JP2013224304A - a)ピリミジルアミノベンズアミド化合物、およびb)Thr315Ileキナーゼ阻害剤を含む、組合せ剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】増殖性疾患の処置または予防のための医薬組合せ剤の提供。
【解決手段】a)特定のピリミジルアミノベンズアミド化合物、またはN−オキシドもしくは該化合物の薬学的に許容される塩、および、b)特定の化合物群から選択される、Thr315Ileキナーゼ阻害剤、を含む医薬組合せ剤。増殖性疾患の処置または予防のための医薬の製造における、該医薬組合せ剤の使用。増殖性疾患は、腫瘍、白血病、乾癬、再狭窄、強皮症、線維症から選択される。
【選択図】なし

Description

本発明は、a)ピリミジルアミノベンズアミド化合物およびb)Thr315Ile Bcr−Ablを阻害する薬剤(“Thr315Ile阻害剤”)を含む医薬組合せ剤、およびAblチロシンキナーゼ活性が関与する増殖性疾患、例えばBcr−AblまたはTEL−Abl融合タンパク質が発現している増殖性疾患におけるそのような組合せの使用に関する。そのような増殖性疾患は、腫瘍、骨髄腫、白血病などを含む。
増殖性疾患患者のための多くの処置選択肢にもかかわらず、有効で安全な抗増殖剤に対する要求および組合せ治療におけるそれらの優先使用に対する要求がまだある。
AMN107とThr315Ile Bcr−Ablを阻害する薬剤の組合せが、白血病患者、とりわけBcr−Ablの変異型を発現するリスクのある、または変異型が既に出現している慢性骨髄性白血病(“CML”)患者にさらなる利益を与えることが本発明により判明した。これは、AMN107がBcr−Ablの大多数の変異型(現在評価されている33種中32種)を阻害し、Thr315Ile変異体のみがAMN107耐性であり、結果としてAMN107とThr315Ile阻害剤の組合せが非常に有益であるためである。このような医薬組合せは、変異体Bcr−Ablを発現しているCMLおよび急性リンパ性白血病(“ALL”)患者における効果を増強し、そしてBcr−Abl変異体駆動疾患を発症するリスクのある患者の予後を改善するはずである。
発明の要約
例えば以下に定義の通りのa)少なくとも1種のピリミジルアミノベンズアミド化合物およびb)Thr315Ile阻害剤を含む組合せ剤が、増殖性疾患、例えば腫瘍、骨髄腫、白血病、乾癬、再狭窄、強皮症(sclerodermitis)および線維症に対する有益な効果を有することが、本発明により判明した。
発明の詳細な記載
本発明は、キナーゼ依存性疾患処置用医薬組成物の製造のための、式A:
Figure 2013224304
〔式中、
は水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アシルオキシ−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、またはフェニル−低級アルキルであり;
は水素、所望により1個以上の同一または異なるラジカルRで置換されていてよい低級アルキル、シクロアルキル、ベンズシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、または0個、1個、2個または3個の環窒素原子および0個または1個の酸素原子および0個または1個の硫黄原子を含む単または二環式ヘテロアリール基(いずれの場合もこれらの基は置換されていないか、一もしくは多置換されている)であり;
そしてRはヒドロキシ、低級アルコキシ、アシルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール基、または0個、1個、2個または3個の環窒素原子および0個または1個の酸素原子および0個または1個の硫黄原子を含む単または二環式ヘテロアリール基(いずれの場合もこれらの基は置換されていないか、一もしくは多置換されている)であるか;
または、RおよびRは、一体となって所望により低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ、オキソ、ピリジル、ピラジニルまたはピリミジニルでモノ−またはジ置換されている4個、5個または6個の炭素原子のアルキレン;4個または5個の炭素原子のベンズアルキレン;1個の酸素および3個または4個の炭素原子のオキサアルキレン;または1個の窒素および3個または4個の炭素原子のアザアルキレン(ここで、窒素は、置換されていないか、または低級アルキル、フェニル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、カルバモイル−低級アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル−低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニル、カルボキシ、フェニル、置換フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、またはピラジニルで置換されている)であり;
は水素、低級アルキル、またはハロゲンである。〕
のピリミジルアミノベンズアミド化合物およびN−オキシドまたはそのような化合物の薬学的に許容される塩の使用に関する。
前記および後記で使用する一般的用語は、本明細書の文脈の範囲内で、特記しない限り、好ましくは以下の意味を有する:
接頭辞“低級”は、最大7個(7個を含む)、とりわけ最大4個(4個を含む)までの炭素原子を有するラジカルを意味し、当該ラジカルは直鎖状であるか、または1個所もしくは複数個所分枝した分枝鎖である。
