JP2013214060A - 化合物粒子の製造方法 - Google Patents

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眞由美 小坂
Takashi Masako
隆志 眞子
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Abstract

【課題】微細な孔を有する多孔性物質の細孔内に有効に担持される化合物粒子を生成する。
【解決手段】多孔性物質からなる基体を第1の陽イオン及び第1の陰イオンからなる第1のイオン結晶が溶解した第1の溶液に浸漬することにより、細孔内に第1の溶液を流入させる。第1の溶液から引き上げた基体を、第2の陽イオン及び第2の陰イオンがイオン結合してなる第2のイオン結晶が溶解した第2の溶液に浸漬し、第1及び第2の溶液を細孔内にて混合することにより、第1の陽イオン及び第2の陰イオンからなる難溶或いは不溶な目的化合物を細孔内に合成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、多孔性物質からなる基体の孔内に化合物粒子を保持する構造を有する基体及びその製造方法に関する。この種の基体は例えばエレクトロクロミズムを利用した表示デバイスの表示電極に用いられている。
物質に電荷を印加することにより、その物質の光物性に可逆的な変化が見られる現象としてエレクトロクロミズムがある。エレクトロクロミズムを表示デバイスに応用しようとする試みは従来から行なわれてきた。例えば、電気化学的な酸化・還元反応を通じて電極物質に電荷を印加することにより、電極が吸収する可視光域を変化させる表示装置やその電極が特許文献1、2に開示されている。
一般に、エレクトロクロミズムを応用した表示装置、いわゆるエレクトロクロミック表示装置は不揮発性表示が可能である点、また、反射型表示装置を実現可能である点等で、現在主流の表示装置である液晶ディスプレイとは異なる特性を有し、近年では電子ペーパー等への応用が期待されている。
エレクトロクロミズムを示す材料の中で、プルシアンブルー(紺青)に代表される、シアノブリッジ化合物顔料は、その高い耐久性と、鮮やかな発色から、古くから注目を集めている材料である。シアノブリッジ化合物顔料を用いたエレクトロクロミック素子を構成するためには、これらの顔料に電流を流すための電子伝導性を持つ電極を接触させる必要がある。通常は、顔料の色変化を見易い透明な電極上に、これらの材料を堆積させて電極を構成する。特許文献3には、電解析出(めっき)により成膜した、プルシアンブルー薄膜電極を用いたエレクトロクロミック素子の例が開示されている。
プルシアンブルー類縁物質(Prussian Blue Analogs, PBA) は、発色時の色の濃さと、消色時の透明度高さから、表示デバイスや調光ガラスとしての応用に期待が高いが、同時に、ほとんどすべての溶媒に不溶な顔料であることから、実際にエレクトロクロミック素子を形成するのが困難である。この問題を避けるため、特許文献3では電解析出(めっき)によってプルシアンブルー薄膜電極を構成している。
この種の電極を用いるエレクトロクロミック表示装置において、十分に濃い発色を得るためには、十分な膜厚のプルシアンブルー膜を電極上に形成する必要がある。しかし、プルシアンブルーは高い絶縁性を有するので、電気析出による膜形成では十分な厚さの膜を形成するのが難しい。このため、電気析出によりプルシアンブルー膜を形成した電極を用いる場合、高い発色性能を有するエレクトロクロミック表示装置を構成することは困難であった。
エレクトロクロミック素子の製造に関し、特許文献4には、ナノ粒子化したプルシアンブルー表面を修飾することで、溶媒に安定に分散したプルシアンブルーインクを構成する方法が開示されている。プルシアンブルーのナノインク化は、これらの材料を用いたエレクトロクロミック素子の実現可能性を大きく広げるものであるが、ナノ粒子の作成工程の他に表面修飾の工程が必要であること、インクの塗布・乾燥後のナノ粒子の基材への付着力を確保することなどの課題がある。
また、一般に、エレクトロクロミック材料の電気抵抗は高いので、十分な応答速度を得るためには、電極上の顔料層の厚さを薄くする必要がある一方、顔料層を薄くすると発色時の光吸収が不十分になって色が薄くなる。発色と応答速度の両立を図るため、色素増感太陽電池などにも用いられている透明多孔性電極に、エレクトロクロミック材料を担持する方法が、特許文献5に開示されている。この方法では、多孔性電極の空隙を微細化することにより、発色と応答速度の両立を図っている。有機系エレクトロクロミック材料のように溶媒に溶ける染料系のエレクトロクロミック材料を用いる場合であれば、エレクトロクロミック材料は微細な細孔に浸入可能である。しかし、プルシアンブルーは数十から数百ナノメートルの粒子サイズを持つので、これよりも小さい細孔に浸入することはできない。その結果、多孔性電極の微細化した細孔にプルシアンブルーをそのまま担持させようとしても、電極上に有効に担持させることができない。
