JP2013228783A - モジュール基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】IC搭載用樹脂基板に形成されている電極パッドとアンテナ端部ワイヤ導体との熱圧着部分を保護するための具体的手段の提供を目的とした。
【解決手段】厚みが0.1mm以上の紙基材に開口部を設ける工程と、厚みが紙基材とほぼ同等か、それより薄い樹脂基板の表裏の少なくとも一方にスリットを挟んで対抗する一対の電極パッドを形成する工程と、ステージに載置した紙基材の開口部に樹脂基板を嵌め込む工程と、紙基材の外周に金属ワイヤをアンテナとして敷設し、ワイヤ端部のそれぞれを紙基材開口部を横断するように対応する電極パッド上に載置する工程と、上部からワイヤを熱圧着して電極パッドに圧着する工程と、ICチップの端子を電極パッド間のスリットを跨ぐように電極パッドに接続する工程と、ワイヤと電極パッドの接続部を樹脂ペーストで補強する工程と、を有することを特徴とするモジュール基板の製造方法である。
【選択図】図4
【解決手段】厚みが0.1mm以上の紙基材に開口部を設ける工程と、厚みが紙基材とほぼ同等か、それより薄い樹脂基板の表裏の少なくとも一方にスリットを挟んで対抗する一対の電極パッドを形成する工程と、ステージに載置した紙基材の開口部に樹脂基板を嵌め込む工程と、紙基材の外周に金属ワイヤをアンテナとして敷設し、ワイヤ端部のそれぞれを紙基材開口部を横断するように対応する電極パッド上に載置する工程と、上部からワイヤを熱圧着して電極パッドに圧着する工程と、ICチップの端子を電極パッド間のスリットを跨ぐように電極パッドに接続する工程と、ワイヤと電極パッドの接続部を樹脂ペーストで補強する工程と、を有することを特徴とするモジュール基板の製造方法である。
【選択図】図4
Description
本発明は、非接触型ICカードやIC搭載冊子に使用するモジュール基板に係り、特にはアンテナ用ワイヤを電極パッドに熱圧着した部分の補強技術に関する。
非接触ICカードは、基本的には送受信用のアンテナと情報記録用のICチップとを電気的接続をとって紙基材やプラスチック基材中に埋め込んだものである。一般には、図4(c)に示すように径が0.1mm程度の金属ワイヤ4が、コイル状に敷設された厚みが0.3mm程度の紙基材1に所定の大きさの開口部を設け、厚みが0.2mm程度のIC搭載用樹脂基板2を該開口部に嵌め込んだモジュール基板10を、さらにプラスチック基材及び紙基材で両側からラミネートして意匠性を付与したものである。
モジュール基板10を構成する紙基材1は、図1に示すようにワイヤ4をコイル状に敷設したアンテナ(図1では省略)とIC搭載用樹脂基板2を収容する開口部3を備えているが、ワイヤを紙基材1の周縁にコイル状に敷設するには、基材面のアンテナ敷設位置に塗布された熱可塑性樹脂6(粘着層)上にワイヤ4をワイヤ敷設ヘッドから送り出し、敷設ヘッドにより熱可塑性樹脂6を溶融させることで、ワイヤ4を、開口部3を除く紙基材2の周縁部に固定している。
IC搭載用樹脂基板2(以下、単に樹脂基板とも記す。)は、ICチップ5が、対を成す電極パッド7A,7B間のスリットを跨ぐように基板上に実装され、さらにモールド樹脂によりICチップが補強され所定形状に成型されるものである。ICチップが搭載されモールドされた樹脂基板を紙基材の開口部3に収容してからワイヤ導体端部4’と電気的接続がとられることもあれば、樹脂基板2だけを紙基材1の開口部3に収容してからICチップ5の搭載とワイヤ4の接続を行い、その後モールド樹脂で補強する場合がある。後者の場合、紙基材1面からモールド層が大きく突出しないように、ワイヤの太さ等を考慮して、樹脂基板2の厚みは紙基材1の厚みよりも薄く設定されるのが普通である(図1(c)参照)。
樹脂基板2に形成された電極パッド7A,7Bと紙基材上のワイヤ末端4’との接続は、図1(b)に示すように、ワイヤ末端4’を樹脂基板2の電極パッド7A,7B上に開口部3を横断する形で載置した後、熱圧着ヘッドによって、ワイヤ導体4’を樹脂基板2の電極7A,7Bに向けて押し付け、当該ワイヤ導体4’を電極パッドに熱圧着して固定している(特許文献1)。
