JP2013219320A - 成膜方法及び面発光レーザの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一性が高く、良好な特性の半導体DBRの成膜方法を提供する。
【解決手段】基板上に第1の成膜条件により、光学的膜厚がそれぞれλ/4の1ペア以上の低屈折率層と、DBR設計波長よりバンドギャップの小さい第1の半導体膜の高屈折率層とを交互に積層する積層体の成膜工程と、積層体に光を照射し、反射光から膜厚分布を得る測定工程と、第1の半導体膜上に面内分布が第1の成膜条件よりも均一となる第2の成膜条件により、DBR設計波長よりバンドギャップの小さく、光学的膜厚がλ/4の第2の半導体膜を成膜する成膜工程と、第2の半導体膜に光を照射し、反射光から膜厚分布を得る測定工程と、第2の半導体層上に、DBR設計波長よりバンドギャップの小さい第3の半導体膜を第1、2、3の半導体膜の光学的膜厚の和が3λ/4以上となるように、成膜する成膜工程と、第3の半導体膜上に半導体材料の高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層する。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜方法及び面発光レーザの製造方法に関する。
近年、LANや光インターコネクション用の光源として、また、コピー機用の光源として垂直共振器型面発光半導体レーザ素子(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)が用いられるようになりつつある。VCSELは、従来の端面発光型半導体レーザに比べて、低消費電力であり、また製造工程において劈開が不用であり、ウエハ状態で素子の検査が可能であるため低コストで製造することができる等の優れた特徴を有している。
このようなVCSELは、半導体基板上に複数の半導体層をエピタキシャル成長させることにより形成することができる。ところで、従来は、VCSELを形成する前に、別の基板に半導体層の成膜を行ない、この別の基板に成膜された半導体層の成膜レートを算出し、この成膜レートに基づき、VCSELを形成する半導体層が所望の膜厚となるように成膜が行なわれている。即ち、VCSELを形成する前に、予め膜厚測定を行なうための別の基板を用意しておき、この基板の上に半導体層をエピタキシャル成長させた後、エピタキシャル成長装置の外に取り出し、エピタキシャル成長された半導体層の反射スペクトルを測定する。この後、測定された反射スペクトルに基づき、形成された半導体層の光学的厚さの測定を行ない、測定された膜厚に基づき成膜された半導体層の成膜レートを算出し、この成膜レートに基づいて、VCSELを形成している半導体層のエピタキシャル成長が行なわれていた。
しかしながら、この方法では、エピタキシャル成長装置の雰囲気等により、エピタキシャル成長の成長速度にバラツキが生じる場合があり、この成長速度のバラツキが、そのままVCSELを形成する半導体層の膜厚等のバラツキとなってしまう。特に、VCSELにおいては、基板面に垂直方向に形成される下部半導体DBR、共振器構造、上部半導体DBR等が所望の膜厚で正確に形成されることにより、初めて所望とする設計どおりの特性のものを得ることができる。従って、VCSELにおいては、下部半導体DBR、共振器構造、上部半導体DBR等の半導体層を所定の膜厚となるように高い精度で形成することは極めて重要である。
このため、特許文献1には、結晶成長の際に結晶成長途中で結晶の膜厚を評価するシステムとして、2波長のモニタ光を使い、その波長における反射光をモニタし、光学膜厚に依存したファブリペロー振動を計測することで成長時に膜厚をモニタする方法が開示されている。
また、特許文献2には、特定波長におけるファブリペロー振動を計測することで成長時に膜厚をほぼリアルタイムでモニタするための装置が開示されている。
ところで、上述したように、VCSELにおいて形成される下部半導体DBR、共振器構造、上部半導体DBRの各々については、各々の層の膜厚は可能な限り設計値と正確に一致していることが、所望の特性を得るために重要である。しかしながら、このことは基板となるウエハの特定の点だけにおいて満たされていればよいものではなく、ウエハの面内全体において可能な限り満たされていることが好ましい。即ち、ウエハの面内全体において、下部半導体DBR、共振器構造、上部半導体DBRにおける各々の膜厚が可能な限り所望の値となるよう形成されていることの好ましい。しかしながら、化合物半導体における結晶成長においては、このような面内均一性を再現性よく一定に保つことは極めて困難であり、同じ成長条件において結晶成長を行なった場合においても、均一性の高い膜を常に形成できるわけではない。このように同じ成膜条件においても、均一性の高い膜を常に形成することができないのは、例えば、エピタキシャル成長装置の内部における付着物の状態、基板となるウエハのわずかなそり等の影響により、エピタキシャル成長の成膜速度等が変化するため、面内において不均一な膜厚で半導体層が形成されてしまい、半導体層における面内均一性は低下してしまう。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した半導体DBRを形成する際に、均一性が高く、良好な特性の半導体DBRを形成することのできる成膜方法及び面発光レーザの製造方法を提供すること目的とするものである。
本発明は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層形成することにより半導体DBRを形成する成膜方法において、基板の上に、第1の成膜条件により、光学的な膜厚がそれぞれλ/4となる少なくとも1ペア以上の、低屈折率層と、前記半導体DBRの設計波長のエネルギーよりバンドギャップの小さい材料からなる第1の半導体膜である高屈折率層と、を交互に積層した第1の半導体膜を含む積層体を成膜する第1の成膜工程と、前記第1の半導体膜を含む積層体の異なる位置に各々光を照射し、前記第1の半導体膜を含む積層体において反射された各々の光を検出することにより、前記異なる位置における前記第1の半導体膜を含む積層体の膜厚を計測し、前記計測された膜厚に基づき前記第1の半導体膜を含む積層体における膜厚分布を測定する第1の測定工程と、前記第1の測定工程において得られた膜厚分布に基づき、面内分布が前記第1の成膜条件よりも均一となる第2の成膜条件により、前記第1の半導体膜の上に、前記半導体DBRの設計波長のエネルギーよりバンドギャップの小さい材料からなる第2の半導体膜を光学的な膜厚がλ/4となるように成膜する第2の成膜工程と、前記第2の半導体膜の異なる位置に各々光を照射し、前記第2の半導体膜において反射された各々の光を検出することにより、前記異なる位置における前記第2の半導体膜の膜厚を計測し、前記計測された膜厚に基づき前記第2の半導体膜における膜厚分布を測定する第2の測定工程と、前記第2の半導体層の上に、前記半導体DBRの設計波長のエネルギーよりバンドギャップの小さい材料からなる第3の半導体層を形成するものであって、前記第1の半導体膜、前記第2の半導体膜、前記第3の半導体膜の光学的な膜厚の和が、3λ/4以上となるように、前記第3の半導体層を成膜する第3の成膜工程と、前記第3の半導体膜の上に、半導体材料により形成された高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層形成することにより半導体DBRを形成する多層膜成膜工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、均一性が高く、良好な特性の半導体DBRを形成することのできる成膜方法及び面発光レーザの製造方法を提供することができる。
