JP2013228584A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な構成で高品位な画像を安定して形成することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像剤収容部が現像室の下方にある現像装置において、現像室内の供給部材は、現像剤担持体との間で現像剤のニップ部を形成し、現像剤担持体と供給部材とは各々の表面が前記ニップ部の上端から下端に移動する方向に回転する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録材上に画像を形成する画像形成装置に関し、特に画像形成装置に適用される現像装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
電子写真画像形成方式(電子写真プロセス)を用いたプリンタ等の画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(以下、「感光体」という。)を一様に帯電させ、帯電した感光体を選択的に露光することによって、感光体上に静電像を形成する。感光体上に形成された静電像は、現像剤としてのトナーでトナー像として顕像化される。そして、感光体上に形成されたトナー像を、記録用紙、プラスチックシート等の記録材に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
このような画像形成装置は、一般に、現像剤の補給や各種のプロセス手段のメンテナンスを必要とする。この現像剤の補給作業や各種のプロセス手段のメンテナンスを容易にするために、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段等を枠体内にまとめてカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとすることが実用化されている。プロセスカートリッジ方式によれば、ユーザビリティーに優れた画像形成装置を提供することができる。
又、近年、複数色の現像剤を用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置が普及してきている。カラー画像形成装置としては、複数色の現像剤を用いた画像形成動作のそれぞれに対応する感光体を、トナー像が転写される被転写体の表面移動方向に沿って一列に配置した、所謂、インライン方式の画像形成装置が知られている。インライン方式のカラー画像形成装置には、複数の感光体が鉛直方向(重力方向)と交差する方向(例えば水平方向)に一列に配置されたものがある。インライン方式は、画像形成速度の高速化やマルチファンクションプリンタへの展開などの要望に対応し易いなどの点で好ましい画像形成方式である。
又、画像形成装置として、感光体を、被転写体としての中間転写体、又は、被転写体としての記録材を搬送する記録材担持体の下方に配置したものがある(特許文献3参照)。
感光体を中間転写体や記録材担持体の下方に配置する場合、画像形成装置本体内において中間転写体や記録材担持体を間に挟む態様で、例えば定着装置と現像装置(或いは、露光装置)とを離れた位置に配置することができる。そのため、現像装置(或いは、露光装置)が定着装置の熱の影響を受け難いなどの利点がある。
一方、上述のように感光体を中間転写体又は記録材担持体の下方に配置するような場合には、現像装置において、現像剤収容部から重力に反して現像ローラ(現像剤担持体)や供給ローラ(供給部材)へ現像剤を供給する必要が生じることがある。
そこで、特許文献1において、供給部材へ現像剤を供給する手段として供給部材の下側に受けシートを接触させる方法が開示されている。この方法によると、この受けシートによって、供給部材に付着した現像剤が重力によって落下するのを防ぎ、現像剤担持体に供給できる現像剤が減少しないようにして、ベタ画像の濃度低下を防止している。
また、特許文献2では、現像剤収容部の上方に位置する現像室内において、供給部材の下方に搬送部材を設け、搬送部材によって現像剤を供給部材の下面へ搬送するとともに現像室でのトナー凝集を抑制する方法が開示されている。
特開2003−173083号公報 特開2009−222931号公報
しかしながら、特許文献1のような現像剤の供給方法では、印字率の低い画像を連続して出力した場合、供給部材と受けシートの間で現像剤が滞留して凝集し、濃度ムラ等の画質低下が発生する場合がある。
特許文献2のような構成においては、現像室内において供給部材の他に搬送部材が追加部材として必要であり、装置構成が複雑化していた。また、現像室内での搬送部材との摩擦が現像剤を劣化させる要因となっていた。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、現像室よりも下方に配置された現像剤収容部から現像室に配置された供給部材上へ現像剤を搬送するよう構成された現像装置を用いた場合に、簡易な構成で高品位な画像を安定して形成することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本出願に掛かる発明は、電子写真画像形成装置に用いられる現像装置であって、現像剤を担持して静電潜像を現像する現像剤担持体と、前記現像剤担持体との間でニップ部を形成するよう配置され前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給部材と、を備える現像室と、
前記現像室よりも下方に配置され、前記現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部に収容された現像剤を、前記現像室に設けられた開口部を介して前記供給部材上へ搬送する搬送部材と、を有し、
前記現像剤担持体と前記供給部材とは、各々の表面が前記ニップ部の上端から下端に移動する方向に回転することを特徴とする現像装置である。
以上説明したように、本発明によれば、現像室よりも下方に配置された現像剤収容部から現像室に配置された供給部材上へ現像剤を搬送するよう構成された現像装置を用いた場合に、簡易な構成で現像剤の良好な循環を形成することで、高品位な画像を安定して形成することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