その際、上述したようにIC搭載用樹脂基板2の厚みが紙基材1の厚みよりも薄いので、通常の平坦なステージ上で加工すると、樹脂基板2が開口部3内に沈み込んだ状態で行われる。したがって、ワイヤを若干弛ませて電極面7に接触させる必要がある。弛ませると電極上を跨ぐ部分のワイヤが、位置ズレを起こしたり蛇行したりするなどの問題がある。
また、ワイヤには、熱圧着ヘッドによる加熱・加圧の影響によりワイヤと電極が接触する圧着部で、潰れによる変形が発生する。ワイヤが潰れて変形した部分と正常部分の境界は、強度的に通常の部分より弱くなる。この後、ICチップを電極上の所定の位置に実装する工程があるが、ワイヤが電極面と接合する圧着部と被圧着部の境目付近のワイヤ変形部には、外部応力が集中することから境目で断線が生じやすいという問題がある。
IC搭載用樹脂基板の板厚を厚くして紙基材表面と面一になるようにすればよいが、板厚の調整は容易ではなく、また厚くすると基板のコストが上昇し、コストダウンの要望に背反するという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、IC搭載用樹脂基板に形成されている電極にアンテナ端部のワイヤを熱圧着してアンテナとICチップ間の導通をとる場合、圧着した部分からワイヤ導体が浮き上がる箇所は、ワイヤの変形が他の部分に比べて急激で、外力に対して弱いという問題があり保護する必要がある。本発明は、具体的な保護手段の提供を目的とした。
上記課題を達成するための請求項1に記載の発明は、厚みが0.1mm以上の紙基材に開口部を設ける工程と、
厚みが紙基材とほぼ同等か、それより薄い樹脂基板の表裏の少なくとも一方にスリットを挟んで対抗する一対の電極パッドを形成する工程と、
ステージに載置した紙基材の開口部に樹脂基板を嵌め込む工程と、
紙基材の外周に金属ワイヤをアンテナとして敷設し、ワイヤ端部のそれぞれを紙基材開口部を横断するように対応する電極パッド上に載置する工程と、
上部からワイヤを熱圧着して電極パッドに圧着する工程と、
ICチップの端子を電極パッド間のスリットを跨ぐように電極パッドに接続する工程と、ワイヤと電極パッドの接続部を樹脂ペーストで補強する工程と、を有することを特徴とするモジュール基板の製造方法としたものである。
厚みが紙基材とほぼ同等か、それより薄い樹脂基板の表裏の少なくとも一方にスリットを挟んで対抗する一対の電極パッドを形成する工程と、
ステージに載置した紙基材の開口部に樹脂基板を嵌め込む工程と、
紙基材の外周に金属ワイヤをアンテナとして敷設し、ワイヤ端部のそれぞれを紙基材開口部を横断するように対応する電極パッド上に載置する工程と、
上部からワイヤを熱圧着して電極パッドに圧着する工程と、
ICチップの端子を電極パッド間のスリットを跨ぐように電極パッドに接続する工程と、ワイヤと電極パッドの接続部を樹脂ペーストで補強する工程と、を有することを特徴とするモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項2に記載の発明は、前記樹脂ペーストが、ICチップと電極パッドの隙間を充填するアンダーフィル材であることを特徴とする請求項1に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項3に記載の発明は、前記樹脂ペーストが、ICチップを被覆するポッティング材であることを特徴とする請求項1に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項4に記載の発明は、前記樹脂ペーストで被覆される領域が、熱圧着部全体を含む幅広の領域かその端のワイヤが電極パッドから浮き上がる局所的な領域であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項5に記載の発明は、前記局所的な領域が、アンテナ側につながる領域であることを特徴とする請求項4に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項6に記載の発明は、前記樹脂ペーストで被覆される領域の周囲の電極パッド上にサーマルランドを設けることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項7に記載の発明は、前記ステージは、樹脂基板と紙基材の表面が面一となるように樹脂基板を底上げするための台座部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の
いずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
いずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項8に記載の発明は、前記ステージは、樹脂基板をその内部に載置するための土手状突起部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項9に記載の発明は、前記土手状突起部は、金属ワイヤガイド用の切れ込みを備えることを特徴とする請求項8に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項10に記載の発明は、前記樹脂基材は、その周辺部に金属ワイヤガイド用の切れ込みを備えることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法としたものである。
請求項1の発明により、前記樹脂基板と前記ワイヤ導体を熱圧着した際に生じるワイヤの強度が弱くなるワイヤ変形部の強度を強化することが可能となり、後工程でのワイヤ断線等の不良を低減させることが可能となる。
請求項2と請求項3の発明により、ワイヤ変形部の強化のために塗布する前記樹脂ペーストをICチップの実装に使用するものと同じ(ポッティング材又はアンダーフィル材)にすることで、塗布ヘッドの増設や管理する樹脂ペーストを増やす必要もなく、本手法の実施が(請求項1)が容易となる。
請求項4の発明により、前記樹脂ペーストを塗布する部分をワイヤの強度が弱いワイヤ変形部に集中させることで、塗布する樹脂量を減らし、コスト削減をすることが可能となる。
請求項5の発明により、前記樹脂ペーストを塗布する部分を、通常では4箇所発生する強度が弱いワイヤ変形部のうち断線するとICチップと外部R/W(リーダライタ)との通信が不能となる、アンテナ側の2箇所にある銅ワイヤ変形部に絞ることで、塗布する樹脂量を請求項4の場合に比べて半分にすることが可能となり、コスト削減をすることが可能となる。
請求項6の発明により、サーマルランドで設けられた樹脂基板の導体パターンが除去された部分が銅ワイヤ変形部に塗布する樹脂ペーストの拡散を防ぐ防波堤の役目を果たし、樹脂ペーストの広がりに伴う液垂れや銅ワイヤ変形部での樹脂量の不足等の不具合を減らすことが可能となる。
請求項7と請求項8の発明により、紙基材開口部における樹脂基板の位置を一定にできてワイヤに加わる負荷を低減できる。
請求項9と請求項10の発明は、ワイヤが通過すべき部位に切り欠きを設けることでワイヤ敷設の位置精度が向上するという効果を奏する。
本発明の対象となるモジュール基板の上面視外観図を図1に示した。上質紙等からなる長方形状シート基材1の外周に沿って銅線等の金属ワイヤ4が周回している。シート基材1の所定箇所にICチップを搭載した樹脂基板2が略面一になるように嵌め込まれたもので、アンテナの末端4’が樹脂基板2が備える電極パッドに接合されて、アンテナとICチップが電気的に導通している。シート基材1としては、紙以外にPET,PEN、ポリイミド等の樹脂基材も使用できる。
このモジュール基板10の製造工程の概略を模式的に示したのが図2である。ICチップ搭載用樹脂基板2と同程度の開口部3を備え、表面に熱可塑製樹脂6が塗布されたシート基材1と樹脂基板2は、独立に製造する。樹脂基板2の表面には、ICチップが跨って接続されるようにスリットを介して対向する一対の幅広い接続用電極パッド7A,7Bが形成されている。
