JP2013217705A - 原子力プラントにおける破損燃料取出し方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シビアアクシデント後に原子炉圧力容器内から固化デブリを容易に取り出すことの可能な原子力プラントにおける破損燃料取出し方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、原子炉圧力容器の底部に固化デブリが堆積した場合、固化デブリに強酸を供給する強酸供給ステップS4と、強酸供給ステップS4の後に、強酸により固化デブリ内の原子炉燃料を溶解させて液体化する燃料溶解ステップS5と、燃料溶解ステップS5より液体化した反応生成物を原子炉圧力容器の外部に取り出す反応生成物取出しステップS6と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】実施形態によれば、原子炉圧力容器の底部に固化デブリが堆積した場合、固化デブリに強酸を供給する強酸供給ステップS4と、強酸供給ステップS4の後に、強酸により固化デブリ内の原子炉燃料を溶解させて液体化する燃料溶解ステップS5と、燃料溶解ステップS5より液体化した反応生成物を原子炉圧力容器の外部に取り出す反応生成物取出しステップS6と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、原子力プラントにおける破損燃料取出し方法に関する。
一般に、原子力プラントでは、いわゆるシビアアクシデント呼ばれる、炉心燃料が破損、溶融する事故が極めてまれに生じる。
シビアアクシデントでは、炉心部の燃料と被覆管等の炉内構造物が溶融し、これらが混ざりながら原子炉圧力容器の下部へ流下する。以下、この燃料、被覆管等の炉内構造物が混ざった状態の物質をデブリという。言うまでもなく、事故の対応として、炉内のデブリを冷却する作業が行われるが、原子炉圧力容器の健全性が保たれていれば、炉心部に残存したデブリや原子炉圧力容器の下部のデブリは、それらの箇所で固化する。
上記デブリは、さまざまな放射性物質を含んでいる。したがって、事故後、原子炉圧力容器内で固化した固化デブリをそのまま放置するためには、再臨界を防止する等、事故プラントを極めて厳しい管理下におく必要がある。そのため、事故後に上記固化デブリを原子炉圧力容器から取り出すことが検討される。
過去の固化デブリの取出し作業では、デブリに対して遮蔽するために原子炉圧力容器の上蓋の取付部付近まで水を張り、原子炉圧力容器の上蓋を取り外した後、その上蓋の取付部に作業台を設置して取出し作業が行われた。原子炉圧力容器内の固化デブリは、最上層にルースデブリと呼ばれる瓦礫のような物質が形成され、その下に溶融物が再固化した非常に固いデブリの層が形成されていた。この固いデブリの層を取り出すためには、上記作業台に開口された小孔からドリルのような破砕装置を挿入し、破砕装置を用いて固化デブリを砕いた後、原子炉圧力容器内に設置したデブリ取出し用のキャニスターに収納する一連の作業が行われた(例えば、非特許文献1参照)。
NRC ADAMS: ML111100641 "GPU NUCLEAR three mile island unit 2 nuclear station defueling completion report," 2011年4月発行
しかしながら、過去の事案では、固く固化した固化デブリが極めて困難な取出し作業を強いることとなり、作業完了までに約11年を要した。
現在でも上記取出し作業を簡便にする等の作業改善のための有効な方策は提案されていない。これは、燃料溶融につながる事故が極めてまれであることに起因する。
本発明の実施形態は、シビアアクシデント後に原子炉圧力容器内から固化デブリを容易に取り出すことの可能な原子力プラントにおける破損燃料取出し方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法は、原子炉圧力容器の底部に固化デブリが堆積した場合、前記固化デブリに強酸を供給する強酸供給ステップと、前記強酸供給ステップの後に、前記強酸により前記固化デブリ内の原子炉燃料を溶解させて液体化する燃料溶解ステップと、前記燃料溶解ステップより液体化した反応生成物を前記原子炉圧力容器の外部に取り出す反応生成物取出しステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、シビアアクシデント後に原子炉圧力容器内から固化デブリを容易に取り出すことが可能となる。
