以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示に対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。また、画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示に対応して、例えば各々を識別可能な複数種類の表示情報であるルーレット図柄が可変表示される。この飾り図柄やルーレット図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動に対応する特図ゲームが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。また、画像表示装置5には、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動に対応する特図ゲームが開始されることに対応して、ルーレット図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5におけるルーレット図柄が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)し、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類のルーレット図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定ルーレット図柄を導出表示する。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。後述するように、第2始動入賞口は、遊技状態が大当り遊技状態となったことや普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して開放状態に制御され、遊技球が進入可能な状態となる。また、第2始動入賞口は、大当り遊技状態が終了したことや普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり所定時間経過したことに対応して閉鎖状態に制御され、遊技球が進入不可能な状態となる。なお、大当り遊技状態中における開放状態では、第2始動入賞口の開放と閉鎖を繰り返し行う制御が行われ、この制御を含めて、大当り中の開放状態を、大当り開放状態という。この実施の形態における第2始動条件は、詳しくは後述するが、第2始動入賞口が開放状態に制御される大当り遊技状態の期間と普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり所定時間経過を経過するまでの期間のうち、大当り遊技状態の期間に第2始動入賞口に遊技球が進入した場合に成立するものとし、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり所定時間経過を経過するまでの期間に第2始動入賞口に遊技球が進入した場合には成立しないものとする。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。このように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄やルーレット図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)が成立するが、第1始動条件が成立しても、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、第1始動条件に対応する可変表示の保留が発生する。また、第2始動条件が成立しても、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であるときには、第2始動条件に対応する可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第1保留表示器25Aや第2保留表示器25Bとともに、あるいは、これらの保留表示器に代えて、画像表示装置5の表示領域に始動入賞記憶数表示エリアを設けてもよい。すなわち、始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)可能な開放状態といった可変状態に、変化できるように構成されている。詳しくは後述するが、第2始動入賞口は、遊技状態が大当り遊技状態に制御されることにより開放状態となり、大当り遊技状態の終了により閉鎖状態となる。さらに、第2始動入賞口は、後述するように、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることにより開放状態となり、所定時間経過を経過すると閉鎖状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。また、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出された場合には、賞球が払い出されなくてもよい。また、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音や楽曲等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。なお、演出制御基板12は、操作検出スイッチ31から伝送された操作検出信号を受信して所定の制御を行う機能も備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。操作検出スイッチ31は、操作部30に対してなされた遊技者の操作行為を検出するものであり、遊技者の操作行為を表す操作検出信号を演出制御基板12に供給する。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば演出制御用データ保持エリア190が設けられている。に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄やルーレット図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第1始動入賞)が発生したときに、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより、第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)する始動入賞(第2始動入賞)が、大当り遊技状態中に発生したときに、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームが終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御が行われる。このように、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となると、第2始動入賞口が、所定時間経過するまでの間、開放状態に制御される。第2始動入賞口が開放状態となると、第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となるが、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり所定時間経過を経過するまでの期間に第2始動入賞口に遊技球が進入した場合には、第2始動条件が成立せず、例えば、所定個数(例えば5個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態において第1特別図柄表示装置4Aによる「大当り」の特定表示結果には、「大当り1」、「大当り2」、「大当り3」の3種類の特定表示結果が含まれている。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。一方、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域にて特別図柄とは異なるルーレット図柄(ルーレット演出図柄)の可変表示が行われる。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5においてルーレット図柄の可変表示結果となる確定ルーレット図柄が導出表示される。
第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。一方、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、後述するように、第1特図保留記憶部に記憶されている保留データのうち、保留番号が「1」に対応する保留データを、大当りを示す保留データに変更する。なお、第1特図保留記憶部に記憶されている保留データが存在しない場合には、次回の第1始動入賞(第2特別図柄表示装置4Bによる特図表示結果が特定表示結果となった後に最初に発生した第1始動入賞)の発生により実行される第1特図を用いた特図ゲームの可変表示結果が特定表示結果となるようにすればよい。例えば、大当り遊技状態中に第1始動入賞が発生した場合には、第1特図保留記憶部に保留データとして格納されるため、第2特別図柄表示装置4Bによる特図表示結果が特定表示結果となった後に最初に発生した第1始動入賞による保留データを、大当りを示す保留データに変更すればよい。また、大当り遊技状態中に第1始動入賞が発生することなく大当り遊技状態が終了した場合には、大当り遊技状態の終了後の第1始動入賞に対応する最初の可変表示における特図表示結果を特定表示結果とするようにすればよい。また、変更対象となる保留データが第1特図保留記憶部に記憶されるように促す演出を、大当り開始時に実行するようにしてもよい。
