JP2013229107A - レート特性、サイクル特性に優れ、高エネルギー密度であっても高い安全性を有するリチウムイオン二次電池 - Google Patents

レート特性、サイクル特性に優れ、高エネルギー密度であっても高い安全性を有するリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 リチウムイオン二次電池の提供。
【解決手段】負極バインダーがブタジエンの共重合体とセルロース系化合物を含む組成物からなり、電解液がポリマーを含む電解質からなる、レート特性、サイクル特性に優れ、高エネルギー密度でも高い安全性を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関するものであり、更に詳しくは、負極バインダーとして、ブタジエンの共重合体とセルロース系化合物を含む組成物を用い、電解液としてポリマーを含む電解質を用いることにより、レート特性、サイクル特性に優れ、高エネルギー密度であっても高い安全性を有するリチウムイオン二次電池を製造し提供することを可能としたものである。
リチウムイオンポリマー電池は、薄型化が可能であること、形状選択の自由度の高さ、安全性の高さなどから、モバイル機器用の電源などとして注目されている。最近では、モバイル機器の機能の増加あるいは電気自動車用の電池としての利用の開発実用化が進んでいることなどに伴い、高エネルギー化とそれに伴う電池特性の改善が技術開発の目標となっている。こうした中で、重要な技術課題として1)安全性の向上、2)サイクル特性の改善、3)高エネルギー密度化などが挙げられる。
これらのなかで、安全性の向上においては、可燃性の有機電解液をゲルポリマーにトラップすることで漏液を防止しすることが提案されている。例えば、特許文献1には電解質は,環状カーボネート、およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはこれらの組み合わせで構成される群より選択される置換基を有するラクトン系化合物を含む非水性有機溶媒,およびリチウム塩を含むリチウム二次電池が提案され、特許文献2では、ポリマーが、平均で4.5以下の連続したオキシアルキレンユニットを有する3官能以上のモノマーを含むモノマー成分を重合することにより得られ、且つ、高分子ゲル電解質中の該ポリマー含量が20重量%以下である高分子ゲル電解質はイオン伝導性などの特性は通常の電解液に近い特性を示すが、流動性や揮発性などは著しく抑制されて安全性が高められたリチウム二次電池が提案されている。
また、特許文献3には(A)(メタ)アクリレートに由来する構造単位40〜89.9重量%と(B)アクリロニトリルに由来する構造単位10〜50重量%および(C)側鎖に二重結合を有する構造単位0.1〜10重量%からなる重量平均分子量が5000〜500000であるアクリル樹脂に、(D)熱あるいは光反応が可能な架橋用モノマーを加えて架橋させたマトリックスポリマーと(E)アルカリ金属塩を溶解した(F)非水電解液とを含んでいる高分子電解質およびこの高分子電解質を用いた機械的強度の優れた電池が提案されている。
サイクル特性の改善については、電極のサイクルに伴う膨張、収縮による電極活物質、さらに集電体との密着性の低下による容量低下を抑制するために、種々のバインダーが検討されている。特許文献5には、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の接着性と耐熱、耐薬品性の向上のためフッ化ビニリデン単量体100モルと、少なくともエポキシ基を含有するアクリルビニル単量体0.1〜5.0モルとの共重合体であるエポキシ基含有フッ化ビニリデン系共重合体が提案されている。
また、特許文献6には、含フッ素系単量体から形成される含フッ素系重合体セグメントと、非フッ素系単量体から形成される非フッ素系重合体セグメントとより構成される含フッ素ブロック共重合体からなる非水系電池電極形成用バインダーからなり、前記含フッ素系重合体セグメントが、含フッ素単量体の単独または含フッ素単量体と、アルキル基の炭素数が12〜22のアルキル(メタ)アクリレートとの混合物から形成されるものである共重合体が提案されている。
その他のバインダーとしては、特許文献7には分子末端がいずれも(メタ)アクリロイル基であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)および/または分子末端の少なくとも1つが(メタ)アクリロイル基でかつ残りが炭化水素基であるポリイソシアネート系誘導体(B)、光重合開始剤および/または熱重合開始剤を含有してなる充放電サイクル特性がより一層向上したリチウム二次電池電極用バインダー組成物、および、該バインダー組成物と活物質からなる電極、該電極を備えたリチウム二次電池が提案され、特許文献8には、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリレートおよび(B)ニトリル基を有する(メタ)アクリレートを必須成分とし、ガラス転移点温度が−30〜25℃であるアクリル系樹脂、このアクリル系樹脂を非水溶媒に溶解または分散させた非水溶媒系バインダー組成物を用いた非水溶媒系二次電池であって、サイクル寿命特性、活物質の増量に有効で体積エネルギー密度を増大することができ、破裂、爆発危険性が小さく、安全性が高い非水溶媒系二次電池が提案されている。
