JP2013223428A - LNAクランプ技術による植物内生菌のSSUrRNA遺伝子の選択的PCR増幅法 - Google Patents

LNAクランプ技術による植物内生菌のSSUrRNA遺伝子の選択的PCR増幅法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】植物試料由来のDNAと植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用のプライマーセットと当該プライマーセットのプライマーと競合する位置に設計した植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子に対応するロックド核酸(LNA)含有オリゴヌクレオチドとを含む反応液を用いて、PCRを行い、当該LNA含有オリゴヌクレオチドにより植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅を阻害する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を特異的に増幅する方法に関する。
植物体内の微生物が、植物の生育に対して重要な働きをしていることが古くから知られている。近年の培養法に依存しない分子生物学的手法の発達により、環境中には門レベルで未分離の微生物が多数存在することが明らかにされ、難培養性微生物の機能を応用した展開が期待されている。
ところで、リボソームRNA(rRNA)は、生物に必要なタンパク質合成器官のリボソームを構成するRNAである。RNA遺伝子の塩基配列は、生物進化の中でも保存性が高く、基本的な構造は保存されている。しかしながら、長い進化の中で少しずつ塩基配列は変化しているため、塩基配列の違いが多ければ生物進化学的に遠い関係にあり、違いが少なければ近縁関係にある。SSU rRNA(Small Subunit ribosomal RNA)遺伝子は、リボソームのスモールサブユニットを構成するrRNAの遺伝子であり、長さは細菌では約1500塩基である。なお、SSU rRNAは、原核生物では16S rRNAと称され、また真核生物では18S rRNAと称される場合がある。現在、SSU rRNA遺伝子に関して200万以上の塩基配列がデータベース上に登録されており、当該SSU rRNA遺伝子が微生物の系統解析に利用されるrRNA遺伝子の主流となっている。
植物試料から内部に棲息する微生物のDNAを抽出すると、植物オルガネラ(ミトコンドリア、プラスチド)のDNAも抽出時に混入する。このため、SSU rRNA遺伝子を標的として細菌用プライマーでPCR増幅を行うと、植物オルガネラのSSU rRNA遺伝子もPCR反応で増幅されてしまい、重大な障害が存在する。
非特許文献1及び2においては、細菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅するプライマーを設計している。これらのプライマーは、植物根圏など微生物のDNAの割合が植物オルガネラのDNAに対して比較的多い試料には有効であるが、植物内生菌のように微生物DNAの割合が比較的少ない試料に対しては効果を発揮しない。また、非特許文献3は、植物試料を磨り潰し、遠心分離によって植物内生菌を集菌することを記載する。しかしながら、当該集菌方法では、破砕組織に付着して回収されていない内生菌も存在する可能性が高い。
Chelius M.K.及びTriplett E.W., The Diversity of Archaea and Bacteria in Association with the Roots of Zea mays L., Microbial Ecology, 2001年, 41, pp. 252-263 Sakai M.ら, Application of a new PCR primer for terminal restriction fragment length polymorphism analysis of the bacterial communities in plant roots, Journal of Microbiological Methods, 2004年, 59, pp. 81-89 Ikeda S.ら, Development of a Bacterial Cell Enrichment Method and its Application to the Community Analysis in Soybean Stems, Microbial Ecology, 2009年, 58, pp. 703-714
上述のように、分子生物学的手法によるSSU rRNA遺伝子を用いた植物内生菌の群集構造解析法は未だ確立されておらず、絶えざるイノベーションが求められている。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、植物オルガネラのSSU rRNA遺伝子に特異的なロックド核酸(Locked Nucleic Acid:LNA)含有オリゴヌクレオチドを、細菌用プライマーと競合する位置に設計し、植物オルガネラのSSU rRNA遺伝子のPCRを阻害することによって、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)植物試料由来のDNAと、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対する2つのプライマーから成るプライマーセットと、植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチドを含有する反応液をPCRに供する工程を含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を増幅する方法であって、前記LNA含有オリゴヌクレオチドは、前記プライマーが前記植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングする部位と競合する位置に設計され、その5'末端において該プライマーの3'末端と1塩基以上同一であり、該プライマーが前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドした位置において該植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して該植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基をLNAに置換した塩基配列を有し、且つ該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されており、該LNA含有オリゴヌクレオチドにより植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅が阻害される、前記方法。
(2)植物試料由来のDNAと以下の(a)及び(b)のプライマーから成るプライマーセットと以下の(c)〜(f)のLNA含有オリゴヌクレオチドを含有する反応液をPCRに供する工程を含み、該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されており、且つ該LNA含有オリゴヌクレオチドにより植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅が阻害される、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を増幅する方法。
(a)CRKGCYTAACACATGCAAGTC (配列番号1)の塩基配列から成るプライマー(63fm)、又は配列番号1に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