第1の実施の形態における成膜装置の構造図 第1の実施の形態における成膜方法のフローチャート 第2の実施の形態における成膜方法のフローチャート 第3の実施の形態における成膜方法により成膜された半導体DBRの構造図 第3の実施の形態における成膜方法の説明図 第3の実施の形態における他の成膜方法の説明図 第4の実施の形態における製造方法により製造される面発光レーザの構造図
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
(成膜装置)
図1に基づき、本実施の形態における成膜装置について説明する。本実施の形態における成膜装置は、半導体成長装置であり、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置である。具体的には、成膜される材料の原料となる原料ガスを一定圧力に保った反応管内に導入し、加熱したサセプタ上で原料の熱分解を行い、サセプタ上の基板に半導体結晶をエピタキシャル成長させるものであって、いわゆる熱CVD等とよばれるものである。MOCVD装置では、マスフローコントローラによる原料流量コントロール、反応間の圧力コントロール、各原料ガスの供給のオンオフ、原料ガスが納められているシリンダの温度と圧力、成長温度等の制御を行なうことができるように形成されている。MOCVD装置における反応炉10は、横型で形成されており、反応炉10内には、サセプタ21が設けられており、サセプタ21の上には、ウエハ等の基板20を設置するための基板ホルダ22が設けられている。また、基板20に所望の膜を成膜するための有機金属材料等の原料ガスを供給するための原料ガス供給部11が設けられている。基板20の上側には、反応炉10の一部に透明な部材により形成された窓部30が設けられており、窓部30を介し、反応炉10の内外を透過することができるように形成されている。窓部30は、基板20の中心部と周辺部とを同時に見ることができるよう、所望の大きさにより形成されている。尚、本実施の形態では、成膜とは、MOCVD装置における膜の成長を含むものとする。
この成膜装置は、反応炉10の外側に、第1の光源41、第2の光源42、第1の光学素子43、第2の光学素子44、第1の光検出器45、第2の光検出器46、制御部47を有している。制御部47は、第1の光検出器45及び第2の光検出器46と接続されており、第1の光検出器45及び第2の光検出器46において検出された情報に基づき、成膜されている半導体膜の膜厚等を算出し、基板20の面内における膜厚分布が均一になるように、成膜条件等の補正を行ない、この補正に基づき原料ガス供給部11より供給される原料ガスの供給等が制御される。尚、第1の光源41及び第2の光源42は、比較的広い波長帯域の光を出射する白色光源等により形成されている。また、第1の光学素子43及び第2の光学素子44は、一方の側から入射する光、即ち、第1の光源41及び第2の光源42から入射する光を透過し、一方の側とは反対の他方の側から入射する光、即ち、基板20において反射した光を偏向する機能を有している。また、第1の光検出器45及び第2の光検出器46は、基板20において反射された光の反射スペクトルを検出するものであり、広い帯域の光を検出することができるものである。
本実施の形態では、第1の光源41から出射された光は、第1の光学素子43を透過し、窓部30を介し基板20の中心部20aに照射される。基板20の中心部20aに照射された光は、基板20に成膜されている半導体膜において反射され、窓部30を介し第1の光学素子43に入射し偏向された後、第1の光検出器45に入射する。また、第2の光源42から出射された光は、第2の光学素子44を透過し、窓部30を介し基板20の周辺部20bに照射される。基板20の周辺部20bに照射された光は、基板20に成膜されている半導体膜において反射され、窓部30を介し第2の光学素子44に入射し偏向された後、第2の光検出器46に入射する。
本実施の形態における成膜装置は、サセプタ21は基板20の中心部20aを中心に回転することができるように形成されており、サセプタ21の回転に同期して基板20の周辺部20bにおける任意の点の反射スペクトルを計測することができる。このように、サセプタ21を回転させることにより、例えば、基板20の周辺部20bにおいて、90°毎に4点計測すること等が可能である。尚、上記においては、基板20の測定箇所を中心部20aと周辺部20bとした場合について説明したが、基板20における周辺部における異なる2点であってもよい。
また、第1の光検出器45及び第2の光検出器46は、基板20の表面に半導体膜のエピタキシャル成長を行いながら、エピタキシャル成長された半導体膜からの所定の波長範囲の反射スペクトルの測定を行なうことができるものである。この反射スペクトルに基づき、エピタキシャル成長により成膜されている膜の膜厚を測定することができる。
(成膜方法)
次に、本実施の形態における成膜方法について説明する。本実施の形態における成膜方法は、半導体膜をエピタキシャル成長により成膜するための成膜方法であり、図1に示される本実施の形態におけるMOCVD装置を用いた成膜方法である。本実施の形態における成膜方法において、反射波長が780nmとなるような半導体DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射鏡)を形成する場合について、図2に基づき説明する。尚、本実施の形態では、基板20を単にウエハと記載する場合がある。
最初に、ステップ102(S102)において、半導体DBRの成膜レシピを作成する。具体的には、半導体DBRを形成している高屈折率層と低屈折率層のペア数等の条件の設定を行なう。
次に、ステップ104(S104)において、半導体DBRを形成している高屈折率層と低屈折率層の成膜条件(第1の成膜条件)の設定を行なう。具体的には、成膜時における反応炉10内における圧力等の成膜条件の設定を行なう。
