JP2013220380A - 粉砕仕事指数の推算式の生成システムおよびその生成方法、ならびに粉砕動力の推算システムおよびその推算方法 - Google Patents

粉砕仕事指数の推算式の生成システムおよびその生成方法、ならびに粉砕動力の推算システムおよびその推算方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 炭種にかかわらず精度良く粉砕仕事指数を推定し得る粉砕仕事指数の推算式の生成方法を提供する。
【解決手段】 石炭中の付着水分含水比Maを表すMaデータと、粉砕性指数HGIを表すHGIデータと、前記石炭を粉砕するローラミル2の動力W〔W〕、ローラミル2で粉砕して実測した石炭粉砕量Q〔kg/h〕およびローラミル2から火炉3に向けて搬送される微粉炭の平均粒径dpとのデータに基づき、Bondの法則から算出した粉砕仕事指数Cを表す粉砕仕事指数データとに基づき、
C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
で表される式(1)の係数a,b,c,dを決定して前記式(1)で表される粉砕仕事指数Cの推算式を生成する推算式生成演算部10を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は粉砕仕事指数の推算式の生成システムおよびその生成方法、ならびに粉砕動力の推算システムおよびその推算方法に関し、特にローラミルを用いて亜瀝青炭を粉砕した微粉炭や亜瀝青炭と瀝青炭とを含む混炭を粉砕して微粉炭を得る場合に適用して有用なものである。
近年、瀝青炭の需要が逼迫しているため、微粉炭火力の燃料供給を確保し、かつ燃料費の上昇を抑制することが重要である。そこで、水分含有率は高いが、瀝青炭に次いで埋蔵量が多く、廉価な亜瀝青炭の利用拡大を図っている。
ところで、微粉炭火力において、新たに石炭を導入する場合には、ローラミルの動力や微粉炭粒径等の粉砕性は、粉砕性指数HGIで評価している。ここで、粉砕性指数HGI(Hardgrove Grindability Index)とは、粉砕性を評価する指数であり、試料(石炭)を乾燥させてから分析する分析法で、JIS M 8801に規定されている(以下同じ)。
一方、石炭を粉砕して微粉炭を製造するローラミルにおける粉砕性は、ボンド(Bond)の法則から算出される粉砕仕事指数を用いる評価法が汎用されている。ここで、ボンドの法則から算出される粉砕仕事指数とは、ローラミルで一般に使用されている、次式で定義されるボンドが提案した評価指数である。
粉砕仕事指数=ローラミルの動力原単位×(微粉炭の平均粒径)1/2
図1は、亜瀝青炭および瀝青炭のそれぞれにおいて、付着水分の有無で分けてHGIと粉砕仕事指数との関係を調べた場合の特性図である。同図に示すように、亜瀝青炭では、含水比(=水分重量〔kg〕/107℃で乾燥した石炭の重量〔kg〕(JIS A1203);以下同じ)が低い場合、HGIは瀝青炭と同様に、粉砕仕事指数とほぼ直線の関係で示され、ローラミルの粉砕性を評価することができる。これに対し、含水比が高くなると、同じHGIの石炭に較べて粉砕指数が大きくなり、粉砕性の評価にHGIを使用することは適切でない。
ちなみに、含水比が高い亜瀝青炭を、従来と同様にHGIを用いて評価した場合、ローラミルによる所定の粉砕を行うことができない場合が生起されている。
なお、HGIをパラメータとして石炭に負荷する粉砕力を調整する点を開示した公知文献として、例えば特許文献1が存在する。
特開2002−194408号公報
本発明は、上記従来技術に鑑み、含水比が高い亜瀝青炭を粉砕する場合や、含水比が高い亜瀝青炭と瀝青炭とを混炭して粉砕する場合であっても精度良く粉砕仕事指数を推算し得る粉砕仕事指数の推算式の生成システムおよびその生成方法、ならびに粉砕動力の推算システムおよびその推算方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、次の知見を基礎とするものである。すなわち亜瀝青炭は、石炭中に含まれる水分に加えて石炭表面にも多くの付着水分が存在している。付着水分は、到着基準の石炭の含水比から、恒湿基準の石炭の含水比を差し引いた値として与えられる(以下、同じ)。
ここで、付着水分含水比に対する粉砕仕事指数の関係を調べたところ図2に示す特性が得られた。同図は、付着水分の含水比が高くなると、亜瀝青炭および瀝青炭に関係なく粉砕仕事指数が直線的に大きくなることを示している。この結果、石炭の付着水分の含水比が高くなるとローラミルにおけるローラとテーブル間の粉砕対象である石炭が水分の存在により滑るため、ローラの回転が遅くなる。このことから付着水分が多いと、効率よく石炭を粉砕することができなくなると考えられる。また、かかる付着水分の存在が、亜瀝青炭の粉砕性を、HGIで評価できない原因の一つであると推定される。
これまでの粉砕性指数HGIを用いて、ローラミルの粉砕仕事指数を評価できなかった点について、付着水分の含水比の観点から検討を行った。すなわち、ローラミルを用いた石炭の粉砕性について、付着水分に着目した検討を行った。この結果、図2に示す特性図において、粉砕仕事指数の増加量は、瀝青炭よりも亜瀝青炭の方が、付着水分の含水比に対する増加割合が大きいことが分る。この増加割合と石炭の粉砕性指数HGIを比較した結果を図3に示す。同図に示すように、この場合、粉砕仕事指数の増加割合はHGIに対して直線的に減少することが分った。
本発明は、図3の特性に基づき、付着水分による粉砕性への影響が、粉砕性指数HGIによって異なる影響を加味した推算式を提案するものである。