(b)GGCTACCTTGTTACGACTT(配列番号2)の塩基配列から成るプライマー(1492r)、又は配列番号2に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
(c)CAAGTCGAACGTTGTTTTCG(配列番号3)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63)、又は配列番号3に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号3に記載の塩基配列において、第9、12、13、15及び19番目の塩基がLNAである)
(d)CTTCACCCCAGTCGAAGA(配列番号4)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit1492)、又は配列番号4に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号4に記載の塩基配列において、第5、14、15、17及び18番目の塩基がLNAである)
(e)GTCGAACGGGAAGTGGT(配列番号5)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63)、又は配列番号5に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号5に記載の塩基配列において、第5、12、13及び16番目の塩基がLNAである)
(f)GACTTCACTCCAGTCGCAA(配列番号6)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla1492)、又は配列番号6に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号6に記載の塩基配列において、第7、9、13、16及び18番目の塩基がLNAである)
(3)PCRを、順に熱変性、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング、プライマーのアニーリング及び伸長反応を含む反応サイクルの繰り返しにより行う、(1)又は(2)記載の方法。
(4)LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング温度は、熱変性温度よりも低く、且つプライマーのアニーリング温度よりも高い温度である、(3)記載の方法。
(5)熱変性温度が94℃前後(例えば92〜96℃)であり、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング温度がプライマーのアニーリング温度よりも高く、且つプライマーがアニーリングできない温度帯の最も低い温度(例えば70〜72℃)であり、プライマーのアニーリング温度が54℃前後(例えば50〜64℃)であり、及び伸長反応温度が72℃前後(例えば68〜74℃)である、(3)又は(4)記載の方法。
(6)植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対する2つのプライマーから成るプライマーセットと、植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチドを含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用キットであって、前記LNA含有オリゴヌクレオチドは、前記プライマーが前記植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングする部位と競合する位置に設計され、その5'末端において該プライマーの3'末端と1塩基以上同一であり、該プライマーが前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドした位置において該植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して該植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基をLNAに置換した塩基配列を有し、且つ該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されている、前記キット。
(7)以下の(a)及び(b)のプライマーから成るプライマーセットと以下の(c)〜(f)のLNA含有オリゴヌクレオチドを含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用キットであって、該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されている、前記キット。
(a)CRKGCYTAACACATGCAAGTC(配列番号1)の塩基配列から成るプライマー(63fm)、又は配列番号1に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
(b)GGCTACCTTGTTACGACTT(配列番号2)の塩基配列から成るプライマー(1492r)、又は配列番号2に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
(c)CAAGTCGAACGTTGTTTTCG(配列番号3)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63)、又は配列番号3に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号3に記載の塩基配列において、第9、12、13、15及び19番目の塩基がLNAである)
(d)CTTCACCCCAGTCGAAGA(配列番号4)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit1492)、又は配列番号4に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号4に記載の塩基配列において、第5、14、15、17及び18番目の塩基がLNAである)
(e)GTCGAACGGGAAGTGGT(配列番号5)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63)、又は配列番号5に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号5に記載の塩基配列において、第5、12、13及び16番目の塩基がLNAである)
(f)GACTTCACTCCAGTCGCAA(配列番号6)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla1492)、又は配列番号6に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号6に記載の塩基配列において、第7、9、13、16及び18番目の塩基がLNAである)
(8)植物試料由来のDNAと植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対する2つのプライマーから成るプライマーセットを含有する反応液をPCRに供する工程を含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を増幅する方法において、植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅を阻害するための、植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチドであって、前記プライマーが前記植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングする部位と競合する位置に設計され、その5'末端において該プライマーの3'末端と1塩基以上同一であり、該プライマーが前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドした位置において該植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して該植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基をLNAに置換した塩基配列を有し、且つその3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されている、前記LNA含有オリゴヌクレオチド。