本発明を適用可能な実施例に係る画像形成装置の概略構成断面図である。 本発明を適用可能な実施例に係るプロセスカートリッジの概略構成断面図である。 本発明を適用可能な実施例に係る現像装置内のトナーの動きを表した図である。 本発明を適用可能な実施例に掛かる現像装置の別構成例を表した図である。 比較例のプロセスカートリッジの概略構成断面図である。
以下、本発明に係る現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[画像形成装置の全体構成]
先ず、本発明に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の全体構成について説明する。
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、或いは、画像形成装置本体100Aに通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体100Aに入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
尚、本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
本実施例では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。又、感光体ドラム1の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。更に、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
尚、本実施例では、現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分現像剤のトナーを用いる。又、本実施例では、現像ユニット4は、現像剤担持体としての現像ローラ(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、本実施例では、現像ユニット4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
本実施例では、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像ユニット4及びクリーニング部材6とは、一体化され、即ち、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体100Aに設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能となっている。本実施例では、各色用のプロセスカートリッジ7は、全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブランク(K)の各色のトナーが収容されている。
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光体ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材として、駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53に掛け渡されている。
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベルト5を感光体ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光体ドラム1とが当接する一次転写部N1を形成する。そして、一次転写ローラ8に、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
又、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。二次転写ローラ9は、中間転写ベルト5を介して二次転写対向ローラ52に圧接し、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とが当接する二次転写部N2を形成する。そして、二次転写ローラ9に、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
更に説明すれば、画像形成時には、先ず、感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した感光体ドラム1の表面が走査露光され、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次いで、感光体ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が次に重ね合わせて一次転写される。
その後、中間転写ベルト5の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部N2へと搬送される。中間転写ベルト5上の4色トナー像は、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、一括して記録材12上に二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
又、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去、回収される。又、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって清掃される。
尚、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、又は、幾つか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
[プロセスカートリッジの構成]
