JP2013222591A - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一対の被加熱物のそれぞれと加熱コイルとの距離を安定化させて、両方の被加熱物を均等の温度に加熱可能な誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】互いに被加熱面を向き合わせた状態で一定の間隔をもって対向配置された一対の被加熱物の間に中心軸線が前記被加熱面の夫々と直交する姿勢で配置される加熱コイルと、前記加熱コイルに交流電流を供給する交流電源とを備えた誘導加熱装置において、前記加熱コイルに対して中心軸線方向に外力を付加するアクチュエータと、前記加熱コイルに作用するローレンツ力によって前記加熱コイルが前記中心軸線方向に移動することを妨げるように前記アクチュエータを制御する制御装置とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】互いに被加熱面を向き合わせた状態で一定の間隔をもって対向配置された一対の被加熱物の間に中心軸線が前記被加熱面の夫々と直交する姿勢で配置される加熱コイルと、前記加熱コイルに交流電流を供給する交流電源とを備えた誘導加熱装置において、前記加熱コイルに対して中心軸線方向に外力を付加するアクチュエータと、前記加熱コイルに作用するローレンツ力によって前記加熱コイルが前記中心軸線方向に移動することを妨げるように前記アクチュエータを制御する制御装置とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、誘導加熱装置に関する。
従来から電磁誘導を利用して被加熱物を加熱する誘導加熱装置が知られている。この誘導加熱装置は、交流電流を加熱コイルに流した時に発生する誘導磁界によって被加熱物内に誘導電流(渦電流)を発生させ、この誘導電流によって生じるジュール熱を利用して被加熱物を加熱するものである。
このような誘導加熱装置によれば、一定間隔で対向配置された一対の被加熱物の間に加熱コイルを挿入し、交流電源から加熱コイルに交流電流を供給することにより、一対の被加熱物を同時に加熱することができる。下記特許文献1には、この誘導加熱装置を、例えばジェットエンジン等の製造工程において、ロータにブレードを溶接する際に、ロータとブレードの双方を同時に加熱する装置として適用することが記載されている。
ところで、誘導加熱装置による一対の被加熱物の同時加熱では、一対の被加熱物のそれぞれと加熱コイルとの距離の設定が重要である。すなわち、被加熱物内に発生する誘導電流の大きさは、加熱コイルと被加熱物との距離に依存するので、両方の被加熱物を均等の温度に加熱するためには、一対の被加熱物のそれぞれと加熱コイルとの距離を等距離に保持する必要がある(言い換えれば、一対の被加熱物の間隔の中心位置に加熱コイルを配置する必要がある)。
しかしながら、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイルがその中心軸線方向に移動することにより、一対の被加熱物のそれぞれと加熱コイルとの距離が変動してしまうと、両方の被加熱物を均等の温度に加熱することが困難となる。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、一対の被加熱物のそれぞれと加熱コイルとの距離を安定化させて、両方の被加熱物を均等の温度に加熱可能な誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、誘導加熱装置に係る第1の解決手段として、互いに被加熱面を向き合わせた状態で一定の間隔をもって対向配置された一対の被加熱物の間に中心軸線が前記被加熱面の夫々と直交する姿勢で配置される加熱コイルと、前記加熱コイルに交流電流を供給する交流電源とを備えた誘導加熱装置において、前記加熱コイルに対して中心軸線方向に外力を付加するアクチュエータと、前記加熱コイルに作用するローレンツ力によって前記加熱コイルが前記中心軸線方向に移動することを妨げるように前記アクチュエータを制御する制御装置とを備える、という手段を採用する。
また、本発明では、誘導加熱装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記加熱コイルの中心軸線方向の位置を検出する位置センサを備え、前記制御装置は、前記位置センサにて検出された前記加熱コイルの中心軸線方向の位置が予め設定された目標位置と一致するように前記アクチュエータを制御する、という手段を採用する。
また、本発明では、誘導加熱装置に係る第3の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記加熱コイルに流れる前記交流電流を検出する電流センサを備え、前記制御装置は、前記加熱コイルに流れる前記交流電流と前記加熱コイルに作用するローレンツ力との相関関係を示す相関関係データを予め記憶しており、前記電流センサにて検出された前記交流電流に対応する前記ローレンツ力を前記相関関係データから求め、当該求めたローレンツ力の反力が前記加熱コイルに付加されるよう前記アクチュエータを制御する、という手段を採用する。
また、本発明では、誘導加熱装置に係る第4の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御装置は、前記加熱コイルに流すべき前記交流電流の目標値と前記加熱コイルに作用するローレンツ力との相関関係を示す相関関係データを予め記憶しており、前記交流電流の目標値に対応する前記ローレンツ力を前記相関関係データから求め、当該求めたローレンツ力の反力が前記加熱コイルに付加されるよう前記アクチュエータを制御する、という手段を採用する。