かかる知見を基礎とする本願発明の第1の態様は、
石炭中の付着水分含水比Maを表すMaデータと、粉砕性指数HGIを表すHGIデータと、前記石炭を粉砕するローラミルの動力W〔W〕、該ローラミルで粉砕して実測した石炭粉砕量Q〔kg/h〕およびローラミルから火炉に向けて搬送される微粉炭の平均粒径dpのデータによりBondの法則から算出した粉砕仕事指数Cを表す粉砕仕事指数データとに基づき、
C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
で表される式(1)の係数a,b,c,dを決定して前記式(1)で表される粉砕仕事指数Cの推算式を生成する推算式生成演算手段を有することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成システムにある。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成システムにおいて、
前記推算式生成演算手段は、付着水分がない石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数a,dを算出するとともに、付着水分が存在する石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数b,cを算出することにより各係数a,b,c,dを決定するものであることを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成システムにある。
本発明の第3の態様は、
第1の態様に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成システムにおいて、
前記推算式生成演算手段は、少なくとも4種類の付着水分含水比Ma、粉砕性指数HGIおよび粉砕仕事指数Cを、
C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
で表される式(1)に与えることにより係数a,b,c,dを未知数とする方程式を作成するとともに、該方程式を解いて係数a,b,c,dを決定するものであることを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成システムにある。
本発明の第4の態様は、
貯炭場の石炭に基づき付着水分含水比Maと、粉砕性指数HGIとを実測する実測工程と、
前記石炭を粉砕するローラミルの動力W〔W〕、該ローラミルで粉砕して実測した石炭粉砕量Q〔kg/h〕およびローラミルから火炉に向けて搬送される微粉炭の実測した平均粒径dpとに基づき、Bondの法則から算出される粉砕仕事指数Cを演算する粉砕仕事指数演算工程と、
前記付着水分含水比Ma、粉砕性指数HGIおよび粉砕仕事指数Cを、
C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
で表される式(1)に与えることにより係数a,b,c,dを決定して前記式(1)で表される粉砕仕事指数Cの推算式を生成する推算式生成工程とを有することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成方法にある。
本発明の第5の態様は、
第4の態様に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成方法において、
前記推算式生成工程では、付着水分がない石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数a,dを算出するとともに、付着水分が存在する石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数b,cを算出することにより各係数a,b,c,dを決定することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成方法にある。
本発明の第6の態様は、
第4の態様に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成方法において、
前記推算式生成工程では、少なくとも4種類の付着水分含水比Ma、粉砕性指数HGIおよび粉砕仕事指数Cを、
C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
で表される式(1)に与えることにより係数a,b,c,dを未知数とする方程式を作成するとともに、該方程式を解いて係数a,b,c,dを決定することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成方法にある。
本発明の第7の態様は、
ローラミルで粉砕する新規な石炭に関する付着水分含水比Maを表すMaデータと、粉砕性指数HGIを表すHGIデータとを出力する入力データ生成手段と、
過去のデータに基づき第1〜第3の態様のいずれか一つに記載する生成システムにより生成された粉砕仕事指数の推算式に、前記新規な石炭に関する前記MaデータとHGIデータとを代入することにより新規石炭の粉砕仕事指数の推算値Cを算出する粉砕仕事指数推算手段と、
微粉炭の目標とする粉砕量の設定値Qを表すデータと平均の粒径の設定値dpを表すデータとが設定される粉砕条件設定手段と、
前記推算値Cを表すデータ、前記粉砕条件設定手段に設定した前記粉砕量の設定値Qを表すデータおよび前記粒径の設定値dpを表すデータに基づき、W=C×Q/√dpにより粉砕時に要する動力Wの推算値Wを算出する動力推算手段とを有することを特徴とする粉砕動力の推算システムにある。