一例として、「1」、「3」、「5」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。例えば、「1」の数字を示す特別図柄を、「大当り1」の大当り図柄とし、「3」の数字を示す特別図柄を、「大当り2」の大当り図柄とし、「5」の数字を示す特別図柄を、「大当り3」の大当り図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。また、大当り遊技状態では、第2始動入賞口が開放状態となって遊技球が第2始動入賞口に進入可能となる。大当り遊技状態中に第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2始動条件が成立し、これに対応して第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。そして、特図ゲームの開始に対応してルーレット図柄の変動が開始される。詳しくは後述するが、大当り遊技状態中に第2始動入賞口に遊技球が進入すると、ラウンド遊技の進行とともに、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームおよび画像表示装置5におけるルーレット図柄の可変表示が実行される。大当り遊技状態中には、ラウンド遊技における演出が画像表示装置5に表示されるが、第2始動条件が成立すると、ルーレット図柄の可変表示がラウンド遊技における演出に対して優先的に表示されることとなる。なお、第1特図の特図表示結果に応じて、第2特図における可変表示ゲームの最大の実行回数が設定されていてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することなどの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーC、スーパーDといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBやスーパーCやスーパーDといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーDのリーチ演出が実行された場合には、スーパーCのリーチ演出が実行された場合に比べて大当り期待度が高く、スーパーCのリーチ演出が実行された場合には、スーパーBのリーチ演出が実行された場合に比べて大当り期待度が高く、スーパーBのリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーC、スーパーDといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBやスーパーCやスーパーDといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、特図表示結果が「大当り」となるときには、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に、図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちの同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
また、画像表示装置5では、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、ルーレット図柄の可変表示が開始される。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り図柄となる確定ルーレット図柄が導出表示される。一例として、特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上に「大当り」の文字を示すルーレット図柄が停止表示されることにより、大当りとなる確定ルーレット図柄が導出表示される。一方、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、画像表示装置5の表示領域において、予め定められたハズレ図柄となる確定ルーレット図柄が導出表示される。一例として、特図表示結果が「ハズレ」となるときには、画像表示装置5の画面上、「ハズレ」の文字を示すルーレット図柄が停止表示されることにより、ハズレとなる確定飾り図柄が導出表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示が行われて可変表示結果となる確定飾り図柄が導出される。また、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったときには、リーチ演出を実行するために、画像表示装置5の画面上にて演出画像の表示などが行われる。さらに、画像表示装置5の画面上では、ルーレット図柄の可変表示が行われて可変表示結果となる確定ルーレット図柄が導出される。なお、飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を示唆する予告演出を実行するために、画像表示装置5の画面上にて演出画像の表示などが行われてもよい。画像表示装置5における表示画面は、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴い遊技者の注目が最も向けられやすく、画像表示装置5は遊技に関する主要な演出を行う主要演出手段となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、変動パターン決定用の乱数値MR2とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための始動入賞処理が行われる。一方、第1始動口スイッチ22Aがオフであれば、処理を終了する。
一例として、始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S114の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、大当り遊技状態終了後の1回目の可変表示であるか否かの判定結果や可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。第1特図の特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。また、変動パターン設定処理では、保留数が多いほど短い変動パターンが選択されるようにしてもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理や、第2始動入賞口を開放状態とするための設定を行う始動口開閉処理や、遊技制御プロセス処理や、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理や、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機したり、短縮遊技状態に制御するための各種の設定を行う大当り終了処理などが含まれている。
始動口開閉処理では、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や垂直位置に戻る閉鎖制御を、タイマに基づいて繰り返す処理などが実行される。
遊技制御プロセス処理では、RAM102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、第1特図保留記憶部に記憶されている保留情報を変更する処理などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される他、第2入賞判定処理が実行される。第2入賞判定処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。そして、当該始動入賞に対応する特図ゲームの特図表示結果が特定表示結果となるか否かを示す入賞時判定結果指定コマンドを送信する設定を行うとともに、第2特図保留記憶数を示す第2保留記憶数通知コマンドを送信する設定を行う。
大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間(大当り終了時演出待ち時間)が経過したか否かを判定する。大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には、大当たり遊技状態の終了後の最初の可変表示の変動時間を短縮する短縮遊技状態に制御するための設定を、例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた短縮フラグをオンにするなどにより行う。そして、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して処理を終了する。一方、大当り終了時演出待ち時間が経過していない場合には、処理を終了する。
図4は、始動入賞判定処理として、図3のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、処理を終了する。
ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達していないときには(ステップS202;No)、第1保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS203)。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。
ステップS203の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応して、特図表示結果決定用の乱数値MR1や変動パターン決定用の乱数値MR2といった、所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS204)。一例として、ステップS204の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、乱数値MR1やMR2を示す数値データがそれぞれ抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データ(保留情報)として、第1特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS205)。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や変動パターン決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かや、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンなどを、決定するための保留記憶情報となる。