次に、シート基材1上に、図示しないワイヤ描画ヘッドを使用して熱可塑性樹脂6を所定温度に過熱しながら金属ワイヤ4を敷設固定する。次にワイヤの末端4’をそれぞれの電極パッド7A,7B上に配置してから、図示しない熱圧着ヘッドでワイヤを電極パッドに加熱圧着接合する。最後にICチップ5をスリットを跨ぐように定法によりチップボンディングする。
一般的に、樹脂基板2の実質的な厚みは、ワイヤ4の太さを考慮して紙基材1の実質的な厚みより薄く設定されるのが普通である。その場合、ワイヤ導体端部4’とICチップ5とを基板の電極パッド7A,7Bにそれぞれ接続する場合種々の不都合が発生する。
ワイヤ4を電極パッド7に圧着接続する様子を模式的に示したのが図3である。圧着は平坦なステージ13上で行われるが、先ず、ステージ13に載置された紙基材の開口部に樹脂基板2が嵌め込まれる。紙基材1の底面と樹脂基材2側の底面は、平坦なステージ13面上で面一となる。樹脂基板2は紙基材1より若干薄いので、ワイヤ4が開口部を横断するように置かれるとワイヤ4は開口部に垂れ下がって電極パッド7に接触するが、端は電極パッド7からは浮き上がる。
このような状態で、所定の面積を有する熱圧着ヘッド12によりワイヤ4が電極パッド7上に押し付けられると、押し付けられた部分のワイヤ4は平坦化するが、押し付けられない部分は元来の形状であり、境界の変形が急激で応力が蓄積されるとともに電極パッド7から浮き上がることになる。この境目近傍15は、この後の工程で同じ電極パッドにICチップを搭載する場合や搬送中に加わる振動などにより断線しやすくなる。
本発明は、押圧でワイヤ4自体が変形し且つ低角に折れて強度が低下したワイヤ部位15を保護する手段を提供する。
本発明は、押圧でワイヤ4自体が変形し且つ低角に折れて強度が低下したワイヤ部位15を保護する手段を提供する。
第一の実施形態は、強度的に問題がある前述の箇所15を樹脂ペースト16により補強することである。樹脂ペーストとしては、汎用の材料であればとくに制限するものではない。
樹脂ペーストしては、後工程でICチップの実装に使用する樹脂ペーストが好ましい。ICチップの実装には2種類の樹脂ペーストを使用する。一つはICチップをフリップチップ実装した際に、ICチップの腹部と電極パッドの隙間を埋めて接続部が外れないように補強するアンダーフィル材としての樹脂ペーストである。もう一つは、これとは要求される品質が異なるところのICチップ全体を上部から被覆して、工程上の外力あるいは使用時の曲げ応力等に対してICチップの過剰な変形を防止するポッティング材のいずれかである。
アンダーフィル材としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシシリコン系の樹脂等から適宜選択して使用できる。ポッティング材にはゲルタイプとエラストマータイプがあるが、いずれもシリコン系、エポキシ系の材料があるのでこれも適宜選択して使用できる。
樹脂ペーストを塗布する位置としては、樹脂ペースト16を塗布する位置は、図4(a)に示すように加熱圧着ヘッドのより押圧されたワイヤ4部分を内側に含むように全体を塗布する態様とすることができる。また別の様態としては、全体は含まずに、図4(b)にしめすような両端部の4箇所であっても構わない。ワイヤ4が電極パッド7A,7Bから浮き上がる部分を、浮き上がった部分も含めて囲むように塗布するものである。
また、前記4箇所の内からさらに、2箇所に限定してもよい。ワイヤ4が電極パッド7A,7Bから離れる箇所は4箇所あるところ、ワイヤ終端側の2箇所は、ワイヤ4としては自由端であり樹脂基板が多少動いたとしても負荷がかからない。一方反対側の2本のワイヤ4は、アンテナとして樹脂中に固定・拘束されており、樹脂基板2が振動したりすると境目には負荷がかかる。したがって樹脂ペースト16で保護するとすると拘束された側の境目が好ましい。
