以下、図面を参照して、本発明の情報処理装置及び情報処理システムの実施の形態を説明する。
図1には、本実施の形態のネットワークシステムの構成を示す。ネットワーク1101は、複数の画像処理装置や情報処理装置間に論理的な通信回路を提供するネットワークである。
画像処理装置1201は、組み込みアプリケーションを追加することによって機能拡張が可能な情報処理装置である。プリファレンス13は、画像処理装置1201内部に記憶されるユーザごとに固有の情報であって、画像処理装置1201の動作時に用いられる組み込みアプリケーションに関するプログラムやプログラムが扱うデータを含む。
画像処理装置1202は、上記画像処理装置1201と同様に構成された他の画像処理装置であって、ネットワーク1101を介して画像処理装置1201と通信可能とされている。プリファレンス14は、画像処理装置1202内部に記憶されるユーザごとに固有の情報であって、画像処理装置1202の動作時に用いられる組み込みアプリケーションに関するプログラムやプログラムが扱うデータを含む。
図2には、画像処理装置1201の構成を示す。同図に示すように、リーダ部1及びプリンタ部2に接続された画像入出力制御部3は、ファクシミリ部4と、ストレージ部5と、コンピュータインタフェース部7と、RIP(rasterimageprocessor)部8と、操作部9と、コア部10とを有する。
リーダ部1は原稿の画像を読み取り、原稿画像に応じた画像データを画像入出力制御部3へ出力するものである。プリンタ部2は画像入出力制御部3からの画像データに応じた画像を記録紙上に記録するものである。
ファクシミリ部4は電話回線を介して受信した圧縮画像データを伸長し、伸長された画像データをコア部10へ転送し、また、コア部10から転送された画像データを電話回線を介して送信するものである。送受信する画像データは、ストレージ部5に接続されたハードディスク6に一時的に保存することができる。
ストレージ部5はコア部10から転送された画像データを圧縮し、その画像データを検索するためのID番号とともにハードディスク6に記憶するものである。また、ストレージ部5はコア部10を介して転送されたコードデータに基づいて、ハードディスク6に記憶されている圧縮画像データを検索し、検索された圧縮画像データをコア部10へ転送するものである。
コンピュータインタフェース部7はネットワーク1101とコア部10の間のインタフェースであり、クライアントコンピュータや他の装置とのデータのやり取りを行うものである。
RIP部8はネットワーク1101から転送された画像を表すコードデータ(PDL)をプリンタ部2で記録できる画像データに展開するものである。
図3には、リーダ部1及びプリンタ部2の具体的構造の一例を示す。まず、リーダ部1を説明する。原稿給送装置101は原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス102上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス102上の原稿を排出する。原稿がプラテンガラス102上に給送されると、ランプ103を点灯し、そしてスキャナユニット104の移動を開始させて、原稿を露光走査する。このときの原稿からの反射光は、ミラー105、106、107、及びレンズ108によってCCDイメージセンサ109へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCDイメージセンサ109によって読み取られる。CCDイメージセンサ109から出力された画像データは、所定の処理が施された後、画像入出力制御部3のコア部10へ転送される。
次に、プリンタ部2を説明する。レーザドライバ221はレーザ発光部201を駆動するものであり、画像入出力制御部3のコア部10から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部201に発光させる。レーザ発光部201からのレーザ光が感光ドラム202上で走査され、感光ドラム202上に潜像が形成される。感光ドラム202上の潜像は現像器203によって現像剤(トナー)が付着される。そして、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット204及びカセット205のいずれかから記録紙を給紙して転写部206へ搬送し、感光ドラム202上のトナー像が記録紙に転写される。トナー像が転写された記録紙は定着部207に転送され、記録紙上のトナー像は定着部207の熱と圧力により定着される。定着部207を通過した記録紙は排出ローラ208によって排出され、フィニッシャ220は排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けをしたり、仕分けされた記録紙のステイプルを行ったりする。
