JP2013217426A - スラスト軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転軸の軸方向への動きを十分に制限することができ、しかもスラストカラーの振動による傾きをより良好に吸収できるようにした、スラスト軸受を提供する。
【解決手段】回転軸1に設けられたスラストカラー4に対向して配置されるスラスト軸受3である。スラストカラー4に対向して配置され、かつ、スラストカラー4に対向する面に動圧発生用のポンプイン形スパイラル溝11を形成した円環状の軸受板8と、軸受板8の、スラストカラー4に対向する面と反対側の面に対向して配置され、かつ、内周部に、軸受板8に対して隙間をあけて近接する突出部13を有する円環状のベース板9と、軸受板8とベース板9との間に変位可能に配置されて、軸受板8の径方向中央部を支持する弾性変形可能な円環状の弾性支持部10と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】回転軸1に設けられたスラストカラー4に対向して配置されるスラスト軸受3である。スラストカラー4に対向して配置され、かつ、スラストカラー4に対向する面に動圧発生用のポンプイン形スパイラル溝11を形成した円環状の軸受板8と、軸受板8の、スラストカラー4に対向する面と反対側の面に対向して配置され、かつ、内周部に、軸受板8に対して隙間をあけて近接する突出部13を有する円環状のベース板9と、軸受板8とベース板9との間に変位可能に配置されて、軸受板8の径方向中央部を支持する弾性変形可能な円環状の弾性支持部10と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、スラスト軸受に関する。
従来、高速回転体用の軸受として、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受が知られている。このようなスラスト軸受のうち、動圧効果を利用するスラスト動圧軸受では、例えば軸受面にスパイラル溝を形成し、スラストカラーと軸受面との間に流体潤滑膜を形成することで、該潤滑膜を介して回転軸を支持している。
ところで、このようなスラスト動圧軸受としては、軸振動や衝撃を吸収するために柔軟なフォイル、例えば厚さ100μm前後の金属製薄板で軸受面(軸受板)を形成し、この軸受面の下に該軸受面を柔軟に支持するためのフォイル構造を有したものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
すなわち、特許文献1では、テーパ形状の軸受面を波板形状のフォイル(バンプフォイル)で支持した構造が開示されている。
すなわち、特許文献1では、テーパ形状の軸受面を波板形状のフォイル(バンプフォイル)で支持した構造が開示されている。
また、特許文献2では、スパイラル溝を形成したフォイルを軸受面(軸受板)とし、軸受面の下に複数枚のフォイルを挿入した構造が開示されている。この構造においては、軸受板の下に挿入された各フォイルにそれぞれエッチング溝が形成されており、溝が互い違いになるようにフォイル同士が重ね合わされ、バネのように機能するようになっている。
したがって、特許文献1や特許文献2に開示された軸受にあっては、いずれも軸受面(軸受板)が柔軟なため、振動や衝撃によって発生する回転軸の動き、すなわちスラストカラーの軸方向の動きと、スラストカラーの振動(面振れ)による傾きとをある程度吸収できるようになっている。
したがって、特許文献1や特許文献2に開示された軸受にあっては、いずれも軸受面(軸受板)が柔軟なため、振動や衝撃によって発生する回転軸の動き、すなわちスラストカラーの軸方向の動きと、スラストカラーの振動(面振れ)による傾きとをある程度吸収できるようになっている。
しかしながら、特許文献1の構造では、軸受面(軸受板)全体がメインプレートに柔軟に支持されているため、スラスト荷重(静荷重)が増えると軸受面(軸受板)全体がメインプレート側に移動し、これによって回転軸もその軸方向へ移動することにより、この回転軸が外側の静止部に接触してしまう可能性がある。例えば、この軸受をターボ機械のインペラを有する回転軸に適用した場合に、回転軸がその軸方向へ移動することで、インペラがその外側のハウジング(静止部)と接触を起こす可能性がある。
このような接触を避けるには、回転軸とハウジング(静止部)との隙間(軸方向隙間)を広くする必要があるが、ターボ機械のようにインペラを有する回転機械ではチップクリアランス(インペラ先端と静止部との隙間)を拡げることになるため、効率が低下してしまう。
このような接触を避けるには、回転軸とハウジング(静止部)との隙間(軸方向隙間)を広くする必要があるが、ターボ機械のようにインペラを有する回転機械ではチップクリアランス(インペラ先端と静止部との隙間)を拡げることになるため、効率が低下してしまう。
また、特許文献2の構造では、フォイルに形成するエッチング溝の深さを調整することにより、軸方向の移動量を少なくすることができる。しかしながら、軸受面全体が概ね均等な剛性で支持されているため、前記の流体潤滑膜の動圧に分布がある場合、この動圧が高くなる部位(例えば、ポンプイン形のスパイラル溝が形成されている場合には内周側)が大きく撓むことになる。すると、この動圧が高くなる部位において所望の動圧が発生され難くなり、結果として軸受の軸受負荷能力が低下してしまう。
さらに、スラスト軸受が例えば過給機のように高温に晒される回転機械に用いられる場合には、その構成部材の材質として、ゴムや樹脂などの耐熱性が低い弾性体を用いることはできない。したがって、このような高温環境下で使用される回転機械にも適用されるスラスト軸受では、その構成要素の材質について制限がより厳しくなっている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、回転軸の軸方向への動きを十分に制限することができ、さらにスラストカラーの振動(面振れ)による傾きをより良好に吸収でき、しかも高温環境下で使用される回転機械にも適用可能なスラスト軸受を提供することにある。
