JP2013215366A - 末梢神経検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 末梢神経検査装置であって、被験者が感じるレベルによって末梢神経の麻痺の度合いを定量化して測定できるようにして、糖尿病の疑いがあるかどうかを早期かつ簡易に検査できる。
【解決手段】 形状記憶合金5に通電することにより発生する微振動を被験者の生体に与えることで被験者の末梢神経の麻痺度を測定する末梢神経検査装置であって、形状記憶合金5を用いた振動子3が被験者の生体に接触可能に配置された振動子ユニット4と、形状記憶合金5に与える駆動電圧パルスの大きさ、又は、大きさとパルス幅を複数のレベルに調整可能に生成する信号発生回路(マイコン7)とを備え、複数のレベルは末梢神経の麻痺の程度と被験者が感ずる度合いとに応じて予め設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、末梢神経の麻痺度合いを検査する装置に関する。
昨今、万病のもととされている糖尿病の疾患者若しくはその予備軍は増加しており、糖尿病は、病が進行すると、失明、腎臓疾患、動脈硬化など重大な病気に発展する。糖尿病は、食事療法、適度な運動などで予防も可能であり、早期の発見が大切である。従前、糖尿病は、正確には尿、血液検査などで糖の出具合を測定し判定するが、手間、費用、時間がかかり、ついつい自覚症状が出るまで検査を怠りやすい。
糖尿病は末梢神経の麻痺が病状により進行する病気として代表的なところから、簡易な診断方法として、医師が直接患者の指先などを鋭利なもので突き、それに対する患者の反応で麻痺程度を判定していた。しかしながら、この方法では、医師が突いて判定しているため、明確な基準がなく、再現性にも乏しい。また、医師による差が大きく刺激の定量化は不可能であった。
また、アルツハイマーなどの認知症においては、徐々に空間把握能力が低下してくることが知られているが、認知症の進行程度を判定する方法として、問診、画像を用いたものなどがある。しかしながら、この種の従来方法では、多岐にわたる複雑な手順が要求され、装置が大掛かりになるといった問題があり、また、介護者や家族が認知症の進行度合いを簡単に測定できるものはなかった。
一方、生体に微小刺激を与えることにより、生体の触覚に情報を伝達する情報伝達装置がある(例えば、下記特許文献1,2参照)。この装置は、形状記憶合金にパルス電圧を印加し振動させ、その振動若しくは振動パターンを指先などに与え、情報を生体に伝達するためのものであり、生体の感受度合いを測定するための工夫は成されていない。
特許第4291830号公報 特許第4395572号公報
本発明は、上述したような情報伝達装置を用いて被験者の生体に微振動を与え、そのときの被験者が感じるレベルによって、末梢神経の麻痺の度合いを定量化して測定できるようにして、糖尿病の疑いがあるかどうかや、認知症の進行度合いを早期かつ簡易に検査することを可能とした末梢神経検査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、形状記憶合金に通電することにより発生する微振動を被験者の生体に与えることで、被験者の末梢神経の麻痺度を測定する末梢神経検査装置であって、形状記憶合金又はこれを支えとしたピンを用いた振動子と、この振動子が被験者の生体に接触可能に配置された振動子ユニットと、前記形状記憶合金に与える駆動電圧パルスの大きさ、又は、大きさとパルス幅を複数のレベルに調整可能に生成する信号発生回路とを備え、前記複数のレベルは、末梢神経の麻痺の程度と被験者が感ずる度合いとに応じて予め設定されており、被験者が感ずるレベルによって当該被験者の末梢神経の麻痺程度を判定できるようにしたものである。
上記において、前記振動子ユニットは、複数個の振動子がアレイ状に並べられており、前記信号発生回路は、前記振動子の振動部分が前記振動子ユニット上で移動していくように駆動電圧パルスをパターン生成し、そのパターンが複数あることが好ましい。
上記において、前記信号発生回路で生成させる駆動電圧パルスを複数のレベル及びパターンの中から選択指示する操作器と、前記振動子の振動部分が前記振動子ユニット上で移動するパターンを表示する表示器と、を備え、検査時に、被験者が感じた振動子の振動の移動パターンを前記表示器に表示されるパターンの中から指摘できるようにすることが好ましい。