また、本発明では、誘導加熱装置に係る第5の解決手段として、上記第1の解決手段において、一方の被加熱物の温度を検出する第1の温度センサと、他方の被加熱物の温度を検出する第2の温度センサとを備え、前記制御装置は、前記第1の温度センサにて検出された温度と前記第2の温度センサにて検出された温度とが一致するように前記アクチュエータを制御する、という手段を採用する。
本発明によれば、加熱コイルに作用するローレンツ力によって前記加熱コイルがその中心軸線方向に移動することを妨げるようにアクチュエータを制御するので、一対の被加熱物のそれぞれと加熱コイルとの距離を安定化させて、両方の被加熱物を均等の温度に加熱することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置Aの概略構成図である。この図に示すように、誘導加熱装置Aは、互いに被加熱面w1を向き合わせた状態で一定の間隔L1をもって対向配置された一対の被加熱物Wを同時に誘導加熱するものであり、加熱コイル1と、一対の平行平板ブスバー2と、交流電源3と、位置センサ4と、アクチュエータ5と、制御装置6とを備えている。
〔第1実施形態〕
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る誘導加熱装置Aの概略構成図である。この図に示すように、誘導加熱装置Aは、互いに被加熱面w1を向き合わせた状態で一定の間隔L1をもって対向配置された一対の被加熱物Wを同時に誘導加熱するものであり、加熱コイル1と、一対の平行平板ブスバー2と、交流電源3と、位置センサ4と、アクチュエータ5と、制御装置6とを備えている。
加熱コイル1は、上記のように対向配置された一対の被加熱物Wの間に中心軸線AXが被加熱面w1の夫々と直交する姿勢で配置されるコイルであり、一端が平行平板ブスバー2の一方と接続され、他端が平行平板ブスバー2の他方と接続されている。平行平板ブスバー2は、平行対峙した状態で交流電源3に接続された一対の平板状導電部材であり、交流電源3から出力される交流電流を加熱コイル1に流すための電力伝送線として機能する。
交流電源3は、不図示の商用電源系統から供給される交流電力を利用して、被加熱物Wの誘導加熱に適した周波数(系統周波数よりも高周波)の交流電流を生成し、その生成した高周波の交流電流を平行平板ブスバー2を介して加熱コイル1に供給する。位置センサ4は、加熱コイル1の中心軸線AX方向の位置を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置6に出力する。この位置センサ4としては、ラインセンサ等の光学センサや磁気センサ、超音波センサなどを利用することができる。
アクチュエータ5は、制御装置6による制御の下、加熱コイル1に対して中心軸線AX方向に外力を付加する(正負のどちらの方向にも外力を付加可能)。このアクチュエータ5としては、制御装置6による電気的な制御が可能であれば、油圧アクチュエータ、電動アクチュエータを問わず、どのような種類のアクチュエータも利用できる。
制御装置6は、位置センサ4の出力信号から加熱コイル1の中心軸線AX方向の位置(以下、検出位置と称す)を認識し、その検出位置が予め設定された目標位置と一致するようにアクチュエータ5を制御する。ここで、制御装置6が認識する加熱コイル1の検出位置とは、加熱コイル1の中心軸線AX方向の中心位置(加熱コイル1の長さL2の中心位置)であり、目標位置とは、一対の被加熱物Wの間隔L1の中心位置である。
図1(b)は、制御装置6の機能ブロック図である。この図に示すように、制御装置6は、位置センサ4の出力信号から認識した加熱コイル1の検出位置と、予め設定された目標位置との位置偏差を算出する位置偏差算出部6aと、この位置偏差算出部6aにて算出された位置偏差が零となる操作量をPID演算し、その演算結果に応じた制御信号をアクチュエータ5に出力する制御信号生成部6bとを備えている。
以下、上記のように構成された誘導加熱装置Aの動作について説明する。
この誘導加熱装置Aでは、交流電源3によって被加熱物Wの誘導加熱に適した高周波の交流電流が生成され、この交流電流が平行平板ブスバー2を介して加熱コイル1に供給される。加熱コイル1では、上記の交流電流の通電によって周囲に高周波磁界が発生し、当該高周波磁界が加熱コイル1を挟んで配置された一対の被加熱物Wに作用して当該被加熱物Wの内部(被加熱面w1から一定の深さまで)に誘導電流(渦電流)を誘起させる。この結果、一対の被加熱物Wは、上記誘導電流に起因するジュール熱によって同時に加熱される。
この誘導加熱装置Aでは、交流電源3によって被加熱物Wの誘導加熱に適した高周波の交流電流が生成され、この交流電流が平行平板ブスバー2を介して加熱コイル1に供給される。加熱コイル1では、上記の交流電流の通電によって周囲に高周波磁界が発生し、当該高周波磁界が加熱コイル1を挟んで配置された一対の被加熱物Wに作用して当該被加熱物Wの内部(被加熱面w1から一定の深さまで)に誘導電流(渦電流)を誘起させる。この結果、一対の被加熱物Wは、上記誘導電流に起因するジュール熱によって同時に加熱される。
ここで、一対の被加熱物W内に発生する誘導電流の大きさは、加熱コイル1と被加熱物Wとの距離に依存するので、両方の被加熱物Wを均等の温度に加熱するためには、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離を等距離に保持する必要がある。言い換えれば、一対の被加熱物Wの間隔L1の中心位置(目標位置)と加熱コイル1の中心位置(検出位置)とを一致させる必要がある。