化合物、塩等について複数表現を使用するとき、これはまた単独の化合物、塩等も意味すると取るべきである。
全ての不斉炭素原子は、(R)−、(S)−または(R,S)−配置、好ましくは(R)−または(S)−配置で存在できる。故に、本化合物は、異性体混合物としてまたは純粋異性体として、好ましくはエナンチオマー純粋ジアステレオマーとして存在できる。
本発明はまた式Aの化合物の可能性のある互変異性体にも関する。
低級アルキルは、好ましくは1〜7個(両端を含む)、好ましくは1〜4個(両端を含む)のアルキルであり、そして直鎖または分枝鎖であり;好ましくは、低級アルキルはn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルのようなブチル、n−プロピルまたはイソプロピルのようなプロピル、エチルまたはメチルである。好ましくは低級アルキルはメチル、プロピルまたはtert−ブチルである。
低級アシルは、好ましくはホルミルまたは低級アルキルカルボニル、特にアセチルである。
アリール基は、芳香族ラジカルであり、それは本分子に、該ラジカルの芳香環炭素原子に位置する結合を介して結合している。好ましい態様において、アリールは、6〜14個の炭素原子を有する芳香族ラジカル、とりわけフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニルまたはフェナントレニルであり、置換されていないか、とりわけアミノ、モノ−またはジ置換アミノ、ハロゲン、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、フェニル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、低級アルキルフェニルチオ、低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルフェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルホニル、低級アルキルフェニルスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、とりわけトリフルオロメタンスルホニルのようなハロゲン−低級アルキルスルホニル、ジヒドロキシボラ(−B(OH))、ヘテロシクリル、単または二環式ヘテロアリール基およびメチレンジオキシのような環の隣接C原子に結合している低級アルキレンジオキシから選択される、1個以上、好ましくは3個まで、とりわけ1個または2個の置換基で置換されている。アリールは、より好ましくはフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチルであり、これらは、いずれの場合も置換されていないか、またはハロゲン、とりわけフッ素、塩素、または臭素;ヒドロキシ;低級アルキル、例えばメチル、ハロゲン−低級アルキル、例えばトリフルオロメチル、またはフェニルでエーテル化されているヒドロキシ;2個の隣接C原子に結合している低級アルキレンジオキシ、例えばメチレンジオキシ、低級アルキル、例えばメチルまたはプロピル;ハロゲン−低級アルキル、例えばトリフルオロメチル;ヒドロキシ−低級アルキル、例えばヒドロキシメチルまたは2−ヒドロキシ−2−プロピル;低級アルコキシ−低級アルキル;例えばメトキシメチルまたは2−メトキシエチル;低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、例えばメトキシカルボニルメチル;1−プロピニルのような低級アルキニル;エステル化カルボキシ、とりわけ低級アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニルまたはイソプロポキシカルボニル;N−モノ−置換カルバモイル、特に低級アルキル、例えばメチル、n−プロピルまたはイソプロピルでモノ置換されているカルバモイル;アミノ;低級アルキルアミノ、例えばメチルアミノ;ジ−低級アルキルアミノ、例えばジメチルアミノまたはジエチルアミノ;低級アルキレン−アミノ、例えばピロリジノまたはピペリジノ;低級オキサアルキレン−アミノ、例えばモルホリノ、低級アザアルキレン−アミノ、例えばピペラジノ、アシルアミノ、例えばアセチルアミノまたはベンゾイルアミノ;低級アルキルスルホニル、例えばメチルスルホニル;スルファモイル;またはフェニルスルホニルから選択される1個以上、好ましくは3個まで、とりわけ1個または2個の置換基で置換されている。
シクロアルキル基は、好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルであり、置換されていなくても、アリールについて上記で定義の置換基から成る群から選択される1個以上、とりわけ1個または2個の置換基で、最も好ましくはメチルのような低級アルキル、メトキシまたはエトキシのような低級アルコキシ、またはヒドロキシ、およびさらにオキソで置換されていてもよく、またはベンズシクロペンチルまたはベンズシクロヘキシルにおけるようにベンゾ環に縮合していてよい。
置換アルキルは、直前に定義したアルキル、とりわけ低級アルキル、好ましくはメチルであり;ここで、主にハロゲン、とりわけフッ素、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、およびフェニル−低級アルコキシカルボニルから成る群から選択される1個以上、とりわけ3個までの置換基が存在してよい。トリフルオロメチルがとりわけ好ましい。
