JP2013227102A - エレベーターの電磁ブレーキコア挿入装置 - Google Patents

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Koji Yamashita
浩二 山下
Takashi Fukuda
崇 福田
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Abstract

【課題】大型で重いコアをチェーンブロック等の大きなスペースを要する機材を使うことなく、円滑にマグネットケースへの挿入を可能とするブレーキコア挿入装置を提供する。
【解決手段】電磁ブレーキのマグネットケース1に形成された穴部に円筒状のコアを挿入する際の位置決めを行うためのコア挿入装置において、前記コアの挿入装置は、前記コアと同一の直径を持つ円筒形であり前記円筒部上に配設される突起部を備え、前記穴部に挿入される位置決め治具3と、前記マグネットケース1への固定部と、前記固定部上に設けられそれぞれが等角度間隔となるように配置された少なくとも3つ以上のガイドローラと、を持つ案内治具4とで構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベーターの電磁ブレーキコア挿入装置に関する。
一般に、エレベーター用電動機の制動装置として使用される電磁ブレーキは、図9に示すように床上に設置したマシンビーム8上に固定されており、ブレーキドラム9の外周部を挟むように一対の制動腕10、11が設置され、この両制動腕10、11はそれぞれ下端に設けたピン14、15によって可回動的にマシンビーム8に支持されると共に、その中間部の対向部にブレーキシュー12、13をそれぞれ固定している。両制動腕10、11の上端部には、ロッド20がそれぞれ貫通して取り付けてあり、このロッド20に装着した圧縮ばね16によって制動腕10、11の上端部間を挟めるように弾性的に付勢している。従って、定常状態でブレーキシュー12、13には圧縮ばね16によってブレーキドラム9への押圧力が付与されてブレーキドラム9に対する制動力を発生しており、この制動力は、ロッド20における圧縮ばね16の締め付け代を変えることによって調整することができる。
図10は、図9に示した電磁ブレーキのマグネットケース1内を示す断面図である。中空円筒状のマグネットケース1の内部に電磁コイル6を装着しており、この電磁コイル6の内部には、マグネットケース1の内周面とコア2およびコア5の外表面とが略平行になるようにコア2およびコア5が配置され、これらコア2、5はそれぞれ同軸方向に間隙を設けた上で対向配置されている。またコア2内を軸方向に貫通している孔には、コア5の対向側中心部に取り付けたプッシュロッド7が上下方向に可動できるように挿通されている。電磁コイル6が励磁された場合、コア5はマグネットケ−ス1内に吸引されるため、プッシュロッド7は下方に移動し、図9に示したレバー19を介して、押圧ロッド17、18を外側に押し、圧縮ばね16の押圧に抗して制動腕10、11を押し広げブレーキシュー12、13をブレーキドラム9から開離させる構造になっている。
このような構造の電磁ブレーキにおいては、電磁コイルの励磁による吸引および非励磁による釈放によって、コア2がマグネットケース1内を往復摺動する。また、同時にプッシュロッド7がコア2孔内を往復摺動するので、各摺動面には潤滑剤を塗布してある。経年稼動により前記潤滑剤の枯渇、摺動面の摩耗、前記潤滑剤への摩耗粉の混入等が発生するため、エレベーターの保守においては、定期的にコア2、5をマグネットケース1内から取り出して、摩耗状況の確認、摺動面の清掃、潤滑剤の塗布を実施する必要がある。
ここで、上記点検および清掃作業後の電磁ブレーキの組み立て時に、コアの挿入装置が必要な場合がある。この種の装置としては、電磁ブレーキの軸受部材圧入装置が特許文献1に開示されている。
特開平4−141378号公報
特許文献1に記載の電磁ブレーキの軸受部材圧入装置においては、ケーシングか貫通穴であることから、軸受挿入後に第2の筒体を下方から抜くことができるが、本発明の対象である電磁ブレーキのコアが挿入される穴は、コアの貫通が不可能であるため、コアの挿入完了後、第2の筒体を抜き取ることができない。
