JP2013213833A - 電磁波物理量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナの温度変化や被測定物質からの圧力変動による影響を低減することにより、安定した物質量を測定できる電磁波物理量測定装置を得る。
【解決手段】測定対象を含む被測定物質をはさむ形で送信側アンテナおよび受信側アンテナを対向させると共に、前記各アンテナの電波放射面に前記被測定物質が接触しないように、前記各アンテナの電波放射面と前記被測定物質との間に絶縁体を配置し、前記絶縁体は前記被測定物質の特性に応じた耐性を持ち、熱伝導率の高いものであって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナの電波放射面側に、前記被測定物質の機械的圧力によって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナが形状変形するのを抑制するための空間またはギャップを形成したことを特徴とする電磁波物理量装置を得る。
【選択図】図5
【解決手段】測定対象を含む被測定物質をはさむ形で送信側アンテナおよび受信側アンテナを対向させると共に、前記各アンテナの電波放射面に前記被測定物質が接触しないように、前記各アンテナの電波放射面と前記被測定物質との間に絶縁体を配置し、前記絶縁体は前記被測定物質の特性に応じた耐性を持ち、熱伝導率の高いものであって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナの電波放射面側に、前記被測定物質の機械的圧力によって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナが形状変形するのを抑制するための空間またはギャップを形成したことを特徴とする電磁波物理量装置を得る。
【選択図】図5
Description
本発明は、電磁波の伝搬時間または位相遅れの差を測定することによって、被測定対象である例えば汚泥やパルプ、建材材料、食品等の種々の懸濁物質や溶解性物質を含む測定対象の濃度等の物理量を測定する電磁波物理量測定装置に関する。
従来、被測定物質の物理量測定を行なう装置として、測定対象を含む被測定物質内に電磁波を送信し、前記測定対象を含む前記被測定物質中を透過した電磁波を受信し、送信波及び受信波から得られる情報を測定対象物の濃度に変換する方法が知られている(特許文献1、3参照)。
従来の方式による電磁波のうちマイクロ波を用いた濃度測定装置を図8(特許文献2参照)に示す。被測定物質1は配管2内にあり、被測定物質1の温度を測定するための温度センサ11と、前記配管2内に存在する被測定物質1を挟んで対向する2箇所に一対の電磁波透過窓3及び4、そして送信側アンテナ7と受信側アンテナ8が取り付けられている。濃度演算装置5は、電磁波を発信、処理する変換手段10及び各測定データから濃度を演算する濃度演算装置13から構成される。また、変換手段10により電磁波を発生し、送信用同軸ケーブル6へ電磁波を送信する。その送信用同軸ケーブル6を通り送信側アンテナ7より被測定物質1の中へ放射される。放射された電磁波は電磁波透過窓3を通り、被測定物質1の中を透過する。被測定物質1を通過する電磁波は被測定物質1の物性の違いによりその伝搬時間または信号レベルが変化する。そして電磁波透過窓4を通過し受信アンテナ8により受信され、受信用同軸ケーブル9を通り変換手段10に伝達される。
変換手段10は送信波及び受信波から、マイクロ波が被測定物質1中を伝搬した時間を算出し、その情報を濃度演算手段13へ送信する。また、温度センサ11により被測定物質1の温度が測定され、その信号は信号ケーブル12を伝達し濃度演算手段13へ送信される。濃度演算手段13では、変換手段10からのマイクロ波の伝搬時間または信号レベルを温度センサ11からの温度情報により補正を実施した後、被測定物質1に含まれる測定対象物の濃度に変換する。変換方法としては測定対象物による電磁波の減衰を利用して算出する方法と、電磁波の伝搬速度変化を利用して算出する方法がある。両方の方法ともに図8に示すような被測定物質を通過してきた電磁波の減衰または伝搬速度変化が、被測定物質の変化と比例する関係を利用して濃度を算出している。また、これ以外に被測定物質へ放射した電磁波の反射波におけるその減衰または伝搬速度の変化を利用した、同一のアンテナで送信及び受信を行う測定方式も実用化されている。
特開平4−238246号公報
特開2006−184223号公報
特開平10−332606号公報
本発明の解決すべき技術的課題は、次のとおりである。被測定対象内へ電磁波を入射する送信側アンテナ7または被測定対象内から電磁波を受信する受信側アンテナ8またはその両方において、対象となるアンテナ7、8自身またはアンテナ7、8を含む周辺の温度変化により、電磁波の伝播時間または位相遅れや、信号レベルが変化することがわかっている。
