JP2013210234A - 締め付け緩み検出センサー及び締め付け緩み検出システム - Google Patents

締め付け緩み検出センサー及び締め付け緩み検出システム Download PDF

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Abstract

【課題】 人手によるチェックが困難な場合でも、自動的に締め付け緩みを検出するために用いることが可能な締め付け緩み検出センサー及び締め付け緩み検出システム等の提供。
【解決手段】 締め付け緩み検出センサーは、センシング電極部140と、締め付け対象の構造物又は対向電極部150とセンシング電極部140との間を絶縁する絶縁部130と、を有する。そして、構造物又は対向電極部150とセンシング電極部140との距離に応じて変化する静電容量値に応じて、締め付け緩みが検出される。
【選択図】 図12

Description

本発明は、締め付け緩み検出センサー及び締め付け緩み検出システム等に関係する。
ボルトやナットの緩みは、機械系の装置などの故障の大きな原因となる。とくに大型の輸送機械やインフラ分野においては、たかだか1個のナットの緩みが大事故にもつながり兼ねない。そのため、締め付け緩みを正確に検出できる手法が求められている。
このようなボルト等の締め付け緩みを検出するために、従前より人手によるメンテナンス作業が営々と続けられている。また、当然この自動化の試みも多く考案されている。
例えば、特許文献1に記載される手法では、光学的にボルトの回転を検出する。他にも、専用の装置を使って検出するのではなく、人手(目視)による作業の効率化を狙い、メカニカルに緩みを目立たせるような手法も考案されている。さらに、特許文献2に記載される手法では、回転の検出を静電容量の変化を利用して行う。
特開平08−278116号公報 特開平07−049325号公報
前述したような光学的な緩みを検出する緩み検出器は、整備工場などの場所に据つけてある場合には有効であるが、整備工場などに入らずに行う日々の点検作業には向かない。このため、日々の点検作業では人手によるものが現在も主流である。しかし、人手ではヒューマンエラーの混入が絶無とは言えない。
また、点検時においては問題が無くても、走行途中などに緩みが発生することも考えられ、運行中でも緩みを検出して警告を発するような装置が求められている。また、全てのチェックポイントが人手によるチェックに向いた部位にあるかといえばそうではなく、カバーなどで隠された部位であったり、高所や危険な場所などにあって、人手によるチェックに向かない部位であったりすることも多い。
本発明の幾つかの態様によれば、人手によるチェックが困難な場合でも、自動的に締め付け緩みを検出するために用いることが可能な締め付け緩み検出センサー及び締め付け緩み検出システム等を提供することができる。
本発明の一態様は、センシング電極部と、締め付け対象の構造物又は対向電極部と前記センシング電極部との間を絶縁する絶縁部と、を有し、前記構造物又は前記対向電極部と前記センシング電極部との距離に応じて変化する静電容量値に応じて、締め付け緩みが検出される締め付け緩み検出センサーに関係する。
本発明の一態様によれば、センシング電極部と、締め付け対象の構造物又は対向電極部とが絶縁部により絶縁され、センシング電極部と構造物又は対向電極部とがキャパシターを形成する。そのため、例えばセンシング電極部を抑えるボルトの軸力が緩んだ場合には、センシング電極部と固定電極部との電極間距離が変化し、静電容量値も変化する。これにより、人手によるチェックが困難な場合でも、自動的に締め付け緩みを検出することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記センシング電極部は、第1の電極部と、前記第1の電極部と絶縁される第2の電極部と、を有し、前記構造物又は前記対向電極部と前記第1の電極部との間の第1の静電容量値と、前記構造物又は前記対向電極部と第2の電極部との間の第2の静電容量値とに基づいて、前記締め付け緩みが検出されてもよい。
これにより、検出部と接続する端子をセンシング電極部側に設けること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1の電極部に接続される検出部を有し、前記第2の電極部は、固定電位に設定され、前記検出部は、前記第1の静電容量値と前記第2の静電容量値を求めて、前記締め付け緩みを検出されてもよい。
これにより、静電容量値の変化量に基づいて、締め付け緩みを検出すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記締め付け緩み検出センサーは、ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであり、前記検出部は、前記ボルトのヘッド部に対応する位置に設けられてもよい。
これにより、締め付け緩みの検出対象への検出部の取り付けを簡単にすること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記締め付け緩みの検出情報を外部に送信する通信部を有してもよい。
これにより、例えば、締め付け緩みの検出対象が稼働中である場合でも、送信された検出情報により締め付け緩みが検出されたことをユーザーが知ること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記締め付け緩み検出センサーは、ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであって、第1の絶縁部と第2の絶縁部を有し、前記センシング電極部は、リング状の電極であり、前記第1の絶縁部は、前記センシング電極部と前記ボルトの軸との間を絶縁するように、前記センシング電極部の内周に沿って設けられ、前記第2の絶縁部は、前記センシング電極部と前記ボルトのヘッド部との間を絶縁するように設けられてもよい。
これにより、センシング電極部とボルトの短絡を防ぐこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記構造物又は前記対向電極部と前記センシング電極部とにより形成されるキャパシターとともに、共振回路を構成するインダクター部を有してもよい。
これにより、例えば共振周波数の変化を検出して、ボルトの締め付け緩みを非接触で検出すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記インダクター部は、一端が前記センシング電極部に接続され、他端が前記構造物又は前記対向電極部に接続されてもよい。
これにより、構造物又は対向電極部とセンシング電極部とにより、キャパシターを構成し、さらにキャパシターとインダクター部とにより、LC共振回路を構成すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記インダクター部は、前記センシング電極部の周囲を囲むように形成されるコイルであってもよい。
これにより、例えば外部の測定部にも同じコイルを設けて、2つのコイルを近づけて相互誘導を引き起こし、センサー側のLC共振回路の共振周波数を検出すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記締め付け緩み検出センサーは、ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであって、第1の絶縁部と第2の絶縁部を有し、前記センシング電極部は、リング状の電極であり、前記第1の絶縁部は、前記センシング電極部と前記ボルトの軸との間を絶縁するように、前記センシング電極部の内周に沿って設けられ、前記第2の絶縁部は、前記センシング電極部と前記ボルトのヘッド部との間を絶縁するように設けられてもよい。
これにより、センシング電極部とボルトとの短絡を防ぐこと等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、前記締め付け緩み検出センサーと、測定部と、を有する締め付け緩み検出システムであって、前記測定部は、測定時に前記インダクター部と相互誘導を引き起こす測定用インダクター部と、前記測定用インダクター部を駆動させる駆動部と、を有し、前記駆動部は、少なくとも2つの周波数で前記測定用インダクター部を駆動させることにより、前記締め付け緩みを検出する締め付け緩み検出システムに関係する。