本発明のスラスト軸受は、回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、
前記スラストカラーに対向して配置され、かつ、前記スラストカラーに対向する面に動圧発生用のポンプイン形スパイラル溝を形成した円環状の軸受板と、
前記軸受板の、前記スラストカラーに対向する面と反対側の面に対向して配置され、かつ、内周部に、前記軸受板に対して隙間をあけて近接する突出部を有する円環状のベース板と、
前記軸受板と前記ベース板との間に変位可能に配置されて、前記軸受板の径方向中央部を支持する弾性変形可能な円環状の弾性支持部と、を備えることを特徴とする。
前記スラストカラーに対向して配置され、かつ、前記スラストカラーに対向する面に動圧発生用のポンプイン形スパイラル溝を形成した円環状の軸受板と、
前記軸受板の、前記スラストカラーに対向する面と反対側の面に対向して配置され、かつ、内周部に、前記軸受板に対して隙間をあけて近接する突出部を有する円環状のベース板と、
前記軸受板と前記ベース板との間に変位可能に配置されて、前記軸受板の径方向中央部を支持する弾性変形可能な円環状の弾性支持部と、を備えることを特徴とする。
このスラスト軸受によれば、軸受板のスラストカラーに対向する面に、動圧発生用のポンプイン形スパイラル溝が形成されているので、このスパイラル溝によって形成される流体潤滑膜の動圧に、スラスト軸受の内周側の圧力が外周側の圧力より高くなる圧力分布が生じる。
そこで、このスラスト軸受では、ベース板の内周部に突出部を形成しているので、前記動圧が高くなって軸受板の内周側が所定の撓み量に達すると該軸受板が前記突出部に接するようになり、軸受板の内周側の支持状態が剛に切り替わる。このように内周側の支持状態が剛になると、この内周側での軸受板の撓みが規制されて必要以上に大きく撓むことがなくなり、したがって内周側でも流体潤滑膜に所望の動圧が発生され易くなる。よって、軸受の軸受負荷能力の低下が抑制される。
また、軸受板とベース板との間に、軸受板の径方向中央部を支持する円環状の弾性支持部を変位可能に配置しているので、予め軸受板の板厚を適切に設計しておくことにより、大きなスラスト荷重を受けた際にも軸受板は外周方向へ僅かに傾斜するだけになる。したがって、軸受板の局所的な撓みが生じ難くなるので、負荷能力の低下がさらに抑制される。
さらに、例えばスラスト荷重(静荷重)が増えても、前記の突出部によって軸受板がベース板側に移動するのが規制されているため、回転軸の軸方向への移動も、予め設計された範囲内に制限されるようになる。
そこで、このスラスト軸受では、ベース板の内周部に突出部を形成しているので、前記動圧が高くなって軸受板の内周側が所定の撓み量に達すると該軸受板が前記突出部に接するようになり、軸受板の内周側の支持状態が剛に切り替わる。このように内周側の支持状態が剛になると、この内周側での軸受板の撓みが規制されて必要以上に大きく撓むことがなくなり、したがって内周側でも流体潤滑膜に所望の動圧が発生され易くなる。よって、軸受の軸受負荷能力の低下が抑制される。
また、軸受板とベース板との間に、軸受板の径方向中央部を支持する円環状の弾性支持部を変位可能に配置しているので、予め軸受板の板厚を適切に設計しておくことにより、大きなスラスト荷重を受けた際にも軸受板は外周方向へ僅かに傾斜するだけになる。したがって、軸受板の局所的な撓みが生じ難くなるので、負荷能力の低下がさらに抑制される。
さらに、例えばスラスト荷重(静荷重)が増えても、前記の突出部によって軸受板がベース板側に移動するのが規制されているため、回転軸の軸方向への移動も、予め設計された範囲内に制限されるようになる。
また、このように軸受板の内周側は、前記動圧が高くなると高剛性支持に切り替えられるが、外周側については基本的に支持点が無い状態となっている。このため、振動や衝撃によって回転軸に傾きが生じた場合には、軸受板がスラストカラーの傾きに沿うように変形することで、スラストカラーと軸受板との間の軸受隙間が概ね一定に保たれ、流体潤滑膜が破断し難くなる。
また、軸受板が変形した際には軸受板とこれを支持すると弾性支持部との間に摺動が起こるため、摩擦によってエネルギーが散逸することによる減衰効果が得られる。
さらに、軸受板、弾性支持部、ベース板をいずれも金属等の耐熱性材料によって形成することができ、したがって高温環境下で使用される回転機械にも使用可能なものとなる。
また、軸受板が変形した際には軸受板とこれを支持すると弾性支持部との間に摺動が起こるため、摩擦によってエネルギーが散逸することによる減衰効果が得られる。
さらに、軸受板、弾性支持部、ベース板をいずれも金属等の耐熱性材料によって形成することができ、したがって高温環境下で使用される回転機械にも使用可能なものとなる。
また、前記スラスト軸受において、前記弾性支持部は、円環状のバネ体によって形成されていることが好ましい。
このようにすれば、弾性支持部を金属で容易に形成することができる。
このようにすれば、弾性支持部を金属で容易に形成することができる。
また、前記スラスト軸受において、前記弾性支持部は、円環状のバネ部材と、該バネ部材と前記軸受板との間に配置されて前記軸受板の径方向中央部を支持する円環状のスペーサフォイルと、を備えて構成されていることが好ましい。
このようにすれば、軸受板が変形した際に軸受板とスペーサフォイルとの間、およびスペーサフォイルとバネ部材との間にそれぞれ摺動が起こるため、摩擦によってエネルギーが散逸する箇所が増え、したがって減衰効果がより多く得られる。
このようにすれば、軸受板が変形した際に軸受板とスペーサフォイルとの間、およびスペーサフォイルとバネ部材との間にそれぞれ摺動が起こるため、摩擦によってエネルギーが散逸する箇所が増え、したがって減衰効果がより多く得られる。