さらに、電極パッド部が広すぎると熱圧着時の熱が熱伝導で放散し熱圧着効率が低下するので、電極パッド部を熱伝導性を降下させる加工を施したサーマルランドとしても良い。例えば、ワイヤが熱圧着される電極パッド部を長方形状に囲むようにスリットを設けることでサーマルランドとすることができる。
紙基材1に敷設したワイヤ端4’を電極7に確実に圧着接続し、その接続によって樹脂基板2が、開口部3の所定の位置に所定の高さと向きで滞留するようにするには、紙基材1の表面と樹脂基板2の表面が同一平面をなすようにするのが好ましい。面一にするためには、薄い方の樹脂基板2を下から厚み差の分だけ持ち上げる必要がある。すなわち、図5(a)に示すようにステージ13に下駄をはかせるための台座14を設け、その台座14上で圧着するのが好ましい。
このように樹脂基板2と紙基材1の上下の位置関係を保った上で、樹脂基板2上でワイヤが通過する樹脂基板2のエッジ部分に切り欠け部を設けたものである(切り欠けは図示せず9。切り欠け部をワイヤーが通過すればワイヤ自体の剛性でワイヤの位置精度が向上し熱圧着が容易になる。
別の態様は、図5(b)に示すように、紙基材1の開口部3と開口部に嵌め込まれる樹脂基板2のサイズに余裕を持たせ、その隙間にステージからの突出する枠状の土手11が入り込むようにするものである。このようにステージ13に形成した枠11の中に樹脂基材2が収容されるようにすると樹脂基板2の位置が安定してワイヤ4の位置精度が向上する。この土手11にもワイヤ4が通過する部位に切りかけを設けておくのがより望ましい(図示せず)。
また、ステージ13から突出する台座14の外周に沿って枠状の突起を立設させても構わない。土手11に囲まれる面積は、樹脂基板2がすっぽりと収容される面積と同程度か若干のクリアランスがあるのが望ましい。土手11の高さについては、図3(b)に図示したように樹脂基板2の厚み以上であればよい。より好ましいのは、樹脂基板2の厚みよりは高く設定し、ワイヤ4が土手を乗り越える部位に切り欠けを設けてワイヤが直線的に伸延できるようにした。切り欠けをワイヤ4が通過するようにしたことで、ワイヤの動きが規制され位置精度を高めることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を簡単に説明する。
本実施形態に係るモジュール基板10は、少なくともコア層として紙基材1とワイヤ4、4’及びIC搭載用樹脂基板2と該基板に搭載するICチップ5とを有している。但し、図1では、紙基材1周縁に敷設されたワイヤ4を省略し、その端部4’だけ示してある。最終的にはモジュール基板10は、オーバーコート材で表裏が被覆され、非接触ICカードあるいは通帳等の冊子となるものである。
(紙基材)
紙基材1(以下、単に基材とも記す。)は、厚さが0.10mm程度以上の平板形状の上質紙や樹脂などであって、少なくとも表層が非導電性物質からなる。紙基材表面のワイヤ4がアンテナとして敷設される位置には、塗布等によって粘着材層として熱可塑性樹脂層6が予め設けられている紙基材1を使用する。さらに紙基材1には、図1で示すような、IC搭載用樹脂基板2(以下、単に樹脂基板とも記す。)と略同形の開口部3が、所定のクリアランスを保つように形成されていて、その開口部3に樹脂基板2が嵌め込まれる。
紙基材1(以下、単に基材とも記す。)は、厚さが0.10mm程度以上の平板形状の上質紙や樹脂などであって、少なくとも表層が非導電性物質からなる。紙基材表面のワイヤ4がアンテナとして敷設される位置には、塗布等によって粘着材層として熱可塑性樹脂層6が予め設けられている紙基材1を使用する。さらに紙基材1には、図1で示すような、IC搭載用樹脂基板2(以下、単に樹脂基板とも記す。)と略同形の開口部3が、所定のクリアランスを保つように形成されていて、その開口部3に樹脂基板2が嵌め込まれる。
(IC搭載用樹脂基板)
IC搭載用樹脂基板2は、厚みが紙基材と同等かそれよりは薄い0.30mm以下の板状の絶縁性樹脂基板である。その基板2の表面(上面)と裏面(下面)のうち、少なくとも表面には、図1に示すように一対の電極7A,7Bが形成されている。電極7は、Cu、Al等の導電性材料で構成されている。図1には、ICチップ5が搭載されたように描いているが、チップ搭載の予定位置を示すものである。
