JP2013209844A - 配線・配管装置、配線・配管材設置構造、及び、配線・配管材を配設するための管接続体及び断熱材の設置方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の配線・配管装置(100)及び配線・配管材設置構造(10)は、壁(20)の内外面間に貫通形成された通孔に、配線・配管材を挿通する。当該装置(100)は、壁の及び内面側に設置される本体部(111)、及び、本体部(111)から通孔(21)に向けて配設される引出部(113)を備えるとともに、その全体形状における一部位が屈曲又は湾曲する中空の管接続体(110)と、当該管接続体(110)の屈曲又は湾曲して壁に対向する部位の一部又は全部と、壁(20)の内面(20a)との間に介在する、断熱性を有する断熱スペーサ(120)と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の一実施形態として、図1の配線・配管材設置構造10及び配線・配管装置100を説明する。配線・配管材設置構造10は、配線・配管装置100を外壁(壁)20と内壁40との間の配線・配管空間(外壁の内側空間)S1に設置した構造体であり、外壁20を貫通する通孔21を介して外壁20の内面20a側から外面20b側へと配線・配管材31を配設している。そして、配線・配管空間(内側空間)S1の外壁内面20aに沿って断熱材(断熱層22及び断熱スペーサ120、131)が連続的に形成されている。ここで、「断熱材」とは、何も配置しない空間よりも断熱性能が高い断熱空間を形成可能な物質を指す。すなわち、当該断熱材は、内壁40内側の室内環境(図示せず)が外部環境(外壁外面20b側の外側空間S2であり、一般的に屋外空間を指す)の寒気及び暖気の影響を受けないように断熱性能を有している。
一実施形態の配線・配管装置100は、接続部112、フランジ部114、固定部115及び筒状部116を備えているが、これらの構成は本発明に必須の要件ではなく、省略可能である。例えば、図9は、これら構成を省略したより簡易な構成からなる配線・配管装置100Aの配線・配管材設置構造10Aを示している。この配線・配管材設置構造10Aでは、管接続体110Aの本体部111Aに開口した引出部113Aが外壁20の通孔21に連通するように、本体部111Aが外壁20に設置されている。そして、図9に示すとおり、本体部110Aの屈曲部位aと外壁内面20aとの間に断熱スペーサ120Aが介在しており、配線・配管空間を拡張することなく、断熱性能の局所的な低下を軽減して、壁20の内外に配線・配管31を配設可能とする。すなわち、実施例2の配線・配管装置100A及び配線・配管材設置構造10Aも同様に、本発明の課題を解決可能に構成されている。なお、図示しないが、当該管接続体110Aの壁20への固定手段は、当業者によって任意に選択可能であり、例えば、通孔21内に被嵌合部材を設けて通孔21内に本体部111Aを嵌合させることにより固定可能である。
上述した一実施形態の配線・配管装置100では、フランジ部114の両面を被覆部位123で覆うように、断熱スペーサ120が管接続体110に取り付けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10に示す配線・配管装置100Bでは、管接続体110Bのフランジ114Bの外壁側表面に、一様な厚みt4を有する断熱スペーサ120Bが配置されている。この実施例では、断熱スペーサ120Bの厚みt4が断熱層(図示せず)の所定厚tと同等か、あるいは、それより大きく構成されているため、一実施形態と同様の断熱性能を発揮することができる。
また、一実施形態の配線・配管材設置構造10では、断熱スペーサ120と断熱層22とが別々に構成されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、図11に示す配線・配管材設置構造10Cでは、管接続体110Cと外壁20との間に断熱層と一体形成された断熱スペーサ120Cが介在している。本実施例において、管接続体110Cと外壁内面20aとを、必要な断熱層の厚みtよりも離間させた状態で、発泡断熱材を吹き付けることにより、管接続体110Cと外壁内面20aと間に断熱スペーサ120Cが形成される。したがって、当該配線・配管材設置構造10Cでは、所望厚みの断熱スペーサ及び断熱層(120C)を発泡断熱材により一体的に形成することができるので、必要な厚みの断熱材の設置作業を迅速且つ容易に行うことができる。
図12は、配線・配管材設置構造10Dの固定具130Dの変形例を示す。当該固定具130Dは、その内面と第2の断熱スペーサ131Dとで保護管32を支持している。さらに、フランジ130aDの外壁20側の底面にのみ、第2の断熱スペーサ131Dが配置されている。第2の断熱スペーサの厚みt5が、断熱層の厚みtと等しいので、一実施形態の固定具130と同様に、断熱性能の低下を招くことはない。