また、前記スラスト軸受において、前記軸受板は複数枚の軸受フォイルが重ねられて形成され、該軸受フォイルの前記スラストカラー側の軸受フォイルに、前記ポンプイン形スパイラル溝が形成されていることが好ましい。
このようにすれば、回転軸が傾くような振れ回り振動が起こり、スラストカラーに傾き(面振れ)が生じた際、軸受板を形成する複数枚の軸受フォイルが互いに擦れ合うことにより、その摩擦によって前記振れ回り振動を減衰させるように作用する。
このようにすれば、回転軸が傾くような振れ回り振動が起こり、スラストカラーに傾き(面振れ)が生じた際、軸受板を形成する複数枚の軸受フォイルが互いに擦れ合うことにより、その摩擦によって前記振れ回り振動を減衰させるように作用する。
また、前記スラスト軸受において、前記軸受板、前記ベース板、前記弾性支持部は、前記スラストカラーを挟んでその両側にそれぞれ設けられ、前記一対のベース板および弾性支持部は、前記スラストカラーの側方に配置される環状の軸受スペーサを介してそれぞれ連結され、前記一対の軸受板は、その外周縁から延出した保持片によって前記軸受スペーサに保持されていることが好ましい。
このようにすれば、軸受板、ベース板、弾性支持部が、スラストカラーを挟んでその両側にそれぞれ設けられているので、スラストカラーに対してその両側、すなわち回転軸に対してその軸方向の両方向にそれぞれ前記効果を発揮することができる。また、軸受板は、その外周縁から延出した保持片によって軸受スペーサに保持されているので、保持片が形成されていない箇所では軸受スペーサに支持されない、すなわち支持点が無い状態となる。したがって、軸受板の外周側は実質的に軸受スペーサに支持されない自由端となるため、振動や衝撃によって回転軸に傾きが生じた場合に、軸受板がスラストカラーの傾きに沿うように変形することで、スラストカラーと軸受板との間の軸受隙間が概ね一定に保たれ、流体潤滑膜が破断し難くなる。
このようにすれば、軸受板、ベース板、弾性支持部が、スラストカラーを挟んでその両側にそれぞれ設けられているので、スラストカラーに対してその両側、すなわち回転軸に対してその軸方向の両方向にそれぞれ前記効果を発揮することができる。また、軸受板は、その外周縁から延出した保持片によって軸受スペーサに保持されているので、保持片が形成されていない箇所では軸受スペーサに支持されない、すなわち支持点が無い状態となる。したがって、軸受板の外周側は実質的に軸受スペーサに支持されない自由端となるため、振動や衝撃によって回転軸に傾きが生じた場合に、軸受板がスラストカラーの傾きに沿うように変形することで、スラストカラーと軸受板との間の軸受隙間が概ね一定に保たれ、流体潤滑膜が破断し難くなる。
本発明のスラスト軸受によれば、スラスト荷重(静荷重)が増えて前記動圧が高くなっても、前述したように軸受板がベース板側に移動するのが規制されているので、回転軸がその軸方向に移動するのが十分に制限される。したがって、例えばこのスラスト軸受をターボ機械のインペラを有する回転軸に適用した場合に、回転軸がその軸方向へ移動することで、インペラがその外側のハウジング(静止部)に接触してしまうおそれが無くなる。
また、流体潤滑膜の動圧が高くなる内周側では、動圧が設定以上に高くなると軸受板の支持状態が突出部によって剛に切り替えられるようになっているので、軸受板が必要以上に大きく撓むことがなく、したがってこの内周側でも所望の動圧を発生し易くなるため、軸受の軸受負荷能力の低下を抑制してスラストカラーの振動(面振れ)による傾きをより良好に吸収することができる。
また、高温環境下で使用される回転機械にも適用可能となっているため、例えばこのスラスト軸受を過給機にも適用することができる。
また、流体潤滑膜の動圧が高くなる内周側では、動圧が設定以上に高くなると軸受板の支持状態が突出部によって剛に切り替えられるようになっているので、軸受板が必要以上に大きく撓むことがなく、したがってこの内周側でも所望の動圧を発生し易くなるため、軸受の軸受負荷能力の低下を抑制してスラストカラーの振動(面振れ)による傾きをより良好に吸収することができる。
また、高温環境下で使用される回転機械にも適用可能となっているため、例えばこのスラスト軸受を過給機にも適用することができる。
以下、図面を参照して本発明のスラスト軸受を詳しく説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明のスラスト軸受が適用されるターボ機械の一例を模式的に示す側面図であり、図1中符号1は回転軸、2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、3は本発明に係るスラスト軸受である。
図1は、本発明のスラスト軸受が適用されるターボ機械の一例を模式的に示す側面図であり、図1中符号1は回転軸、2は回転軸の先端部に設けられたインペラ、3は本発明に係るスラスト軸受である。
回転軸1には、インペラ2が形成された側にスラストカラー4が固定されており、このスラストカラー4には、このスラストカラー4を挟持するようにしてスラスト軸受3が配置されている。
また、インペラ2は静止側となるハウジング5内に配置されており、ハウジング5との間にチップクリアランス6を有している。
また、回転軸1には、スラストカラー4より中央側に、ラジアル軸受7が設けられている。
また、インペラ2は静止側となるハウジング5内に配置されており、ハウジング5との間にチップクリアランス6を有している。
また、回転軸1には、スラストカラー4より中央側に、ラジアル軸受7が設けられている。
図2(a)、(b)は、このような構成のターボ機械に適用されたスラスト軸受の第1実施形態を示す図であり、(a)は側断面図、(b)は(a)のA−A線矢視図である。なお、(a)は(b)のB−B線で断面視した図である。この第1実施形態のスラスト軸受3A(3)は、スラストカラー4の両側にそれぞれ配置される軸受部30、30を有し、これら軸受部30、30間が軸受スペーサ31を介して一体化されたものである。