特公昭59−022942 特公昭58−149089 特公昭63−43472 再表2008−081923 特開2008−304906
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、微細な細孔を有する多孔性物質であっても、その細孔内に有効に担持される化合物粒子を生成する方法を提供することである。
上述の課題を解決するため、本発明は、少なくとも一部が多孔性物質からなる基体を、第1の陽イオン及び第1の陰イオンがイオン結合してなる第1のイオン結晶が溶媒に溶解した第1の溶液に浸漬することにより、前記多孔性物質の細孔内に前記第1の溶液を流入させる段階と、前記基体を前記第1の溶液から引き上げる段階と、前記基体を、第2の陽イオン及び第2の陰イオンがイオン結合してなる第2のイオン結晶が前記溶媒に溶解した第2の溶液に浸漬し、前記第1及び第2の溶液を前記細孔内にて混合することにより、前記第1の陽イオン及び第2の陰イオンからなり、少なくとも前記溶媒に対して難溶或いは不溶な目的化合物を、前記細孔内に合成する段階と
を含むことを特徴とする化合物粒子の製造方法を提供する。
本発明によれば、多孔性物質の細孔内にて担持しようとする化合物粒子を構成する陽イオン及び陰イオンを2種類の溶液に分けて細孔内に浸入させた後、細孔内で合成するので、微細な孔を有する多孔性物質であっても細孔内に化合物粒子を担持させることができる。
プルシアンブルーの構造を示す図である。 PBA顔料担持電極の作成例1を示すフローチャートである。 実施例1によりプルシアンブルーを担持した、多孔質酸化チタン電極のSEM写真である。 Fe-Fe PB担持電極のCV測定結果を示すグラフである。 Ni-Fe PBA担持電極のCV測定結果を示すグラフである。 PBA顔料担持電極の作成例2を示すフローチャートである。 実施例3によりプルシアンブルーを担持した、多孔質酸化チタン電極の写真である。 実施例3によりプルシアンブルーを担持した、多孔質酸化チタン電極表面のSEM写真である。 実施例4によりプルシアンブルーを担持した、多孔質酸化チタン電極の写真である。 実施例4によりプルシアンブルーを担持した、多孔質酸化チタン電極表面のSEM写真である。 比較例1によりプルシアンブルーを担持した、多孔質酸化チタン電極の写真である。 比較例1によりプルシアンブルーを担持した、多孔質酸化チタン電極表面のSEM写真である。 実施例5により、プルシアンブルーを担持した多孔質酸化チタン電極表面に電解質膜を形成した、電極例の模式図である。 実施例5により、プルシアンブルーを担持した多孔質酸化チタン電極表面に電解質膜を形成した電極を組み合わせて、電解液を封入して作製した、エレクトロクロミズム電極例の模式図である。
〔第一の実施の形態〕
本発明の一実施の形態である化合物粒子生成方法について説明する。本発明では、多孔性物質にて担持しようとする粒子を、多孔性物質の細孔内で直接合成する。あらかじめ作成しておいた粒子を多孔性物質に含浸させるものではない。
(1)次のものを用意する。
基体:生成した化合物粒子を担持する基体である。基体は少なくとも一部が多孔性物質からなる。基体の導電性の有無は問わない。
第1の溶液:第1のイオン結晶が溶媒に溶解した溶液である。溶媒は極性を有し、無機イオンに対して溶解度を持つものであり、その代表は水である。水以外の溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1ブタノール)、非プロトン性溶媒のジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が考えられる。第1のイオン結晶は第1の陽イオン及び第1の陰イオンがイオン結合してなる。第1のイオン結晶は溶媒に対して可溶性を有する。
第2の溶液:第2のイオン結晶が第1の溶液と同じ溶媒に溶解した溶液である。第2のイオン結晶は第2の陽イオン及び第2の陰イオンがイオン結合してなる。第2のイオン結晶は溶媒に対して可溶性を有する。
ここで、第1の陽イオンと第2の陰イオンの組み合わせは、第1及び第2の溶液の溶媒に対して難溶性或いは不溶性を有する目的化合物を形成するものとする。目的化合物は例えばイオン結晶や配位化合物である。また、第1の陰イオンと第2の陽イオンの組み合わせは第1及び第2の溶液の溶媒に対して可溶性を有する可溶性化合物を形成するものとする。
(2)基体を第1の溶液に浸漬し、多孔性物質の細孔内に第1の溶液を流入させる。
(3)基体を第1の溶液から引き上げる。
(4)基体を溶媒で軽くリンスする。リンスは細孔内に残っている第1の溶液を洗い流さない程度に止める。
(5)基体を第2の溶液に浸漬し、細孔内に第2の溶液を流入させる。これにより、細孔内にて第1及び第2の溶液が混合し、第1の陽イオンと第2の陰イオンから目的化合物が形成される。上述したように、目的化合物は難溶性或いは不溶性を有するので、細孔内にて目的化合物からなる粒子が形成されることとなる。また、この段階では可溶性化合物も細孔内に残留しているので、この段階で工程を終了して得られる基体の細孔内には、目的化合物とともに可溶性化合物も担持される。
