JP2013229407A - Ledドライバ装置、led照明装置、及び、テレビジョン受像機 - Google Patents

Ledドライバ装置、led照明装置、及び、テレビジョン受像機 Download PDF

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Abstract

【課題】LEDの駆動効率を向上させると共に、消費電力を削減することのできるLEDドライバ装置を提供する。
【解決手段】本発明のLEDドライバ装置は、スイッチング素子32のオン期間の長さに応じた電位を有する制御信号を生成するON期間検出部41を備え、LED群311に印加される電圧を、スイッチング素子32によるスイッチング方式にて制御するLEDドライバ回路30と、制御信号の電位に応じて、LED群311に印加する電圧の大きさを変更するPFC回路20と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、LEDを駆動するLEDドライバ装置に関する。また、LEDドライバ装置を備えたLED照明装置、及び、テレビジョン受像機に関する。
近年、省エネルギーの観点から、低消費電力で動作する照明装置が求められてきており、これに伴って、光源が白熱電球及び蛍光灯などから、LEDに代表される低消費電力で動作する光源に置き換えられた照明装置が開発されてきている。
このような、LEDを光源に用いた照明装置(LED照明装置)を駆動するLEDドライバ装置は、LEDを駆動するためのLEDドライバ回路を備えている。なお、LEDドライバ回路の駆動方式としては、例えば、アナログリニア方式、及びスイッチング方式などが提案されている。
特許文献1には、図12に示すように、LEDドライバ回路の駆動方式がアナログリニア方式である場合に、負荷(LED群91)と、LED群91に直列に接続された可変定電流源93との接続点の電圧が一定電圧となるように、LED群91に供給する電圧を制御することによって、LED群91を駆動する負荷電流を所定範囲に変化させ、負荷電流の増加に伴う損失の増大を避けて効率よくLED群91を駆動することを目的とする負荷駆動装置が記載されている。
しかしながら、スイッチング方式を用いたLEDドライバ回路によってLEDを発光させる際の電力効率と比較して、アナログリニア方式を用いた場合の電力効率が悪いことから、近年では、LEDドライバ回路の駆動方式としてスイッチング方式を用いることが一般的になっている。
特開2005−33853号公報(2005年2月3日公開)
ここで、スイッチング方式を用いたLEDドライバ回路を備えた照明装置について、図13を参照して説明する。図13は、従来のLEDドライバ装置80の構成の概略を示す回路図である。
図13に示すように、従来のLEDドライバ装置80は、電源回路81、PFC(力率改善)回路82、及びLEDドライバ回路83を備えている。また、PFC回路82は、LEDドライバ回路83に供給する電圧を制御するPFC制御回路84を備えており、LEDドライバ回路83は、LED群86に印加される電圧をスイッチング素子を用いたスイッチング方式によって制御するLED制御回路85を備えている。
従来のLEDドライバ装置80の備えるPFC回路82は、LEDドライバ回路83に含まれるLED群86が発光するために必要な電圧よりも十分度高い電圧をLEDドライバ回路83に供給することが一般的である。
これは、PFC回路82からLED群86を発光させるために必要な最低限の電圧しか供給されない場合(すなわち、PFC回路82から供給される電圧が低い場合)、LED制御回路85によってオン/オフが切り替えられることによるスイッチング素子の駆動周波数が低くなり、LEDドライバ回路83における動作が不安定になるためである。
なお、LEDドライバ回路83における動作が不安定になると、スイッチング素子のオン期間とオフ期間とにおけるLED群86の輝度の違いが大きくなり、LED群86がスイッチング素子のオン/オフに対応して交互に明暗を繰り返してしまう(いわゆる、ちらつき)。また、LED制御回路85の駆動周波数が低くなると、LEDドライバ回路83の備えるコイルの唸りの原因ともなる。
これに対し、LED群86を発光させるために必要な電圧よりも十分高い電圧がPFC回路82から供給される場合、LED制御回路85の駆動周波数が高くなり、LEDドライバ回路83において発熱が生じることとなる。なお、LEDドライバ回路83における発熱は、LED制御回路85の駆動周波数が高くなることによりLEDドライバ回路83において発生する、スイッチング損失、及びリカバリー損失などに代表される損失(高周波損失とも呼称する)に起因している。
このように、LEDドライバ装置は、LED制御回路85の駆動周波数が低い場合、及び、高い場合において、それぞれ特有の問題が生じる。従来のLEDドライバ装置80では、LED制御回路85を高い駆動周波数で動作させることによってLEDドライバ回路83における発熱などの問題を犠牲にしつつ、LED制御回路85を低い駆動周波数で動作する場合に生じるLED輝度のちらつきの問題を回避している。
したがって、従来の技術では、LED制御回路の駆動周波数が高いことに起因して発生する高周波損失、及び発熱などを抑制することができないため、LED群を発光させる際の駆動効率が低下してしまうという問題があった。また、これに伴って消費電力が増加してしまうという問題があった。
なお、上述のように、LEDドライバ装置の駆動方式がスイッチング方式である場合には、アナログリニア方式では生じ得なかったLEDのちらつき、及びコイルの唸りなどLED制御回路の駆動周波数が低いことに起因する問題が生じる。このような、駆動方式がスイッチング方式である場合に特有の問題は、特許文献1に記載の技術では改善することができない。
また、仮に特許文献1に記載の技術をスイッチング方式のLEDドライバ装置に用いてLED制御回路の駆動周波数が高いことに起因して発生する高周波損失及び発熱などを抑制しようとする場合には、電圧ではなく駆動周波数をモニタする必要がある。このため、特許文献1に記載の技術では、接続点においてモニタした電圧を周波数に変換する必要があるが、モニタした電圧を周波数に変換する際に誤差を生じ易いため、高い精度を保つことが困難である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、スイッチング方式にて駆動するLEDドライバ装置において、LEDの駆動効率を向上させ、消費電力を削減することのできるLEDドライバ装置を提供することにある。