軸受部30、30は、互いに同じ構成に形成されたもので、スラストカラー4を挟んで対称に配設されている。これら軸受部30は、回転軸1に固定された円板状のスラストカラー4に対向して配置された円環状(円筒状)のもので、回転軸1に外挿した状態に設けられている。軸受部30は、スラストカラー4に対向して配置されるトップフォイル(軸受板)8と、このトップフォイル8の、前記スラストカラー4に対向する面と反対側の面に対向して配置されたベース板9と、これらトップフォイル8とベース板9との間に配置された円環バネ(弾性支持部)10と、を備えている。
トップフォイル8は、回転軸1を挿通するための貫通孔8aを有した金属製で厚さ1mm程度の円環板状のもので、スラストカラー4に対向する面を軸受面8bとしたものである。この軸受面8bには、図2(b)に示すように動圧発生用のスパイラル溝11が形成されている。スパイラル溝11は、公知のポンプイン形のもので、多数の螺旋形溝(スパイラル状の溝)11aを周方向に沿って等間隔に配置したものであり、本実施形態では螺旋形溝11aが全て同一の流入角を有して形成されたものである。ただし、本発明においては、必ずしも螺旋形溝11aが全て同一の流入角を有しておらず、例えば一部の螺旋形溝11aで異なっていたり、さらには一つの螺旋形溝11a内において異なる流入角を有しているような動圧発生用のスパイラル溝であっても、本発明における動圧発生用のポンプイン形スパイラル溝であるものとする。
図2(b)に示すように螺旋形溝11aは、軸受面8bの外周端から、前記貫通孔8aの周囲に設けられた円環状のランド11bにまで延びて形成されている。ランド11bは、螺旋形溝11aの底面に対して相対的に高い位置(外側の位置)に外面を有したものである。なお、螺旋形溝11a、11a間もランド(図示せず)となっている。
このような構成によってスパイラル溝11(螺旋形溝11a)は、スラストカラー4に対して軸受面8bが相対的に回転した際(実際にはスラストカラー4が回転する)、軸受面8bの外周側から螺旋形溝11aに沿って内周側に軸受周囲の流体を引き込み、これによってスラストカラー4と軸受面8bとの間に流体潤滑膜を形成するようになっている。また、スパイラル溝11(螺旋形溝11a)によって引き込まれた流体は、ランド11bに衝突することでその流れが遮られ、動圧が保持されるため、特に軸受板8の内周側で圧力が高くなるようになっている。すなわち、スパイラル溝11(螺旋形溝11a)によって形成される流体潤滑膜は、軸受面8bの外周側に比べ、内周側で高くなるような圧力分布を有するものとなっている。
図3は、このような流体潤滑膜の圧力(動圧)の分布を示すグラフである。図3中横軸は、図2(b)に示した軸受面8bにおける、中心からの半径方向の距離(位置)[r]を示し(右側に行くほど長くなる)、縦軸は流体潤滑膜の圧力(動圧)[P]を示している(上側に行くほど高くなる)。また、図3のグラフにおける(1)は、図2(b)中のランド11bの内周縁での圧力を示し、(2)は同じくランド11bの外周縁での圧力を示し、(3)は軸受面8bの外周縁での圧力を示している。
図3に示すように、軸受面8bの外周縁(3)からランド11bの外周縁(2)までの範囲内においては、外周側から内周側に行くに連れて流体潤滑膜の圧力(動圧)は連続的に高くなるように変化している。また、軸受面8b全体で見ても、ランド11bの外周縁(2)、すなわちスパイラル溝11が形成された領域の内周端で、流体潤滑膜の圧力(動圧)が最も高くなっている。
本発明では、このようなグラフ(図3)で示される半径方向の距離[r]と流体潤滑膜の圧力[P]との関係を示す式を、P(r)として定義する。
本発明では、このようなグラフ(図3)で示される半径方向の距離[r]と流体潤滑膜の圧力[P]との関係を示す式を、P(r)として定義する。
また、トップフォイル8には、図2(b)に示すようにその外周部に、外周縁から延出する複数の保持片12が形成されている。保持片12は、本実施形態ではトップフォイル8の円周を4等分する位置にそれぞれ形成されており、したがって計4つ形成されている。これら保持片12は、前記軸受スペーサ31に形成された切欠部32内に配置され、これによってトップフォイル8は軸受スペーサ31に保持されている。切欠部32は、その深さが保持片12の厚さより深く、また、幅も保持片12の幅より広く形成されている。このような構成のもとに保持片12は、切欠部32内にてその深さ方向に変位可能になっており、かつ、幅方向(軸受スペーサ31の周方向)にも変位可能になっている。なお、保持片12が形成された部位はトップフォイル8の円周全体に比べて僅かであり、保持片12が形成されていない多くの部位では、トップフォイル8は軸受スペーサ31に支持されない状態、すなわち支持点が無い状態となっている。
図2(a)に示すようにベース板9は、回転軸1を挿通するための貫通孔9aを有した金属製で円環板状(略円筒状)のもので、トップフォイル8における軸受面8bと反対側の面に対向して配置されたものである。このベース板9は、前記軸受スペーサ31に円環バネ10を介してボルト33で固定され、さらにこのボルト33によってターボ機械のケーシング35に固定されている。なお、本実施形態では図2(b)に示すように軸受スペーサ31にボルト孔34が8個形成されており、したがって本実施形態のスラスト軸受3A(3)は、8本のボルト33によってケーシング35に固定されている。
ベース板9には、トップフォイル8に対向する面の内周部に、トップフォイル8に対して所定の隙間をあけて近接する突出部13が形成されている。突出部13は、円筒状に形成されたもので、図2(b)に示すトップフォイル8のランド11bの内周縁に対応する位置、すなわちトップフォイル8の内周縁から、ランド11bの径の半分程度のとなる位置までの幅(厚さ)に形成されている。また、その先端面は、前記所定の隙間が20〜30μmとなるようにトップフォイル8に対して配置され、軸受スペーサ31に固定されている。