本発明によれば、植物試料由来のDNAを鋳型DNAとしたPCRにおいて植物オルガネラ(ミトコンドリア及びプラスチド)のSSU rRNA遺伝子の増幅を阻害し、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅することができる。
本発明におけるLNA含有オリゴヌクレオチドによるPCRクランプ技術の概略を示す図面である。 ミトコンドリア用LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63)の配列決定のための、様々な植物のミトコンドリア及び様々な分類群に属する微生物のSSU rRNA遺伝子のアライメントである。 ミトコンドリア用LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit1492)の配列決定のための、様々な植物のミトコンドリア及び様々な分類群に属する微生物のSSU rRNA遺伝子のアライメントである。 プラスチド用LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63)の配列決定のための、様々な植物のプラスチド及び様々な分類群に属する微生物のSSU rRNA遺伝子のアライメントである。 プラスチド用LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla1492)の配列決定のための、様々な植物のプラスチド及び様々な分類群に属する微生物のSSU rRNA遺伝子のアライメントである。 LNA含有オリゴヌクレオチドを加えずに、各プライマーアニーリング温度においてPCRを行った結果を示す電気泳動写真である。 LNA含有オリゴヌクレオチドの各濃度におけるPCRの結果を示す電気泳動写真である。「LNA-Mit」はミトコンドリア用LNA含有オリゴヌクレオチドの濃度であり、「LNA-Pla」は、プラスチド用LNA含有オリゴヌクレオチドの濃度である。 LNA含有オリゴヌクレオチドを加えて、各プライマーアニーリング温度においてPCRを行った結果を示す電気泳動写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を増幅する方法(以下、「本方法」と称する)は、鋳型DNAとして植物試料由来のDNAと、2つの植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用のプライマー(植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマー)から成るプライマーセット(すなわち、フォワードプライマーとリバースプライマー)と当該プライマーセットのプライマーと競合する位置に設計した植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子に対応するロックド核酸(LNA)含有オリゴヌクレオチドとを含む反応液を用いて、PCRを行う方法である。当該LNA含有オリゴヌクレオチドによれば、植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅が阻害され、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用のプライマーセットにより植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択に増幅することができる。
本方法における植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーとしては、例えば細菌のSSU rRNA遺伝子の増幅に汎用されているプライマーが挙げられる。当該汎用されているプライマーから成るプライマーセットとしては、例えばフォワードプライマーとして、下記に説明するプライマー63f(5'-CAGGCCTAACACATGCAAGTC-3'(配列番号7);Marchesi J.R.ら, Design and Evaluation of Useful Bacterium-Specific PCR Primers That Amplify Genes Coding for Bacterial 16S rRNA, Applied and Environmental Microbiology, 1998年, Vol. 64, No. 2, pp. 795-799)若しくはその改変したプライマー63fm(5'-CRKGCYTAACACATGCAAGTC-3'(配列番号1))、64f(5'-BGYCTWANRCATGCAAGTYG-3'(配列番号8);Hongoh Y.ら, Evaluation of primers and PCR conditions for the analysis of 16S rRNA genes from a natural environment, FEMS Microbilogy Letters, 2003年, Vol. 221, pp. 299-304)、64f(5'-TWANRCATGCAAGTCG-3'(配列番号9);Bertilsson S.ら, Sequencing-independent method to generate oligonucleotide probes targeting a variable region in bacterial 16S rRNA by PCR with detachable primers, Applied and Environmental Microbiology, 2002年, Vol. 68, No. 12, pp. 6077-6086)、又はこれらを改変したプライマー(例えば、5'-TWANRCATGCAAGTC-3'(配列番号10)、5'-YTWANRCATGCAAGTC-3'(配列番号11)、5'-YTWAYACATGCAAGTC-3'(配列番号12)、5'-CRKGCYTWAYACATGCAAGTC-3'(配列番号13))と、リバースプライマーとして、プライマー1492r(5'-GGCTACCTTGTTACGACTT-3'(配列番号2);Ikenaga M.ら, Community structure of the microbiota associated with nodal roots of rice plants along with the growth stages: estimation by PCR-RFLP analysis, Biology and Fertility of Soils, 2002年, Vol. 36, No. 6, pp. 397-404)又はその改変したプライマー(例えば、5'-TACGGYTACCTTGTTACGACTT-3'(配列番号14)、5'-ACGGYTACCTTGTTACGACTT-3'(配列番号15)、5'-GGCTACCTTGTTACGACT-3'(配列番号16)、5'-GGYTACCTTGTTACGACTT-3'(配列番号17)、5'-GGYTACCTTGTTACGACT-3'(配列番号18))のプライマーセットが挙げられる。また、データベース上に登録されている様々な分類群に属する微生物のSSU rRNA遺伝子をアライメントし、共通する塩基配列に対してプライマーを設計し、当該プライマーを本方法における植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーとして使用することができる。本方法における植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーの長さとしては、例えば15〜25塩基、好ましくは18〜22塩基が挙げられる。