既に述べたように、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することにより、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離が変動するが、誘導加熱装置Aの制御装置6は、位置センサ4の出力信号から認識した加熱コイル1の検出位置と予め設定された目標位置とが一致するように(言い換えれば、加熱コイル1の検出位置と目標位置との位置偏差が零となるように)アクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離は常に等距離に保持されることになる。
以上のように、第1実施形態の誘導加熱装置Aによれば、加熱コイル1に作用するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することを妨げるようにアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離を安定化させて、両方の被加熱物Wを均等の温度に加熱することが可能となる。
〔第2実施形態〕
図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る誘導加熱装置Bの概略構成図である。この図に示すように、第2実施形態に係る誘導加熱装置Bは、第1実施形態に係る誘導加熱装置Aと比較して、位置センサ4の代わりに電流センサ7を備えると共に、制御装置6とは異なる機能を有する制御装置8を備える点で異なっている。
図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る誘導加熱装置Bの概略構成図である。この図に示すように、第2実施形態に係る誘導加熱装置Bは、第1実施形態に係る誘導加熱装置Aと比較して、位置センサ4の代わりに電流センサ7を備えると共に、制御装置6とは異なる機能を有する制御装置8を備える点で異なっている。
電流センサ7は、加熱コイル1に流れる交流電流を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置8に出力する。制御装置8は、加熱コイル1に流れる交流電流の検出値(以下、電流検出値と称す)と加熱コイル1に作用するローレンツ力との相関関係を示すローレンツ力−電流検出値マップ(相関関係データ)を予め記憶しており、電流センサ7の出力信号から認識した加熱コイル1の電流検出値に対応するローレンツ力を上記ローレンツ力−電流検出値マップから求め、当該求めたローレンツ力の反力が加熱コイル1に付加されるようアクチュエータ5を制御する。
図2(b)は、制御装置8の機能ブロック図である。この図に示すように、制御装置8は、ローレンツ力−電流検出値マップを予め記憶しており、加熱コイル1の電流検出値に対応するローレンツ力をローレンツ力−電流検出値マップから求めるマップ演算部8aと、このマップ演算部8aにて求められたローレンツ力の反力を加熱コイル1に付加させるための制御信号をアクチュエータ5に出力する制御信号生成部8bとを備えている。
以下、上記のように構成された誘導加熱装置Bの動作について説明する。
被加熱物Wの加熱動作については第1実施形態の誘導加熱装置Aと同様である。一方、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することにより、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離が変動するが、誘導加熱装置Bの制御装置8は、加熱コイル1の電流検出値に対応するローレンツ力をローレンツ力−電流検出値マップから求め、当該求めたローレンツ力の反力が加熱コイル1に付加されるようアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離は常に等距離に保持されることになる。
被加熱物Wの加熱動作については第1実施形態の誘導加熱装置Aと同様である。一方、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することにより、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離が変動するが、誘導加熱装置Bの制御装置8は、加熱コイル1の電流検出値に対応するローレンツ力をローレンツ力−電流検出値マップから求め、当該求めたローレンツ力の反力が加熱コイル1に付加されるようアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離は常に等距離に保持されることになる。
以上のように、第2実施形態の誘導加熱装置Bにおいても、加熱コイル1に作用するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することを妨げるようにアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離を安定化させて、両方の被加熱物Wを均等の温度に加熱することが可能となる。
〔第3実施形態〕
図3(a)は、本発明の第3実施形態に係る誘導加熱装置Cの概略構成図である。この図に示すように、第3実施形態に係る誘導加熱装置Cは、第2実施形態に係る誘導加熱装置Bと比較して、電流センサ7が削除されると共に、制御装置8とは異なる機能を有する制御装置9を備える点で異なっている。