IC搭載用樹脂基板2は、厚みが紙基材と同等かそれよりは薄い0.30mm以下の板状の絶縁性樹脂基板である。その基板2の表面(上面)と裏面(下面)のうち、少なくとも表面には、図1に示すように一対の電極7A,7Bが形成されている。電極7は、Cu、Al等の導電性材料で構成されている。図1には、ICチップ5が搭載されたように描いているが、チップ搭載の予定位置を示すものである。
電極7は、平面視において左右対称に形成され、所定のスリット8を挟んで一対の接合パッド部7A,7Bが配置されている。スリット8は、ICチップ5が跨ぐように搭載される部分である。電極パッドは、上記スリットと同方向に長辺を向けて配置してあるが、電極の形状自体は図示したものに限られず一対の電極がICチップと接続可能な範囲にあればよい。本実施形態では、図2(c)に示すように、電極7を含む樹脂基板2の総厚みを、紙基材1の厚み(熱可塑性樹脂層8の厚みは除く)よりも薄くなるように調整している。
(モジュール基板の製造方法)
紙基材を、上部にTCB(加熱圧着装置)を備えるステージ上の所定の位置にセットする。それと同時にステージに設けた吸引穴から吸引して固定する。ステージには突出する台座が設けられていても構わない。台座は、台座平端部の大きさが紙基材の開口部より若干小さく、一定のクリアランスで基材の下部から僅かに開口部に貫入するようになっている。台座の張り出し高さは、紙基材の厚みと開口部に収容される基板の厚みの差程度であって、丁度紙基材の上表面と基板の表面が面一になる高さである。
紙基材を、上部にTCB(加熱圧着装置)を備えるステージ上の所定の位置にセットする。それと同時にステージに設けた吸引穴から吸引して固定する。ステージには突出する台座が設けられていても構わない。台座は、台座平端部の大きさが紙基材の開口部より若干小さく、一定のクリアランスで基材の下部から僅かに開口部に貫入するようになっている。台座の張り出し高さは、紙基材の厚みと開口部に収容される基板の厚みの差程度であって、丁度紙基材の上表面と基板の表面が面一になる高さである。
次に、紙基材1に形成した開口部3に一対の電極7が形成されたIC搭載用樹脂基板2を嵌め込む。嵌め込むと同時に吸引穴から吸引して樹脂基板2開口部3内に固定する。尚、ステージ上に紙基材1と樹脂基板2を載置する順序は、上述の順に限られず適宜入れ換えても構わない。
次に、紙基材1表面に対し、図示しないワイヤ敷設ヘッドからワイヤ4を送り出しながら、敷設ヘッドによって基材1の上面に塗布された熱可塑性樹脂層6を溶融させることで、紙基材表面に対して、ループアンテナ形状にワイヤ4を敷設しつつ固定する。このとき、紙基材1の開口部3に配置した樹脂基板2上においても、敷設ヘッドからワイヤ4を送り出して、各電極7のパッド部7A、7B上を通過するようにワイヤ端部4’を敷設する。その後、熱圧着ヘッド12でワイヤ導体4を電極7に押し付け熱圧着することで、ワイヤ導体4を電極7に固定する。
次に、超音波実装ヘッド(図示せず)を備える別のステージに紙基材を移動する。そして対をなす電極7A,7Bの実装部8に跨るようにICチップ5を配置する。吸引穴から真空引きすることで、紙基材及びIC搭載用樹脂基板2をステージに吸着固定した状態とする。この状態で、ICチップ5に上側から超音波実装ヘッド(図示せず)を当接して超音波を付与することで、ICチップ5をスリット8を跨ぐようにチップボンディング接合して固定する。
次に、エポキシ系のアンダーフィル材(ナガセケムテックス社製:T693/R3000シリーズ)を毛管現象を利用してチップ5と樹脂基板2の隙間に浸透させた。続いて、おなじアンダーフィル材をワイヤと電極パッドが接合した部位を細長く被覆するように滴下した。その後、120℃の炉に20分間投入しアンダーフィル材を硬化させた。
アンダーフィルの滴下に当たっては、紙基板上に予め設けた基準位置をカメラで認識し、その認識した部位と熱圧着位置との平均的な相対的位置関係からアンダーフィル材を滴下する位置を推測して滴下する自動滴下装置を使用した。