本発明の一態様に係るLEDドライバ装置は、上記の課題を解決するために、力率改善回路と、LEDに印加される電圧をスイッチング素子によるスイッチング方式にて制御するLEDドライバ回路とを備えたLEDドライバ装置であって、上記LEDドライバ回路は、上記スイッチング素子のオン期間の長さに応じた電位を有する制御信号を生成する制御信号生成回路を備えており、上記力率改善回路は、上記制御信号の電位に応じて、上記LEDに印加する電圧の大きさを変更する、ことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記制御信号生成回路は、上記スイッチング素子のオン期間の長さ、すなわち、上記スイッチング素子の駆動周波数に応じた電位を有する制御信号を生成する。また、上記力率改善回路は、上記スイッチング素子の駆動周波数に応じて生成された上記制御信号の電位に応じて、上記LEDに印加する電圧の大きさを変更する。
したがって、上記LEDドライバ装置は、上記スイッチング素子の駆動周波数に応じた電圧で上記LEDを発光させることができるため、LEDの駆動効率を向上させ、消費電力を削減することができる。
また、本発明の一態様に係るLEDドライバ装置において、上記制御信号生成回路は、上記スイッチング素子のオン期間が短くなるほど高い電位を有する制御信号を生成し、上記力率改善回路は、上記制御信号の電位が高くなるほど、上記LEDに印加する電圧を小さくする、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記制御信号生成回路は、上記スイッチング素子のオン期間が短くなるほど、すなわち、上記スイッチング素子の駆動周波数が高くなるほど、上記制御信号の電位を高くし、上記力率改善回路は、上記制御信号の電位が高くなるほど、上記LEDに印加する電圧を小さくする。
したがって、上記LEDドライバ装置は、上記スイッチング素子の駆動周波数の上昇を押さえることができる。これによって、上記LEDドライバ装置は、上記スイッチング素子の駆動周波数が高くなることによって発生する損失及び発熱を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係るLEDドライバ装置において、上記制御信号生成回路は、上記スイッチング素子のオフ期間において一定の電圧値を有し、上記スイッチング素子のオン期間において所定の割合で上昇する電圧値を有する電圧信号を生成する発信回路と、上記発信回路が生成した電圧信号の電圧値と、所定の閾値とが入力されるコンパレータと、上記コンパレータの出力信号が入力され、上記制御信号を出力するローパスフィルタと、を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記発信回路によって、上記スイッチング素子のオフ期間にのみ所定の割合で上昇する電圧値を有する電圧信号が生成される。また、上記コンパレータ及び上記ローパスフィルタは、上記発信回路によって生成された電圧信号に基づいて生成された上記制御信号を出力する。
これによって、上記LEDドライバ回路は、上記スイッチング素子のオン期間にのみ値の変化する制御信号を生成することができる。したがって、上記LEDドライバ装置は、上記スイッチング素子のオン期間にのみ上記力率改善回路からLEDに印加される電圧を調整し、LEDの駆動効率を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係るLEDドライバ装置において、上記力率改善回路は、上記LEDに印加する電圧を2つの抵抗によって分圧する分圧回路と、上記分圧回路によって分圧された電圧を参照することによって上記LEDに印加する電圧の大きさを変更する出力電圧調整回路と、を備え、上記制御信号生成回路は、上記分圧回路によって分圧された電圧を、上記制御信号に応じて変更する電圧変更回路を、さらに備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記力率改善回路は、上記出力電圧調整回路において、上記分圧回路によって分圧された電圧を参照することによって、上記LEDに印加する電圧の大きさを変更する。また、上記LEDドライバ回路は、上記力率改善回路によって参照される電圧を、上記制御信号に応じて変更する。
これによって、上記LEDドライバ回路は、上記力率改善回路からLEDに印加される電圧の大きさを容易に変更することができる。
なお、上述したLEDドライバ装置を備えていることを特徴とするLED照明装置、及び、テレビジョン受像機も、本発明の範疇に含まれる。
本発明の一態様に係るLEDドライバ装置は、上述のように、力率改善回路と、LEDに印加される電圧をスイッチング素子を用いたスイッチング方式にて制御するLEDドライバ回路とを備えたLEDドライバ装置であって、上記LEDドライバ回路は、上記スイッチング素子のオン期間の長さに応じた電位を有する制御信号を生成する制御信号生成回路を備えており、上記力率改善回路は、上記制御信号の電位によって調整された電位に応じて、上記LEDに印加する電圧の大きさを変更する、ことを特徴としている。
これによって、上記LEDドライバ装置は、上記スイッチング素子の駆動周波数に応じた電圧で上記LEDを発光させることができるため、LEDの駆動効率を向上させることができ、これによって、消費電力を削減することができる。
本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置の構成の概略を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係るスイッチング素子のONとOFFとが切り替えられる際の、LED回路31の動作の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置の備える各回路のより具体的な構成の一例を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置において、PFC回路から出力される平滑化電圧が、LEDドライバ回路の有するLED群を発光させるのに適した値である場合の、平滑化電圧の波形の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置において、PFC回路から出力される平滑化電圧が、LEDドライバ回路の有するLED群を発光させるのに適した値よりも大きな値である場合の、平滑化電圧の波形の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置において、LED群の発光/非発光、及び、駆動周波数と、平滑化電圧との関係を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置において、FB制御信号によって制御された平滑化電圧がLEDドライバ回路に入力される場合における、平滑化電圧、負荷電流、及びカソード電圧の関係を示すグラフである。 従来のLEDドライバ装置における平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置のLEDドライバ回路が備えるLED回路の構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置の動作タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置における平滑化電圧調整処理の流れを示すフローチャートである。 従来技術における、アナログリニア方式によるLEDドライバ装置の構成の概略を示す回路図である。 従来技術における、スイッチング方式によるLEDドライバ装置の構成の概略を示す回路図である。