(6)基体を溶媒で洗浄する。目的化合物は難溶性或いは不溶性を有するので細孔内に残る。他方、可溶性化合物は可溶性を有するので細孔内から洗い流される。
この方法は、原料となる2種類の物質(第1及び第2のイオン結晶)が溶媒に可溶であり、それらの混合により、溶媒に対して難溶或いは不溶な物質(目的化合物)が形成されるあらゆる金属イオンの組み合わせとあらゆる濃度の原料溶液に対して有効である。この方法を、導電性を有する基体を用いて、目的化合物としてエレクトロクロミズムを有するものを用いることにより、エレクトロクロミック素子の電極を製造するために用いることができる。
第1の溶液の例としては、溶媒を水とし、第1のイオン結晶を水溶性の金属塩とするものがある。より具体的には、第1の陽イオンはAl, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Sn, Ga, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Tl, Biを含む金属元素及びランタニドのいずれかである。第1の陰イオンは硝酸根、硫酸根、炭酸根、有機酸根のいずれかである。
第2の溶液の例としては、溶媒を水とし、第2のイオン結晶を可溶性ヘキサシアノ金属塩とするものがある。より具体的には、第2のイオン結晶は組成式Ax M’(CN)6で表される。ここで、Aをアルカリ金属Li、Na、K、Rb, Csのいずれか一種あるいは二種以上の混合物とし、M’をCr, Mn, Fe, Co, Ru, Re, Os, Ir, Pt のいずれか一種あるいは二種以上の混合物とする。
このような第1及び第2の溶液を用いて、プルシアンブルー及びプルシアンブルー類似化合物を目的化合物として多孔性物質の細孔内に担持させることができる。
多核錯体の一種であるプルシアンブルー類似化合物(PBA)は、図1に示す面心立方の理想構造をもち、2種類以上の金属イオンを含んでいる。その構造中には、M’(CN)6 n-(M= Cr, Mn, Fe, Co, Ru, Rh, Re, Os, Ir, Pt)で表わされる、ヘキサシアノ金属イオンが、もう一種類の金属イオンM(Al, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Tl, Bi)でつながれた構造を持つ。すなわち、一次元的に書くと、-M-N-C-M’-C-N- なる並びが、x,y,zすべての3次元方向に連なった構造を持つ。また、Mが、ランタニドのようなイオン半径の大きな陽イオンの場合には、-M-N-C-M’-C-N-が直線ではなくなり、結晶系も六方晶となるが、局所的な原子のつながり方は、立方晶の物質と同様であり、これらもプルシアンブルー類似化合物の一種と看做すことができる。
この物質は、溶液中で簡単に合成される。具体的には、M’(CN)6 n-を含む溶液と、Mを含む溶液を、混合することで得られる。例えば、鉄-鉄の組み合わせからなるプルシアンブルー(PB)については、例えば、フェロシアン化カリウム(K4Fe(CN)6)と、硝酸鉄(Fe(NO3)3)のそれぞれの溶液を混合することで、沈殿物として合成することが出来る。
このようにして得られるPBは、数十〜百ナノメートル程度の微結晶であり、一度生成すると、ほぼどのような溶媒にも溶けない。
基体の例としては、色素増感太陽電池などの用途に用いられている透明多孔体電極がある。現在、透明多孔体電極としては、孔径が50nmを切るものまでも開発されており、容易に入手できる。多孔性物質としては、たとえば酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタンのいずれか、あるいは、これらの混合物を使用することができる。このように微細な細孔を有する多孔体が求められているのは、色素増感太陽電池では、多くの色素を担持しつつ電気抵抗を低くする必要があるためである。このような微細な細孔を有する多孔体電極に対し、上述の方法を適用してPB乃至PBAを担持させることにより、多孔体電極内部の細孔にまでPB乃至PBA粒子を行き渡らせることができるようになり、低抵抗と高い光学濃度の両立を図ったエレクトロクロミック素子電極を製造することができる。尚、前述のようにPBの粒子は数十から百ナノメートル程度の大きさを有するため、PBそのものを液体に分散した懸濁液にこの種の多孔体電極を浸漬しても、孔径が50nm以下の細孔にPB粒子は侵入することができない。このため、PBの懸濁液に基体を浸漬する手法では、微細な細孔を有する多孔体の内部までPB粒子を行き渡らせるのが難しかった。
