度P型領域29の上にそれぞれ設けられている。
そして、フォトダイオードPD1〜PD5を図20に示すように接続する。図20は、2つの受光素子100c、100dに設けられたフォトダイオードの接続構成を示す等価回路図である。ここでは、受光素子100cと受光素子100dとの出力を減算回路35に入力している。そして、減算回路35は、受光素子100dの出力電流から受光素子100cの出力電流を減算する。例えば、受光素子100cの受光面積が、受光素子100dの受光面積のn倍となっている。そして、減算回路35は、可視光用のフォトダイオードPD4の出力電流から、赤外用のフォトダイオードPD1の出力電流を減算する。可視光用のよって、減算回路35の出力を検出することで、照度を測定することができる。図20では、減算回路35は、バイポーラトランジスタで構成した回路を示しているが、MOS等の他の種類のトランジスタで構成したり、差動アンプ等を用いて構成することもできる。
上記の実施の形態1〜3にかかる半導体装置は、携帯電話、スマートフォン、通信端末、ノートPC、タブレットPC、テレビ、パソコンモニタ等の照度センサに好適である。上記の構成によって、視感度に近い感度を有する照度センサを実現することができる。そして、照度センサの検出結果に基づいて、モニタのバックライト等の光量の調整を行う。これにより、低消費電力化に資することができ、バッテリの使用量を低減することができる。もちろん、上記の実施の形態で示したP型、及びN型を反対にすることも可能である。すなわち、高濃度N型基板の上に、低濃度N型領域を設ける構成とすることも可能である。例えば、低濃度N型領域の上にP型領域を設け、P型領域の上にN型領域とする構成としてもよい。また、PN接合の深さを変更することで、感度をキャンセルしたい波長域を調整することができる。例えば、赤外域以外の感度をキャンセルすることができる。なお、上記の実施の形態1〜3は、変形例も含めて適宜組み合わせ可能である。
本実施の形態にかかる半導体装置、照度センサ、及び半導体装置の製造方法は、以下の態様を取ることも可能であるが、以下に態様に限られるものではない。
(態様1)
第1導電型不純物を含む第1導電型基板と、
前記第1導電型基板上に設けられ、前記第1導電型基板よりも第1導電型不純物の濃度が低い低濃度第1導電型領域と、
前記低濃度第1導電型領域と前記低濃度第1導電型領域上に設けられた第2導電型領域と、
前記第2導電型領域上に設けられた第1導電型領域と、
前記低濃度第1導電型領域と前記第2導電型領域との接合部によって形成された第1フォトダイオードと、
前記第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合部によって形成された第2フォトダイオードと、を備えた半導体装置。
(態様2)
前記第1導電型領域の上に、前記第2導電型領域よりも不純物濃度が高い高濃度第2導電型領域と、
前記高濃度第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合部によって形成された第3フォトダイオードをさらに備えた態様1に記載の半導体装置。
(態様3)
前記第1導電型基板の不純物濃度が1.0×1017cm−3より大きくなっている態様1に記載の半導体装置。
(態様4)
前記低濃度第1導電型領域の不純物濃度が1.0×1014cm−3〜2.0×1015cm−3である態様1に記載の半導体装置。
(態様5)
前記第1導電型基板と前記低濃度第1導電型領域との接合深さが、10μmより大きくなっている態様1に記載の半導体装置。
(態様6)
前記低濃度第1導電型領域と前記第2導電型領域との接合深さが、2μm〜10μmとなっている態様1に記載の半導体装置。
(態様7)
前記第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合深さが0.3μm〜1.0μmとなっている態様1に記載の半導体装置。
(態様8)
前記高濃度第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合深さが、0.1μm〜0.2μmである態様2に記載の半導体装置。
(態様9)
第1の受光素子と、
前記第1の受光素子と異なる縦構造を有する第2の受光素子とを備えた半導体装置であって、前記第1の受光素子が、前記第1のフォトダイオードと前記第2のフォトダイオードと前記第3のフォトダイオードとを有し、
前記第2の受光素子が、
前記低濃度第1導電型領域と前記低濃度第1導電型領域上に設けられた第2受光素子用第2導電型領域との接合部によって形成された第4のフォトダイオードと、前記第2受光素子用第2導電型領域と前記前記第2受光素子用第2導電型領域上に設けられた第2受光素子用第1導電型領域との接合部によって形成された第5のフォトダイオードとを備える態様2に記載の半導体装置。
(態様10)
第1導電型不純物を含む第1導電型基板と、
前記第1導電型基板上に設けられ、前記第1導電型基板よりも第1導電型不純物の濃度が低い低濃度第1導電型領域と、
前記第1導電型領域中に設けられた接合深さの異なる少なくとも2つのフォトダイオードと、を備えた半導体装置。
(態様11)
態様1に記載の半導体装置を備えた照度センサであって、
前記第1のフォトダイオード及び前記第2のフォトダイオードを有する第1の受光素子と、
前記第1の受光素子と同じ縦構造を有する第2の受光素子と、を備え、
前記第1の受光素子の前記第2のフォトダイオードの出力電流から前記第2の受光素子の前記第1のフォトダイオードの出力電流を減算して出力する照度センサ。
(態様12)
第1導電型不純物を含む第1導電型基板の上に、前記第1導電型基板よりも不純物濃度が低い低濃度第1導電型領域を形成し、
前記低濃度第1導電型領域の上に第2導電型領域を形成することで、前記低濃度第1導電型領域と前記第2導電型領域との接合部に第1フォトダイオードを形成し、
前記第2導電型領域の上に第1導電型領域を形成することで前記第2導電型領域と前記第1導電型領域の接合部に第2フォトダイオードを形成する半導体装置の製造方法。
(態様13)
前記第1導電型領域の上に、前記第2導電型領域よりも不純物濃度が高い高濃度第2導電型領域を形成することで、前記第1導電型領域と前記高濃度第2導電型領域との接合部に第3フォトダイオードを形成する態様12に記載の半導体装置の製造方法。
(態様14)