本発明の一実施形態に係るLEDドライバ装置について、図1から図11を参照して以下に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
〔LEDドライバ装置の構成〕
本実施形態に係るLEDドライバ装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るLEDドライバ装置1の構成の概略を示す回路図である。
(電源回路)
図1に示すように、LEDドライバ装置1は、電源回路10、PFC(Power Factor Correction)回路(力率改善回路)20、及び、LEDドライバ回路30を備えている。また、電源回路10は、図1に示すように、電源プラグ11、及び、整流回路12を備えている。
図1に示すように、電源回路10の備える電源プラグ11の一方の出力端子は整流回路12の一方の入力端子に接続され、他方の出力端子は整流回路12の他方の入力端子に接続されている。また、整流回路12のハイレベル(Hレベル)出力端子は接続端子51に接続されており、ローレベル(Lレベル)出力端子は接続端子52に接続されている。
つまり、電源回路10は、接続端子51、52を介してPFC回路20に接続されている。
整流回路12は、電源プラグ11を介して接続されたAC電源(不図示)から供給される交流電圧を全波整流し、整流電圧を生成する。また、整流回路12は、生成した整流電圧をPFC回路20に出力する。
(PFC回路)
PFC回路20は、図1に示すように、コイル21、スイッチング素子22、ダイオード23、コンデンサ24、及び、PFC制御回路(出力電圧調整回路)25を備えている。
図1に示すように、コイル21の一端は接続端子に接続されており、他の一端はダイオード23のアノード端子に接続されている。また、ダイオード23のカソード端子は、接続端子53に接続されている。スイッチング素子22のソース端子はダイオード23のアノード端子に接続され、ドレイン端子はコンデンサ24の一端に接続され、ゲート端子はPFC制御回路25に接続されている。
また、コンデンサ24の一端は接続端子52及び54に接続されており、他の一端は53に接続されている。つまり、PFC回路20は、接続端子51、52を介して電源回路10に接続されており、接続端子53、54を介してLEDドライバ回路30に接続されている。
コイル21、ダイオード23、及びコンデンサ24は、電源回路10から入力される整流電圧を平滑化することによって平滑化電圧を生成し、生成した平滑化電圧をPFC回路20の出力電圧として、LEDドライバ回路30に供給する。
PFC制御回路25は、スイッチング素子22のON期間(オン期間)及びOFF期間(オフ期間)を制御することによって、コイル21、ダイオード23、及びコンデンサ24によって生成される平滑化電圧の値を調整する。PFC制御回路25は、また、LEDドライバ回路30から入力されるフィードバックを取得するFB入力部250を備えている。
なお、スイッチング素子22は、例えば、トランジスタ、FET(Field-Effect Transistor:電界効果トランジスタ)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。図1では、スイッチング素子22としてMOSFETを用いた場合を示している。
(LEDドライバ回路)
LEDドライバ回路30は、図1に示すように、LED回路31、スイッチング素子32、及び、LED制御回路33を備えている。また、LED回路31は、LED群311、ダイオード312、及び、コイル313を備えている。
図1に示すように、LED群311のアノード端子は接続端子53に接続されており、カソード端子はコイル313の一端に接続されている。また、ダイオード312のアノード端子はコイル313の他の一端に接続されており、カソード端子は接続端子53に接続されている。
スイッチング素子32のソース端子はLED回路31の備えるダイオード312のアノード端子に接続され、ドレイン端子は接続端子54に接続され、ゲート端子はLED制御回路33に接続されている。
つまり、LEDドライバ回路30は、接続端子53、54を介してPFC回路20に接続されている。
LED制御回路33は、スイッチング素子32のON/OFFを制御するスイッチング方式によって、LED回路31の備えるLED群311に印加される電圧を制御する。また、LED回路31は、LED制御回路33によって制御されるスイッチング素子32のON/OFFに従って定電流を生成し、LED群311を発光させる。
ここで、LED回路31における、定電流の生成について、図2を参照して説明する。図2は、スイッチング素子32のONとOFFとが切り替えられる際のLED回路31の備えるコイル313の動作を示す図である。図2(a)は、スイッチング素子32がON状態である場合のコイル313の動作を示し、(b)及び(c)は、スイッチング素子32がOFF状態である場合のコイル313の動作を示している。また、図2(d)〜(f)は、(a)〜(c)に示す各状態において、時間の経過(時間T)とコイル313に流れる電流(インダクタ電流I)との関係を示すグラフである。
図2(a)及び(d)に示すように、スイッチング素子32がON状態である場合、PFC回路20から供給される電圧を直流電圧電源Vとみなすことができ、コイル313に流れる電流は、スイッチング素子32のON時間に比例して増加する。また、コイル313は、電流によって発生した磁束による磁気エネルギーを蓄積する。
コイル313に磁気エネルギーが蓄積されているため、図2(b)及び(e)に示すように、コイル313を短絡した場合にも、コイル313は一定の電流を流すことができる。