これにより、LC共振回路の共振周波数が変化したことを検出すること等が可能になり、共振周波数が変化した場合に締め付け緩みが発生したと判断すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様では、前記駆動部は、第1の周波数と第2の周波数で前記測定用インダクター部を駆動させ、前記第1の周波数で前記測定用インダクター部を駆動させた時の第1のインピーダンス値を検出し、前記第2の周波数で前記測定用インダクター部を駆動させた時の第2のインピーダンス値を検出し、前記第1のインピーダンス値と前記第2のインピーダンス値との比較処理を行うことによって、前記締め付け緩みを検出してもよい。
これにより、例えば、第1のインピーダンス値よりも第2のインピーダンス値の方が大きい場合には、共振周波数が第2の周波数よりも第1の周波数に近いと判定することができ、一方、第2のインピーダンス値よりも第1のインピーダンス値の方が大きい場合には、共振周波数が第1の周波数よりも第2の周波数に近いと判定すること等が可能になる。
第1の実施形態のセンサーの構成例。 第1の実施形態の詳細なセンサーの構成例。 第1の実施形態のセンサーを用いて行う重量検出処理の流れを説明するフローチャート。 RC発振の説明図。 静電容量と重量の変換結果を表すグラフ。 第2のカウンター値と重量の変換結果を表すグラフ。 図7(A)〜図7(C)は、梁状の可変電極部の一例。 梁状の可変電極部の電極間ギャップの説明図。 図9(A)及び図9(B)は、梁状の絶縁部材の一例。 図10(A)〜図10(C)は、第1の実施形態のセンサーを含む携帯機器の一例。 第2の実施形態のセンサーの構成例。 第2の実施形態の詳細なセンサーの構成例。 第2の実施形態のセンサーの使用例。 第3の実施形態のセンサーの構成例。 第3の実施形態のセンサーの回路ブロック図。 第3の実施形態のセンサーの使用例。
以下では、まず第1の実施形態〜第3の実施形態の概要を説明し、次に第1の実施形態のシステム構成例と処理の流れについて説明する。そして、第2の実施形態と第3の実施形態について同様に説明する。なお、以下で説明する第1の実施形態〜第3の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.概要
力や歪み、重量、圧力などの物理量を求めるために、極板間に蓄積される静電容量値の変化を利用する手法がある。2枚の電極間の静電容量は、その電極間の距離に反比例する。つまり、極板間距離を大きくした時には、極板間距離が大きく変動しても、静電容量はあまり変動しないが、極板間距離を小さくした時には、極板間距離が僅かに変動しただけでも、静電容量が大きく変動する。このように、静電容量の変化から極板間距離の変化を検出することができ、この原理を用いて位置や距離等の精密測定が行われている。この場合には、静電容量の変動を測定するために、RC(resistor-capacitor)発振回路を使うことも一般に行われている。
例えば、重量によりスラスト軸を回転させ、その時の静電容量値を読み取り、静電容量値に基づいてスラスト軸の回転による長さ変化を検出する手法等が考案されている。
また、極板間距離の変動値が分かれば、その極板間距離となる時に、極板に加えられる力や重量等を求めることができる。さらに、力や重量の他にも、極板にかかる圧力や歪み等の物理量(力学量)を求めることも可能である。この場合には、力や歪み、重量、圧力などの物理量に、極板間距離の変動値を変換するための仕組みがセンサー構成上では重要である。つまり、極板間距離を前述した物理量と1対1に対応付けられるような仕組みが設けられる必要がある。
例えば、極板間距離を他の物理量へと変換する際に、ウレタンフォームなどの材料の変形を用いる手法が考案されている。他にも板バネを使用する手法もある。
原理からして、極板間の距離は小さければ小さいほど高感度なセンサーを構成することができる。よって、機械的な精度が許せば、例えば数十μm〜数μm程度の極めて微小な電極間ギャップを構成すれば、より高感度なセンサーとすることができる。この点、回転軸や板バネなどの機械要素を力と変位(極板間距離の変動値)の変換に使う場合には、これら機械要素にも電極板ギャップと同等の精度が要求される。しかし、これらの機械要素の精度を高めるには製造コストがかかる上、精度にも限界がある。さらに、板バネ等を用いる場合には、センサーのサイズが大きくなってしまい、活用できる場面が限定されるというデメリットもある。また、ウレタンフォームなどの弾力性のある材料は、材料そのものを薄くしてかつ精度と耐久性を両立させること自体が難しい。
以上のように、静電容量値を利用して物理量を検出する場合には、極板間距離の変動値と他の物理量との変換の仕組みを如何にして構築し、検出精度を上げるために極板間距離を如何にして小さくするかが課題となっている。このような仕組みは、できるだけ単純な仕組みで、製造コストを抑えることが望ましい。
そこで、第1の実施形態では、静電容量値を利用して物理量を検出するに当たって、梁状の極板を持つセンサーを利用する。具体的には、マイコンの多くに搭載されている抵抗−周波数変換型コンバーター(RFC:resistance to frequency convertor)を静電容量計測に転用する。そして、微小な間隔をおいて絶縁性フィルムを挟んで配置した2枚の金属電極の静電容量をカウンターにより計測する。この際、2枚の金属電極間の微小隙間は、一方の金属電極上に置いた検知対象物体の重量により微小にたわんでその距離が変わるようにする。これにより検知対象物体の重量をカウンター値として読み取ることができる重量センサーを構成できる。
また、微小な極板間容量を測定する場合には、熱による極板などの伸縮変形自体が大きな外乱要素となる。したがって、温度に対する補正方法を導入しなければ、計測可能な温度範囲が限定されてしまい、広い分野で第1の実施形態のセンサーを使用することが難しくなってしまう。
そこで、第1の実施形態のセンサーを2個用い、一方に負荷重量をかけずに放置し、負荷重量をかけた他方のセンサーとの出力の比をとることで温度変化の影響をキャンセルしてもよい。前述した板バネを利用する手法では、同等のセンサーを2個設けることが困難であり、温度補正を行うことが難しい。一方、第1の実施形態のセンサーは単なる極板であるので、2つのセンサーを設けて温度補正する構成が容易にとれる。そのため、この点についても第1の実施形態のセンサーの方が優位である。
さらに、第2の実施形態では、前述した極板間距離に応じて静電容量が変化する原理をボルトの緩み検出にも応用する。
ボルトやナットの緩みは、機械系の装置などの故障の大きな原因となる。とくに大型の輸送機械やインフラ分野においては、たかだか1個のナットの緩みが大事故にもつながり兼ねない。そのため、締め付け緩みを正確に検出できる手法が求められている。
このようなボルト等の締め付け緩みを検出するために、従前より人手によるメンテナンス作業が営々と続けられている。また、当然この自動化の試みも多く考案されている。
例えば、前述した特許文献1に記載される手法では、光学的にボルトの回転を検出する。他にも、専用の装置を使って検出するのではなく、人手(目視)による作業の効率化を狙い、メカニカルに緩みを目立たせるような手法も考案されている。さらに、前述した特許文献2に記載される手法では、回転の検出を静電容量の変化を利用して行う。
前述したような光学的な緩みを検出する緩み検出器は、整備工場などの場所に据つけてある場合には有効であるが、整備工場などに入らずに行う日々の点検作業には向かない。このため、日々の点検作業では人手によるものが現在も主流である。しかし、人手ではヒューマンエラーの混入が絶無とは言えない。
また、点検時においては問題が無くても、走行途中などに緩みが発生することも考えられ、運行中でも緩みを検出して警告を発するような装置が求められている。また、全てのチェックポイントが人手によるチェックに向いた部位にあるかといえばそうではなく、カバーなどで隠された部位であったり、高所や危険な場所などにあって、人手によるチェックに向かない部位であったりすることも多い。