モノ−またはジ置換アミノは、とりわけ互いに独立して、メチルのような低級アルキル;2−ヒドロキシエチルのようなヒドロキシ−低級アルキル;メトキシエチルのような低級アルコキシ低級アルキル;ベンジルまたは2−フェニルエチルのようなフェニル−低級アルキル;アセチルのような低級アルカノイル;ベンゾイル;置換ベンゾイル(ここで、フェニルラジカルは、とりわけニトロ、アミノ、ハロゲン、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、およびカルバモイルから選択される1個以上、好ましくは1個または2個の置換基で置換されている;およびフェニル−低級アルコキシカルボニル(ここで、該フェニルラジカルは置換されていないか、またはとりわけニトロ、アミノ、ハロゲン、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、およびカルバモイルから選択される1個以上、好ましくは1個または2個の置換基で置換されている)から選択される1個または2個のラジカルで置換されているアミノであり;そして好ましくはN−メチルアミノのようなN−低級アルキルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノまたは2−ヒドロキシプロピルのようなヒドロキシ−低級アルキルアミノ、メトキシエチルのような低級アルコキシ低級アルキル、ベンジルアミノのようなフェニル−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ、アセチルアミノのような低級アルカノイルアミノであるか、またはベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ(ここで、いずれの場合も、フェニルラジカルは置換されていないか、またはとりわけニトロまたはアミノで、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、カルバモイルまたはアミノカルボニルアミノで置換されている)を含む群から選択される置換基である。ジ置換アミノはまた低級アルキレン−アミノ、例えばピロリジノ、2−オキソピロリジノまたはピペリジノ;低級オキサアルキレン−アミノ、例えばモルホリノ、または低級アザアルキレン−アミノ、例えばピペラジノまたはN−メチルピペラジノまたはN−メトキシカルボニルピペラジノのようなN−置換ピペラジノである。
ハロゲンはとりわけフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、とりわけフッ素、塩素、または臭素である。
エーテル化ヒドロキシは、とりわけn−デシルオキシのようなC−C20アルキルオキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、またはtert−ブチルオキシのような低級アルコキシ(好ましい)、ベンジルオキシのようなフェニル−低級アルコキシ、フェニルオキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエトキシのようなハロゲン−低級アルコキシ、または1個もしくは2個の窒素原子を含む単または二環式ヘテロアリールで置換されている低級アルコキシ、好ましくは1H−イミダゾール−1−イルのようなイミダゾリル、ピロリル、1−ベンゾイミダゾリルのようなベンゾイミダゾリル、ピリジル、とりわけ2−、3−または4−ピリジル、ピリミジニル、とりわけ2−ピリミジニル、ピラジニル、イソキノリニル、とりわけ3−イソキノリニル、キノリニル、インドリルまたはチアゾリルで置換されている低級アルコキシである。
エステル化ヒドロキシは、とりわけ低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシのような低級アルコキシカルボニルオキシ、またはベンジルオキシカルボニルオキシのようなフェニル−低級アルコキシカルボニルオキシである。
エステル化カルボキシは、とりわけtert−ブトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル、フェニル−低級アルコキシカルボニル、またはフェニルオキシカルボニルである。
アルカノイルは、1級アルキルカルボニル、とりわけ低級アルカノイル、例えばアセチルである。
N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイルは、とりわけ低級アルキル、フェニル−低級アルキルおよびヒドロキシ−低級アルキル、または低級アルキレン、オキサ−低級アルキレンまたは所望により末端窒素原子で置換されていてよいアザ−低級アルキレンから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されている。
0個、1個、2個または3個の環窒素原子および0個または1個の酸素原子および0個または1個の硫黄原子を含む単または二環式ヘテロアリール基(いずれの場合もこれらの基は置換されていないか、一もしくは多置換されている)は、ヘテロアリールラジカルを式Iの分子の残りに結合する環において不飽和であり、好ましくは環、結合している環だけでなく、他の縮合している環において、少なくとも1個の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子で置換されているヘテロ環式部分であり;ここで、結合している環は、好ましくは5〜12個、より好ましくは5個または6個の環原子を有し;そして、それは置換されていないか、またはアリールについて上記で定義の置換基から成る群から選択される1個以上、とりわけ1個または2個の置換基で、最も好ましくはメチルのような低級アルキル、メトキシまたはエトキシのような低級アルコキシ、またはヒドロキシで置換されている。