ステップS205の処理を実行した後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS206)。こうして設定された第1保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図5は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS221)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS221にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS221;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS222)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS222の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS223)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。
ステップS223の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り1」と「大当り2」と「大当り3」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS224)。一例として、ステップS224の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り1」と「大当り2」と「大当り3」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図6は、ステップS224の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り1」、「大当り2」、「大当り3」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図6に示す決定例では、特図表示結果を「大当り1」、「大当り2」、「大当り3」のいずれかに決定する割合がそれぞれ同一である例を示したが、これらの決定割合は、「大当り」を示す特図表示結果の種類毎(「大当り1」、「大当り2」、「大当り3」毎)に異なっていてもよい。
その後、CPU103は、ステップS224の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS225)。例えば、ステップS225の処理では、ステップS224の処理により決定された特図表示結果が「大当り1」〜「大当り3」のいずれかであるかを判定すればよい。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS225;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS226)。
ステップS225にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS225;No)、ステップS226の処理を実行した後は、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS227)。一例として、ステップS225にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS225にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS224にて決定された特図表示結果に対応する大当り図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS227の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS228)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS228にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS221にて第1特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS221;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS234)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図7は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、短縮フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS240)。ステップS240の処理では、例えば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた短縮フラグがオンとなっているか否かを判定すればよい。短縮フラグがオフである場合(ステップS240;No)、CPU103は、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS241)。そして、大当りフラグがオンである場合(ステップS241;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、通常大当り変動パターン決定テーブル204Aを選択してセットする(ステップS242)。 一方、ステップS241にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS241;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、通常ハズレ変動パターン決定テーブル204Bを選択してセットする(ステップS243)。
ステップS240にて短縮フラグがオンである場合(ステップS240;Yes)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS244)。そして、大当りフラグがオンである場合(ステップS244;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、短縮大当り変動パターン決定テーブル205Aを選択してセットする(ステップS245)。一方、ステップS244にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS244;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、短縮ハズレ変動パターン決定テーブル205Bを選択してセットする(ステップS246)。ステップS245、S246の処理のいずれかを実行した後には、短縮フラグをクリアする(ステップS247)。
ステップS242、S243、S247の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS248)。
図8は、この実施の形態における第1特図に対応する変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図9(A)は、短縮フラグがオフである場合の、大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図7に示すステップS248の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された通常大当り変動パターン決定テーブル204Aを参照することにより、図9(A)に示すような決定割合で可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。通常大当り変動パターン決定テーブル204Aでは、特図保留記憶数に応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている。例えば、特図保留記憶数が「0」〜「2」であるか「3」であるか「4」であるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てが異なっている。これにより、特図保留記憶数に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
図9(B)は、短縮フラグがオフである場合の、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図7に示すステップS248の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された通常ハズレ変動パターン決定テーブル204Bを参照することにより、図9(B)に示すような決定割合で可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンが決定されればよい。通常ハズレ変動パターン決定テーブル204Bでは、特図保留記憶数に応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている。例えば、特図保留記憶数が「0」〜「2」であるか「3」であるか「4」であるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てが異なっている。これにより、特図保留記憶数に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
図10(A)は、短縮フラグがオンである場合の、大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図7に示すステップS248の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された短縮大当り変動パターン決定テーブル205Aを参照することにより、図10(A)に示すような決定割合で可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンが決定されればよい。短縮大当り変動パターン決定テーブル205Aでは、変動パターン毎に異なる決定値が割り当てられている。したがって、決定値に応じて異なる変動パターンに決定される。