さらに、高エネルギー密度化については、特許文献9において、ポリマーを含む活物質混合物層と活物質混合物層を支持する集電体からなる一対の電極、ポリマーからなる多孔性のセパレータ、および前記電極およびセパレータに保持された有機電解液を具備する有機電解質電池において、前記活物質混合物層の多孔度を30〜60%とする。正極活物質混合物層の多孔度は40〜55%、負極活物質混合物層の多孔度は35〜45%の範囲にあるリチウムイオンポリマー電池であり、ゲル電解質−活物質複合電極の多孔度を適切に規定することで容量密度が向上することが提案されている。
特開2006−19274号公報 特開2000−306604号公報 特開2001−243835号公報 特開2003−197262号公報 特開2003−155313号公報 特開2002−141068号公報 特開2005−44681号公報 特開2000−344838号公報 特開平11−307100号公報
従来、リチウムイオン電池またはリチウムイオンポリマー電池の電極活物質のバインダーとして、ポリフッ化ビニリデン系樹脂や、スチレンブタジエンラバー(SBR)が一般的に用いられている。ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、耐薬品性、耐汚染性などに優れているが、電極活物質と金属集電体との結着性が劣るという問題点がある。また、SBRは耐薬品性を有するものの電極活物質とバインダーとの均一分散が困難で界面活性剤などの添加剤を必要とし、電池の充放電効率を低下させるなどの問題点がある。代表的な含フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が耐薬品性に優れており幅広く利用されている材料であり、リチウム二次電池の電極バインダーとしても利用されてきている。しかしながら、金属などの基材との結着強度が小さいという問題があり、バインダー濃度を上げることにより結着強度を強化していた。
従来量産化されているのは、負極バインダーにポリフッ化ビンリデン(PvdF)を用い、電解液ポリマーにアクリル重合体を使用したリチウムイオン二次電池や、負極バインダーにスチレンブタジエンゴム(SBR)を用い、電解液に鎖状もしくは環状カーボネートを使用したリチウムイオン二次電池が知られている。これらの二次電池において、負極バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いた場合には、電池エネルギー密度が400wh/Lを超えると釘刺しなどの内部短絡に対する安全性が急激に悪化する問題があった。また、負極バインダーとしてSBRを用いることで安全性が向上することは文献などでよく知られており量産化も試みられてはいるが、SBRをバインダーとした負極は抵抗が高く、リチウムイオン伝導度の低いポリマー電解液と組み合わせると、レート特性やサイクル特性が悪化する大きな問題があり量産化することはできなかった。
本発明は従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、高エネルギー密度を有し、レート特性、充放電サイクル特性を改善したリチウムイオンポリマー電池を提供することにある。
(1)負極バインダーがブタジエンの共重合体とセルロース系化合物を含む組成物からなり、電解液がポリマーを含む電解質からなる、レート特性、サイクル特性に優れ、高エネルギー密度でも高い安全性を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
(2)ブタジエンの共重合体が、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリレート−ブタジエンゴムから選ばれた一種以上である上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池。
(3)セルロース系化合物が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはメチルセルロースから選ばれた1種以上である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
(4)負極バインダーの組成が、カーボン:ブタジエンの共重合体:セルロース系化合物の重量比で、100:0.01〜20:0.01〜20の範囲にある上記(1)から(3)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
(5)電解液に含まれるポリマーが、不飽和二重結合を有するアクリル酸系モノマーから選ばれた1種以上のモノマーを重合したものである上記(1)から(4)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
(6)不飽和二重結合を有するアクリル酸系モノマーが、多価アルコールとアクリル酸のエステルからなる請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
(7)多価アルコールが、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールおよび、それらの多価アルコールの縮合物から選ばれた一種以上である上記(6)に記載のリチウムイオン二次電池。
(8)アクリル酸系モノマーは、ラジカル反応性を有する4個以上の官能基を有する多官能アクリレートである上記(5)から(7)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