上記において、生体部位が乗せられる溝状の凹部が設けられた生体置きボードと、前記振動子ユニットが取り付けられた振動子取り付けボードと、を備え、前記振動子取り付けボードは、前記凹部に設けられた開口に振動子が臨むように、前記生体置きボードの下側に昇降自在に、かつバネにより上向きの力が付勢されて配置され、前記振動子から複数の被験者の生体に対し所定のバネ圧が掛かるようにすることが好ましい。
本発明によれば、形状記憶合金に与える駆動電圧パルスの大きさ、又は、大きさとパルス幅を、末梢神経の麻痺の程度と被験者が感ずる度合いとに応じて予め複数のレベルに設定しているので、被験者が感ずるレベルによって被験者の末梢神経の麻痺程度や、認知症の進行度合いを判定することができる。
本発明の実施形態に係る検査装置の構成図。 本装置における生体置き部の分解斜視図。 ピン駆動方式の振動子ユニットの側面図。 形状記憶合金による振動子ユニットの側面図。 第1実施形態に係る装置のリセット状態の側断面図。 同上装置の測定状態の側断面図。 第2実施形態に係る装置のリセット状態の側断面図。 同上装置の測定状態の側断面図。 (a)は本装置における駆動電圧パルスのパルス幅と周期を示す図、(b)は同装置の波高値を変えて印加している図、(c)は短いパルス複数個を一塊とし、それを一定間隔で印加している図、(d)は(c)で出されたパルス群に遅延をかけてパルス群を印加した図、(e)は(d)で出されたパルス群の出力中に重ねてパルス群を印加した図。 (a)(b)(c)は形状記憶合金の駆動チャンネルに対する各種駆動電圧パルスを示す図。 本装置における形状記憶合金の駆動回路例を示す図。 本装置における表示器での表示例を示す図。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る末梢神経検査装置(以下、本装置と言う)について図面を参照して説明する。図1乃至図3に示すように、本装置1は、形状記憶合金に通電することにより発生する微振動を被験者の生体に与えることで、被験者の末梢神経の麻痺度を測定検査するものである。本装置1は、被験者の指などの生体が置かれて該生体に振動を伝える本体2を備える。この本体2は、被験者の指などの生体に接触可能に配置された複数個アレイ状(直線状)に並べられ振動子3を持つ振動子ユニット4を備える。振動子3は、通電により伸縮運動する形状記憶合金5を振動源としている。また、本装置1は、形状記憶合金5を駆動する形状記憶合金ドライバ6と、この形状記憶合金ドライバ6に与える駆動電圧パルスを生成する制御用マイクロコンピュータ7(以下、マイコンと言う)と、被験者とのインターフェース用のタッチパネル付表示器8(以下、表示器と言う)と、を備える。
マイコン7は、駆動電圧パルスの大きさ、又は、大きさとパルス幅を複数のレベルに調整可能に生成する信号発生回路として機能する。マイコン7は、生成させる駆動電圧パルスを複数のレベル及びパターンの中から選択指示する操作器を備えている。操作器は、表示器8にその機能を持たせてもよいし、別個に設けてもよい。駆動電圧パルスの複数のレベル及びパターン(詳細は後述)は、末梢神経の麻痺の程度と被験者が感ずる度合いとに応じて予め実験的に求めて設定され、マイコン7内のメモリに記憶させる。操作器からの指示により生成する駆動電圧パルスを低いレベルから高いレベルに段階的にシフトさせることにより、そのときに振動子3に生体を接触させている被験者が感ずるレベルによって被験者の末梢神経の麻痺程度を判定できる。
マイコン7は、複数の振動子3の振動部分が振動子ユニット4上で移動していくように駆動電圧パルスをパターン生成し、そのパターンを複数持つものとする。表示器8は、振動子ユニット4上で振動子3の振動部分が移動する各種パターンを表示し(後述の図12参照)、被験者が感知した振動パターンを押して回答することで、正誤判定できる機能を持たせる。表示器8は、タッチパネル付きでない通常の表示器とスイッチの組み合わせでも構わない。また、マイコン7には、モータ13(後記)や表示器8の制御、被験者からの回答の正誤判定、データ保存などの機能を持たせればよい。かくして、本装置1を使用した検査時に、表示器8に表示されるパターンの中から被験者が感じた振動子の振動の移動パターンを被験者に指摘させることで、簡易に被験者の末梢神経の麻痺度を検査することが可能となる。
本体2は、本体上面に生体部位が乗せられる生体置きボード9と、この生体置きボード9の下側にあって昇降自在とされ、振動子ユニット4が取り付けられる振動子取り付けボード10と、この振動子取り付けボード10を昇降移動させるための駆動機構11と、を備える。振動子ユニット4は振動子取り付けボード10に一体的に組み込まれていてもよい。生体置きボード9は、被験者の生体部位が嵌まり込む溝状の凹部9aを有し、この凹部9aにはアレイ状にある複数の振動子3が臨むための開口9bが設けられている。振動子取り付けボード10は、開口9bに振動子3が臨むように配置される。指を生体置きボード9の凹部9aに置いたとき、指の腹の部分が開口9bからはみ出す構造になっている。