以下に、本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態では、原子炉として沸騰水型原子炉に適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第1実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図2は第1実施形態において固化デブリを取り出す工程を示すフローチャートである。なお、図1はシビアアクシデント時の原子炉圧力容器内の一例を示している。
(構成)
図1は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第1実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図2は第1実施形態において固化デブリを取り出す工程を示すフローチャートである。なお、図1はシビアアクシデント時の原子炉圧力容器内の一例を示している。
図1に示すように、原子炉圧力容器1は、軸を鉛直方向として設置されている。原子炉圧力容器1内には、中央部よりやや下部に多数の燃料集合体を収納する炉心2が設置されている。この炉心2を構成するシュラウド3の上方には、下方から順に気水分離器9、ドライヤ10が設置されている。原子炉通常運転時では、原子炉圧力容器1は、上端開口が上蓋4により閉止されている。
原子力プラントのシビアアクシデント後には、原子炉圧力容器1の底部で固化した固化デブリ6が堆積している。ここで、シビアアクシデントとは、原子炉の水位の低下により炉心2が露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって炉心2の燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心2の燃料と被覆管等の炉内構造物が溶融し、これらが混ざりながら原子炉圧力容器1の底部へ流下することをいう。このシビアアクシデント後の固化デブリ6は、最上層にルースデブリ6aと呼ばれる瓦礫のような物質が形成され、その下に溶融物が再固化した非常に固いデブリ6bの層が形成されている。
原子炉圧力容器1内は、上蓋4の取付部付近まで水が張られている。そして、図1に示すように原子炉圧力容器1から上蓋4を取り外した後、原子炉圧力容器1の上蓋4の取付部に作業台5が設置される。
作業台5には、原子炉圧力容器1内の底部に強酸である硝酸を供給のための供給配管11と、硝酸を供給した分量の炉水を排出するための排水管12と、硝酸と固化デブリ6との反応により液体化した反応生成物を排出するための取出し配管13が設けられる。
供給配管11及び取出し配管13の先端は、原子炉圧力容器1の底部まで挿入されている。排水管12の先端は、原子炉圧力容器1の上部に挿入されている。
(作用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
原子力プラントにシビアアクシデントが発生した場合、原子炉圧力容器1の底部に固化デブリ6が堆積している。この固化デブリ6を取り出す工程を図2に基づいて説明する。
まず、ステップS1では、原子炉圧力容器1内の上蓋4の取付部付近まで水を張る。ステップS2では、原子炉圧力容器1から上蓋4を取り外す。ステップS3では、原子炉圧力容器1の上蓋4の取付部に作業台5を設置する。
次いで、ステップS4では、供給配管11から水よりも比重の大きな硝酸を原子炉圧力容器1の底部に堆積した固化デブリ6に供給する。この場合、水と硝酸との比重差を利用して両者の混合を回避する。その際、原子炉圧力容器1内の液体の体積を一定量に管理するため、排水管12から硝酸を供給した分量の炉水を原子炉圧力容器1の外部に排出する。
さらに、ステップS5では、原子炉圧力容器1の底部に硝酸が供給されると、固化デブリ6内の原子炉燃料である二酸化ウラン(UO2)が硝酸に溶解し、水や硝酸よりも比重の大きな液体である反応生成物として硝酸ウラニル(UO2(NO3)2)が生成される。同時に、プルトニウムと硝酸による反応生成物、及び核分裂生成物と硝酸による反応生成物も生成される。
その後、ステップS6では、液体化した上記反応生成物を取出し配管13を通して原子炉圧力容器1の外部に取り出す。以上の一連の工程を経て固化デブリ6が取り出される。
したがって、本実施形態では、固化デブリ6が堆積している原子炉圧力容器1内の底部に硝酸を供給し、燃料の主成分であるウラン、燃焼した燃料の中に生成するプルトニウム、及び硝酸に溶解する核分裂生成物を溶解させて液体化させることにより、それら物質を簡便に取り出すことが可能になる。