次に、ステップ106(S106)において、基板20であるGaAs基板の上に、低屈折率層と高屈折率層とからなる1ペアの半導体DBRを成膜する。具体的には、GaAs基板上に、光学膜厚がλ/4となる厚さ64nmのAlAs膜を成膜し、次に、光学膜厚がλ/4となる厚さ56nmのGaAs膜(第1のGaAs膜)を成膜する(第1の成膜工程)。成膜の開始及び停止は、MOCVD装置における制御部47等において行ない、原料バルブの開閉と連動したトリガを制御部47から第1の光検出器45及び第2の光検出器46に送信する。尚、第1のGaAs膜は、GaAsまたはGaAsを含む材料により形成されおり、本実施の形態においては、第1の半導体膜と記載する場合がある。また、AlAs膜と第1のGaAs膜とが積層された半導体DBRを第1の半導体膜を含む積層体と記載する場合がある。また、この工程において成膜される半導体DBRは1ペアに限られるものではなく、複数のペアであってもよい。
次に、ステップ108(S108)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により反射スペクトルの計測を行なう。具体的には、トリガを受けた第1の光検出器45及び第2の光検出器46は、1ペアの半導体DBRを成膜した後、基板20の中央部20a及び周辺部20bにおける反射スペクトルを測定する。尚、この状態においては、半導体膜の成膜は停止しているものとする。
次に、ステップ110(S110)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46において測定した反射スペクトルに基づき、各々の測定点における膜厚分布評価を行なう。これにより各々の測定点における第1のGaAs膜の膜厚を算出する。具体的には、測定した反射スペクトルと、所望の膜厚を仮定して計算した反射スペクトルとを比較し、差分が最も小さくなるような膜厚を真値とみなすような評価を行なう。この計算は、制御部47において行ってもよいが、成膜装置内に設けられたコンピュータや成膜装置に接続されたコンピュータにおいて計算を行ってもよい。このように算出された膜厚から、基板20であるウエハにおける面内の中心部20aと周辺部20bにおける第1のGaAs膜の膜厚分布を得ることができる。この際、第2の光検出器46により、基板20の周辺部20bの複数の測定点において測定を行なっていれば、測定した数だけ分布データを得ることができる。尚、本実施の形態においては、ステップ108及びステップ110が、第1の測定工程に相当する。
次に、ステップ112(S112)において、ステップ110において得られた第1のGaAs膜の膜厚分布に基づき成膜条件(第1の成膜条件)を補正するか否かが判断される。成膜条件を補正する必要がないものと判断された場合には、ステップ114に移行する。一方、成膜条件を補正する必要があるものと判断された場合には、ステップ116に移行する。
次に、ステップ114(S114)において、光学的な膜厚がλ/2となるGaAs膜をさらに成膜する。これはステップ112において、成膜条件(第1の成膜条件)を補正する必要がないものと判断されたため、この成膜条件で光学的な膜厚がλ/2となるGaAs膜をさらに成膜する。これにより、ステップ106において成膜された光学的膜厚がλ/4のGaAs膜(第1のGaAs膜)とあわせて、GaAs膜の膜厚は3λ/4となる。
次に、ステップ116(S116)において、補正した成膜条件(第2の成膜条件)により光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第2のGaAs膜)を成膜する(第2の成膜工程)。具体的には、例えば、ステップ108及びステップ110において、周辺部20bにおける測定を90°毎に4点の測定点で測定した結果、いずれの測定点においても、中心部20aより成長レートが1%速かったとする。この場合には、この結果に基づき、半導体膜の成膜条件の補正(調整)を行なう。この際、例えば、予め実験等において、基板ホルダ22のポジションを変更すれば、この分布差を減少させることができるということが解っている場合には、所定のポジションに基板ホルダ22を移動させる。例えば、図1において、基板ホルダ22を矢印Aに示される方向に、0.1mm移動させることが最適であると見積もられた場合には、基板ホルダ22を矢印Aに示す方向に、0.1mm移動した後、光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第2のGaAs膜)を成膜する。尚、第2のGaAs膜は、GaAsまたはGaAsを含む材料により形成されおり、本実施の形態においては、第2の半導体膜と記載する場合がある。
次に、ステップ118(S118)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により反射スペクトルの計測を行なう。具体的には、ステップ116において、光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第2のGaAs膜)を成膜した後、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により、基板20の中央部20a及び周辺部20bにおける反射スペクトルの測定を行なう。
次に、ステップ120(S120)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により測定した反射スペクトルに基づき、各々の測定点における膜厚分布評価を行なう。具体的には、測定した反射スペクトルと所望の膜厚を仮定して計算した反射スペクトルとを比較し、差分が最も小さくなるような膜厚を真値とみなすような評価を行なう。これにより各々の測定点における第2のGaAs膜の膜厚を算出する。この計算は、制御部47において行ってもよいが、成膜装置内に設けられたコンピュータや成膜装置に接続されたコンピュータにおいて計算を行ってもよい。このように算出された膜厚から、基板20であるウエハにおける面内の中心部20aと周辺部20bにおける第2のGaAs膜の膜厚分布を得ることができる。この際、第2の光検出器46により、基板20の周辺部20bの複数の測定点において測定を行なっていれば、測定した数だけ分布データを得ることができる。尚、この工程では、ステップ108における反射スペクトルの測定において得られた結果に基づき、その差分から増加した分のGaAs膜の膜厚を算出することができる。尚、本実施の形態においては、ステップ118及びステップ120が、第2の測定工程に相当する。
次に、ステップ122(S122)において、ステップ120において得られた第2のGaAs膜の膜厚分布に基づき成膜条件(第2の成膜条件)を補正するか否かが判断される。成膜条件を補正する必要がないものと判断された場合には、ステップ124に移行する。一方、成膜条件を補正する必要があるものと判断された場合には、ステップ116に移行する。尚、この際、再び行なわれるステップ116では、例えば、基板20の中心部20aと周辺部20bとにおける調整を行なった後であるため、基板20の中心部20aと周辺部20bとにおける膜厚は平均的には同じとなっている。