次に、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。本実施例では、収容しているトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一である。
図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見た本実施例のプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。図2のプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置本体に装着された状態での姿勢であり、以下でプロセスカートリッジの各部材の位置関係や方向等について記載する場合はこの姿勢における位置関係や方向等を示している。
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを一体化して構成される。
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、感光体ドラム1が図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。本実施例にて、画像形成プロセスの中心となる感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光体ドラム1を用いている。
又、感光体ユニット13には、感光体ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14内に落下、収容される。
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光体ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザー光によって画像データに対応して発光されるレーザー光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。本実施例では、Vd=−500V、Vl=−100Vとした。
一方、現像ユニット4は、トナー80を担持するための現像剤担持体としての現像ローラ17と、現像ローラ17にトナーを供給する供給部材としてのトナー供給ローラ20が配置された現像室、を有している。更に、現像ユニット4は、トナーを収容するトナー収容部(現像剤収容部)18aをトナー供給ローラ20よりも重力方向下方に有するトナー収容室18を備えている。なお、本実施例では初期状態で凝集度が5〜40%のトナーを用いている。耐久を通してトナーの流動性を確保するために、このような凝集度を持つトナーを用いることが望ましい。また、トナーの凝集度については、以下のようにして測定を行った。
測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
測定法としては、振動台に390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるいを目開の狭い順に、すなわち100メッシュふるいが最上位にくるように390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるい順に重ねてセットした。
このセットした100メッシュふるい上に正確に秤量した試料(トナー)5gを加え、デジタル振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように調整し、15秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残った試料の質量を測定して下式にもとづき凝集度を得た。
その際の測定サンプルは、それぞれ事前に23℃、60%RH環境下において24時間放置したものであり、測定は23℃、60%RH環境下で行った。
凝集度(%)=(100メッシュふるい上の残試料質量/5g)×100+(200メッシュふるい上の残試料質量/5g)×60+(390メッシュふるい上の残試料質量/5g)×20
また、トナー供給ローラ20は、現像ローラ17との間にトナーのニップ部N(現像ローラ17とトナー供給ローラ20とでトナーを挟む部分)を形成し、回転している。
トナー収容室18内には、攪拌搬送部材22が設けられている。攪拌搬送部材22は、トナー収容室18内に収容されたトナーを攪拌すると共に、トナー供給ローラ20の上部に向けて図中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。本実施例において撹拌搬送部材は30rpmで駆動回転している。
現像ブレード21は現像ローラ17の下方に配置され、現像ローラに対してカウンターで当接しており、トナー供給ローラ20によって供給されたトナーのコート量規制及び電荷付与を行っている。本実施例では、現像ブレード21として、厚さ0.1mmの板バネ状のSUS製の薄板を用い、薄板のバネ弾性を利用して当接圧力を形成し、その表面がトナー及び現像ローラ17に当接される。ここで、現像ブレードとしてはこの限りではなく、リン青銅やアルミニウム等の金属薄板でも良い。また、現像ブレード21の表面にポリアミドエラストマーやウレタンゴムやウレタン樹脂等の薄膜を被覆したものを用いても良い。
トナーは、現像ブレード21と現像ローラ17との摺擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。また、本実施例においては、現像ブレード21に不図示のブレードバイアス電源から所定電圧を印加し、トナーコートの安定化を図っている。本実施例においては、ブレードバイアスとしてV=−500Vを印加した。
現像ローラ17と感光体ドラム1とは、対向部において各々の表面が同方向(本実施例では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。
尚、本実施例では、現像ローラ17は、感光体ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光体ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