本発明の第8の態様は、
第7の態様に記載する粉砕動力の推算システムにおいて、
前記入力データ生成部は、複数種類の石炭に関する各MaデータおよびHGIデータとともに、混炭率を表す混炭データを出力する一方、
前記粉砕仕事指数推算手段は、複数種類の石炭の過去のデータに基づき第1〜第3の態様のいずれか一つに記載する推算式の生成システムにより前記複数種類の石炭の前記過去のデータにおける前記複数種類の石炭の混炭率を表す混炭データを加味して各炭種の単独粉砕時の値を前記混炭率に応じて加重平均して生成された粉砕仕事指数の推算式に、前記新規な石炭に関するMaデータとHGIデータとを代入するとともに、前記新規石炭の各炭種の単独粉砕時の値を前記新規石炭の混炭率に応じて加重平均して新規石炭の粉砕仕事指数の推算値Cを演算するものであることを特徴とする粉砕動力の推算システムにある。
本発明の第9の態様は、
第7または第8の態様に記載する粉砕動力の推算システムにおいて、
石炭を粉砕するローラミルの受入限界となる、粉砕仕事指数の上限値CLimitを算出する上限値演算手段と、
前記粉砕仕事指数算出手段が算出した推算値Cを表わすデータと、前記上限値演算手段が算出した上限値CLimitを表すデータとを比較し、C<CLimitの場合のみに前記動力推算手段における推算動力の算出を行わせる判定手段とを有することを特徴とする粉砕動力の推算システムにある。
本発明の第10の態様は、
ローラミルで粉砕する新規な石炭に関する付着水分含水比Maと、粉砕性指数HGIとを実測する実測工程と、
前記新規な石炭に関する付着水分含水比Maと粉砕性指数HGIとに基づき、過去のデータに基づき第4〜第6の態様のいずれか一つに記載する生成方法により生成した粉砕仕事指数の推算式に、前記新規な石炭に関する付着水分含水比Maと粉砕性指数HGIとを代入することにより新規石炭の粉砕仕事指数の推算値Cを演算する粉砕仕事指数推算工程と、
前記ローラミルの受入限界となる粉砕仕事指数の上限値CLimitを、前記ローラミルの動力、該ローラミルで粉砕して実測した石炭粉砕量およびローラミルから火炉に向けて搬送される微粉炭の実測した平均の粒径とに基づき、Bondの法則から算出する上限値演算工程と、
前記実測工程で実測したHGIと、上限値演算工程で算出した上限値CLimitに基づき前記ローラミルの受入限界となる石炭の付着水分含水比MaLimitを逆算する逆算工程と、
前記推算値Cと上限値CLimitとを比較する比較工程と、
比較工程における比較結果がC<CLimitでない場合に、付着水分含水比Maが、粉砕可能となる付着水分含水比MaLimit以下となるように乾燥するとともに、所定の乾燥後に前記実測工程に戻す乾燥工程と、
微粉炭の目標とする粉砕量と平均粒径とを設定する粉砕条件設定工程と、
前記比較工程における比較結果がC<CLimitの場合に、石炭粉砕に問題がないと推測して、前記粉砕条件設定工程で設定した前記粉砕量の設定値Qs、前記平均粒径の設定値dpsおよび前記推定値Cに基づき、W=C×Q/√dpにより前記新規な石炭の粉砕時に要する動力Wを演算する粉砕動力推算工程とを有することを特徴とする粉砕動力の推算方法にある。
本発明によれば、付着水分が石炭の粉砕におよぼす影響は、粉砕性指数HGIが低く、粉砕し難い石炭において大きくなるという知見に基づき、この影響を考慮して粉砕仕事指数Cを推定するようにしたので、高精度に粉砕仕事指数Cを推定することができる。図4は横軸に粉砕仕事指数Cの実測値を採り、縦軸に本願発明による推算法で推算した粉砕仕事指数Cの推算値を採って両者の比較結果を示したものである。同図は、本発明により生成された粉砕仕事指数の推算式を利用すれば、亜瀝青炭に対しても、付着水分含水比に応じた増加分を加味することで、実際の粉砕仕事関数を評価することが可能となることを示している。
また、上述の如く推算した粉砕仕事指数の推算式を利用して新規に導入した石炭のローラミルにおける粉砕動力を高精度に推算し得る。この結果、例えば前記粉砕動力に伴う電力が発電設備内の所内電力の中に占める割合を的確に把握することができる。
さらに、粉砕仕事指数の推算値を粉砕仕事指数の上限値と比較する等の処理を行うことにより、ローラミルで粉砕可能か否かも簡単に判別することができる。
亜瀝青炭と瀝青炭とにおけるHGIと粉砕仕事指数との関係を示す特性図である。 複数の炭種に関する付着水分含水比に対する粉砕仕事指数の関係を示す特性図である。 粉砕仕事指数の増加割合とHGIの関係を示す特性図である。 粉砕仕事指数の実測値と、本願発明による推算法で推算した粉砕仕事指数の推算値との比較結果を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態に係る粉砕仕事指数の推算式の生成システムを示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムを示すブロック図である。 図6に示す粉砕動力の推算システムにおける推算手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムを示すブロック図である。 図8に示す粉砕動力の推算システムにおける推算手順を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムを示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態の基礎となる知見に関連する特性図で、亜瀝青炭混炭時の粉砕仕事指数の特性を示す特性図である。 本発明の第4の実施の形態の基礎となる知見に関連する特性図で、亜瀝青炭混炭時の粉砕仕事指数の推算結果と実験結果の比較結果を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図5は本発明の第1の実施の形態に係る粉砕仕事指数の推算式の生成システムを示すブロック図である。同図に示すように、貯炭場1に貯留されている石炭は、ローラミル2で粉砕され、所定の平均粒径の微粉炭となってボイラの火炉3に搬送・供給される。