一方、本方法におけるLNA含有オリゴヌクレオチドは、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーが植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングする部位と競合する位置に設計され、その5'末端において該プライマーの3'末端と1塩基以上同一であり;植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーが植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドした(ずらした)位置において植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基をLNAに置換した塩基配列を有し;且つ、その3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されている、LNA含有オリゴヌクレオチドである。
LNAは、下記の化学式に示すように、核酸の糖分子内に架橋構造を持つ核酸アナログの一種である。
Figure 2013223428
DNAは化学構造上の自由度が大きいため、DNA/DNAの二重鎖形成において熱力学的に不利になっている。LNAは天然核酸の形の自由度を架橋で拘束することにより、標的となるDNAに対する結合親和性を高めたものである。このため、相補的な塩基に対する特異性は極めて高くなっており、ミスマッチが存在する場合のTm(融解温度)値の低下はDNAの場合よりも著しい一方、アニーリング時のTm値はDNAに比べて高い(今西武・小比賀聡, アンチセンスBNAオリゴヌクレオチドを用いた遺伝子発現抑制, 日本薬理学雑誌, 2002年, Vol. 120, pp. 85-90)。本発明では、LNAの特徴を利用し、上述のLNA含有オリゴヌクレオチドを、以下の要領で設計する。
(1) データベース上に登録されている植物ミトコンドリアとプラスチドのSSU rRNA遺伝子を、様々な分類群に属する微生物のSSU rRNA遺伝子と共にアライメントし、使用する植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマー(Forwardプライマー及びReverseプライマー)に競合する植物ミトコンドリア及びプラスチド用LNA含有オリゴヌクレオチドをそれぞれ設計する。具体的には、図1に示すように、LNA含有オリゴヌクレオチドを、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーと競合する位置に設計する。植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーと重なる位置を設け、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーが植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングして伸長反応が生じないようにする。換言すれば、LNA含有オリゴヌクレオチドの5'末端は、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーの3'末端と1塩基以上(例えば、1〜10塩基、好ましくは3〜6塩基)同一であるようにする。
(2) 植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーが植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドさせる形で設計し、スライドさせた位置で植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して植物オルガネラ(ミトコンドリア又はプラスチド)のSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基についてはLNAに置換する。LNAに置換すべき塩基数としては、特に限定されるものではないが、例えば2〜8塩基、好ましくは4〜6塩基が挙げられる。
(3) LNA含有オリゴヌクレオチドのTm値を、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーがアニーリングしない温度(例えば、70℃)に設計する。図1に示すように、本方法におけるPCRは、順に熱変性、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング、プライマーのアニーリング及び伸長反応の反応サイクルを繰り返し行い、プライマーのアニーリング前に、LNA含有オリゴヌクレオチドを植物オルガネラ(ミトコンドリア及びプラスチド)にアニーリングさせ、プライマーが植物オルガネラにアニーリングし、伸長するのを阻害する。
(4) LNA含有オリゴヌクレオチドから伸長反応が起きないように、LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端をリン酸化又はジデオキシ化する。
(5) LNA含有オリゴヌクレオチドの長さとしては、例えば15〜25塩基、好ましくは18〜22塩基が挙げられる。
本方法では、Forwardプライマー及びReverseプライマーの各々に競合する植物ミトコンドリア用LNA含有オリゴヌクレオチド及び植物プラスチド用LNA含有オリゴヌクレオチドの4つのLNA含有オリゴヌクレオチドを使用することが好ましい。
具体的な植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用のプライマーセットは、以下の(a)及び(b)のプライマーから成るプライマーセットである:
(a)CRKGCYTAACACATGCAAGTC (配列番号1)の塩基配列を含むか、又は当該塩基配列から成るプライマー(63fm);
(b)GGCTACCTTGTTACGACTT(配列番号2)の塩基配列を含むか、又は当該塩基配列から成るプライマー(1492r)。
(a)及び(b)のプライマーは、細菌のSSU rRNA遺伝子の増幅に汎用されているプライマーである。(a)のForwardプライマー(63fm)は、Marchesi J.R.ら, Design and Evaluation of Useful Bacterium-Specific PCR Primers That Amplify Genes Coding for Bacterial 16S rRNA, Applied and Environmental Microbiology, 1998年, Vol. 64, No. 2, pp. 795-799に記載のプライマー63fを改変したプライマーである。具体的には、配列番号1に記載の塩基配列は、当該プライマー63fの塩基配列における第2番目のA、第3番目のG及び第6番目のCをそれぞれR(A又はG)、K(G又はT)及びY(C又はT)に置換した塩基配列である。また、(b)のReverseプライマー(1492r)は、Ikenaga M.ら, Community structure of the microbiota associated with nodal roots of rice plants along with the growth stages: estimation by PCR-RFLP analysis, Biology and Fertility of Soils, 2002年, Vol. 36, No. 6, pp. 397-404に記載のプライマーである。
