JP2013226420A - 帯電散布ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドから帯電散布した消火剤粒子の飛距離を延ばして広い防護範囲を確保できるようにする。
【解決手段】消火剤の噴射粒子に帯電させて散布する帯電散布ヘッド10は、小粒子噴射ノズル38aにより30μm〜200μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径の消火剤と小粒子噴射ノズル38bにより200μm〜2000μm比較的大きい粒子径の消化剤とを混合して散布し、大きい粒子径の消火剤粒子群の散布による気流により粒子径の小さい消火剤粒子群を搬送する。
【選択図】図4

Description

本発明は、水、海水、消火薬剤を含有した水系の消火剤粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに関する。
従来、この種の水系の火災防災設備には、スプリンクラー消火や水噴霧消火設備、ウォーターミスト消火設備などがある。特にウォーターミスト消火設備は水の粒子をスプリンクラー設備や水噴霧設備と比べて数分の1の20〜200μmと小さくして、空間に放出することで、冷却効果と蒸発水による酸素供給の阻害効果により、少ない水量での消火効果を期待したものである。
近年、水を消火剤として用いるスプリンクラー消火設備や水噴霧消火設備、あるいはウォーターミスト消火設備にあっては、二酸化炭素やハロンなどのガス系消火剤などと比較して、環境及び人体にやさしい水を消火剤としていることから、見直されているところである。
特開平11−192320号公報 特開平10−118214号公報 特開平08−266676号公報 特開平58−174258号公報 特開平03−186277号公報
しかしながら、従来のスプリンクラー消火設備や水噴霧消火設備にあっては、高い消火能力を有していることは一般の認めるところであるが、消火能力を確保するために放射水量が多くなり、消火時及び消火後の水濡れ被害を低減することが課題となっている。
一方、水濡れ被害が少ないとされるウォーターミスト消火設備にあっては、空間に比較的小さな水の粒子を充満させて、冷却効果と蒸発水による酸素供給の阻害効果をねらったものであるが、消火能力はあまり高くないのが実情である。
このような問題を解決するため本願発明者等にあっては、火災時おいて、ヘッドから散布する消火剤粒子を帯電させることにより、消火剤粒子に働くクーロン力によって燃焼物への濡らし効果を高めて高い消火効果を得ることができ、さらにまた、火災によって発生する煙の消火剤粒子のクーロン力による捕集効果を高めて消煙効果を高めることができる火災防災設備を提案している(特願2007−279865号)。
このような消火効果及び消煙効果は、使用する消火剤の量が一定のときには消火剤の粒子径が、火災室雰囲気ですぐに蒸発消滅しない程度の、なるべく小さい粒子径である方が、高い。これは粒子径が小さいほどクーロン力による可燃物への回り込み付着量が多くなることや、粒子径が小さいほど粒子濃度(単位空間中の粒子個数)が大きくなり、煙粒子と消火剤粒子の距離が小さくなってクーロン力による捕集効果が大きくなるためと推測される。
一方で、消火剤粒子が小さくなればなるほど防護区域全体に、消火剤粒子を散布することが困難となる。例えば、水圧1MPaで粒子径200μmの水粒子を生成する散布ヘッドにあっては、水粒子はおよそ23m/sの初速度でヘッドから放出されるが、例えば真横方向においては、約1m以下程度の飛距離で空気抵抗により失速してしまう。
従って、防護区域全体に小さい粒子径の消火剤を散布するためには、例えば天井面に小さなヘッド間隔で非常に多くのヘッドを配置する必要があり、ヘッド数が多いことによるコスト上の、あるいは照明等との取り合い上の、さらにはヘッドに消火剤を供給する配管が多いことによる配管を引き回す上での梁などとの取り合い上等の問題がある。
本発明は、ヘッドから帯電散布した消火剤粒子の飛距離を延ばして広い防護範囲を確保できるようにする帯電散布ヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、水系消火剤の放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の水系消火剤を放射する小粒子ヘッド部と、
200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の水系消火剤を放射する大粒子ヘッド部と、
を備え、
小粒子ヘッド部と大粒子ヘッド部を横に並べて隣接配置し、
小粒子ヘッド部は、
水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子噴射ノズルと、
小粒子噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
小粒子噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
小粒子噴射ノズルの内部に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
を備え、
大粒子ヘッド部は、
水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子噴射ノズルと、
大粒子噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
大粒子噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
大粒子噴射ノズルの内部に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
を備え、
小粒子ヘッド部と大粒子ヘッド部の誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、小粒子噴射ノズル及び大粒子噴射ノズルにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする。
また、本発明は、水系消火剤の30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子噴射ノズルと、
