第1の発明は、被掃除面に対向して開口した吸込口を有する吸込具本体と、一端が吸込具本体に取り付けられた接続管と、を備え、吸込具本体は前方の被掃除面に光を照射するように吸込具本体の長手方向中央を挟んで左右両側に配置されたそれぞれ同数の複数個の光照射部を有し、複数の光照射部のうち一部の光照射部の光軸を中央側に向くように設定し、複数の光照射部のうち他の光照射部の光軸を一部の光照射部の光軸よりも外側に向くように設定した電気掃除機用吸込具である。
これにより、吸込具の前面に均一に光を照射できるので、掃除作業中に汚れを目視確認しやすくなることで掃除作業の効率を向上することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、吸込具本体はその長手方向中央を挟んで左右両側に配置されたそれぞれ2個の光照射部を有し、2個の光照射部のうち中央側に配置された光照射部の光軸を中央側に向くように設定し、2個の光照射部のうち外側に配置された光照射部の光軸を中央側に配置された光照射部の光軸よりも外側に向くように設定した。
これにより、吸込具の前面に均一に光を照射できるので、掃除作業中に汚れを目視確認しやすくなることで掃除作業の効率を向上することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、中央側に配置された光照射部の光軸を吸込具本体の長手方向と直交する方向に対して略45度に設定し、外側に配置された光照射部の光軸を吸込具本体の長手方向と直交する方向に対して略20度に設定した。
これにより、各光照射部から照射された光が前方で重なることで吸込具の前面を均一に照射できる。そのため、掃除作業中に汚れを目視確認しやすくなることで掃除作業の効率を向上することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3の発明において、複数の光照射部は吸込具本体の左右両端部の近傍に配置した。これにより、吸込具の両端まで均一に光を照射できるので、掃除作業中に汚れを目視確認しやすくなる。
第5の発明は、特に、第1〜第4の発明において、光照射部はLEDで構成された。これにより、長寿命で低消費電力の光照射部を構成できる。
第6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸引具の接続管が吸引延長管と着脱自在に接続された電気掃除機である。
これにより、汚れている所ときれいになっている所とが目視で確認しやすいために掃除作業が行いやすい掃除機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
本発明の実施の形態における電気掃除機用吸込具を備える電気掃除機の一例について、図1〜図9を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における電気掃除機の全体斜視図である。図2は、本発明の実施の形態における吸込具の斜視図である。図3は、本発明の実施の形態における吸込具の下面図である。図4は、本発明の実施の形態における吸込具の上蓋を外した上面図である。図5は、本発明の実施の形態における吸込具のLED部の拡大図である。図6は、図4のA−A断面図である。図7は、図4のB−B断面図である。図8は、図4のC−C断面図である。図9は、本発明の実施の形態における吸込具の側面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る吸込具本体8は、典型的なキャニスター型電気掃除機1に備えられている。すなわち、キャニスター型電気掃除機1(以下、単に電気掃除機1と略す)は、掃除機本体2、吸引ホース3、手元操作部4、吸引延長管5、吸込具本体8を備えている。
掃除機本体2は、電動送風機9、集塵室10を備えている。掃除機本体2は、接続パイプ11を介して吸引ホース3の一方の端が着脱自在に接続されている。吸引ホース3の他方の端には、手元操作部4が設けられている。この手元操作部4の先端に対して、吸引延長管5の一方の端が着脱自在に接続されている。さらに、吸引延長管5の他方の端には吸込具本体8が着脱自在に取り付けられている。