本形態においては、粉砕する石炭のデータとして、粉砕前の到着ベースの含水比Ma.rと、恒湿(気乾)ベースの含水比Ma.dと、粉砕性指数HGIが石炭データ実測部4で実測される。ここで、石炭中に含まれる水分は、粒子の表面上に存在している「付着水分」と、粒子内に存在する「細孔内水分」の2種類の形態で存在する。これらの含水比の関係については、次式(2)のように表される。
全水分含水比=細孔内水分含水比+付着水分含水比 ・・・(2)
本発明では、温度20℃、湿度75%で定義される恒湿ベースの石炭について、107℃で1時間乾燥した試料の水分を、細孔内水分の含水比と定義し、粉砕前の石炭原炭の含水比と恒湿ベースの含水比との差を、付着水分の含水比と定義する。
瀝青炭は、細孔内水分の含水比が小さく、付着水分の含水比の方が高いが、亜瀝青炭は、付着水分の含水比だけでなく、細孔内水分の含水比も高い値を示す。そこで、粉砕性を評価する指標であるHGIを測定する際は、付着水分を含まない試料を用いている。
また、粉砕性指数HGIはJIS M 8801 に規定する方法により測定する。
ローラミルデータ部5には、ローラミル2の動力Wを表すデータが格納されるとともに、ローラミル2で粉砕した石炭粉砕量Qの実測値のデータが格納されている。微粉炭データ部6には、ローラミル2で粉砕し、実測した微粉炭の粒径dpの平均値を表すデータが格納されている。
含水比演算部7は石炭データ実測部4で実測した粉砕前の到着ベースの含水比Ma.rと、恒湿(気乾)ベースの含水比Ma.dとに基づき付着水分の含水比Maを次式(3)に基づき演算し、これを表すMaデータD1を生成する。
Ma=Ma.r−Ma.d ・・・・・(3)
HGIデータ生成部8は石炭データ実測部4で実測したHGIに基づきHGIデータD2を生成する。
粉砕仕事指数演算部9では、ローラミルデータ部5に格納された動力Wを表すデータと、石炭粉砕量Qの実測値のデータと、前記ローラミル2で粉砕して実測した微粉炭の粒径dpの平均値を表すデータとに基づきBondの法則を利用して次式(4)により粉砕仕事指数Cを演算する。
C=(W/Q)×√dp ・・・・(4)
この結果、粉砕仕事指数演算部9では粉砕仕事指数Cを表す粉砕仕事指数データD3が生成される。
推算式生成演算部10は、石炭中の付着水分含水比Maを表すMaデータD1と、粉砕性指数HGIを表すHGIデータD2と、粉砕仕事指数Cを表す粉砕仕事指数データD3とに基づき式(1)の未知の係数a,b,c,dを決定する。この結果、HGIとMaとの関数となる粉砕仕事指数Cの推算式が生成される。
ここで、本形態における推算式生成演算部10では、付着水分がない石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数a,dを算出するとともに、付着水分が存在する石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数b,cを算出することにより各係数a,b,c,dを決定する。「付着水分がない石炭」とは、石炭の全水分量と細孔内水分量とがほぼ同じで、表面が濡れていない石炭、「付着水分が存在する石炭」とは、石炭の全水分量と細孔内水分量とが異なり、表面が濡れている石炭をいう。
かかる本形態により生成された粉砕仕事指数Cの推算式に、特定の石炭のHGIとMaとを実測してそれぞれの値を代入することにより、特定の石炭を粉砕する際に要する粉砕仕事指数Cの推算値を算出することができる。
<第2の実施の形態>
図6は本発明の第2の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムを示すブロック図である。本形態は、第1の実施の形態により生成した粉砕仕事指数Cの推算式を用いて新たな石炭の粉砕動力を推算するシステムである。
本形態における粉砕仕事指数推算部20には、例えば発電所において使用していた石炭の過去のデータから抽出したパラメータに基づき第1の実施の形態に係る推算式の生成システムにより生成した粉砕仕事指数Cの推算式が格納されている。かかる推算式は、石炭データ実測部4で実測した石炭の過去のデータに基づくMaデータD1と、HGIデータD2と、粉砕仕事指数Cを表す粉砕仕事指数データD3とに基づき第1の実施の形態に記載する推算式の生成システムで係数a,b,c,dを決定して生成される。ここで、粉砕仕事指数データD3は、ローラミル2の動力Wを表すデータ、実測した石炭粉砕量Qを表すデータおよびローラミル2で粉砕後に実測した微粉炭の平均粒径dpを表すデータに基づき前式(4)に示す演算を行って生成する。
入力データ生成部11では、これからローラミル2で粉砕しようとする新たな石炭の付着水分の含水比を表すMaデータD11と粉砕性指数HGIを表すHGIデータD12とを生成する。すなわち、含水比演算部17が、石炭データ実測部14で実測した粉砕前の到着ベースの含水比Ma.rと、恒湿(気乾)ベースの含水比Ma.dとに基づき付着水分の含水比Maを新たな石炭に関して上式(3)に基づき演算し、これを表すMaデータD11を生成する。また、HGIデータ生成部18が、石炭データ実測部14で実測した新たな石炭の粉砕性指数HGIに基づきHGIデータD12を生成する。
