JP2013226077A - ラクトバチルス・ガセリの検出および/または定量用オリゴヌクレオチド - Google Patents

ラクトバチルス・ガセリの検出および/または定量用オリゴヌクレオチド Download PDF

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Abstract

【課題】ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を、迅速かつ簡便に検出できる、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを含むプライマーセットの提供、ならびに、これらを利用するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法を提供する。
【解決手段】ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)に特異的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを設計した。これらを用い、PCR法、定量的PCR法などを行うことにより、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に検出し、また、定量する方法を提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロバイオティクスとして整腸作用や内臓脂肪蓄積抑制作用など様々な効果を有するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を検出するためのラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを含むプライマーセットに関するものである。また、これらを用いたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法、定量方法に関するものである。
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)は、ヒト腸管細胞に高い親和性を有し、経口で投与した時、生存して腸管内に到達し、長期間腸管内に常在することが可能である。また、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)は、腸管に長く留まって腸内環境を整え、便通を改善することが知られている。さらに、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)は血中コレステロール低下作用や、内臓脂肪蓄積抑制作用など、様々な健康効果を有するプロバイオティクス乳酸菌である。
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含む発酵乳やチーズなどの食品において、プロバイオティクスとしてこれら菌株の菌数を確保することが重要である。また、ヒトやマウスなどの実験動物の腸内において、摂取したラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を正確に識別し、菌数を把握することも、菌の有効性を評価する上で重要である。したがってラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を迅速かつ簡便に測定することが求められる。
特にヒトの腸内には、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)と同属同種の乳酸菌ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)が高頻度で検出されることが報告されており、これらの菌株と摂取したラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)とを区別して検出、定量することが求められる。
従来、生物試料中や環境中の菌の同定には、菌を培養し、菌形やグラム染色などの形態観察、糖の発酵性や酵素活性などの生化学検査などにより行われてきた。しかし、これらの手法では、培養に時間がかかることや熟練の技術が要求されるなど、多くの問題があった。また近年、検出対象とする菌によって様々な選択培地が開発・販売されているが、同属同種の似た性質をもつ菌が混在する試料中で特定の菌株だけを特異的に検出できる培地を作ることは困難であった。
一方で、近年、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって特定の微生物を検出する方法が報告されている。これまでに実施されているPCR法による菌の識別法は、16SリボソームRNA遺伝子や23SリボソームRNA遺伝子などに由来する特定遺伝子領域を用いるものが多い。特に16SリボソームRNA遺伝子は原核生物に普遍的に存在し、属および菌種間に共通な塩基配列があるため、16SリボソームRNA遺伝子の塩基配列を基準株と比較して種を決定することができるなど、菌種の同定には有効である。しかしながら、この識別法についても同属同種の異株間の識別は困難であった。
近年、定量的PCR法によって、ある特定の菌を簡便に定量する方法も報告されている(特許文献1、2)。
また、菌株の識別方法として、制限酵素によって切断した染色体DNAの電気泳動パターンの違いを識別するRestriction Fragment Length Polymorphism(RFLP)法(非特許文献1)や、ランダムに設定した10塩基程度のオリゴヌクレオチドを用いてPCR法を行い、増幅されたPCR産物の電気泳動パターンを比較するRandom Amplified Polymorphic DNA(RAPD)法(非特許文献2)などが報告されている。
なお、RAPD法によって得られた、ある特定の菌株に特異的なバンドの塩基配列を用いて該菌株を特異的に検出するプライマー(非特許文献3、4)や、ある菌株に多く含まれるIS配列を利用した特異的検出プライマー(特許文献3)などが報告されている。
特開2006−149400号公報 特開2007−20423号公報 特開2008−86285号公報
腸内細菌学雑誌、 19, 193−198 Letters in Applied Microbiology, 35, 370−374 International Jounal of Food Microbiology, 126, 210−215 Jounal of Applied Microbiology, 110, 209−217
特許文献1、2には、定量的PCR法によって、ある特定の菌を簡便に定量する方法が開示されているが、これらの方法も属や種レベルで菌数を定量するものであり、菌株レベルで菌数を定量する簡便な方法は開示されていない。
また、非特許文献1、2に開示されているRFLP法やRAPD法は、いずれも定量性がなく、RFLP法は、精度は高いが工程が複雑で時間がかかること、RAPD法は迅速な検出が可能であるが、使用する機器によって結果が異なることや再現性が劣るなどの問題がある。
さらに、非特許文献3、4および特許文献3の方法は、対象とする各菌株を特異的に検出するものであるが、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)に関する方法は開示されていない。
本発明は、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に迅速かつ簡便に検出できるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを含むプライマーセットを提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、これらを利用したラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)に特異的な塩基配列を見出し、これを含むオリゴヌクレオチドを設計した。そして、このオリゴヌクレオチドまたはこれらのオリゴヌクレオチドをプライマーとして組合せたプライマーセットを用いることでラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に検出でき、また、定量できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(8)に示される、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを含むプライマーセット、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法、または定量方法に関する。
(1)配列表配列番号1〜10のいずれかに示される塩基配列を含む、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド。