そこで、本出願人は、締め付け緩みの被検出対象物が稼働状態にある場合等の人手によるチェックが困難な場合でも、自動的に締め付け緩みを検出するために用いられるセンサー等を考案する。具体的には、第2の実施形態では、ボルトやナットの僅かな緩みを静電容量の変化として捉える静電容量センサーを構成する。なお、ボルトの締め込み作業がしやすいように対向電極部側には一切の電気的接点を持たない。センサー回路はボルトに被せる無線タグとして、常時緩みを監視し、緩みを検出した場合にはそれを無線で知らせる。
さらに、第3の実施形態では、外部から非接触で共振周波数の変化を計測し、締め付け緩み検出を行う。詳細は後述する。
2.第1の実施形態の手法
2.1. システム構成例
次に、図1に本実施形態のセンサーの構成例を、図2に本実施形態のセンサーの詳細なシステム構成例を示す。
まず、センサー(センサー装置、センサーシステム)は、センサー部100と、検出部200と、を含む。さらに、本実施形態のセンサー部100は、2つの電極部を有しており、一方の電極を重量により位置変化する梁状の可変電極部ME(図2の120)とし、他方を固定して固定電極部FE(図2の110)とする。
本実施形態においては、図1のように、可変電極部MEは梁状である必要があるが、固定電極部FEの形状は問わない。可変電極部MEには、鋼などの剛性が高い梁状の電気伝導体を用いることが望ましい。一方、固定電極部FEについては特に剛性は不要であるが、可変電極部MEと同様の形状のものが適するため、可変電極部MEと同じ鋼板等を用いることが望ましい。
また、電極間の微小な間隙(電極間ギャップ)は、どちらか一方もしくは両方の電極部に対して、塑性的な永久変形を加えることにより確保することができる。例えば、鋼板のプレス打ち抜き時の変形量をそのまま用いても良い。なお、図1では、識別を容易にするため、可変電極部MEと固定電極部FEの間隙を大きく描いているが、実際には、数十μm〜数μm程度の微小な間隙を形成しているものとする。
さらに、電極の断面形状は、素材の横弾性係数値から、電極に所望の重量が繰り返しかかっても弾性範囲内で変形するように設定することが望ましい。なお、図1のような可変電極部MEは、力学的には両持ち梁としてモデル化でき、せん断応力がかかるため、通常の縦方向の引っ張り強さよりも数分の1の強度となることに注意する必要がある。
また、本実施形態のセンサーが検出可能な重量範囲は、可変電極部MEの厚さ等に応じて変化するが、本実施形態では、可変電極部MEの断面構造を適切に選択することにより、同一の電気特性(電極としての面積と極板間距離が同じ)で異なる重量(力)に対応できる複数のセンサーを作りわけることができる。具体的には同一の極板面積で、板厚を増すだけでより重量の重いものに対応させることができ、板厚を薄くすれば重量の軽いものに対応させることができる。そのため、低コストで複数の異なる重量範囲に対応するセンサーを製造することができる。
そして、可変電極部MEと固定電極部FEは、支持部SP1において絶縁部IP1により絶縁されており、支持部SP2において絶縁部IP2により絶縁されている。
絶縁部IP1及びIP2には、固定電極部FEと可変電極部MEとの間の絶縁及び測定限界での最小間隙確保のために、絶縁性の高分子フィルムなどの材料を用いる。ただし、これら材料の弾性変形を利用して計測するわけではない。なお、高分子フィルムの他にも、絶縁性が高く、高強度で変形量の少ない素材であれば、他の材料を用いても良い。例えば、塗装膜を絶縁部として用いる等しても良い。
そして、可変電極部MEは検出部200へと接続されている。一方、固定電極部FEはアースに接続されている。ただし、逆でも構わない。
また、検出部200は、可変電極部MEに力Fが加わった時の極板間距離を静電容量値の変化により検出する。具体的に検出部200は、図2に示すように、電源210と、第1のMOSスイッチ220と、抵抗230と、第2のMOSスイッチ240と、第2の閾値検出部250と、第1の閾値検出部260と、波形整形部270と、カウンター部280と、原発振水晶の計時装置290と、を含む。各部の動作については、処理の流れを説明する際に併せて説明する。
なお、センサーやセンサー部100、検出部200は、図1や図2の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
2.2. 処理の流れ
ここでは、例えば図2に示す可変電極部120の上に所定の重量Wを有する物体Aを乗せた時に、物体Aの重量Wを検出する処理について説明する。検出部200は、前述したように、極板間の静電容量値Cを求め、静電容量値Cに基づいて、物体Aの重量Wを求める。そのため、まずは静電容量値Cを求める必要がある。本例では、RC発振を利用したカウンター回路(RFC回路)により、2枚の電極間の静電容量値Cをカウンター値(後述する第2のカウンター値)に換算して計測する。
以下では、図3のフローチャートを用いて、本実施形態のセンサーを用いた重量検出処理の流れについて詳細に説明する。さらに、図4のグラフを用いて、可変電極部120と固定電極部110により形成されるキャパシターの電位について、図3のフロー実行時の様子を説明する。
本処理の概要を先に説明すると、まず、センサーのキャパシターの電位が、図4に示すような電源電位Vに近い電位VA1になるまで電荷をチャージし、キャパシターの電位が電位VA1を超えた場合に電荷をディスチャージする。そして、所定の期間内に何回チャージとディスチャージを繰り返したかをカウントし、カウンター値に基づいて、静電容量値や重量等を求めるといった処理を行う。以下、詳細に順を追って説明する。
まず、可変電極部MEは、抵抗230と第1のMOSスイッチ220を介して、電源210に接続されている。初期状態では、第1のMOSスイッチ220及び第2のMOSスイッチ240は、非導通状態(オフ)である。
この時、第1のMOSスイッチ220をオンにして(S101)、第1のMOSスイッチ220が導通すると、比較的大きな抵抗R(数k〜数10kΩ程度)とセンサーの静電容量値Cの積RCを時定数として、図4の矢印TR1に示すように電源電位V付近まで、センサーのキャパシターへ電荷がチャージされる。なお、TR1の特性は抵抗230を用いた場合、実際にはCRの特性になるが、例えば定電流源等を用いることにより、図4に示すような鋸波の波形とすることができる。
そして、キャパシターの電位が電源電位Vに近い電位VA1(図3の第1の閾値)よりも大きくなっていることを第1の閾値検出部260が感知した場合には(S102)、第1の閾値検出部260は第1のMOSスイッチ220をオフにして、非導通状態とする(S103)。なお、第1の閾値検出部260が、第1のMOSスイッチ220をオフにすると判定してから、実際にスイッチがオフ状態になるまでには、短絡を防止するために僅かな時間差を設けている。そのため、第1のMOSスイッチ220をオフにしたタイミングtから若干遅れたタイミングtでは、キャパシターの電位がVA1よりも若干高い電位VB1になっている。そして、第2の閾値検出部250は、タイミングtにおいて、電荷のチャージが完了したと判断し、第2のMOSスイッチ240を導通させる(S104)。すると、センサーのキャパシターに溜まっていた電荷は、第2のMOSスイッチ240の小さな抵抗Rと静電容量値Cの積RCを時定数として、図4の矢印TR2が示すように急速にディスチャージされる。
一方、ステップS102において、キャパシターの電位が第1の閾値VA1以下であると第1の閾値検出部260が判断した場合には(S102)、キャパシターがまだ電荷をチャージしきっていないと判断し、チャージが完了するまで現在の状態を維持する。
次に、キャパシターの電位が接地電位に近い電位VB2(図3の第2の閾値)よりも小さいことを第2の閾値検出部250が感知した場合には(S105)、閾値検出部250は第2のMOSスイッチ240をオフにして、非導通状態とする(S106)。そして、これに若干遅れて第1の閾値検出部260は、第1のMOSスイッチ220を導通状態とする(S107)。ここまでのステップS101〜ステップS107で、電荷のチャージとディスチャージの一連の動作が行われたことになる。
一方、キャパシターの電位が第2の閾値VB2以上であると第2の閾値検出部250が判断した場合には(S105)、まだ電荷をディスチャージしきっていないと判断し、ディスチャージが完了するまで現在の状態を維持する。
また、ステップS107の後には、波形整形部270は、図4に示すような鋸波状の発振波形を得る。なお、この鋸波状の発振波形は、センサーの静電容量値Cによりその周期が変動する。そして、カウント処理を容易にするため、波形整形部270は、取得したこの鋸波形を例えば矩形波等に整形し直す(S108)。