また、図2(c)及び(f)に示すように、コイル313の両端にLED群311を接続すると、コイル313に蓄積された磁気エネルギーによって生成される電流により、LED群311が発光する。この際、LED群311に逆電圧(-Vout)が発生するため、LED回路31に流れる電流は、(f)に示すように、逆電圧に従って直線的に減少することになる。
上述のようにコイル313が動作することにより、LED回路31において定電流が生成される。具体的には、スイッチング素子32がON状態である場合には、図2(d)に示す電流が生成され、スイッチング素子32がOFF状態である場合には、図2(f)に示す電流が生成される。つまり、スイッチング素子32のON/OFFが切り替えられる度に、図2(d)及び(f)に示す電流が交互に生成されることになる。
また、LED制御回路33は、スイッチング素子32のON期間を検出するON期間検出部(制御信号生成回路)41を備えている。ON期間検出部41は、検出したON期間の長さ、すなわち、スイッチング素子22の駆動周波数(スイッチング周波数)に応じた電位を有するFB制御信号(制御信号)を生成する。
なお、ON期間検出部41は、PFC制御回路25の備えるFB入力部250に接続されており、生成したFB制御信号をFB入力部250に供給する。
なお、スイッチング素子32として、例えば、トランジスタ、FET、MOSFETなどを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。図1では、スイッチング素子32としてMOSFETを用いた場合を示している。
また、ダイオード312として、例えば、フライホイールダイオードなどを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔PFC制御回路、LED制御回路の回路構成〕
次に、LEDドライバ装置1の備える各回路のより具体的な構成例について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るLEDドライバ装置1の備える各回路のより具体的な構成の一例を示す回路図である。
(PFC制御回路)
図3に示すように、PFC制御回路25は、反転増幅器251、定電圧源252、波形整形部253、コンパレータ254、ドライバ回路255、及び、増幅器256を備えている。
なお、図3に示すPFC制御回路25においては、反転増幅器251、定電圧源252、波形整形部253、及び、コンパレータ254が、図1に示すPFC制御回路25の備えるFB入力部250として機能する。
さらに、PFC回路20は、抵抗271および272を備えた分圧回路27を備えている。抵抗271の一端は接続端子53に接続され、他の一端は端子273に接続されている。また、抵抗272の一端は端子273に接続され、他の一端は接続端子54に接続されている。
また、図3に示すように、反転増幅器251の一方の入力端子は端子273に接続され、他方の入力端子は定電圧源252に接続され、出力端子は波形整形部253の一方の入力端子に接続されている。波形整形部253の他方の入力端子は接続端子51に接続されており、出力端子はコンパレータ254の一方の入力端子に接続されている。
コンパレータ254の他方の入力端子はスイッチング素子22のドレイン端子に接続されており、出力端子はドライバ回路255の入力端子に接続されている。増幅器256の入力端子はドライバ回路255に接続されており、出力端子はスイッチング素子22のゲート端子に接続されている。
反転増幅器251は、分圧回路27によって分圧された、PFC回路20の出力電圧をモニタする。また、反転増幅器251は、LEDドライバ回路30の備えるON期間検出部41から出力されるFB制御信号の供給を受け付ける。なお、詳細については後述するが、FB制御信号は、分圧回路27によって分圧されたPFC回路20の出力電圧を制御するため、反転増幅器251は、FB制御信号によって制御された出力電圧をモニタすることによって、FB制御信号を受け付ければよい。
反転増幅器251は、ON期間検出部41から出力されるFB制御信号によって制御されたPFC回路20の出力電圧の電位を反転して、電圧信号として波形整形部253に供給する。また、定電圧源252は、反転増幅器251に対して所定の定電圧を供給する。なお、反転増幅器251及び定電圧源252が、上述したFB入力部250として機能する。
波形整形部253、コンパレータ254、ドライバ回路255、及び、増幅器256は、反転増幅器251から供給された、電位が反転された電圧信号に基づいて、PFC回路20の出力電圧の値を制御する。
(LED制御回路)
LEDドライバ回路30は、図3に示すように、一端がスイッチング素子のドレイン端子に接続され、他の一端が接続端子54に接続された抵抗34、及び、可変定電流源(制御信号生成回路、電圧変更回路)42を備えている。また、LED制御回路33は、コンパレータ331、定電圧源332、ドライバ回路333、OFF期間制御部334、及び、増幅器335を備えている。
コンパレータ331の一方の入力端子はスイッチング素子のドレイン端子に接続され、他方の入力端子は定電圧源に接続され、出力端子はドライバ回路333の一方の入力端子に接続されている。ドライバ回路333の他方の入力端子はOFF期間制御部334に接続され、出力端子は増幅器335に接続されている。また増幅器335の出力端子はスイッチング素子32のゲート端子に接続されている。
また、LED制御回路33の備えるON期間検出部41は、図3に示すように、電圧モニタ回路(発信回路)411、コンパレータ412、定電圧源413、及び、LPF(ローパスフィルタ)414を備えている。
電圧モニタ回路411の入力端子はドライバ回路333の出力端子に接続されており、出力端子はコンパレータ412の一方の入力端子に接続されている。コンパレータ412の他方の入力端子は、定電圧源413に接続され、出力端子はLPF414に接続されている。LPF414の出力端子は、可変定電流源42の一方の入力端子に接続されている。
また、可変定電流源42の他方の入力端子は端子273に接続されており、出力端子は接続端子54に接続されている。
LED制御回路33は、スイッチング素子32がON状態である期間において、コンパレータ331、定電圧源332、ドライバ回路333、及び増幅器335において、抵抗34の一端の電位(すなわち、スイッチング素子32のドレイン端子−抵抗34間の電位)(以降、モニタ電位とも呼称する)をモニタすることによって、LED群311に流れる電流(負荷電流)をモニタする。
コンパレータ331は、モニタ電位と、定電圧源332から供給される閾値とを比較し、その比較結果をドライバ回路333に入力する。ドライバ回路333は、コンパレータ331から入力された比較結果に応じた電圧を、増幅器335を介してスイッチング素子32に供給することにより、スイッチング素子32のONとOFFとを切り替える。