図10(B)は、短縮フラグがオンである場合の、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図7に示すステップS248の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された短縮ハズレ変動パターン決定テーブル205Bを参照することにより、図10(B)に示すような決定割合で可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンが決定されればよい。短縮大当り変動パターン決定テーブル205Aでは、変動パターン毎に異なる決定値が割り当てられている。したがって、決定値に応じて異なる変動パターンに決定される。
図10(A)に示す短縮大当り変動パターン決定テーブル205Aや図10(B)に示す短縮ハズレ変動パターン決定テーブル205Bを参照して決定される変動パターンは、通常大当り変動パターン決定テーブル204Aや通常ハズレ変動パターン決定テーブル204Bを参照して決定される変動パターンとは異なるように設定されている。短縮大当り変動パターン決定テーブル205Aや短縮ハズレ変動パターン決定テーブル205Bを参照して決定される変動パターンは、通常大当り変動パターン決定テーブル204Aや通常ハズレ変動パターン決定テーブル204Bを参照して決定される変動パターンよりも特図変動時間が短くなるように設定されている。これにより、短縮フラグがオンである、大当り遊技状態終了後の1回目の特図ゲームにおける特図変動時間が短縮されることとなる。
ステップS248にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS249)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS249の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS250)。例えば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS250の処理に続いて、特別図柄の変動開始用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS251)。例えば、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、第1変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS252)、変動パターン設定処理を終了する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第1変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS251でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから、上述したコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、第1変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド、第1変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図11は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS281)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS281;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS282)。例えば、ステップS282の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部193に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、当り開始指定コマンドのうちEXTデータの設定により大当り開始指定コマンドとなる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。
ステップS283の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS288)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS290)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS281にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS281;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS296)。その後、遊技状態が短縮遊技状態である場合には当該短縮遊技状態を終了させる設定などを行い、遊技状態指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS298)。その後、特別図柄停止処理を終了する。
図12は、図3のステップS114にて実行される大当り処理内で行われる処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す大当り処理内の処理において、CPU103は、まず、始動口開閉処理を実行する(ステップS501)。ステップS501の処理を実行した後、CPU103は、遊技制御プロセス処理を実行し(ステップS502)、大当り終了処理を実行して(ステップS503)、処理を終了する。
図13は、図12のステップS501にて実行される始動口開閉処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す始動口開閉処理において、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた開閉設定完了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS270)。なお、開閉設定完了フラグは、後述するステップS275の処理が実行されたときに、オン状態にセットされる。開閉設定完了フラグがオフである場合(ステップS270;Yes)、大当り開始時であるか否かを判定する(ステップS271)。大当り開始時であるか否かは、例えば、特図プロセスフラグが“4”に更新された際に開始フラグをオンに設定しておき、当該開始フラグがオン状態であるか否かを判定することにより判定すればよい。なお、開始フラグは、ステップS271の処理にて大当り開始時であると判定した場合に(ステップS271;Yes)クリアすればよい。ステップS271にて大当り開始時ではないと判定された場合(ステップS271;No)、第2始動入賞口を開放するまでの待機時間が設定された開放用タイマ値設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS272)。開放用タイマ値は、後述するステップS279の処理にてセットされる。開放用タイマ値設定時間が経過していない場合(ステップS272;No)、始動口開閉処理を終了する。
一方、開放用タイマ値設定時間が経過した場合(ステップS272;Yes)、例えば普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を駆動するソレノイド81に対応した出力ポートバッファに開放状態への制御を行う制御データを設定することなどにより、開放用動作信号を送信するための設定を行う(ステップS273)。そして、開閉設定完了フラグをオン状態にセットしてから(ステップS275)、始動入賞口開閉処理を終了する。
ステップS271にて開閉設定完了フラグがオンである場合には(ステップS271;Yes)、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を傾動制御することで始動入賞口を開閉させる期間が終了したか否かを判定する(ステップS276)。このとき、始動入賞口を開閉させる期間が終了していなければ(ステップS276;No)、始動口開閉処理を終了する。他方、ステップS276にて始動入賞口を開閉させる期間が終了すれば(ステップS276;Yes)、例えば普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を駆動するソレノイド81に対応した出力ポートバッファに閉鎖状態への制御を行う制御データを設定することなどにより、動作信号を送信するための設定を行った後(ステップS277)、開閉設定完了フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS278)。普通当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS278)、開放用タイマ値をセットして始動口開閉処理を終了する。なお、開放用タイマ値は、予め定められた値を設定してもよいし、開放用タイマ値決定用の数値データを、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから毎回抽出し、開放毎に異なる値となるようにしてもよい。また、第1特図の特図表示結果に応じて最大の入賞数を設定しておくとともに第2始動入賞口への遊技球の入賞数をカウントし、カウント値が最大の入賞数となった場合には、第2始動入賞口を閉鎖状態とするようにしてもよい。
図14は、図12のステップS502にて実行される遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す遊技制御プロセス処理において、CPU103は、普通入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS801)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS801;Yes)、第2入賞判定処理を行う(ステップS802)。