ここで、送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8のそれぞれの温度が変化する原因として、被測定物質1の温度や、配管2または容器の温度、電磁波物理量測定装置が発生する熱、電磁波物理量測定装置を包む周囲環境の温度が変化することが挙げられる。
しかし、配管2または容器自身は熱伝達媒体でありそれ自身が熱源ではなく、電磁波物理量測定装置が発生する熱は一定と考えることができるため、熱変化の主要因としては、被測定物質1の温度と電磁波物理量測定装置を包む周囲環境の温度と考える。
通常の濃度測定では、アンテナ7、8自身及びその周辺の温度状況は被測定物質1の温度が支配的であり、被測定物質1の温度によりその中を電磁波が伝播時間または位相遅れを補正するだけで正確に測定できていた。
とろろが近年、種々のニーズにより多品種少量生産が増え、被測定物質が少量の場合での測定要求が多くなってきている。これに対応し、配管の直径を小さくすることや、容積の小さい容器での測定装置が開発されているが、これにともなって被測定物質中を伝播する電磁波の伝播時間または位相遅れが小さくなっている。これにより、従来は誤差として影響を無視してきたアンテナ自身またはアンテナを含む周辺の温度変化による電磁波の伝播時間または位相遅れが、被測定物質を伝播する電磁波の伝播時間または位相遅れに対して相対的に大きくなっている。
したがって、従来と同程度または従来より高い測定精度を実現するためには、このアンテナ自身またはアンテナを含む周辺の温度変化による電磁波の伝播時間または位相遅れを低減することが必要になっている。
そこで本発明は、アンテナの温度特性をあらかじめ測定・記録し物理量測定時にアンテナの温度から電磁波の伝搬時間または位相変動または、信号レベル変動から補正する、またはアンテナの温度を安定させることにより、アンテナの温度変化による測定値への影響を低減させ、高精度かつ安定性の高い電磁波物理量測定装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、測定対象を含む被測定物質を流すための配管または容器において、前記測定対象を含む被測定物質をはさむ形で送信側アンテナ及び受信側アンテナを対向させると共に、前記各アンテナの電波放射面に前記被測定物質が接触しないように、前記各アンテナの電波放射面と前記被測定物質との間に絶縁体を配置し、前記送信側アンテナから電磁波を前記測定対象を含む前記被測定物質内へ入射し前記受信側アンテナにて受信された電磁波の伝搬時間または位相遅れを測定し、前記電磁波の各伝播時間または各位相遅れの差を演算して、前記被測定物質中の前記測定対象の物理量を測定する電磁波物理量測定装置において、
前記配管または前記容器に設けられ、前記被測定物質の温度を測定する被測定物質温度センサと、
前記被測定物質温度センサの測定温度変化による伝播時間または位相遅れ、または
信号レベルの変化をあらかじめ記録した記録手段と、
前記被測定物質温度センサからの温度測定値に応じて測定した伝播時間または位相遅れ、
または信号レベルを補正する補正手段と、
を備え、前記絶縁体は前記被測定物質の特性に応じた耐性を持ち、熱伝導率の高いものであって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナの電波放射面側に、前記被測定物質の機械的圧力によって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナが形状変形するのを抑制するための空間またはギャップを形成したことを特徴とする電磁波物理量装置である。
前記配管または前記容器に設けられ、前記被測定物質の温度を測定する被測定物質温度センサと、
前記被測定物質温度センサの測定温度変化による伝播時間または位相遅れ、または
信号レベルの変化をあらかじめ記録した記録手段と、
前記被測定物質温度センサからの温度測定値に応じて測定した伝播時間または位相遅れ、
または信号レベルを補正する補正手段と、
を備え、前記絶縁体は前記被測定物質の特性に応じた耐性を持ち、熱伝導率の高いものであって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナの電波放射面側に、前記被測定物質の機械的圧力によって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナが形状変形するのを抑制するための空間またはギャップを形成したことを特徴とする電磁波物理量装置である。
本発明の電磁波物理量測定装置によれば、アンテナ自身の温度変化や圧力変化による電磁波の伝播時間または位相遅れ、または信号レベルの変化を低減することが可能となり、従来よりも安定した物理量測定を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による電磁波物理量測定装置の第1の実施形態におけるアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図である。