また、本発明においては、第2の筒体をまず貫通穴に嵌入させる必要があるが、その際にも貫通穴と平行に第2の筒体を挿入させる課題が生じる。
また、特許文献1に記載の装置は、改造などで電磁ブレーキの部品がバラパラの状態で使用するものであり、電磁ブレーキの保全作業として、コア部分のみを抜き取り、挿入する分解・組立作業においては適用できない。
また、一般的な電磁ブレーキ分解・組立作業においては、コアが小型・軽量であれば、このような挿入装置を使用することなく手作業でのコアの位置決めや挿入が可能であるが、大型で重いコアである場合は手持ちによる位置決めが困難であり、図8に示すように、斜めに挿入しようとした場合はコア2とマグネットケース1とが齧ってしまう場合があり、戻り作業の発生や、齧りによる各部品の損傷の程度によっては部品の交換を要する事態を招くおそれがある。
このような大型で重いコアの挿入を行う場合は、チェーンブロック等の機材でコアの重心を吊り点としてコアを吊り上げることで位置決めおよび挿入作業を補助できるが、チェーンブロックを設置する天井の高さが低く天井から作業するマグネットケース部までの距離が短い場合は、天井フックやチェーンブロック、吊り下げワイヤー等を設置するスペースが確保できずこの方法を使用することができない。
本発明は、かかる問題を解消するためになされたものであり、大型で重いコアをチェーンブロック等の大きなスペースを要する機材を使うことなく、マグネットケースに対して円滑にコアを挿入することを可能とするブレーキコア挿入装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、
電磁ブレーキのマグネットケースに形成された穴部に円筒状のコアを挿入する際の位置決めを行うためのコア挿入装置において、
コア挿入装置は、
前記コアと同一の直径を持つ円筒形であり前記円筒部上に配設される突起部を備え、前記穴部に挿入される位置決め治具と、
前記マグネットケースへの固定部と、前記固定部上に設けられ、それぞれが等角度間隔となるように配置された少なくとも3つ以上のガイドローラと、を持つ案内治具と、
を備えていることを特徴とする。
このように構成したことにより、前記案内治具は前記穴部に挿入された前記位置決め治具によりその設置位置および前記ガイドローラーの位置を正確に調整可能であるため、上記のように設置調整された前記位置決め治具の前記ガイドローラーに前記コアを当接させながら挿入することにより、前記コアは前記マグネットケースの穴部に正確に挿入される。
以上のように構成して使用することにより、大型で重いコアであってもマグネットケースの穴部にコアを正確に挿入することを可能となる。
本発明の一実施例の全体構成を示す概略図である。 位置決め治具を取付けた状態を示す側面図である。 位置決め治具を取付けた状態を示す平面図である。 位置決め治具および案内治具を取付けた状態を示す平面図である。 図4のAから見た側面図である。 案内治具のみを取付けた状態を示す側面図である。 案内治具を使用してコアを挿入する状態を示す側面図である。 従来の課題を説明するための概略図である。 電磁ブレーキの構造を示す説明図である。 電磁ブレーキのマグネットケース内部構造を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図7、図8、図9により説明する。
図1はこの発明の実施例工の全体構成を示す概略図、図2〜7は本発明のブレーキコア挿入装置を使用したコア挿入作業の手順を示す概略図、図8は本発明の作業対象であるブレーキ構造を示す説明図、図9は本発明の作業対象であるブレーキのマグネットケース内部構造を示す断面図である。尚、各図中、同一符号は同一部分を示す。
図1〜図7、図8、図9において、1はコイル6を納めたマグネットケース、2はコア、3は位置決め治具、4は案内治具である。本実施例は、円筒上に形成されたマグネットケース1の穴部にコア2を円滑に挿入させることを可能とするために、位置決め治具3と案内治具4とで構成したブレーキコア挿入装置である。
位置決め治具3は、外周がコア2と同一直径となる円筒状の硬質材で形成されており、図2、図3に示すようにその長手方向の中間付近に外周面から突起する3ヶ所のつば部3aを有している。
つば部3aの下面は、円筒に対して直角で、かつ、3ヶ所は互いに同一の高さ寸法で、円周上に等角度間隔で配設されている。また、位置決め治具3の円筒部下端の角部は図5に示すようにテーパー状に面取りされており、その先端の直径はコア2の直径よりも小さくなっている。