この後、カウンター部280は、波形整形後の発振波形の立ち上がりを検出し、立ち上がりを検出した場合に第1のカウンター値をインクリメントする(S109)。さらに、カウンター部280は、第1のカウンター値が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する(S110)。第1のカウンター値が所定の閾値以下であると判定した場合には、ステップS102から処理を繰り返す(S110)。なお、所定の閾値及び第1のカウンター値の初期値は任意に設定してもよい。
一方、第1のカウンター値が所定の閾値よりも大きいと、カウンター部280が判定した場合には(S110)、より精密なカウンター値を得るために、第1のカウンター値から第2のカウンター値への変換処理を行う(S111)
ここで、本実施形態の検出装置200は、カウンター部280とは独立に動作し、カウンター部280のカウンター動作よりも高速かつ精密に動作する計時装置として、例えば原発振水晶の計時装置290を有する。従って、第1のカウンター値から第2のカウンター値への変換処理では、例えば、第1のカウンター値をカウントする間に、原発振水晶の計時装置290内の水晶振動子が発振した回数を第2のカウンター値として求める。具体的には、第1のカウンター値が、ステップS110における所定の閾値である10になるまでに、原発振水晶の計時装置290内の水晶振動子が30回発振した場合には、第2のカウンター値は30となる。これにより得られる第2のカウンター値はセンサーの静電容量値Cの累積値と1対1に対応する数値となる。なお、計時装置はセラミック振動子等を用いたものであってもよい。
また、上述した例とは異なり、第1のカウンター値として時間を求めてもよい。すなわち、所定期間が経過したか否かを判断し、所定期間内に水晶振動子が発振した回数等を第2のカウンター値として求める等しても良いし、これ以外の方法により第2のカウンター値を求めてもよい。
そして、求めた第2のカウンター値を静電容量値Cに変換し(S112)、静電容量値Cを物質Aの重量Wへと変換し(S113)、処理を終了する。なお、ステップS112やステップS113の変換処理はあらかじめ算出しておいた変換テーブル等を用いて行ってもよいし、ステップS112とステップS113の変換処理を一つにまとめた関数等を用いて行ってもよく、任意の手法を用いて行って良い。
ここで、図5に静電容量(pF)と重量(kgf)の変換結果を示す。図5は、縦軸が静電容量(pF)を、横軸が重量(kgf)を表すグラフである。これによれば、静電容量(pF)と重量(kgf)はほぼ2次の多項式で近似が可能であることが分かる。すなわち、重量が負の数になることはないため、静電容量から重量へと一意に変換することが可能である。従って、前述した変換テーブル等を行って、変換処理を行うことができる。
また、上記の処理を行って得られた第2のカウンター値と重量(gf)の関係を図6に示す。図6は、縦軸が第2のカウンター値を、横軸が重量(gf)を表すグラフである。本例では、小さな重量での感度を知るため、1円玉(1gf)と10円玉(4.5gf)を錘として使っている。最初の出だし部分(1〜5gfの範囲)ではバラつきが確認できるが、その後、局所的にはほぼ線形とみなせるような第2のカウンター値を得ていることが分かる。すなわち、第2のカウンター値から重量へと一意に変換することが可能である。このことは、前述したステップS112とステップS113を一つにまとめた関数等により行うことができることに相当する。
さらに、温度によるフィルムや電極の伸縮などの影響をキャンセルし、より正確な検出結果を得たい場合には、以下のような手法により、温度の影響をキャンセルしてもよい。まず、同一形状の2つのセンサーをそれぞれ独立に同型のRFC回路に接続し、一方に負荷重量をかけ、他方には重量をかけずに放置する。そして、放置したセンサーの第2のカウンター値と、負荷をかけたセンサーの第2のカウンター値の比を求める。一方、第2のカウンター値の比から重量へ換算するテーブルをあらかじめ計算により求めておく。最後に、求めた第2のカウンター値の比と、あらかじめ用意していた換算テーブルとを用いて重量を求める。なお、この際には、上記のRFC回路を2個並列に用意してもよいし、他にも、RFC回路本体は1個で、2個のセンサーを切り替えて使用できるように切り替えスイッチを設ける等しても良い。
以上の本実施形態のセンサーは、図2に示すように、キャパシターを形成する2つの電極部のうちの一方の電極部である固定電極部110と、2つの電極部のうちの他方の電極部であり、固定電極部110に対向する梁状の可変電極部120と、を有する。そして、可変電極部120と固定電極部110は、少なくとも可変電極部120が形成する梁の支持部(図1では、SP1とSP2)において絶縁されている。さらに、可変電極部120と固定電極部110との電極間距離は、可変電極部120に対して力が加えられることにより変化し、電極間距離によって決まる静電容量値に基づいて、物理量が検出される。
本実施形態では、梁状の可変電極部を用いる。さらに、可変電極部と固定電極部とが絶縁部により絶縁され、可変電極部と固定電極部とがキャパシターを形成する。そのため、可変電極部に力が加えられた場合に、可変電極部がたわみ、可変電極部と固定電極部との電極間距離が変化し、静電容量値も変化する。
これにより、本実施形態のセンサー等を用いれば、電極間の静電容量値に基づいて重量等の物理量を検出すること等が可能となる。また、本実施形態によれば、梁状の電極を用いるという単純な仕組みで前述したセンサーを製造できるため、製造コストを抑えることも可能となる。さらに、板バネ等を用いて、電極間ギャップを構成する場合と違って、センサーのサイズが大きくなってしまうということもない。そのため、多くの場面で本実施形態のセンサー等を活用することができる。また、ウレタンフォーム等の弾力性のある材料と違い、材料そのものを薄くしてかつ精度と耐久性を両立させることも比較的容易である。そして、本実施形態のセンサーは単なる極板であるので、前述したように2つのセンサーを設けて温度補正する構成が容易にとれる。
また、可変電極部120は、可変電極部120の両端が固定電極部110に固定されている両持ち梁状の電極部であってもよい。
例えば、両持ち梁状の電極部は、図1に示すような可変電極部MEのことをいう。ただし、可変電極部120は、これに限定されず、例えば、図7(A)に示す片持ち梁状の可変電極部MEであっても良い。
これにより、例えば図7(A)に示すような片持ち梁状の可変電極部を用いる場合よりも耐久性の高いセンサーを構成すること等が可能になる。
また、可変電極部120は、電極により構成され、梁の支持部において、電極と固定電極部110とを絶縁する絶縁部130を更に含んでいてもよい。
例えば、図1では、可変電極部MEの両端が支持部SP1及び支持部SP2において、固定電極部FEに固定されている。この際に、可変電極部MEと固定電極部FEは直接接触しているのではなく、絶縁部IP1及び絶縁部IP2を間に挟んでいる。この絶縁部130は、前述したように、高分子フィルムであってもよいし、塗装膜等であってもよい。
これにより、可変電極部に力が加わった場合でも、可変電極部と固定電極部の接触を防ぎ(抑制し)、可変電極部に加えられた力に応じて長さ(間隔)が変化する電極間ギャップを形成すること等が可能になる。
また、可変電極部120は、梁の支持部から中央部に向かうにつれて、電極間距離が徐々に長くなるように形成されていてもよい。
例えば、図8に示すようなセンサーのことを指す。図8では、可変電極部MEが両持ち梁状の電極であり、電極間距離がセンサーの中央CLに近くなっていくほど、電極間距離が長くなる。すなわち、支持部SP1側の位置における電極間距離DS1よりも、よりセンサーの中央CLよりの位置における電極間距離DS2の方が長く、さらにセンサーの中央CLに近い位置の電極間距離DS3は、DS1とDS2よりも長い。両持ち梁の場合には、逆側の支持部SP2についても同様である。なお、前述したように、このような可変電極部を製造する場合には、プレス打ち抜き時の変形量を利用して可変電極部を梁状にしても良い。
これにより、単純な構造で電極間ギャップを形成すること等が可能になる。