好ましくは単または二環式ヘテロアリール基は、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、キノリニル、プテリジニル、インドーリジニル、3H−インドリル、インドリル、イソインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ベンゾ[d]ピラゾリル、チエニルおよびフラニルから選択される。より好ましくは単または二環式ヘテロアリール基は、ピロリル、1H−イミダゾール−1−イルのようなイミダゾリル、1−ベンゾイミダゾリルのようなベンゾイミダゾリル、インダゾリル、とりわけ5−インダゾリル、ピリジル、とりわけ2−、3−または4−ピリジル、ピリミジニル、とりわけ2−ピリミジニル、ピラジニル、イソキノリニル、とりわけ3−イソキノリニル、キノリニル、とりわけ4−または8−キノリニル、インドリル、とりわけ3−インドリル、チアゾリル、ベンゾ[d]ピラゾリル、チエニル、およびフラニルから成る群から選択される。本発明の一つの好ましい態様において、ピリジルラジカルは、窒素原子に対してオルト位でヒドロキシで置換されており、故に、少なくとも一部ピリジン−(1H)2−オンである対応する互変異性体の形で存在する。他の好ましい態様において、ピリミジニルラジカルは、2位および4位の両方をヒドロキシで置換されており、故に、数種の互変異性体形、例えばピリミジン−(1H、3H)2,4−ジオンとして存在する。
ヘテロシクリルは、とりわけ窒素、酸素、および硫黄から選択される1個または2個のヘテロ原子を有する5、6または7員ヘテロ環系であり、これは、不飽和であるかまたは完全にもしくは一部飽和されていてよく、そして置換されていないか、またはメチルのような低級アルキル、ベンジルのようなフェニル−低級アルキル、オキソ、または2−ピペラジニルのようなヘテロアリールで置換されていてよく;ヘテロシクリルは、とりわけ2−または3−ピロリジニル、2−オキソ−5−ピロリジニル、ピペリジニル、N−ベンジル−4−ピペリジニル、N−低級アルキル−4−ピペリジニル、N−低級アルキル−ピペラジニル、モルホリニル、例えば2−または3−モルホリニル、2−オキソ−1H−アゼピン−3−イル、2−テトラヒドロフラニル、または2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イルである。
塩は、とりわけ式Aの化合物の薬学的に許容される塩である。
このような塩は、例えば、好ましくは、有機または無機酸との酸付加塩として、塩基性窒素原子を有する式Iの化合物から形成され、とりわけ薬学的に許容される塩である。適当な無機酸は、例えば、塩酸のようなハロゲン酸、硫酸、またはリン酸である。適当な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸のようなアミノ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、ケイヒ酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、2−、3−または4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−またはN−プロピル−スルファミン酸、またはアスコルビン酸のような他の有機プロトン性酸である。
カルボキシまたはスルホのような負に荷電したラジカルが存在するとき、塩はまた塩基と形成され得て、例えば金属またはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、またはアンモニアまたは適当な有機アミン、例えば3級モノアミン、例えばトリエチルアミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはヘテロ環式塩基、例えばN−エチル−ピペリジンまたはN,N’−ジメチルピペラジンとのアンモニウム塩である。
塩基性基および酸基が同一分子内に存在するとき、式Aの化合物はまた分子内塩を形成し得る。
単離または精製目的で、薬学的に許容されない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。治療的使用のために、薬学的に許容される塩または遊離化合物のみを用い(適用可能であれば医薬製剤の形で)、故に、これらが好ましい。
遊離形および、例えば、新規化合物の精製または単離において中間体として使用できる塩を含む塩の形の新規化合物の密接な関係の観点から、前記および後記で遊離化合物に対する何らかの言及は、適切であり、好都合である限り、また対応する塩も言及すると理解すべきである。
式Aの範囲内の化合物およびそれらの製造法は、引用により本明細書に包含させる2004年1月15日公開のWO04/005281に開示されている。好ましい化合物は4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドである。
本発明の組合せ剤は、Thr315Ile Bcr−Ablのチロシンキナーゼ活性を標的とする化合物を含む。このような化合物または薬剤は、“Thr315Ile阻害剤”と呼ぶ。
適当なThr315Ile阻害剤は、例えば:
a. 本明細書に引用により包含するWO05/039486、WO05/03869、WO05/123719、WO03/099771、WO02/057259およびWO04/00083に記載の化合物。WO05/123719により記載の好ましい化合物はN−[3−[[1−[6−(シクロプロピルアミノ)−4−ピリミジニル]−1h−イミダゾール(imadazol)−2−イル]アミノ]−4−メチルフェニル]−3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩である。
b. 式I:
Figure 2013224304
〔式中、