粉砕仕事指数推算部20は入力データ生成部11から送出されるMaデータD11とHGIデータとを、第1の実施の形態に係る推算式の生成システムにより生成した粉砕仕事指数Cの推算式に代入して粉砕しようとする新たな石炭の粉砕仕事指数Cの推算値Cを演算する。
一方、粉砕条件設定部12は粉砕量設定部15および粒径設定部16を有している。粉砕量設定部15には、ローラミル2で粉砕する微粉炭の粉砕量Qを表す粉砕量設定値Qに関するデータが設定してある。また、粒径設定部16には、ローラミル2で粉砕する微粉炭の平均の粒径dpを表す粒径設定値dpに関するデータが設定してある。
動力推算部13は、粉砕仕事指数推算部20から供給される推算値Cを表すデータD13、粉砕条件設定部12に設定した粉砕量設定値Qを表すデータD14および粒径設定値dpを表すデータD15に基づき、W=C×Q/√dpの関係式を用いて新たな石炭を所定量、所定の粒径に粉砕する場合の推算動力Wを算出する。
図7は本形態に係る粉砕動力の推算システムにおける推算手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず実測工程21で、これからローラミル2で粉砕しようとする新たな石炭の付着水分の含水比と粉砕性指数HGIを実測する。次に、粉砕仕事指数推算工程22で、過去の石炭のデータに基づき別途生成した粉砕指数の推算式に、実測した含水比とHGIとのデータを代入することにより粉砕仕事指数Cの推算値Cを算出する。かかる推算値Cと、粉砕条件設定工程23において設定した粉砕量Qの設定値Qおよび平均の粒径dpの設定値dpとに基づき、動力推算工程24で新たな石炭の所定量を所定の粒径の微粉炭に粉砕するのに要するローラミル2の動力を推算する。
かかる本形態によれば、粉砕条件設定部12に設定した粉砕条件で、MaデータD11およびHGIデータD12で特定される新たな石炭を、粉砕条件設定部12に設定した粉砕条件で粉砕する場合の推算動力Wを正確に算出することができる。かかる推算動力Wは、例えば推算動力Wに伴う電力が発電設備内の所内電力の中に占める割合を把握する際に適用して有用な指標となる。
<第3の実施の形態>
図8は本発明の第3の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムを示すブロック図である。本形態は、図6に示す第2の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムに、ローラミル2の粉砕能力を加味して粉砕可能な石炭か否かを判定する機能を追加したものである。そこで、図6に示す第2の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムと同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図8に示すように、本形態に係る粉砕動力の推算システムは、判定部31、上限値演算部32、33を有している。ここで、判定部31は、粉砕仕事指数推算部20が推算した推算値Cと、上限値演算部32に格納されているローラミル2の粉砕仕事指数の上限値CLimitとを比較する。この結果、C<CLimitが成立していることを条件として、粉砕条件設定部12に設定した粉砕条件で新たな石炭を粉砕する場合の推算動力を動力推算部13で推算する。C<CLimitが成立している場合(Yesの場合)には、ローラミル2の粉砕能力の範囲内にあると推測されるからである。ここで、上限値演算部32は、ローラミルの過去の運転実績から粉砕仕事指数の上限値CLimit(=(W/Q)×√dp)を算出してそのデータを格納している。
一方、C<CLimitが成立していない場合(Noの場合)には、ローラミル2の粉砕能力を超えており、さらに石炭を乾燥させる必要があると判断して乾燥ヤード34に回す。
上限値演算部33はHGIデータ生成部18に格納されているHGIデータD12と粉砕仕事指数Cの上限値CLimitを表す上限値データD16に基づき次式(5)により受入限界となる石炭の付着水分の含水比Maの上限値MaLimitを逆算する。
MaLimit=(CLimit−aHGI−d)/(bHGI+c) ・・・(5)
上式(5)により演算した上限値MaLimitが乾燥ヤード34における石炭の含水比Maの指標となる。そこで、Ma<MaLimitとなるまで乾燥させた後、入力データ生成部11で粉砕対象である新たな石炭の実測データを再度収集する。
図9は本形態に係る粉砕動力の推算システムにおける推算手順を示すフローチャートである。同図に示すように、図9では図7に示すフローチャートに、推算値Cと上限値CLimitとを比較する比較工程を追加したことに伴ういくつかの工程が追加されている。そこで、図9中、図7と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図9に示すように、上限値演算工程35で演算される上限値CLimitと推算値Cとを比較工程36で比較し、C<CLimitが成立している場合(Yesの場合)に、ローラミル2による石炭粉砕時に問題はないと推測工程37で推測して動力推算工程24で新たな石炭の所定量を所定の粒径の微粉炭に粉砕するのに要するローラミル2の動力を推算する。
一方、C<CLimitが成立していない場合(Noの場合)には石炭の含水比Maがさらに小さくなるように乾燥させる必要があるので、乾燥工程39に回す。乾燥工程39は含水比Maがその上限値MaLimit以下となるまで、乾燥させる。その後、再度実測工程21に回す。ここで、上限値MaLimitは、HGIデータD12と上限値データD16とに基づき上限値演算工程38で前記式(5)に基づき逆演算され、その結果として与えられる。