また、可変電極部120は、梁の支持部を除く領域に、固定電極部110と対向する凹部を有していてもよい。
具体例を図7(B)に示す。図7(B)では、可変電極部MEは、支持部を除く領域に、固定電極部FEと対向する側に凹部CPを有する。なお、このような凹部CPは、平板の中央部を僅かに削り出すこと等により形成する。
これにより、例えばプレス打ち抜き時の変形量を利用して電極間ギャップを形成するよりも高精度な電極間ギャップを形成すること等が可能になる。従って、電極間距離から他の物理量へ、より正確に変換処理を行うこと等が可能となる。
また、可変電極部120は、その断面が梁状となる板状の部材であっても良い。さらに、可変電極部ME(120)は、重量がかかっていない状態では、図7(C)に示すような平面であっても良いし、図1等に示すように曲面であってもよい。
また、本実施形態のセンサーは、可変電極部120と固定電極部110の間に設けられた梁状の絶縁部材を含んでいてもよい。
例えば、図9(A)に示すような、可変電極部MEの表面に設けられた絶縁部材IP等を指す。さらに具体的には、絶縁部材IPは、可変電極部MEに貼り付けられた高分子フィルム等であってもよいし、可変電極部MEを塗装した際の塗膜等であってもよい。この場合には、可変電極部MEが梁状であるため、図9(A)のように絶縁部材IPが可変電極部MEと一体に形成されている場合には、それに合わせて絶縁部材IPも梁状となる。なお、必ずしも図9(A)のように絶縁部材IPが可変電極部120と一体に形成されなければならない訳ではなく、可変電極部120と固定電極部110との支持部においてさえ、両者に接触して絶縁していればよい。
これにより、例えば図9(B)のように、可変電極部MEに力Fが加わった場合に、支持部以外の領域(図9(B)ではTPで示す部分)で可変電極部MEと固定電極部FEが直接接触することを防ぎ、電極間ギャップを維持すること等が可能になる。
また、本実施形態のセンサーは、静電容量値に基づいて、物理量として重量、圧力又は歪みが検出されてもよい。
これにより、本実施形態のセンサーを用いて、静電容量値から重量、圧力又は歪み等を検出すること等が可能になる。すなわち、前述した例では、本実施形態のセンサーを重量センサーとして構成したが、実際に変形を引き起こしているのは力学的な力であるので、容易に力センサーに転用することができる。また、変形量を測ることでもあるので、変形量を単位長さで割ることにより、歪みセンサーを構成することもできる。さらに、力を単位面積で割ることにより、圧力センサーを構成することもできる。
なお、静電容量値から電極間距離への変換処理や、電極間距離から他の物理量への変換処理は、あらかじめ算出しておいた変換テーブル等を用いて行ってもよいし、静電容量値から直接他の物理量へ変換する関数等を用いて変換処理を行ってもよく、任意の手法を用いて行って良い。
また、本実施形態のセンサーは、静電容量値情報を物理量に変換する変換処理を行って、物理量を検出する検出部200を含んでもよい。
ここで、静電容量値情報とは、静電容量値を表す情報のことを言い、静電容量値そのものであっても良いし、静電容量値そのものでなくともよく、例えば前述した第2のカウンター値等が該当する。
これにより、静電容量値情報に基づいて、重量等の物理量を検出できるセンサーを構成すること等が可能になる。
また、本実施形態のセンサーはセンサー装置やスイッチ装置に含まれてもよい。
さらに、本実施形態のスイッチ装置は、静電容量値の変化に基づいてスイッチのオンオフを検出する検出部200を含んでもよい。
これにより、極めて単純な構成のセンサーを用いて、例えば、オンオフを検出するスイッチ装置を構成すること等が可能になる。例えば、照明スイッチに応用することができる。
また、必ずしもオンオフを検出する場合だけではなく、例えばボリュームスイッチに応用し、静電容量値に基づいて音の大きさを調整したり、他にも窓の開閉スイッチに応用し、静電容量値に基づいて窓の開閉速度を調整したりしてもよい。
これにより、極めて単純な構成のセンサーを用いて、例えば、ボリュームスイッチや窓の開閉スイッチを構成すること等が可能になる。
また、本実施形態のセンサーは携帯機器に含まれてもよい。さらに、携帯機器は絶縁部材を筐体としてもよい。
さらに、本実施形態のセンサー装置は、可変電極部120と固定電極部110との電極間距離が、電子機器(携帯機器)の筐体に対して力が加えられることにより変化するセンサー装置であってもよい。そして、センサー装置は、電極間距離によって決まる静電容量値の変化に基づいて、筐体に加えられる物理量を検出してもよい。
例えば、携帯機器(センサー装置)がスマートフォンである場合の具体例を図10(A)〜図10(C)に示す。図10(A)は、スマートフォンの正面図を、図10(B)及び図10(C)は、スマートフォンを側面から見た時の断面図を示す。
まず、図10(A)及び図10(B)に示すように、スマートフォンはディプレイDSと、絶縁部材により作られた筐体IPを有し、背面に両持ち梁状の可変電極部MEが設けられている。そして、内部に固定電極部FEを有している。すなわち、可変電極部MEと固定電極部FEと筐体(絶縁部材)IPとにより本実施形態のセンサーを構成している。
そして、例えばユーザーがスマートフォンの背面部に力を加えると、可変電極部MEがたわみ、固定電極部FEとの電極間距離が変化し、静電容量値が変化する。この静電容量値の変化量に基づいて、あらかじめ対応付けておいた処理をスマートフォンが実行する。例えば、静電容量値の変化量が所定の閾値を超えた場合には、スマートフォンが電源をオフにする等の処理を行う。
すなわち、携帯機器の筐体IPを上記のように可変電極部MEとして用いても良い。例えば金属の筐体IPを用いた場合には、固定電極部FEと絶縁された金属の筐体IPが可変電極部MEとして機能する。
また、図10(C)は、筐体IP1の内側に可変電極部MEの電極を設けた例である。図10(C)の例では、筐体IP1に力が加わると、筐体IP1の一部がたわみ、たわんだ筐体IP1に押されて可変電極部MEもたわんで、固定電極部FEとの電極間距離が変化し、静電容量値が変化する。なお、本例では、可変電極部MEと固定電極部FEとを絶縁するための絶縁部IP2を設けている。
すなわち、図10(C)のように、プラスチックの筐体IP1の機器内部側に、可変電極部MEとして(薄膜)金属を設けても良い。
また、携帯機器の側面であって、携帯機器の厚みを成す面に可変電極部MEを設けても良い。
これにより、簡素な構成のセンサーを用いて、例えば、携帯機器へ処理内容を指示するインターフェース部等を実現すること等が可能になる。
また、本実施形態のセンサーは、前述したスイッチ装置や携帯機器以外の電子機器に含まれても良い。
3.第2の実施形態の手法
3.1. システム構成例
次に、図11に本実施形態のセンサーの構成例を、図12に本実施形態のセンサーの詳細なシステム構成例を示す。なお、本実施形態のセンサー等の構成は、第1の実施形態と共通部分が多いため、共通部分については説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と極板の形状が異なり、2枚の極板はリング形状(ワッシャ形状)をしている。そして、一方をセンシング電極部SE(140)と呼び、もう一方を対向電極部FE(150)と呼ぶ。センシング電極部SE(140)は、第1の実施形態の可変電極部120に対応し、対向電極部FE(150)は、第1の実施形態の固定電極部110に対応する。なお、実際に使用される場面では、センシング電極部SEに軸力Fが加えられることを想定している。
さらに、センシング電極部SEは、後述する第1の電極部SE1(141)と第2の電極部SE2(142)とに別れており、それらの間は絶縁部IP1とIP2とにより絶縁されている。これに対して、対向電極部FEは、1つの極板である。また、第1の電極部SE1は検出部200へと接続されており、第2の電極部SE2はグラウンドに接続されている。ただし、逆でも良い。
図12では図示する都合上、第1の電極部141と、第2の電極部142は離れて描画されているが、実際には図11に示すような形状をしている。また、図12では、対向電極部150も寸断されて描画されているが、実際には図11のように繋がっている。
その他の検出部200等の構成は第1の実施形態と同様である。
3.2. 処理の流れ