ここで、周辺部20bにおいて測定された4点において、±0.2%のバラツキが生じていた場合について考える。この場合、予め行なわれた実験等により、このようなバラツキは、反応炉10内における成膜の際の圧力を0.1Torr低くすることにより改善されることが解っているものとすると、次のGaAs膜の成膜においては、反応炉10内における成膜の際の圧力を0.1Torr低くした圧力となる成膜条件(次の第2の成膜条件)によりGaAs膜(次の第2のGaAs膜)の成膜を行なう(次の第2の成膜工程)。この後、再び行なわれるステップ118において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46を用いて反射スペクトルを測定し、更に、再び行なわれるステップ120において、各々の測定点における膜厚分布を評価する(次の第2の測定工程)。この結果、基板20の外周部20bにおける4点の測定点におけるバラツキが、目標とするバラツキの値以下である0.1%以下となっている場合には、この後、成膜条件の補正は不要であるため、ステップ122を介し、ステップS124に移行する。尚、ステップ116、ステップ118、ステップ120は、ステップ122において成膜条件を補正する必要がないものと判断されるまで繰り返される。
次に、ステップ124(S124)において、成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚(第1のGaAs膜、第2のGaAs膜、次の第2のGaAs膜等が成膜されている場合には次の第2のGaAs膜等の光学的な膜厚の和)が、λ/4の奇数倍であって、かつ、3λ/4以上であるか否かが判断される。成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍ではないものと判断された場合には、ステップ126に移行する。一方、成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍であって、かつ、3λ/4以上であるものと判断された場合には、ステップ128に移行する。尚、この場合において、成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍ではないものと判断された場合とは、光学的な膜厚が、λ/4の偶数倍であることを意味するものであり、光学的な膜厚がλ/2である場合には、光学的な膜厚が、3λ/4以上とする条件も満たされていないこととなる。
次に、ステップ126(S126)において、光学的な膜厚がλ/4となる第3のGaAs膜をさらに成膜する。具体的には、ステップ124においてGaAs膜の光学的な膜厚がλ/4の偶数倍であるものと判断されているため、GaAs膜の膜厚をλ/4の奇数倍となるように、更に、光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第3のGaAs膜)を成膜する。このようなGaAs膜を成膜することにより、GaAs膜における光学的な膜厚を、λ/4の奇数倍であって、かつ、3λ/4以上にすることができる。尚、第3のGaAs膜は、GaAsまたはGaAsを含む材料により形成されおり、本実施の形態においては、第3の半導体膜と記載する場合がある。
ここで、均一性のための条件出しの工程で形成した第1の半導体膜を含む積層体である半導体DBRと最表面のGaAs膜は理想的な膜厚分布とは異なっているため、その上に後述する半導体DBRを最適な条件で形成しても、下の膜の分布の影響を受けて理想的な反射率の分布を有する半導体DBRになりにくくなってしまう可能性がある。そこで、第1の半導体膜を含む積層体である半導体DBRを形成した際の最表面の層をGaAsのように、後述する半導体DBRの設計波長の光のエネルギーよりバンドギャップが小さい材料を用い、これを3λ/4以上のλ/4の奇数倍となるように形成する。GaAsは狙いの波長よりバンドギャップが小さいので吸収があり、厚さを増加させれば、後述する半導体DBRにおける設計波長の光が透過しにくくなり、その下にある層の反射の影響が減衰される。そこで全体として半導体DBRの構造を崩さないように、λ/4の奇数倍で、しかも最低で3λ/4以上膜厚を形成することで、後述する半導体DBRが下部の不均一な構造の影響を受けにくくすることができる。ここではGaAsを例として用いたが、設計波長の光のエネルギーよりバンドギャップが小さい材料であればGaAsに限らない。例えば、Al0.05Ga0.95As等の材料であってもよい。
次に、ステップ128(S128)において、所定のペア数の半導体DBRを成膜する。具体的には、ステップ104において最初に設定された成膜条件から、矢印Aに示す方向に、基板ホルダ22を0.1mm移動し、反応炉10内の圧力を0.1Torr低くした成膜条件が最適となることが解ったため、この条件により、所定のペア数の高屈折率層と低屈折率層を交互に積層形成することにより半導体DBRを成膜する。例えば、このように形成される半導体DBRとして、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs層と光学的な膜厚がAl0.34Ga0.66As層からなるペアを40ペア形成することにより、反射率を0.9999(99.99%)以上にすることができる。よって、この場合には、半導体DBRにおける光の吸収等を1×10−4以下にすることができる。
尚、半導体DBRにおけるペア数が多い場合、例えば、反射率が、0.999を超えるものである場合には、ステップ128を行なう前に形成されているGaAs膜の光学的な膜厚は、λ/4の奇数倍となるように形成しなくとも、反射率に与える影響を少ない。しかしながら、これよりも反射率が低い半導体DBRや、少ないペア数で高い反射率を得ようとする場合には、ステップ128を行なう前に形成されているGaAs膜の光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍となるように成膜することにより、反射率の低下を防ぐことができる。尚、本実施の形態における説明では、GaAs膜における光学的な膜厚が、3λ/4となる場合について説明したが、前述したように、GaAs膜における光学的な膜厚は、λ/4の奇数倍であって、かつ、3λ/4以上であればよい。