掃除機本体2には、内部に電動送風機9および集塵室10が設けられている。電動送風機9の動作により吸引力が発生し、吸引ホース3、吸引延長管5を介して吸込具本体8に吸引力が発生する。
電気掃除機1の使用時には、手元操作部4を操作して、掃除機本体2の電源を入れる。これにより、電動送風機9の動作によって吸込具本体8に吸引力が発生する。その結果、床面上の塵埃が吸引され、吸引延長管5、吸引ホース3、接続パイプ11を介して集塵室10に集められる。
使用者は、手元操作部4を把持して床面上で吸込具本体8の位置を移動させることで、掃除する床面の領域を変える。
また、床面ではなく、部屋の隅、家具等の隙間等の狭い領域を掃除したい場合には、吸引延長管5または吸込具本体8を取り外し、掃除を行う。さらに、使用者にとって見え難い位置または高い位置の掃除を行いたい場合には、ペダル6を踏むことにより吸込具本体8に取り付けられた分離吸込具7を吸込具本体8から取り外し、掃除を行う。
電気掃除機1における具体的な構成、すなわち、掃除機本体2、吸引ホース3、手元操作部4、吸引延長管5等は特に限定されず、電気掃除機の分野で公知の各種構成を好適に用いることができる。
次に、本実施の形態に係る吸込具本体8の具体的な構成について説明する。
図2に示すように、本実施の形態に係る吸込具本体8は、吸込具本体8の中央近傍の後方部に吸引延長管5と接続する接続管12が設けられ、接続管12は上下左右回動自在に構成されている。接続管12は、吸込具本体8の外郭の一部を成し、吸込具本体8から着脱自在に設けられた分離吸込具7の後方に構成されている。吸込具本体8には、分離吸込具7に対して左右どちらかにペダル6が設けられている。ペダル6を押すことにより分離吸込具7が吸込具本体8より押し上げられるため分離する。
図3、図4に示すように、吸込具本体8の後方には、分離吸込具7によって左右に分割された電動機室14と制御室13の2つの部屋が構成されている。制御室13や電動機室14の前方には、吸込具本体8の下方に開口した吸込口15が設けられている。吸込口15に臨み回転自在に軸支される回転ブラシ16が吸込具本体8に収容されている。電動機室14には回転ブラシ16を回転させるための駆動源である電動機18が収容されている。回転ブラシ16は電動機18とベルト17によって張架されている。制御室13には、吸込具本体8の下面より出没自在に設けられたスイッチレバー20と、スイッチレバー20を回動自在に保持するスイッチカバー21が構成されている。スイッチカバー21にはリミットスイッチ22が設けられている。スイッチレバー20によりリミットスイッチ22のON、OFFが制御される。スイッチレバー20は、吸込具本体8を空中上に持ち上げたときにリミットスイッチ22をOFFにする構造で、吸込具本体8を空中に持ち上げると回転ブラシ16が停止するように制御される。リミットスイッチ22は制御基板23に配線により取り付けられている。制御基板23は端子24を介して掃除機本体2から電源供給を受けて電動機18に動力を供給している。また、制御基板23上に設置されている保護装置25は、電動機18が拘束されるなどの理由で過電流が生じた場合に電流を停止して電動機18を保護している。保護装置25は、ポジスター(登録商標)などから構成されている。
吸込具本体8の前面から側面にかけて、バンパー26が設けられている。バンパー26は、吸込具本体8が壁に衝突した際に壁に傷をつけないように壁を保護する。バンパー26と吸込口15との間には、吸込具本体8の騒音を低減させる多孔の形状が設けられている。バンパー26と吸込口15の間にウレタンなどの緩衝材を組み込み、サイレンサー40を構成している。
吸込具本体8の上部より空気を取り込む吸引口41が設けられている。吸引口41は、バンパー26上に回動自在に保持された遮蔽板27により開閉自在に構成されている。