(9)複数枚の正極および/または負極を有し、正極と負極が交互に積層されている上記(1)から(8)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
本発明では、負極バインダーにブタジエンの共重合体とセルロース系化合物を含む組成物を使用することにより、内部短絡時の発熱挙動を抑えることで、エネルギー密度400wh/L以上の電池を製造し提供することができる。さらに具体的にはSBRとCMC組成比を最適化することにより、レート特性およびサイクル特性を現行のリチウムイオン二次電池と同等以上に高めることができ、電解液ポリマーとして高イオン伝導度ポリマーを使用することによりさらに出力特性を高めることを可能にした。
本発明は、溶媒と少なくとも1種のゲル電解質を用いたリチウムイオンポリマー電池において、負電極バインダーとしてブタジエンの共重合体とセルロース系化合物を含む組成物からなることを特徴とするものであり、好ましくは、負極バインダーとしてカーボン、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)を採用し、その配合比を変化させることにより、電極活物質に応じた結着性と屈曲性を得ることができ、さらに電池のエネルギー密度とレート特性、サイクル特性を改善できることを見出したものである。本発明のリチウムイオン二次電池は、通常、正極、負極が交互に積層されている形式の積層型とすることが好ましい。
[リチウム二次電池の構成要素]
本発明が対象とするリチウムイオン二次電池は、例えば、炭素材料を負極活物質として含む負極と、正極と、非水電解液とポリマー電解質を、主要構成要素として備えてなる。しかしながら、それらの構成要素に特に限定されるものではなく、既に公知の構成要素を組み合わせて構成するものであっても差し支えない。以下に、その一例として、一般的な態様を示す。
[負極]
[黒鉛]
本発明が対象とするリチウム二次電池は、炭素材料を負極活物質として含む負極を用いる。黒鉛質材料は、真密度が高くまた導電性に優れるため、容量が大きく(エネルギー密度の高い)、パワー特性の良好なリチウム二次電池を構成できるという利点がある。炭素材料には各種のものが使用され、人造黒鉛は、例えば、易黒鉛化性炭素を2800℃以上の高温で熱処理して製造することができる。易黒鉛化性炭素としては、一般に石油や石炭から得られるタールピッチを原料としたもので、コークス、MCMB、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維などが挙げられる。また、フェノール樹脂などの有機化合物焼成体をも用いることができる。
また、いわゆるハードカーボンと呼ばれる難黒鉛化性炭素が使用される。これは、ガラス状炭素に代表される非晶質に近い構造をもつ炭素材料である。一般的には熱硬化性樹脂を炭素化して得られる材料であり、難黒鉛化性炭素には安全性が高く、比較的低コストであるという利点があり、難黒鉛化性炭素を負極活物質として用いるのが望ましい。このように、負極活物質として用いることができる炭素材料には、天然黒鉛、球状あるいは繊維状の人造黒鉛などの黒鉛質材料、難黒鉛化性炭素材料、および、フェノール樹脂などの有機化合物焼成体、コークスなどの易黒鉛化性炭素材料の粉状体を挙げることができる。これらの炭素材料にはそれぞれの利点があり、作製しようとするリチウム二次電池の特性に応じて選択すればよい。
本発明の非水電解質二次電池に用いられる負極の作製法の一例を以下に説明する。まず、負極活物質としてのリン片状天然黒鉛と、結着剤としてのスチレンーブタジエンゴム(SBR)のディスパージョン(例えば、固形分が48%のもの)とを水系溶媒としての水に増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加して負極活物質スラリーを調製する。次いで、得られた負極活物質スラリーを銅箔(例えば厚みが10μmのもの)からなる負極集電体の両面に、乾燥後の質量で200g/m2となるよう塗布して、負極合剤層を負極集電体の両面に形成する。この後、乾燥させて水分を除去した後、ロールプレスによって、負極活物質の充填密度が1.7g/cm3となるまで圧縮する。その後、電池幅に合うように切断し、110℃で2時間真空乾燥して負極を得る。
ここで、バインダーとしては、ブタジエンの共重合体を好ましく使用することができる。ブタジエンの共重合体としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリレート−ブタジエンゴムなどがある。また、これらのポリアクリル酸、プロピレンおよび炭素数が2〜8のオレフィンの共重合体、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体なども使用することができる。
さらに、水溶性高分子バインダーに結着性を向上させるための水溶性増粘剤を添加する。水溶性増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース−アルカリ金属塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース−アルカリ金属塩、またはメチルセルロース−アルカリ金属塩などのセルロース系化合物を使用することができる。アルカリ金属塩で、アルカリ金属としては、Na、K、またはLiを使用することができ、このようにアルカリ金属塩が添加されたセルロース系化合物を使用すると、セルロース系化合物を単独で使用する場合には水溶性高分子バインダーおよびセルロース系化合物が全て不導体であるために電子伝導経路の減少およびイオン伝導経路の減少を招き、結局、電池の内部抵抗が増加して、結果的に電池の高率放電特性の悪化を招く問題があるが、これを防止することができる。