駆動機構11は、マイコン7からの指示を受けたモータドライバ12により駆動されるモータ13及び偏心カム14と、偏心カム14により移動される振動子ボード押し上げ板15と、バネ16とを備える。バネ16は、ボード押し上げ板15と振動子取り付けボード10との間に挿入され、振動子取り付けボード10を押し上げ付勢する。駆動機構11を動作させることで、振動ユニット4の振動子3が、これに接触する複数の被験者の生体に対し所定の圧状態(バネ圧)で密着するようにしている。
生体置きボード9の凹部9aは、本例では図2に示されるように、生体部位として人差し指と中指が嵌まり込むように掘り込み形成されており、10mm×30mm程度の掘り込みとしている。生体置きボード9の材質は、樹脂、金属など指の形を形成できるものなら何でもよい。生体部位は、手の指2本に限られず、1本でも5本でもよく、掌、足の指、足の裏など生体の敏感な部分であればどこでもよい。凹部9aは、生体の部位形状に適合するように構成される。なお、振動子ユニット4は、マトリックス状に配して、生体に与える振動を面状としてもよい。その場合、より複雑な振動提示が可能となる。
振動子ユニット4は、本例では図3に示されるように、振動ピン方式のカンチレバー構造を用いている。すなわち、振動子ユニット4の振動子3は、振動子取り付けボード10の裏面にV字状に両端を固定した形状記憶合金5を支えとしたピンを用いている。ピンは、振動子取り付けボード10に昇降自在に立てられている。形状記憶合金5が振動することで、それに伴いピンが振動する。カンチレバー構造になっているので、振動子3には形状記憶合金5の振動の数倍の振動が得られる。
また、振動子3は、図4に示すように、形状記憶合金5を馬蹄形(アーチ形)に成型し、その頂点に直接、生体を触れさせるようにした構成であってもよい。上述のピン構成の場合、生体に接触する振動部分が1mm程度の大きさになるのに対して、この馬蹄形構成の場合、形状記憶合金の硬度と相まって、アーチの頂点が生体に当たり、形状記憶合金が極細のため、指紋の間に入るなどして、より敏感に振動刺激することができる。振動は、形状記憶合金5の線の太さ50μm程度と極めて微小になり、生体の皮膚下に分布する4つの触覚受容器を選択的に刺激することができる。このため、ピン構成では表現できなかった、皮膚上をなぞる、擦る、滑るなど微妙でかつ多様な振動を伝えることができる。形状記憶合金5の配置は、上記と同様に、直線状でもマトリックス状でもよい。
次に、上記構成の本装置1を用いた検査動作、特に、駆動機構11を駆動させて生体に振動子3を接触させる動作について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、本装置1がリセットされている状態を示し、図6は、測定状態を表す。図5に示すようにリセット状態では、振動子ボード押し上げ板15を押し上げる偏心カム14の位置が最下点にあり、バネ16で支えられた振動子取り付けボード10は生体置きボード9の下に配されていて、振動子3は生体から離れている。
図6に示すように、生体置きボード9の凹部9a上に指が置かれ、本装置1の動作をスタートさせると、モータ13が回り、偏心カム14により振動子ボード押し上げ板15を押し上げ、振動子3の先端が指に触れ、さらに振動子3が指を押し付ける。振動子取り付けボード10はバネ16で支えられているため、振動子3が指を押し付ける量に比例して、バネ16は縮んで振動子取り付けボード10と振動子ボード押し上げ板15との間隔が狭くなる。所定の間隔になったことを本装置1に設けた変位量検出センサ17で感知して、モータ13を停止させる。バネの撓み量が指への加圧力になるので、この撓み量を一定にすれば、振動子3が指を押す力も一定となる。こうして、被験者のいろいろな指の形に対しても、振動子3を一定のテンション(設定したバネ圧)で押し付けることができ、検査の精度向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る本装置について、図7及び図8を参照して説明する。本実施形態における振動子3を動かす機構は、第1の実施形態と同等であり、振動子3を指に当てる機構が相違する。本実施形態では、図7に示すリセット状態において、振動子3が生体置きボード9の凹部9aから飛び出した状態となるように、振動子取り付けボード10は配置されている。振動子3はバネ16で押し上げられた状態にある。