図15は、図14のステップS802にて実行される第2入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。第2入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS401)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。
ステップS401にて第2特図保留記憶数が上限値に達していないときには(ステップS401;No)、第2保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS402)。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。
ステップS402の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応して、特図表示結果決定用の乱数値MR1といった、所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS403)。一例として、ステップS403の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、乱数値MR1を示す数値データがそれぞれ抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データ(保留情報)として、第2特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS404)。
第2特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かや、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンなどを、決定するための保留記憶情報となる。
続いて、第2特図の特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定し、その決定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。特図表示結果は、例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。
図16は、特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図16に示す決定例では、「大当り」に決定される割合が図6に示す決定例と比較して高くなっている。したがって、第1特図を用いた特図ゲームよりも第2特図を用いた特図ゲームの方が、大当り期待度が高くなるように設定されている。
図15に戻り、ステップS405の処理を実行した後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS406)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS406の処理を実行した後、またはステップS401にて第2特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS401;Yes)、第2入賞判定処理を終了する。
図14に戻り、ステップS802の処理を実行した後、またはステップS801にて第2始動口スイッチ22Bがオフであれば(ステップS801;No)、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS803)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS804)。一例として、ステップS804の処理では、第2特図保留記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。また、ステップS804の処理では、実行中のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定し、最終ラウンドである場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。最終ラウンド以外である場合には、可変表示が開始可能であると判定する。ここで、第2特図を用いた可変表示における可変表示時間は、ラウンド遊技の遊技時間よりも短いため、最終ラウンドである場合に可変表示が開始不可能であると判定することにより、大当り遊技状態の終了後にも第2特図の可変表示が行われているといった状態を防止でき、整合性を保つことができる。
ステップS804にて可変表示が開始不可能であるときには(ステップS804;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示が開始可能であるときには(ステップS804;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS805)。このときには、第2特図保留記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値など)を読み出す。第2特図保留記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、特図表示結果決定用の乱数値と特図表示結果決定テーブルとを用いて、特図表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。
ステップS805の処理にて特図表示結果が「大当り」に決定されたときには、内部フラグなどの設定を行う(ステップS806)。一例として、ステップS806の処理では、ステップS805の処理にて特図表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。そして、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから遊技制御プロセス処理を終了する。なお、大当りフラグは、第1特図用と第2特図用とで別個に設けてもよいし、流用してもよい。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS811)。図17は、パチンコ遊技機1における第2特図に対応する変動パターンを示している。各変動パターンは、第2特図の可変表示が開始されてから確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(特図変動時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合と「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、第2特図を用いた可変表示における可変表示時間は、1回のラウンド遊技が開始されてから終了するまでに要する設計上の最短時間よりも短くなるように設定されていればよい。
ステップS811の処理では、図5のステップS224の処理において決定された第1特図の特図表示結果に基づいて、使用パターンとなる変動パターンを決定する。
図18(A)は、図14のステップS805にて第2特図の特図表示結果を「大当り」とすると決定された場合における変動パターンの決定例を示している。例えば、ステップS805の処理にて第2特図の特図表示結果を「大当り」とすると決定された場合、図14に示すステップS811の処理では、図18(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル206Aを参照し、図5のステップS224の処理において決定された第1特図の特図表示結果に対応する変動パターンを、使用パターンとして決定する。
図18(B)は、図14のステップS805にて第2特図の特図表示結果を「ハズレ」とすると決定された場合における変動パターンの決定例を示している。例えば、ステップS805の処理にて第2特図の特図表示結果を「ハズレ」とすると決定された場合、図14に示すステップS811の処理では、図18(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル206Bを参照し、図5のステップS224の処理において決定された第1特図の特図表示結果に対応する変動パターンを、使用パターンとして決定する。
ステップS811の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS812)。一例として、ステップS812の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始時コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、変動パターンを指定する第2変動パターン指定コマンドや、第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS811の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第2特別図柄表示装置4Bに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS813)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS821)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS821;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS822)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS821;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS823)。