以上の成膜方法により、半導体DBRを高い均一性で高い反射率となるように形成することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態における成膜方法について説明する。本実施の形態における成膜方法に用いられる成膜装置は、第1の実施の形態における成膜装置において、第1の光源41及び第2の光源42として、特定波長の光を出射する光源、例えば、レーザ光源を用いたものである。また、第1の光検出器45及び第2の光検出器46は、半導体膜をエピタキシャル成長している状態において、特定の波長における反射率を測定することにより、半導体膜の膜厚の変化に伴う反射率の変化(ファブリペロー振動)を計測することができるものである。これにより、成長中の半導体膜の膜厚の変化を知ることができる。本実施の形態における成膜方法において、反射波長が780nmとなるような半導体DBRを形成する場合について、図3に基づき説明する。
最初に、ステップ202(S202)において、半導体DBRの成膜レシピを作成する。具体的には、半導体DBRを形成している高屈折率層と低屈折率層のペア数等の条件の設定を行なう。
次に、ステップ204(S204)において、半導体DBRを形成している高屈折率層と低屈折率層の成膜条件(第1の成膜条件)の設定を行なう。具体的には、成膜時における反応炉10内における圧力等の成膜条件の設定を行なう。
次に、ステップ206(S206)において、基板20であるGaAs基板の上に、低屈折率層と高屈折率層とからなる1ペアの半導体DBRを成膜する。具体的には、GaAs基板上に、光学膜厚がλ/4となる厚さ64nmのAlAs膜を成膜し、次に、光学膜厚がλ/4となる厚さ56nmのGaAs膜(第1のGaAs膜)を成膜する(第1の成膜工程)。成膜の開始及び停止は、MOCVD装置における制御部47等において行ない、原料バルブの開閉と連動したトリガを制御部47から第1の光検出器45及び第2の光検出器46に送信する。尚、第1のGaAs膜は、GaAsまたはGaAsを含む材料により形成されおり、本実施の形態においては、第1の半導体膜と記載する場合がある。
次に、ステップ208(S208)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により反射率の変化を測定する。具体的には、トリガを受けた第1の光検出器45及び第2の光検出器46は、1ペアの半導体DBRを成膜の開始に伴い、基板20の中央部20a及び周辺部20b等の各々の測定点における反射率をin-situで測定することにより、反射率の変化(ファブリペロー振動)を測定する。
次に、ステップ210(S210)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46において測定したファブリペロー振動に基づき、各々の測定点における膜厚分布評価を行なう。このように算出された膜厚から、基板20であるウエハにおける面内の中心部20aと周辺部20bの膜厚分布を得ることができる。この際、第2の光検出器46により、周辺部20bの複数の測定点において測定を行なっていれば、測定した数だけ分布データを得ることができる。尚、本実施の形態においては、ステップ208及びステップ210が第1の測定工程に相当する。
次に、ステップ212(S212)において、ステップ210において得られた第1のGaAs膜の膜厚分布に基づき成膜条件(第1の成膜条件)を補正するか否かが判断される。成膜条件を補正する必要がないものと判断された場合には、ステップ214に移行する。一方、成膜条件を補正する必要があるものと判断された場合には、ステップ216に移行する。
次に、ステップ214(S214)において、光学的な膜厚がλ/2となるGaAs膜をさらに成膜する。これはステップ212において、成膜条件(第1の成膜条件)を補正する必要がないものと判断されたため、この成膜条件で光学的な膜厚がλ/2となるGaAs膜をさらに成膜する。これにより、ステップ206において成膜された光学的膜厚がλ/4のGaAs膜(第1のGaAs膜)とあわせて、GaAs膜の膜厚は3λ/4となる。
次に、ステップ216(S216)において、補正した成膜条件(第2の成膜条件)により光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第2のGaAs膜)を成膜する(第2の成膜工程)。具体的には、例えば、ステップ208及びステップ210において、周辺部20bにおける測定を90°毎に4点の測定点で測定した結果、いずれの測定点においても、中心部20aより成長レートが1%速かったとする。この場合には、この結果に基づき、半導体膜の成膜条件の補正(調整)を行なう。この際、例えば、予め実験等において、基板ホルダ22のポジションを変更すれば、この分布差を減少させることができるということが解っている場合には、所定のポジションに基板ホルダ22を移動させる。例えば、図1において、基板ホルダ22を矢印Aに示される方向に、0.1mm移動させることが最適であると見積もられた場合には、基板ホルダ22を矢印Aに示す方向に、0.1mm移動した後、光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第2のGaAs膜)を成膜する。尚、第2のGaAs膜は、GaAsまたはGaAsを含む材料により形成されおり、本実施の形態においては、第2の半導体膜と記載する場合がある。
次に、ステップ218(S218)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により反射率の変化を測定する。具体的には、ステップ216において、光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第2のGaAs膜)を成膜した後、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により、基板20の中央部20a及び周辺部20bにおける反射率をin-situで測定し反射率の変化(ファブリペロー振動)を測定する。尚、本実施の形態においては、GaAs膜を成膜しながら、ファブリペロー振動を計測することができるため、その振動周期より補正された後の成膜条件における成膜レートを略リアルタイムで推定できる。これは予め解っている膜構造のものの上に、組成が決まっている層を成膜した場合、成膜される層におけるファブリペロー振動は、計算により予測可能であり、反射率の変化に伴う膜厚変動を推定することにより、成膜レートを推定することができる。このように、本実施の形態における成膜方法においては、ファブリペロー振動に基づき成膜レートを算出することができるが、これは、反射スペクトルに基づき成膜レートを求める場合と比べて、リアルタイムで成膜レートを求めることができるため、より迅速にフィードバックを行なうことができる。
次に、ステップ220(S220)において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46により測定したファブリペロー振動に基づき、各々の測定点における膜厚分布評価を行なう。このように算出された膜厚から、基板20であるウエハにおける面内の中心部20aと周辺部20bにおける膜厚分布を得ることができる。この際、第2の光検出器46により、周辺部20bの複数の測定点において測定を行なっていれば、測定した数だけ分布データを得ることができる。尚、本実施の形態においては、ステップ218及びステップ220が、第2の測定工程に相当する。