また、ベース板9は、その外周部も円筒状に突出しており、この突出した円筒状の部位は、軸受スペーサ31に円環バネ10を介して接続し固定される固定部14となっている。すなわち、この固定部14には、前記ボルト33が挿通されるボルト孔(図示せず)が形成されており、該ボルト33によって固定部14(ベース板9)は軸受スペーサ31に固定されるとともに、ケーシング35に固定されている。また、固定部14は、前記突出部13に比べて低い高さに形成されており、これによって該固定部14と軸受スペーサ31との間に、円環バネ10が挟着されるようになっている。そして、このように外周部に固定部14が形成され、内周部に突出部13が形成されたことにより、ベース板9にはその中央部に、相対的な凹部が形成されている。
円環バネ10は、金属製で円環板状のもので、その外周部に前記ボルト33が挿通されるボルト孔(図示せず)が形成されている。これにより、前記したように円環バネ10は、ベース板9の固定部14と軸受スペーサ31との間に挟着され、前記ボルト33によって軸受スペーサ31に固定されるとともに、ケーシング35に固定されている。この円環バネ10は、例えば1mm程度の厚さに形成されたもので、その内周側に円環状の厚肉部15が形成されている。
厚肉部15は、円環バネ10の表裏両面に対称形状となるようそれぞれ突出して形成されたもので、特にトップフォイル8に対向する面に形成された凸部が、トップフォイル8に当接してこれを支持するようになっている。ここで、厚肉部15が円環バネ10の表裏両面にそれぞれ突出して形成されるのは、片面だけ加工すると反りが発生し易くなるためである。なお、厚肉部15の突出高さは、設計によって変更可能であるものの、例えば50μm程度に形成される。
このような厚肉部15を形成した円環バネ10は、その内周側、すなわち厚肉部15側がベース板9の前記凹部内に配置されることにより、この内周側が前記凹部内にてトップフォイル8とベース板9との間を弾性変形可能、すなわち変位可能になっている。これによって円環バネ10は、厚肉部15によってトップフォイル8の径方向中央部を弾性的に支持する弾性支持部となっている。
ここで、トップフォイル8の径方向中央部とは、トップフォイル8の径方向における中央位置、すなわち中央の点(線)位置のみを意味するものではなく、該中央の点(線)位置とその近傍を含む範囲を意味している。このような径方向中央部として具体的には、トップフォイル8の加重平均的な位置が採用され、本実施形態ではこの位置に前記厚肉部15が当接するように円環バネ10が配置されている。
トップフォイル8の加重平均的な位置、すなわちトップフォイル8に厚肉部15を当接させ、支持させる位置Rcは、以下の式によって求められる。ただし、Rcは、トップフォイル8の中心からの距離(半径)とする。
Rc=[2π∫rP(r)rdr]/[2π∫P(r)rdr] ……[式]
前記式中においてP(r)は、前記したように図3で示される半径方向の距離[r]と流体潤滑膜の圧力[P]との関係を示す式である。また、rは図3で示される半径方向の距離(位置)、Pは同じく流体潤滑膜の圧力(動圧)である。
また、前記式中において分母[2π∫P(r)rdr]は、面圧(面で受ける荷重)を示し、分子[2π∫rP(r)rdr]は、モーメントの和を示す。
なお、厚肉部15の半径方向の幅については、応力集中しない程度となるように構造解析で決定され、例えば前記Rcの1/10程度とされる。
前記式中においてP(r)は、前記したように図3で示される半径方向の距離[r]と流体潤滑膜の圧力[P]との関係を示す式である。また、rは図3で示される半径方向の距離(位置)、Pは同じく流体潤滑膜の圧力(動圧)である。
また、前記式中において分母[2π∫P(r)rdr]は、面圧(面で受ける荷重)を示し、分子[2π∫rP(r)rdr]は、モーメントの和を示す。
なお、厚肉部15の半径方向の幅については、応力集中しない程度となるように構造解析で決定され、例えば前記Rcの1/10程度とされる。
軸受スペーサ31は、図2(a)、(b)に示すように金属製で円筒状のもので、その内径がトップフォイル8の外径(保持片12を除く外径)より僅かに大きく形成されている。これにより、軸受スペーサ31はトップフォイル8の面方向のガタツキをある程度許容しつつ、該トップフォイル8を内部に収容している。また、軸受スペーサ31は、前述したように切欠部32にトップフォイル8の保持片12を保持しており、これによって保持片12は、切欠部32の深さ方向に変位可能になっており、かつ、幅方向(軸受スペーサ31の周方向)にも変位可能になっている。
ここで、トップフォイル8は、図2(a)に示すようにスラストカラー4と反対側の面が円環バネ10で支持されることにより、保持片12が切欠部32の内面(底面)側に付勢され、これによって軸受スペーサ31に保持されている。その際、トップフォイル8はベース板9の突出部13に対し、前記したように20〜30μm程度の所定の隙間をあけて、配置されるようになっている。なお、トップフォイル8は、保持片12が形成されていない箇所では軸受スペーサ31に支持されておらず、したがって外周側は支持点が無い状態となっている。したがって、トップフォイル8の外周側は、実質的には軸受スペーサ31に支持されない自由端となっている。
次に、このような構成からなるスラスト軸受3A(3)の作用について説明する。
回転軸1が高速で回転すると、スラストカラー4とトップフォイル8の軸受面8bとの間に、スパイラル溝11で形成された動圧によって流体潤滑膜が形成され、これによってスラスト軸受3A(3)は、形成された流体潤滑膜を介してスラストカラー4を支持するようになる。なお、形成された流体潤滑膜の動圧は、前述したようにスラスト軸受3A(3)の内周側で高く、外周側で低くなっている。