ステップS823の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS824)。一例として、ステップS824の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS824の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS825)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS825;Yes)、第1特図保留記憶部に記憶されている保留データのうち、保留番号が「1」に対応する保留データを、「大当り」を示す保留データに変更する(ステップS826)。例えば、ステップS825の処理にて変更する保留データは、第1特図の特図表示結果が「大当り1」、「大当り2」、「大当り3」のいずれかを示す保留データに変更すればよい。「大当り1」、「大当り2」、「大当り3」のいずれに変更するかは、変更する保留データを決定するための数値データを、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから抽出し、数値データと特図表示結果とを対応付けたテーブルを参照して決定するようにしてもよい。なお、第1特図保留記憶部に記憶されている保留データのうち、保留番号が「1」に対応する保留データが既に「大当り」を示す保留データである場合には、例えば、保留番号が「2」に対応する保留データを「大当り」を示す保留データに変更する。この場合、変更する保留データは、保留番号が「2」に対応するものでなくても、「大当り」を示す保留データでなければ、「3」に対応するものであっても「4」に対応するものであってもよい。したがって、保留データは、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示される度に変更されることとなるため、第1特図における1回の大当りにおいて複数の保留データを「大当り」を示す保留データに変更可能である。
ステップS826の処理を実行した後には、第1特図保留記憶部に記憶されている保留データのうち、いずれの保留番号に対応する保留データを変更したかを示す保留変更コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信する(ステップS827)。
ステップS827の処理を実行した後、またはステップS825にて可変表示結果が「ハズレ」である場合には(ステップS825;No)、遊技プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS828)、遊技制御プロセス処理を終了する。
図12に戻り、ステップS502の遊技制御プロセス処理を実行した後には、大当り終了処理を実行し、(ステップS503)ステップS114内の大当り処理内の処理を終了する。図19は、図12のステップS503にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、ステップS114の大当り処理では、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、大当り遊技状態の終了後の遊技状態を短縮遊技状態とするために短縮フラグをオン状態にセットする(ステップS325)。そして、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図20のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS751)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS752)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS752;No)、ステップS752のタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS752にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS752;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS753)、コマンド解析処理を実行する(ステップS754)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS754にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS755)。ステップS755の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS755の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS756)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS752のタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定処理に戻る。
図21は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、予告演出、リーチ演出、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。この可変表示開始設定処理において、擬似連時予告演出の実行設定や示唆演出の実行設定が行われる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5におけるルーレット図柄の可変表示を行うこと、第1保留表示器25Aに表示されている保留表示を更新することといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。こうした大当り遊技状態の終了時における演出制御が行われた後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図22は、可変表示開始設定処理として、図21のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされた場合には(ステップS521;Yes)、例えば第1変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
ステップS523、S524、S525の処理のいずれかを実行した後には、例えば演出制御カウンタ設定部193などに設けられた変動カウンタのカウント値(変動カウント値)を1加算(インクリメント)し(ステップS526)、変動カウント値が「300」であるか否かを判定する(ステップS527)。変動カウント値が「300」である場合(ステップS527;Yes)、後述する大当り中演出処理におけるステップS645の処理で格納された保留情報を読み込み、その内容を報知する報知演出を実行する設定(報知演出実行設定)を行う(ステップS528)。例えば、ステップS528の処理では、報知演出を実行する期間やタイミングなどが設定されればよい。ステップS528の処理を実行した後には、変動カウント値を「0」にクリアする(ステップS529)。
ステップS529の処理を実行した後、または、ステップS527にて変動カウント値が「300」でない場合(ステップS527;No)、その他の演出実行設定を行う(ステップS531)。例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS531の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、図23(A)に示すような演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS532)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば第1変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
図23(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図23(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図23(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
図14に戻り、ステップS532の処理を実行した後には、例えば第1変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS533)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS534)。このときには、例えばステップS532にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
演 図24は、可変表示中演出処理として、図21のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示中演出処理において、出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、図22に示すステップS528の処理にて設定された報知演出を実行するための報知演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS454)。ステップS454にて報知演出実行期間であると判定されたときには(ステップS454;Yes)、報知演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS455)。例えばステップS455の処理では、予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様による報知演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾セグメントランプ30、その他の装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、もしくは演出用模型を動作させること、または、これらの一部もしくは全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて報知演出を実行できればよい。