小粒子噴射ノズルと同軸に外側に配置され、水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子噴射ノズルと、
小粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
大粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用螺旋と、
各噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
各噴射ノズルの流入側に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
を備え、
誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、小粒子噴射ノズル及び大粒子噴射ノズルにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする。
また、本発明は、水系消火剤の30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子径噴射ノズルと、
大粒子径噴射ノズルと同軸に外側に配置され、水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子噴射ノズルと、
大粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
小粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用螺旋と、
各噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
各噴射ノズルの流入側に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
を備え、
誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、小粒子噴射ノズル及び大粒子噴射ノズルにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする。
また、本発明は、水系消火剤の30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
水系の消火剤の外部空間への噴射により回転する回転噴射ノズルと、
回転噴射ノズルに開口され、水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子用ノズルスリットと、
回転噴射ノズルに開口され、水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子用ノズルスリットと、
噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
回転噴射ノズルの流入側に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
を備え、
誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、小粒子用ノズルスリット及び大粒子用ノズルスリットにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする。
帯電散布ヘッドは、所定の粒子径範囲に含まれる消火剤粒子を、プラス又はマイナスに帯電させる。
本発明によれば、帯電散布ヘッドから所定の粒子径範囲、例えば30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された水系の帯電した消火剤粒子群を放射することにより、消火効果及び消煙効果の高い30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の小さな粒子径の消火剤粒子群を、飛距離の大きな200μから2000μmの範囲にある平均粒子径の大きな消火剤粒子群による空気の対流により広い範囲に散布することができる。
例えば1000μmから2000μmの比較的大きな粒子径の消火剤粒子群の散布では、0.1Mp程度の比較的低い圧力であっても容易に4m程度の範囲に散布することができ、この散布のときには散布のパターンに従った空気の対流が認められる。この対流に小さな消火剤粒子群を乗せて搬送させることで、大きな消火剤粒子群と共に小さな消火剤粒子群を広い範囲に散布することができ、少ない数の散布ヘッドで、防護区域全体に大小の消火剤粒子群を散布することができる。
また、初期火災(比較的小さな火災)の時は小さな粒子径の消火剤粒子群で十分な消火効果が得られるが、灯油やガソリンなどを用いた放火火災の場合には、いきなり大規模な火災から始まることがある。このような火災の発熱量は大きく、火元に対してこれに負けない比較的大量の消火剤(水)を投入する必要がある。大きな粒子径の消火剤はこのような火災に対して火勢を弱める作用がある。しかしその後の、小さな隙間で継続燃焼している火炎の消火や、ヘッドから陰(死角)になる部分の火炎の消火は苦手である。これに対し小さな消火剤粒子はこれら隙間や、陰の部分をクーロン力により回り込んで濡らして消火する作用があり、相互作用により、放火火災などでも高い消火性能が得られる。
また、消火剤小粒子と消火剤大粒子を共にプラス帯電又は共にマイナス帯電させることにより、散布空間中において消火剤小粒子と消火剤大粒子の消火剤どうしが会合することを防ぐことができる。
本発明による火災防災設備の実施形態を示した説明図 図1の防護エリアAを取り出して示した説明図 本発明による帯電散布ヘッドの第1実施形態を示した説明図 本発明による帯電散布ヘッドの第2実施形態を示した説明図 本発明による帯電散布ヘッドの第3実施形態を示した説明図 本発明による帯電散布ヘッドの第4実施形態を示した説明図
図1は本発明による火災防災設備の実施形態を示した説明図である。図1において、建物内の例えばコンピュータルームなどの防護エリアA及びBの天井側には、本実施形態による帯電散布ヘッド10が設置されている。