図3(a)は、本発明の第3実施形態に係る誘導加熱装置Cの概略構成図である。この図に示すように、第3実施形態に係る誘導加熱装置Cは、第2実施形態に係る誘導加熱装置Bと比較して、電流センサ7が削除されると共に、制御装置8とは異なる機能を有する制御装置9を備える点で異なっている。
制御装置9は、加熱コイル1に流すべき交流電流の目標値(以下、電流目標値と称す)と加熱コイル1に作用するローレンツ力との相関関係を示すローレンツ力−電流目標値マップ(相関関係データ)を予め記憶しており、電流センサ7の出力信号から認識した加熱コイル1の電流目標値に対応するローレンツ力を上記ローレンツ力−電流目標値マップから求め、当該求めたローレンツ力の反力が加熱コイル1に付加されるようアクチュエータ5を制御する。なお、電流目標値は、制御装置9が交流電源3に対して指示する場合には制御装置9が設定する値であり、交流電源3が設定する場合には交流電源3から制御装置9が取得した値である。
図3(b)は、制御装置9の機能ブロック図である。この図に示すように、制御装置9は、ローレンツ力−電流目標値マップを予め記憶しており、加熱コイル1の電流目標値に対応するローレンツ力をローレンツ力−電流目標値マップから求めるマップ演算部9aと、このマップ演算部9aにて求められたローレンツ力の反力を加熱コイル1に付加させるための制御信号をアクチュエータ5に出力する制御信号生成部9bとを備えている。
以下、上記のように構成された誘導加熱装置Cの動作について説明する。
被加熱物Wの加熱動作については第1実施形態の誘導加熱装置Aと同様である。一方、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することにより、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離が変動するが、誘導加熱装置Cの制御装置9は、加熱コイル1の電流目標値に対応するローレンツ力をローレンツ力−電流目標値マップから求め、当該求めたローレンツ力の反力が加熱コイル1に付加されるようアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離は常に等距離に保持されることになる。
被加熱物Wの加熱動作については第1実施形態の誘導加熱装置Aと同様である。一方、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することにより、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離が変動するが、誘導加熱装置Cの制御装置9は、加熱コイル1の電流目標値に対応するローレンツ力をローレンツ力−電流目標値マップから求め、当該求めたローレンツ力の反力が加熱コイル1に付加されるようアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離は常に等距離に保持されることになる。
以上のように、第3実施形態の誘導加熱装置Cにおいても、加熱コイル1に作用するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することを妨げるようにアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離を安定化させて、両方の被加熱物Wを均等の温度に加熱することが可能となる。
〔第4実施形態〕
図4(a)は、本発明の第4実施形態に係る誘導加熱装置Dの概略構成図である。この図に示すように、第4実施形態に係る誘導加熱装置Dは、第1実施形態に係る誘導加熱装置Aと比較して、位置センサ4の代わりに二つの第1の温度センサ10及び第2の温度センサ11を備えると共に、制御装置6とは異なる機能を有する制御装置12を備える点で異なっている。
図4(a)は、本発明の第4実施形態に係る誘導加熱装置Dの概略構成図である。この図に示すように、第4実施形態に係る誘導加熱装置Dは、第1実施形態に係る誘導加熱装置Aと比較して、位置センサ4の代わりに二つの第1の温度センサ10及び第2の温度センサ11を備えると共に、制御装置6とは異なる機能を有する制御装置12を備える点で異なっている。
第1の温度センサ10は、一対の被加熱物Wの内、一方の被加熱物Wの温度(好ましくは被加熱面w1の温度)を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置12に出力する。第2の温度センサ11は、一対の被加熱物Wの内、他方の被加熱物Wの温度(好ましくは被加熱面w1の温度)を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置12に出力する。制御装置12は、第1の温度センサ10及び第2の温度センサ11の出力信号から両方の被加熱物Wの温度を認識し、両方の被加熱物Wの温度が一致するようにアクチュエータ5を制御する。
図4(b)は、制御装置12の機能ブロック図である。この図に示すように、制御装置12は、第1の温度センサ10の出力信号から認識した一方の被加熱物Wの温度T1と、第2の温度センサ11の出力信号から認識した他方の被加熱物Wの温度T2との温度偏差を算出する温度偏差算出部12aと、この温度偏差算出部12aにて算出された温度偏差が零となる操作量をPID演算し、その演算結果に応じた制御信号をアクチュエータ5に出力する制御信号生成部12bとを備えている。
以下、上記のように構成された誘導加熱装置Dの動作について説明する。