ステップS454にて報知演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS454;No)、ステップS455の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS456)。リーチ演出実行期間は、例えば図22に示すステップS171の可変表示開始設定処理にて変動パターンに対応して選択された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)において、予め定められていればよい。ステップS456にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS456;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS457)。例えばステップS457の処理では、特図変動時演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様によるリーチ演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾セグメントランプ30、その他の装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、もしくは演出用模型を動作させること、または、これらの一部もしくは全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてリーチ演出を実行できればよい。
ステップS456にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS456;No)、ステップS457の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS458)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS459)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS459にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS459;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行い(ステップS460)、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS463)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS464)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
図25は、大当り中演出処理として、図21のステップS174にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS641)。このとき、当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS641;Yes)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出を終了するための設定を行い(ステップS642)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“5”に更新してから(ステップS643)、大当り制御中演出処理を終了する。一例として、ステップS642の処理では、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行われるようにすればよい。
ステップS601にて当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS641;No)、主基板11から伝送される入賞時判定結果指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS644)。このとき、入賞時判定結果指定コマンドの受信があれば(ステップS644;Yes)、入賞時判定結果指定コマンドの内容を保留情報としてバッファ番号に対応付け、演出制御バッファ設定部194における空きエントリに格納する(ステップS645)。入賞時判定結果指定コマンドは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときに、図15に示すステップS405の処理による設定に基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。ステップS645の処理にて格納された保留情報は、図22におけるステップS528にて読み込まれることとなる。
ステップS645の処理を実行した後、またはステップS644にて入賞時判定結果指定コマンドの受信がない場合には(ステップS644;No)、主基板11から伝送される可変表示開始時コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS646)。このとき、入賞時判定結果指定コマンドの受信があれば(ステップS644;Yes)、ステップS645の処理で格納した保留情報のうち、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものを削除し、以降の記憶内容をシフトする(ステップS647)。例えば、可変表示開始時コマンドを受信すると、バッファ番号「1」に格納されている保留情報が削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている保留情報がバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされるとともに、バッファ番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている保留情報が、バッファ番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
ステップS647の処理を実行した後は、受信した第2変動パターン指定コマンドで示される変動パターンにしたがって、例えば、図26(c)〜図26(e)に示すようなルーレット図柄の可変表示を行う大当り中可変表示制御を実行する(ステップS648)。ステップS646にて可変表示開始時コマンドの受信がない場合には(ステップS646;No)、主基板11から伝送されるラウンド開始設定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS649)。このとき、ラウンド開始設定コマンドの受信があれば(ステップS649;Yes)、ラウンド遊技を更新する大当り中演出更新制御を行う(ステップS650)。ラウンド遊技の更新は、例えば、実行中のラウンド遊技の次のラウンド数のラウンド遊技を実行するように更新すればよい。
ステップS649にて可変表示開始時コマンドの受信がない場合には(ステップS649;No)、主基板11から伝送される保留変更コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS651)。このとき、保留変更コマンドの受信があれば(ステップS651;Yes)、第1保留表示器25Aに表示されている保留表示のうち、受信した保留変更コマンドで示される保留番号に対応する保留表示を、図26(f)に示すように、変更する(ステップS652)。図26(f)では、バッファ番号「1」に対応する保留表示の色を変更する例を示している。保留表示の変更は、図示するように表示されている色を変更するでもよいし、例えば、丸で表示されている保留表示を四角で表示するなどといった、保留表示の形態を変更するものであってもよい。また、当該保留変更コマンドを受信した場合に、例えば、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した変更保留表示期間設定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変更後の保留表示を第1保留表示器25Aに表示する期間を決定するようにしてもよい。なお、決定された表示期間が経過した場合には、変更前の保留表示を再度第1保留表示器25Aに表示すればよい。
ステップ651にて保留変更コマンドの受信がない場合には(ステップS651;No)、例えば、図26(a)に示すような、ラウンド数に応じた大当り中演出制御を実行する(ステップS653)。ステップS648、S650、S652、S653のいずれかの処理を実行した後は、大当り中演出処理を終了する。
このような構成によれば、大当り遊技状態中に、第2特図の変動に対応する特図ゲームが開始されることに対応して、ルーレット図柄の変動が行われることから、大当り中に特別なゲーム性を持たせることができるとともに、第1特図を用いた特図ゲームよりも第2特図を用いた特図ゲームの方が、大当り期待度が高くなるように設定されているため、大当り中は大当り中でないときよりも高い確率で大当りに制御すると決定される。したがって遊技興趣を向上させることができる。
また、上記構成によれば、可変表示時間の異なる複数の変動パターンのうちから、第1特図の特図表示結果の種類に応じて、第2特図による可変表示の変動パターンを決定する。したがって、大当りの種類によって平均的な可変表示時間が異なるため、大当り遊技状態における遊技興趣を向上させることができる。
また、上記構成によれば、実行中のラウンド遊技が最終ラウンドである場合には、可変表示が開始不可能であると判定され、第2特図を用いた可変表示が行われないこととなる。第2特図を用いた可変表示における可変表示時間は、ラウンド遊技の遊技時間よりも短いため、大当り遊技状態の終了後にも第2特図の可変表示が行われているといった状態を防止でき、整合性を保つことができる。