帯電散布ヘッド10に対しては、消火剤供給設備として機能する水源14に対し設置されたポンプユニット12の突出側から手動弁(仕切弁)13を介して配管16が接続され、配管16は分岐後に調圧弁30及び自動開閉弁32を介して、防護エリアA,Bのそれぞれに設置した帯電散布ヘッド10に接続している。
防護エリアA,Bのそれぞれには、帯電散布ヘッド10からの散布を制御する専用火災感知器18が設置されている。また防護エリアA,Bのそれぞれに対しては連動制御中継装置20が設けられ、更に帯電散布ヘッド10からの散布制御を手動操作で行うための手動操作箱22が設けられている。
連動制御中継装置20に対しては、専用火災感知器18及び手動操作箱22からの信号線が接続されると共に、帯電散布ヘッド10に帯電駆動のための電圧を印加するための信号線、及び自動開閉弁32を開閉制御するための信号線が引き出されている。
更に防護エリアAには自動火災報知設備の火災感知器26が設置され、自動火災報知設備の受信機28からの感知器回線に接続している。なお、防護エリアBについては自動火災報知設備の火災感知器26を設けていないが、必要に応じて設けてもよいことはもちろんである。
防護エリアA,Bに対応して設置した連動制御中継装置20は、システム監視制御盤24に信号線接続されている。システム監視制御盤24に対しては自動火災報知設備の受信機28も接続されている。更にシステム監視制御盤24はポンプユニット12を信号線接続し、ポンプユニット12におけるポンプ起動停止を制御する。
図2は図1の防護エリアAを取り出して示した説明図である。防護エリアAの天井側には帯電散布ヘッド10が設置されている。帯電散布ヘッド10に対しては、図1に示したポンプユニット12からの配管16が調圧弁30及び自動開閉弁32を介して接続されている。
また帯電散布ヘッド10の上部には電圧印加部15が設置されており、後の説明で明らかにするように、帯電散布ヘッド10に所定の電圧を印加して、帯電散布ヘッド10から噴射する消火剤を帯電させて散布できるようにしている。また防護エリアAの天井側には専用火災感知器18が設置され、併せて自動火災報知設備の火災感知器26も接続されている。
図3は図1及び図2に示した帯電散布ヘッド10の第1実施形態であり、図3(A)は断面、図3(B)は下側から見た平面、図3(C)は誘導電極を取り出して示している。
図3(A)において、帯電散布ヘッド10は小粒子ヘッド部10Aと大粒子ヘッド部10Bで構成され、両者を横に並べて隣接配置している。帯電散布ヘッド10は、所定の粒子径範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された水系消火剤を放射する。例えば、帯電散布ヘッド10は、30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された水系消火剤を放射する。
この内、小粒子ヘッド部10Aは、30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の消火剤粒子群を放射し、大粒子径ヘッド部10Bは200μから2000μmの範囲にある平均粒子径の消火剤粒子群を放射する。
小粒子ヘッド部10Aの構造は次のようになる。小粒子ヘッド部10Aは、ポンプユニット12からの配管に接続した立下り配管34aの先端にヘッド本体36aをねじ込み固定している。ヘッド本体36aの先端内側には、絶縁部材41aを介して、円筒状の水側電極部40aが組み込まれている。
水側電極部40aに対しては、図2に示したように、上部に設置している電圧印加部15よりアースケーブル50aが引き出され、ヘッド本体36aの内側に絶縁部材41aを介して設置した水側電極部40aに接続されている。このアースケーブル50aによる接続で、水側電極部40aは印加電圧を0ボルトとし、且つアース側に落とすようにしている。
水側電極部40aの下側には小粒子噴射ノズル38aが設けられる。小粒子噴射ノズル38aは、水側電極部40a側の内部に設けた水流旋回用中子37aと、先端側に設けたノズルヘッド39aで構成される。
小粒子噴射ノズル38aは、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34aから受け、ヘッド本体36aを通過してノズルヘッド39aから外部に噴射される際に、水系消火薬剤を30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の小粒子に変換して散布する。本実施形態において、小粒子噴射ノズル38aから散布される散布パターンは、いわゆるフルコーンの形状を持つことになる。
小粒子噴射ノズル38aに対しては、固定部材43aを介して、絶縁性材料を用いたカバー42aがビス止めにより固定される。カバー42aはほぼ円筒状の部材であり、下側の開口部にストッパリング46aのネジ止めによりリング状の誘導電極部44aを組み込んでいる。
誘導電極部44aは、図3(C)に取り出して示すように、リング状本体の中央に小粒子噴射ノズル38aからの噴射粒子を通過させる開口54aを形成している。
カバー42aの下部に配置したリング状誘導電極部44aに対しては、図2に示した上部の電圧印加部15より電極印加ケーブル48aが引き出され、電極印加ケーブル48aは絶縁性材料からなるカバー42aを貫通して誘導電極部44aに接続され、電圧を印加できるようにしている。
ここで、本実施形態の帯電散布ヘッド10に使用している水側電極部40a及び誘導電極部44aとしては、導電性を有する金属以外に、導電性を有する樹脂、導電性を有するゴムであってもよく、更にこれらの組合せであってもよい。
小粒子ヘッド部10Aから水系の消火薬剤を散布する際には、図2に示した電圧印加部15が図1に示す連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、水側電極部40を0ボルトとなるアース側とし、誘導電極部44aに対し例えば20キロボルトを超えない直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。
このように水側電極部40aと誘導電極部44aとの間に例えば数キロボルトとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって両電極間に外部電界が生じ、小粒子噴射ノズル38aから水系の消火剤が30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の噴射小粒子に変換される噴射過程を通じて噴射小粒子が帯電され、帯電された噴射小粒子を外部に散布することができる。