被加熱物Wの加熱動作については第1実施形態の誘導加熱装置Aと同様である。一方、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することにより、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離が変動するが、誘導加熱装置Dの制御装置12は、一方の被加熱物Wの温度T1と他方の被加熱物Wの温度T2とが一致するよう(言い換えれば、T1とT2との温度偏差が零となるよう)アクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離は常に等距離に保持されることになる。
被加熱物Wの加熱動作については第1実施形態の誘導加熱装置Aと同様である。一方、漏れ磁束に起因して発生するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することにより、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離が変動するが、誘導加熱装置Dの制御装置12は、一方の被加熱物Wの温度T1と他方の被加熱物Wの温度T2とが一致するよう(言い換えれば、T1とT2との温度偏差が零となるよう)アクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離は常に等距離に保持されることになる。
以上のように、第4実施形態の誘導加熱装置Dにおいても、加熱コイル1に作用するローレンツ力によって加熱コイル1がその中心軸線AX方向に移動することを妨げるようにアクチュエータ5を制御するので、一対の被加熱物Wのそれぞれと加熱コイル1との距離を安定化させて、両方の被加熱物Wを均等の温度に加熱することが可能となる。
以上、本発明の第1〜第4実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において実施形態の細部を種々変更可能であることは勿論である。
A、B、C、D…誘導加熱装置、1…加熱コイル、2…平行平板ブスバー、3…交流電源、4…位置センサ、5…アクチュエータ、6、8、9、12…制御装置、7…電流センサ、10…第1の温度センサ、11…第2の温度センサ、W…被加熱物
Claims (5)
- 互いに被加熱面を向き合わせた状態で一定の間隔をもって対向配置された一対の被加熱物の間に中心軸線が前記被加熱面の夫々と直交する姿勢で配置される加熱コイルと、前記加熱コイルに交流電流を供給する交流電源とを備えた誘導加熱装置において、
前記加熱コイルに対して中心軸線方向に外力を付加するアクチュエータと、
前記加熱コイルに作用するローレンツ力によって前記加熱コイルが前記中心軸線方向に移動することを妨げるように前記アクチュエータを制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする誘導加熱装置。 - 前記加熱コイルの中心軸線方向の位置を検出する位置センサを備え、
前記制御装置は、前記位置センサにて検出された前記加熱コイルの中心軸線方向の位置が予め設定された目標位置と一致するように前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。 - 前記加熱コイルに流れる前記交流電流を検出する電流センサを備え、
前記制御装置は、前記加熱コイルに流れる前記交流電流と前記加熱コイルに作用するローレンツ力との相関関係を示す相関関係データを予め記憶しており、前記電流センサにて検出された前記交流電流に対応する前記ローレンツ力を前記相関関係データから求め、当該求めたローレンツ力の反力が前記加熱コイルに付加されるよう前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。 - 前記制御装置は、前記加熱コイルに流すべき前記交流電流の目標値と前記加熱コイルに作用するローレンツ力との相関関係を示す相関関係データを予め記憶しており、前記交流電流の目標値に対応する前記ローレンツ力を前記相関関係データから求め、当該求めたローレンツ力の反力が前記加熱コイルに付加されるよう前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
- 一方の前記被加熱物の温度を検出する第1の温度センサと、
他方の前記被加熱物の温度を検出する第2の温度センサと、を備え、
前記制御装置は、前記第1の温度センサにて検出された温度と前記第2の温度センサにて検出された温度とが一致するように前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
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Cited By (2)
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JP2016074019A (ja) * | 2014-10-08 | 2016-05-12 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間三次元曲げ加工装置 |
JP2016074021A (ja) * | 2014-10-08 | 2016-05-12 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間三次元曲げ加工装置 |
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