両面記録が設定されている場合は、排出ローラ208のところまで記録紙が搬送された後、排出ローラ208の回転方向が逆転され、フラッパ209によって再給紙搬送路210へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写部206へ給紙される。
図4には、図2に示した画像処理装置1201の操作部9の外観を示す。2602はパネルであり、タッチパネル付きの液晶ディスプレイ2601と、複数のハードキーとが配置してある。2603はLED(lightemittingdiode)表示部であり、状態を表示するためのものである。2604は画面コントラスト調整ダイアルであり、画面コントラストを調整するものである。
操作部9はその他に図示しないブザー等を備えている。液晶ディスプレイ2601に表示されたボタン画像は、タッチパネルの入力座標計算と連動して、ソフトウェア的なキーとして機能する。ユーザインタフェースにより、本画像処理装置への動作指示や動作設定などを行うものである。
図5には、図2に示した画像処理装置1201コア部10の構成を示す。コア部10は、インタフェース120、122と、データ処理部122と、CPU123と、メモリ124とを有する。
リーダ部1からの画像データは、インタフェース122を介してデータ処理部121へ転送される。データ処理部121は画像の回転処理や変倍処理等の画像処理や画像データの圧縮、伸長を行うものであり、内部にA4/Letterサイズ相当の画像データを複数ページ分ストア可能なページメモリを有する。
リーダ部1からデータ処理部121へ転送された画像データは、ページメモリに一時的に記憶され、その後、圧縮されてインタフェース120を介してストレージ部5へ転送される。
コンピュータインタフェース部7を介して入力された画像を表すコードデータ(PDL)は、インタフェース120を介してデータ処理部121に転送された後、ページメモリに一時的に記憶され、その後、圧縮されてストレージ部5へ転送される。
ファクシミリ部4からの画像データは、データ処理部121へ転送された後、ページメモリに一時的に記憶された後、圧縮されてストレージ部5へ転送される。
ストレージ部5からの画像データは、データ処理部121へ転送された後、伸長されてページメモリに一時的に記憶され、その後、プリンタ部2やファクシミリ部4、コンピュータインタフェース部7へ転送される。ストレージ部5はコンピュータインタフェース部7を介して、画像データと非画像データの入出力を行い、外部装置に対してデータの格納機能を提供することもできる。
なお、前述したデータ処理部121へ各種画像データを入力し、ページメモリに一時的に記憶した後、ストレージ部5へ画像データを転送する前に、プリンタ部2やファクシミリ部4、コンピュータインタフェース部7へ転送することも、内部のセレクタを切り替えて転送することができる。
CPU123は、メモリ124に記憶されている制御プログラムと、操作部9から転送された制御コマンドとに従ってこのような制御を行う。メモリ124は、CPU123の作業領域としても使われる。
このように、コア部10を中心に、データ処理部121及びストレージ部5を介して、原稿画像の読み取り、画像のプリント、画像の送受信、画像の保存、コンピュータからのデータの入出力等の機能を複合させた処理を行うことが可能である。
次に、ジョブ制御の単位を論理的に示した図6を参照して、画像処理装置におけるジョブ制御について説明する。ジョブ制御の単位は複数ページを含む画像データひとまとまりに対する入力及び出力処理である。制御されるジョブは入力ジョブと出力ジョブに大別される。
入力ジョブは、リーダ部1で読み取った画像データを順次ストレージ部5へ記録する画像入力ジョブ411と、RIP部8で展開された画像データを順次ストレージ部5へ記録する画像入力ジョブ412と、ファクシミリ部4で受信された画像データを順次ストレージ部5へ記録する画像入力ジョブ413と、コンピュータインタフェース部7から入力された画像データもしくは非画像データを順次ストレージ部5へ記録するデータ入力ジョブ414とに分類される。