図13に示すとおり、実施例6の配線・配管装置100Eは、管接続体110Eと断熱スペーサ120Eとからなり、管接続体110Eのフランジ部114Eに穿設された固定部115E、及び、断熱スペーサ120Eに穿設された固定孔126Eを介して、複数のビスVによって外壁20に固定されている。この固定状態では、管接続体110Eの本体部111Eから通孔21を通って外側空間S2に配線・配管材31を引き出すことができるように、引出部113Eが通孔21を向いて配置されている。また、管接続体110Eの内壁40側の一端である接続部112Eが、鉛直下方向に開口し、配線・配管材31を内包する保護管32の先端の接続口32aに接続されている。
図14に示すとおり、実施例7の配線・配管材設置構造10F及び配線・配管装置100Fは、実施例6の構成に加えて、フランジ部114Fの内壁40側(つまり、外壁20と反対側)の表面を被覆する被覆部材140Fを備えている。当該被覆部材140Fは両面テープや接着剤等によってフランジ114Fの表面に取着されており、フランジ部114Fの両面側を断熱スペーサ120F及び被覆部材140Fで被覆している。そして、断熱スペーサ120Fの厚みt6は、断熱層22の所定厚tよりも小さい。しかし、断熱スペーサ120Fの厚みt6と被覆部材140Fの厚みt8との合計が、断熱層22の所定厚t以上となるように構成されている。これにより、実施例6と比較して、断熱性能の局所的な低下をさらに軽減させることができる。
100 配線・配管装置
110 管接続体
111 本体部
111a 屈曲部位
112 接続部
113 引出部
114 フランジ部
115 固定部
117 第2接続部
120 断熱スペーサ
123 被覆部位
124 延出部位
125 貫通孔
125a 密着面
126 固定孔
127 リング部材(圧潰防止手段)
128 両面テープ(接着手段)
130 固定具
131 第2の断熱スペーサ
140F 被覆部材
20 外壁(壁)
20a 外壁内面
21 通孔
22 断熱層(発泡断熱材層)
31 配線・配管材
32 保護管
32a 接続口
40 内壁
V ビス(固着具)
S1 配線・配管空間(内側空間)
S2 外側空間
t 断熱層の厚み
t1 断熱スペーサの厚み
t6 断熱スペーサ(実施例6及び7)の厚み
t7 接続口近傍と壁面との距離
t8 被覆部材の厚み
Claims (18)
- 壁の内外面間に貫通形成された通孔に、配線・配管材を挿通するための配線・配管装置であって、
前記壁の内面側に設置される本体部、及び、前記本体部から前記通孔に向けて配設される引出部を備えるとともに、その全体形状における一部位が屈曲又は湾曲する中空の管接続体と、
前記管接続体の前記屈曲又は湾曲して前記壁に対向する部位の一部又は全部と、前記壁の内面との間に介在する、断熱性を有する断熱スペーサと、を備えることを特徴とする配線・配管装置。 - 前記管接続体は、前記壁の内面側に配設した前記配線・配管材の保護管が接続される接続部をさらに備え、前記断熱スペーサの延出部位が前記接続部と前記壁の内面との間にさらに延設されていることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管装置。
- 前記管接続体は、当該管接続体及び前記断熱スペーサを前記壁に固定するための固定部をさらに備え、前記断熱スペーサが前記固定部と前記壁の内面との間に介在して前記壁の内面側に取着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線・配管装置。
- 前記断熱スペーサには前記固定部を覆う被覆部位がさらに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の配線・配管装置。
- 前記固定部は、前記本体部から張り出したフランジ部に設けられ、前記断熱スペーサは前記フランジ部の略全体を覆う大きさのシート状に構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の配線・配管装置。
- 前記断熱スペーサには、前記管接続体及び当該断熱スペーサを前記壁に固定するための固定孔が形成されていると共に、前記固定部及び前記固定孔を貫通する固着具による圧潰を防止する圧潰防止手段が設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の配線・配管装置。
- 前記断熱スペーサには、前記管接続体の前記本体部の外周面に密着する密着面を内面に備えた貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の配線・配管装置。