PB/PBAを多孔質電極に担持させる際に、上記2つの溶液を混合せず、図2に示すように、最初に第一の原料液に多孔質電極を浸漬(ステップ3)して、多孔体内部にその溶液を十分に染込ませた後、一旦軽く水洗(ステップ4)し、その後に、もう一種の原料液に浸漬する(ステップ5)プロセスをとると、図3のように多孔体の孔の内部でPB/PBA微結晶が合成できることを発明者らは見出した。これを利用することにより、エレクトロクロミック材料からなる顔料を、微細な細孔を有する多孔性物質に簡便に担持させることが出来ることとなり、その結果、一度合成したPB/PBA縣濁液に多孔質電極を浸すプロセスでは不可能であった、多孔質電極への担持が可能であることがわかった。本発明はこのような知見に基づくものである。
フェロシアン化カリウム(K4Fe(CN)6) 0.01 mol/L の水溶液と、硝酸鉄(Fe(NO3)3) 0.01 mol/Lの水溶液を作成した。多孔性透明電極として、有機色素太陽電池用に市販されている、ITO(Indium Tin Oxide)透明導電膜付ガラスの上に、多孔性酸化チタン電極が5 μmの厚みで形成されているものを用いた。
多孔性酸化チタン電極を、上記硝酸鉄溶液に約1分間浸した後、取り出して、純水で軽くリンスした。リンスは、純水の入ったビーカに10秒ほど浸した後に、表面を流れる純水で流すことで行った。次に、この電極をフェロシアン化カリウム溶液に1分間浸漬した。浸漬直後から、多孔性電極のある部分が青色に染まるのが確認された。
電極をフェロシアン化カリウム溶液から取り出し、純水で洗浄して試験電極とした。この試験電極を用いてサイクリックボルタメトリ(CV)測定を行った。作成した電極を作用極とし、参照極、対極にはそれぞれ、銀/塩化銀電極、白金線を用いた。電解液には、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液を用いた。
-0.1Vから1.2Vの範囲を3周繰り返したCV測定のうち、最後の昇降圧サイクルを図4に示す。同図から読み取れるように、0.2 V (vs. Ag/AgCl)付近に、PBの酸化還元反応が明瞭に観察された。PBは、この反応の還元側で透明となり、酸化側で青色となることが良く知られているが、作成したPB担持電極も、0.0V (vs. Ag/AgCl)で完全に消色し、0.6Vで青くなることが確認できた。
上記と同じ出発原料溶液を、単純に混ぜ合わせることでも、濃青色の縣濁液を得ることが出来る。 この液の青色は、すべてがにわかに沈殿するものではなく、紙等に染込ませて青色に染色することが可能であるが、この実験で用いた、多孔性酸化チタン電極を、同青色液に10分間浸漬しても、電極を浸漬した状態でさらに超音波を加えても、電極を染めることは出来なかった。 これらの結果は、2液混合で生成するPB粒子の大きさが、多孔性電極の空隙よりも大きいために、粒子生成後に、多孔体に入れることが困難であることを示している。
2液混合により生成する顔料粒子の大きさは、反応液の濃度やpHにより変化することが経験的に知られているため、上記多孔体電極の空隙に入るような顔料ナノ粒子を生成することも原理的には可能である。しかし、本発明の方法を用いれば、そうした濃度、pHの細かな調整を行うことなく、多孔性電極への顔料担持が行えることから、より簡便に顔料担持電極を得ることが出来る。
フェリシアン化ナトリウム(Na3Fe(CN)6) 0.01 mol/L の水溶液と、硝酸ニッケル(Ni(NO3)2) 0.1 mol/Lの水溶液を作成した。電極としては実施例1と同じ、多孔性酸化チタン電極付のITOを用いた。
電極への担持操作自体は、実施例1で示した鉄-鉄PBの場合と同様に、(1) 電極の硝酸ニッケル溶液への1分間浸漬 (2) 水でのリンス (3) フェリシアン化ナトリウム溶液への浸漬 で行ったが、ニッケル- 鉄PBAの黄色は、鉄-鉄PBの青色よりも色が薄いために、担持量を鉄−鉄の場合より多くする目的で、(3)後に、水でリンスを行い、(1)〜(3)のプロセスを3〜5回繰り返した。上記手順を繰り返すごとに、着色部の色は濃くなることが確認できた。
-0.2Vから1.1Vの範囲を5周繰り返したCV測定のうち、最後の昇降圧サイクルを図5に示す。ニッケル−鉄 PBAの酸化還元電位は、0.45V (vs Ag/AgCl)付近にあり、酸化側で黄色に発色し、還元側で透明になる。作成した電極が黄色に着色した状態で、電極の電位を0.2Vにしたところ、1秒以内に透明となった。また、この状態から、0.6Vに電位を変化させたところ、1秒以内に元の黄色に戻った。このときの発色が従来よりも明瞭であることが目視により確認できた。このように、多孔性電極を用いることで、色の変化の大きさと、応答速度が両立できることを確認した。
また、同様な手順で、フェリシアン化ナトリウムを、ヘキサシアノコバルト酸カリウム(K3Co(CN)6)、ヘキサシアノルテニウム酸カリウム(K4Ru(CN)6)、ヘキサシアノクロム酸カリウム(K3Cr(CN)6)、ヘキサシアノマンガン酸カリウム(K3Mn(CN)6)、ヘキサシアノ白金酸カリウム(K2Pt(CN)6)、ヘキサシアノイリジウム酸カリウム(K3Ir(CN)6)、ヘキサシアノオスミウム酸カリウム(K4Os(CN)6)、ヘキサシアノレニウム酸カリウム(K2Re(CN)6)などに変える、あるいはこれらの混合物に置き変えて、M’の異なる着色電極を得ることが出来た。