また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリールアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N、N−ジメチルアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレン、ポリ(2−メトキシエトキシエチレン)、ポリ(3−モルピリニルエチレン)、ポリビニルスルホン酸、ポリフッ化ビニリデンフルオライド、アミロースなども増粘剤として使用することができる。
負極は、これらの炭素材料の粉状体に結着剤を混合し、ペースト状の負極合材としたものを、銅などの金属箔製の集電体表面に塗布、乾燥し、その後必要に応じプレスなどにて負極合材の密度を高めることによってシート状のものを形成して製造する。
前記ゴム系高分子と、セロース化合物との混合割合は、カーボン100重量部に対して、ブタジエンの共重合体が0.01〜20質量部、セルロース化合物0.01〜20質量部とすることが好ましい。ブタジエンの共重合体の配合割合をこの下限値未満にすると、負極合剤の柔軟性が低下してサイクル特性が低下することがある。一方、ブタジエンの共重合体の配合割合が上限値を超えると、リチウムの挿入・脱離反応が阻害され、重負荷特性が低下することがある。また、セルロース系化合物についても同様の傾向がみられる。ブタジエンの共重合体とセルロース化合物の質量比は0.5〜5.0とすることが好ましい。また、カーボン、ブタジエンの共重合体およびセルロース系高分子の組成がこの範囲内になることにより、レート特性とサイクル特性が改善され、エネルギー密度が400wk/L以上でも高い安全性を保った電池とすることができる。
[正極]
正極活物質には、種々の公知の物質を用いることができる。一般には、Co、Mn、Ni、Mo、V、Cr、Fe、Cu、Tiなどの遷移金属とLiとの複合酸化物を用いることができるが、層状岩塩構造リチウムコバルト複合酸化物、層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物、スピネル構造リチウムマンガン複合酸化物などを用いることが好ましい。LiサイトあるいはCo、Ni、Mnのサイトの一部を他の遷移金属元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類元素などで置換したものを用いることも可能である。遷移金属カルコゲン化物;バナジウム酸化物およびそのLi化合物;ニオブ酸化物およびそのLi化合物;有機導電性物質を用いた共役系ポリマー;シェブレル相化合物;活性炭、活性炭素繊維などといった、他の正極材料を用いることも可能である。
正極は、正極活物質となり得る物質の粉状体に導電材および結着剤を混合し、溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、アルミニウムなどの金属箔製の集電体表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したシート状のものとすることができる。導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などの炭素物質粉状体の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。結着剤は、負極の場合と同様、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴムなどの含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤としては、負極の場合と同様、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
[非水電解液]
非水電解液は、電解質としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解させたものである。リチウム塩は有機溶媒に溶解することによって解離し、リチウムイオンとなって電解液中に存在する。使用できるリチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22などが挙げられる。これらのリチウム塩は、それぞれ単独で用いてもよく、また、これらのもののうち2種以上のものを併用することもできる。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜1.5モル/lとすることが望ましい。