回転軸1が高速で回転すると、スラストカラー4とトップフォイル8の軸受面8bとの間に、スパイラル溝11で形成された動圧によって流体潤滑膜が形成され、これによってスラスト軸受3A(3)は、形成された流体潤滑膜を介してスラストカラー4を支持するようになる。なお、形成された流体潤滑膜の動圧は、前述したようにスラスト軸受3A(3)の内周側で高く、外周側で低くなっている。
また、回転軸1にスラスト荷重が作用すると、スラスト荷重はスラストカラー4と前記軸受面8bとの間に形成された流体潤滑膜を介してトップフォイル8に伝達される。さらにスラスト荷重が増すと、トップフォイル8はこれを支持する円環バネ10を押しながら軸方向に変形(移動)し始める。
その際、トップフォイル8は初期状態ではその内周側が支持されておらず、一方、内周側の流体膜圧(流体潤滑膜の動圧)が高くなっているので、内周側から先に撓んでいく。そして、その撓み量がベース板9の突出部13との隙間に相当する量に達し、トップフォイル8の内周側が突出部13に当接すると、トップフォイル8の内周側の撓み(変形)、すなわち回転軸1(スラストカラー4)の軸方向への移動が停止する。
この状態からさらにスラスト荷重が増すと、円環バネ10がトップフォイル8によってさらに押し込まれ、トップフォイル8の外周側が撓み始める。外周側の撓みが進行すると、トップフォイル8は側面視して「ハ」の字状に撓むことになるが、内周側はベース板9の突出部13に当接した状態になっているので、回転軸1の軸方向移動へは変位しない。
したがって、高圧の流体潤滑膜が生じる内周側がベース板9との接触により剛に支持されるので、この内周側でのトップフォイル8の撓みが規制されて必要以上に大きく撓むことがなく、これによって内周側でも流体潤滑膜に所望の動圧が発生され易くなるため、軸受3A(3)の軸受負荷能力の低下が抑制される。
また、トップフォイル8の中央部が円環バネ10によって支持されているので、予めトップフォイル8の板厚を適切に設計しておけば、軸受面8b(トップフォイル8)は外周方向へ僅かに傾斜するだけになる。したがって、軸受面8b(トップフォイル8)の局所的な撓みが生じ難くなるので、負荷能力の低下がさらに抑制される。
また、トップフォイル8の中央部が円環バネ10によって支持されているので、予めトップフォイル8の板厚を適切に設計しておけば、軸受面8b(トップフォイル8)は外周方向へ僅かに傾斜するだけになる。したがって、軸受面8b(トップフォイル8)の局所的な撓みが生じ難くなるので、負荷能力の低下がさらに抑制される。
また、回転軸1は、回転軸が有する不釣合い、外部環境の影響および運転状態などによってその回転が回転中心から僅かながらぶれて振動することがあり、その場合にはこれに固定されているスラストカラー4も僅かながら振動して面振れし、瞬間的に傾いた状態となることがある。また、衝撃によっても同様に傾いた状態となることがある。その際、トップフォイル8はその中央部から外周部にかけて、実質的に円環バネ10で支持されているだけであるので、スラストカラー4に沿うように変形(傾斜)する。したがって、流体潤滑膜はその厚さが極端に狭められることがなく、一定に保たれるため、破断し難くなる。これにより、スラストカラー4の振動等による傾きが、軸受3A(3)によって良好に吸収されるようになる。
また、トップフォイル8が変形する際に円環バネ10との摺動が起こり、摩擦によってエネルギーを散逸するので、振動や衝撃等による回転軸の動き(主として傾き運動)を減衰させることができる。
また、トップフォイル8が変形する際に円環バネ10との摺動が起こり、摩擦によってエネルギーを散逸するので、振動や衝撃等による回転軸の動き(主として傾き運動)を減衰させることができる。
したがって、本実施形態のスラスト軸受3A(3)によれば、スラスト荷重(静荷重)が増えて前記動圧が高くなっても、前述したようにトップフォイル8がベース板9側に移動するのが規制されているので、回転軸1がその軸方向に移動するのが十分に制限される。したがって、例えばこのスラスト軸受3A(3)をターボ機械のインペラ2を有する回転軸1に適用した場合に、回転軸1がその軸方向へ移動することで、インペラ2がその外側のハウジング(静止部)5に接触してしまうおそれが無くなる。
また、流体潤滑膜の動圧が高くなる内周側では、動圧が設定以上に高くなるとトップフォイル8の支持状態が突出部13によって剛に切り替えられるようになっているので、トップフォイル8が必要以上に大きく撓むことがなく、したがってこの内周側でも所望の動圧を発生し易くなるため、軸受3A(3)の軸受負荷能力の低下が抑制されてスラストカラー4の振動(面振れ)による傾きをより良好に吸収することができる。
また、トップフォイル8、ベース板9、円環バネ10、軸受スペーサ31がいずれも金属によって形成されているため、高温環境下で使用される回転機械にも適用可能となり、したがって、このスラスト軸受3A(3)を例えば過給機にも適用することができる。
また、流体潤滑膜の動圧が高くなる内周側では、動圧が設定以上に高くなるとトップフォイル8の支持状態が突出部13によって剛に切り替えられるようになっているので、トップフォイル8が必要以上に大きく撓むことがなく、したがってこの内周側でも所望の動圧を発生し易くなるため、軸受3A(3)の軸受負荷能力の低下が抑制されてスラストカラー4の振動(面振れ)による傾きをより良好に吸収することができる。
また、トップフォイル8、ベース板9、円環バネ10、軸受スペーサ31がいずれも金属によって形成されているため、高温環境下で使用される回転機械にも適用可能となり、したがって、このスラスト軸受3A(3)を例えば過給機にも適用することができる。
図4は、図1に示したターボ機械に適用されたスラスト軸受の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態のスラスト軸受3B(3)が、図2(a)に示したスラスト軸受3A(3)と異なるところは、本発明に係る弾性支持部を円環バネ10によって構成するのに代えて、円環状のバネ部材16とスペーサフォイル17とによって構成している点である。