図7に示すように、生体置きボード9の凹部9a上に指が置かれると、その分、振動子取り付けボード10は沈み、沈んだ距離のバネ圧で振動子3を指に当てることができる。本実施形態においては、第1の実施形態に比べ、装置構成は簡略化されるが、指の形により振動子3の沈み方が異なるため、その分、被験者によって指に当たる振動子3の圧力が僅かに異なる。
(駆動電圧パルスについて、第1及び第2の実施形態に共通)
図9は形状記憶合金5に与える電気信号である駆動電圧パルスの例を示す。図9(a)に示すパルスは、波高値が2.2V、パルス幅が0.1〜100ms、パルス周期が20ms〜1sの例である。このようなパルスを用いると、ぽつぽつとした感じの振動を与えることができ、パルス周期が長いと、脈打っているような力強い振動が得られる。図9(b)に示すパルスは、波高値を変化させた場合で、波高値1.9Vでは弱く、2.2Vでは強い振動を感じる。このように波高値を調整することにより、振動強度を変えることができる。図9(c)に示すパルスは、短いパルスを複数個(例として1msのパルスを100個)一塊にし、それを300ms間隔で出力する例である。これにより、ブルブルした感じを提示できる。特に、このときの振動は、生体の受容体のうち、一番敏感な振動を感ずるパチニ小体に作用するため、指先をたたかれたような強い刺激を提示することができる。
図9(d)に示すパルスは、(c)に示すパルスと併せて用いられ、(c)のパルス駆動したタイミングから少し時間をおいて次のパルスを出力して振動子を振動させる例である。振動が一の振動子から隣の振動子に移ったように感じられる。このようなパルスをアレイ状に並ぶ振動子に次々に伝送していくと、振動子の配列に従って振動が連続的に移動していくように感ぜられる。図9(e)に示すパルスは、(d)に示すパルスと併せて用いられ、(d)のパルスの出力中に重ねてパルスを出力する例である。このようなパルスをアレイ状に並ぶ振動子に次々に伝送することにより、振動子と振動子の間でも振動を感じ、振動の移動が非常にスムースに感ぜられる。この現象は、触覚の仮現運動として知られている。図9(c)(d)(e)において、短いパルスのパルス幅を0.3msにすれば、ピリピリした振動を提示でき、3msにすれば、ごつごつした振動を提示できる。このようにパルスの周期、周波数、移動タイミングを調整することにより、様々な振動を作り出すことができる。
駆動電圧パルスと形状記憶合金の駆動回路とについて、図10及び図11を参照してより詳細に説明する。図10(a)は、図9(c)に示したパルス群を400ms続けたものを一群とし、それを形状記憶合金のチャンネルCH1〜4(図11参照)に200ms重ねながら順次駆動したときの波形である。それぞれのチャンネルを直線状に並べておけば、直線のように、曲線に並べておけば曲線のように、平面に並べておけば面状に、立体的に並べておけば立体的に振動が動くように感ずる。各チャンネルの信号を重ねることにより、仮現運動の効果が強く出て、各チャンネル間に補完作用が起き、動きが非常にスムースに感じられる。図10(b)は、それぞれのパルス群を時間を置いて駆動したときの波形である。この時は、振動点がポツポツ動くように感じられ、よりはっきりと方向感が出る。この間隔を変えることにより、移動スピードも変えることができる。図10(c)は、パルス群の周期を変えた例である。これにより、ブルブルした感じからチクチクした感じにまで変化させることができる。なお、(b)(c)ではCH4の図示を省いている。このように、パルスの波高値や幅、パルス群の長さと周期、各チャンネル間のパルスの重ね具合、などを変化させることにより、脈のような感覚、ブルブルした感覚、ざらっとした感覚、振動点が這い回るような感覚、プツプツが動く感覚、移動スピードを任意に調整することが可能となる。
図11(a)は、マイコン7からの信号を、ドライバ6としてのオープンコレクタで受けて形状記憶合金5を駆動する回路であり、図11(b)は、マイコン7からの信号を、ドライバ6としての定電流回路で受ける回路である。本例では、いずれの形状記憶合金5も並列に接続されている。複数の形状記憶合金5は、例えばアレイ状に配列され、振動の移動パターンを生成するには、マイコン7からの駆動信号により時系列に順次駆動されればよい。このような複数の形状記憶合金5の郡が複数個設けられることで、複数の指に対応したものが得られる。なお、形状記憶合金5と銅線などの接続部が振動のため、接触不良が発生することがあるが、定電流回路を用いた例では、振動作用は低減され、振動の強度を高めても、接触不良発生を解消することができる。