また、上記構成によれば、短縮フラグがオン状態に設定されることにより、大当り遊技状態の終了後の最初の可変表示時間が短縮される。したがって大当り終了後再び大当り遊技状態に制御されるまでの時間が短縮され、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記構成によれば、普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられているため、特定遊技状態中に第2始動条件の成立を目的として可変入賞手段を狙って遊技媒体を発射した場合でも、特別可変入賞手段に遊技媒体が入賞可能である。したがって第2可変表示手段における可変表示回数を多くすることで大当り期待度を高めるといった攻略を防止することができる。
また、上記構成によれば、通常状態において変動カウント値が「300」となったことに応じて、第2特図保留記憶部に記憶されている保留情報の内容が報知されるため、通常状態における遊技興趣を向上させることができる。
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
(1)上記実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の上限回数が固定である例を示したが、上限回数が異なるラウンド遊技を複数用意してもよい。この場合、例えば、第1特図の特図表示結果が「大当り1」と「大当り3」である場合はラウンド遊技の上限回数が「15」、「大当り2」である場合は「10」といったように、ラウンド遊技の上限回数を第1特図の特図表示結果に応じて異ならせてもよい。これによれば第1特図の特図表示結果の種類(大当りの種類)に応じて実行されるラウンド遊技の上限回数が異なるため、第2特図を用いた特図ゲームを実行可能な回数も、大当りの種類に応じて異なることとなる。その結果、第2特図を用いた特図ゲームにおいて大当りとなる期待度が、大当りの種類に応じて異なることとなり、遊技興趣を向上させることができる。また、上限回数が異なるラウンド遊技が複数用意されている場合において、第1特図保留記憶部に記憶されている保留データが全て「大当り」を示す保留データである場合には、記憶されている「大当り」を示す保留データのうち、例えば、ラウンド遊技の上限回数が「10」の大当りを示す保留データをラウンド遊技の上限回数が「15」の大当りを示す保留データに変更するといったように、ラウンド遊技の上限回数が多くなるよう変更してもよい。
より一般的に、大当り遊技状態中にのみ実行される第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」に決定された場合に、第1特図保留記憶部に記憶されている「大当り」を示す保留データのうち、遊技者にとっての有利度が所定有利度の「大当り」を示す保留データを、所定有利度よりも遊技者にとって有利な特定有利度の「大当り」を示す保留データに変更してもよい。なお、可変表示結果が「大当り」になることによる遊技者の有利度は、ラウンド遊技の上限回数が相違することにより異ならせたものに限定されない。例えば、1回のラウンド遊技における大入賞口開放上限時間、遊技球の上限入賞個数、遊技球検出ごとの賞球払出個数(または対応する得点)、大入賞口扉の開放度合い、大入賞口扉の閉鎖回数や閉鎖時間などのうち、一部または全部が相違することにより、遊技者の有利度を異ならせたものであってもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームにおける平均的な可変表示時間を短縮する時短制御が行われる期間における特図ゲームの上限実行回数、第2特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」に決定される確率を高める確変制御が行われる期間における特図ゲームの上限実行回数などが相違することにより、遊技者の有利度を異ならせたものであってもよい。
(2)上記実施の形態では、第1特図の特図表示結果に応じて第2特図における可変表示ゲームの変動パターンを決定する例を示したが、第2特図における可変表示ゲームの変動パターンは、さらに、第2特図保留記憶数に応じて決定するようにしてもよい。例えば、第2特図保留記憶数が多いほど変動時間が長くなるように変動パターンを決定する。あるいは、大当り遊技状態が開始されてからの第2特図の変動回数に応じて、第2特図の可変表示時間を異ならせるように変動パターンが決定されてもよい。一例として、第2特図の変動回数が所定回数(例えば「10」)を超えたときには、所定回数以下であるときよりも変動時間が長くなるように変動パターンを決定してもよい。これによれば、第2特図を用いた変動回数を多くすることで第2特図において「大当り」となる期待度を高めるといった攻略がなされることを防止することができる。
(3)また、上記実施の形態では、ルーレット図柄の可変表示が画像表示装置5にて表示される例を示したが、これは一例である。ルーレット図柄の可変表示は、遊技盤2内に設けられた画像表示装置5とは異なるルーレット画像表示装置にて表示されるようにしてもよい。また、ルーレット画像表示装置を画像表示装置5とは別のハードウェアとして構成したものに限定されず、例えば、画像表示装置5の表示領域を、大当り中に対応する演出画像が表示される第1部分表示領域と、ルーレット図柄の可変表示が行われる第2部分表示領域とを含む複数の表示領域に、分割するように構成したものであってもよい。
(4)上記実施の形態では、図12に示すステップS501の始動口開閉処理として、図13に示すような処理が実行されることで、大当り遊技状態中には、第2始動入賞口を定期的に開放状態と閉鎖状態とに変化させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば大当り遊技状態中には、普通図柄表示器20による普図ゲームを実行して、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、第2始動入賞口を開放状態に変化させるようにしてもよい。この場合には、第1特図における大当りの種類に応じて、普図ゲームの平均的な可変表示時間、普図当り確率、第2始動入賞口の開放回数や開放時間のうち一部または全部が相違することで、第1特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」になることによる遊技者の有利度を異ならせるようにしてもよい。
(5)上記実施の形態では、図14に示すステップS804の処理にて、最終ラウンド以外である場合には、可変表示が開始可能であると判定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第2特図の可変表示が開始されることを許容する様々な変動許容条件を設けてもよい。一例として、大当り遊技状態が開始されてからの変動回数が所定回数(例えば「10」)以下であるときには変動許容条件を成立させて可変表示が開始可能であると判定する一方、変動回数が所定回数を超えたときには変動許容条件を成立させず可変表示が開始不可能であると判定してもよい。この場合には、大当りの種類に応じて、変動許容条件を成立させる第2特図の変動回数(上限回数)が相違することで、第1特図を用いた特図ゲームにて可変表示結果が「大当り」になることによる遊技者の有利度を異ならせるようにしてもよい。他の一例として、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば偶数)であるときには変動許容条件を成立させる一方、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外(例えば奇数)であるときには変動許容条件を成立させないようにしてもよい。さらに他の一例として、ラウンド遊技の実行が開始されてから所定時間(例えば5秒)が経過するまでの期間であれば変動許容条件を成立させる一方、所定時間が経過した後の期間であれば変動許容条件を成立させないようにしてもよい。また、大当り遊技状態における最終ラウンドであっても第2特図の可変表示が開始可能であると判定し、その最終ラウンドが終了するときに第2特図の可変表示が実行中である場合には、強制的に可変表示結果を導出させるようにしてもよい。あるいは、最終ラウンドが終了するときには第2特図の可変表示を中断し、再び遊技状態が大当り遊技状態となってラウンド遊技の実行が開始されるときに、中断していた第2特図の可変表示を再開させるようにしてもよい。
(6)また、上記実施の形態では、大当り遊技状態中に、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行する例を示したが、これは一例である。例えば、第2始動入賞口とは異なる通過ゲートを設けておき、大当り遊技状態中に当該通過ゲートを遊技球が通過したことにより第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するようにしてもよい。なお、当該通過ゲートは、遊技者が大当り遊技状態中に当該通過ゲートを狙って遊技球を発射した場合でも、大入賞口に当該発射された遊技球が入賞可能である位置に設置されていればよい。また、大当り遊技状態中でない場合に(通常状態中)、当該通過ゲートを遊技球が通過したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されるようにすればよい。大当り遊技状態中であるか否かは、例えば、大当りフラグがオンにセットされているか否かにより判定すればよい。また、第2始動入賞口は、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったときに所定時間開放されればよい。この場合第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、第1始動条件が成立するようにしてもよい。
(7)その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
(8)本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(9)そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。