図1は、本発明による電磁波物理量測定装置の第1の実施形態におけるアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図である。
第1の実施形態は、前述した背景技術と同様に、被測定物質1は配管(又は容器)2内にあり、被測定物質1の温度を測定するための温度センサ11と、配管2内に存在する被測定物質1を挟んで対向する2箇所に一対の電磁波透過窓3及び4、そして送信側アンテナ7と受信側アンテナ8が取り付けられている。
濃度演算装置5は、電磁波を発信、処理する変換手段10及び各測定データから濃度を演算する濃度演算手段13から構成される。また、変換手段10により電磁波を発生し、送信用同軸ケーブル6へ電磁波を送信する。その送信用同軸ケーブル6を通り送信側アンテナ7より被測定物質1の中へ放射される。放射された電磁波は電磁波透過窓3を通り、被測定物質1の中を透過する。被測定物質1を通過する電磁波は被測定物質1の物性の違いによりその伝搬時間または信号レベルが変化する。そして電磁波透過窓4を通過し受信アンテナ8により受信され、受信用同軸ケーブル9を通り変換手段10に伝達される。
変換手段10は送信波及び受信波から、マイクロ波が被測定物質1中を伝搬した時間を算出し、その情報を濃度演算手段13へ送信する。また、温度センサ11により被測定物質1の温度が測定され、その信号は信号ケーブル12を伝達し濃度演算手段13へ送信される。
濃度演算手段13では、変換手段10からのマイクロ波の伝搬時間または信号レベルを温度センサ11からの温度情報により補正を実施した後、被測定物質1に含まれる測定対象物の濃度に変換する。具体的には、濃度演算手段13では、受信側アンテナ8にて受信された電磁波の伝播時間または位相遅れを測定し、さらに送信側アンテナ7から電磁波が測定対象を含まない被測定物質1内に入射し、伝播して受信側アンテナ8にて受信された電磁波の伝播時間または位相遅れを測定し、図9のように電磁波の各伝播時間または各位相遅れの差を演算して、被測定物質1中の測定対象の物理量を測定するものである。
本実施形態は、このような構成を備えたものに、次のような構成を更に備えたものである。すなわち、送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の少なくとも一方(ここではアンテナ7、8の両方)に取り付けられ、アンテナ7、8の温度を測定する温度センサ14、15と、少なくとも測定装置を使用する温度を含む範囲でアンテナ7、8の温度変化による伝播時間または位相遅れ、または信号レベルの変化をあらかじめ記録した記録手段(たとえばメモリーやハードディスクなどで構成される)16と、温度センサ14、15からの温度測定値に応じて測定した伝播時間または位相遅れまたは信号レベルを補正する補正手段25である。
ここで、記録手段16と補正手段25について説明する。あらかじめ被測定物質1の物理量が一定の状態において、送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の温度変化による電磁波の伝播時間または位相遅れまたは信号レベルの変化を測定し、その測定データ及びアンテナ7、8の温度データを、例えば図2に示すように記録手段16に蓄えておく。実際に測定対象を含む被測定物質1が配管2内を流れている状態において、その物理量を測定している時の送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の温度変化による電磁波の伝播時間または位相遅れまたは信号レベルの変化したときに、補正手段25は、あらかじめ記録手段16に蓄えていたアンテナ7、8の温度データと電磁波の伝播時間また配送遅れまたは信号レベルの変化データから、補正すべき量を導出し、所望の被測定物質1における測定データを補正することにより、安定した物理量測定を可能とする。
このように、第1の実施形態ではアンテナ7、8の温度特性をあらかじめ測定・記録し物理量測定時にアンテナ7、8の温度から電磁波の伝搬時間または位相変動または、信号レベル変動から補正する、またはアンテナの温度を安定させることにより、アンテナ7、8の温度変化による測定値への影響を低減させ、高精度かつ安定性の高い電磁波物理量測定装置を得ることができる。
また、第1の実施形態では補正手段25を設けたので、信号レベルの変化の影響を低減することができる。具体的には、受信回路(受信側アンテナ8か、又は変換手段10に有するもの)の一部に増幅回路があり、その増幅回路の入力に入力される入力信号が最大許容入力信号より大きい入力信号が入力されると、増幅回路の出力信号は波形信号の上下がつぶれた歪んだ信号となる。つまり、信号として(1)振幅、(2)位相が変化してしまい、本来の濃度計測の誤差要因となる。したがって、信号レベル変化がある場合には、その影響を補正する必要があり、このために補正手段25を設けてある。これに対して前述した特許文献2には、本内容については記載されておらず、ただ単に温度から補正することのみしか記載されていない。