大粒子ヘッド部10Bの構造は基本的に小粒子ヘッド部10Aと同じであるが、200μから2000μmの範囲にある平均粒子径の消火剤粒子群を放射する点で相違する。
即ち、大粒子ヘッド部10Bは、ポンプユニット12からの配管に接続した立下り配管34bの先端にヘッド本体36bをねじ込み固定している。
ヘッド本体36bには内側に圧力制限オリフィス55が設けられており、圧力制限オリフィス55を通過することでノズルヘッド39a内の水圧は大きく下げられて大粒子径の噴射が得られる。ヘッド本体36bの先端内側には、絶縁部材41bを介して、円筒状の水側電極部40bが組み込まれている。
水側電極部40bに対しては、図2に示したように、上部に設置している電圧印加部15よりアースケーブル50bが引き出され、ヘッド本体36bの内側に絶縁部材41bを介して設置した水側電極部40bに接続されている。このアースケーブル50bによる接続で、水側電極部40bは印加電圧を0ボルトとし、且つアース側に落とすようにしている。
水側電極部40bの下側には大粒子噴射ノズル38bが設けられる。大粒子噴射ノズル38bは、水側電極部40b側の内部に設けた水流旋回用中子37bと、先端側に設けたノズルヘッド39bで構成される。
大粒子噴射ノズル38bは、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34bから受け、ヘッド本体36bを通過して圧力制限オリフィス55を介してノズルヘッド39bから外部に噴射される際に、水系消火薬剤を200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の大粒子に変換して散布する。本実施形態において、大粒子噴射ノズル38bから散布される散布パターンは、いわゆるフルコーンの形状を持つことになる。
大粒子噴射ノズル38bに対しては、固定部材43bを介して、絶縁性材料を用いたカバー42bがビス止めにより固定される。カバー42bはほぼ円筒状の部材であり、下側の開口部にストッパリング46bのネジ止めによりリング状の誘導電極部44bを組み込んでいる。
誘導電極部44bは、図3(C)に取り出して示すように、リング状本体の中央に大粒子噴射ノズル38bからの噴射粒子を通過させる開口54bを形成している。
カバー42bの下部に配置したリング状誘導電極部44bに対しては、図2に示した上部の電圧印加部15より電極印加ケーブル48bが引き出され、電極印加ケーブル48bは絶縁性材料からなるカバー42bを貫通して誘導電極部44bに接続され、電圧を印加できるようにしている。
ここで、本実施形態の帯電散布ヘッド10に使用している水側電極部40b及び誘導電極部44bとしては、導電性を有する金属以外に、導電性を有する樹脂、導電性を有するゴムであってもよく、更にこれらの組合せであってもよい。
大粒子ヘッド部10Bから水系の消火薬剤を散布する際には、図2に示した電圧印加部15が図1に示す連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、水側電極部40bを0ボルトとなるアース側とし、リング状誘導電極部44bに対し例えば20キロボルトを超えない直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。
このように水側電極部40bと誘導電極部44bとの間に例えば数キロボルトとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって両電極間に外部電界が生じ、大粒子噴射ノズル38bから水系の消火剤が200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の噴射大粒子に変換される噴射過程を通じて噴射大粒子が帯電され、帯電された噴射大粒子を外部に散布することができる。
小粒子ヘッド部10Aによる消火剤小粒子群の噴射と大粒子ヘッド部10Bによる消火剤大粒子群の噴射は同時に行われて混合されることから、200μmから2000μmの範囲にある消火剤大粒子群の噴射による散布のパターンに従って空気の対流が発生し、この空気の対流により30μmから200μmの範囲にある消火剤小粒子群が搬送され、消火剤大粒子群と共に消火剤小粒子群を広い範囲に散布することができ、少ない数の帯電散布ヘッド10で、防護区画全体に小粒子と大粒子を混合した消火剤を散布することができる。
例えば大粒子ヘッド部38bによる消火剤粒子群の散布は、1.0Mp程度の圧力が供給されている場合であっても、圧力制限オリフィス55によって、たとえば0.1Mp程度の圧力に低下することによって消火剤粒子径は1000μmから2000μmの大粒子径となって4メートル程度の範囲に散布することができ、このような消火剤大粒子群の散布で発生する対流により、小粒子ヘッド部38aから同じく1.0Mp程度の圧力で散布された30μmから200μmの小さな消火剤粒子群を確実に4メートル程度の広い範囲に散布することができる。
次に図1の実施形態における監視動作を説明する。いま、防護エリアAにおいて火災Fが発生したとすると、例えば専用火災感知器18が火災を検出して火災検出信号を連動制御中継装置20を介してシステム監視制御盤24に送る。
システム監視制御盤24は防護エリアAに設置している専用火災感知器18の発報を受信するとポンプユニット12を起動し、水源14から消火用水を汲み上げてポンプユニット12により加圧し、配管16に供給する。
同時にシステム監視制御盤24は、防護エリアAに対応して設けている連動制御中継装置20に対し帯電散布ヘッド10の起動信号を出力する。この起動信号を受けて、連動制御中継装置20は自動開閉弁32を開放動作し、これによって調圧弁30により調圧された一定圧力の水系の消火剤が、開放した自動開閉弁32を介して帯電散布ヘッド10に供給され、図2に取り出して示すように、帯電散布ヘッド10から防護エリアAに噴射粒子として散布される。
同時に連動制御中継装置20は、図2に示す帯電散布ヘッド10に設けている電圧印加部15に対し起動信号を送り、この起動信号を受けて電圧印加部15は、帯電散布ヘッド10に対し例えば数キロボルトとなる直流、交流又はパルス状となる印加電圧を供給する。