アンダーフィルの滴下に当たっては、紙基板上に予め設けた基準位置をカメラで認識し、その認識した部位と熱圧着位置との平均的な相対的位置関係からアンダーフィル材を滴下する位置を推測して滴下する自動滴下装置を使用した。
1、紙基材(シート基材)
2、樹脂基板(IC搭載用)
3、開口部
4、ワイヤ(アンテナ)
4’、4A、4B、ワイヤ導体端部
5、ICチップ
6、熱可塑性樹脂
7、(接続用)電極
7A,7B、電極パッド
8、ICチップ実装部(電極間スリット)
9、切り掛け
10、モジュール基板
11、突起(枠状の土手)
12、TCB
13、ステージ
14、台座
15、浮き上がり部分(境目付近)
16、樹脂ペースト(が塗布される部位)
2、樹脂基板(IC搭載用)
3、開口部
4、ワイヤ(アンテナ)
4’、4A、4B、ワイヤ導体端部
5、ICチップ
6、熱可塑性樹脂
7、(接続用)電極
7A,7B、電極パッド
8、ICチップ実装部(電極間スリット)
9、切り掛け
10、モジュール基板
11、突起(枠状の土手)
12、TCB
13、ステージ
14、台座
15、浮き上がり部分(境目付近)
16、樹脂ペースト(が塗布される部位)
Claims (10)
- 厚みが0.1mm以上の紙基材に開口部を設ける工程と、
厚みが紙基材とほぼ同等か、それより薄い樹脂基板の表裏の少なくとも一方にスリットを挟んで対抗する一対の電極パッドを形成する工程と、
ステージに載置した紙基材の開口部に樹脂基板を嵌め込む工程と、
紙基材の外周に金属ワイヤをアンテナとして敷設し、ワイヤ端部のそれぞれを紙基材開口部を横断するように対応する電極パッド上に載置する工程と、
上部からワイヤを熱圧着して電極パッドに圧着する工程と、
ICチップの端子を電極パッド間のスリットを跨ぐように電極パッドに接続する工程と、ワイヤと電極パッドの接続部を樹脂ペーストで補強する工程と、を有することを特徴とするモジュール基板の製造方法。 - 前記樹脂ペーストが、ICチップと電極パッドの隙間を充填するアンダーフィル材であることを特徴とする請求項1に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記樹脂ペーストが、ICチップを被覆するポッティング材であることを特徴とする請求項1に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記樹脂ペーストで被覆される領域が、熱圧着部全体を含む幅広の領域かその端のワイヤが電極パッドから浮き上がる局所的な領域であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記局所的な領域が、アンテナ側につながる領域であることを特徴とする請求項4に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記樹脂ペーストで被覆される領域の周囲の電極パッド上にサーマルランドを設けることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記ステージは、樹脂基板と紙基材の表面が面一となるように樹脂基板を底上げするための台座部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記ステージは、樹脂基板をその内部に載置するための土手状突起部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記土手状突起部は、金属ワイヤガイド用の切れ込みを備えることを特徴とする請求項8に記載のモジュール基板の製造方法。
- 前記樹脂基材は、その周辺部に金属ワイヤガイド用の切れ込みを備えることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のモジュール基板の製造方法。
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