次に、ステップ222(S222)において、ステップ220において得られた第2のGaAs膜の膜厚分布に基づき成膜条件(第2の成膜条件)を補正するか否かが判断される。成膜条件を補正する必要がないものと判断された場合には、ステップ224に移行する。一方、成膜条件を補正する必要があるものと判断された場合には、ステップ116に移行する。尚、この際、再び行なわれるステップ216では、例えば、基板20の中心部20aと周辺部20bとにおける調整を行なった後であるため、基板20の中心部20aと周辺部20bとにおける膜厚は平均的には同じとなっている。しかしながら、周辺部20bにおいて測定された4点において、±0.2%のバラツキが生じていた場合について考える。この場合、予め行なわれた実験等により、このようなバラツキは、反応炉10内における成膜の際の圧力を0.1Torr低くすることにより改善されることが解っているものとすると、次のGaAs膜の成膜においては、反応炉10内における成膜の際の圧力を0.1Torr低くした圧力となる条件(次の第2の成膜条件)により、GaAs膜(次の第2のGaAs膜)の成膜を行なう(次の第2の成膜工程)。この後、再び行なわれるステップ218において、第1の光検出器45及び第2の光検出器46を用いてファブリペロー振動を測定し、更に、再び行なわれるステップ220において、各々の測定点における膜厚分布を評価する(次の第2の測定工程)。この結果、基板20の外周部20bにおける4点の測定点におけるバラツキが、目標とするバラツキの値以下である0.1%以下となっている場合には、この後、成膜条件の補正は不要であるため、ステップ222を介し、ステップS224に移行する。尚、ステップ216、ステップ218、ステップ220は、ステップ222において成膜条件を補正する必要がないものと判断されるまで繰り返される。
次に、ステップ224(S224)において、成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚(第1のGaAs膜、第2のGaAs膜、次の第2のGaAs膜等が成膜されている場合には次の第2のGaAs膜等の光学的な膜厚の和)が、λ/4の奇数倍であって、かつ、3λ/4以上であるか否かが判断される。成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍ではないものと判断された場合には、ステップ226に移行する。一方、成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍であって、かつ、3λ/4以上であるものと判断された場合には、ステップ228に移行する。尚、この場合において、成膜されたGaAs膜における光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍ではないものと判断された場合とは、光学的な膜厚が、λ/4の偶数倍であることを意味するものであり、光学的な膜厚がλ/2である場合には、光学的な膜厚が、3λ/4以上とする条件も満たされていないこととなる。
次に、ステップ226(S226)において、光学的な膜厚がλ/4となる第3のGaAs膜をさらに成膜する。具体的には、ステップ224においてGaAs膜の光学的な膜厚がλ/4の偶数倍であるものと判断されているため、GaAs膜の膜厚をλ/4の奇数倍となるように、更に、光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜(第3のGaAs膜)を成膜する。このようなGaAs膜を成膜することにより、GaAs膜における光学的な膜厚を、λ/4の奇数倍であって、かつ、3λ/4以上にすることができる。尚、第3のGaAs膜は、GaAsまたはGaAsを含む材料により形成されおり、本実施の形態においては、第3の半導体膜と記載する場合がある。
次に、ステップ228(S228)において、所定のペア数の半導体DBRを成膜する。具体的には、ステップ204において最初に設定された成膜条件から、矢印Aに示す方向に、基板ホルダ22を0.1mm移動し、反応炉10内の圧力を0.1Torr低くした成膜条件が最適となることが解ったため、この条件により、所定のペア数の高屈折率層と低屈折率層を交互に積層形成することにより半導体DBRを成膜する。例えば、このように形成される半導体DBRとして、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs層と光学的な膜厚がAl0.34Ga0.66As層からなるペアを40ペア形成することにより、反射率を0.9999(99.99%)以上にすることができる。よって、この場合には、半導体DBRにおける光の吸収等を1×10−4以下にすることができる。
尚、半導体DBRにおけるペア数が多い場合、例えば、反射率が、0.999を超えるものである場合には、ステップ228を行なう前に形成されているGaAs膜の光学的な膜厚は、λ/4の奇数倍となるように形成しなくとも、反射率に与える影響を少ない。また、3λ/4以上の厚さであれば、バンドギャップの小さいGaAsによる吸収により、第1の半導体膜を含む積層体である半導体DBRの不均一性の影響を小さくすることができ、発明の目的は達成される。しかしながら、これよりも反射率が低い半導体DBRや、少ないペア数で高い反射率を得ようとする場合には、GaAs膜の光学的な膜厚が、λ/4の奇数倍となるように成膜することにより、反射率の低下を防ぐことができる。尚、本実施の形態における説明では、GaAs膜は光学的な膜厚が、3λ/4となる場合について説明した。
以上の成膜方法により、半導体DBRを高い均一性で高い反射率となるように形成することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態における成膜方法において形成されるものは、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、AlAs膜の上に最初に形成されるGaAs膜の厚さが1μm以上形成されているものである。具体的には、図4に示されるように、反射波長が780nmとなるような半導体DBRを形成する場合において、最初に、GaAs基板110の上に、AlAs膜121とGaAs膜122をペアとする1ペアの半導体DBRを成膜し、この上に、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層形成することにより半導体DBR130を形成する。半導体DBR130は、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs層と光学的な膜厚がλ/4となるAl0.34Ga0.66As層からなるペアを40ペア積層することにより形成する。この際形成されるGaAs膜122における光学的な厚さは、21λ/4となるように、即ち、実際の厚さが1176nmとなるように形成されている。このようにGaAs膜122の厚さを1μm以上形成することにより、バンドギャップの小さなGaAsによる吸収が大きくなり、これより下に透過する光の透過率を減少させることができる。これにより、第1の半導体膜を含む積層体である半導体DBRの影響を受けることなく、均一な条件で形成された半導体DBRを得ることが可能となる。尚、AlAs膜121は、光学的な厚さがλ/4となるように形成されている。