このため図3(A)に示した帯電散布ヘッド10にあっては、小粒子ヘッド部10Aの小粒子噴射ノズル38aと大粒子ヘッド部10Bの大粒子噴射ノズル38bのそれぞれから加圧された水系の消火薬剤を噴射粒子に変換して散布する際に、アースケーブル50a,50bが接続された水側電極部40a,40bを0ボルトとして、電圧印加ケーブル48a,48bが接続された誘導電極部44a,44b側に数キロボルトの電圧が印加され、この電圧印加により生じた外部電解を、小粒子噴射ノズル38aと大粒子噴射ノズル38bから噴射されて誘導電極部44a,44bの開口54a,54bを通過する噴射過程にある水系の消火剤に印加し、噴射により変換された消火剤小粒子と消火剤大粒子を帯電させた後に混合して散布することができる。
図2に取り出して示すように、帯電散布ヘッド10から火災Fが発生している防護エリアAに向けて消火剤大粒子群を散布すると共に、200〜2000μmの消火剤大粒子群の散布、特に1000〜2000μmの比較的大きな消火剤大粒子群の散布で発生した空気の対流により30〜200μmの消火剤小粒子群を搬送して確実に広い範囲に散布することができる。
また、30〜200μmの消火剤小粒子群は帯電しているため、帯電によるクーロン力により火災Fによる高温燃焼源に効率良く付着すると同時に、燃焼剤のあらゆる面への付着が起こり、従来の非帯電の水粒子を散布した場合に比べ、燃焼剤に対する濡らし効果が大幅に増大し、高い消火能力が発揮される。
また、消火剤大粒子群が散布されることで、灯油やガソリンなどを用いた放火火災のようにいきなり大規模な火災から始まる火災の火勢を弱め、同時に散布した消火剤小粒子群による濡らし効果により高い消火能力が発揮される。
更に図3(A)の小粒子ヘッド部10Aと大粒子ヘッド部10Bにあっては、例えば水側電極部40a,40bを0ボルトとし、リング状誘導電極部44a,44bに対しプラスの電圧をパルス的に印加したような場合には、散布される水粒子はマイナスの電荷のみに帯電した散布となる。
このようにマイナスの電荷のみに帯電した消火剤小粒子と消火剤大粒子を混合して散布した場合には、空間中で帯電した水粒子間には斥力が働き、これによって水粒子が衝突会合して成長落下する確率が小さくなり、空間中に滞留する水粒子の密度が高くなり、これによって高い消火能力が発揮される。
また、防護エリアAに帯電散布ヘッド10から帯電した消火剤小粒子群を消火剤大粒子群の散布で発生した気流により搬送して散布することで、火災Fにより発生した煙を効率的に消す消煙効果が得られる。
このような本実施形態における消煙効果は、従来の水粒子の散布による消煙効果が水粒子と煙粒子との確率的な衝突による捕捉作用であることに対し、本実施形態にあっては、散布している水粒子を帯電させることにより、同じく帯電状態にある煙粒子を水粒子がクーロン力によって捕集し、これによって大幅な消煙作用が発揮される。
図4は図1及び図2に示した帯電散布ヘッド10の第2実施形態であり、図4(A)は断面、図4(B)は下側から見た平面、図4(C)は誘導電極を取り出して示している。
図4(A)において、第2実施形態の帯電散布ヘッド10は、小粒子ヘッド部を構成する小粒子ノズル38aと大粒子ヘッド部を構成する大粒子噴射ノズル38bを同軸配置している。
即ち、帯電散布ヘッド部10は、ポンプユニット12からの配管に接続した立下り配管34の先端にヘッド本体36をねじ込み固定している。ヘッド本体36の先端内側には、絶縁部材41を介して、円筒状の水側電極部40が組み込まれている。
水側電極部40に対しては、図2に示したように、上部に設置している電圧印加部15よりアースケーブル50が引き出され、ヘッド本体36の内側に絶縁部材41を介して設置した水側電極部40に接続されている。このアースケーブル50による接続で、水側電極部40は印加電圧を0ボルトとし、且つアース側に落とすようにしている。
水側電極部40の下側には小粒子噴射ノズル38aが設けられ、その外側に同軸に大粒子噴射ノズル38bが設けられている。小粒子噴射ノズル38aは、内部に設けた水流旋回用中子37aと先端側に設けたノズルヘッド39aで構成される。大粒子噴射ノズル38bは、内側に位置するノズルヘッド39aの外周に設けた圧力制限オリフィス55及び水流旋回用螺旋56aと先端側に設けたノズルヘッド39bで構成される。
小粒子噴射ヘッド38aは図4(B)に示すように、下向きに小粒子ノズル穴58aを形成し、大粒子噴射ヘッド38bは、その外側にリング状の大粒子ノズル開口58bを形成している。
小粒子噴射ノズル38aは、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34から受け、ヘッド本体36を通過してノズルヘッド39aからその一部を外部に噴射させる際に、水系消火薬剤を30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の小粒子に変換して散布する。本実施形態において、小粒子噴射ノズル38aから散布される散布パターンは、いわゆるフルコーンの形状を持つことになる。
大粒子噴射ノズル38bは、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34から受け、ヘッド本体36を通過して圧力制限オリフィス55を介してノズルヘッド39bからその一部を外部に噴射させる際に、水系消火薬剤を200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の大粒子に変換して散布する。本実施形態において、小粒子噴射ノズル38aから散布される散布パターンは、いわゆるフルコーンの形状を持つことになる。
このとき外側に位置する大粒子ノズル開口58bからの消火剤大粒子群の散布により発生した気流により、内側に位置する小粒子ノズル穴58aから散布された消火剤小粒子群が搬送され、消火剤大粒子群と共に消火剤小粒子群を広い範囲に散布することができ、少ない数の帯電散布ヘッド10で、防護区画全体に小粒子と大粒子を混合した消火剤を散布することができる。
小粒子噴射ノズル38aに対しては、固定部材43を介して、絶縁性材料を用いたカバー42がビス止めにより固定される。カバー42はほぼ円筒状の部材であり、下側の開口部にストッパリング46のネジ止めによりリング状の誘導電極部44を組み込んでいる。