(2)上記(1)に記載のいずれかのオリゴヌクレオチドを含む、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用キット。
(3)配列表配列番号1〜5のいずれかに示される塩基配列を含むラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドと、配列表配列番号6〜10のいずれかに示される塩基配列を含むラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドをプライマーとして、これらを組み合わせて得られるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセット。
(4)上記(3)に記載のプライマーセットを含む、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用キット。
(5)上記(1)に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、または、上記(3)に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットを用いることにより、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を検出するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法。
(6)PCR法によりラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を検出する、上記(5)に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法。
(7)上記(1)に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、または上記(3)に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットを用いることにより、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を定量するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法。
(8)定量的PCR法によりラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を定量する、上記(7)に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法。
本発明により、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を迅速かつ簡便に検出することが可能となる。
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の特異的検出における、PCR法による増幅産物の確認結果を示した図である(実施例2)。 ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットの検討における、PCR法による増幅産物の確認結果を示した図である(実施例3)。 ヒトの腸内におけるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の特異的検出における、PCR法による増幅産物の確認結果を示した図である(実施例4)。 ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量(定量的PCR法)における、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の増幅曲線を示した図である(実施例6)。 ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量(定量的PCR法)における、検量線を示した図である(実施例6)。 ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量(定量的PCR法)における、増幅産物の解離曲線を示した図である(実施例6) ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量(定量的PCR法)により測定したマウス腸内のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を示した図である(実施例6)。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドは、これらのラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)に近縁の菌株を認識することなく、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に認識し、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に検出し、定量できるオリゴヌクレオチドとなる。
上記のオリゴヌクレオチドは、以下の方法で設計した。
まずラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)とガセリ菌の基準株の全ゲノム配列(ACCESION No.CP000413)を比較し、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の有するDNAのうちガセリ菌の基準株にはない配列部分を抽出した。これらの配列と、これらの配列に隣接するガセリ菌の基準株に存在する配列部分との間でいくつかオリゴヌクレオチドを作成した。通常のPCR条件で増幅可能であること、他の領域では増幅断片が生じない配列であることに加え、定量的PCRにも適用可能な100〜300bpの長さの増幅領域でかつTm値が55〜65℃の範囲内になるよう設計を行った。
得られた配列をDDBJ(DNA Date Bank of Japan)でBLAST検索し、リバース側がガセリ菌の他の株と相同性の高い配列であるオリゴヌクレオチドは除いた。また同属同種の近縁株10株を用いてPCRを行い、これらのオリゴヌクレオチドからなるプライマーの組合せがラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)でのみ特異的に検出されることを確認した。なお、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)に近縁のラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)菌として、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)に属する乳酸菌のうち、独立行政法人理化学研究所の公開菌株であるラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)JCM1131、JCM1025、JCM1031、JCM1130、JCM5344、JCM5813、JCM8787、JCM8788、JCM8789、JCM8790などをあげることができる。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドは、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAに特異的な塩基配列を含み、試料などに含まれるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に検出および/または定量できるオリゴヌクレオチドのことをいう。
ここでラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAに特異的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとは、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAを特異的に認識し得る塩基配列からなるオリゴヌクレオチドのことをいう。
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAを特異的に認識し得る塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであれば良く、このようなオリゴヌクレオチドとして、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAに特異的に含まれる塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられるが、このようなラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAに特異的に含まれる塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと実質的に相同な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドであってもよい。