ドライバ回路333は、具体的には、コンパレータ331から入力される比較結果が、モニタ電位が閾値以下であることを示している場合、Hレベルの電圧を出力してスイッチング素子をON状態にする。また、ドライバ回路333は、コンパレータ331から入力される比較結果が、モニタ電位が閾値以上となったことを示している場合、負荷電流の値が予め定められたピーク電流の値に達したと判定し、Lレベルの電圧を出力してスイッチング素子32をOFF状態にする。
また、OFF期間制御部334は、LEDドライバ装置1を、スイッチング素子32のOFF期間を一定に固定する、いわゆるOFF時間固定方式で駆動させる。具体的には、OFF期間制御部334は、スイッチング素子32がOFF状態になった時点から、所定のOFF期間(OFF固定期間とも呼称する)が経過すると、スイッチング素子32をON状態にするようドライバ回路333を駆動する。なお、
電圧モニタ回路411は、スイッチング素子32のOFF期間において一定の電圧値を有し、スイッチング素子32のON期間において所定の割合で上昇する電圧値を有する電圧信号を生成し、生成した電圧信号をコンパレータ412に出力する。なお、電圧モニタ回路411は、ドライバ回路333から出力される電圧をモニタすることによって、スイッチング素子32がON状態(つまり、ON期間)であるか、OFF状態(つまり、OFF期間)であるかを判定する。
具体的には、電圧モニタ回路411は、ドライバ回路333から出力される電圧が、Hレベルである場合にON期間であると判定し、Lレベルである場合にはOFF期間であると判定する。
ここで、スイッチング素子32のON期間において所定の割合で上昇する電圧値を有する電圧信号の波形としては、例えば、ランプ関数で表される傾きを有する鋸歯状の三角波の波形などを挙げることができる。
コンパレータ412は、電圧モニタ回路411から入力される電圧信号の有する電圧値と、定電圧源413から入力される所定の閾値とを比較し、比較結果を示す比較結果信号を生成する。コンパレータ412において生成される比較結果信号は、例えば、電圧信号の有する電圧値が、所定の閾値よりも高い場合にHレベルの電圧値を有し、所定の閾値よりも低い場合にLレベルの電圧値を有していればよい。
なお、コンパレータ412から出力される比較結果信号は、スイッチング素子32のON/OFFが切り替えられる度に、電圧モニタ回路411から入力される電圧信号が変化することによってHレベルとLレベルとが切り替るため、周波数特性を有する信号となる。
LPF414は、コンパレータ412から入力される比較結果信号の低域周波数成分を濾過し、FB制御信号として出力する。
可変定電流源42は、LPFから出力されるFB制御信号の電圧値に応じて、PFC回路20のPFC制御回路25の備える反転増幅器251に接続される端子273に印加される電位(FB電位とも呼称する)の値を変化させる。
具体的には、FB制御信号の値が大きい場合、可変定電流源42は、当該可変定電流源42に流れる電流値を徐々に大きくする。これによって、可変定電流源42は、端子273におけるFB電位を徐々に小さくする。
また、FB制御信号の値が小さい場合、可変定電流源42は、当該可変定電流源42に流れる電流値を徐々に小さくする。これによって、可変定電流源42は、端子273におけるFB電位を徐々に大きくする。
反転増幅器251は、抵抗271及び272によって分圧された端子273の電位であって、上述のようにFB制御信号の値によって変更される電位をFB電位としてモニタすることによって、LEDドライバ回路30の備えるON期間検出部41からのFB制御信号を受け付ける。
なお、本実施形態では、ON期間検出部41、及び可変定電流源42によって、制御信号生成回路を形成している。
〔LEDドライバ装置の動作タイミング〕
次に、本実施形態に係るLEDドライバ装置1の動作タイミングについて、図4から図10を参照して説明する。
(平滑化電流)
まず、LEDドライバ装置1の動作タイミングの説明に先立って、図4及び図5を参照して、PFC回路20から出力される平滑化電圧について説明する。
図4は、PFC回路20から出力される平滑化電圧が、LEDドライバ回路30の有するLED群311を発光させるのに適した値である場合の、平滑化電圧の波形の一例を示すグラフである。また、図5は、PFC回路20から出力される平滑化電圧が、LEDドライバ回路30の有するLED群311を発光させるのに適した値よりも大きな値である場合の、平滑化電圧の波形の一例を示すグラフである。
平滑化電圧がLED群311を発光させるのに適した電圧である場合、図4に示すように、平滑化電圧(図4における波形A)は、電源回路10からPFC回路20に入力される整流電圧(図4における波形B)の影響を受けず、安定した略一定の値となっている。
これに対し、平滑化電圧がLED群311を発光させるのに適した電圧よりも大きい場合、図5に示すように、平滑化電圧(図5における波形A’)は、電源回路10からPFC回路20に入力される整流電圧(図5における波形B’)の影響を受け、電圧変動(リップル電圧)が発生する。
図5に示す整流電圧の影響を抑えてリップル電圧の低下を図る方法としては、例えば、整流電圧を平滑化するコンデンサの容量の増加させること方法、及び、平滑化電圧がリップル電流の影響を受けない程度に、電源電圧に対して尤度を持たせる方法などを挙げることができる。ただし、前者の方法は、コストの増大を招き、また、回路規模の増大を招来することになるため、後者の方法が選択されることが多い。
(LED群の負荷電流)
次に、LED群311に流れる負荷電流、PFC回路20から入力される平滑化電圧、及び、LED群311のカソード端子に印加される電圧(カソード電圧とも呼称する)の関係について、図6及び図8を参照して説明する。
まず、LED群311の発光/非発光、及び、LEDドライバ回路30の駆動周波数と、平滑化電圧との関係について、図6を参照して説明する。
例えば、図3に示すように、LED群311が直接に接続されたn個のLEDを含んでいる場合、1つのLEDに印加される電圧をVfとすると、平滑化電圧の値として最低限必要な値は、図6に示すように、nVfとなる。つまり、LED群311は、平滑化電圧がnVf(V)未満である場合には発光せず、nVf(V)以上である場合に発光する。
また、図6に示すように、平滑化電圧がnVf(V)以上である範囲において、平滑化電圧が小さくなるほどスイッチング素子32の駆動周波数が低くなり、平滑化電圧が大きくなるほどスイッチング素子32の駆動周波数が高くなる。