出力ジョブは、ストレージ部から読み出した画像データを順次プリンタ部2へ出力する画像出力ジョブ401と、ストレージ部5から読み出した画像データを順次ファクシミリ部4へ出力する画像出力ジョブ403と、ストレージ部5から読み出した画像データもしくは非画像データを準じコンピュータインタフェース部7へ出力するデータ出力ジョブ404とに分類される。
コア部10は、以上の単位的なジョブを自在に組み合わせることで、コピー機能、送信機能、受信機能、ボックス機能等の各種の画像入出力機能を実現することができる。
図7は、コア部10のCPU123上で動作するソフトウェアモジュール群の階層関係を概念的に示すソフトウェア階層図である。同図において、上位に位置するモジュールは下位に位置するモジュールのサービスを呼び出して利用する。
RTOS701は、リアルタイムオペレーティングシステムであり、CPUやメモリ等のソフトウェアモジュール群が使う各種資源をスケジューリングして、その上で動作する他のソフトウェアモジュール群が動作するための動作環境を提供するソフトウェアモジュールである。
721、722、724、725、726、727、728、729はRTOS701に組み込まれその枠組みの中でデバイス制御を行うためのアルゴリズムとデータ構造とを提供するデバイスドライバ群であり、それぞれリーダ部1、プリンタ部2、ファクシミリ部4、ストレージ部5、ハードディスク部6、コンピュータインタフェース部7、RIP部8、操作部9の制御を行う。
ジョブ・デバイスコントローラ702は、上述したデバイスドライバ群によってデバイスの制御を行い、また、各種画像入出力ジョブを制御するソフトウェアモジュールである。
コントローラAPI703は、ジョブ・デバイスコントローラ702が実行するジョブとデバイスに対する制御機能を、より上層に位置するアプリケーション層のソフトウェアモジュールから利用できるようにするためのソフトウェア的なインタフェースを提供する。
ネイティブアプリケーションフレームワーク704は、ネイティブアプリケーション群が動作する枠組みを与えるフレームワークであり、その働きは次の3つである。すなわち、働きの1つめは、個々のネイティブアプリケーションが発するコントローラAPI703への要求を調停し競合することを防ぐことである。働きの2つめは、操作部9の画面表示やキー入力等のユーザインタフェース機構を、フレームワークに含まれるコンポーネント群のそれぞれに選択的に切り替えて接続し調整することによって、各々並列に動作するネイティブアプリケーション群のそれぞれに対して仮想的に占有可能なユーザインタフェース環境を提供することである。働きの3つめは、製品の仕向け地によって異なり地域化対応のために変更が施される各アプリケーションの変更部分を取りまとめ、アプリケーション群を容易にローカライズできる環境を提供することである。
705乃至708はネイティブアプリケーションフレームワーク704に組み込まれ、704から呼び出されて各種機能を実現するためのアルゴリズムとデータ構造を提供するネイティブアプリケーション群である。コピー705は原稿を読み取った画像データの複写を用紙上にプリントするコピー機能を実現する。送信706は原稿を読み取った画像データを1つ以上の宛先に対して各種のデータ転送プロトコルを用いて送信する送信機能を提供する。ボックス707は各種画像入力から入力された画像データをストレージ5に蓄積し、またストレージ部5に蓄積された画像データを検索して各種画像出力へ出力する画像データベース機能を提供する。その他のアプリケーション708はネイティブアプリケーションフレームワーク704の中で動作するその他のアプリケーション群であり、例えば通信回線やコンピュータインタフェース等の各種画像入力から非同期に画像データを受信する画像入力ジョブ群を管理する受信機能を提供するアプリケーション等がある。
RTOS701上のもう一方に位置するJVM709は、公知のJava(登録商標)インタプリタ環境である。Java(登録商標)インタプリタ環境は、Java(登録商標)仮想機械と一群のクラスライブラリのセットからなり、その上で動作するJava(登録商
標)言語で記述されたソフトウェアモジュールのための動作環境を提供する。Java(登録商標)インタプリタ環境は、Java(登録商標)言語で記述されたプログラムをコンパ
イルした結果生成されるバイトコードと呼ばれるインタプリタ用命令列の中間表現を、実行時に動的に読み込むことができる。Java(登録商標)仮想機械と呼ばれるJava(
登録商標)のインタプリタは読み込んだ各バイトコードを逐次的に解釈実行する。Jav
a(登録商標)のバイトコードは公知のスタックマシン型プロセッサの機械言語に類似しており、Java(登録商標)のインタプリタはスタックマシン型のCPUと同様に動作する。