これらに加えてさらに、硝酸ニッケルを、Al, V, Cr, Mn, Co, Cu, Sn, Zn, Ga, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Tl, Biなどの可溶性塩、例えば、硝酸アルミニウム(AlNO3), 酢酸マンガン(Mn(CH3COO)2), 塩化スズ(SnCl2)など、あるいはこれらの混合物に置き換えても、Mの異なる着色電極を得ることが出来た。
M、M’の材料の組み合わせを変えることにより、着色や酸化還元電位を変化させることが出来た。 例えばMとM’が共にFeの場合には、青色であるが、MがNiに変わると黄色になった。また、M、M’共にCrに変えると赤い色を得ることが出来た。
〔第二の実施の形態〕
次に第二の実施の形態について説明する。本実施形態は、第1の溶液あるいは第2の溶液の少なくとも一方の溶液の水素イオン指数(pH)を2.3以下、好ましくは2.1以下に調整した場合の、化合物粒子の製造方法に関する。
(1)基体、第1の溶液、第2の溶液を用意する。基体は、生成した化合物粒子を担持するものであり、少なくとも一部が多孔性物質からなる。第1の溶液および第2の溶液は、それぞれ第1のイオン結晶および第2のイオン結晶が溶媒に溶解した溶液である。第1のイオン結晶は第1の陽イオン及び第1の陰イオンからなり、第2のイオン結晶は第2の陽イオン及び第2の陰イオンからなる。第1の陽イオンと第2の陰イオンを組み合わせることにより、第1及び第2の溶液の溶媒に対して難溶性或いは不溶性を有する目的化合物を形成する。本実施形態では、第1の溶液あるいは第2の溶液の少なくとも一方の溶液のpHを2.3以下に調整する。ここでは例として第1の溶液のpHを2.3以下および2.1以下に調整する。pH調整後の第1の溶液を「第1’の溶液」と記すものとする。
(2)基体を第2の溶液に浸漬し、多孔性物質の細孔内に溶液を流入させる。
(3)基体を第2の溶液から引き上げる。表面に付着している溶液のpHを変化させないため、水などの溶媒でのリンスは行わない。
(4)基体を、pHを2.3以下に調整したもう一方の溶液(第1’の溶液)に浸漬し、細孔内に第1’の溶液を流入させる。これにより、細孔内にて第1’及び第2の溶液が混合し、溶液の陽イオンと陰イオンから目的化合物が形成される。
(5)基体表面の不要な溶液を振り落とす、あるいは拭い取り除去する。
(6)(2)〜(5)を繰り返すことにより、基体の細孔内に均一に化合物が担持される。
このpH調整を行って多孔性物質に化合物を担持する方法は、原料となる2種類の物質(第1及び第2のイオン結晶)が溶媒に可溶であり、それらの混合により、溶媒に対して難溶或いは不溶な物質(目的化合物)が形成されるあらゆる金属イオンの組み合わせとあらゆる濃度の原料溶液に対して有効である。また、この方法は、導電性を有する基体と、目的化合物としてエレクトロクロミズムを有する材料を用いて、エレクトロクロミック素子の電極を製造するために用いると有効である。
特に、上記のプルシアンブルーおよびプルシアンブルー類似化合物を目的化合物として多孔性物質の細孔内に担持させる場合、図6に示すように、第1の溶液のpHを2.3以下、好ましくは2.1以下に調整し(第1’の溶液)、多孔質電極を第1’の溶液と第2の溶液に交互に浸漬すると、多孔性物質の内部の細孔にまで均一に多量の目的化合物を担持することができるため、十分な発色の電極作製を可能にすることができる。
pHを2.3以下にする溶液は第1の溶液でもよいし、第2の溶液でもよく、また両方でもよい。プルシアンブルーおよびプルシアンブルー類似化合物の場合には第1の溶液が酸性であるため、第1の溶液のpHを2.3以下にするのが簡便である。
第1の溶液のpHを2.3以下に調整する方法は、第1の溶液に強酸を加えてpHを下げる調整を行うことができる。また、第1の溶液が時間経過によりpHが変化したものを用いてもよい。
フェロシアン化カリウム(K4Fe(CN)6) 0.01 mol/L の水溶液と、硝酸鉄(Fe(NO3)3) 0.01 mol/Lの水溶液を作製した。硝酸鉄水溶液は硝酸を加え、pHが2.25になるように調整した。pH調整を行わないで作製されたフェロシアン化カリウム水溶液のpHは8.63だった。多孔性透明電極として、ITO透明導電膜付ガラス上に多孔性酸化チタン電極が5 μmの厚みで形成されている有機色素太陽電池用電極を用いた。
多孔性酸化チタン電極を、上記フェロシアン化カリウム溶液に1分間浸漬した後、取り出した。浸漬の際には、溶液が細孔内部に入り込むように電極を揺り動かした。その後、電極をpH=2.25に調整した硝酸鉄水溶液に約1分間浸し、溶液が細孔内部に浸透するように電極を揺り動かした。電極を取り出し、表面の余分な溶液を振り落とすと、多孔性電極の部分が青色に染まっているのが確認された。この工程を4〜5回繰り返すと、図7に示すように電極は青色に染まった。