あるいは、配列番号1又は2に記載の塩基配列において1又は数個(1〜6個、1〜3個又は1若しくは2個)の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成るか、あるいは配列番号1又は2に記載の塩基配列に対して80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有し、且つ植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングし、伸長反応を行うことができるプライマーも、(a)又は(b)のプライマーとして使用することができる。塩基が欠失、置換又は付加される位置としては、例えば配列番号1又は2に記載の塩基配列の5'末端及び/又は3'末端が挙げられる。プライマーの機能は、例えば作製したForwardプライマー及びReverseプライマーと、鋳型DNAとして植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を含むDNAとを含有する反応液をPCRに供し、当該プライマーから得られる特異的なPCR産物が得られるか否かにより評価することができる。
一方、具体的なLNA含有オリゴヌクレオチドは、図2〜5に示すように、データベース上に登録されている植物ミトコンドリアとプラスチドのSSU rRNA遺伝子を、様々な分類群に属する微生物のSSU rRNA遺伝子と共にアライメントし、上記の要領に基づき、上記(a)のForwardプライマーと(b)のReverseプライマーに競合するように設計された、以下の(c)〜(f)のLNA含有オリゴヌクレオチドである:
(c)CAAGTCGAACGTTGTTTTCG(配列番号3)の塩基配列を含むか、又は当該塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63)(ここで、配列番号3に記載の塩基配列において、第9、12、13、15及び19番目の塩基がLNAである);
(d)CTTCACCCCAGTCGAAGA(配列番号4)の塩基配列を含むか、又は当該塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit1492)(ここで、配列番号4に記載の塩基配列において、第5、14、15、17及び18番目の塩基がLNAである);
(e)GTCGAACGGGAAGTGGT(配列番号5)の塩基配列を含むか、又は当該塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63)(ここで、配列番号5に記載の塩基配列において、第5、12、13及び16番目の塩基がLNAである);
(f)GACTTCACTCCAGTCGCAA(配列番号6)の塩基配列を含むか、又は当該塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla1492)(ここで、配列番号6に記載の塩基配列において、第7、9、13、16及び18番目の塩基がLNAである)。
当該(c)〜(f)のLNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は、リン酸化又はジデオキシ化されている。(c)のLNA含有オリゴヌクレオチドは、(a)のForwardプライマーと競合する植物ミトコンドリアSSU rRNA遺伝子に対するLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63)である。(d)のLNA含有オリゴヌクレオチドは、(b)のReverseプライマーと競合する植物ミトコンドリアSSU rRNA遺伝子に対するLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit1492)である。(e)のLNA含有オリゴヌクレオチドは、(a)のForwardプライマーと競合する植物プラスチドSSU rRNA遺伝子に対するLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63)である。(f)のLNA含有オリゴヌクレオチドは、(b)のReverseプライマーと競合する植物プラスチドSSU rRNA遺伝子に対するLNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla1492)である。
あるいは、配列番号3〜6に記載の塩基配列において1又は数個(1〜5個、1〜3個又は1若しくは2個)の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成るか、あるいは配列番号3〜6に記載の塩基配列に対して80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列同一性を有し、且つ植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングし、上記(a)及び(b)のプライマーによる植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅を阻害できる各LNA含有オリゴヌクレオチドも、それぞれ(c)〜(f)のLNA含有オリゴヌクレオチドとして使用することができる。塩基が欠失、置換又は付加される位置としては、例えば配列番号3〜6に記載の塩基配列の5'末端及び/又は3'末端が挙げられる。また、配列番号3〜6に記載の塩基配列におけるLNA塩基を1以上(例えば4又は5個の全てのLNA塩基のうち2〜5個、好ましくは4〜5個)が維持されるように、1以上の塩基の欠失、置換又は付加を行うことが好ましい。LNA含有オリゴヌクレオチドの機能は、例えば作製したLNA含有オリゴヌクレオチドを本方法におけるLNA含有オリゴヌクレオチドとして使用し、上記(a)及び(b)のプライマーによる植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅を阻害できたか否かにより評価することができる。
本方法に使用するプライマー及びLNA含有オリゴヌクレオチドは、例えばDNA合成機で化学合成することができる。
また、本方法において鋳型DNAとして使用する植物試料由来のDNAは、例えば一般的な核酸抽出法により植物試料から得られたDNA、植物試料から抽出されたRNAと逆転写酵素を用いてRT-PCRにより作製されたcDNA等である。当該植物試料由来のDNAは、植物内に生育する植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に加えて、植物オルガネラ(ミトコンドリア及びプラスチド)由来のSSU rRNA遺伝子を含む。植物試料としては、例えば植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束等)、植物培養細胞等が挙げられる。
ここで、鋳型DNAが由来する植物としては、特に限定されるものではないが、例えばイネ科の植物(ジャポニカ、インディカ、コムギ、ライムギ、トウモロコシ、オオムギ、サトウキビ等)、マメ科の植物(ダイズ、アルファルファ等)、ウリ科の植物(キュウリ、メロン、スイカ、カボチャ等)、ナス科の植物(タバコ、トマト、ジャガイモ等)、アブラナ科の植物(キャベツ、アブラナ、ハクサイ等)、アカザ科の植物(サトウダイコン、ホウレンソウ等)、ユリ科の植物(アスパラガス、タマネギ、ニンニク等)、スイレン科の植物(ハス等)、キク科の植物(レタス、ヒマワリ等)、タデ科の植物(ソバ等)、セリ科の植物(ニンジン等)、トウダイグサ科の植物(キャッサバ等)、ゴマ科の植物(ゴマ等)、アオイ科の植物(ワタ等)、バラ科の植物(イチゴ等)等が挙げられる。