710、712、713はJava(登録商標)インタプリタ環境を構成するクラスライブラリ群である。コントローラAPI710はコントローラAPI703をJava(登
録商標)で記述されたアプリケーション群から利用できるようにラップしたクラスライブ
ラリである。
JNI711の接続は、ネイティブ機械命令で記述されたアプリケーションのためのコントローラAPI703と、Java(登録商標)で記述されたアプリケーションのためのコントローラAPI710との間をつなぐ通信を示し、公知のJava(登録商標)Native Interface(JNI)によって実現される。UI API712は、Java(登録商標)で記述されたアプリケーションがユーザとインタフェースするために利用するクラスライブラリであり、公知のAWTやSwing等のソフトウェア的なインタフェースセットを操作部9に適合するように実装したものである。その他のクラスライブラリ713はJava(登録商標)環境において標準と定められている標準クラスライブラリ群を含む。
Java(登録商標)アプリケーションフレームワーク714は、Java(登録商標)で記述されたアプリケーション群が動作する枠組みを与えるフレームワークであり、その働きは次の2つである。すなわち、働きの1つめは、リアルタイムオペレーティングシステム701上で唯一稼動するJVM709の上で、複数のJava(登録商標)アプリケーションを稼動させるために、複数のJava(登録商標)スレッドを管理し、Java(登録
商標)アプリケーションを記述したクラスのメインメソッドに実行コンテクストを配分す
ることである。働きの2つめは、操作部9の画面表示やキー入力等のユーザインタフェース機構を、フレームワークに含まれるコンポーネント群のそれぞれに選択的に切り替えて接続し調整することによって、各々並列に動作するJava(登録商標)アプリケーション群のそれぞれに対して仮想的に占有可能なユーザインタフェース環境を提供することである。後者の働きは、操作部9のデバイスドライバが有する調停機能を介して、ネイティブアプリケーションフレームワークの2つめの働きと協調動作する。
アプリケーション715、716、717はJava(登録商標)アプリケーション群であり、画像入出力装置にさまざまな追加機能を提供するために、画像入出力装置の出荷後動的にアプリケーション単位で追加インストールできる。
図8は、Java(登録商標)アプリケーションフレームワーク714が管理するユーザごとのプリファレンスのデータ構造を示す図である。801はユーザリストであり、ユーザごとの情報を検索するエントリポイントである。ここでは、ユーザリスト801には二人分のレコードが含まれている。各ユーザに対応するレコードのそれぞれにはUID、GID、APPSの値が含まれ、それぞれユーザID、グループID、ユーザアプリケーションリストへの参照、を表す。
802、803はユーザそれぞれのユーザアプリケーションリストであり、システムに組み込まれたシステムアプリケーション群のサブセットであり当該ユーザが利用する可能性のあるアプリケーション群が記述される。各アプリケーションに対応するレコードのそれぞれにはPREF、MTIME、REFの値が含まれ、それぞれアプリケーションプリファレンスデータへの参照、アプリケーションプリファレンスデータの最終更新時刻、システムアプリケーションリスト内の対応するアプリケーションレコードへの参照、を表す。
804、805はアプリケーションプリファレンスデータであり、対応するユーザの好みに合わせた、対応する組み込みアプリケーションの動作パラメータ設定の情報を含む。
806はシステムアプリケーションリストであり、システムに組み込まれたアプリケーションすべてを記述する。各アプリケーションに対応するそれぞれのレコードには、APPLICATION、#REF、JARの値が含まれ、それぞれアプリケーション識別子、参照カウンタ、アプリケーションアーカイブファイルへの参照が含まれる。#REFは各レコードがユーザアプリケーションリストから参照されている参照の数を示す。
807はアプリケーションアーカイブファイルデータであり、アプリケーションを実装するアルゴリズムとデータ構造を記述したクラスファイル群をアーカイブしたものである。
図9は、操作部9のタッチパネル付き液晶ディスプレイ2601に表示される画面の一例を示す図であり、ユーザログイン画面を示す。ユーザログイン画面は、ユーザを特定するために表示される。