リチウム塩を溶解させる有機溶媒には、非プロトン性の有機溶媒を用いる。例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテルあるいは鎖状エーテルの1種または2種以上からなる混合溶媒を用いることができる。環状カーボネートとしてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが例示される。鎖状カーボネートの例示としてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどが、環状エステルとしてはガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンなどが例示される。環状エーテルとしてはテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが例示される。鎖状エーテルとしてはジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルなどが例示される。
[セパレータ]
セパレータは、正極、負極の間に設置した絶縁体としての役割を果たす他、電解質の保持にも大きく寄与する。通常は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはその両者の混合布、ガラスフィルターなどの多孔体が一般に使用される。
[ポリマー電解質]
ポリマー電解質を作製する方法としては、不飽和二重結合を有するアクリル酸系モノマーであって多価アルコールとアクリル酸のエステルからなるモノマーや、エポキシ、オキセタン、ホルマールなどのカチオン重合性の環状エーテル基を有するモノマーを上記した非水電解質に含ませた後、モノマーを重合させる方法が例示される。このモノマーを重合させる時点は電池を組み立てた後としてもよい。これらの材料のうち、不飽和二重結合を有するモノマーは、熱、紫外線、電子線などによって重合させることができるが反応を効果的に進行させるために重合開始剤を添加してもよい。本発明において、電解質に含まれるゲル化成分として、たとえば、熱重合可能な重合基を1分子あたり2個以上有するモノマー、またはオリゴマー、共重合オリゴマーなどが挙げられる。
多価アルコールとアクリル酸のエステルからなるモノマーにあっては、多価アルコールを挙げることができる。
多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ヘキシトール、ソルビトール、マンニトール、および、それらの多価アルコールの縮合物であるジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジグリセリンなどから選ばれた一種以上であることが好ましい。さらに、アクリル酸系モノマーは、ラジカル反応性を有する4個以上の官能基を有する多官能アクリレートであることが好ましい。
本発明に適した不飽和二重結合を有するアクリル酸系モノマーの具体例としては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレートポリウンデシレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
上記モノマー成分としては、上記のモノマー、オリゴマー、またはポリマーに限定されるものではなく、ゲル化可能なものであれば、使用できる。また、ゲル化には一種類のモノマー、オリゴマーまたはポリマーに限定されるものではなく、必要に応じて複数種のゲル化成分を混合しても使用できる。これらモノマーは、ゲル電解質を形成するポリマーの95〜30質量%が好ましく、さらに90〜40質量%が好ましく、さらに60〜45質量%が好ましい。また、2官能アクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマー、3官能以上のアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーをそれぞれ単独、または2種以上を併用してもよい。
[電池の製造]
本発明に係る負極材料から、当業者には周知の電極の製造方法に従って、非水電解質二次電池用負極を製造することができる。例えば、本発明の負極材料の粉末に、適当なバインダーを混合し、必要に応じて導電性向上のために適当な導電粉を混合する。この混合物にバインダーを溶解する溶媒を加え、必要であればホモジナイザー、ガラスビーズを用いて充分に攪拌してスラリー状にする。このスラリーを圧延銅箔、銅電析銅箔などの電極基板 (集電体) にドクターブレードなどを用いて塗布し、乾燥した後、ロール圧延などで圧密化させることで非水電解質二次電池用負極を製造することができる。溶媒としては、バインダーに応じて、NMP(N-メチルピロリドン) 、DMF(ジメチルホルムアミド) などの有機溶媒、または水を使用する。
本発明のリチウム二次電池の製造工程は、負極と正極とを対向させて電極体を形成させて、非水電解液、ポリマー電解質を電極体に含浸させて電池を組付ける電池組付工程からなる既知の方法で製造される。例えば、シート状の正極および負極を対向させて電極体を形成させ、正極と負極との間には、正極と負極とを分離し電解液を保持する役割を果たすセパレータを挟装させる。このセパレータには、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの薄い微多孔膜を用いることができる。
電極体の形状は、作製しようとする電池の形状に応じて決定される。例えば、円盤状あるいはカード状の正極および負極を対向させて、円形あるいはカード形電池の電極体とすることができ、また、カード状の正極および負極を複数枚ずつ用い、それを交互に幾重にも重ねて角型電池の電極体とすることもできる。さらに、帯状の正極および負極を捲回し、円筒型電池の電極体とすることができる。また、電極体の大きさについても用途に応じて適宜決定される。