図4に示すようにバネ部材16は、金属製で円環板状のもので、図2(a)に示した円環バネ10と同様に、その外周部にボルト孔(図示せず)が形成されている。これによってバネ部材16は、ボルト孔に前記ボルト33が挿通されることにより、ベース板9の固定部14と軸受スペーサ31との間に挟着され、軸受スペーサ31に固定されるとともに、ケーシング35に固定されている。このバネ部材16は、前記円環バネ10より薄く形成されており、例えば0.7〜0.9mm程度の厚さに形成されている。なお、このバネ部材16には、円環バネ10に形成された厚肉部15は形成されていない。
スペーサフォイル17は、バネ部材16とトップフォイル8との間に配置された金属箔からなるもので、トップフォイル8の径方向中央部を支持するように形成配置されたものである。ここで、トップフォイル8の径方向中央部とは、第1実施形態において円環バネ10の厚肉部15が支持する部位と同じ部位を意味している。なお、このスペーサフォイル17は、その外径が軸受スペーサ31の内径にほぼ等しく形成されている。したがって、スペーサフォイル17は、軸受スペーサ31内においてその径方向に移動することが制限されている。ただし、このスペーサフォイル17とバネ部材16とは、前記円環バネ10と同様に、トップフォイル8とベース板9の前記凹部の内面との間の変位は可能になっている。
スペーサフォイル17は、厚さが0.1mm程度に形成されたもので、その内周部側に、円環バネ10と同様に厚肉部18を形成している。厚肉部18は、スペーサフォイル17の表裏両面に対称形状となるようそれぞれ突出して形成されたもので、特にトップフォイル8に対向する面に形成された凸部が、トップフォイル8に当接してこれを支持するようになっている。ここで、厚肉部18がスペーサフォイル17の表裏両面にそれぞれ突出して形成されるのは、円環バネ10の場合と同様、片面だけ加工すると反りが発生し易くなるためである。
厚肉部18の突出高さは、設計によって種々に変更されるものの、例えば15μm程度に形成される。したがって、スペーサフォイル17の内周側と外周側とでは、その厚さに30μm程度の差が形成されている。すなわち、トップフォイル8は、スペーサフォイル17の厚肉部18で支持される中央部に比べ、外周側では30μm程度外側(スラストカラー4と反対の側)に撓むことが可能になっている。
このような厚肉部18の形成は、スペーサフォイル17を形成するための金属箔をエッチング処理することで行う。前記の円環バネ10についても、その厚肉部15の形成は、スペーサフォイル17と同様にして、エッチング処理で行う。その際、このようなエッチング処理による厚肉部の加工は、基材(金属箔)が薄い方がより高精度に行うことができる。したがって、本実施形態では、第1実施形態の円環バネ10に比べ、スペーサフォイル17の厚肉部18をより高精度に加工することができる。
本実施形態のスラスト軸受3B(3)においても、第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と同様に作用し、これによって同様の効果が得られる。
また、スペーサフォイル17の厚肉部18を、円環バネ10の厚肉部15に比べてより高精度に加工することができるため、トップフォイル8の最大撓み量をより設計通りにすることができる。
また、トップフォイル8が変形した際にトップフォイル8とスペーサフォイル17との間、およびスペーサフォイル17とバネ部材16との間にそれぞれ摺動が起こるため、摩擦によってエネルギーが散逸する箇所が増え、したがって減衰効果をより多く得ることができる。
また、スペーサフォイル17の厚肉部18を、円環バネ10の厚肉部15に比べてより高精度に加工することができるため、トップフォイル8の最大撓み量をより設計通りにすることができる。
また、トップフォイル8が変形した際にトップフォイル8とスペーサフォイル17との間、およびスペーサフォイル17とバネ部材16との間にそれぞれ摺動が起こるため、摩擦によってエネルギーが散逸する箇所が増え、したがって減衰効果をより多く得ることができる。
図5は、図1に示したターボ機械に適用されたスラスト軸受の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態のスラスト軸受3C(3)が、図4に示したスラスト軸受3A(3)と異なるところは、本発明に係る軸受板をトップフォイルによって構成するのに代えて、3枚(複数枚)の軸受フォイル19、20、21を重ねて形成している点である。
3枚の軸受フォイル19、20、21のうち、スラストカラー4側の軸受フォイル19には、スラストカラー4に対向する面、すなわち軸受面(図示せず)に、図2(b)に示したスパイラル溝11と同様のスパイラル溝(図示せず)が形成されている。この軸受フォイル19は、厚さが例えば0.2m程度に形成され、前記スパイラル溝の深さは、30〜40μm程度に形成される。スパイラル溝はエッチングによって形成されるため、前述したように基材(金属箔)の厚さが薄い方がより高精度に行うことができる。したがって、本実施形態では、第1実施形態のトップフォイル8に比べ、スパイラル溝をより高精度に加工することができる。なお、軸受フォイル20、21は、いずれも厚さが例えば0.4m程度に形成される。
本実施形態のスラスト軸受3C(3)においても、第1実施形態のスラスト軸受3A(3)と同様に作用し、これによって同様の効果が得られる。
また、回転軸1が傾くような振れ回り振動が起こり、スラストカラー4に傾き(面振れ)が生じた際、軸受板を形成する複数枚の軸受フォイル19、20、21が互いに擦れ合うことにより、その摩擦によって前記振れ回り振動をより良好に減衰させることができる。