例えば、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAに含まれる特異的な塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、85%以上の同一性を有する塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、90%以上の同一性を有する塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、95%以上の同一性を有する塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであって、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAを特異的に認識し得る塩基配列からなるオリゴヌクレオチドなどがあげられる。
これらのオリゴヌクレオチドが、試料中のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に認識し得る程度の相同性を有していればよく、共存する菌株によっては、オリゴヌクレオチドの配列が数塩基程度異なっていてもPCR条件などを変えることによって特異性を示せれば、本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドとして構わない。
このような、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAに特異的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとして、配列表配列番号1〜10のいずれかに示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。また、これらの塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドなども含まれる。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドは、このような配列表配列番号1〜10のいずれかに示される塩基配列を一つ以上含むオリゴヌクレオチドであればよく、これらの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを2つ以上の複数含むものであってもよい。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドは、独自に設計し合成したものであってもよく、DNA合成業者に合成を委託したものであってもよい。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドは、試料などに含まれるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出、定量のためのいずれの方法にも使用できるオリゴヌクレオチドであることが好ましい。
例えば、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)由来のDNAを鋳型としたPCR法や、定量的PCR法に使用することができ、また、FISH法やサザンハイブリダイゼーション、ドットハイブリダイゼーションにおいてプローブなどとして使用できるオリゴヌクレオチドであることが好ましい。
ここで、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出、定量に用いる試料としては、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)が存在し得る試料であればいずれのものであってもよく、例えば乳酸菌の混合培養物やヨーグルトやチーズなどの微生物を含む食品、マウスやラットなどの実験動物やヒトの糞便などを試料とすることができる。
これらの試料から核酸を抽出する方法は、例えば、Lysozymeなどの酵素やビーズなどで物理的に細胞を破壊して抽出する方法、また極東製薬工業株式会社のMORA−EXTRACTなどの市販の抽出キットを使用することもでき、特に限定されるものではない。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用キットとは、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを1つ以上含み、試料などに含まれるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を検出するためのキット、定量するためのキット、または検出および定量するためのキットのことをいう。
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド以外に、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出、定量に必要な試薬などを含んでいても良い。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットとは、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドをプライマーとして2つ以上組合せた、試料などに含まれるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を検出するためのプライマーセット、定量するためのプライマーセット、または検出および定量するためのプライマーセットのことをいう。
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドをプライマーとして、2つ以上組合せたプライマーセットであればよいが、例えば、配列表配列番号1〜5のいずれかに示される塩基配列を含むラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドから1つ以上をフォワードプライマーとして選択し、配列表配列番号6〜10のいずれかに示される塩基配列を含むラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)用オリゴヌクレオチドから1つ以上をリバースプライマーとして選択し、これらを組合せてプライマーセットとしたものなどが好ましい。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法は、本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを用いて行う検出方法、またはラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットを用いて行う検出方法であれば、従来知られるいずれの検出方法を用いても良い。
このような検出方法として、PCR法、FISH法、サザンハイブリダイゼーションやドットハイブリダイゼーションなどをあげることができる。
このうち、PCR法によるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法では、本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを用いる以外は、通常用いられるいずれのPCR試薬および機器を使用することも可能であり、特に限定されるものではない。
PCR反応条件については、使用する試薬や装置などに応じて、適宜設定すればよいが、例えば、94℃5分変性後、94℃20秒、55℃または60℃20秒、72℃50秒で30サイクル、最後に72℃7分反応させるなどがあげられる。このPCR反応条件は、PCR法に関する基本的な知識を有していれば、試料などに応じて調整することは容易に行えるため、特に限定されるものではない。
また、PCR法によって得られた増幅産物は、通常用いられるPCR産物の確認方法で確認することができる。例えば、アガロースゲルなどにPCR反応サンプルおよび所定のサイズマーカーをアプライして一定時間ゲル電気泳動を行い、電気泳動後のゲルをエチジウムブロマイドなどの染色液で染色した後、UV照射などでPCR法での増幅産物の有無および断片サイズを確認することができる。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法は、本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを用いて行う定量方法、またはラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットを用いて行う定量方法であれば、従来知られるいずれの方法を用いても良い。
このような定量方法として、定量的PCR法などをあげることができる。