本発明によれば、カーボンブラックや黒鉛粉末などからなる導電材および結着剤を含む正極と、電気化学的にリチウムを挿入・脱離可能な炭素質材およびSBRゴム系高分子とセルロース化合物からなる決着剤を含む負極とすることによって、内部短絡を大幅に改善でき、かつ高容量で、比較的大電流における充放電サイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池を提供できる。さらに、アクリル系モノマーからなる重合体を含む非水電解液を用いることによりさらに性能が向上する。
本発明の非水系二次電池は、基本構造として、負極、正極、セパレータ、非水系の電解質を含んでいる。負極及びアクリル系バインダーは上記のように本発明に従って製造したものを使用するが、他の正極、セパレータ、電解質については特に制限されず、公知のもの、あるいは今後開発される材料を適当に使用すればよい。非水系二次電池の形状も特に制限されず、円筒型、角形、コイン型、シール型など何れの形でもよい。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
(比較例1)
<電極用スラリーの調整>
以下に示す組成に従ってプラネタリーミキサーで混練・分散処理し、正極スラリーと負極スラリーを調整した。
(正極スラリー組成)
LiNi0.80Co0.15Al0.052(活物質) :44.0部
LiCoO2(活物質) :19.4部
アセチレンブラック (導電材) : 1.4部
ポリフッ化ビニリデン(バインダー) : 2.8部
N−メチルピロリドン(溶剤) :32.4部
(負極スラリー組成)
非晶質炭素表面被覆グラファイト(活物質) :40.2部
メソカーボンマイクロビーズ (活物質) : 8.0部
PVdF (バインダー) : 4.3部
N−メチルピロリドン (溶剤) :47.5部
<電解液の調整>
電解液の調整に使用した原料は次の通りである。そして、以下に示す組成に従って溶解し、均一な電解液を調整した。
(電解液組成)
プロピレンカーボネート :35.4部
エチレンカーボネート :38.8部
LiPF6 :18.5部
ポリエチレングリコールジアクリレート : 4.7部
(東亞合成(株)社製 アロニックスM−240)
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート : 2.4部
(東亞合成(株)社製 アロニックスM−370)
架橋開始剤(化薬アクゾ(株)社製 トリゴノックス23C−70) : 0.2部
<二次電池の製造>
先ず、ドクターブレードにより、厚さ15μmのアルミ箔上に正極用塗料を片面塗布して乾燥し、目付け量が12.15mg/cm2で、空隙を有する正極活物質層が形成されたシートを得た。その後、カレンダー処理し、最終的な層厚を約59μmとした。
上記と同様に、厚さ10μmの銅箔上に負極用塗料を片面塗布して乾燥し、目付け量が6.65mg/cm2で、空隙を有する負極活物質層を形成されたシートを得た。次に、カレンダー処理し、最終的な層厚を約58μmとした。 その後、塗膜の再乾燥をドライ環境下、120℃で行なった後、所定の形状に打ち抜いた。
次いで、電解液塗布ピンにより、上記各シートの活物質層側に電解液を塗布して含浸させた。その際、電解液塗布ピンの高さを調節することにより、空隙が充填される分量よりも過剰な量を塗布し、表面の電解液を存在させた。
その後、厚さ16μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの空隙に電解液を含浸させた後、微多孔性フィルムを間にして正極シートと負極シートを積層し、ついで全体を93℃に加温することによって電解液をゲル化し、活物質層内の空隙と電解質層に連続したゲル状電解質を形成し、正極、電解質層および負極からなる電池素子Aを得た。
次いで、電池素子Aを14個並列に積層して電池素子Bを得た。電池素子Bに端子を取り付けた後、真空パックに封入することにより、0.2C容量が2541mAhで体積エネルギー密度388Wh/lのリチウム二次電池を得た。
(比較例2)
比較例1で使用した正極スラリー、負極スラリー、電解液を使用した。
比較例1と同様、ドクターブレードにより、厚さ15μmのアルミ箔上に正極用塗料を片面塗布して乾燥し、目付け量が13.0mg/cm2で、空隙を有する正極活物質層が形成されたシートを得た。その後、カレンダー処理し、最終的な層厚を62μmとした。
上記と同様に厚さ10μmの銅箔上に負極用塗料を片面塗布して乾燥し、目付け量が7.10mg/cm2で、空隙を有する負極活物質層を形成されたシートを得た。次に、カレンダー処理し、最終的な層厚を約61μmとした。その後、塗膜の再乾燥をドライ環境下、120℃で行なった後、所定の形状に打ち抜いた。
次いで、電解液塗布ピンにより、上記各シートの活物質層側に電解液を塗布して含浸させた。その際、電解液塗布ピンの高さを調節することにより、空隙が充填される分量よりも過剰な量を塗布し、表面の電解液を存在させた。その後、厚さ16μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの空隙に電解液を含浸させた後、微多孔性フィルムを間にして正極シートと負極シートを積層し、ついで全体を120℃に加温することによって電解液をゲル化し、活物質層内の空隙と電解質層に連続したゲル状電解質を形成し、正極、電解質層および負極からなる電池素子Aを得た。