また、本実施形態によって、ウランとプルトニウムの大部分を原子炉圧力容器1の外部へ取り出すことにより、ウランとプルトニウムの取り出し後における、それら以外の物質の取り出し作業の際の臨界管理が不要になる。
(効果)
このように本実施形態によれば、原子炉圧力容器1の底部に原子炉燃料を溶解させる硝酸を供給し、この硝酸により固化デブリ6内の原子炉燃料を溶解させて液体化し、この液体化した反応生成物を原子炉圧力容器1の外部に取り出すことにより、シビアアクシデント後の原子炉圧力容器1内から固化デブリ6を容易に取り出すことが可能となる。
このように本実施形態によれば、原子炉圧力容器1の底部に原子炉燃料を溶解させる硝酸を供給し、この硝酸により固化デブリ6内の原子炉燃料を溶解させて液体化し、この液体化した反応生成物を原子炉圧力容器1の外部に取り出すことにより、シビアアクシデント後の原子炉圧力容器1内から固化デブリ6を容易に取り出すことが可能となる。
(第2実施形態)
図3は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第2実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。なお、以下の実施形態では、前記第1実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。
図3は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第2実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。なお、以下の実施形態では、前記第1実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。
図3に示すように、本実施形態は、原子炉圧力容器1内にドリル8が設置される。本実施形態は、図2のステップS4の硝酸を供給する工程の前に、破砕装置であるドリル8により原子炉圧力容器1の底部に堆積した固化デブリ6を破砕する工程を設けている。
したがって、本実施形態では、ドリル8を用いて原子炉圧力容器1の底部に堆積した固化デブリ6を砕くことで、砕かれた固化デブリ6の表面積が大きくなる。そのため、硝酸と固化デブリ6との接触面積が増大し、溶解反応を促進することが可能となる。
このように本実施形態によれば、硝酸を供給する工程の前に、ドリル8により固化デブリ6を破砕することにより、硝酸と固化デブリ6との溶解反応を促進するため、固化デブリ6の取出し時間を短縮することができる。
(第3実施形態)
図4は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第3実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。
図4は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第3実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。
図4に示すように、本実施形態では、前記第1実施形態又は第2実施形態において原子炉圧力容器1の底部に撹拌器14を設置する。本実施形態では、供給配管11から原子炉圧力容器1内の底部に硝酸を供給した後、硝酸により二酸化ウラン(UO2)を溶解するステップS5において撹拌器14により硝酸を撹拌する。
したがって、本実施形態では、撹拌器14で硝酸を撹拌することにより、固化デブリ6の周囲に硝酸の流れが生じるため、硝酸と固化デブリ6との溶解反応が促進される。また、本実施形態では、撹拌器14で撹拌することにより、硝酸と固化デブリ6との反応生成物が一箇所に集まることを防ぐことが可能になるため、臨界管理の点から有効である。
このように本実施形態によれば、原子炉燃料を溶解するときに撹拌器14で硝酸を撹拌することにより、硝酸と固化デブリ6との溶解反応を促進するため、固化デブリ6の取出し時間を短縮することができる。
(第4実施形態)
図5は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第4実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図6は図5の容器を原子炉圧力容器の底部に吊り下ろした状態を示す拡大断面図である。なお、図6では、原子炉圧力容器内に設置されたシュラウド、炉心等の図示を省略している。
図5は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第4実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図6は図5の容器を原子炉圧力容器の底部に吊り下ろした状態を示す拡大断面図である。なお、図6では、原子炉圧力容器内に設置されたシュラウド、炉心等の図示を省略している。