901はユーザ名入力フィールドであり、個々のユーザに対応してユニークに割り当てられた識別情報を入力する。902はパスワード入力フィールドであり、ユーザ名に対応するパスワード文字列を入力する。どちらのフィールドも、フィールド内の座標をタップすると液晶ディスプレイ上にソフトキーボードが画面上に表示(不図示)され、ソフトキーボードを用いて任意の文字列を入力できる。パスワード入力フィールド902に入力した文字列は画面上に表示されない。
ユーザログイン画面のフィールドに正しい文字列を入力してからOKボタン903をタップすると、ユーザの特定が行われ、以降ログアウトするまでの操作は当該ユーザによって実行されるものとして扱われる。Cancelボタン904をタップした場合、ユーザログイン画面を抜けて以前表示されていた画面に復帰し、以降の操作はデフォルトのゲストユーザによって実行されるものとして扱われる。
図10は、操作部9のタッチパネル付き液晶ディスプレイ2601に表示される画面の一例を示す図であり、拡張アプリケーション起動画面を示す。拡張アプリケーション起動画面は追加された組み込みアプリケーションの起動を行うための操作画面である。
1001、1002、1003はそれぞれ組み込みアプリケーション起動ボタンである。システムに登録されている組み込みアプリケーションは多数あっても、本画面を操作中のユーザは好みに応じて3つのアプリケーションだけを登録しており、アプリケーション起動画面を表示するプログラムは図8に例示したデータ構造からこの好みを検知しそれに最適化した起動画面を表示できる。このため、それぞれのボタンを大きく表示することが可能となり、アプリケーションを識別しやすく使いやすいユーザインタフェースが提供されている。
1004はアプリケーション登録ボタンであり、操作中のユーザが新規のアプリケーションの利用を登録するときタップする。1005はアプリケーション削除ボタンであり、操作中のユーザがアプリケーションの登録を削除するときタップする。1006はアプリケーションプリファレンス編集ボタンであり、操作中のユーザがアプリケーションの動作パラメータ設定を変更するときタップする。1007は同期ボタンであり、本画像処理装置1201のプリファレンス13と他の画像処理装置1202のプリファレンス14とに含まれる操作中のユーザに関するプリファレンスデータを同期させるときタップする。
1008は他の画像処理装置リスト編集ボタンであり、ネットワーク1101で到達可能でプリファレンスデータの同期の相手機となる他の画像処理装置群の設定を編集する。リストに含まれる他の画像処理装置は、ネットワーク1101に対して応答要求を指示するブロードキャストパケットを書き込んでその応答を収集することで自動的に発見してもよいし、あるいは、ユーザによって手動で登録の追加と削除を行ってもよい。また、自動的な発見と手動による編集を組み合わせてもよい。1009は復帰ボタンであり、復帰ボタン1009をタップすると拡張アプリケーション起動画面を抜け、例えば図4に示したような標準搭載アプリケーション画面に復帰する。
図11は、Java(登録商標)アプリケーションフレームワーク714が管理するデータ構造を示す図であり、ユーザごとのプロファイルデータに加えられた一連の操作を時系列に記録するログである。個々の操作に対応する各レコードは、MTIME、OPERATION、OPERANDの各値を含み、それぞれ操作が行われた時刻、操作の種別を記述する識別子、操作の対象を表す。操作addは操作対象に記述されたアプリケーションの追加登録処理が行われた事象を記録する。操作removeは操作対象に記述されたアプリケーションの登録削除処理が行われた事象を記録する。操作modifyは操作対象に記述されたアプリケーションの動作パラメータ設定が変更された事象を記録する。操作syncは操作対象に記述された他の画像処理装置との間で、当該ユーザのプリファレンスデータの同期処理が行われた事象を記述する。
図12は、同期ボタン1007をタップしたとき行われるプリファレンスデータの同期処理を示すフローチャートである。同期処理はネットワーク接続した2台の画像処理装置の間で行われる。片方の装置において同期処理が起動すると、相手方の装置の所定のポートに対してTCPコネクションを確立する。その後は両者でそれぞれ同様の手順の処理を行う。
すなわち、最初に図11に示したログデータのうち、相手機との間で過去最近に行った同期処理以降のログを互いに交換する(ステップS1201)。次に、受信した相手機のログから時系列に1つのレコードを選択する(ステップS1202)。選択したレコードのオペレーションを判別し(ステップS1203)、オペレーションがmodify以外ならばステップS1204に進み、オペレーションがmodifyならばステップS1211に進む。