また、本方法において増幅対象のSSU rRNA遺伝子が由来する植物内生菌としては、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するフォワードプライマーとリバースプライマーから成るプライマーセットにより増幅するSSU rRNA遺伝子を有する植物内生菌であればよく、例えばActinobacteria門の細菌(Actinomyces属、Acidimicrobium属、Corynebacterium属等)、Firmicutes門の細菌(Bacillus属、Clostridium属、Staphylococcus属等)、α-Proteobacteria亜門の細菌(Rhizobium属、Sphingomonas属、Bradyrhizobium属、Methylobacterium属等)、β-Proteobacteria亜門の細菌(Azoarcus属、Nitrosomona属、Nitrosospira属、Herbaspirillum属等)、γ-Proteobacteria亜門の細菌(Pantoea属、Xanthomonas属、Pseudomonas属等)、δ-Proteobacteria亜門の細菌(Desulfobacterium属、Myxococcus属等)、Bacteroidetes門の細菌(Bacteroides等)、Nitrospirae門の細菌(Nitrospira属等)、Spirochaetes門の細菌(Spirochaeta属等)、Verrucomicrobia門の細菌(Verrucomicrobium属細菌等)、Planctomycetes門の細菌(Planctomyces属等)、Acidobacteria門の細菌(Acidobacterium属等)、Cyanobacteria門の細菌(Microcystis属等)、Aquificiae門の細菌(Aquifex属等)等が挙げられる。
本方法では、以上に説明した植物試料由来のDNA(鋳型DNA)、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーセット及びLNA含有オリゴヌクレオチド並びにPCRに必要な試薬(例えば、DNAポリメラーゼ(例えば、Taq、Pfu、KODポリメラーゼ等)、基質(dNTP)、PCRバッファー(MgCl2、KCl、Tris-HCl等を含有)を含有する反応液をPCRに供する。反応液の組成は、例えば以下の通りである:反応液50μl当たり、鋳型DNA 10〜500ng、基質(dNTP; dATP、dTTP、dGTP、dCTP)各2.5mM、DNA ポリメラーゼ(TaKaRa Ex Taq)1.25U、各プライマー0.2〜1.0μM(好ましくは0.8μM)、LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63、LNA-Pla1492)各0.5μM、LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63、LNA-Mit1492)各3.0μM。
PCRは、例えば、順に熱変性(例えば92℃〜96℃、好ましくは94℃)、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング(例えば熱変性温度よりも低く、且つプライマーのアニーリング温度よりも高く、またプライマーがアニーリングできない温度帯の最も低い温度、好ましくは70℃〜72℃、特に好ましくは70℃)、プライマーのアニーリング(例えば50℃〜64℃、好ましくは54℃)及び伸長反応(例えば68℃〜74℃、好ましくは72℃)の反応サイクルを繰り返し(例えば、25〜35回、好ましくは30回)行う。プライマーのアニーリング前に、LNA含有オリゴヌクレオチドを植物オルガネラ(ミトコンドリア及びプラスチド)のSSU rRNA遺伝子にアニーリングさせることで、プライマーが植物オルガネラのSSU rRNA遺伝子にアニーリングし、伸長するのを阻害する一方、プライマーにより植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅する。
本方法では、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子の増幅産物を、例えば電気泳動(変性剤濃度勾配電気泳動(DGGE)等)に供し、ゲル上の増幅産物に対応するバンドを切り出し、シークエンスに供することで、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子の塩基配列を決定することができる。この際、DGGE前に、増幅産物を、DGGE用プライマーを用いたnested PCRに供することが好ましい。DGGE用プライマーとしては、例えばプライマー63f-GCと518rのプライマーセット又は341f-GCと907rのプライマーセット(Li H.ら, Comparisons of different hypervariable regions of rrs genes for fingerprinting of microbial communities in paddy soils, Soil Biology and Biochemistry, 2009年, Vol. 41, Issue 5, pp. 954-968)等が挙げられる。決定した塩基配列を、例えば相同性検索プログラム(例えば、BLAST)を用いてDNAデータベースに対して検索することで、SSU rRNA遺伝子が由来する植物内生菌を決定することができる。
一方、本発明は、また上記のLNA含有オリゴヌクレオチド自体、又は上記2つの植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対するプライマーから成る(例えば2つの(a)及び(b)のプライマーから成る)プライマーセットとLNA含有オリゴヌクレオチド(例えば4つの(c)〜(f)のLNA含有オリゴヌクレオチド)とを含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用キットに関する。当該キットには、プライマー及びLNA含有オリゴヌクレオチドの他に、PCRに必要な試薬(例えば、DNAポリメラーゼ(例えば、Taq、Pfu、KODポリメラーゼ等)、基質(dNTP)、PCRバッファー(MgCl2、KCl、Tris-HCl等を含有)、並びに当該キットの取り扱い説明書を含むことができる。
以上に説明した本発明によれば、植物試料からの抽出DNAを鋳型としたPCRにおいて、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅することができる。植物内生菌は窒素固定や植物ホルモンの分泌、病害に対する抵抗性の向上等で、植物生育に対して重要な役割を担っていることが古くから知られており、本発明により植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を選択的に増幅することで、従来の培養法で分離されなかった細菌も検出できるようになると共に、植物の生育と細菌の機能に関する知見が飛躍的に進められ、食糧問題を解決する画期的な切り口となる。また、病害の発生していない植物が病原菌に感染しているか否かを検出でき、植物生育の健全度を調査し、病害の蔓延を未然に防止することが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
1.植物オルガネラに特異的なLNA含有オリゴヌクレオチドの設計