- 所定厚の断熱層を内面に設けた壁の内外面間に貫通形成された通孔に、配線・配管材を挿通するための配線・配管材設置構造であって、
前記壁の内面側に配設された本体部、及び、前記本体部から前記通孔に向けて配設された引出部を備えるとともに、その全体形状における一部位が屈曲又は湾曲している中空の管接続体と、
前記管接続体の前記屈曲又は湾曲して前記壁に対向する部位の一部又は全部と、前記壁の内面との間に介在している、断熱性を有する断熱スペーサと、を備えることを特徴とする配線・配管材設置構造。 - 前記管接続体は、前記壁の内面側に配設した前記配線・配管材の保護管が接続された接続部をさらに備え、前記断熱スペーサの延出部位が前記接続部と前記壁の内面との間にさらに延設されていると共に前記接続部の外面に当接していることを特徴とする請求項8に記載の配線・配管材設置構造。
- 前記管接続体は、前記接続部よりも前記壁内面に近接する側に前記本体部から張り出したフランジ部と、前記フランジ部に形成されて前記管接続体及び前記断熱スペーサを前記壁に固定している固定部とをさらに備え、且つ、
前記断熱スペーサには、前記フランジ部及び前記固定部を覆う被覆部位がさらに設けられていることを特徴とする請求項9に記載の配線・配管材設置構造。 - 前記被覆部位が前記断熱スペーサの前記延出部位に一体的に結合されていることを特徴とする請求項10に記載の配線・配管材設置構造。
- 前記壁に沿って配設された前記保護管を前記壁から離間した状態で支持している固定具をさらに備え、
前記固定具は、前記保護管と前記壁との間に介在する第2の断熱スペーサを有していることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の配線・配管材設置構造。 - 所定厚の断熱層をその内面に設置する壁の内外面間に貫通形成された通孔に、配線・配管材を挿通するための管接続体及び断熱材の設置方法であって、
前記壁の内面側に配設される本体部、及び、前記本体部から前記通孔に向けて配設される引出部を備えるとともに、その全体形状における一部位が屈曲又は湾曲する中空の管接続体を前記壁に配設するステップと、
前記管接続体の前記屈曲又は湾曲して前記壁に対向する部位の一部又は全部と、前記壁の内面との間に、断熱性を有する断熱スペーサを介在させるステップと、
前記断熱スペーサと前記管接続体とをともに壁面に固定するステップと、を含むことを特徴とする方法。 - 前記管接続体の接続部に配線・配管材の保護管を接続した状態で、吹き付け発泡断熱材を前記管接続体及び前記断熱スペーサ周囲の壁面に吹き付けて所定厚の断熱層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 所定厚の断熱層が設けられる壁の内外面間に貫通形成された通孔に、配線・配管材を挿通するための配線・配管装置であって、
前記壁の内面側に設置される本体部、前記本体部から前記通孔に向けて配設される引出部、前記本体部から張り出し形成されたフランジ部、前記フランジ部に形成された前記壁に固定するための固定部、及び、前記壁の内面側に配設された配線・配管材を内包する保護管の接続口が接続される接続部を備える中空の管接続体と、
前記保護管の前記接続口近傍を前記断熱層の所定厚以上に前記壁から離間させ得る厚みを有した、前記フランジ部と前記壁との間に介在する、断熱性を有する断熱スペーサと、を備えることを特徴とする配線・配管装置。 - 所定厚の断熱層が設けられた壁に、請求項15に記載の配線・配管装置が設置された配線・配管材設置構造であって、
前記管接続体は、前記引出部を通孔に向けて前記断熱スペーサを前記フランジ部と前記壁の内面との間に介在させた状態で、前記壁に前記固定部を介して固定されており、
前記断熱スペーサが前記断熱層の所定厚以上に前記保護管の前記接続口近傍を前記壁から離間させていることを特徴とする配線・配管材設置構造。 - 前記壁と反対側に位置する前記フランジ部の表面を被覆する被覆部材をさらに備え、前記断熱スペーサが前記断熱層の厚みより薄く形成されていると共に、前記断熱スペーサ及び前記被覆部材の厚みの合計が前記断熱層の所定厚以上となることを特徴とする請求項16に記載の配線・配管材設置構造。
- 請求項15に記載の配線・配管装置及び断熱材を壁に設置する方法であって、
前記断熱層の所定厚以上に前記保護管の前記接続口近傍を前記壁から離間させ得るように、前記断熱スペーサの厚み又は枚数を設定し、前記断熱スペーサを前記フランジ部と前記壁との間に介在させ、前記固定部を介して前記管接続体を前記壁に固定し、前記保護管の接続口を前記接続部に接続し、前記壁に前記断熱層を設置することを特徴とする設置方法。
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