JP2013222245A - 画像鮮鋭度評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の医療向けX線撮像分野での画像鮮鋭性評価方法は金属エッジや解像力チャート等、評価の為の撮像対象を準備した上で、可能な評価方法であり、一般的な地表面を撮影した航空写真や光学衛星画像の評価には利用できない。
【解決手段】評価対象原画像データを、ダウンサンプリング手段により複数のサンプリング係数で夫々ダウンサンプリングし生成した複数のダウンサンプリング画像データを、アップサンプリング手段でアップサンプリングして原画像データと同サイズの複数の画像データに生成し、同一の生成画像データ各々を所定ピクセル分ずらして2枚重ね合せ、鮮鋭性指標値算定手段で重り合った全ピクセルの濃度値差の分散を計算し、サンプリング係数を乗じ鮮鋭性指標値を算定し、鮮鋭度出力手段で最大鮮鋭性指標値の画像データのサンプリング係数を原画像データの鮮鋭度とし出力する。
【選択図】図1

Description

この発明は、光学センサーにより取得された画像を対象に、その画像に取得された被写体がどれくらい鮮明に写っているかという、鮮鋭度の定量的評価結果を得ることを目的とする画像処理装置に関するものである。
画像の鮮鋭度評価については、例えば、「電脳入門書 第3章 画像評価」(www.fujita-hu.ac.jp/~sfujii/satuei/satuei03.html)等、医療向けX線撮像の分野において、画像の鮮鋭性を評価する方法が提案されている。
著作者不明、"電脳入門書 画像工学・エックス線撮影技術学 第03章 画像評価"、[online]、2012/03/21、[2012/03/23検索]、インターネット、<URL: http://www.mb.ccnw.ne.jp/sfujii/satuei/satuei.html>
しかしながら、これらの方法は金属エッジや解像力チャートなど、評価のための撮像対象を準備した上において可能な評価方法であり、例えば、航空機や人工衛星に搭載された光学センサーにより取得された一般的な地表面を撮影した航空写真や光学衛星画像の評価には利用できないという課題があった。
この発明は、前述の問題を解決するためになされたもので、鮮鋭度評価のための特殊な被写体を用いず、撮影された1枚1枚について、画像の鮮鋭度を定量的に評価することを可能とする画像鮮鋭度評価装置を得ることを目的としている。
この発明の画像鮮鋭度評価装置は、鮮鋭度の評価対象の画像データ(原画像データ)を記憶する画像記憶手段、原画像データから、複数の異なるサンプリング係数でそれぞれダウンサンプリングした複数の画像データを生成するダウンサンプリング手段、ダウンサンプリングによって得られた複数の画像データから、アップサンプリングにより原画像データと同じサイズの複数の画像データをそれぞれ生成するアップサンプリング手段、アップサンプリングによって得られた同一の画像データ(アップサンプリング画像データ)を所定のピクセル分ずらして2枚重ね合せ、重なり合ったすべてのピクセルについて濃度値差の分散を計算し、サンプリング係数を乗じた鮮鋭性指標値をそれぞれ複数の画像データについて算定する鮮鋭性指標値算定手段、得られた鮮鋭性指標値を比較し、最も大きい鮮鋭性指標値が得られたアップサンプリング画像データに対応するサンプリング係数を原画像データの鮮鋭度として出力する鮮鋭度出力手段を備える。
この発明による画像鮮鋭性評価装置によれば、画像記憶手段からの評価対象の原画像データを、ダウンサンプリング手段により複数のサンプリング係数でそれぞれダウンサンプリングし、生成した複数のダウンサンプリング画像データから、アップサンプリング手段でアップサンプリングして原画像データと同サイズの複数の画像データ(アップサンプリング画像データ)を生成し、生成した同一のアップサンプリング画像データを所定のピクセル分ずらして2枚重ね合せ、鮮鋭性指標値算定手段で重なり合ったすべてのピクセルの濃度値差の分散を計算し、サンプリング係数を乗じた鮮鋭性指標値を算定し、鮮鋭度出力手段で最も大きい鮮鋭性指標値に対応するアップサンプリング画像データのサンプリング係数を原画像データの鮮鋭度とし出力することにより、画像の鮮鋭度評価のための特別な被写体を用いなくても、評価対象の画像データの鮮鋭度を評価することができるという効果がある。
この発明の実施の形態1による画像鮮鋭度評価装置の構成を示す図である。 240×240ピクセルサイズの鮮鋭度の評価対象原画像データを示す図である。 原画像データのa=0.95倍、b=0.85倍、c=0.75倍、d=0.65倍、e=0.55倍、f=0.45倍のダウンサンプリング画像データを示す図である。 ダウンサンプリング画像データをアップスケーリングにより原画像データと同じピクセルサイズに生成されたアップサンプリング画像データを示す図である。 同一のアップサンプリング画像データ2枚を、縦・横1ピクセルずつずらした位置で重ねる様子を示す説明図である。 各アップサンプリング画像データの鮮鋭性指標値例を示す図である。
実施の形態1.