次に、PFC回路20から出力される平滑化電圧が、ON期間検出部41によって生成されるFB制御信号により、LED群311を発光させるのに適した値に制御されている場合における、平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係について、図7を参照して説明する。図7は、FB制御信号によって制御された平滑化電圧がLEDドライバ回路30に入力される場合における、平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係を示すグラフである。
図7において、波形Cは負荷電流を示し、波形Dは平滑化電圧を示し、波形Eはカソード電圧を示している。また、図7に示す矢印Fは、LED群311に含まれるn個のLEDが発光するために必要な電圧(nVf(V))を表し、矢印Gは、カソード電圧を表している。
ここで、平滑化電圧をVinとすると、矢印Gで表されるカソード電圧は、Vin−nVfと表すことができる。
また、負荷電流は、図7の波形Cに示すように、鋸歯状の三角波となっている。また負荷電流は、上述したように、スイッチング素子32のON期間において単調増加の傾きを有し、OFF期間において単調減少の傾きを有する。なお、図6に示す負荷電流の有する単調増加、及び単調減少の傾きは、コイル313のインダクタをLとすると、次式のように表すことができる。
単調増加の傾き=(Vin−nVf)/L
単調減少の傾き=−nVf/L
つまり、ON期間における負荷電流の傾きは、平滑化電圧Vinが大きいほど急になり、平滑化電圧Vinが小さいほど緩やかになる。
なお、本実施形態に係るLEDドライバ装置1は、ON期間検出部41を備えていることによって、LEDドライバ回路30の駆動周波数を最適な周波数に保つように平滑化電圧の値を高精度で制御することができる。これによって、図7に示すように、LED群311に流れる負荷電流の周波数を略一定に保つことができる。
また、本実施形態に係るLEDドライバ装置1は、LEDドライバ回路30の駆動周波数を最適な周波数に保つことができるため、高い駆動周波数に起因する損失の発生を低減し、高効率でLED群311を発光させるよう駆動することができる。
次に、参考として、従来のLEDドライバ装置における平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係について、図8を参照して説明する。図8は、従来のLEDドライバ装置における平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係を示すグラフである。
図8(a)は、従来のLEDドライバ装置における平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係を示している。また、図8(b)は、(a)に示す平滑化電圧の低い期間Pにおける平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係を示し、(c)は、(a)に示す平滑化電圧の高い期間Qにおける平滑化電圧、負荷電流、及び、カソード電圧の関係を示している。
図8(a)〜(c)において、波形C1〜C3は負荷電流を示し、波形D1〜D3は平滑化電圧を示し、波形E1〜E3はカソード電圧を示している。
従来のLEDドライバ装置では、図8(a)に示すように、平滑化電圧を略一定の値に制御することができないため、平滑化電圧の値の変動に伴ってカソード電圧の値も変動してしまう。また、平滑化電圧及びカソード電圧の変動に起因して、負荷電流の周波数も変動してしまう。
また、図8(b)に示すように、平滑化電圧の低い期間Pでは、カソード電圧も低くなっている。また、平滑化電圧が低いため、負荷電流の有する単調増加の傾き(電流の立ち上がりの傾斜)が緩やかになり、これによってスイッチング素子のON期間が長くなる。したがって、平滑化電圧の低い期間Pでは、LEDドライバ回路30の駆動周波数が低下することになる。
さらに、図(c)に示すように、平滑化電圧の高い期間Qでは、カソード電圧も高くなっている。また、平滑化電圧が高いため、負荷電流の有する単調増加の傾き(電流立ち上がりの傾斜)が急になり、これによってスイッチング素子のON期間が短くなる。したがって、平滑化電圧の低い期間Pでは、LEDドライバ回路30の駆動周波数が上昇することになる。
このように、従来のLEDドライバ装置では、LEDドライバ回路30の駆動周波数を略一定に保つことができなかった。また、従来のLEDドライバ装置は、駆動周波数が低下した際にLEDの輝度のちらつきが目立たないよう、平滑化電圧を予め高く設定しているため、駆動周波数が上昇した場合に、高周波数に起因して発生する損失及び発熱が顕著に現れてしまっていた。
(動作タイミング)
次に、本実施形態に係るLEDドライバ装置1の動作タイミングについて、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、LEDドライバ回路30の備えるLED回路31の構成を示す回路図である。また、図10は、本実施形態に係るLEDドライバ装置1の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
なお、図9においては、スイッチング素子32を模式的にスイッチ32’を用いて表現し、また、PFC回路20から入力される平滑化電圧を電源を用いて表現している。
スイッチ32’がON状態であるとき、LED回路31には、図9に示す経路1に沿って負荷電流が流れることになる。また、スイッチ32’がOFF状態であるとき、LED回路31には、図9に示す経路2に沿って負荷電流が流れることになる。
図10(a)に示すように、LED制御回路33は、スイッチング素子32がON状態であるON期間と、OFF状態であるOFF期間とを交互に切り替える。
LED群311に流れる負荷電流は、図10(b)に示すように、ON期間において一定の割合で増加し、OFF期間において一定の割合で減少する。なお、図9及び図10(h)に示すように、ON期間における負荷電流の流れる経路は経路1であり、OFF期間における負荷電流の流れる経路は経路2である。
LED制御回路33は、図10(b)に示すように、負荷電流の値がピーク値に達したときにスイッチング素子32をOFF状態にする。また、OFF期間制御部334において、スイッチング素子32のOFF期間がOFF固定期間に達したことが検出されると、LED制御回路33は、再びスイッチング素子32をON状態にする。
電圧モニタ回路411からコンパレータ412に入力される電圧は、図10(c)に示すように、ON期間において一定の割合で増加する。