本実施形態の締め付け緩み検出センサーが実際に使用される場面の断面図を図13に示す。図13では、構造物OBをボルトBTで締め付けている場合に、本実施形態の締め付け緩み検出センサーを用いて、ボルトBTの締め付け緩みを検出する。ここでは例えば、締め付け緩みの検出対象の構造物OBが、大型の建設機械である場合について説明する。本実施形態の締め付け緩みの検出処理は、前述したように、定期点検時だけでなく、建設機械を実際に運転している時などの稼働状態にある場合にも行われる。なお、断面図であるため分かりにくいが、図13のセンシング電極部等は、図11に示すようなリング状をしている。
まず、準備段階において、センサー部100は図13に示すように、通常のワッシャと同様にボルトBT、ナットNTで締め込まれる。また、センシング電極部(SE1及びSE2)と対向電極部FEの2枚の極板の間は、極薄いスペーサーIP4により絶縁される。さらに、ボルトとも絶縁するために、ボルトと2枚の極板の間に、絶縁部IP3とIP5を設ける。なお、図13では、絶縁部IP3〜IP5をそれぞれ別々に描画しているが、これに限定されず、例えば、絶縁部IP3及びIP4とセンシング電極部の3つをあらかじめ一体として整形しておき、対向電極部FEと絶縁部IP5の2つをあらかじめ一体として整形しておく等してもよい。
そして、ワッシャ状の2枚の極板はボルトの軸力により締めこまれ、極板間の距離はスペーサーを圧縮する距離まで近づく。
次に、ボルトを締めこんだ後、ボルトのキャップ状をした検出部200を持つ無線タグDEをボルトの上から被せる。無線タグDEの検出部200は、センシング電極部の第1の電極部SE1と、第2の電極部SE2のそれぞれに接続し、一方をグラウンドに、他方をRFC回路に接続する。
そして、実際に締め付け緩みを検出する段階において、無線タグDEの検出部200は、例えばタイマーにより数分毎に静電容量値を計測する。極板間に緩みがなければ静電容量値は高いままだが、緩みが生じると極板が僅かに遠ざかり、極板間距離が僅かに長くなる。本実施形態の締め付け緩み検出センサーは電極間ギャップが狭いため、電極間ギャップのごく小さな変動でも静電容量値が大きく変動し、検出部200はこれを検出できる。
静電容量値の変化を検出する具体的な方法は、図3のフローチャートを用いて説明した例と同様であるため、ここでは説明を省略する。ただし、図3のフローチャートでは、ステップS113において重量の算出処理を行っているが、本実施形態ではこの処理を行わず、その代わりに検出した静電容量値の変動量が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する。そして、静電容量値の変動量が所定の閾値よりも大きいと判断した場合には、締め付け緩みがあると判断し、静電容量値の変動量が所定の閾値以下であると判断した場合には、締め付け緩みがないと判断する。
次に、締め付け緩みがあると判断した場合には、無線タグDEは警報信号を出し、これを親機が捉えて運転者等に伝える。これにより、運転手は建設機械の運転中でもボルトの締め付け緩みが発生したことを知ることができる。
また、ボルトにキャップ状の無線タグを取り付けることで、回転角ではごく僅かなものでも、緩み、すなわち軸力の低下を常時電気的に検出でき、緩んだ場合には直ぐに運転手等に通知することができる。
なお、図12のようなコンデンサーの直列構成をとることで、検出部200と接続する端子をセンシング電極部140側だけに設けることができ、対向電極部150は単なる絶縁された極板で済む。また、回転をみるのではなく、微小なスペーサー間隔の微小な変動を検出するので、極僅かな軸力の変化も検出できる。
以上の本実施形態の締め付け緩み検出センサーは、図12に示すように、センシング電極部140と、締め付け対象の構造物又は対向電極部150とセンシング電極部140との間を絶縁する絶縁部130と、を有する。そして、構造物又は対向電極部150とセンシング電極部140との距離に応じて変化する静電容量値に応じて、締め付け緩みが検出される。
本実施形態では、センシング電極部と、締め付け対象の構造物又は対向電極部とが絶縁部により絶縁され、センシング電極部と構造物又は対向電極部とがキャパシターを形成する。そのため、例えばセンシング電極部を抑えるボルトの軸力が緩んだ場合には、センシング電極部と固定電極部との電極間距離が変化し、静電容量値も変化する。
これにより、例えば整備工場などに入らずに行う日々の点検作業でも簡単かつ正確に締め付け緩みを検出することができ、さらには点検時だけでなく、締め付け対象の稼働時にも締め付け緩みを検出することができる。さらに、カバーなどで隠された部位であったり、高所や危険な場所などにあって、人手によるチェックに向かない部位であったりしても、締め付け緩みを自動で検出することができる。
そして、締め付け緩みの検出処理自体は、人手によるチェックではないため、ヒューマンエラーが混入する可能性を大幅に低下させることが可能となる。
なお、図11〜図13の例では、対向電極部150を設けていていたが、対向電極部150は必須ではなく、締め付け対象の構造物が導電性の物質でできている場合には、構造物自体を対向電極部150として用いても良い。
以上のように、本実施形態の締め付け緩み検出センサーを用いれば、人手によるチェックが困難な場合でも、自動的に締め付け緩みを検出することが可能になる。
また、実際の作業現場で前述した例のように締め付け緩みを検出しようとする場合には、できるだけボルト等に取り付ける部品が少ない方が良いし、取り付け方法も簡単であることが望ましい。実際の作業現場において、作業の簡易化は非常に重要な要素である。
そこで、センシング電極部140は、第1の電極部141と、第1の電極部141と絶縁される第2の電極部142と、を有してもよい。そして、本実施形態の締め付け緩み検出センサーは、構造物又は対向電極部150と、第1の電極部141との間の第1の静電容量値C1と、構造物又は対向電極部150と第2の電極部142との間の第2の静電容量値C2とに基づいて、締め付け緩みが検出されてもよい。
なお、第1の静電容量値C1を持つコンデンサーと、第2の静電容量値C1を持つコンデンサーは直列に接続されているとみなせるため、全体の静電容量値Cは式(1)により表される。
Figure 2013210234
これにより、検出部200と接続する端子をセンシング電極部140側だけに設けること等が可能になる。従って、センシング電極部140側だけに本実施形態に特有のものを使用し、対向電極部150側には一般的なワッシャ等を用いること等が可能となる。そのため、実際の作業現場でわざわざ本実施形態に対応する特有のワッシャ等を選んだり、探したりする手間を省くこと等が可能となる。
また、本実施形態の締め付け緩み検出センサーは、第1の電極部141に接続される検出部200を有してもよい。そして、第2の電極部142は、固定電位に設定され、検出部200は、第1の静電容量値と第2の静電容量値を求めて、締め付け緩みを検出されてもよい。
これにより、式(1)に示した静電容量値の変化量に基づいて、締め付け緩みを検出すること等が可能になる。
また、センサー部100の取り付けだけでなく、検出部200の取り付けも容易であった方が良い。
そこで、締め付け緩み検出センサーは、ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであり、検出部200は、ボルトのヘッド部に対応する位置に設けられてもよい。なお、ボルトのヘッド部とは、例えば図13で言えば、BHの部分を指し、後述するボルトの軸とは、BAの部分を指す。
これにより、締め付け緩みの検出対象への検出部200の取り付けを簡単にすること等が可能になる。
また、本実施形態の締め付け緩み検出センサーは、締め付け緩みの検出情報を外部に送信する通信部を有していてもよい。
ここで、締め付け緩みの検出情報とは、例えば、締め付け緩みを検出したか、していないかといった情報や、ボルトの回転量等の情報を指す。
これにより、例えば、締め付け緩みの検出対象が稼働中である場合でも、送信された検出情報により締め付け緩みが検出されたことをユーザーが知ること等が可能になる。
また、締め付け緩み検出センサーは、ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであって、第1の絶縁部と第2の絶縁部を有していてもよい。そして、センシング電極部140は、リング状の電極であり、第1の絶縁部は、センシング電極部140とボルトの軸との間を絶縁するように、センシング電極部140の内周に沿って設けられてもよい。さらに、第2の絶縁部は、センシング電極部140とボルトのヘッド部との間を絶縁するように設けられてもよい。