この電極を用いてサイクリックボルタメトリ(CV)測定を行った。作製した電極を作用極とし、参照極、対極にはそれぞれ、銀/塩化銀電極、白金線を用いた。電解液には、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液を用いた。-0.1Vから1.2VのCV測定を行った結果、0.2 V (vs. Ag/AgCl)付近に、PBの酸化還元反応が明瞭に観察され、0.0V (vs. Ag/AgCl)で完全に消色し、0.6Vで青色に着色することが確認できた。
また、硝酸鉄水溶液のpHを2.25に調整して作製した電極表面のSEM観察結果を図8に示す。一部、多孔性酸化チタン電極表面にPB粒子が固まって付着しているが、チタン粒子にPBが纏わりつき、細孔内部にまでPBが広がっている様子が観察された。
フェロシアン化カリウム(K4Fe(CN)6) 0.01 mol/L の水溶液と、硝酸鉄(Fe(NO3)3) 0.01 mol/Lの水溶液を作製した。硝酸鉄水溶液は硝酸を加え、pHが2.08になるように調整した。pH調整を行わないで作製されたフェロシアン化カリウム水溶液のpHは8.63だった。多孔性透明電極として、ITO透明導電膜付ガラス上に多孔性酸化チタン電極が5 μmの厚みで形成されている有機色素太陽電池用電極を用いた。
多孔性酸化チタン電極を、上記フェロシアン化カリウム溶液に1分間浸漬した後、取り出した。浸漬の際には、溶液が細孔内部に入り込むように電極を揺り動かした。その後、電極をpH=2.08に調整した硝酸鉄水溶液に約1分間浸し、溶液が細孔内部に浸透するように電極を揺り動かした。電極を取り出し、表面の余分な溶液を振り落とすと、多孔性電極の部分が鮮やかな青色に染まっているのが確認された。この工程を4〜5回繰り返すと、図9に示すように電極は濃い鮮やかな青色に染まった。
この電極を用いてサイクリックボルタメトリ(CV)測定を行った。作製した電極を作用極とし、参照極、対極にはそれぞれ、銀/塩化銀電極、白金線を用いた。電解液には、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液を用いた。-0.1Vから1.2VのCV測定を行った結果、0.2 V (vs. Ag/AgCl)付近に、PBの酸化還元反応が明瞭に観察され、0.0V (vs. Ag/AgCl)で完全に消色し、0.6Vで鮮やかな青色に着色することが確認できた。
また、硝酸鉄水溶液のpHを2.08に調整して作製した電極表面のSEM観察結果を図10に示す。多孔性酸化チタン電極のチタン粒にPBが纏わりつき、細孔内部にまでPBが均一に広がっている様子が観察された。
(比較例1)
フェロシアン化カリウム(K4Fe(CN)6) 0.01 mol/L の水溶液と、硝酸鉄(Fe(NO3)3) 0.01 mol/Lの水溶液を作製した。pH調整を行わないで作製されたフェロシアン化カリウム水溶液のpHは8.63、硝酸鉄水溶液のpHは2.45だった。多孔性透明電極として、ITO透明導電膜付ガラス上に多孔性酸化チタン電極が5 μmの厚みで形成されている有機色素太陽電池用電極を用いた。実施例3との比較として比較例1は、硝酸鉄水溶液のpH値が高い。
多孔性酸化チタン電極を、上記フェロシアン化カリウム溶液に1分間浸漬した後、取り出した。浸漬の際には、溶液が細孔内部に入り込むように電極を揺り動かした。その後、電極を硝酸鉄水溶液に約1分間浸し、溶液が細孔内部に浸透するように電極を揺り動かした。電極を取り出し、表面の余分な溶液を振り落とすと、多孔性電極の部分が薄い灰色に染まっているのが確認された。この工程を4〜5回繰り返しても、図11に示すように電極は青みがかった灰色だった。
この電極を用いてサイクリックボルタメトリ(CV)測定を行った。作製した電極を作用極とし、参照極、対極にはそれぞれ、銀/塩化銀電極、白金線を用いた。電解液には、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液を用いた。-0.1Vから1.2VのCV測定を行った結果、0.2 V (vs. Ag/AgCl)付近に、PBの酸化還元反応が明瞭に観察され、0.0V (vs. Ag/AgCl)で完全に消色し、0.6Vで青みがかった灰色に着色することが確認できた。
また、pH調整を行わないで作製した電極表面のSEM観察結果を図12に示す。多孔性酸化チタン電極表面にPB粒子がところどころ固まって付着しており、チタン粒へのPBの纏わりつきが不均一で、細孔内部にPBが広がっていない様子が観察された。
(実施例と比較例との検討結果)
図7、図9、図11の結果から、硝酸鉄水溶液のpHを2.3以下に調整した原料溶液を用いて多孔性酸化チタン電極にPBを担持した実施例3の電極は、比較例1に比べて鮮やかな青色に着色され、発色の効果が高いことが分かる。更に、硝酸鉄水溶液のpHを2.1以下に調整した原料溶液を用いて多孔性酸化チタン電極にPBを担持した実施例4の電極は、比較例1や実施例3に比べて著しく鮮やかな青色に着色され、発色の効果がより高いことが分かる。