また、回転軸1が傾くような振れ回り振動が起こり、スラストカラー4に傾き(面振れ)が生じた際、軸受板を形成する複数枚の軸受フォイル19、20、21が互いに擦れ合うことにより、その摩擦によって前記振れ回り振動をより良好に減衰させることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、前記第3実施形態では、第2実施形態に対して軸受板の構成をトップフォイル8から3枚(複数枚)の軸受フォイル19、20、21に変更したが、第1実施形態に対して軸受板の構成をトップフォイル8から3枚(複数枚)の軸受フォイル19、20、21に変更するようにしてもよい。
また、このように軸受板を複数枚の軸受フォイルで構成する場合、3枚でなく、2枚もしくは4枚以上の軸受フォイルで軸受板を構成するようにしてもよい。
また、このように軸受板を複数枚の軸受フォイルで構成する場合、3枚でなく、2枚もしくは4枚以上の軸受フォイルで軸受板を構成するようにしてもよい。
また、前記実施形態では軸受スペーサ31を用いて一対の軸受部30、30を一体化したが、本発明はこれに限定されることなく、各軸受部30をそれぞれ独立させてスラストカラー4に対向配置させてもよい。その場合には、各軸受部30が本発明のスラスト軸受となる。
また、軸受スペーサを用いる場合にも、図2、図4、図5に示した構造のものに代えて、種々の構造のものが使用可能である。例えば、前記構造のものでは、回転軸1を回転させた際、前記軸受スペーサ31の切欠部32から軸受スペーサ31内に外気が導入され、流体潤滑膜が形成され、さらには各構成部材が冷却されるが、外気の導入量を多くしたい場合には、切欠部32の形成箇所以外の箇所に、外気導入用の切欠部を別に形成してもよい。
その場合にこの軸受スペーサでは、外気導入用の切欠部に対し、外気の流れ方向において隣接する部位の内周を、該切欠部から導入された外気が流れ易いように、該軸受スペーサの内径をトップフォイル(軸受板)の外径より充分に大きく形成しておくのが好ましい。
その場合にこの軸受スペーサでは、外気導入用の切欠部に対し、外気の流れ方向において隣接する部位の内周を、該切欠部から導入された外気が流れ易いように、該軸受スペーサの内径をトップフォイル(軸受板)の外径より充分に大きく形成しておくのが好ましい。
1…回転軸、3(3A、3B、3C)…スラスト軸受、4…スラストカラー、8…トップフォイルイ(軸受板)、8b…軸受面、9…ベース板、10…円環バネ(弾性支持部)、11…スパイラル溝(ポンプイン形スパイラル溝)、12…保持片、13…突出部、16…バネ部材、17…スペーサフォイル、19、20、21…軸受フォイル、30…軸受部、31…軸受スペーサ、32…切欠部
Claims (5)
- 回転軸に設けられたスラストカラーに対向して配置されるスラスト軸受であって、
前記スラストカラーに対向して配置され、かつ、前記スラストカラーに対向する面に動圧発生用のポンプイン形スパイラル溝を形成した円環状の軸受板と、
前記軸受板の、前記スラストカラーに対向する面と反対側の面に対向して配置され、かつ、内周部に、前記軸受板に対して隙間をあけて近接する突出部を有する円環状のベース板と、
前記軸受板と前記ベース板との間に変位可能に配置されて、前記軸受板の径方向中央部を支持する弾性変形可能な円環状の弾性支持部と、を備えることを特徴とするスラスト軸受。 - 前記弾性支持部は、円環状のバネ体によって形成されていることを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受。
- 前記弾性支持部は、円環状のバネ部材と、該バネ部材と前記軸受板との間に配置されて前記軸受板の径方向中央部を支持する円環状のスペーサフォイルと、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載のスラスト軸受。
- 前記軸受板は複数枚の軸受フォイルが重ねられて形成され、該軸受フォイルの前記スラストカラー側の軸受フォイルに、前記ポンプイン形スパイラル溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
- 前記軸受板、前記ベース板、前記弾性支持部は、前記スラストカラーを挟んでその両側にそれぞれ設けられ、前記一対のベース板および弾性支持部は、前記スラストカラーの側方に配置される環状の軸受スペーサを介してそれぞれ連結され、前記一対の軸受板は、その外周縁から延出した保持片によって前記軸受スペーサに保持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスラスト軸受。
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EP3315802A1 (de) * | 2016-10-31 | 2018-05-02 | Fischer Engineering Solutions AG | Rotationssystem mit axialer gaslagerung |
-
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- 2012-04-06 JP JP2012087326A patent/JP2013217426A/ja active Pending
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WO2018078150A1 (de) * | 2016-10-31 | 2018-05-03 | Fischer Engineering Solutions Ag | Rotationssystem mit axialer gaslagerung |
CN110199129A (zh) * | 2016-10-31 | 2019-09-03 | 费希尔工程解决方案公司 | 具有轴向气体轴承的旋转系统 |
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