定量的PCR法によるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法では、本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを用いる以外は、通常用いられる定量的PCR用の試薬および機器を使用することも可能であり、特に限定されるものではない。
例えば、Applied biosystems社のPower SYBR(登録商標) Green PCR Master Mixなど市販の試薬を用いることができる。またあらかじめ菌数を測定してから抽出を行ったラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAを段階希釈して検量線を作成することにより、サンプル中の未知のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を求めることもできる。
本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーにより、例えば、PCR法によって増幅産物が確認された場合、単一の菌のみであればその菌株がラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)であることが同定できる。またヨーグルトやチーズなどの食品や糞便など、複数の菌株が共存する試料中であれば、試料中にラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)が存在していることが判別できる。さらに定量的PCR法を行うことにより、試料中のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数も定量可能である。
したがって本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを用いることにより、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を容易に判別することができる。また、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌体または同菌体を含む飲食品などを工業的に製造するに際し、菌数の測定や発酵状態の管理を容易に行うことができる。さらに、本発明のオリゴヌクレオチドを用いることにより、実験動物やヒトの腸内における当該菌数を把握することができる。
本発明は、通常のPCR法によって、検出、定量が可能であるため、特殊な技術を必要とせず、精度および再現性がよい。また、ある特定の塩基配列をターゲットして検出を行うため、生菌だけでなく、死菌も含めたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出、定量が可能となる。
以下に、本発明の実施例などをあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
1.ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドの設計
以下の方法により、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを設計した。
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のゲノム配列とラクトバチルス・ガセリの基準株(ACCESION No.CP000413)のゲノム配列を比較し、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の有するゲノム配列のうちラクトバチルス・ガセリの基準株にはないゲノム配列部分の塩基配列を抽出した。これらの塩基配列と、これらの塩基配列に隣接するラクトバチルス・ガセリの基準株に存在する部分の塩基配列との間でいくつかオリゴヌクレオチドを設計した。
これらのオリゴヌクレオチドは、通常のPCR条件で増幅可能であること、他のゲノム配列の領域では増幅断片が生じない塩基配列であることに加え、定量的PCR法にも適用可能な100〜300bpの長さの領域を増幅でき、かつ、Tm値が55〜65℃の範囲内になるように設計した。
設計した各オリゴヌクレオチドの塩基配列をDDBJ(DNA Date Bank of Japan)でBLAST検索し、ラクトバチルス・ガセリの基準株にはないゲノム配列の塩基配列に設計したオリゴヌクレオチドのうち、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)以外の菌株と相同性の高い塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを除いた。
また、これらのオリゴヌクレオチドをプライマーとして組み合わせ、同属同種の近縁株10株を用いてPCR法を行い、これらのオリゴヌクレオチドが、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)が有する塩基配列のみを特異的に増幅することを、次の実施例2〜実施例5により確認した。
このように設計された本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドは、表1に示される、配列表配列番号1〜10のいずれか一種以上の塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであった。また、これらの塩基配列と実質的に相同な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドも、本発明のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドとなる。
[実施例2]
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出
1.供試菌株および培養条件
1)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)をMRS液体培地で37℃、16時間培養し、培養菌体を得た。
2)近縁株
ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)に属するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の近縁株である、次の(1)〜(10)の10菌株について、それぞれMRS液体培地で37℃、16時間培養し、培養菌体を得た。
これらの菌株は、菌株の分譲機関である独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室より入手した。菌株名の最後に「T」とつくものは、Type Strain(基準株)であることを示している。
(1)JCM1131T、(2)JCM1025、(3)JCM1031、(4)JCM1130、(5)JCM5344、(6)JCM5813、(7)JCM8787、(8)JCM8788、(9)JCM8789、(10)JCM8790
2.DNA抽出およびPCR法による検出
上記1.の各菌株の培養菌体からLysozyme−SDS法によりDNAを抽出し、それぞれ鋳型DNAとした。配列表配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドをフォワードプライマー、配列番号6に記載のオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとしてPCR法を行った。
PCR反応液は、0.5μM プライマー(フォワードプライマー/リバースプライマー)、鋳型DNA1μlと、Tris−HCl buffer(pH8.5)、Taq DNA polymerase、400uM dNTP、4mM MgCl2、を入れ、滅菌水で全量を20μlにした。
PCR反応は、94℃5分変性後、94℃20秒、55℃または60℃20秒、72℃50秒で30サイクル、最後に72℃7分反応を行った。PCR反応後、2%のアガロースゲルを用いて電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色によりPCR法で増幅した特異的なバンドを検出した。
PCR法による増幅産物の確認結果を図1に示した。その結果、図1の、1に示したラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)由来の試料についてのみバンドが検出され、図1の2〜11に示したラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)以外のラクトバチルス・ガセリ10株についてはバンドが検出されないことが確認できた。
したがって、この結果から、本発明の配列表配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドおよび、配列番号6に記載のオリゴヌクレオチドを用いることにより、同属同種のラクトバチルス・ガセリに対し、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のみを特異的に検出できることが示された。