pは1、2または3であり;
mは0、1、2または3であり;
nは0、1、2または3であり;
AはCR、S、NRまたはOであり、ここで、RはHまたは低級アルキルであり;
X、YおよびZは、各々独立してNまたはC−Rから選択され、ここで、X、YおよびZの少なくとも2個はNであり;そして
各RおよびRは、独立して水素および低級アルキルから選択され;
各Rは水素または低級アルキルであり;
、RおよびRは、各々独立して有機または無機部分から選択され、ここで、該無機部分はとりわけハロ、とりわけクロロ、ヒドロキシル、エーテル化およびエステル化ヒドロキシル、シアノ、アゾ(N=N=N)およびニトロから選択され;そして
ここで、該有機部分は置換されているかまたは置換されておらず、そしてリンカー、−L−を介して結合しており、該有機部分はとりわけ水素;所望により1個以上の置換基で置換されているおよび/または1個以上のヘテロ原子で中断されている低級アルキル、とりわけ直鎖または分枝鎖C−Cアルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニル;低級アルコキシ、とりわけメトキシまたはエトキシ;低級アルカノイル;アロイル;ヘテロアロイル;カルボキシ;置換されていないか、または直鎖もしくは分枝鎖C−Cアルキルで置換されているカルボキサミド;アミノ;環状基、例えばシクロアルキル、例えばシクロヘキシル、フェニル、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピリジル、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、インドリジジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、プテリジン、キノリジジン、ピペリジル、ピペラジニル、ピロリジン、モルホリニルおよびチオモルホリニルであるか;または
モノ−またはジ−置換アミノ(該アミノは、所望によりヒドロカルビル部分により置換されており、該ヒドロカルビル部分は、例えば、低級アルキル、とりわけ直鎖または分枝鎖C−Cアルキル、シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル、カルボキシ、低級アルカノイル、とりわけアセチル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルスルホニル、アロイル、例えばベンゾイルまたはニコチノイル、炭素環式基、例えばフェニル、ヘテロ環式基およびヘテロシクリルカルボニルから選択され;ここで、ヒドロカルビル部分は置換されているか置換されていない);
および1個、2個、3個または4個の鎖内原子(例えばC、N、OおよびSから選択される)を有し、そして所望によりC、C、CまたはCアルキルから選択される−L−;このようなアルキル基は所望により−O−または−NH−架橋;O;N;またはS;で中断されているおよび/または終わり、ここで、−L−はまたカルボニルでもあり得;
ここで、R、RまたはRの少なくとも1個は水素ではなく;そして
ZがC−Rであるとき、RはHではないかまたはRはClではないか、または両方であり;
ここで、XがCRであるとき、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって少なくとも1個の窒素原子を含む5または6員不飽和環を形成し;
は有機または無機部分から選択され、例えば、Rはハロゲン、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、低級アルコキシ、フェニル、置換フェニル、例えばフェニル−低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルカノイル、アミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、アミジノ、ウレイド、メルカプト、N−ヒドロキシ−アミジノ、グアニジノ、アミジノ−低級アルキル、スルホ、スルファモイル、カルバモイル、シアノ、シアノ−低級アルキルおよびニトロから選択される。〕
の環状ジアリールウレア、またはその塩、エステル、N−オキシドまたはプロドラッグ。Rは一般的にヒドロキシ、低級アルキルまたはハロ(特にFまたはCl)から選択される。nは好ましくは0または1である。
式Iの範囲内の環状ジアリールウレアおよびその製造方法は、2006年4月6日に国際公開番号WO2006/034833の下に公開されたPCT/EP2005/010408に開示されている(これは引用により本明細書に包含させる)。好ましい化合物は[6−[[1−[[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ]カルボニル]−1H−インドール−5−イル]オキシ]−4−ピリミジニル]アセトアミドである。
c. 式I:
Figure 2013224304
〔式中、
はH;ハロ;−C−C−O−R;−C−C−NR;または−C(=O)−Rであり;
は置換C−C−シクロアルキル;置換アリール;または置換ヘテロシクリルであり;
はHまたは非置換または置換低級アルキルであり;
およびRはH;非置換または置換低級アルキル;低級アルキル−カルボニル(ここで、低級アルキル部分は所望により置換されていてよい);および低級アルコキシ−カルボニル(ここで、低級アルキル部分は所望により置換されていてよい)から成る群から独立して選択され;
はH;非置換または置換低級アルキル;低級アルコキシ(ここで、低級アルキル部分は所望により置換されていてよい);または非置換、モノ−またはジ−置換アミノであり;
A、BおよびXは、独立して=C(R)−またはNから選択され;