本実施例においては、現像ローラ17に印加された所定のDCバイアスに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光体ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。本実施例においては、現像ローラに対してV=−300Vを印加することにより、明部電位部との電位差ΔV=200Vを形成し、トナー像を形成した。
トナー供給ローラ20と現像ローラとは、各々の表面がニップ部Nの上端から下端に移動する方向に回転している。すなわち、トナー供給ローラ20は図示矢印E方向(時計方向)に、現像ローラ17は矢印D方向に回転している。トナー供給ローラ20は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラである。トナー供給ローラ20と現像ローラ17は所定の侵入量、即ち、図3にて、トナー供給ローラ20が現像ローラ17により凹状とされるその凹み量△Eを持って接触している。トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに同方向に周速差を持って回転しており、この動作により、トナー供給ローラ20による現像ローラ17へのトナー供給を行っている。その際、トナー供給ローラと現像ローラとの電位差を調整することにより、現像ローラへのトナー供給量を調整することが出来る。本実施例では、トナー供給ローラが200rpm、現像ローラが100rpmで駆動回転し、トナー供給ローラに対して現像ローラと同電位となるよう、DCバイアスを印加した。
尚、本実施例においては、現像ローラ17、トナー供給ローラ20は、共に外径15mmであり、トナー供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量、即ち、トナー供給ローラ20が現像ローラ17により凹状とされるその凹み量△Eを1.0mmに設定した。また、トナー供給ローラと現像ローラは中心高さが同じになるように配置した。
以下、本実施例において用いられるトナー供給ローラの詳細について説明する。
本実施例におけるトナー供給ローラ20は、導電性支持体と、導電性支持体に支持される発泡層と、を備える。具体的には、導電性支持体たる外径φ5(mm)の芯金電極20aと、その周囲に気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層としての発泡ウレタン層20bが設けられており、図中Eの方向に回転する。
表層のウレタンを連続気泡体とすることで、トナー供給ローラ20内部にトナーが多量に進入可能となる。また、本実施例におけるトナー供給ローラ20の抵抗は1×10(Ω)である。
ここで、トナー供給ローラ20の抵抗の測定方法を説明する。トナー供給ローラ20を、直径30mmのアルミスリーブに対し、後述する侵入量が1.5mmとなるように、当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、供給ローラ2を30rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。
次に、現像ローラ17に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、トナー供給ローラ20の抵抗を算出する。本実施の形態では、トナー供給ローラ20の表面セル径を50μm〜1000μmとした。
ここで、セル径とは、任意断面の発泡セルの平均径をいい、まず任意断面の拡大画像から最大である発泡セルの面積を測定し、この面積から真円相当径を換算し最大セル径を得る。そしてこの最大セル径の1/2以下である発泡セルをノイズとして削除した後、残りの個々のセル面積から同様に換算した個々のセル径の平均値のことを指す。
次に、現像室内のトナーの流れについて図2、図3を参照して説明する。
本実施例にて、図3は、現像室内の拡大概略断面図であり、攪拌搬送部材22よりトナー供給ローラ20に搬送されたトナーの動きを示している。
攪拌搬送部材22による現像室へのトナーの供給は、主にトナー供給ローラ20の上部に向けて行われ(図3の矢印G)、供給されたトナーは、トナー供給ローラの内部とその表面に保持される。トナー供給ローラ20は矢印E方向に回転している為、トナー供給ローラに保持されたトナーは現像ローラとのニップ部Nへ向けて搬送される(図3の矢印F1)。ここで、トナー供給ローラにより搬送されたトナーのうち一部は、ニップ部Nへの入り口でトナー供給ローラの変形により吐き出され、ニップ部Nの上方に堆積して貯蔵される(図3の矢印F2)。このようにトナーをニップ部Nの上方に貯蔵することで、撹拌搬送部材22が現像室へトナーを搬送してから次に搬送するまでの間において供給ローラ内のトナー量が減少しないように、貯蔵したトナーを安定してトナー供給ローラおよび現像ローラへ供給することができる。
次にニップ部Nに搬送されたトナーは、トナー供給ローラと現像ローラが周速差を持って回転している為、ニップ内で摺擦されて帯電し、所定の電荷を帯びる。その後、帯電されたトナーの一部は現像ローラへと転移する。また、本実施例においてはトナー供給ローラの周速が現像ローラの周速よりも速い為、単位時間当たりに現像ローラ上を通過するトナー量が多くなり、より多くのトナーが現像ローラへ転移することとなる。現像ローラへ転移したトナーは、現像ローラと現像ブレードとの間の規制部で現像ブレ−ドにより規制および帯電され、規制部を通過したトナーにより現像ローラ上に均一なトナーコートが形成される。
一方、現像ブレードにより規制されたトナーは、トナー供給ローラの回転によって現像室に設けられた現像開口(開口部)の方向へと搬送され、現像開口を通ってトナー収容室へと戻される。ここで本実施例において現像室とトナー収容室とを隔てている現像開口下方の壁30bの上端(すなわち現像開口の下端)がトナー供給ローラの中心より1mm下方に、現像室の底を形成している枠体とトナー供給ローラの下面との隙間が1.5mmになるように配置した。