ステップS1204では、選択したレコードのオペレーションがadd又はremoveであるか判定し(ステップS1204)、真ならステップS1205に進み、偽ならステップS1214に進む。
ステップS1205では、相手機から受信したログと時期で保持するログの両者を検索して、選択したレコードのオペレーションadd又はremoveが、そのオペランドに記述されたアプリケーションに対する最新のadd又はremoveであるか否かを判定する(ステップS1205)。当該アプリケーションに対する最新の登録または削除処理であればステップS1206に進み、最新でなければステップS1214に進む。
ステップS1206では、選択したレコードのオペレーションがaddであるか否か(すなわちremoveであるか)を判定し(ステップS1206)、addならばステップS1207に進み、removeならステップS1210に進む。
ステップS1207では、システムアプリケーションリスト806を検索して、選択したレコードのaddオペレーションの対象となるオペランドがシステムに有効にインストールされているか否かを判定し(ステップS1207)、システムに有効に登録されていないアプリケーションであればステップS1208に進み、登録されているアプリケーションであればステップS1209に進む。
ステップS1208では、相手機に対して当該アプリケーションのアプリケーションアーカイブの取得要求を行い、アプリケーションアーカイブファイルをダウンロードして記憶し、システムアプリケーションリスト806を更新する(ステップS1208)。
次に、当該ユーザのユーザアプリケーションリスト802を更新して当該アプリケーションをユーザが利用するアプリケーションとして登録し、またログを記録する(ステップS1209)。その後、ステップS1214に進む。
一方、ステップS1210では、選択したレコードのremoveオペレーションのオペランドとして記述されているアプリケーションがユーザが利用するアプリケーションの登録に含まれていれば、当該ユーザのユーザアプリケーションリスト802を更新してそれを取り除きまたログを記録する(ステップS1210)。
また一方、ステップS1211では、相手機から受信したログと時期で保持するログの両者を検索して、選択したレコードのオペレーションmodifyが、そのオペランドに記述されたアプリケーションに対する最新のmodifyであるか否かを判定する(ステップS1211)。当該アプリケーションに対する最新のアプリケーションプリファレンス更新処理であればステップS1212に進み、最新でなければステップS1214に進む。
ステップS1212では、相手機に対して当該アプリケーションのアプリケーションプリファレンスデータ804の取得要求を行い、アプリケーションプリファレンスデータをダウンロードして記憶し(ステップS1212)、当該ユーザのユーザアプリケーションリスト802を更新してダウンロードしたアプリケーションプリファレンスをユーザ固有のアプリケーション動作パラメータとして参照させ、またログを記録する(ステップS1213)。
次にステップS1214に進み、相手機から受信したログの時系列走査を完了したか否かを判定し(ステップS1214)、完了すればステップS1215に進み、未走査のログが残っていればステップS1202に戻り一連の手順を繰り返す。
ステップS1215では、相手機との同期処理を行った時系列的ポイントをログに記録して(ステップS1215)、同期のための手順を終了する。
図13、図14は、図12のフローチャートで示した同期処理の処理内容を例示する概念図である。図13において、(A)は画像処理装置1201のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持するあるユーザに関するログを示す。(B)は画像処理装置1201のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持する同じユーザに関するプリファレンスデータを示す。(C)は他の画像処理装置1202のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持する同じユーザに関するログを示す。(D)は画像処理装置1202のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持する同じユーザに関するプリファレンスデータを示す。