また、図8、図10、図12のSEM観察結果から、実施例3の電極は、一部PBが酸化チタン表面で固まっているが、比較例1に比べてPBが酸化チタン表面に均一に広がって担持されていることが分かる。更に、実施例4の電極は、PBが酸化チタン表面に固まらず、実施例3の電極よりも更にPBが酸化チタン表面に均一に纏わりつき、細孔内部まで多量のPBが担持されていることが分かる。
実施例3、4の電極は、PBが酸化チタン表面に均一に担持されていることから、電圧変化による酸化還元反応時間も速く、消色と着色の応答速度が比較例1よりも速い時間で行うことができる。
〔第三の実施の形態〕
次に第三の実施の形態について説明する。本実施形態は、化合物粒子を細孔内に担持した多孔性物質の基体表面に電解質膜を形成することにより、化合物粒子が酸化還元反応を可能にしながら、電解液に流出するのを防ぐ、電極の製造方法に関する。
基体としては、色素増感太陽電池などの用途に用いられている透明多孔体電極と同じものを用いることができる。具体的には、たとえば酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタンのいずれか、あるいは、これらの混合物を用いる。
基体の細孔内に担持される化合物粒子としては、プルシアンブルー及びプルシアンブルー類似化合物がある。これら化合物粒子は上述の第1及び第2の実施の形態にて説明した方法にて基体の細孔内にて合成される。
電解質膜は、化合物粒子の酸化還元反応に必要なイオンを通すものであればよく、フッ素を含有するものでも、フッ素を含有しないものでもよい。パーフルオロスルホン酸系ポリマー電解質や、フッ素系ポリマー電解質、炭化水素系電解質などを用いることができる。
電解質膜は多孔性物質の基体表面を覆うように形成されていればよく、化合物が流出するのを防ぐため、酸化還元反応時に、電解質膜と基体との隙間が化合物粒子の径よりも小さいことが望ましい。例えば、乾燥状態では電解質膜と基体との隙間が大きく開いていても、酸化還元反応時に電解質膜が電解液などにより膨潤して、電解質膜と基体の隙間が小さくなるのであればよい。
電解質膜は、電解質膜を形成する材料をスピンコート、キャスト、印刷、塗布などの方法で、図13のように、化合物粒子を担持した多孔性物質の基体表面に形成する。また、このようにして作製した電極を組み合わせて、図14のようにセルを作製することができる。
実施例4で作製した鮮やかな青色の電極表面に、デュポン社製5%ナフィオン溶液をスピンコート法で塗布し、室温で乾燥させて電解質膜を形成した。この電極を用いてサイクリックボルタメトリ(CV)測定を行った。作製した電極を作用極とし、参照極、対極にはそれぞれ、銀/塩化銀電極、白金線を用いた。電解液には、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液を用いた。-0.1Vから1.2VのCV測定を行った結果、0.2 V (vs. Ag/AgCl)付近に、PBの酸化還元反応が明瞭に観察され、0.0V (vs. Ag/AgCl)で完全に消色し、0.6Vで鮮やかな青色に着色することが確認でき、この測定を繰り返し行っても、鮮やかな青色に変化はなかった。
また、この電極を用いて、図14のようなセルを作製し、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液の電解液を封入してPBの酸化還元反応を繰り返し行っても、消色と鮮やかな青色着色を繰り返すことができた。
(比較例2)
実施例4で作製した鮮やかな青色の電極をそのまま用いてサイクリックボルタメトリ(CV)測定を行った。作製した電極を作用極とし、参照極、対極にはそれぞれ、銀/塩化銀電極、白金線を用いた。電解液には、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液を用いた。-0.1Vから1.2VのCV測定を行った結果、0.2 V (vs. Ag/AgCl)付近に、PBの酸化還元反応が明瞭に観察され、0.0V (vs. Ag/AgCl)で完全に消色し、0.6Vで鮮やかな青色に着色することが確認できたが、この測定を繰り返し行うと、PBが電解液に流出し、青色が次第に抜けて薄くなった。
また、この電極を用いて、図14のようなセルを作製し、0.1N 硫酸 + 0.1 M KCl 水溶液の電解液を封入してPBの酸化還元反応を繰り返し行った場合も、PBが電解液に流出し、青色が次第に抜けて薄くなった。
(実施例5と比較例2との検討結果)
実施例5の電極は、表面に電解質膜が形成されているため、多孔質物質の細孔に担持されたPBが、酸化還元反応を行っても電解液に流出しないが、比較例2の電極は、担持されたPBが電解液に流出してしまう。
以上、本発明について実施の形態及び実施例に即して説明したが、これらは例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、上述の説明では極性を有する代表的な溶媒である水を用いて説明したが、他の溶媒であっても用いることができる。