図4、図5に示すように、遮蔽板27の左右両側面にはLED基板28が保持されている。LED基板28には各2個ずつの光照射部であるLED29a,29bが吸込具本体8の長手方向に並列に並ぶように保持されており、合計4個のLED29が設けられている。LED29はLED基板28に取り付けられた保持部材30により光軸が指定された角度になるように保持されている。吸込具本体8の中央側に配置されたLED29aは、その光軸が吸込具本体8の長手方向と直交する方向に対して約45度になるように保持部材30に保持されている。また、吸込具本体8の外側に配置されたLED29bは、その光軸が吸込具本体8の長手方向と直交する方向に対して約20度になるように保持部材30に保持されている。このように、吸込具本体8の中央側に配置されたLED29aの光軸は吸込具本体8の中央側に向くように設定されている。また、吸込具本体8の外側に配置されたLED29bの光軸は吸込具本体8の中央側に配置されたLED29aの光軸よりも外側を向くように設定されている。また、LED29は図4に示すように吸込具本体8の左右両端部の近傍に配置するのが好ましい。吸込具本体8の左右両端部の近傍にLED29を配置することにより、吸込具本体8の前方の被掃除面にLED29からの光をより均一に照射することができる。
また、図6、図7に示すように、バンパー26前面から約22mm奥まった箇所まで斜面A31をバンパー26上に設けている。斜面A31の内部の端部に各LED基板28を保持する固定部42が設置され、各LED29が吸込具本体8の下方を照らすように斜面A31に配置されている。バンパー26前面から約19mmの距離から斜面B32が斜面A31より前方に斜面A31の途中より斜面A31につなげて設けられている。
斜面A31と斜面B32とは、斜面B32の俯角が斜面A31の俯角よりも大きくなるように形成されていることが好ましく、斜面A31の俯角が15度以上、25度以下の範囲で、かつ、斜面B32の俯角が25度以上、35度以下の範囲で設定されていることが好ましい。さらに好ましくは、斜面A31の俯角が20度、斜面B32の俯角が30度で設定されていることが好ましい。斜面A31と斜面B32のそれぞれの俯角を上記の範囲に設定することで、LED29から照射された光が吸込具本体8の前面の直下も照らすことができるようになる。その結果、吸込具の前方に均一に光を照射することができるので、使用者が掃除作業中に汚れを目視確認しやすくなり、掃除作業の効率を向上させることができる。
また、LED29を吸込具本体8の上部に設置したことで、吸込口15の開口を従来と同一位置に設定できるため、吸込具前部を薄くできる。これにより、掃除をする部屋の壁際まで吸込口15を近づけることができるので、LED29を搭載しながら壁際の掃除性能を維持できる。ここで、斜面A31、斜面B32の俯角とは、前方下向きに傾斜した斜面A31、斜面B32が被掃除面となす角度である。
LED29から照射された光が吸込具本体8の前面以外から漏れないように、斜面A31と斜面B32で構成される導光路50の左右を壁面34で囲っている(図5参照)。
吸込具本体8の前面には、各LED29から照射した光を導光路50により導き吸込具本体8の外部前方に照射するための2つの窓33が設けられている。固定部42に対面し、光の出口にあたる窓33の幅を約60mmに設定し、窓33から固定部42までの間を壁面34によって覆う構成にしている。LED29は高輝度のものを使用しているために光束性が高く、LED29から照射された光を拡散しないと均一に被掃除面を照らすことができない。このため、窓33には拡散窓35が設けられている。拡散窓35は窓33の全面を覆うように形成された前面拡散部35aと、左右2つの壁面34a、34bを跨いで斜面B32と略平行になるように導光路50の上面を覆うように形成された上面拡散部35bから構成されている。吸込具本体8の上面から見た拡散窓35の窓33を覆う断面形状は凹形レンズのようになっている。すなわち、拡散窓35の断面形状は中央部が薄く、中央部の左右両側が中央部より厚くなるように肉厚が設定されており球面状に凹形状が設けられている。LED29から照射された光が拡散窓35に到達したとき、凹形状によって吸込具本体8の左右両端側(外側)に向かって光が拡散するように拡散窓35への光の入射角が設定されている。