これにより、センシング電極部140とボルトの短絡を防ぐこと等が可能になる。なお、第1の絶縁部と第2の絶縁部は、図13のIP3のように、一体として整形されていてもよい。
4.第3の実施形態の手法
4.1. システム構成例
これまでに述べてきた第2の実施形態では、静電容量値の変化に基づき、締め付け緩みの検出を行うが、その検出処理はマイコンに内蔵されたRFCが行っており、かつ伝送には別のRF回路を用いていた。そのため、マイコンを駆動させる電池が必要となる。
これに対して本実施形態では、パッシブな受動素子のみの回路でセンサー部100を構成し、これに対して非接触の測定リーダー(測定部)により計測を行う。
具体的には、以下に説明する原理を利用する。まず、ボルトやナットが僅かに緩んだ場合には、電極間ギャップが大きくなるため、静電容量値が小さくなる。そこで、ボルト等の締め付け緩みを静電容量値の変化として捉え、静電容量値が小さくなった場合には、ボルト等の締め付けが緩んだと判断する。一方、静電容量値に変化がない場合には、ボルト等の締め付けが緩んでいないと判断する。また、実際にはあまり起こりえないが、仮に静電容量値が大きくなった場合には、ボルト等がより締め付けられたと判断する。そのため、第1の実施形態や第2の実施形態と同様に、静電容量値の変化を検出すればよいが、本実施形態では非接触で静電容量値の変化を検出するため、検出方法が異なる。
ここで、後述する図15に示すようなLC共振回路においては、式(2)に表されるように、キャパシターの静電容量値CとインダクタンスLとに応じて共振周波数ωが変化することが知られている。
Figure 2013210234
そこで、本実施形態では、インダクタンスLを固定して、共振周波数ωの変化を検出することにより、静電容量値Cが変化したことを検出する。言い換えれば、共振周波数ωの変化を検出することにより、ボルトの締め付け緩みを非接触で検出することができる。
次に、本実施形態のセンサーの構成例を図14に示す。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態との共通部分については説明を省略する。
本実施形態のセンサー部100は、第2の実施形態と同様に、リング状(ワッシャ状)のセンシング電極部SEを有する。そして、センシング電極部SEの周囲にコイルCL(インダクター部)が巻き付けられている。なお、コイルCLは2つのコネクターを有し、一方はセンシング電極部SEへ接続されており、他方は締め付け対象の構造物又は対向電極部に接続されている。
また、本実施形態のセンサーの回路ブロック図を図15に示す。センシング電極部SEは、締め付け対象の構造物又は対向電極部150とともにキャパシターCを形成している。そのため、センサー部100側は、キャパシターCとインダクター部Lの直列回路となっている。
一方、外部の測定リーダー等の測定部300も測定用インダクター部L(310)を有しており、以下で説明する手法により、センサー部100側の静電容量値の変化を間接的に検出する。なお、図15では、説明の簡略化のため、内部抵抗を省略している。
4.2. 処理の流れ
本実施形態の締め付け緩み検出センサーが実際に使用される場面の断面図を図16に示す。図16では、構造物OBをボルトBTで締め付けている場合に、本実施形態の締め付け緩み検出センサーを用いて、ボルトBTの締め付け緩みを検出する。
図16では、前述した図13の例と異なり、対向電極部を設けておらず、対向電極部の代わりに構造物OBを用いている。また、ボルトBTとセンシング電極部SEは、絶縁部IP6〜IP8により絶縁されている。また、コイルCLとセンシング電極部SEは直接接触して接続されており、コイルCLと構造物OBはコネクター部CPを介して接続されている。なお、本実施形態では、第2の実施形態で用いた無線タグDEは当然不要である。
すなわち、図16の例では、センシング電極部SEと構造物OB、絶縁部IP8の3つがキャパシターCを構成しており、コイルCLがインダクター部Lを構成している。
このように構成されたLC共振回路に、測定リーダーCH(測定部)に含まれるコイルを近づけることにより、2つのコイル間で相互誘導が起こる。この時に、外部のコイルに高周波信号を発生させると、センサー側のLC共振回路にも発振が起こる。
LC回路では、共振周波数で互いの電位が打ち消し合い、外からはインピーダンスが0Ωに見える状態になる。そのため、センサー側のLC共振回路の共振点付近では、外部のコイルから多くのエネルギーがセンサー側に移転する。よって、外部のコイルに発生させる高周波信号を掃引もしくは多数の周波数で駆動すれば、その挙動からセンサー側のLC共振回路の共振点(共振周波数)を求めることができる。
具体的には、ボルトの締め付けが緩んだ場合には、極板間ギャップが大きくなり、静電容量値が低下するため、共振周波数は上がる。従って、これを検出することにより緩みを発見することができる。そして、締め付けがさらに緩んだ場合には、センシング電極部とコイル等との電気的接触が失われ、センサー側が共振しなくなるため、この場合もまた検出の対象となる。
以上の本実施形態のセンサーは、図15に示すように、構造物又は対向電極部150とセンシング電極部140とにより形成されるキャパシターとともに、共振回路を構成するインダクター部160を有していてもよい。
さらに、インダクター部160は、一端がセンシング電極部140に接続され、他端が構造物又は対向電極部150に接続されてもよい。
これにより、構造物又は対向電極部150とセンシング電極部140とにより、キャパシターを構成し、さらにキャパシターとインダクター部とにより、LC共振回路を構成すること等が可能になる。
よって、例えば共振周波数の変化を検出することにより、ボルトの締め付け緩みを非接触で検出すること等が可能になる。また、本実施形態によれば、例えばセンサー側に電源を設ける必要がないため、電池寿命の心配がなく、本実施形態の締め付け緩み検出センサーを用いるための環境条件の制限を大幅に緩和すること等が可能になる。
また、前述した図13の場合と同様、共振回路を構成する場合にも、締め付け緩み検出センサーは、ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであって、第1の絶縁部と第2の絶縁部を有してもよい。この時、センシング電極部140は、リング状の電極であってもよい。そして、第1の絶縁部は、センシング電極部140とボルトの軸との間を絶縁するように、センシング電極部140の内周に沿って設けられていてもよい。例えば、第1の絶縁部は図16のIP7である。さらに、第2の絶縁部は、センシング電極部140とボルトのヘッド部との間を絶縁するように設けられてもよい。例えば、第2の絶縁部は図16のIP6である。
これにより、センシング電極部140とボルトとの短絡を防ぐこと等が可能になる。なお、第1の絶縁部と第2の絶縁部は、前述した図13のIP3のように、一体として整形されていてもよい。
また、インダクター部160は、センシング電極部140の周囲を囲むように形成されるコイルであってもよい。
これにより、例えば外部の測定部にも同じコイルを設けて、2つのコイルを近づけて相互誘導を引き起こし、センサー側のLC共振回路の共振周波数を検出すること等が可能になる。
また、本実施形態の締め付け緩み検出センサーは、測定部300(図16のCH)と、を有する締め付け緩み検出システムにも用いることができる。そして、測定部300は、測定時にインダクター部160と相互誘導を引き起こす測定用インダクター部310と、測定用インダクター部310を駆動させる駆動部と、を有してもよい。さらに、駆動部は、少なくとも2つの周波数で測定用インダクター部310を駆動させることにより、締め付け緩みを検出してもよい。なお、駆動部は、図15には図示していない。
これにより、LC共振回路の共振周波数が変化したことを検出すること等が可能になり、共振周波数が変化した場合に締め付け緩みが発生したと判断すること等が可能になる。
前述したように、LC回路では、共振周波数において、互いの電位が打ち消し合い、外からはインピーダンスが0Ωに見える状態になる。