誘導電極部44は、図4(C)に取り出して示すように、リング状本体の中央に小粒子噴射ノズル38a及び大粒子噴射ノズル38bからの噴射粒子を通過させる開口54を形成している。
カバー42の下部に配置した誘導電極部44に対しては、図2に示した上部の電圧印加部15より電圧印加ケーブル48が引き出され、電極印加ケーブル48は絶縁性材料からなるカバー42を貫通して誘導電極部44に接続され、電圧を印加できるようにしている。
小粒子噴射ノズル38aと大粒子噴射ノズル38bから水系の消火薬剤を散布する際には、図2に示した電圧印加部15が図1に示す連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、水側電極部40を0ボルトとなるアース側とし、リング状誘導電極部44に対し例えば20キロボルトを超えない直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。
このように水側電極部40とリング状誘導電極部44との間に例えば数キロボルトとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって両電極間に外部電界が生じ、小粒子噴射ノズル38aから水系の消火剤が30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の噴射小粒子に変換される噴射過程を通じて噴射小粒子が帯電され、同時に、大粒子噴射ノズル38bから水系の消火剤が200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の噴射大粒子に変換される噴射過程を通じて噴射大粒子が帯電され、帯電された消火剤小粒子群と消火剤大粒子群を外部に混合して散布することができる。
この小粒子噴射ノズル38aと大粒子噴射ノズル38bを同軸配置した帯電散布ヘッド10によれば、図3の隣接配置した第1実施形態に比べ、ヘッドを小型化して設置スペースとコストの低減を図ることができる。
図5は図1及び図2に示した帯電散布ヘッド10の第3実施形態であり、図5(A )は断面、図5(B)は下側から見た平面、図5(C)は誘導電極を取り出して示している。
図5(A)において、第3実施形態の帯電散布ヘッド10は、図4の第2実施形態とは逆に、大粒子噴射ノズル38bを中心に配置し、その外側に小粒子噴射ノズル38aを同軸に配置したことを特徴とする。中心に位置する大粒子噴射ノズル38bは、内部に設けた圧力制限オリフィス55及び水流旋回用中子37bと先端側に設けたノズルヘッド39bで構成される。外側に設けた小粒子噴射ノズル38aは、内側に位置するノズルヘッド39bの外周に設けた水流旋回用螺旋56bと先端側に設けたノズルヘッド39aで構成される。
内側の大粒子噴射ヘッド38bは図5(B)に示すように、下向きに大粒子ノズル穴60bを形成し、外側の小粒子噴射ヘッド38aは、その外側にリング状の小粒子ノズル開口60aを形成している。
それ以外の構造は図4の第2実施形態と同じであることから同一番号を付して説明は省略する。
図5の第3実施形態にあっても、小粒子噴射ノズル38aは、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34から受け、ヘッド本体36を通過してノズルヘッド39aからその一部を外部に噴射させる際に、水系消火薬剤を30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の小粒子に変換して散布する。
同時に、大粒子噴射ノズル38bは、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34から受け、ヘッド本体36を通過して圧力制限オリフィス55を介してノズルヘッド39bからその一部を外部に噴射させる際に、水系消火薬剤を200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の大粒子に変換して散布する。
このとき内側に位置する大粒子ノズル開口60bからの消火剤大粒子群の散布で発生した気流により、外側に位置する小粒子ノズル開口60aから散布された消火剤小粒子群が搬送され、消火剤大粒子群と共に消火剤小粒子群を広い範囲に散布することができ、少ない数の帯電散布ヘッド10で、防護区画全体に小粒子と大粒子を混合した消火剤を散布することができる。
また水側電極部40と誘導電極部44との間に例えば数キロボルトとなる電圧が加えられことによって両電極間に外部電界が生じ、小粒子噴射ノズル38aから水系の消火剤が30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の噴射小粒子に変換される噴射過程を通じて噴射小粒子が帯電され、同時に、大粒子噴射ノズル38bから水系の消火剤が200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の噴射大粒子に変換される噴射過程を通じて噴射大粒子が帯電され、帯電された消火剤小粒子群と消火剤大粒子群を外部に混合して散布することができる。
この第3実施形態の小粒子噴射ノズル38aと大粒子噴射ノズル38bを同軸配置した帯電散布ヘッド10によれば、図3の隣接配置した第1実施形態に比べ、ヘッドを小型化して設置スペースとコストの低減を図ることができる。
また、第2実施形態とは逆に内側に大粒子噴射ノズル38bを配置していることで、外側に位置する小粒子噴射ノズル38aから散布された消火剤小粒子群を、消火剤大粒子群の散布により発生する気流で押し広げるように搬送し、消火剤小粒子群を効率よく搬送できる。
図6は図1及び図2に示した帯電散布ヘッド10の第4実施形態であり、図6(A)は断面、図6(B)は下側から見た平面、図6(C)は誘導電極を取り出して示している。
図6(A)において、第4実施形態の帯電散布ヘッド10は、小粒子ヘッド部と大粒子ヘッド部を構成するノズルヘッドを回転噴射ノズル62としたことを特徴とする。即ち、帯電散布ヘッド10は、ポンプユニット12からの配管に接続した立下り配管34の先端にヘッド本体36をねじ込み固定している。ヘッド本体36の先端内側には、絶縁部材41を介して、円筒状の水側電極部40が組み込まれている。