E、GおよびTは、独立して=C(R)−またはNから選択され;
およびRは、独立してH、ハロおよび非置換または置換低級アルキルから成る群から選択され;
Yは−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−CH−または−CH−CH−であり;
ZはCHまたはNであり、そしてQはC−C−アルキレンまたはC−C−アルケニレンであり、ここで、C−C−アルキレンまたはC−C−アルケニレンは、所望により置換されていてよく、そして、該C−C−アルキレンまたはC−C−アルケニレン鎖の1個以上の炭素原子は、所望により窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子で置換されていてよく;点線により特徴付けられるQとZの間の線は一重結合である;ただしZがNではないならば、Qは非置換非分枝C−C−アルキレンではなく;
または
ZはCであり、そしてQは上記で定義の通りであり、点線により特徴付けられるQとZの間の線は二重結合であり;そして
Wは存在しないかまたはC−C−アルキレンのいずれかである。〕
の化合物またはその互変異性体、またはそれらの塩。
式Iの範囲内の化合物およびその製造方法は、2006年6月8日に国際公開番号WO2006/059234の下に公開されたPCT/IB2005/004030に開示されている(これは引用により本明細書に包含させる)。好ましい化合物は:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドである。
d. さらなる化合物は、ARIAD Pharmaceuticals,Inc.の化合物AP24534およびExelixis,Inc.のXL228である。
同様に含まれるのは、薬学的に許容されるそれらの塩、対応するラセミ体、ジアステレオ異性体、エナンチオマー、互変異性体、ならびに存在するとき上記に開示した化合物の対応する結晶多形、例えば溶媒和物、水和物およびそれらの中に開示されている多形である。本発明の組合せ剤において活性成分として使用する化合物を、各々引用文献に記載の通り製造および投与できる。また、本発明の範囲内であるのは、上記の2種を超える別の活性成分の組合せであり、すなわち、本発明の医薬組合せ剤は3種以上の活性成分を含み得る。
本発明の特定の発見に従って、以下が提供される
1. a)式Aのピリミジルアミノベンズアミド化合物、および
b)少なくとも1種のThr315Ile阻害剤
を含む、医薬組合せ剤。
2. 処置を必要とする対象における増殖性疾患の処置方法であって、治療的有効量の式Aのピリミジルアミノベンズアミド化合物および例えば上記の少なくとも1種のThr315Ile阻害剤を、例えば同時にまたは連続して該対象に併用投与することを含む、方法。
増殖性疾患の例は、例えば腫瘍、白血病、乾癬、再狭窄、強皮症および線維症を含む。とりわけ好ましいのは、CMLのような白血病およびイマチニブ(Gleevec(登録商標)またはSTI571)に耐性の白血病である。
3. 上記2)に記載の方法に使用するための上記1)に記載の医薬組合せ剤。
4. 上記2)に記載の方法に使用するための医薬の製造において使用するための、上記1)に記載の医薬組合せ剤。
5. a)が4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩である、上記1)で定義の医薬組合せ剤。
6. Thr315Ile阻害剤と式Aのピリミジルアミノベンズアミド化合物の組合せ剤を投与することを含む、白血病の処置方法。
7. Thr315Ile阻害剤と4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドの組合せ剤を投与することを含む、白血病の処置方法。
8. Thr315Ile阻害剤が6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド;[6−[[1−[[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ]カルボニル]−1H−インドール−5−イル]オキシ]−4−ピリミジニル]アセトアミド;N−[3−[[1−[6−(シクロプロピルアミノ)−4−ピリミジニル]−1h−イミダゾール(imadazol)−2−イル]アミノ]−4−メチルフェニル]−3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド、XL228、AP24534およびこれらの組合せから選択される、7で定義の方法。
本発明の組合せ剤の上記で特に記載した方法における有用性は、動物試験法ならびに臨床で、例えば、以下に記載の方法に従い証明し得る。
A. 組合せ処置
適当な臨床試験は、例えば、増殖性疾患患者におけるオープンラベル、用量漸増試験である。このような試験は、特に本発明の組合せの複数活性成分の相乗性を証明する。乾癬または多発性硬化症における有用な効果は、直接当業者に既知のようなこのような試験の結果を介して決定できる。このような試験は、特に、活性成分を使用した単剤療法および本発明の組合せの効果の比較に適する。好ましくは、薬剤(a)の用量を最大耐量に到達するまで漸増し、薬剤(b)を固定用量で投与する。あるいは、薬剤(a)を固定用量で投与し、薬剤(b)の用量を漸増させる。各患者は、薬剤(a)を毎日または間欠的に投与される。処置の効果は、このような試験において、例えば、12、18または24週間後、6週間毎の症状スコアの評価により決定できる。
本発明の医薬組合せ剤の投与は、本発明の組合せ剤に使用する薬学的活性成分の一方のみを用いる単剤療法と比較して、例えば、症状の寛解、進行遅延または阻止の点で有益な効果、例えば相乗的治療効果を有するだけでなく、さらに驚くべき有益な効果、例えば少ない副作用、改善されたクオリティ・オブ・ライフまたは減少した罹病率をもたらす。