以下、図を参照にこの発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態は、画像データの鮮鋭度を評価する画像鮮鋭度評価装置として、計算機上のソフトウェアとして実装される。
図1は、この発明の実施の形態1による画像鮮鋭度評価装置の構成を示す図である。この装置は、プログラムを実行する計算機10と、航空機や人工衛星から撮影された画像を記録したハードディスク20と、鮮鋭度評価結果を表示するディスプレイ30で構成される。
ハードディスク20は、航空機や人工衛星から撮影された画像データを記録するものであり、画像記憶手段に相当する。1は、ハードディスク20から取り出した原画像データから、所定かつ複数のサンプリング係数でダウンサンプリングした複数の画像データを生成するダウンサンプリングプログラムであり、ダウンサンプリング手段に相当する。2は、ダウンサンプリングによって得られたそれぞれ複数の画像データを、アップサンプリングにより原画像データと同じサイズの複数の画像データ(アップサンプリング画像データ)を生成するアップサンプリングプログラムであり、アップサンプリング手段に相当する。
3は、アップサンプリングによって得られた同一のアップサンプリング画像データを所定のピクセル分ずらして2枚重ね合せ、重なり合ったすべてのピクセルについて濃度値差の分散を計算し、サンプリング係数を乗じた鮮鋭性指標値を各アップサンプリング画像データについて算定する鮮鋭性指標値算定プログラムであり、鮮鋭性指標値算定手段に相当する。4は、得られた鮮鋭性指標値を比較し、最も大きい鮮鋭性指標値が得られたアップサンプリング画像データに対応するサンプリング係数を原画像データの鮮鋭度としてディスプレイ30に表示する鮮鋭度出力プログラムであり、鮮鋭度出力手段に相当する。
以下、この発明の実施の形態1の動作について述べる。
始めに、動作説明に用いる入力データの例について述べる。図2は、ハートディスク20に記録された240×240ピクセルサイズの鮮鋭度が評価される画像データ(原画像データ)の例である。
以下、動作について述べる。はじめに、ダウンサンプリングプログラム1は、ハードディスク20から評価対象となる原画像データを読み出し、ダウンサンプリング(入力画像よりピクセル数の小さい画像を生成すること)により、例えば原画像データの0.95倍、0.85倍、0.75倍、0.65倍、0.55倍、0.45倍のダウンサンプリング画像データを生成する。この結果の例を図3に示す。図3において、aは0.95倍、bは0.85倍、cは0.75倍、dは0.65倍、eは0.55倍、fは0.45倍に生成されたダウンサンプリング画像データであり、0.95〜0.45の値をサンプリング係数と呼ぶ。原画像データのピクセルサイズが240×240であったとき、それぞれ、0.95倍したものは228×228、0.85倍したものは204×204、0.75倍したものは180×180、0.65倍したものは156×156、0.55倍したものは132×132、0.45倍したものは108×108のピクセルサイズのダウンサンプリング画像データとなる。
次に、アップサンプリングプログラム2は、各ダウンサンプリング画像データを今度はアップスケーリング(入力画像よりピクセル数の大きい画像を生成すること)により、原画像データとピクセルサイズが同じとなるアップサンプリング画像データを生成する。この例を図4に示す。例えば、0.95倍したダウンサンプリング画像データは1/0.95倍、0.85倍したダウンサンプリング画像データは1/0.85倍、0.75倍したダウンサンプリング画像データは1/0.75倍、0.65倍したダウンサンプリング画像データは1/0.65倍、0.55倍したダウンサンプリング画像データは1/0.55倍、0.45倍したダウンサンプリング画像データは1/0.45倍されて、原画像データと同じピクセルサイズのアップサンプリング画像データが生成される。