Claims (13)

  1. 少なくとも一部が多孔性物質からなる基体を、第1の陽イオン及び第1の陰イオンがイオン結合してなる第1のイオン結晶が溶媒に溶解した第1の溶液に浸漬することにより、前記多孔性物質の細孔内に前記第1の溶液を流入させる段階と、
    前記基体を前記第1の溶液から引き上げる段階と、
    前記基体を、第2の陽イオン及び第2の陰イオンがイオン結合してなる第2のイオン結晶が前記溶媒に溶解した第2の溶液に浸漬し、前記第1及び第2の溶液を前記細孔内にて混合することにより、前記第1の陽イオン及び第2の陰イオンからなり、少なくとも前記溶媒に対して難溶或いは不溶な目的化合物を、前記細孔内に合成する段階と
    を含むことを特徴とする化合物粒子の製造方法。
  2. 前記第1の陰イオン及び第2の陽イオンを前記基体から前記溶媒で洗い流す段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の化合物粒子の製造方法。
  3. 前記基体を前記第1の溶液に浸漬するのに先立って、前記第1の溶液の水素イオン指数(pH)を2.3以下に調整する段階、及び、前記基体を前記第2の溶液に浸漬するのに先立って、前記第2の溶液の水素イオン指数を2.3以下に調整する段階のうち、少なくとも一方を更に含むことを特徴とする、請求項1及び請求項2のいずれかに記載の化合物粒子の製造方法。
  4. 前記水素イオン指数の調整は当該溶液に強酸を加えることにより行なうことを特徴とする請求項3に記載の化合物粒子の製造方法。
  5. 前記水素イオン指数の調整は時間経過により行なうことを特徴とする請求項3に記載の化合物粒子の製造方法。
  6. 前記目的化合物はエレクトロクロミズムを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の化合物粒子の製造方法。
  7. 前記溶媒は水であり、
    MをAl, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Sn, Ga, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Tl, Bi, および、ランタニドのいずれか一種あるいは二種以上の混合物とし、M’をCr, Mn, Fe, Co, Ru, Re, Os, Ir, Pt のいずれか一種あるいは二種以上の混合物とするとき、前記目的化合物は、プルシアンブルー、及び、組成式M[M’(CN)6]で表されるプルシアンブルー類縁化合物のいずれかである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の化合物粒子の製造方法。
  8. 前記溶媒は水であり、
    前記第1のイオン結晶は水溶性の金属塩であり、
    Al, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Sn, Ga, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, In, Tl, Biを含む金属元素及びランタニドのいずれかの陽イオンを前記第1の陽イオンとし、硝酸根、硫酸根、炭酸根、有機酸根のいずれかを前記第1の陰イオンとする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の化合物粒子の製造方法。
  9. 前記溶媒は水であり、
    前記第2のイオン結晶は可溶性ヘキサシアノ金属塩であり、
    Aをアルカリ金属Li、Na、K、Rb, Csのいずれか一種あるいは二種以上の混合物とし、M’をCr, Mn, Fe, Co, Ru, Re, Os, Ir, Pt のいずれか一種あるいは二種以上の混合物とするとき、前記第2のイオン結晶は組成式Ax M’(CN)6で表される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の化合物粒子の製造方法。
  10. 前記多孔性物質は導電性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の化合物粒子の製造方法。
  11. 前記多孔性物質は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタンのいずれか、或いは、これらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の化合物粒子の製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかの方法で生成された前記目的化合物。
  13. 請求項1乃至請求項11のいずれかの方法で生成された前記目的化合物を前記細孔内に保持する前記基体。
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