案内治具4は、図1と図4に示すように、下面にマグネットを有するリング状の固定部4dの上面に等間隔に3ヶ所配設された軸受け4cと、位置決め治具3の円筒の外周面にそれぞれ当接する3つのガイドローラ4aと、ガイドローラ4aを保持するローラ軸4bとで構成されている。軸受け4cはローラ軸4bを水平移動可能かつ固定することが可能である。
ここで、ガイドローラ4aの材質は、コア2の位置を保持するためのものなので非弾性体が望ましく、ガイドローラ4aがコア2に当接した際に硬すぎてコア2を傷つけないように、コア2の材質(鉄鋼)と同等か、コア2の材質より柔らかい例えばアルミのような金属か、硬質のプラスチックとする。
次に、本ブレーキコア挿入装置を用いたブレーキの分解清掃後の組立て時におけるマグネットケース1へのコア5とコア2の挿入作業手順を説明する。
まず、図2 、3に示すように、位置決め治具3を面取り部分を下にして、3ヶ所のつば部3aの下面がマグネットケース1の上面に当接するまでマグネットケース1の穴部に挿入する。この作業においては、位置決め治具3の円筒部下端の角部はテーパー状に面取りされておりその先端の直径はコア2の直径よりも小さくなっていることから、穴部への挿入および位置決めを容易としている。
次に、図4、5に示すように、案内治具4を位置決め治具3の上方から3ヶ所のガイドローラ4aを位置決め治具3の円筒外周面に当接させながら下方に移動し、案内治具4の下端の固定部4dをマグネットでマグネットケース1上面に吸着固定する。その後、ガイドローラ4aを保持するローラ軸4bを軸受け4cに固定する。
ここで、固定部4dのマグネットは、コア2やコア5の挿入作業時に位置ズレしない程度の磁力を有するものとし、磁力をスイッチで入り・切りできるものとしても良いし、電磁石としても良い。
この後、位置決め治具3のみを上方に持ち上げて抜き取り、図6に示す状態とする。
次に、図7に示すように、コア2を案内治具4のローラ4aにコア2の外周面を当接させるようにして、コア2をマグネットケース1の穴部に挿入する。同様な手順によりコア5をマグネットケース1の穴部に挿入する。
以上説明した手順により、コア2やコア5が傾いてマグネットケース1と齧るようなことがなく、円滑にコア2やコア5をマグネットケース1の穴部に挿入させることができる。
1 マグネットケース
2 コア
3 位置決め治具
3a つば部
4 案内治具
4a ガイドローラ
4b ローラ軸
4c 軸受け
4d 固定部
5 コア
6 コイル
7 プッシュロッド
8 マシンベース
9 ブレーキドラム
10、11 制動腕
12、13 ブレーキシュー
14、15 ピン
16 圧縮ばね
17、18 押圧ロッド
19 レバー
20 ロッド

Claims (2)

  1. 電磁ブレーキのマグネットケースに形成された穴部に円筒状のコアを挿入する際の位置決めを行うためのコア挿入装置において、
    コア挿入装置は、
    前記コアと同一の直径を持つ円筒形であり前記円筒部上に配設される突起部を備え、前記穴部に挿入される位置決め治具と、
    前記マグネットケースへの固定部と、前記固定部上に設けられ、それぞれが等角度間隔となるように配置された少なくとも3つ以上のガイドローラと、を持つ案内治具と、
    を備えていることを特徴とするコア挿入装置。
  2. 請求項1に記載の位置決め治具において、前記位置決め治具の端部が先端側ほど直径が小さくなるテーパー形状に形成されていることを特徴とするコア挿入装置。
JP2012098934A 2012-04-24 2012-04-24 エレベーターの電磁ブレーキコア挿入装置 Pending JP2013227102A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104340804A (zh) * 2014-10-30 2015-02-11 国家电网公司 电梯紧急制动装置
JP2016175723A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 三菱重工業株式会社 位置調整装置

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