図5及び図6に示すように、本実施形態では、前記第1実施形態の原子炉圧力容器1内の底部に予め硝酸を収容した容器15が吊り下ろされて設置されている。また、本実施形態では、前記第2実施形態によって破砕された固化デブリ6をマニピュレータ16の掴み部16aにより掴んで硝酸を収容した容器15内に入れるようにしている。マニピュレータ16は、作業台5の挿入孔から挿入され、その掴み部16aが原子炉圧力容器1の底部まで延びている。
したがって、本実施形態では、原子炉圧力容器1内の底部に予め硝酸を収容した容器15を設置する。次いで、この容器15内にマニピュレータ16の掴み部16aで掴んだ固化デブリ6を投入する。すると、硝酸を収容した容器15内で、固化デブリ6と硝酸の溶解反応が生じる。溶解反応終了後、容器15には、液体化した反応生成物が収容されている。この容器15を原子炉圧力容器1の外部に取り出す。
すなわち、本実施形態は、原子炉圧力容器1内の底部に予め硝酸を収容した容器15を設置し、この容器15内にマニピュレータ16の掴み部16aで掴んだ固化デブリ6を入れ、液体化した反応生成物を容器15ごと原子炉圧力容器1の外部に取り出すようにしている。
このように本実施形態によれば、容器15を介して硝酸を供給し、かつ液体化した反応生成物を取り出すことにより、硝酸を供給のための供給配管11と、液体化した反応生成物を排出するための取出し配管13が不要になる。
(第5実施形態)
図7は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第5実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図8は図7の破損燃料取出し方法の次の工程を示す立断面図である。図9は図7の破損燃料取出し方法のさらに次の工程を示す立断面図である。
図7は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第5実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図8は図7の破損燃料取出し方法の次の工程を示す立断面図である。図9は図7の破損燃料取出し方法のさらに次の工程を示す立断面図である。
図7に示すように、本実施形態では、原子炉圧力容器1内の底部に堆積した固化デブリ6に穴を開けるためのドリル17を設置している。ドリル17は、作業台5の挿入孔5aから挿入され、その先端が固化デブリ6まで延びている。ドリル17は、固化デブリ6に穴7を形成した後は、挿入孔5aから引き抜かれる。
次いで、ドリル17を引き抜いた作業台5の挿入孔5aには、図8に示すように固化デブリ6に形成された穴7に硝酸を注入するための供給配管18が挿入される。供給配管18は、固化デブリ6に形成された穴7に硝酸を注入した後は、挿入孔5aから引き抜かれる。
さらに、供給配管18を引き抜いた作業台5の挿入孔5aには、図9に示すように硝酸と固化デブリ6との反応により液体化した反応生成物を排出するための取出し配管19が挿入される。
このように本実施形態によれば、ドリル17を用いて固化デブリ6に穴7を形成し、この穴7に硝酸を注入することにより、局所的な部位のみで固化デブリ6と硝酸の反応を行わせ、かつ反応生成物を排出することができる。
(第6実施形態)
図10は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第6実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図11は図10の閉止蓋を原子炉圧力容器の底部に設置した状態を示す拡大断面図である。なお、図11では、原子炉圧力容器内に設置されたシュラウド、炉心等の図示を省略している。
図10は本発明に係る原子力プラントにおける破損燃料取出し方法の第6実施形態で上蓋を取外して作業台を設置した状態を示す立断面図である。図11は図10の閉止蓋を原子炉圧力容器の底部に設置した状態を示す拡大断面図である。なお、図11では、原子炉圧力容器内に設置されたシュラウド、炉心等の図示を省略している。
図10及び図11に示すように、本実施形態は、原子炉圧力容器1の底部に堆積した固化デブリ6を囲んで閉空間とする閉止蓋20が操作棒20aにより吊り下ろされて設置される。この閉止蓋20は、作業台5から吊り下ろし操作等の取扱い操作を行うために操作棒20aが取り付けられている。閉止蓋20には、内部の閉空間に硝酸を供給するための供給配管21の先端と、反応生成物を取り出すための取出し配管22の先端が接続されている。閉止蓋20は、硝酸を供給する前に操作棒20aにより吊り下ろされて原子炉圧力容器1の底部に設置される。