さらなる利益は、本発明の組合せ剤の活性成分の低用量を使用でき、例えば、必要な投与量が少ないだけでなくまた少ない頻度で投与され、これは副作用の発症率または重症度を軽減し得る。これは処置すべき患者の望みおよび要求に合う。
ここで使用する用語“併用投与”または“組合せ投与”等は、単独の患者への選択した複数治療剤の投与を包含することを意図し、複数薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与しない処置レジメンを含むことを意図する。
本発明の一つの目標は、併用で増殖性疾患をターゲティングするまたは予防するのに治療的有効量の本発明の組合せを含む、医薬組成物である。この組成物において、薬剤(a)と薬剤(b)を一緒に、交互にまたは別々に組合せ単位投与形態でまたは二つの別々の単位投与形態で投与してよい。単位投与形態は固定された組合せ剤であってもよい。
本発明に従う薬剤(a)および薬剤(b)の別々の投与のための医薬組成物または固定された組合せの投与のための医薬組成物、すなわち少なくとも2種の組合せパートナー(a)および(b)を含む単一ガレヌス製剤は、それ自体既知の方法で製造でき、治療的有効量の少なくとも1種の薬理学的組合せパートナーを単独で、またはとりわけ経腸または非経腸適用に適当な1種以上の薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、ヒトを含む哺乳動物(温血動物)への経腸、例えば経口または経腸、および非経腸投与に適するものである。
適当な医薬組成物は、例えば、約0.1%から約99.9%、好ましくは約1%から約60%の活性成分(複数もある)を含む。経腸または非経腸投与のための組合せ治療のための医薬製剤は、例えば、単位投与形、糖衣錠、錠剤、カプセル剤または坐薬剤、またはアンプル剤のものである。特記しない限り、これらはそれ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、造粒、糖コーティング、溶解または凍結乾燥工程により製造する。個々の投与形態の個々の用量に含まれる組合せパートナーの単位含量は、複数の投与単位の投与により必要な有効量に到達できるため、それ自体で有効量を構成する必要はないことは認識されよう。
特に、本発明の組合せ剤の組合せパートナー各々の治療的有効量は、同時にまたは連続して任意の順番で投与してよく、これらの成分は別々にまたは固定された組合せ剤として投与する。例えば、本発明に従う増殖性疾患の予防または処置方法は、同時にまたは任意の順番で連続的に、併用で治療的有効量で、好ましくは相乗的有効量で、例えば、ここに記載の量に対応する毎日のまたは間欠的な投与量で、(i)遊離形または薬学的に許容される塩形である第一薬剤(a)の投与および(ii)遊離形または薬学的に許容される塩形である薬剤(b)の投与を含む。本発明の組合せ剤の個々の組合せパートナーは、別々に、治療経過中の異なる時点で、または、同時に分割したまたは単一の組合せ形態で投与できる。さらに、用語投与は、また、インビボで組合せパートナーそれ自体に変換する、組合せパートナーのプロドラッグの使用も包含する。本発明は、それ故に、同時のまたは交互の処置の全てのこのようなレジメンを包含すると理解すべきであり、そして用語“投与する”はそれに従い解釈すべきである。
本発明の組合せ剤に用いる組合せパートナーの各々の有効量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与方式、処置すべき状態、処置する状態の重症度により変わり得る。それ故に、本発明の組合せ剤の投与レジメンは、投与経路ならびに患者の腎臓および肝臓機能を含む種々の因子に従い選択する。通常の技術の臨床医または医師は、本状態の軽減、回復または阻止に必要な単一活性成分の有効量を容易に決定し、処方できる。毒性を伴わない効果を発現する活性成分濃度の範囲を達成するための最適な詳細は、標的部位の活性成分の利用能の動態に基づく投与計画を必要とする。
薬剤(a)または(b)の一日投与量は、もちろん、例えば選択した化合物、処置すべき特定の状態および望む効果により変わる。一般に、しかしながら、薬剤(a)を約0.03〜5mg/kg/日、特に0.1〜5mg/kg/日、例えば0.1〜2.5mg/kg/日の程度の1日量で、1回投与または分割投与として投与したときに十分な結果が達成される。薬剤(a)および薬剤(b)は任意の慣用の経路で、特に経腸的に、例えば経口で、例えば錠剤、カプセル剤、飲溶液の形で、または非経腸的に、例えば注射溶液または懸濁液の形で投与できる。経口投与用の適当な単位投与形態は、約0.02〜50mg、通常0.1から30mgの活性成分、例えば薬剤(a)または(b)を、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。
薬剤(b)は、ヒトに0.5〜1000mgの範囲の1日投与量で投与し得る。経口投与用の適当な単位投与形態は、約0.1〜500mgの活性成分を、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。
本発明の医薬組合せ剤の投与は、本発明の組合せ剤に使用する薬学的活性成分の一方のみを用いる単剤療法と比較して、例えば、血液学的幹細胞の制御されない増殖の阻害またはCMLまたはAMLのような白血病、または腫瘍の増殖の進行遅延の点で有益な効果、例えば相乗的治療効果を有するだけでなく、さらに驚くべき有益な効果、例えば少ない副作用、改善されたクオリティ・オブ・ライフまたは減少した罹病率をもたらす。