そこで、共振周波数の変化を検出する際には、駆動部は、第1の周波数と第2の周波数で測定用インダクター部310を駆動させ、第1の周波数で測定用インダクター部310を駆動させた時の第1のインピーダンス値を検出し、第2の周波数で測定用インダクター部310を駆動させた時の第2のインピーダンス値を検出し、第1のインピーダンス値と第2のインピーダンス値との比較処理を行うことによって、締め付け緩みを検出してもよい。
これにより、例えば、第1のインピーダンス値よりも第2のインピーダンス値の方が大きい場合には、共振周波数が第2の周波数よりも第1の周波数に近いと判定することができ、一方、第2のインピーダンス値よりも第1のインピーダンス値の方が大きい場合には、共振周波数が第1の周波数よりも第2の周波数に近いと判定すること等が可能になる。従って、このような判定結果が変わった場合に、共振周波数が変化した、すなわち静電容量値が変化したと判断することができ、非接触で締め付け緩みを検出すること等が可能になる。
また、実際には、共振周波数の変化を検出する際に、インピーダンス値の比較処理を行う代わりに、周波数の時間変化と、各周波数計測タイミングにおける電圧振幅を記録して、周波数と電圧振幅の変化を観察することにより、共振周波数の変化を検出すること等も可能である。
すなわち、電圧振幅が所定の閾値以上変化し、その後、所定期間内に元の値に戻らなければ、共振周波数が変化したと判断することが可能である。そして、その変化点における周波数が共振周波数であると判断することが可能である。
これにより、実際にインピーダンス値を計算する手法よりも、計算量を抑えること等が可能になる。
なお、以上の第2の実施形態及び第3の実施形態では、ボルトやナットの締め付け緩みを検出する例について説明したが、その他にも配管の結合部の緩み等についても、センサー部のサイズを変更して、第2の実施形態又は第3の実施形態の手法により、締め付け緩みを検出することができる。
以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、センサー、締め付け緩み検出センサー、締め付け緩み検出システム、スイッチ装置、携帯機器及び電子機器等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
100 センサー部、110 固定電極部、120 可変電極部、130 絶縁部、
140 センシング電極部、141 第1の電極部、142 第2の電極部、
150 対向電極部、160 インダクター部、200 検出部、210 電源、
220 第1のMOSスイッチ、230 抵抗、240 第2のMOSスイッチ、
250 第2の閾値検出部、260 第1の閾値検出部、270 波形整形部、
280 カウンター部、290 原発振水晶の計時装置、300 測定部、
310 測定用インダクター部

Claims (12)

  1. センシング電極部と、
    締め付け対象の構造物又は対向電極部と前記センシング電極部との間を絶縁する絶縁部と、
    を有し、
    前記構造物又は前記対向電極部と前記センシング電極部との距離に応じて変化する静電容量値に応じて、締め付け緩みが検出されることを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  2. 請求項1において、
    前記センシング電極部は、
    第1の電極部と、
    前記第1の電極部と絶縁される第2の電極部と、
    を有し、
    前記構造物又は前記対向電極部と前記第1の電極部との間の第1の静電容量値と、前記構造物又は前記対向電極部と第2の電極部との間の第2の静電容量値とに基づいて、前記締め付け緩みが検出されることを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  3. 請求項2において、
    前記第1の電極部に接続される検出部を有し、
    前記第2の電極部は、
    固定電位に設定され、
    前記検出部は、
    前記第1の静電容量値と前記第2の静電容量値を求めて、前記締め付け緩みを検出することを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  4. 請求項3において、
    前記締め付け緩み検出センサーは、
    ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであり、
    前記検出部は、
    前記ボルトのヘッド部に対応する位置に設けられることを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記締め付け緩みの検出情報を外部に送信する通信部を有することを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記締め付け緩み検出センサーは、
    ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであって、
    第1の絶縁部と第2の絶縁部を有し、
    前記センシング電極部は、
    リング状の電極であり、
    前記第1の絶縁部は、
    前記センシング電極部と前記ボルトの軸との間を絶縁するように、前記センシング電極部の内周に沿って設けられ、
    前記第2の絶縁部は、
    前記センシング電極部と前記ボルトのヘッド部との間を絶縁するように設けられることを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  7. 請求項1において、
    前記構造物又は前記対向電極部と前記センシング電極部とにより形成されるキャパシターとともに、共振回路を構成するインダクター部を有することを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  8. 請求項7において、
    前記インダクター部は、
    一端が前記センシング電極部に接続され、他端が前記構造物又は前記対向電極部に接続されることを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  9. 請求項8において、
    前記インダクター部は、
    前記センシング電極部の周囲を囲むように形成されるコイルであることを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  10. 請求項7乃至9のいずれかにおいて、
    前記締め付け緩み検出センサーは、
    ボルトの締め付け緩みを検出するセンサーであって、
    第1の絶縁部と第2の絶縁部を有し、
    前記センシング電極部は、
    リング状の電極であり、
    前記第1の絶縁部は、
    前記センシング電極部と前記ボルトの軸との間を絶縁するように、前記センシング電極部の内周に沿って設けられ、
    前記第2の絶縁部は、
    前記センシング電極部と前記ボルトのヘッド部との間を絶縁するように設けられることを特徴とする締め付け緩み検出センサー。
  11. 請求項7乃至10のいずれかに記載の締め付け緩み検出センサーと、
    測定部と、
    を有する締め付け緩み検出システムであって、
    前記測定部は、
    測定時に前記インダクター部と相互誘導を引き起こす測定用インダクター部と、
    前記測定用インダクター部を駆動させる駆動部と、
    を有し、
    前記駆動部は、
    少なくとも2つの周波数で前記測定用インダクター部を駆動させることにより、前記締め付け緩みを検出することを特徴とする締め付け緩み検出システム。
  12. 請求項11において、
    前記駆動部は、
    第1の周波数と第2の周波数で前記測定用インダクター部を駆動させ、
    前記第1の周波数で前記測定用インダクター部を駆動させた時の第1のインピーダンス値を検出し、
    前記第2の周波数で前記測定用インダクター部を駆動させた時の第2のインピーダンス値を検出し、
    前記第1のインピーダンス値と前記第2のインピーダンス値との比較処理を行うことによって、前記締め付け緩みを検出することを特徴とする締め付け緩み検出システム。
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