前記第1導電型基板の不純物濃度が1.0×1017cm−3より大きくなっている態様12に記載の半導体装置の製造方法。
(態様15)
前記低濃度第1導電型基板の不純物濃度が1.0×1014cm−3〜2.0×1015cm−3である態様12に記載の半導体装置の製造方法。
(態様16)
前記第1導電型基板と前記低濃度第1導電型領域との接合深さが、10μmより大きくとなっている態様12に記載の半導体装置の製造方法。
(態様17)
前記低濃度第1導電型領域と前記第2導電型領域との接合深さが、2μm〜10μmとなっている態様12に記載の半導体装置の製造方法。
(態様18)
前記第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合深さが0.3μm〜1.0μmとなっている態様12に記載の半導体装置の製造方法。
(態様19)
前記高濃度第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合深さが、0.1μm〜0.2μmである態様13に記載の半導体装置の製造方法。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
10 低濃度P型基板
11 N型領域
12 P型領域
19 電極
20 高濃度P型基板
21 低濃度P型領域
22 高濃度N型埋め込み領域
23 N型注入領域
24 P型領域
25 高濃度N型領域
26 P型素子分離領域
27 N型領域
28 N型注入領域
29 高濃度P型領域
31 電極
32 素子
33 素子
35 減算回路
37 配線
38 開口部
39 開口部
40 バイポーラ回路
41 バイポーラトランジスタ
50 MOS回路
51 NMOSトランジスタ
52 PMOSトランジスタ
PD1 フォトダイオード
PD2 フォトダイオード
PD3 フォトダイオード
100 受光素子
101 ICチップ
102 リードフレーム
103 透明モールド

Claims (12)

  1. 第1導電型不純物を含む第1導電型基板と、
    前記第1導電型基板上に設けられ、前記第1導電型基板よりも第1導電型不純物の濃度が低い低濃度第1導電型領域と、
    前記低濃度第1導電型領域と前記低濃度第1導電型領域上に設けられた第2導電型領域と、
    前記第2導電型領域上に設けられた第1導電型領域と、
    前記低濃度第1導電型領域と前記第2導電型領域との接合部によって形成された第1フォトダイオードと、
    前記第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合部によって形成された第2フォトダイオードと、を備えた半導体装置。
  2. 前記第1導電型領域の上に、前記第2導電型領域よりも不純物濃度が高い高濃度第2導電型領域と、
    前記高濃度第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合部によって形成された第3フォトダイオードをさらに備えた請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1導電型基板の不純物濃度が1.0×1017cm−3より大きくなっている請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記低濃度第1導電型領域の不純物濃度が1.0×1014cm−3〜2.0×1015cm−3である請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記第1導電型基板と前記低濃度第1導電型領域との接合深さが、10μmより大きくなっている請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記低濃度第1導電型領域と前記第2導電型領域との接合深さが、2μm〜10μmとなっている請求項1に記載の半導体装置。
  7. 前記第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合深さが0.3μm〜1.0μmとなっている請求項1に記載の半導体装置。
  8. 前記高濃度第2導電型領域と前記第1導電型領域との接合深さが、0.1μm〜0.2μmである請求項2に記載の半導体装置。
  9. 第1の受光素子と、
    前記第1の受光素子と異なる縦構造を有する第2の受光素子とを備えた半導体装置であって、
    前記第1の受光素子が
    前記第1のフォトダイオードと前記第2のフォトダイオードと前記第3のフォトダイオードとを有し、
    前記第2の受光素子が、
    前記低濃度第1導電型領域と前記低濃度第1導電型領域上に設けられた第2受光素子用第2導電型領域との接合部によって形成された第4のフォトダイオードと、
    前記第2受光素子用第2導電型領域と前記前記第2受光素子用第2導電型領域上に設けられた第2受光素子用第1導電型領域との接合部によって形成された第5のフォトダイオードとを備える請求項2に記載の半導体装置。
  10. 第1導電型不純物を含む第1導電型基板と、
    前記第1導電型基板上に設けられ、前記第1導電型基板よりも第1導電型不純物の濃度が低い低濃度第1導電型領域と、
    前記第1導電型領域中に設けられた接合深さの異なる少なくとも2つのフォトダイオードと、を備えた半導体装置。
  11. 請求項1に記載の半導体装置を備えた照度センサであって、
    前記第1のフォトダイオード及び前記第2のフォトダイオードを有する第1の受光素子と、
    前記第1の受光素子と同じ縦構造を有する第2の受光素子と、を備え、
    前記第1の受光素子の前記第2のフォトダイオードの出力電流から前記第2の受光素子の前記第1のフォトダイオードの出力電流を減算して出力する照度センサ。
  12. 第1導電型不純物を含む第1導電型基板の上に、前記第1導電型基板よりも不純物濃度が低い低濃度第1導電型領域を形成し、
    前記低濃度第1導電型領域の上に第2導電型領域を形成することで、前記低濃度第1導電型領域と前記第2導電型領域との接合部に第1フォトダイオードを形成し、
    前記第2導電型領域の上に第1導電型領域を形成することで前記第2導電型領域と前記第1導電型領域の接合部に第2フォトダイオードを形成する半導体装置の製造方法。
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