前述したようにトナー供給ローラへのトナー供給は、撹拌搬送部材により現像開口を通してトナー供給ローラの上部にトナーを送り込むことで行われる。また、トナー供給ローラの回転によって現像室からトナー収容室へ戻されるトナーも現像開口を通ることとなる。よって、現像開口の構成が現像室とトナー収容室との間のトナーの流れに対して影響を与え、特に現像開口下方の壁30bの上端の位置(現像開口の下端の位置)が影響を与える。すなわち、図4のように供給ローラの上端より現像開口の壁30bの上端の位置(現像開口の下端の位置)を高くする場合と比較すると、図2のように現像開口の壁30bの上端の位置(現像開口の下端の位置)をトナー供給ローラの上端より低くすることで、トナー供給ローラにより現像開口方向へと搬送されたトナーが壁を超えやすくなり、現像室内のトナーがトナー収容室へ戻りやすくなる。現像室とトナー収容室との間でトナーが良好に循環することで、トナーの劣化が抑制され、印字率の低い画像を連続して出力した場合においてもトナー凝集の発生が抑制され、高品位な画像を安定して出力することができる。さらに本実施例においては、撹拌搬送部材によるトナー供給ローラ上(供給部材上)へのトナー供給をより良好に行うために、壁30bの高さをトナー供給ローラの回転中心より低く設定した。
また、本実施例の構成において、現像室の底を形成している枠体とトナー供給ローラの下面との隙間を1.5mmに設定した。この隙間は、トナー供給ローラの下方のトナーをトナー供給ローラの回転により十分に搬送するためには、5.0mm以下にすることが望ましい。
また、本実施例においては現像ユニットへの駆動入力は1つであり、現像ローラとトナー供給ローラ、トナー搬送部材はギア(不図示)で連結され、画像形成時に同時に駆動される。これにより、トナー供給ローラの回転駆動中にトナー搬送部材がトナーを供給し、現像室とトナー収容室とのトナー循環を促進することができる。
このように本実施例の構成においては、安定して現像ローラに対してトナーを供給できるだけでなく、トナー収容室から現像室へ、現像室からトナー収容室へと滞りないトナー循環を実現することができる。
以上述べたように、本実施例においては、トナー搬送部材から搬送されたトナーを、トナー供給ローラの駆動回転により、効率よくトナー供給ローラと現像ローラのニップ部に供給することができる。また、現像室内における、現像ローラと供給ローラの下方の領域にあるトナー(主に、現像ブレードにより規制されて落下したトナー)もトナー供給ローラの回転駆動により、現像開口を通じてトナー収容室へ戻される。そのため、トナーの劣化を抑制しつつ、ベタ画像の濃度安定化し、高品位な画像を供給することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することができる。
<比較例1>
比較例1では図5(a)に示す構成を有するプロセスカートリッジを用いる。図5(a)に示す、トナー供給ローラの回転方向が実施例1とは反対方向になっている。また、トナー供給ローラは100rpmで回転駆動されている。それ以外のプロセスカートリッジの構成および画像形成装置の全体構成は、実施例1と同様である。
<比較例2>
比較例2では図5(b)に示す構成を有するプロセスカートリッジを用いる。比較例2では、前述の背景技術(特許文献1)のように、トナー供給ローラ20の回転方向が実施例1とは反対方向になっている。そして、トナー供給ローラ20の下方にトナー受け部材30を設け、トナー受け部材30に受けシート32の一端を取り付けるとともに、この受けシート32を供給部材の下方に適当な線圧で接触させている。
<比較例3>
比較例3は前述の背景技術(特許文献2)のように、比較例1の構成の供給部材の下方にトナー搬送部材16を配置した(図5(c)参照)。トナー搬送部材16は200rpmの回転速度で回転することでトナー供給ローラ20にトナーを供給する。それ以外のプロセスカートリッジの構成および画像形成装置の全体構成は比較例1と同様である。
<実験>
上記の実施例および比較例の構成について、以下の2つ実験を行った。
(1)ベタ画像の濃度安定性評価
ベタ画像の濃度安定性評価として、高印字プリントを連続した際の画像濃度低下量の測定を実施した。
評価は、画像形成装置を評価環境25.0℃、50%Rhにて1日放置して当該環境になじませた後、100枚印字後に行った。100枚の印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙することで行った。その後、ベタ画像を連続で3枚出力し、3枚目のベタ画像の出力先端と後端の濃度差から下記に示す評価を、X−Rite製spectordensitometer 500を用いて行った。印字テスト及び評価画像は単色(黒)で出力した。
A:ベタ画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.2未満
B:ベタ画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.2〜0.3未満
C:ベタ画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.3以上
(2)トナー凝集の有無
トナーの評価は、耐久テストの終了した画像形成装置を分解し、現像室内にトナー凝集があるか否かを調査し、評価した。
A:トナー凝集なし
B:トナー凝集が発生
耐久テストの条件としては、32.5℃、80%Rh環境において、画像比率1%の横線を間欠的に10000枚通紙(印字)した。間欠的な通紙とは、印字後に待機状態を経て、次の印刷を行うという意味である。
なお、ここでの「トナー凝集が発生」とは、現像ローラや供給ローラの下方でトナーが押し詰められて凝集した状態を示している。トナー凝集が発生した状態で画像形成を行うと、濃度ムラ等、画像品質の低下が生じる。
(3)現像ローラへのトナー融着の有無
現像ローラへのトナー融着の評価は、耐久の終了した画像形成装置の現像ローラを観察し、トナー融着が発生しているかを調査し、評価した。
A:トナー融着なし
B:トナー融着が若干あり(現像ローラがやや白く変色)
C:トナー融着あり(現像ローラに色汚れあり)
耐久の条件は、(2)トナー凝集の評価と同条件で行った。
<実験結果>
以下、各実施例の設定及びその評価結果を表1に示す。