また、図10(c)及び(d)に示すように、コンパレータ412から出力される比較結果信号のレベルは、コンパレータ412への入力電圧が、定電圧源413から入力される所定の閾値以上になるとHレベルとなり、所定の閾値より小さくなるとLレベルとなる。なお、定電圧源413から入力される所定の閾値は、図10(c)において、一点鎖線で示している。
LPF414から出力されるFB制御信号によって可変定電流源42が駆動され続け、図10(e)に示すように、可変定電流源42の出力レベルが徐々に増加する。これによって、反転増幅器251に入力される端子273のFB電位(FeedBack電位)が、図10(f)に示すように、徐々に減少する。
PFC制御回路25は、反転増幅器251に入力されるFB電位が徐々に減少すると、平滑化電圧の値が低下していると判定し、図10(g)に示すように、平滑化電圧の値を徐々に増加する。
(平滑化電圧調整処理)
次に、LEDドライバ装置1において、スイッチング素子32の駆動周波数を最適に変更することにより、LED群311に印加される平滑化電圧の値を最適な値に保つ平滑化電圧調整処理について、図11を参照して説明する。図11は、平滑化電圧調整処理の流れを示すフローチャートである。
LED制御回路33は、スイッチング素子32をON状態にする(ステップS1)。これにより、平滑化電圧に応じた負荷電流がLED群311に流れるようになる。
次に、LED制御回路33は、平滑化電圧がLED回路31に十分印加されたか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、LED制御回路33は、ドライバ回路333にモニタ電位が閾値以上であることを示す比較結果がコンパレータ331から入力された場合に、平滑化電圧がLED回路31に十分印加された(すなわち、負荷電流の値が予め定められたピーク電流の値に達した)と判定する。
LED制御回路33によって平滑化電圧がLED回路31に十分印加されていないと判定された場合(ステップS2においてNO)、ON期間検出部41は、FB制御信号を出力する(ステップS3)。また、可変定電流源42は、ON期間検出部41から供給されたFB制御信号に従って、当該可変定電流源42を駆動(ドライブ)することによって(ステップS4)、FB電位を低下させる(ステップS5)。
PFC回路20は、PFC制御回路25においてFB電位が低下したことを検出すると、平滑化電圧を上昇させる(ステップS6)。
平滑化電圧が上昇すると、LED制御回路33は、再び、平滑化電圧がLED回路31に十分印加されたか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、PFC回路20及びLEDドライバ回路30は、LED制御回路33において平滑化電圧がLED回路31に十分印加されたと判定されるまで、ステップS2からS6までの動作を繰り返すことになる。
平滑化電圧がLED回路31に十分印加されたと判定された場合(ステップS2においてYES)、LED制御回路33は、スイッチング素子32をOFF状態にする(ステップS7)。
LED制御回路33は、スイッチング素子32をOFF状態にすると、OFF期間制御部334において、OFF固定期間が経過したか否かを判定する(ステップS8)。
OFF固定期間が経過すると(ステップS8においてYES)、LED制御回路33は、スイッチング素子32を再びON状態にする(ステップS1)。
このように、ステップS1からS8までの動作を繰り返すことによって、スイッチング素子32の駆動周波数が決定される。なお、本実施形態においては、図11に示すステップS1からS6までの動作期間が上述したON期間に相当し、ステップS7からS8までの動作期間が上述したOFF期間に相当する。
本実施形態に係るLEDドライバ装置1は、上述のようにして、311に印加される平滑化電圧を最適に調整することによって、スイッチング素子32の駆動周波数を最適に保つことができる。したがって、LEDドライバ装置1は、LEDドライバ回路30の駆動周波数が高いことに起因する動作損失を低減することができる。また、これによって、動作損失によって発生するLEDドライバ回路30の発熱を抑制することができる。
さらに、LEDドライバ回路30における上述のように動作損失を低減することができることによって、LEDを効率よく動作させ、消費電力を削減することのできるLEDドライバ装置1を実現することができる。
〔損失低減の効果〕
本実施形態に係るLEDドライバ装置1における、LED発光時の損失の低減の効果について、以下に説明する。
LEDドライバ装置における各要素のパラメータを、それぞれ、電源プラグが接続される電源電圧Vac=100(V)、コイルのインダクタL=7500(μH)、スイッチング素子のオフ期間を4(μsec)、直列に接続されてLED群を構成するLEDの個数n=52個、LED群において消費される消費電力PLED=43W、LED群に流れる負荷電流If=240(mA)とする。
ここで、LEDを発光させるために必要なLED駆動電圧をVfとする。さらに、本実施形態に係るLEDドライバ装置1において、LEDドライバ回路30の駆動周波数を最適に保つために必要なLED駆動電圧をVftypとする。
また、従来、LEDドライバ装置を製造時に、製造時の特性のばらつき、LED発光時の温度変化、及び、LEDに流れる電流のスイッチング素子のON期間とOFF期間とにおける変化などに代表される設計のバラつきを加味して予め設定されていた、LED駆動電圧をVfmaxとする。
このとき、例えば、Vftyp=3.13(V)、Vfmax=3.62(V)とすると、それぞれの場合において、LED52個を発光させる場合に必要な電圧は、次式によって得られる。
n×Vftyp=52×3.13=162.76(Vtyp)
n×Vfmax=52×3.62=188.24(Vmax)
また、LEDドライバ装置の備えるLEDドライバ回路30の理想的な駆動周波数をfsw=40(kHz)とする。このとき、この理想的な駆動周波数を得るために必要な平滑化電圧Vinは、本実施形態に係るLEDドライバ装置1において必要な平滑化電圧をVintypとし、従来のLEDドライバ装置において必要な平滑化電圧をVinmaxとすると、それぞれ、Vintyp=195(V)、Vinmax=225(V)程度の電圧が必要になる。
ここで、LEDドライバ回路30において発生する損失は、次式のように表すことができる。
式1は、スイッチング素子32において発生する電力損失(PFET)を表し、式2は、ダイオード312において発生するリカバリー損失(PDIODE)を表している。また、式1におけるPONは導通損失を示し、Pswはスイッチング損失を示し、PGATEはゲート損失を示している。さらに、式2におけるPfは順方向損失を示し、Prrは逆回復損失を示している。