(第2の実施の形態)
図3は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。図3に示すように、濃度演算装置5において、変換手段10と送信側ケーブル6の間に送信側増幅回路18を配置し、または変換手段10と受信側ケーブル9の間に受信側増幅回路17を配置する。
図3は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。図3に示すように、濃度演算装置5において、変換手段10と送信側ケーブル6の間に送信側増幅回路18を配置し、または変換手段10と受信側ケーブル9の間に受信側増幅回路17を配置する。
ここで、あらかじめ被測定物質1の物理量が一定の状態において、送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の温度変化による電磁波信号レベルの変化を測定し、その測定データ及びアンテナの温度データを記録手段16に蓄えておく。
実際に測定対象を含む被測定物質1が流れている状態において、その物理量を測定している時の送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の温度変化による電磁波の信号レベルが変化したときに、あらかじめ記録手段16に蓄えていたアンテナ7、8の温度データと電磁波の信号レベルの変化データから、アンテナ温度による信号レベル変化の影響を打ち消すように送信側増幅回路18または受信側増幅回路17の増幅率を補正すべき量を導出し、各増幅回路18、17を制御することにより、アンテナ7、8の温度変化による影響を低減した安定した物理量測定を可能とする。
本実施形態は上記のような手段を講ずることにより、送信側アンテナ及び受信側アンテナの温度変化による被測定物質中を伝搬する電磁波の信号レベル変化を補正することができる。
これは送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の温度変化により、微小ではあるがアンテナ7、8の寸法変化や材質特性の変化が生じ、共振周波数がずれるために、その結果として、受信信号レベルが変化するからである。受信信号レベルが変化することにより、その後の増幅回路での飽和や、比較回路での位相変動等により誤差が生じる。これを防ぐためには、送信側での信号レベル制御または受信側初段での信号レベルの制御により上記飽和や位相変動を防ぐことが可能となる。
また、第2の実施形態では補正手段25を設けたので、信号レベルの変化の影響を低減することができる。具体的には、受信回路(受信側アンテナ8か、又は変換手段10に有するもの)の一部に増幅回路があり、その増幅回路の入力に入力される入力信号が最大許容入力信号より大きい入力信号が入力されると、増幅回路の出力信号は波形信号の上下がつぶれた歪んだ信号となる。つまり、信号として(1)振幅、(2)位相が変化してしまい、本来の濃度計測の誤差要因となる。したがって、信号レベル変化がある場合には、その影響をあらかじめ所定のレベルになるように調整するものである。これに対して前述した特許文献2には、本内容については記載されておらず、ただ単に温度から補正することのみしか記載されていない。
(第3の実施の形態)
図4は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1及び図3と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図4は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1及び図3と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図4に示すように、送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の放射面を直接被測定物質1と接触させるように構成したものである。また、各アンテナと配管2の間には配管外部への水漏れを防ぐためにそれぞれシール部材19、20を用意する。
これは、送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の放射面を被測定物質と直接接触させることにより、各アンテナ7、8の温度を被測定物質とほぼ同一となるようにしたものである。これにより、アンテナ温度を従来の構成に含まれている被測定物質温度を測定する温度センサ11の出力から補正可能になり、図1や図3で使用していた各アンテナ用の温度センサ14、15を削減可能としたものである。