(実証実験の結果)
第1の実施形態に係る本装置1についての実証実験を、香川大学医学部、香川大学工学部、糖尿病のために人工透析治療を受けている患者の多い医療法人永生病院で行った。主に健常者は大学内の学生、職員を中心に、また、糖尿病患者は永生病院に透析のため通院又は入院している人を対象に行った。以下に測定結果を表にして示す。
検査に用いた駆動電圧パルスの複数のレベルは、電圧1.9V〜2.2Vの間を0.1V間隔で4段階に分け、それぞれの段階で強(パルス幅を3)、弱(パルス幅を1)の合計8段階とした。駆動電圧パルスは、図9(c)(d)及び(e)のなか、各段階において単独の振動の他に、複数の信号の組み合わせで複数の振動移動のパターンを提示した。検査は、8段階の低いレベルから漸次高いレベルに移行して行い、被験者が感知できたレベルを「判定レベル」とした。それでも感知できない被験者については、周波数などを変えて行った。健常者は学生から年配者まで男女も織り交ぜて20人程度行った。
上記表から分かるように、
(1)健常者は、ほとんど判定レベル1であったが、高齢者の一部は、判定レベル2であった。健常者は全員、振動方向も的確に答えた。女性が男性より、より敏感な(判定レベルが低い)傾向が見られた。
(2)健康診断で糖が下りていると判定された人(自覚症状は全くない)の判定レベルは、少し健常者のレベルを上回っており、健常者との識別が可能であった。
(3)糖尿病のため、透析を行っている人、又は心臓病などその他の疾患で入院している人については、健常者と明確に区別できる判定レベルであった。
(4)糖尿病患者の多くは、指先第2関節より先に直線上に振動させているにも関わらず、指先だけに振動を感じるという結果であった。また、方向を判定するのはかなり難易度が高く、正解を得るのに数段高レベルの振動が必要であった。
(5)認知症が疑われる患者については、判定レベル6で振動は感ずるが、振動の方向は認識できず、判定レベル8に上げても、方向の正解は得られなかった。また、認知症の判定には、複数の信号パターンを時系列に与えて、2,3個前のパターンが何であったか被験者から回答を求める方法が好適である。健常者と認知症が疑われる患者について、かかる実証を行ったところ、健常者からは殆ど正解が得られたのに対して、認知症が疑われる患者からは正解が得られず、両結果の差は明確であった。従って、そのような検査方法でもって、認知症の判定も可能となる。
パターン認識については、病気が進行していった重症者や高齢者、認知症患者の場合、方向感覚が薄れてくるため、振動方向を認知できない場合が多い。その時は、振動の有無だけで検査する方法が適している。一方、糖尿病が軽度の場合、単なる刺激より振動が動く方が、より明確に識別できる。このようなことから、振動は感じても、さらにパターンを感じるか否かを検査することにより、正確な判定ができると言える。
図12は、タッチパネル付表示器8の表示例を示す。表示されている複数の画柄の各々は、生体置きボード9の凹部9aに対応しており、振動の移動パターン(点線矢印で示す)を示す。検査に際しては、このような複数種類の振動移動パターンのいずれかを組み合わせて動作させる。被験者には、自身が感じたパターンに対応する図柄を押して貰うことで、それが正解か否かをマイコン7で簡便に判別できるようにしている。表示例の右端の図柄は、方向感覚が薄れた認知症患者等用であり、振動のみの動作を示し、被験者が振動のみを感じたときに押されるものである。
上述したような本実施形態においては、形状記憶合金5から成る振動子、又は形状記憶合金5とピンを組み合わせて成る振動子を用い、形状記憶合金5に与える電圧、周期、周波数、隣の振動子との重なり具合などを調整することにより、各種振動の強度、周期、パターンを指先などに与え、被験者は、振動の有無、その方向などを答える。正解が得られるまで振動の強度、周波数を複数レベルに変化させ、感じたレベルを被験者の抹消神経の麻痺程度と置き換えて判定する。このように指を振動子に接触させるだけで、簡単に被験者に苦痛を与えることなく、検査結果が得られる。