次に、鮮鋭性指標値算定プログラム3は、各アップサンプリング画像データa〜fについて、縦・横1ピクセルずつずらした位置で同一のアップサンプリング画像データ2枚を重ね、重なり合った部分のすべてのピクセルについて濃度値差の分散を計算し、さらにその値にサンプリング係数を乗ずる。例えば、アップサンプリング画像データaに、同じアップサンプリング画像データaを縦・横1ピクセルずつずらした位置で重ね、重なり合った部分のすべてのピクセル、即ち、縦・横1ピクセルずれたすべての画像データの濃度値差の分散を計算し、その値にサンプリング係数を乗ずる。この様子を図5に示す。ここで得られた値を鮮鋭性指標値と呼ぶ。
最後に、鮮鋭度出力プログラム4は、各アップサンプリング画像データa〜fについて得られた鮮鋭性指標値を比較し、最も大きい鮮鋭性指標値のアップサンプリング画像データを選択し、そのアップサンプリング画像データが生成された際のサンプリング係数を原画像データの鮮鋭度としてディスプレイ30に出力する。例えば、得られた鮮鋭性指標値が図6に示す値であった場合、アップサンプリング画像データeが選択され、原画像データの鮮鋭度は0.55であると評される。この結果、原画像データはサンプリング係数0.55のアップサンプリング画像データeと同等の鮮鋭度しか持っていないことを意味する。
なお、上記実施の形態において、サンプリング係数を0.95、0.85、0.75、0.65、0.55、0.45とし、それぞれの逆数が整数とならないように設定したが、これは必要な措置である。なぜなら、例えば、0.5、0.25、0.10のように逆数が整数となるよう設定したサンプリング係数を用いてダウンサンプリングし、ダウンサンプリング画像データをアップサンプリングしたアップサンプリング画像データを用いた場合、期待する鮮鋭性指標値が得られない(原画像データの鮮鋭性に対応するサンプリング係数を持つアップサンプリング画像データにおいて、鮮鋭性指標値が最大値とならない)ことが、実験により確認されているからである。従って、サンプリング係数の設定においては、逆数が整数とならない値を設定することが必要である。
また、上記実施の形態においては、同一のアップサンプリング画像データを縦・横1ピクセルずつずらした位置で重ねる例について述べたが、位置をずらせるピクセルの値は、1ピクセルずつでなく、縦・横2ピクセルずつでもよく、評価対象の画像データの状態によっては位置をずらせるピクセル値はもっと大きくしてもよい。さらに縦・横共にずらすのではなく、縦のみ、あるいは横のみずらすものであってもよい。
この発明は、航空機や人工衛星に搭載された光学センサーにより取得された地表面の画像を対象として、被写体である地表面がどれくらい鮮明に写っているかという、鮮鋭度の定量的評価結果を得る画像処理装置に利用される可能性がある。
1;ダウンサンプリングプログラム、2;アップサンプリングプログラム、3;鮮鋭性指標値算定プログラム、4;鮮鋭度出力プログラム、10;計算機、20;ハードディスク、30;ディスプレイ。

Claims (2)

  1. 画像の鮮鋭度が評価される原画像データを記憶する画像記憶手段と、
    原画像データから、複数のサンプリング係数でそれぞれダウンサンプリングした複数の画像データを生成するダウンサンプリング手段と、
    ダウンサンプリングによって得られた複数の画像データから、アップサンプリングにより原画像データと同じサイズの複数の画像データを生成するアップサンプリング手段と、
    アップサンプリングによって得られた複数の画像データの同一の画像データを所定のピクセル分ずらして2枚重ね合せ、重なり合ったすべてのピクセルについて濃度値差の分散を計算し、サンプリング係数を乗じた鮮鋭性指標値を複数の画像データそれぞれについて算定する鮮鋭性指標値算定手段と、
    得られた複数の画像データの鮮鋭性指標値を比較し、最も大きい鮮鋭性指標値が得られた画像データのサンプリング係数を原画像データの鮮鋭度として出力する鮮鋭度出力手段とを備える画像鮮鋭度評価装置。
  2. 前記ダウンサンプリング手段における各サンプリング係数は、各々その逆数が整数とならないよう設定されることを特徴とする請求項1記載の画像鮮鋭度評価装置。
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