本形態によれば、ローラミル2の粉砕能力を考慮し、粉砕能力の範囲に収まっている石炭のみを粉砕条件設定部12に設定した粉砕条件で、粉砕する場合の推算動力Wを正確に算出することができる。一方、粉砕能力を超えている場合は、含水比Maが上限値MaLimit以下となるまで乾燥させることで、粉砕能力の範囲内に収まるように処理することができる。
<第4の実施の形態>
図10は本発明の第4の実施の形態に係る粉砕動力の推算システムを示すブロック図である。本形態は、例えば瀝青炭と亜瀝青炭との混炭のように異なる炭種の石炭を複数種類混ぜて粉砕する場合であるが基本的なシステム構成は、図6に示す第2の実施の形態と同様である。そこで、図6と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
亜瀝青炭は、含水比が高く、難粉砕性であるため、実発電所で利用する際は、瀝青炭との混炭運用が好ましい。本形態は、瀝青炭に亜瀝青炭を混炭した際に適用するものである。
そこで、本形態では、先ず粉砕仕事指数の推算式を生成する際に異種石炭の混炭率を考慮した。具体的には、異なる炭種の石炭A,Bに関する石炭データ実測部4A,4Bをそれぞれ有しており、炭種毎にそれぞれで実測した過去のデータに基づき、第1の実施の形態と同様の態様で、石炭A,Bに関するMaデータD1、D1とHGIデータD2、D2を得ている。本形態では、各炭種の混炭率のデータを混炭率設定部41に設定しておき、MaデータD1、D1、HGIデータD2、D2および粉砕仕事指数Cを表す粉砕仕事指数データD3とに基づき式(1)の未知の係数a,b,c,dを、これまでに発電所で用いた石炭A,Bの物性値、ローラミル2の粉砕条件および微粉炭の粒径を利用して決定する。この際、混炭率に応じてデータを加重平均することにより、異なる炭種の混炭率を加味した粉砕動力の推算式を生成する。かかる推算式に関するデータが粉砕仕事指数推算部40に格納されている。
一方、本形態における入力データ生成部11A,11Bは、炭種別の新規炭A,Bごとに各石炭に関する各MaデータD11、D11およびHGIデータD12、D12とともに、混炭率設定部42に設定された混炭率Rnを表す混炭データとともに粉砕仕事指数推算部40に供給される。ここで、入力データ生成部11Aが、新規炭Aに関する各MaデータD11を生成する含水比演算部17AおよびHGIデータD12を生成するHGIデータ生成部18Aを有しており、入力データ生成部11Bが、新規炭Aに関する各MaデータD11を生成する含水比演算部17BおよびHGIデータD12を生成するHGIデータ生成部18Bを有している。含水比演算部17A,17Bは、石炭データ実測部14A,14Bで実測した粉砕前の到着ベースの含水比Ma.rと、恒湿(気乾)ベースの含水比Ma.dとに基づき付着水分の含水比Ma、Maを新規石炭A,Bに関して第2の実施の形態と同様に、式(3)に基づきそれぞれ演算し、これらを表すMaデータD11、D11を生成する。また、HGIデータ生成部18A,18Bが、石炭データ実測部14A,14Bで実測した新たな新規炭A,Bの粉砕性指数HGIに基づきHGIデータD12、D12をそれぞれ生成する。
粉砕仕事指数推算部40では、この場合の粉砕仕事指数CBldの推算値CBEを混炭率Rnを加味して、次式(6)を用いて加重平均により推算する。
粉砕仕事指数CBld=Σ[Rn×(a×HGI+d)]+
Σ[Rn×{Ma×(b×HGI+c)}]・・・・(6)
一方、動力推算部13は、粉砕仕事指数推算部40から供給される推算値CBEを表すデータD20、粉砕条件設定部12に設定した粉砕量設定値Qを表すデータD14および粒径設定値dpを表すデータD15に基づき、W=C×Q/√dpの関係式を用いて混炭した新たな異種の石炭を所定量、所定の粒径に粉砕する場合の推算動力Wを算出する。
本形態によれば、混炭した異種石炭を粉砕する場合の推算動力Wを、混炭率を加味して正確に算出することができる。
ここで、本形態の基礎となった知見について説明しておく。
亜瀝青炭は、含水比が高く、難粉砕性であるため、実発電所で利用する際は、瀝青炭との混炭運用が実施される。本節では、瀝青炭に亜瀝青炭を混炭した際の粉砕特性について評価した。
ここでは、粉砕する前の瀝青炭は、付着水分を含まない乾燥した状態とした。一方、亜瀝青炭は、瀝青炭と同様に乾燥し、細孔内水分のみ存在する状態と、水分を添加し、付着水分の含水比が、到着時と同等となる0.15になるように湿潤させて、細孔内水分だけでなく付着水分も含んだ状態の2つの形態で比較した。
亜瀝青炭混炭時の粉砕仕事指数を図11に示す。同図に示すように、瀝青炭および亜瀝青炭ともに付着水分の有無に関係なく、粉砕仕事指数は、各炭種の単味粉砕時の値を亜瀝青炭の混炭率に応じて加重平均した値とほぼ同等の値を示すことが分かった。
本形態において、混炭時の推算法については、1)2種類の石炭を混合した燃料の見掛けの石炭性状から算出する方法、2)各炭種単味粉砕時の結果を混炭率に応じて加重平均して算出する方法の2種類が考えられる。これらの方法から算出した推算値と実験結果を比較した結果を図12に示す。図12を参照すれば、2炭種ともに付着水分を含まない場合は、共に推算値が同じ値となり、実験結果と比較してよく一致していることがわかる。