このように本実施形態によれば、閉止蓋20の閉空間に硝酸を供給することにより、局所的な部位のみで固化デブリ6と硝酸の反応を行わせ、かつ反応生成物を排出することができる。その結果、硝酸の無駄を省くことができる。
なお、本実施形態では、閉止蓋20の閉空間に硝酸を供給する前に、固化デブリ6をドリルで破砕しておけば、前記第2実施形態と同様に、硝酸と固化デブリ6との溶解反応を促進するため、固化デブリ6の取出し時間を短縮することができる。
以上のように本発明の各実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上記各実施形態では、固化デブリ6に供給する強酸の一例として硝酸を用いた場合について説明したが、これに限らず例えば、塩酸、硫酸、過塩素酸、臭化水素、ヨウ化水素等の強酸でも適用可能である。
また、上記各実施形態では、沸騰水型原子炉に適用した場合について説明したが、これに限らず加圧水型原子炉等の水冷却型原子炉にも適用可能である。
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…シュラウド、4…上蓋、5…作業台、5a…挿入孔、6…固化デブリ、6a…ルースデブリ、6b…非常に固いデブリ、7…穴、8…ドリル、9…気水分離器、10…ドライヤ、11…供給配管、12…排水管、13…取出し配管、14…撹拌器、15…容器、16…マニピュレータ、16a…掴み部、17…ドリル、18…供給配管、19…取出し配管、20…閉止蓋、20a…操作棒、21…供給配管、22…取出し配管
Claims (6)
- 原子炉圧力容器の底部に固化デブリが堆積した場合、前記固化デブリに強酸を供給する強酸供給ステップと、
前記強酸供給ステップの後に、前記強酸により前記固化デブリ内の原子炉燃料を溶解させて液体化する燃料溶解ステップと、
前記燃料溶解ステップより液体化した反応生成物を前記原子炉圧力容器の外部に取り出す反応生成物取出しステップと、
を有することを特徴とする原子力プラントにおける破損燃料取出し方法。 - 前記強酸供給ステップの前に、前記原子炉圧力容器の内側底部に堆積した前記固化デブリを破砕するデブリ破砕ステップを有することを特徴とする請求項1に記載の原子力プラントにおける破損燃料取出し方法。
- 前記燃料溶解ステップでは、前記強酸を撹拌させることを特徴とする請求項1又は2に記載の原子力プラントにおける破損燃料取出し方法。
- 前記強酸供給ステップは前記原子炉圧力容器の内側底部に強酸を収容した容器を設置するステップを含み、前記燃料溶解ステップの前に前記デブリ破砕ステップで破砕された固化デブリを前記容器に投入するステップを有し、前記反応生成物取出しステップは前記液体化した前記反応生成物を前記容器ごと前記原子炉圧力容器の外部に取り出すステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の原子力プラントにおける破損燃料取出し方法。
- 前記強酸供給ステップの前に、前記原子炉圧力容器の底部に堆積した前記固化デブリに穴を形成する穴形成ステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の原子力プラントにおける破損燃料取出し方法。
- 前記強酸供給ステップの前に、前記原子炉圧力容器の底部に堆積した前記固化デブリを囲んで閉空間とする閉止蓋を設置するステップをさらに有し、前記強酸供給ステップでは、前記閉止蓋内に前記強酸を供給することを特徴とする請求項1に記載の原子力プラントにおける破損燃料取出し方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016048209A (ja) * | 2014-08-28 | 2016-04-07 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 核燃料物質の回収方法 |
JP2018119787A (ja) * | 2016-12-09 | 2018-08-02 | 明正 宝来 | 原子炉の廃炉方法 |
-
2012
- 2012-04-05 JP JP2012086681A patent/JP2013217705A/ja active Pending
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