また、拡散窓35の左右両側面に設置された壁面34は上面拡散部35bと導光路50とをつなぐように形成されている。壁面34は、吸込具本体8の中央側に設けられた壁面34aと吸込具本体8の左右両端側に設けられた壁面34bとの2つの壁面より構成されている。壁面34bは前後方向すなわち吸込具本体8と略直交する方向に設けられており、壁面34aは壁面34bとの間隔が窓33からLED29に向けて狭くなるように形成されている。これにより、LED29から照射された光が中央側に広がるのを妨げないようにしている。このように、拡散窓35によりLED29からの光が前方に均一に照射されるので、光の斑の発生が少なくなる。これにより、廊下など照明が暗い場所でLED29から光が照射された場合、柔らかい光となり目に刺激が少なく目が疲れにくい。さらに、LED29を保持部材30により保持することで、各LED29の光軸の設定自由度が大きくなりLED29からの光の照射角を確実に設定することができる。このため、光の拡散具合についてLED29の個体差が小さくなるので、安定した光の照射が可能な吸込具を生産できる。
吸込具本体8の側面側から見た拡散窓35の上面拡散部35bの断面形状は、LED29の光軸に対して略平行になるように設定されている。また、斜面A31と斜面B32とは、斜面B32の俯角が斜面A31の俯角よりも大きくなるように形成されている。そのため、拡散窓35の上面拡散部35bと、斜面A31及び斜面B32で形成される導光路50と、で形成される空間(図示せず)の断面形状は、吸込具本体8の前方に向かうにつれて下方に広がるように形成されている。
また、拡散窓35の窓33を覆う前面拡散部35aと、拡散窓35の導光路50の上面を覆う上面拡散部35bとの接合部に角R36を設けられている。角R36は、吸込具本体8の前方方向に向かって下方にR形状をなすように形成されている。LED29から照射された光は、まず角R36に入射して拡散方向に屈折する。拡散方向に屈折した光は、吸込具本体8の天井の内面に反射して、さらに下方向に向かって屈折することで吸込具本体8の直下を照らすことができる。
また、拡散窓35の内壁にはシボなどの拡散加工が行われており、拡散窓35よりLED29から光が均一に照射され、光の斑の発生が少なくなる。これにより、廊下など照明が暗い場所でLED29から光が照射された場合、拡散窓35のみで光を拡散する場合に比べてより柔らかい光となり目に刺激が少なく目が疲れにくい。また、導光路50と壁面34および拡散窓35の上面を覆う外郭部にダーク色を着色することにより光が外郭より漏れることを防止している。これにより、光が外郭部の外側に漏れないために、LED29から照射された光は吸込具本体8前面に設けられた2つの窓33のみから出ることになる。このため、廊下など照明が暗い場所でLED29から光が照射された場合、余計な光がないので目に刺激が少なく目が疲れにくい。
各LED基板28はハーネスによって制御基板23に接続される。制御基板23にはLED29に電源を供給する回路が設けられている。また、各LED基板28をON、OFFするための切替スイッチ37が設けられている。図6、図9に示すように、切替スイッチ37は左右どちらかのLED基板28のハーネスの途中に設けられ、バンパー26の側面部から操作できるように保持固定されている。切替スイッチ37はバンパー26に備え付けられ、脱落しないようにカバー38にて保持されている。また、カバー38には切替スイッチ37の取り付け部に塵埃や静電気が入りにくいように深いインロウの構造が設けられている。バンパー26の接合面から制御基板23に静電気が飛ばないように延面距離板A39が構成されている。
スイッチカバー21の接合面から静電気が飛んだ場合にLED29に電源を供給する素子が破壊する。このため、図8に示すように、スイッチカバー21の接合面上に延面距離板B43を設けて静電気に対して耐性を上げている。また、スイッチレバー20の動作により電動機18および各LED29もON、OFF動作する。スイッチレバー20が瞬間的にOFF状態になった場合にLED29が明滅して見える。このため、制御基板23にコンデンサなどを入れる構造をとることにより、これを防止している。