また、平滑化電圧に関係する損失(Psw、Prr)は、次式のように表すことができる。
ここで、本実施形態において採用する各素子の特性を、例えば、上昇時間の特性t=40(nsec)、下降時間の特性t=40(nsec)、逆回復時間の特性trr=35(nsec)と仮定し、逆回復時にダイオードに流れる電流をI=1.5(A)と仮定する。この場合、本実施形態に係るLEDドライバ装置1において発生する損失Ptyp、及び従来技術におけるLEDドライバ装置において発生する損失Pmaxは、それぞれ次式のように表すことができる。
式5、及び式6によれば、本実施形態に係るLEDドライバ装置1は、設計のバラつきを加味して設計された従来のLEDドライバ装置において発生する損失(式6)よりも、15パーセント程度、損失を低減させることができていることがわかる(式5)。
このことから、本実施形態に係るLEDドライバ装置1は、従来のLEDドライバ装置よりも、LED群311に印加する平滑化電圧の値を抑えることができ、高効率でLED群311を発光させることができることがわかる。
したがって、本実施形態に係るLEDドライバ装置1は、ON期間検出部41を備えていることによって、LEDドライバ回路30の駆動周波数を最適な周波数に保つように平滑化電圧の値を高精度で制御することができ、これによって、LED群311を高効率で発光させることができる。
なお、一般的に、LEDドライバ回路の駆動周波数、つまり、スイッチング素子の駆動周波数が100Hz以下などのいわゆる超低周波数である場合、LED群の輝度のちらつきがフリッカとして視認可能なほど目立ち、LEDドライバ装置の品位を低下させることが知られている。
また、20Hz〜20kHzは可聴帯域であるため、LEDドライバ回路の備えるコイルの振動がノイズ(唸り)となって聞こえてしまう。さらに、機器をリモートコントロールするためにリモートコントローラから送信されるリモコン信号の搬送波の周波数帯域として、37.9kHzが用いられることが多い。
したがって、LEDドライバ回路の最適な駆動周波数として、上記の何れの周波数よりも高い周波数を設定することが好ましく、例えば、40kHz以上に設定することが好ましい。
また、上述したように、LEDドライバ回路の駆動周波数が必要以上に高い場合には、LEDドライバ回路において損失が発生し、駆動効率が低下すると共に、発熱の原因にもなる。したがって、LEDドライバ回路の最適な駆動周波数として、損失の発生をある程度抑えることができるよう、周波数の上限値を設定することがより好ましい。
なお、LEDドライバ回路の最適な駆動周波数の上限値は、LEDドライバ装置の使用環境、及び、LEDドライバ回路に用いられる回路素子の特性などによって、任意に設定されればよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
なお、上述したLEDドライバ装置1を備えたLED照明装置、スマートフォン、及び、テレビジョン受像機なども、本発明の範疇に含まれる。
本発明に係る表示装置は、LEDを駆動させるLEDドライバ装置に好適に適用することができる。また、照明装置、表示装置、テレビジョン受像機、スマートフォン、携帯電話、デジタルカメラ、及び、電子黒板などに好適に適用することができる。
1 LEDドライバ装置
10 電源回路
11 電源プラグ
12 整流回路
20 PFC回路(力率改善回路)
21 コイル
22 スイッチング素子
23 ダイオード
24 コンデンサ
25 PFC制御回路(出力電圧調整回路)
27 分圧回路
30 LEDドライバ回路
31 LED回路
32 スイッチング素子
33 LED制御回路
34 抵抗
41 ON期間検出部(制御信号生成回路)
42 可変定電流源(制御信号生成回路、電圧変更回路)
250 FB入力部
251 反転増幅器
252 定電圧源
253 波形整形部
254 コンパレータ
255 ドライバ回路
256 増幅器
331 コンパレータ
332 定電圧源
333 ドライバ回路
334 OFF期間制御部
335 増幅器
411 電圧モニタ回路(発信回路)
412 コンパレータ
413 定電圧源
414 LPF(ローパスフィルタ)

Claims (6)

  1. 力率改善回路と、LEDに印加される電圧をスイッチング素子によるスイッチング方式にて制御するLEDドライバ回路とを備えたLEDドライバ装置であって、
    上記LEDドライバ回路は、上記スイッチング素子のオン期間の長さに応じた電位を有する制御信号を生成する制御信号生成回路を備えており、
    上記力率改善回路は、上記制御信号の電位に応じて、上記LEDに印加する電圧の大きさを変更する、
    ことを特徴とするLEDドライバ装置。
  2. 上記制御信号生成回路は、上記スイッチング素子のオン期間が短くなるほど高い電位を有する制御信号を生成し、
    上記力率改善回路は、上記制御信号の電位が高くなるほど、上記LEDに印加する電圧を小さくする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のLEDドライバ装置。
  3. 上記制御信号生成回路は、
    上記スイッチング素子のオフ期間において一定の電圧値を有し、上記スイッチング素子のオン期間において所定の割合で上昇する電圧値を有する電圧信号を生成する発信回路と、
    上記発信回路が生成した電圧信号の電圧値と、所定の閾値とが入力されるコンパレータと、
    上記コンパレータの出力信号が入力され、上記制御信号を出力するローパスフィルタと、を備えている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDドライバ装置。
  4. 上記力率改善回路は、
    上記LEDに印加する電圧を2つの抵抗によって分圧する分圧回路と、
    上記分圧回路によって分圧された電圧に基づいて上記LEDに印加する電圧の大きさを変更する出力電圧調整回路と、を備え、
    上記制御信号生成回路は、上記分圧回路によって分圧された電圧を、上記制御信号に応じて変更する電圧変更回路を、さらに備えている、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のLEDドライバ装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のLEDドライバ装置を備えている、
    ことを特徴とするLED照明装置。
  6. 請求項1から4の何れか1項に記載のLEDドライバ装置を備えている、
    ことを特徴とするテレビジョン受像機。
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