水側電極部40に対しては、図2に示したように、上部に設置している電圧印加部15よりアースケーブル50が引き出され、ヘッド本体36の内側に絶縁部材41を介して設置した水側電極部40に接続されている。このアースケーブル50による接続で、水側電極部40は印加電圧を0ボルトとし、且つアース側に落とすようにしている。
水側電極部40の下側には回転噴射ノズル62が設けられる。回転噴射ノズル62は固定部材43の内側にベアリング64を介して回転自在に載置され、水側電極40との間に別の固定部材66を配置している。
回転噴射ノズル62には図6(B)に示すように、回転中心からオフセットした位置に、小粒子噴射スリット68と大粒子噴射スリット70の組を2つ形成している。
小粒子噴射スリット68は、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34から受け、ヘッド本体36を通過して外部に噴射させる際に、水系消火薬剤を30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の小粒子に変換して散布する。
大粒子噴射スリット70は、図1のポンプユニット12から加圧供給された水系の消火剤の供給を立下り配管34から受け、ヘッド本体36を通過して外部に噴射させる際に、水系消火薬剤を200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の大粒子に変換して散布する。
小粒子噴射スリット68と大粒子噴射スリット70は肉厚方向に対し斜めに形成されており、このため小粒子噴射スリット68と大粒子噴射スリット70からの消火剤の噴出で回転噴射ノズル62を旋回させながらスパイラル状に消火剤小粒子群と消火剤大粒子群を散布する。
このとき大粒子噴射スリット70からの消火剤大粒子群の散布で発生した気流により、小粒子噴射スリット68から散布された消火剤小粒子群が搬送され、消火剤大粒子群と共に消火剤小粒子群を広い範囲に散布することができ、少ない数の帯電散布ヘッド10で、防護区画全体に小粒子と大粒子を混合した消火剤を散布することができる。
ヘッド本体36に対しては固定部材43を介して、絶縁性材料を用いたカバー42がビス止めにより固定される。カバー42はほぼ円筒状の部材であり、下側の開口部にストッパリング46のネジ止めによりリング状の誘導電極部44を組み込んでいる。
誘導電極部44は、図6(C)に取り出して示すように、リング状本体の中央に小粒子噴射スリット68及び大粒子噴射スリット70からの噴射粒子を通過させる開口54を形成している。
カバー42の下部に配置した誘導電極部44に対しては、図2に示した上部の電圧印加部15より電圧印加ケーブル48が引き出され、電圧印加ケーブル48は絶縁性材料からなるカバー42を貫通して誘導電極部44に接続され、電圧を印加できるようにしている。
回転噴射ノズル62小粒子噴射スリット68と大粒子噴射スリット70から水系の消火薬剤を散布する際には、図2に示した電圧印加部15が図1に示す連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、水側電極部40を0ボルトとなるアース側とし、リング状の誘導電極部44に対し例えば20キロボルトを超えない直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。
このように水側電極部40と誘導電極部44との間に例えば数キロボルトとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって両電極間に外部電界が生じ、回転噴射ノズル62の小粒子噴射スリット68から水系の消火剤が30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の噴射小粒子に変換される噴射過程を通じて噴射小粒子が帯電され、同時に、大粒子噴射スリット70から水系の消火剤が200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の噴射大粒子に変換される噴射過程を通じて噴射大粒子が帯電され、帯電された消火剤小粒子群と消火剤大粒子群を回転噴射ノズル62の旋回により混合しながらスパイラル状に散布することができる。
この回転噴射ノズル62を用いた帯電散布ヘッド10によれば、ノズル内部に水流旋回用中子や水流旋回用螺旋を設ける必要がないことから、その分、ノズル構造が簡単となり、ヘッドを小型化して設置スペースとコストの低減を図ることができる。
なお本実施形態で使用する帯電散布ヘッド10としては、上記の実施形態に示したさまざまな構造を適用できるが、これに限定されず、適宜の構造の帯電散布ヘッドを使用することができる。
また帯電散布ヘッドに印加する帯電電圧も、水側電極部を0ボルトとして誘導電極部側をプラスマイナスの印加電圧とするか、プラスのみの印加電圧とするか、あるいはマイナスのみの印加電圧とするかは、消火対象とする燃焼部材側の状況に応じて、必要に応じて適宜に定めることができる。
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:帯電散布ヘッド
10A:小粒子ヘッド部
10B:大粒子ヘッド部
12:ポンプユニット
13:手動弁
14:水源
15:電圧印加部
16:配管
18:専用火災感知器
20:連動制御中継装置
22:手動操作箱
24:システム監視制御盤
26:火災感知器
28:受信機
30:調圧弁
32:自動開閉弁
34:立下り配管
36,36a,36b:ヘッド本体
37a,37b:水流旋回用中子
38,68:噴射ノズル
38a:小粒子噴射ノズル
38b:大粒子噴射ノズル
39a,39b:ノズルヘッド
40,40a,40b:水側電極部
41,41a,41b:絶縁部材
43,43a,43b,66:固定部材
42,42a,42b:カバー
44,44a,44b:誘導電極部
45,45a,45b,54,54a,54b:開口
46,46a,46b:ストッパリング
48,48a,48b:電圧印加ケーブル
52a,58a:小粒子ノズル穴
52b,60b:大粒子ノズル穴
55:圧力制限オリフィス
56a,56b:水流旋回用螺旋
58b:大粒子ノズル開口
60a:小粒子ノズル開口