一方、亜瀝青炭に付着水分が多く含まれる場合は、1)混合燃料の見掛けの石炭性状から推算した結果は、2)各炭種単味粉砕時の結果から推算した結果よりも、低い値を示し、実験結果との差異が大きくなることが分かる。これは混炭した石炭の見掛けのHGIにおける、付着水分による粉砕仕事指数の増加量が減少するためである。これらの結果から、2)の各炭種単味粉砕時の結果を混炭率に応じて加重平均する推算法が、実際の粉砕を良く模擬できていることが分かった。
これより、新規の亜瀝青炭を導入し、瀝青炭との混炭条件で運用する際は、図12に示す推算システムを構築しその各部における上述の如き所定の処理で混炭時の粉砕動力を良好に推算できると考えられる。
<他の実施の形態>
本発明は、上記実施の形態に限定するものではない。例えば上記実施の形態では、粉砕仕事指数Cの推算式を形成する際に最小自乗法を利用したが、これに限らず係数a,b,c,dを未知数とする四元一次方程式を作成し、その解として係数a,b,c,dを決定しても良い。すなわち、少なくとも4種類の付着水分含水比Ma、粉砕性指数HGIおよび粉砕仕事指数Cを、前記式(1)に与えることにより係数a,b,c,dを未知数とする方程式を作成するとともに、該方程式を解いて係数a,b,c,dを決定することも原理的には可能である。
また、混炭時の粉砕動力の推算システムとして図10に基づき第4の実施の形態を説明したが、第4の実施の形態に第3の実施の形態で説明した判定部31、上限値演算部32,33を組み合わせたシステムとすることを妨げるものではない。組み合わせた場合には、第4の実施の形態における粉砕仕事指数推算部40で推算した推定値CBEをローラミル2の粉砕仕事指数上限値CLimitと比較することで、CBE<CLimitの条件が成立した場合に粉砕可能と判断し、そうでない場合には、含水比の上限値MaLimitと比較することにより石炭をどの程度乾燥させれば粉砕可能な状態となるのかを判断し得る。なお、この場合の上限値CLimit、MaLimitは混炭率Rnを考慮した値として生成しておく。
本発明は微粉炭を燃料とする発電を行う電力業界等の産業分野において有効に利用することができる。
1 貯炭場
2 ローラミル
3 火炉
4 石炭データ実測部
5 ローラミルデータ部
6 微粉炭データ部
7 含水比演算部
8 HGIデータ生成部
9 粉砕仕事指数演算部
10 推算式生成演算部
11 入力データ生成部
12 粉砕条件設定部
13 動力推算部
14 石炭データ実測部
15 粉砕量設定部
16 粒径設定部
17 含水比演算部
18 データ生成部
20 粉砕仕事指数推算部
21 実測工程
22 粉砕仕事指数推算工程
23 粉砕条件設定工程
24 動力推算工程

Claims (10)

  1. 石炭中の付着水分含水比Maを表すMaデータと、粉砕性指数HGIを表すHGIデータと、前記石炭を粉砕するローラミルの動力W〔W〕、該ローラミルで粉砕して実測した石炭粉砕量Q〔kg/h〕およびローラミルから火炉に向けて搬送される微粉炭の平均の粒径dpのデータによりBondの法則から算出した粉砕仕事指数Cを表す粉砕仕事指数データとに基づき、
    C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
    で表される式(1)の係数a,b,c,dを決定して前記式(1)で表される粉砕仕事指数Cの推算式を生成する推算式生成演算手段を有することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成システム。
  2. 請求項1に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成システムにおいて、
    前記推算式生成演算手段は、付着水分がない石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数a,dを算出するとともに、付着水分が存在する石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数b,cを算出することにより各係数a,b,c,dを決定するものであることを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成システム。
  3. 請求項1に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成システムにおいて、
    前記推算式生成演算手段は、少なくとも4種類の付着水分含水比Ma、粉砕性指数HGIおよび粉砕仕事指数Cを、
    C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
    で表される式(1)に与えることにより係数a,b,c,dを未知数とする方程式を作成するとともに、該方程式を解いて係数a,b,c,dを決定するものであることを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成システム。
  4. 貯炭場の石炭に基づき付着水分含水比Maと、粉砕性指数HGIとを実測する実測工程と、
    前記石炭を粉砕するローラミルの動力W〔W〕、該ローラミルで粉砕して実測した石炭粉砕量Q〔kg/h〕およびローラミルから火炉に向けて搬送される微粉炭の実測した平均粒径dpとに基づき、Bondの法則から算出される粉砕仕事指数Cを演算する粉砕仕事指数演算工程と、
    前記付着水分含水比Ma、粉砕性指数HGIおよび粉砕仕事指数Cを、
    C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