細菌のSSU rRNA遺伝子の増幅に汎用されているプライマーを用いてアライメントした結果、Forwardプライマーでは63fm(Marchesi J.R.ら, Design and Evaluation of Useful Bacterium-Specific PCR Primers That Amplify Genes Coding for Bacterial 16S rRNA, Applied and Environmental Microbiology, 1998年, Vol. 64, No. 2, pp. 795-799に記載のプライマー63fを改変したプライマー)と、Reverseプライマーでは1492r(Ikenaga M.ら, Community structure of the microbiota associated with nodal roots of rice plants along with the growth stages: estimation by PCR-RFLP analysis, Biology and Fertility of Soils, 2002年, Vol. 36, No. 6, pp. 397-404)と競合する位置で、植物オルガネラに特異的なLNA含有オリゴヌクレオチドを設計した。設計したLNA含有オリゴヌクレオチドの配列は、次の通りである。
Forwardプライマー側
・ミトコンドリア用(LNA-Mit63);5'-CAAGTCGA+ACG+T+TG+TTTT+CG-3'(配列番号3)
・プラスチド用(LNA-Pla63);5'-GTCG+AACGGGA+A+GTG+GT-3'(配列番号5)
Reverseプライマー側
・ミトコンドリア用(LNA-Mit1492);5'-CTTC+ACCCCAGTC+G+AA+G+A-3'(配列番号4)
・プラスチド用(LNA-Pla1492);5'-GACTTC+AC+TCCA+GTC+GC+AA-3'(配列番号6)
注1)下線部は63f又は1492rと重なっている部位
注2)塩基の左側に+を付した塩基はLNA(例;+A)
注3)Tm値はいずれも70℃
注4)いずれも3'末端をリン酸化
2.LNAクランプ技術による選択的PCR増幅
本実施例では、水稲(日本晴)を畑状態で約3週間栽培して得られた幼苗の根を使用した。根は、滅菌水中で注いで付着した土壌を取り除き、磨り潰してからDNA抽出を行った。PCR条件は、94℃1分(熱変性)・70℃1分(LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング)・54℃1分(プライマーのアニーリング)・72℃2分(伸長反応)の30サイクルの反応を基準として、プライマー63fm(配列番号1)及び1492r(配列番号2)並びに上記第1節で説明した4つのLNA含有オリゴヌクレオチドを全て使用して、植物オルガネラのSSU rRNA遺伝子の増幅を阻害する最適条件を検討した。PCR反応後、PCR産物を電気泳動により確認した。反応液の組成は、以下の通りであった:反応液50μl当たり、鋳型DNA 100ng、基質(dNTP; dATP、dTTP、dGTP、dCTP) 各2.5mM、DNAポリメラーゼ(TaKaRa EX Taq) 1.25U、プライマー63fm 0.8μM、プライマー1492r 0.8μM、LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63、LNA-Pla1492)各0.5μM、LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63、LNA-Mit1492)各3.0μM。
検討結果は次の通りであった。
(1) 図6に示すように、LNA含有オリゴヌクレオチドを加えずに、プライマーのアニーリング温度を変更してPCR増幅を行った結果、アニーリング温度が70℃以上の時、PCR産物は検出されなかった。この結果は、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング温度に70℃が使用できることを意味している。
(2) 図7に示すように、LNA含有オリゴヌクレオチドの濃度を段階的に振り分け、PCR増幅を行った。その結果、ミトコンドリアSSU rRNA遺伝子に由来するPCR産物は、LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Mit63、LNA-Mit1492)3.0μM以上で、プラスチドSSU rRNA遺伝子に由来するPCR産物は、LNA含有オリゴヌクレオチド(LNA-Pla63、LNA-Pla1492)0.5μM以上で検出されなくなった。また、LNA含有オリゴヌクレオチドの濃度が増加しても、細菌DNAのPCR増幅は阻害されていないことが判明した。
(3) 図8に示すように、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング温度を70℃、プライマーのアニーリング温度を50℃〜64℃の範囲で検討したところ、いずれも検出されるPCR産物に差異は認められなかった。LNA含有オリゴヌクレオチドのTm値は70℃であること、一般的なプライマーのアニーリング温度は54±2℃であることから、本実施例ではLNA含有オリゴヌクレオチド及びプライマーのアニーリング温度は、それぞれ70℃及び54℃が妥当であると判断した。また、プライマーのアニーリング温度を50℃まで下げても、LNA含有オリゴヌクレオチドが細菌DNAにミスマッチしてPCR増幅を阻害しないことが判明した。
本実施例の結果、LNAクランプ技術を用いることで、植物オルガネラDNAの割合が多い試料についても、細菌のSSU rRNA遺伝子を選択的にPCR増幅できる技術が確立された。本手法は簡便であるため、初心者でも短期間で取り扱いが可能となり、本手法を応用した様々な研究の展開が期待される。

Claims (8)

  1. 植物試料由来のDNAと、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対する2つのプライマーから成るプライマーセットと、植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするロックド核酸(LNA)含有オリゴヌクレオチドを含有する反応液をPCRに供する工程を含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を増幅する方法であって、
    前記LNA含有オリゴヌクレオチドは、前記プライマーが前記植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングする部位と競合する位置に設計され、その5'末端において該プライマーの3'末端と1塩基以上同一であり、該プライマーが前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドした位置において該植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して該植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基をLNAに置換した塩基配列を有し、且つ該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されており、
    該LNA含有オリゴヌクレオチドにより植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅が阻害される、
    前記方法。
  2. 植物試料由来のDNAと以下の(a)及び(b)のプライマーから成るプライマーセットと以下の(c)〜(f)のロックド核酸(LNA)含有オリゴヌクレオチドを含有する反応液をPCRに供する工程を含み、該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されており、且つ該LNA含有オリゴヌクレオチドにより植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅が阻害される、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を増幅する方法。