62: 回転噴射ノズル
64:ベアリング
68:小粒子噴射スリット
70:大粒子噴射スリット

Claims (5)

  1. 水系消火剤の放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    30μmから200μmの範囲にある平均粒子径の水系消火剤を放射する小粒子ヘッド部と、
    200μmから2000μmの範囲にある平均粒子径の水系消火剤を放射する大粒子ヘッド部と、
    を備え、
    前記小粒子ヘッド部と大粒子ヘッド部を横に並べて隣接配置し、
    前記小粒子ヘッド部は、
    水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子噴射ノズルと、
    前記小粒子噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
    前記小粒子噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
    前記小粒子噴射ノズルの内部に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
    を備え、
    前記大粒子ヘッド部は、
    水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子噴射ノズルと、
    前記大粒子噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
    前記大粒子噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
    前記大粒子噴射ノズルの内部に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
    を備え、
    前記小粒子ヘッド部と大粒子ヘッド部の前記誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、前記小粒子噴射ノズル及び大粒子噴射ノズルにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  2. 水系消火剤の30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子噴射ノズルと、
    前記小粒子噴射ノズルと同軸に外側に配置され、水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子噴射ノズルと、
    前記小粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
    前記大粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用螺旋と、
    前記各噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
    前記各噴射ノズルの流入側に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
    を備え、
    前記誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、前記小粒子噴射ノズル及び大粒子噴射ノズルにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  3. 水系消火剤の30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子径噴射ノズルと、
    前記大粒子径噴射ノズルと同軸に外側に配置され、水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子噴射ノズルと、
    前記大粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用中子と、
    前記小粒子径噴射ノズルに供給する水流を旋回させる水流旋回用螺旋と、
    前記各噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
    前記各噴射ノズルの流入側に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
    を備え、
    前記誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、前記小粒子噴射ノズル及び大粒子噴射ノズルにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  4. 水系消火剤の30μmから2000μmまでの範囲に含まれる比較的小さい粒子径と比較的大きい粒子径が混合された放射粒子を帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    水系の消火剤の外部空間への噴射により回転する回転噴射ノズルと、
    前記回転噴射ノズルに開口され、水系の消火剤の外部空間への噴射により小粒子径の粒子に変換して散布する小粒子用ノズルスリットと、
    前記回転噴射ノズルに開口され、水系の消火剤の外部空間への噴射により大粒子径の粒子に変換して散布する大粒子用ノズルスリットと、
    前記噴射ノズルの噴射空間側に配置した誘導電極部と、
    前記回転噴射ノズルの流入側に配置されて水系の消火剤に接触する水側電極部と、
    を備え、
    前記誘導電極部と水側電極部との間に電圧を加えることにより生じる外部電界を、前記小粒子用ノズルスリット及び大粒子用ノズルスリットにより噴射過程にある水系の消火剤に印加して、噴射粒子を帯電させることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  5. 請求項1乃至4記載の帯電散布ヘッドに於いて、所定の粒子径範囲に含まれる消火剤粒子を、プラス又はマイナスに帯電させることを特徴とする帯電散布ヘッド。
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