次いで、電池素子Aを14個並列に積層して電池素子Bを得た。
電池素子Bに端子を取り付けた後、真空パックに封入することにより、0.2C容量が2725mAhで体積エネルギー密度409Wh/lのリチウム二次電池を得た。
(比較例3)
負極以外は、比較例1で使用した正極スラリー、電解液を使用した。
(負極スラリー組成)
非晶質炭素表面被覆グラファイト(活物質) :38.7部
メソカーボンマイクロビーズ (活物質) : 7.8部
スチレンブタジエンゴム (バインダー) : 0.9部
カルボメトキシセルロース : 0.4部
イオン交換水 :52.2部
<二次電池の製造>
先ず、ドクターブレードにより、厚さ15μmのアルミ箔上に正極用塗料を片面塗布して乾燥し、目付け量が13.00mg/cm2で、空隙を有する正極活物質層が形成されたシートを得た。その後、カレンダー処理し、最終的な層厚を約62μmとした。
上記と同様に、厚さ10μmの銅箔上に負極用塗料を片面塗布して乾燥し、目付け量が6.86mg/cm2で、空隙を有する負極活物質層を形成されたシートを得た。次に、カレンダー処理し、最終的な層厚を約60μmとした。 その後、塗膜の再乾燥をドライ環境下、120℃で行なった後、所定の形状に打ち抜いた。
次いで、電解液塗布ピンにより、上記各シートの活物質層側に電解液を塗布して含浸させた。その際、電解液塗布ピンの高さを調節することにより、空隙が充填される分量よりも過剰な量を塗布し、表面の電解液を存在させた。その後、厚さ12μmのポリエチレン製微多孔性フィルムを使用した以外は、比較例1と同様に作製し、0.2C容量が2722mAhで体積エネルギー密度412Wh/lのリチウム二次電池を得た。
(比較例4)
電解液組成以外は、比較例1と同様にリチウム二次電池を作製し、0.2C容量が2541mAhで体積エネルギー密度388Wh/lのリチウム二次電池を得た。
(電解液組成)
プロピレンカーボネート :35.4部
エチレンカーボネート :38.8部
LiPF6 :18.5部
ジペンタエリスリトールポリアクリレートポリウンデシレート : 7.1部
(新中村化学工業(株)社製 ADP−51)
架橋開始剤(化薬アクゾ(株)社製 トリゴノックス23C−70) : 0.2部
(比較例5)
電解液組成は、比較例4と同様であり、それ以外は、比較例2と同様にリチウム二次電池を作製し、0.2C容量が2722mAhで体積エネルギー密度409Wh/lのリチウム二次電池を得た。
電解液組成は、比較例4と同様であり、それ以外は、比較例3と同様にリチウム二次電池を作製し、0.2C 容量が2722mAhで体積エネルギー密度412Wh/lのリチウム二次電池を得た。
(比較例6)
電解液組成以外は、比較例1と同様にリチウム二次電池を作製し、0.2C容量が2545mAhで体積エネルギー密度388Wh/lのリチウム二次電池を得た。
(電解液組成)
プロピレンカーボネート :35.4部
エチレンカーボネート :38.8部
LiPF6 :18.5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 7.1部
(新中村化学工業(株)社製 ADPH)
架橋開始剤(化薬アクゾ(株)社製 トリゴノックス23C−70) : 0.2部
(比較例7)
電解液組成は、比較例6と同様であり、それ以外は、比較例2と同様にリチウム二次電池を作製し、0.2C 容量が2722mAhで体積エネルギー密度409Wh/lのリチウム二次電池を得た。
電解液組成は、比較例6と同様であり、それ以外は、比較例3と同様にリチウム二次電池を作製し、0.2C 容量が2722mAhで体積エネルギー密度412Wh/lのリチウム二次電池を得た。
尚、比較例1〜7、及び実施例1〜2において、モノマーの違いによりキュア温度を変えているが、本発明者らは、事前に各モノマーに対して、容量・サイクル特性・内部短絡特性について最適なキュア温度を調査し、各モノマーに対してキュア温度を選択した結果である。
比較例1〜7、及び実施例1〜2において、初期容量・容量維持率・釘刺し試験(内部短絡特性の評価)は、以下に記載する方法で行なった。
<容量の確認>
24℃環境下で、充電電流0.5C,充電電圧4.20Vの定電流定電圧充電を行い、電流値がC/20に 達したら充電を終了した。充電終了後、放電電流0.2C,終止電圧3.00Vの条件で放電を行なった。その放電容量を0.2C放電容量とした。
<容量維持率の測定>
24℃環境下で、充電電流0.5C,充電電圧4.20Vの定電流定電圧充電を行い、電流値がC/20に 達したら充電を終了した。充電終了後、放電電流1.0C,終止電圧3.00Vの条件で放電を行なった。
上記充放電を500回繰り返し、5サイクル目の放電容量(mAh)と500サイクル目の放電容量(mAh)から下記の数式(※)により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量)×100/(5サイクル目の放電容量)…数式(※)
<釘刺し試験(内部短絡特性の評価)>
24℃環境下で、充電電流0.5C,充電電圧4.20Vの定電流定電圧充電を行い、電流値がC/20に 達したら充電を終了した。
充電の終了した電池の中央において、直径2.45mmの太さの釘を電極面に対して85mm/secの速度で垂直方向に貫通させた。上記釘刺し試験は、24℃環境下で行なった。