ここで、図5(a)に示されるように、GaAs基板110の上に、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs膜121及び光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜922を順次積層して形成されたものにおいて、波長が780nmにおける光の透過率を測定したところ、0.357(35.7%)であった。これに対し、図5(b)に示されるように、本実施の形態における成膜方法により成膜されたもの、即ち、GaAs基板110の上に、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs膜121及び光学的な膜厚が21λ/4となるGaAs膜122を順次積層して形成されたものにおいて、波長が780nmにおける光の透過率を測定したところ、0.0377(3.77%)であり、図5(a)に示す構造のものと比較して、透過率が一桁程度小さくなる。このように透過率を一桁程度減少させることにより、光学的な方法により膜厚測定を行う場合における影響が一層少なくなり、より特性のよい半導体DBRを作製することができる。
また、本実施の形態は、図6(b)に示されるように、最初の1ペアの第1の半導体膜を含む積層体となる半導体DBR120の上に、高屈折率層となるAl0.05Ga0.95As膜124を光学的な厚さが20λ/4となるように形成してもよい。これにより、最初の1ペアの第1の半導体膜を含む積層体となる半導体DBR120の最表面のGaAs膜123とAl0.05Ga0.95As膜124とを合わせた光学的な膜厚が21λ/4となる。このように、この上に積層される半導体DBRの設計波長の光のエネルギーよりバンドギャップが小さい材料であれば、最初の1ペアの第1の半導体膜を含む積層体となる半導体DBR120の最表面の高屈折率層であるGaAs膜123と異なる組成の材料により形成されている場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、最初の1ペアの第1の半導体膜を含む積層体となる半導体DBR120は、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs膜121と光学的な膜厚がλ/4となるGaAs膜123とを積層することにより形成されている。また、図6(a)に示されるものは、図5(a)に示されるものと同様のものであり、上記以外の内容については、図5において説明した内容と同様である。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態または第2の実施の形態における成膜方法を用いた面発光レーザの製造方法である。本実施の形態は、780nm帯のVCSELの製造方法である。
図7に基づき、本実施の形態における面発光レーザの製造方法について説明する。本実施の形態は、図4に示される第3の実施の形態における成膜方法により成膜された構造のものを用いた面発光レーザの製造方法である。
図7に示されるように、本実施の形態における面発光レーザの製造方法は、GaAs基板110の上に、MOCVDにより半導体層を積層形成することにより作製することができる。具体的には、最初に、GaAs基板110の上に、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs膜121、光学的な膜厚が21λ/4となるGaAs膜122、下部半導体DBRとなる半導体DBR130、共振器領域140、上部半導体DBR150を積層形成する。
尚、下部半導体DBRとなる半導体DBR130は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層して形成されているものであり、本実施の形態においては、光学的な膜厚がλ/4となるAlAs層と光学的な膜厚がλ/4となるAl0.34Ga0.66As層からなるペアが40ペア積層形成されている。尚、下部半導体DBRとなる半導体DBR130には、全体に不純物元素としてSiがドープされており、n型となっている。また、GaAs基板110、AlAs膜121、GaAs膜122においても不純物元素としてSiがドープされており、n型となっている。
また、共振器領域140は、下部スペーサ層141、活性層142、上部スペーサ層143が積層形成されており、共振器領域140における光学的な厚さは、1λとなるように形成されている。下部スペーサ層141及び上部スペーサ層143は、アンドープのGaInPにより形成されており、活性層142は、GaInAsPを含む構造のTQW(triple quantum well:3重量子井戸)構造により形成されている。
また、上部半導体DBR150は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層して形成されているものであり、本実施の形態においては、光学的な膜厚がλ/4となるAl0.34Ga0.66As層と光学的な膜厚がλ/4となるAl0.9Ga0.1As層からなるペアが24ペア積層形成されているものである。尚、上部半導体DBR150においては、全体に不純物元素としてCがドープされており、p型となっている。また、共振器領域140から1ペア目には、Al0.9Ga0.1As層に代えて電流狭窄層となるAlAs層151が形成されており、不図示のメサを形成した後、酸化を行なうことにより、メサの側面において露出している部分よりAlAs膜が酸化され、選択酸化領域151aが形成される。この際、電流狭窄層となるAlAs層151において酸化されなかったメサの中央部は電流狭窄領域151bとなっている。また、上部半導体DBR150の上には、不図示のコンタクト層を介し上部電極161が設けられており、GaAs基板110の裏面には下部電極162が設けられている。この面発光レーザでは、上部電極161と下部電極162との間に電流を流すことにより、電流狭窄層となるAlAs層151において電流狭窄領域151bに電流を集中して流すことができる。