次に、吸込具本体8を使用した際の動作について説明する。
掃除機本体2に接続された電源コード(図示せず)を100Vコンセントに差し込み、手元操作部4を操作して電源を入れることで電動送風機9が稼動する。電動送風機9により発生した負圧により集塵室10内に吸引風が発生する。発生した吸引風は接続パイプ11、吸引ホース3、吸引延長管5を通じて吸込具本体8に届き、吸込具本体8にて被掃除面が清掃される。また、高所や狭い箇所などを清掃する際に吸込具本体8を接続したままでは重いために持ち上げるのが困難である。また、吸込具本体8の幅が広いために吸込具本体8が隙間などに入らない。このような場合には、ペダル6を踏むことにより吸込具本体8から分離吸込具7を分離させて使用する。
電動送風機9による吸引風を受けて吸込具本体8の吸込口15に負圧が発生する。吸込口15に負圧が発生すると、吸込口15の上部に構成された吸引口41からも空気を取り入れる吸引力が発生する。吸引口41から空気を取り入れるため遮蔽板27が開放され、吸込具本体8の上部から空気が取り入れられる。吸込具本体8の周囲には、掃除作業などにより発生したホコリ類が多く飛散している。遮蔽板27が開放され、吸引口41が開口することで、これらのホコリ類を吸引することができる。また、吸込口15の天井部には多くの孔が等間隔で開けられており、孔の上部をウレタンなどで覆い隠したサイレンサー40が構成されている。吸込口15内部で発生した騒音の内、A特性の周波数帯の騒音を孔内部に誘い込み、サイレンサー40内部にて反響させることで騒音を低減させる。これにより、掃除作業時に発生する騒音を低くすることができる。
本実施の形態における吸込具本体8は電動機18を内蔵しており、一般的にパワーノズルという名称にて認知されているものである。パワーノズルは掃除機本体2から電源供給を受けて電動機18を駆動する。電動機18はベルト17によって回転ブラシ16へ動力を伝達させて、塵埃を効率よく除去する。分離吸込具7を端子24に接続することで制御基板23に電源が供給される。そのため、分離吸込具7を取り外すと電源の供給がなくなるために電動機18は停止する。
また、制御基板23にはリミットスイッチ22が設けられており、スイッチレバー20により被掃除面を感知することで、吸込具本体8が空中上もしくは地上のどの状態にあるのかを検知できる。これにより、回転ブラシ16を手に触れることができる状態(空中もしくは裏返しの状態)のときには回転ブラシ16の回転を停止する構造となっている。
制御基板23の保護装置25は、回転ブラシ16の状態を電動機18の電流値により判断する。回転ブラシ16が拘束されると、電動機18の電流値が大きくなる。その電流値を検知して保護装置25が電流を遮断して電動機18を停止して保護する。保護装置25は、100Vの電源から切り離された状態が、10〜30分ほど継続することで正常な状態に復帰して、また使用することができる。
各LED基板28は制御基板23に接続されることで、各LED29に電源を供給している。LED29の点灯・消灯はリミットスイッチ22によって制御されるとともに、バンパー26側面上に設けた切替スイッチ37によっても制御される。切替スイッチ37は、吸込具本体8の使用状態にかかわらずLED29の点灯・消灯を切り替えることができる。一方、リミットスイッチ22は吸込具本体8が被掃除面に接地しているか、空中にあるかを検知して点灯・消灯を切り替える。
このように、電動機18および制御基板23への電源供給が遮断される状況が発生すると、各LED29への電源供給も停止されて各LED29は消灯の状態になる。
4個のLED29はLED基板28から電源供給を受けて各々設定された照射角で被掃除面に光を照射する。このとき、照射角が内側(中央側)に設定された(吸込具本体8の中央側に配置された)2個のLED29aは吸込具本体8の中央部の被掃除面に略三角状に光を照射する。一方、照射角が外側に設定された(吸込具本体8の外側に配置された)2個のLED29bは吸込具本体8の左右両端側から前方に光を照射する。各LED29a、29bの照射角の設定により、これらの照射された光は一部が重なるようになっている。