    で表される式(1)に与えることにより係数a,b,c,dを決定して前記式(1)で表される粉砕仕事指数Cの推算式を生成する推算式生成工程とを有することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成方法。
  5. 請求項4に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成方法において、
    前記推算式生成工程では、付着水分がない石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数a,dを算出するとともに、付着水分が存在する石炭を対象として最小自乗法により粉砕性指数HGIと粉砕仕事指数Cとの関係式について係数b,cを算出することにより各係数a,b,c,dを決定することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成方法。
  6. 請求項4に記載する粉砕仕事指数の推算式の生成方法において、
    前記推算式生成工程では、少なくとも4種類の付着水分含水比Ma、粉砕性指数HGIおよび粉砕仕事指数Cを、
    C=a×HGI+Ma×(b×HGI+c)+d・・・(1)
    で表される式(1)に与えることにより係数a,b,c,dを未知数とする方程式を作成するとともに、該方程式を解いて係数a,b,c,dを決定することを特徴とする粉砕仕事指数の推算式の生成方法。
  7. ローラミルで粉砕する新規な石炭に関する付着水分含水比Maを表すMaデータと、粉砕性指数HGIを表すHGIデータとを出力する入力データ生成手段と、
    過去のデータに基づき請求項1〜3のいずれか一つに記載する生成システムにより生成された粉砕仕事指数の推算式に、前記新規な石炭に関する前記MaデータとHGIデータとを代入することにより新規石炭の粉砕仕事指数の推算値Cを算出する粉砕仕事指数推算手段と、
    微粉炭の目標とする粉砕量の設定値Qを表すデータと平均の粒径の設定値dpを表すデータとが設定される粉砕条件設定手段と、
    前記推算値Cを表すデータ、前記粉砕条件設定手段に設定した前記粉砕量の設定値Qを表すデータおよび前記粒径の設定値dpを表すデータに基づき、W=C×Q/√dpにより粉砕時に要する動力Wの推算値Wを算出する動力推算手段とを有することを特徴とする粉砕動力の推算システム。
  8. 請求項7に記載する粉砕動力の推算システムにおいて、
    前記入力データ生成部は、複数種類の石炭に関する各MaデータおよびHGIデータとともに、混炭率を表す混炭データを出力する一方、
    前記粉砕仕事指数推算手段は、複数種類の石炭の過去のデータに基づき請求項1〜3の何れか一つに記載する推算式の生成システムにより前記複数種類の石炭の前記過去のデータにおける前記複数種類の石炭の混炭率を表す混炭データを加味して各炭種の単独粉砕時の値を前記混炭率に応じて加重平均して生成された粉砕仕事指数の推算式に、前記新規な石炭に関するMaデータとHGIデータとを代入するとともに、前記新規石炭の各炭種の単独粉砕時の値を前記新規石炭の混炭率に応じて加重平均して新規石炭の粉砕仕事指数の推算値Cを演算するものであることを特徴とする粉砕動力の推算システム。
  9. 請求項7または請求項8に記載する粉砕動力の推算システムにおいて、
    石炭を粉砕するローラミルの受入限界となる、粉砕仕事指数の上限値CLimitを算出する上限値演算手段と、
    前記粉砕仕事指数算出手段が算出した推算値Cを表わすデータと、前記上限値演算手段が算出した上限値CLimitを表すデータとを比較し、C<CLimitの場合のみに前記動力推算手段における推算動力の算出を行わせる判定手段とを有することを特徴とする粉砕動力の推算システム。
  10. ローラミルで粉砕する新規な石炭に関する付着水分含水比Maと、粉砕性指数HGIとを実測する実測工程と、
    前記新規な石炭に関する付着水分含水比Maと粉砕性指数HGIとに基づき、過去のデータに基づき請求項4〜6のいずれか一つに記載する生成方法により生成した粉砕仕事指数の推算式に、前記新規な石炭に関する付着水分含水比Maと粉砕性指数HGIとを代入することにより新規石炭の粉砕仕事指数の推算値Cを演算する粉砕仕事指数推算工程と、
    前記ローラミルの受入限界となる粉砕仕事指数の上限値CLimitを、前記ローラミルの動力、該ローラミルで粉砕して実測した石炭粉砕量およびローラミルから火炉に向けて搬送される微粉炭の実測した平均の粒径とに基づき、Bondの法則から算出する上限値演算工程と、
    前記実測工程で実測したHGIと、上限値演算工程で算出した上限値CLimitに基づき前記ローラミルの受入限界となる石炭の付着水分含水比MaLimitを逆算する逆算工程と、
    前記推算値Cと上限値CLimitとを比較する比較工程と、
    比較工程における比較結果がC<CLimitでない場合に、付着水分含水比Maが、粉砕可能となる付着水分含水比MaLimit以下となるように乾燥するとともに、所定の乾燥後に前記実測工程に戻す乾燥工程と、
    微粉炭の目標とする粉砕量と平均粒径とを設定する粉砕条件設定工程と、
    前記比較工程における比較結果がC<CLimitの場合に、石炭粉砕に問題がないと推測して、前記粉砕条件設定工程で設定した前記粉砕量の設定値Qs、前記平均粒径の設定値dpsおよび前記推定値Cに基づき、W=C×Q/√dpにより前記新規な石炭の粉砕時に要する動力Wを演算する粉砕動力推算工程とを有することを特徴とする粉砕動力の推算方法。
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