[実施例3]
マウスの腸内におけるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出
8週齢雄性C57BL/6Jマウス10匹に、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含むAIN−76組成に準じた飼料を2週間自由摂取させた後、それぞれのマウスの盲腸内容物よりDNAを抽出した(C1−C10)。また、比較として、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含まない飼料を2週間自由摂取させたマウス(10匹)の盲腸内容物よりDNAを抽出した(B1−B10)。
これらを鋳型DNAとして、配列表配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドをフォワードプライマー、配列番号6に記載のオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして、実施例2と同様にPCR法を行った。
PCR法による増幅産物の確認結果を図2に示した。
その結果、図2に示されるように、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を投与した各マウス(C1−C10)においてはバンドが検出され、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を投与していない各マウス(B1−B10)においてはバンドが検出されなかった。
したがって、マウスにラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含む試料を投与することにより、マウスの腸内にラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を到達させることができ、本発明のオリゴヌクレオチドを用いることにより、マウスの腸内に存在するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に検出できることが確認できた。
[実施例4]
ヒトの腸内におけるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出
健康な成人(被験者A、被験者B)にラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)含有ヨーグルト100gを3日間摂取させた。その摂取前後の糞便からDNAをそれぞれ抽出し、鋳型DNAとした。なお、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含むヨーグルトを摂取前に、少なくとも3週間以上ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含む食品を摂取していない人を被験者とした。また、配列表配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドをフォワードプライマー、配列番号6に記載のオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして、実施例2と同様にPCR法を行った。
PCR法による増幅産物の確認結果を図3に示した。
その結果、図3に示されるように、いずれの被験者においても、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含むヨーグルトを摂取した後でのみバンドが検出され、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含むヨーグルトを摂取する前ではバンドが検出されなかった。
したがって、この結果より、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含む飲食品を摂取することにより、ヒトの腸内にラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を到達させることができ、本発明のオリゴヌクレオチドを用いることにより、ヒトの腸内に存在するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に検出できることが確認できた。
[実施例5]
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)株検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを含むプライマーセットの検討
実施例1にて設計したラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドをプライマーとして、それぞれ表2に示した組み合わせでプライマーセットA〜Hとし、以下の1)〜6)のDNAを鋳型として、実施例2と同様の方法により、PCR法を行った。その結果を表3に示した。
鋳型DNA
1)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)
実施例2と同様の方法により、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)から抽出したDNAを鋳型DNAとした。
2)ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)に属する乳酸菌のDNA混合物
実施例2と同様の方法により、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の近縁株(10菌株)からそれぞれ抽出したDNAを混合して鋳型DNAとした。
3)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)非投与群のマウスの盲腸内容物のDNA混合物
実施例3と同様の方法により、8週齢雄性C57BL/6Jマウス10匹に、AIN−76組成に準じた飼料を2週間自由摂取させた後、それぞれのマウスの盲腸内容物よりDNAを抽出し、これらを混合して鋳型DNAとした。
4)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)投与群マウスの盲腸内容物のDNA混合物
実施例3と同様の方法により、8週齢雄性C57BL/6Jマウス10匹に、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を含むAIN−76組成に準じた飼料を2週間自由摂取させた後、それぞれのマウスの盲腸内容物よりDNAを抽出し、これらを混合して鋳型DNAとした。
5)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)含有ヨーグルト摂取前のヒト由来のDNA混合物
実施例4と同様の方法により、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)含有ヨーグルト100gを3日間摂取する前のヒト(n=2)の糞便から抽出したDNAを混合し、鋳型DNAとした。
6)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)含有ヨーグルト摂取後のヒト由来のDNA混合物
実施例4と同様の方法により、上記5)にて糞便を採取した後、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)含有ヨーグルト100gを3日間摂取したヒト(n=2)から糞便を採取し、これから抽出したDNAを混合し、鋳型DNAとした。
その結果、表3に示したように、1)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)、4)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)投与群マウスのDNA混合物、6)ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)含有ヨーグルト摂取後のヒト由来のDNA混合物、を鋳型DNAとしてPCR法を行ったサンプルのみ、バンドが検出された。
したがって、この結果および、上記実施例1などの結果より、表1に示した配列表配列番号1〜5のいずれか1つの塩基配列を含むオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーとし、配列表配列番号6〜10のいずれか1つの塩基配列を含むオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとして組合せたプライマーセットであれば、どのような組合せであってもラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を特異的に検出できることが確認できた。