第3の実施形態は上記のような手段を講ずることにより、送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8の温度を被測定物質中の温度とほぼ同一とすることが可能であり、従来からある被測定物質1の温度センサにより補正することができ、第1の実施形態の温度センサを削減可能となる。ダイポールアンテナ等の線状アンテナを直接被測定物質中に配置し、電磁波が伝搬し測定可能であることは、実験で確認済みである。
また、第3の実施形態では補正手段25を設けたので、信号レベルの変化の影響を低減することができる。具体的には、受信回路(受信側アンテナ8か、又は変換手段10に有するもの)の一部に増幅回路があり、その増幅回路の入力に入力される入力信号が最大許容入力信号より大きい入力信号が入力されると、増幅回路の出力信号は波形信号の上下がつぶれた歪んだ信号となる。つまり、信号として(1)振幅、(2)位相が変化してしまい、本来の濃度計測の誤差要因となる。したがって、信号レベル変化がある場合には、その影響を補正する必要があり、このために補正手段25を設けてある。これに対して前述した特許文献2には、本内容については記載されておらず、ただ単に温度から補正することのみしか記載されていない。
(第4の実施の形態)
図5は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1及び図3及び図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図5は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1及び図3及び図4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図5に示すように送信側アンテナ7及び受信側アンテナ8と被測定物質1との間に、熱伝導率の高い絶縁体21(たとえばセラミックなど)を配置する。また配管2からの水漏れを防ぐ各シール部材19、20は、図4に示すように絶縁体21面に配置し、各アンテナ7、8の放射面(電波放射面)へ被測定物質が接触しないようにする。
これは、被測定物質1がアンテナ放射面を含む各アンテナ7、8に対して、磨耗性の高い物質や、強酸、強アルカリなどの場合、アンテナ7、8そのものを破壊することになり、濃度測定が不可能になる。各アンテナ7、8と被測定物質1の間に被測定物質1の特性に応じた耐性をもち、なおかつ熱伝導率の高い材料からなる部材を配置することにより、上記のようなアンテナ7、8の破壊を防ぐことが可能になるとともに、被測定物質の温度とアンテナの温度の差が広がらないようにすることができ、被測定物質用の温度センサ11でのアンテナ部温度補正を可能とする。
第4の実施形態は上記のような手段を講ずることにより、送信側アンテナ7または受信側アンテナ8を磨耗するような流体や、腐食するような強酸、強アルカリなどを含む被測定物質を測定する場合に、アンテナ7、8を保護するとともに、熱伝導率の高い例えばセラミックなどを保護部材とすることにより、被測定物質と送信側アンテナや受信側アンテナの温度をほぼ同一にし、被測定物質の温度センサによる補正が可能となり、安定した物理量測定を可能とする。
また、第4の実施形態は、熱伝導率の高い絶縁体21でアンテナ7、8の接液面を保護しているので、次のような作用効果を得ることができる。測定物質の温度が変化した場合に、アンテナが接液していればアンテナ自身の温度が測定物質と同じと考えることができるが、ポンプ吐出動作により接液部に圧力変動が生じると、アンテナが変形して測定誤差を生じる。この応力を低減するために、熱伝導率の高い材料でアンテナの接液面を保護する必要がある。これに対して、前述の特許文献2は、アンテナの温度を測定物質の温度に近くするために、接液面以外の外側部分に熱伝導率の高い材料で覆うとの記載があるが、本発明の第4の実施形態における目的と使用している箇所が異なる。
(第5の実施の形態)
図6は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1、図3、図4、図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図6は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1、図3、図4、図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図6に示すように送信側アンテナ7または受信側アンテナ8と、絶縁体21との間において、各アンテナの放射面に接触する絶縁体21の部分に空間又はギャップ26を設けた構成としている。
これは、被測定物質を流すためのポンプの吐出圧変動などによる機械的圧力変動により、アンテナ形状が変形し、電磁波の放射・受信特性が変化した場合に、電磁波の伝搬時間や位相遅れ、信号レベル変化となり測定誤差が増大する。これを絶縁体21と各アンテナ7、8の放射面に空間又はギャップ26により、被測定物質1からの機械的圧力が絶縁体を通じて伝わることを防ぐことが可能となる。これにより、アンテナ7、8への形状変形は抑えられ、伝搬特性への影響を低減し、安定した物理量測定を実現する。