また、LED29は高輝度型なのでLED29から照射される光の拡散角度は狭く、LED29の光軸を中心に10〜30度程度であることが多い。吸込具本体8の幅は約250mmである。吸込具本体8の前面にある塵埃を使用者に確実に視認させるためには吸込具本体8の全幅に渡って光を均一に照射することが好ましい。そのために、拡散窓35を凹レンズ状に形成することでLED29から照射された光を左右方向に拡散する。これにより、各光の拡散角度が50〜60度になり、前述した略三角状の照射部分と前方の照射部分とを合わせても光が届かない領域を照らし、吸込具本体8の全幅に渡って光を均一に照射できる状態とした(図5参照)。なお、拡散窓35の内側にはシボ加工を行っているが、光を拡散すると照度が低下する。このため、元のLED29に対して照度が約10%低下する程度にシボの設定を抑えて加工を施してある。
LED29からの光の照射範囲は左右だけでなく上下方向についても調整されており、吸込具本体8の前面の直下ならびに前面より50〜60mm離れた場所まで光を照射できるようにしている。
吸込具本体8の前面の直下については、斜面A31に設置されたLED29から照射された光は、その照射角度が斜面A31の俯角では逃がすことができない。このため、斜面A31の前方に斜面A31よりも俯角の大きな斜面B32を設けることで下側の角度を十分に設け、拡散窓35の下端まで光が届くようにした。拡散窓35の下端に照射された光は拡散されて、吸込具本体8の前面直下を照らすことができる。
また、吸込具本体8の上部から見て吸込具本体8の上面が光ると使用者が眩しく感じて不快感を得ることがある。このために吸込具本体8の上を覆うバンパー26を、光を吸収する黒系にすることによって光を遮断している。そのため、LED29の上方向の照射角度が狭くなるため拡散窓35の内側で光を反射するようにしている。拡散窓35の前面拡散部35aの上端には角R36が設けられている。拡散窓35の角R36は凹レンズと同様に、光の拡散角度を大きくする効果がある。拡散窓35の角R36に入射した光は吸込具本体8の前面から50〜60mm離れた場所を照らすことができる。
以上の効果より、各LED29から照射された光は、吸込具本体8の全幅に渡り、吸込具本体8の前面直下から50〜60mm離れた場所まで被掃除面を均一に照らすことができる。これにより、被掃除面上にある固形塵埃に背面から光が当ってできる影が前方に伸びることで塵埃を実際の大きさを大きく見せることができる。その結果、使用者が塵埃をより発見しやすくなる。
吸込具本体8は、被掃除面に接触したまま前後左右に移動するために、特に乾燥した条件化においては静電気を発生しやすい。また、同条件において細塵を多量に吸引した場合などにも強い静電気を発生する可能性がある。静電気は通常、制御基板23に流れた場合には本体側にアースされて、電動機18ならびにLED29にダメージが発生する静電気は流れないように構成されている。しかし、静電気が各部品に直接飛ぶような状況であれば、制御基板23で静電気によるダメージを防ぐことができないために、各部品が破損する可能性がある。そこで、延面距離板B43を図8のように設けて、各部品まで達する距離を静電気の電気容量(ボルト)と同じだけとるようにすることで静電気の力を弱めることができる。
また、制御基板23上にも静電気が直接飛ぶと破損しやすい部品がる。大抵は部品同士の接合点から静電気が部品に飛んで破損するために、上述と同様の対策を行うことが多い。本実施の形態においても延面距離板A39を図6のように構成することで制御基板23上の部品を静電気から保護している。
以上の構成により、本実施の形態に係る電気掃除機用吸込具では、LED29によって被掃除面上の塵埃を光で照らすことで塵埃が使用者に発見しやすくなり、掃除作業の効率を向上することができる。また、被掃除面に均一に光を照射することで、使用者が吸込具本体8の前面を目視するときに眩しすぎず、長時間眺めていても目が疲れない。
なお、上記実施の形態では、光照射部としてLEDを例に挙げて説明したが、光照射部としては、有機ELなどの他の固体光源でもよい。