    (a)CRKGCYTAACACATGCAAGTC(配列番号1)の塩基配列から成るプライマー、又は配列番号1に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
    (b)GGCTACCTTGTTACGACTT(配列番号2)の塩基配列から成るプライマー、又は配列番号2に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
    (c)CAAGTCGAACGTTGTTTTCG(配列番号3)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号3に記載の塩基配列において、第9、12、13、15及び19番目の塩基がLNAである)
    (d)CTTCACCCCAGTCGAAGA(配列番号4)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号4に記載の塩基配列において、第5、14、15、17及び18番目の塩基がLNAである)
    (e)GTCGAACGGGAAGTGGT(配列番号5)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号5に記載の塩基配列において、第5、12、13及び16番目の塩基がLNAである)
    (f)GACTTCACTCCAGTCGCAA(配列番号6)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号6に記載の塩基配列において、第7、9、13、16及び18番目の塩基がLNAである)
  3. PCRを、順に熱変性、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング、プライマーのアニーリング及び伸長反応を含む反応サイクルの繰り返しにより行う、請求項1又は2記載の方法。
  4. LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング温度は、熱変性温度よりも低く、且つプライマーのアニーリング温度よりも高い温度である、請求項3記載の方法。
  5. 熱変性温度が92〜96℃であり、LNA含有オリゴヌクレオチドのアニーリング温度が70〜72℃であり、プライマーのアニーリング温度が50〜64℃であり、及び伸長反応温度が68〜74℃である、請求項3又は4記載の方法。
  6. 植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対する2つのプライマーから成るプライマーセットと、植物ミトコンドリア及びプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするロックド核酸(LNA)含有オリゴヌクレオチドを含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用キットであって、
    前記LNA含有オリゴヌクレオチドは、前記プライマーが前記植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングする部位と競合する位置に設計され、その5'末端において該プライマーの3'末端と1塩基以上同一であり、該プライマーが前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドした位置において該植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して該植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基をLNAに置換した塩基配列を有し、且つ該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されている、
    前記キット。
  7. 以下の(a)及び(b)のプライマーから成るプライマーセットと以下の(c)〜(f)のロックド核酸(LNA)含有オリゴヌクレオチドを含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子増幅用キットであって、該LNA含有オリゴヌクレオチドの3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されている、前記キット。
    (a)CRKGCYTAACACATGCAAGTC(配列番号1)の塩基配列から成るプライマー、又は配列番号1に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
    (b)GGCTACCTTGTTACGACTT(配列番号2)の塩基配列から成るプライマー、又は配列番号2に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングするプライマー
    (c)CAAGTCGAACGTTGTTTTCG(配列番号3)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号3に記載の塩基配列において、第9、12、13、15及び19番目の塩基がLNAである)
    (d)CTTCACCCCAGTCGAAGA(配列番号4)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物ミトコンドリアのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号4に記載の塩基配列において、第5、14、15、17及び18番目の塩基がLNAである)
    (e)GTCGAACGGGAAGTGGT(配列番号5)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号5に記載の塩基配列において、第5、12、13及び16番目の塩基がLNAである)
    (f)GACTTCACTCCAGTCGCAA(配列番号6)の塩基配列から成るLNA含有オリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換又は付加された塩基配列から成り、且つ植物プラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするLNA含有オリゴヌクレオチド(ここで、配列番号6に記載の塩基配列において、第7、9、13、16及び18番目の塩基がLNAである)
  8. 植物試料由来のDNAと植物内生菌のSSU rRNA遺伝子に対する2つのプライマーから成るプライマーセットを含有する反応液をPCRに供する工程を含む、植物内生菌のSSU rRNA遺伝子を増幅する方法において、植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子の増幅を阻害するための、植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングするロックド核酸(LNA)含有オリゴヌクレオチドであって、前記プライマーが前記植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子にアニーリングする部位と競合する位置に設計され、その5'末端において該プライマーの3'末端と1塩基以上同一であり、該プライマーが前記植物内生菌のSSU rRNA遺伝子にアニーリングする位置から伸長反応側にスライドした位置において該植物内生菌のSSU rRNA遺伝子と比較して該植物ミトコンドリア又はプラスチドのSSU rRNA遺伝子に特異的な塩基をLNAに置換した塩基配列を有し、且つその3'末端は伸長反応が起きないようにリン酸化又はジデオキシ化されている、前記LNA含有オリゴヌクレオチド。
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