さらなる利益は、本発明の組合せ剤の活性成分の低用量を使用でき、例えば、必要な投与量が少ないだけでなくまた少ない頻度で投与され、または、副作用の発症率または重症度を軽減するために使用得る。これは処置すべき患者の望みおよび要求に合う。
B. 処置すべき疾患
用語“増殖性疾患”は、腫瘍、乾癬、再狭窄、強皮症および線維症を含み、これらに限定されない。
用語“血液学的悪性物”は、特に白血病、とりわけBcr−Abl、c−KitまたはFlt−3を発現する白血病を意味し、慢性骨髄性白血病(CML)および急性リンパ性白血病(ALL)、とりわけフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)ならびにBcr−AblT3151のようなイマチニブ耐性Bcr−ablを発現するSTI571耐性(またはイマチニブ耐性)白血病および細胞を含み、これに限定されない。
用語“固形腫瘍疾患”は、とりわけ卵巣癌、乳癌、結腸および一般に胃腸管の癌、子宮頸癌、肺癌、例えば小細胞肺癌および非小細胞肺癌、頭頚部癌、膀胱癌、前立腺の癌またはカポジ肉腫を意味する。
記載のタンパク質キナーゼ、とりわけ上記および下記のチロシンタンパク質キナーゼの活性を阻害する本発明の組合せは、それ故に、タンパク質キナーゼ依存性疾患の処置に使用できる。タンパク質キナーゼ依存性疾患は、とりわけ増殖性疾患、好ましくは良性またはとりわけ悪性腫瘍(例えば腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣または甲状腺の癌腫、肉腫、神経膠芽腫および頭頚部の種々の腫瘍、ならびに白血病)である。それらは、腫瘍の緩解をもたらし、腫瘍転移の形成および(微小転移も含む)転移の増殖を防止する。加えて、それらは上皮過増殖(例えば乾癬)、前立腺肥大、および、とりわけ上皮性特性の新生組織形成、例えば乳癌腫に使用できる。本発明の組合せを、いくつかの、またはとりわけ個々のチロシンタンパク質キナーゼが関与する限り、免疫系の疾患の処置に使用できる;さらに、本発明の組合せは、また、とりわけ具体的に記載したものから選択される少なくとも1種のチロシンタンパク質キナーゼによるシグナル伝達が関与する中枢または末梢神経系の処置にも使用できる。
慢性骨髄性白血病(CML)において、造血幹細胞(HSC)における相互にバランスのとれた染色体転座が、Bcr−Ablハイブリッド遺伝子を産生する。後者は発癌性Bcr−Abl融合タンパク質をコードする。ABLは、細胞増殖、付着およびアポトーシスの制御に重要な役割を有する非常に制御されたタンパク質チロシンキナーゼをコードするが、Bcr−Abl融合遺伝子は構成的に活性化されたキナーゼをコードし、これはHSCを形質転換して脱制御されたクローン増殖、骨髄間質への付着の低下した能力を有し、そして変異原性刺激に対する低下したキャパシティを示す表現型をもたらし、これはさらに悪性の形質転換の進行的な蓄積を可能にする。得られる顆粒球は成熟リンパ球に発達できず、循環中に遊離され、成熟細胞の欠乏および感染に対する感受性の増加に至る。Bcr−AblのATP競合阻害剤は、キナーゼが有糸分裂および抗ポトーシス経路(例えばP−3キナーゼおよびSTAT5)を活性化することを妨げ、Bcr−Abl表現型細胞の死に至り、それ故にCMLに対する有効な治療を提供すると記載されている。本発明の組合せは、それ故に、その過剰発現に関連する疾患、とりわけ白血病、例えばCMLまたはALLのような白血病の治療に特に適する。

Claims (8)

  1. a)式Aのピリミジルアミノベンズアミド化合物、および
    b)少なくとも1種のThr315Ile阻害剤
    を含む、医薬組合せ剤。
  2. 処置を必要とする対象における増殖性疾患の処置方法であって、治療的有効量の少なくとも1種のThr315Ile阻害剤および式Aのピリミジルアミノベンズアミド化合物を、例えば同時にまたは連続して該対象に併用投与することを含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法に使用するための請求項1に記載の医薬組合せ剤。
  4. 請求項2に記載の方法に使用するための医薬の製造において使用するための、請求項1に記載の医薬組合せ剤。
  5. a)が4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドである、請求項1に記載の医薬組合せ剤。
  6. Thr315Ile阻害剤と式Aのピリミジルアミノベンズアミド化合物の組合せ剤を投与することを含む、白血病の処置方法。
  7. Thr315Ile阻害剤と4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドの組合せ剤を投与することを含む、白血病の処置方法。
  8. Thr315Ile阻害剤が6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド;[6−[[1−[[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ]カルボニル]−1H−インドール−5−イル]オキシ]−4−ピリミジニル]アセトアミド;N−[3−[[1−[6−(シクロプロピルアミノ)−4−ピリミジニル]−1h−イミダゾール(imadazol)−2−イル]アミノ]−4−メチルフェニル]−3−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド、XL228、AP24534およびこれらの組合せから選択される、請求項7に記載の方法。
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