特に、電気信号を制御することにより、振動を定量的に与えることができるだけでなく、振動に動きを与えられるため、その動きの方向などを被験者に答えさせることで、精度の高い測定が行える。すなわち、振動の強度だけでは、本装置が与えた振動か、どこかに当たった振動かの識別が不確実であるが、振動に動きを伴うと、被験者にとって本装置が与えた振動であることが明確に分かるため、外乱と区別ができ、正確な測定が可能となる。そのことが、認知症の判定にも繋がる。認知症は、進行の度合いにより、空間把握ができなくなってくるので、振動が動いている場合、振動は感じても、その方向を判定することが難しい。また、振動の複数パターンを提示し、数回前のパターンを答えさせることで、記憶の程度を試すことができ、認知症の程度判定の精度を向上することができる。このように、指を振動子に接触させるだけで、短時間にその場で末梢神経の麻痺の程度が測定でき、早期に警告することも可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変形しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記では、振動子ユニット4として、複数個のアレイ状に並べられ振動子3を持つものを示したが、必ずしもアレイ状配置のものに限られず、任意の構成を採用し得る。また、タッチパネル付表示器8、振動子取り付けボード10を昇降移動させるための駆動機構11などは、付加的な構成要素であって、必ずしも備えていなくとも、原始的な検査装置を構成し得る。例えば、1)振動を始めるのは被験者自身がボタンを押して始める。2)好きなだけ再検査して試してみる。3)振動強度の上げ下げは被験者自身が行う。4)強度調整は、高いところから行って、判別できるまで順次下げて感じなくなるところを限界とする。このようなラフな検査にも適用可能である。
また、本発明の末梢神経検査装置は、パーソナルコンピュータ(パソコン)と、それに例えばUSB接続されるマウスにおいて実施することも可能である。この場合、上記信号発生回路を成す制御用マイクロコンピュータ7及びタッチパネル付表示器8の機能手段(ソフトウェア及びハードウェア)はパソコンに持たせればよい。振動子ユニット4はマウスに装着され、振動子3は被験者がマウスを手で掴んだとき手指に当たるように配置される。このような形態により、簡単な構成及び操作で手軽に検査を行うことが可能となる。
3 振動子
4 振動子ユニット
5 形状記憶合金
7 制御用マイクロコンピュータ(信号発生回路)
8 タッチパネル付表示器8(表示器)
9 生体置きボード
9a 凹部
9b 開口
10 振動子取り付けボード
16 バネ

Claims (4)

  1. 形状記憶合金に通電することにより発生する微振動を被験者の生体に与えることで、被験者の末梢神経の麻痺度を測定する末梢神経検査装置であって、
    形状記憶合金又はこれを支えとしたピンを用いた振動子と、
    この振動子が被験者の生体に接触可能に配置された振動子ユニットと、
    前記形状記憶合金に与える駆動電圧パルスの大きさ、又は、大きさとパルス幅を複数のレベルに調整可能に生成する信号発生回路とを備え、
    前記複数のレベルは、末梢神経の麻痺の程度と被験者が感ずる度合いとに応じて予め設定されており、被験者が感ずるレベルによって当該被験者の末梢神経の麻痺程度を判定できるようにしたことを特徴とする末梢神経検査装置。
  2. 前記振動子ユニットは、複数個の振動子がアレイ状に並べられており、
    前記信号発生回路は、前記振動子の振動部分が前記振動子ユニット上で移動していくように駆動電圧パルスをパターン生成し、そのパターンが複数あることを特徴とする請求項1記載の末梢神経検査装置。
  3. 前記信号発生回路で生成させる駆動電圧パルスを複数のレベル及びパターンの中から選択指示する操作器と、
    前記振動子の振動部分が前記振動子ユニット上で移動するパターンを表示する表示器と、を備え、
    検査時に、被験者が感じた振動子の振動の移動パターンを前記表示器に表示されるパターンの中から指摘できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の末梢神経検査装置。
  4. 生体部位が乗せられる溝状の凹部が設けられた生体置きボードと、
    前記振動子ユニットが取り付けられた振動子取り付けボードと、を備え、
    前記振動子取り付けボードは、前記凹部に設けられた開口に振動子が臨むように、前記生体置きボードの下側に昇降自在に、かつバネにより上向きの力が付勢されて配置され、
    前記振動子から複数の被験者の生体に対し所定のバネ圧が掛かるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の末梢神経検査装置。
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