図14は、図13に示した状態に対し、同期処理を適用した後の状態を示す。図14において、(A)は画像処理装置1201のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持するあるユーザに関するログを示す。(B)は画像処理装置1201のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持する同じユーザに関するプリファレンスデータを示す。(C)は他の画像処理装置1202のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持する同じユーザに関するログを示す。(D)は画像処理装置1202のJava(登録商標)アプリケーションフレームワークが保持する同じユーザに関するプリファレンスデータを示す。
以上述べたように本実施の形態によれば、装置に組み込まれるJava(登録商標)アプリケーションの追加削除が可能な画像処理装置において、ユーザを特定するログイン画面を備え、組み込みアプリケーションに関する情報をユーザごとに区別して記憶し、ネットワーク経由で他の装置とその情報を交換し同期させることで、複数の画像処理装置においてユーザがそれぞれ行ったユーザ好みの設定を、ユーザが利用するどの画像処理装置においても共通に利用可能な画像処理装置が提供できる。
なお、図10において、同期ボタン1007をタップしたときにプリファレンスデータの同期を行うだけでなく、ユーザアプリケーションリストの追加や削除、又は、アプリケーションプリファレンスデータの変更等、ユーザに関するプリファレンスデータが更新されたときに自動的に同期処理を行うように構成してもよい。
同様に、同期ボタン1007をタップしたときにプリファレンスデータの同期を行うだけでなく、タイマにより定期的に、あるいは、画像処理装置の負荷が軽いときやネットワークの負荷が軽いとき等の一定の条件を満たすときに、自動的に同期処理を行うように構成してもよい。
図15は、他の実施の形態のネットワークの構成を示す図である。同図において、1201、1202、1203はそれぞれ画像処理装置である。NFS1501はネットワークファイルサーバであり、ネットワークに接続し画像処理装置群がネットワーク経由で読み書きアクセス可能な共通の記憶領域を提供し、画像処理装置間でのファイル共有を実現する。
15は図8でも説明したプリファレンスデータであり、画像処理装置1201、1202、1203のいずれからであっても書き込みのアクセスが行われると更新され、また画像処理装置のいずれもプリファレンスデータを必要とするときにはこのデータを読み込む。
本実施の形態によれば、各画像処理装置がユーザ毎に固有のプリファレンスデータを共通のネットワークファイルサーバと交換し、ネットワークファイルサーバから取得したプリファレンスデータに従って組み込みアプリケーションを動作させることによって、複数の画像処理装置においてユーザがそれぞれ行ったユーザ好みの設定を、ユーザが利用するどの画像処理装置においても共通に利用可能な画像処理装置が提供できる。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置或いはシステム内のコンピュータに対し、上記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU或いはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体は本発明を構成する。そのプログラムコードの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネット等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体(光ファイバ等の有線回線や無線回線等)を用いることができる。
さらに、上記プログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施の形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれることはいうまでもない。
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることはいうまでもない。
なお、上記実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。