まず、比較例1の結果について述べる。比較例1は、トナー供給ローラが反時計まわり方向に回転している。比較例1の構成においてトナー供給ローラ上に供給されたトナーの多くは現像ローラ近くに供給されることなく、トナー供給ローラの回転により現像開口からトナー収容室へ戻ってしまう。よって、ベタ画像の濃度安定性を確保することが難しい。
また、低印字率の画像を出力し続けた結果、現像室内におけるトナー供給ローラと現像ローラの下方の領域において、トナーが押し詰められて凝集してしまった。また、現像室内でのトナーがトナー収容室へ戻る動きをしない為、現像ブレード近傍のトナーが局所的に劣化し、現像ローラに対するトナー融着が発生してしまう。
次に、比較例2の結果について述べる。比較例2の構成においては、トナー供給ローラの下方にトナー受け部材を設けている為、トナー供給ローラにより搬送されるトナーはトナー収容室へ落下することなく、安定供給され、現像ブレードに規制されたトナーのみトナー収容室へ落下する。よって、ベタ画像の濃度安定性を確保できるとともに、現像ブレード近傍で現像ローラに対するトナー融着が凝集することはない。しかし、トナー供給ローラにトナー受けシートが接触している為、トナー供給部材とトナー受けシートの間でトナーが凝集してしまい、トナー凝集に起因する画像濃度ムラが発生した。
次に、比較例3の結果について述べる。比較例3においては、比較例1の構成に対して、現像室内においてトナー供給ローラの下方にトナー搬送部材を配置している。トナー搬送部材を配置することにより、現像室内におけるトナー供給ローラと現像ローラの下方の領域にあるトナーの凝集が抑制されると同時に、トナー搬送部材の下方のトナーがトナー収容室へ戻される。よって、トナー凝集に起因する濃度ムラ等の課題が発生することはない。しかし、トナーとトナー搬送部材との摩擦により収容、トナー劣化が進むため、低印字率の画像が続いた場合において、現像ローラへのトナー融着が見られた。また、現像室内において、供給ローラの他にトナー搬送部材を追加部材として設ける必要があるため、装置構成が複雑である。
次に、本実施例の結果について述べる。本実施例においては、図2においてトナー供給ローラが時計回り方向に回転しているため、トナー供給ローラ上に供給されたトナーは、トナー供給ローラと現像ローラのニップ部上部に堆積してトナー溜りを形成する。これにより、現像ローラに安定してトナーを供給することが可能になり、ベタ画像の濃度安定性を確保できる。また、現像室内におけるトナー供給ローラと現像ローラの下方の領域にあるトナーは、トナー供給ローラの回転によりトナー収容室へ戻される為、トナーの凝集や局所的な劣化は発生しない。また、トナー供給部材にトナーを搬送する搬送部材を現像室内に設ける必要がなく、上記の評価結果を簡易な装置構成で達成することができる。すなわち、簡易な構成で現像剤の良好な循環が形成され、高品位な画像を安定して形成することが可能となる。
なお、本実施例ではカラー画像形成が可能な画像形成装置を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、モノクロ画像形成が可能な画像形成装置であっても同様の効果を得ることができる。
また、前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置や、記録剤担持体を使用し、前記記録剤担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ね合わせて転写する画像形成装置であっても同様の効果を得ることができる。
1 感光体ドラム
4 現像ユニット
7 プロセスカートリッジ
13 感光体ユニット
15 現像室
17 現像ローラ
18 トナー収容室
20 トナー供給ローラ
22 撹拌搬送部材
30 現像開口
80 トナー
100 画像形成装置

Claims (8)

  1. 電子写真画像形成装置に用いられる現像装置であって、
    現像剤を担持して静電潜像を現像する現像剤担持体と、前記現像剤担持体との間で現像剤のニップ部を形成するよう配置され前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する供給部材と、を備える現像室と、
    前記現像室よりも下方に配置され、前記現像剤を収容する収容部と、
    前記収容部に収容された前記現像剤を、前記現像室に設けられた開口部を介して前記供給部材上へ搬送する搬送部材と、
    を有し、
    前記現像剤担持体と前記供給部材とは、各々の表面が前記ニップ部の上端から下端に移動する方向に回転することを特徴とする現像装置。
  2. 前記開口部の下端が前記供給部材の上端より低いことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記開口部の下端が前記供給部材の回転中心よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  4. 前記搬送部材は、前記供給部材が回転している時に前記供給部材上に前記現像剤を搬送することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記供給部材は表面に発泡層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記静電潜像を担持する像担持体と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置とを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 前記静電潜像を担持する像担持体と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置とを備え、記録材に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項6に記載のプロセスカートリッジを備え、記録材に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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