この容量試験・釘刺し試験(内部短絡試験)・サイクル試験の結果を表1の通りまとめる。
表1から、負極バインダーがPVdFにおいて、体積エネルギー密度が400Wh/l以下の場合、釘刺し試験・サイクル特性の評価で良好な結果を得ているが、体積エネルギー密度が400Wh/l以上の場合、釘刺し試験の評価で問題となることが分かる。
また、負極バインダーがSBRで、体積エネルギー密度が400Wh/l以上の場合、ラジカル反応性を有する官能基が2〜3個の多官能アクリレートである比較例3のモノマーを使用すると、釘刺し試験を満足するがサイクル特性が劣る結果となる。それに対し、ラジカル反応性を有する官能基が6個の多官能アクリレートである実施例1、2のモノマーを使用することにより、釘刺し試験を満足し、サイクル特性も良好な結果となることが分かる。
エネルギー密度を高め、安全性を確保する為には、負極バインダーをSBRとする必要がある。しかし、従来使用していた比較例1〜3のモノマー〔ラジカル反応性を有する官能基が2個のモノマー(ポリエチレングリコールアクリレート)とラジカル反応性を有する官能基が3個のモノマー(エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート)の混合モノマー〕では、負極バインダーを使用すると安全性は確保できるが、サイクル特性を確保できない問題があった。一方、比較例4〜実施例1で使用のモノマーは、ラジカル反応性を有する6個の官能基を有するモノマー(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノウンデシレート)、比較例6〜実施例2で使用のモノマーは、ラジカル反応性を有する6個の官能基を有するモノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)であり、比較例4〜実施例1、比較例6〜実施例2のモノマーを使用することにより、安全性とサイクル特性を両立できることが可能となったのである。
本発明により、高エネルギー密度を有し、レート特性、充放電サイクル特性を改善したリチウムイオンポリマー電池を提供することが可能となり、特に、携帯電話,ゲーム機,携帯用テレビ,ノートパソコン,電卓などのような小型電子機器の電源として使用することができる。また,本発明のリチウム二次電池は,HEV(ハイブリッド自動車),EV(電気自動車),無線掃除機,電動自転車,電動スクーターなどのようにモータを使用して作動する機器において,当該機器のモータを駆動するための高出力エネルギー源として有効に使用することができる、高エネルギー密度を有し、レート特性、充放電サイクル特性を改善したリチウムイオンポリマー電池を提供することが期待さる。

Claims (9)

  1. 負極バインダーがブタジエンの共重合体とセルロース系化合物を含む組成物からなり、電解液がポリマーを含む電解質からなる、レート特性、サイクル特性に優れ、高エネルギー密度でも高い安全性を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. ブタジエンの共重合体が、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリレート−ブタジエンゴムから選ばれた一種以上である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. セルロース系化合物が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはメチルセルロースから選ばれた1種以上である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 負極バインダーの組成が、カーボン:ブタジエンの共重合体:セルロース系化合物の重量比で、100:0.01〜20:0.01〜20の範囲にある請求項1から3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 電解液に含まれるポリマーが、不飽和二重結合を有するアクリル酸系モノマーから選ばれた1種以上のモノマーを重合したものである請求項1から4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 不飽和二重結合を有するアクリル酸系モノマーが、多価アルコールとアクリル酸のエステルからなる請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 多価アルコールが、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールおよび、それらの多価アルコールの縮合物から選ばれた一種以上である請求項6に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. アクリル酸系モノマーは、ラジカル反応性を有する4個以上の官能基を有する多官能アクリレートである請求項5から7のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 複数枚の正極および/または負極を有し、正極と負極が交互に積層されている請求項1から8のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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