[実施例6]
ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量(定量的PCR法)
実施例4と同様の方法により、マウスにラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を投与した後、マウスの盲腸内容物より抽出したDNAを鋳型として定量的PCR法により、マウス腸内のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を定量した。配列表配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドをフォワードプライマー、配列番号6に記載のオリゴヌクレオチドをリバースプライマーとした。
定量的PCR法は、Applied biosystems ViiA TM7 Real−Time PCR System(ライフテクノロジーズジャパン株式会社)を用いた。PCR反応液は、Power SYBR Green PCR Master Mix(Applied biosystems)を用い、プライマー(フォワードプライマー/リバースプライマー)各0.25μl、鋳型DNA 1μlを入れ、滅菌水で全量を20μlにした。
PCR反応は、94℃5分で変性後、94℃20秒, 60℃20秒, 72℃50秒で40サイクル行った。
検量線は、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)のDNAをPCR反応液あたり101〜106個の菌数になるよう段階希釈したものを用いて作成した。またPCR反応後、0.2℃/sの温度勾配で60℃〜95℃まで解離曲線解析を行い、反応の特異性を確認した。
定量的PCR法により得られたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の増幅曲線、検量線、増幅産物の解離曲線を図4、図5、図6に示した。図4より、PCR反応液あたりラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数が101〜106個の範囲で増幅曲線が得られた。図5より、検量線もR2=0.998で直線性が得られた。図6より、増幅産物の解離曲線も76℃付近に単一のピークが得られ、非特異的な増幅産物はみられなかった。したがって、これらの結果より、本発明のオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いることによって、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数が定量可能であることが確認できた。
定量的PCR法により測定したマウス腸内のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を図7に示す。図7において、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を投与しなかったマウスの腸内(図7、ガセリ菌SBT2055非投与群)には、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)が存在していなかったが、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を投与したマウスの腸内(図7、ガセリ菌SBT2055投与群)には、盲腸内容物1gあたり1.2±0.2×1010個程度のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)が存在することが確認できた。
本発明の、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドを用いることにより、プロバイオティクス飲食品などに含まれるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を迅速かつ簡便に検出し、定量することが可能となる。
また、この飲食品を摂取したヒトなどの体内におけるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の有無や菌体数を調べることにより、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)による効果を予測することが可能となる。
[図1]1:鋳型DNAがSBT2055由来、2:鋳型DNAがJCM1131T由来、3:鋳型DNAがJCM1025由来、4:鋳型DNAがJCM1031由来、5:鋳型DNAがJCM1130由来、6: 鋳型DNAがJCM5344由来、7:鋳型DNAがJCM5813由来、8:鋳型DNAがJCM8787由来、9:鋳型DNAがJCM8788由来、10:鋳型DNAがJCM8789由来、11:鋳型DNAがJCM8790由来、12:NC(ネガティブコントロール)、M:マーカー(100bp ladder)
[図3]1:ガセリ菌SBT2055を含むヨーグルト摂取前(被験者A)、2:ガセリ菌SBT2055を含むヨーグルト摂取前(被験者B)、3:ガセリ菌SBT2055を含むヨーグルト摂取後(被験者A)、4:ガセリ菌SBT2055を含むヨーグルト摂取後(被験者B)、M:マーカー(100bp ladder)
[寄託生物材料への言及]
(1)Lactobacillus gasseri SBT2055
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番1中央第6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成8年3月27日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM BP−10953

Claims (8)

  1. 配列表配列番号1〜10のいずれかに示される塩基配列を含む、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド。
  2. 請求項1記載のいずれかのオリゴヌクレオチドを含む、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用キット。
  3. 配列表配列番号1〜5のいずれかに示される塩基配列を含むラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドと、配列表配列番号6〜10のいずれかに示される塩基配列含むラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチドをプライマーとして、これらを組み合わせて得られるラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセット。
  4. 請求項3に記載のプライマーセットを含む、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用キット。
  5. 請求項1に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、または、請求項3に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットを用いることにより、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を検出するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法。
  6. PCR法によりラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)を検出する、請求項5に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の検出方法。
  7. 請求項1に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用オリゴヌクレオチド、または請求項3に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)検出および/または定量用プライマーセットを用いることにより、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を定量するラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法。
  8. 定量的PCR法によりラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の菌数を定量する、請求項7に記載のラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM BP−10953)の定量方法。
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