第5の実施の形態は上記のような手段を講ずることにより、被測定物質1の流体圧力がポンプの吐出圧変動により変化した場合の送信側アンテナ7または受信側アンテナ8への機械圧力変動を防ぐことが可能となる。アンテナ7、8は、機械的圧力変動により形状が変化した場合、その電磁波の放射・受信特性が変化し、送信及び受信電力や、位相特性などが変化する。これにより、電磁波の伝搬時間や位相遅れ、信号レベル変化が生じ、大きな誤差要因となる。本手段を講ずることによりアンテナへの機械的圧力影響を防ぐことが可能となり、安定した物理量測定を可能となる。また、第5の実施の形態は過大な圧力変動が生じた場合でも、被測定物質からの圧力を測定しアンテナへの圧力変動による影響を補正により減少させることを可能とする。
(第6の実施の形態)
図7は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1、図3、図4、図5、図6と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図7は、本実施の形態による電磁波物理量測定装置のアンテナ設置部分の断面構成を示す模式図であり、図1、図3、図4、図5、図6と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
図7に示すように配管2に対して圧力センサ22を被測定物質の圧力を測定するとともに、その測定データを信号ケーブル23を通じて信号処理回路24に接続する。信号処理回路23は記録手段をもち、あらかじめ濃度一定の場合における圧力変動による電磁波の伝搬時間や位相遅れや信号レベルの変化を記録する。
所望の被測定物質1が流れているときに、先に述べたようにポンプの吐出圧変動などにより、絶縁体を通じて送信側アンテナ7や受信側アンテナ8にその機械的圧力変動が伝わり、電磁波の伝搬時間や位相遅れ、信号レベルの変化を生じる。このとき、圧力センサ22で被測定物質1の圧力を測定し、信号処理回路24においてあらかじめ記録していた圧力変動による電磁波の伝搬時間や位相遅れ、信号レベルの影響から補正量を導出し、測定データを補正することが可能となる。これにより、被測定物質1から絶縁体を通じてアンテナ7、8へ伝わる圧力変動の影響は低減させ、安定した物理量測定を実現する。
第6の実施の形態は上記のような手段を講ずることにより、被測定物質と送信側アンテナまたは受信側アンテナとの温度に差が生じにくい構成を維持しつつ、圧力の影響を防ぐものである。
1…被測定物質、2…配管、3…電磁波透過窓、4…電磁波透過窓、5…変換手段、6…送信用ケーブル、7…送信側アンテナ、8…受信側アンテナ、9…受信用ケーブル、10…変換手段、11…温度センサ、12…信号ケーブル、13…濃度演算手段、14…温度センサ、15…温度センサ、16…記憶手段、17…受信信号増幅回路、18…送信信号増幅回路、19…受信側アンテナ用シール部材、20…送信側アンテナ用シール部材、21…絶縁体、22…圧力センサ、23…信号ケーブル、24…信号処理回路および記憶手段、25…補正手段、26…空間又はギヤップ。
Claims (1)
- 測定対象を含む被測定物質を流すための配管または容器において、前記測定対象を含む被測定物質をはさむ形で送信側アンテナ及び受信側アンテナを対向させると共に、前記各アンテナの電波放射面に前記被測定物質が接触しないように、前記各アンテナの電波放射面と前記被測定物質との間に絶縁体を配置し、前記送信側アンテナから電磁波を前記測定対象を含む前記被測定物質内へ入射し前記受信側アンテナにて受信された電磁波の伝搬時間または位相遅れを測定し、前記電磁波の各伝播時間または各位相遅れの差を演算して、前記被測定物質中の前記測定対象の物理量を測定する電磁波物理量測定装置において、
前記配管または前記容器に設けられ、前記被測定物質の温度を測定する被測定物質温度センサと、
前記被測定物質温度センサの測定温度変化による伝播時間または位相遅れ、または
信号レベルの変化をあらかじめ記録した記録手段と、
前記被測定物質温度センサからの温度測定値に応じて測定した伝播時間または位相遅れ、
または信号レベルを補正する補正手段と、
を備え、前記絶縁体は前記被測定物質の特性に応じた耐性を持ち、熱伝導率の高いものであって前記送信側アンテナおよび前記受信側アンテナの電波放射面側に、前記被測定物質の機械的圧力によって前記送信側アンテナ及び前記受信側アンテナが形状変形するのを抑制するための空間またはギャップを形成したことを特徴とする電磁波物理量装置。
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JP2013146677A JP2013213833A (ja) | 2013-07-12 | 2013-07-12 | 電磁波物理量測定装置 |
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