本実施の形態における面発光レーザの製造方法では、下部半導体BDRの反射率を均一に高く形成することができるため、良好な特性の面発光レーザを高い歩留りで製造することができる。尚、上記以外の内容については、第1または第2の実施の形態、第3の実施の形態と同様である。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
10 反応炉
11 原料ガス供給部
20 基板
20a 基板の中心部
20b 基板の周辺部
21 サセプタ
22 基板ホルダ
30 窓部
41 第1の光源
42 第2の光源
43 第1の光学素子
44 第2の光学素子
45 第1の光検出器
46 第2の光検出器
47 制御部
110 GaAs基板
121 AlAs膜
122 GaAs膜
130 半導体DBR(下部半導体DBR)
140 共振器領域
141 下部スペーサ層
142 活性層
143 上部スペーサ層
150 上部半導体DBR
151 電流狭窄層
151a 選択酸化領域
151b 電流狭窄領域
161 上部電極
162 下部電極
特許第3624476号公報 米国特許出願公開第2002/0113971号明細書

Claims (10)

  1. 高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層形成することにより半導体DBRを形成する成膜方法において、
    基板の上に、第1の成膜条件により、光学的な膜厚がそれぞれλ/4となる少なくとも1ペア以上の、低屈折率層と、前記半導体DBRの設計波長のエネルギーよりバンドギャップの小さい材料からなる第1の半導体膜である高屈折率層と、を交互に積層した第1の半導体膜を含む積層体を成膜する第1の成膜工程と、
    前記第1の半導体膜を含む積層体の異なる位置に各々光を照射し、前記第1の半導体膜を含む積層体において反射された各々の光を検出することにより、前記異なる位置における前記第1の半導体膜を含む積層体の膜厚を計測し、前記計測された膜厚に基づき前記第1の半導体膜を含む積層体における膜厚分布を測定する第1の測定工程と、
    前記第1の測定工程において得られた膜厚分布に基づき、面内分布が前記第1の成膜条件よりも均一となる第2の成膜条件により、前記第1の半導体膜の上に、前記半導体DBRの設計波長のエネルギーよりバンドギャップの小さい材料からなる第2の半導体膜を光学的な膜厚がλ/4となるように成膜する第2の成膜工程と、
    前記第2の半導体膜の異なる位置に各々光を照射し、前記第2の半導体膜において反射された各々の光を検出することにより、前記異なる位置における前記第2の半導体膜の膜厚を計測し、前記計測された膜厚に基づき前記第2の半導体膜における膜厚分布を測定する第2の測定工程と、
    前記第2の半導体層の上に、前記半導体DBRの設計波長のエネルギーよりバンドギャップの小さい材料からなる第3の半導体層を形成するものであって、前記第1の半導体膜、前記第2の半導体膜、前記第3の半導体膜の光学的な膜厚の和が、3λ/4以上となるように、前記第3の半導体層を成膜する第3の成膜工程と、
    前記第3の半導体膜の上に、半導体材料により形成された高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層形成することにより半導体DBRを形成する多層膜成膜工程と、
    を有することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記各々の光が照射される前記異なる位置は、前記基板の中心部と周辺部とを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記第2の半導体膜における膜厚分布が、所望の膜厚分布の範囲内とはなってはいない場合には、前記膜厚分布が所望の膜厚分布となるまで、
    前記成膜条件とは異なる成膜条件により、前記第2の成膜工程と、前記第2の測定工程とを繰り返し行なうものであることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方法。
  4. 前記第1の半導体膜の膜厚と、前記第2の半導体膜の膜厚と、前記第3の半導体膜の膜厚の和が、1μm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成膜方法。
  5. 前記第1の半導体膜の膜厚と、前記第2の半導体膜の膜厚と、前記第3の半導体膜の膜厚の和が、前記半導体DBRにおいて反射される光の波長をλとした場合、λ/4の奇数倍であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の成膜方法。
  6. 前記第3の成膜工程は、前記第1の半導体膜の膜厚と、前記第2の半導体膜の膜厚の和が、前記半導体DBRにおいて反射される光の波長をλとした場合、λ/4の奇数倍ではない場合には、前記和となる膜厚が、3λ/4以上であって、λ/4の奇数倍となるように、前記第3の半導体膜を形成することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の成膜方法。
  7. 前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜に照射される光は白色光であって、前記反射された光の反射スペクトルを測定することにより、前記第1の測定工程において前記第1の半導体膜の膜厚分布測定し、前記第2の測定工程において前記第2の半導体膜の膜厚分布測定するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の成膜方法。
  8. 前記第1の半導体膜及び前記第2の半導体膜に照射された光の反射光の反射率の変化(ファブリペロー振動)をin-situにおいて計測することにより、前記第1の測定工程において前記第1の半導体膜の膜厚分布測定し、前記第2の測定工程において前記第2の半導体膜の膜厚分布測定するものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の成膜方法。
  9. 前記第1の成膜工程、前記第2の成膜工程、前記第3の成膜工程、前記多層膜成膜工程は、MOCVDにより行なわれるものであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の成膜方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の成膜方法を含むものであって、
    前記ブラッグ反射鏡は下部半導体DBRであり、
    前記下部半導体DBRの上に、活性層を含む共振器領域を形成する工程と、
    前記共振器領域の上に、上部半導体DBRを形成する工程と、
    を有する面発光レーザの製造方法。
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