JP2013209291A - マラリアワクチン - Google Patents

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Abstract

【課題】熱帯熱マラリア予防効果を有するポリペプチドを含む、新規なマラリアワクチンの提供。
【解決手段】(a)特定の配列番号に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド、(b)特定の配列番号に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、かつマラリア予防効果を有するポリペプチド、又は(c)特定の配列番号に記載のアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、かつ熱帯熱マラリア予防効果を有するポリペプチドを含む、マラリアワクチン。
【選択図】なし

Description

本発明は、マラリアワクチンに関する。
マラリアは、熱帯・亜熱帯地域に広く分布する感染症で、ハマダラ蚊によって媒介されるマラリア原虫の感染によって引き起こされる。4種類のヒトマラリアの内、熱帯熱マラリアと三日熱マラリアがその大半を占める。いずれも発熱や貧血などの症状を呈するが、熱帯熱マラリアは重篤な合併症を伴うと死に至る。第二次世界大戦後、DDT等の殺虫剤を用いた媒介蚊対策や特効薬クロロキンの出現によってマラリアによる死亡者数は減少した。しかし、その後クロロキン耐性熱帯熱マラリア原虫や殺虫剤抵抗性の蚊が出現し、患者数が再び増加している。現在年間約3億人が罹患し、熱帯熱マラリアによる死亡者は年間86万人以上にも及ぶと推定されている。そこで、ワクチンが新しいマラリア対策の切り札として注目されてきた。
しかし、マラリア原虫は、その複雑な生活環から原虫の各発育時期によって発現している遺伝子が大きく異なっている。そのためマラリアワクチンは、1)スポロゾイトや肝臓期原虫を標的とする感染阻止ワクチン、2)赤血球期原虫を標的とする発病阻止ワクチン、3)蚊中腸内の原虫を標的とする伝搬阻止ワクチンの3種に分けて研究が進められてきたが、いずれのワクチンも未だ実用化には至っていない。したがって、マラリアワクチンの開発が待たれている。
本発明の課題は、マラリアワクチンを提供することである。
これまでのマラリアワクチン開発は、数十年前に着目された限られた候補分子に対して研究を行い、実用化を目指して進んできた。この中で、最も開発が進んでいるワクチンは、蚊からヒト体内に注入されるスポロゾイトの表面タンパク質の一種を抗原とし感染阻止を目指したワクチンである。これまでに第二相臨床試験が終了し、約5割の効果が認められた。しかし、上記の第二相臨床試験結果から、このワクチンだけでは効果が不十分であることが明確となった。
2007年10月、長年封印されていた「マラリア撲滅」が再び世界に宣言され、新たなマラリアワクチンの開発が重点項目の一つとして強調された。これまでのワクチン候補分子よりも有効な候補が同定される可能性が模索された。高度流行地の住民は赤血球期原虫の増殖を抑制する防御抗体を保有していることや、放射線照射したスポロゾイトで実験的に免疫すると(いわば原虫生ワクチンである)防御免疫が誘導されることが古くから知られており、原虫に対する様々な免疫応答の総体が防御効果につながると考えられていた。つまり、これらの免疫応答に関与するマラリア原虫分子を網羅的に同定することができれば、複数のマラリア原虫抗原を含む多価ワクチンの可能性が開ける。そこで実施されたマラリアゲノム計画から、熱帯熱マラリア原虫には約5400個の遺伝子の存在が予測され、その内6割を機能未知分子が占めていることが2002年に明らかとなった。またこれらの情報がマラリア原虫ゲノムデータベース(PlasmoDB:http://plasmodb.org/plasmo/)として公開された。この時点で、多くの研究者は、新たなマラリアワクチン候補抗原が次々に見いだされ、マラリアワクチン研究が飛躍的に加速すると期待した。
しかし、それらのゲノム情報をワクチン候補抗原の探索に利用するためには組換えタンパク質の合成が必須であった。そこで、大腸菌系を用いたゲノムワイドな熱帯熱マラリア原虫遺伝子の発現が欧米で試みられた。その結果1000種類もの遺伝子の発現を試みたが、わずか6〜21%が可溶性タンパク質として合成されたのみであった。さらにタンパク質のフォールディングの観点からも、大腸菌系ではなく真核細胞系の組換えタンパク質合成法が望ましいと考えられた。
コムギ胚芽内のタンパク質合成系を試験管内に移入して、組換えタンパク質を合成するユニークな手法が愛媛大学で実用化された。コムギという真核生物由来の合成法であり、実際にヒト、マウス、植物などの組換えタンパク質の発現には大腸菌系よりも適していた。また、無細胞系には生細胞系に付随する合成タンパク質による細胞毒性などの制約がない。したがって、真核細胞病原体であるマラリア原虫の組換えタンパク質合成にも適することが予想された。
そこで、熱帯熱マラリア原虫の遺伝子をゲノムデータベースから567種選択し、コムギ無細胞法を用いて合成したところ、478種(84%)の発現に成功した。これらの中で、特に発病阻止ワクチン候補となる可能性のある赤血球期のみに発現している分子26種類を選択し、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系を用いて組換えタンパク質合成・精製の後、抗体作製し、抗体が熱帯熱マラリア原虫培養株の増殖阻害を示す2種類のポリペプチドを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]下記:
(a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号1、配列番号2又は配列番号3に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、かつ熱帯熱マラリア予防効果を有するポリペプチド、又は
(c)配列番号1、配列番号2又は配列番号3に記載のアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、かつ熱帯熱マラリア予防効果を有するポリペプチド
を含む、マラリアワクチン。
[2] 該ポリペプチドが、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法によって合成されたものである、[1]に記載のマラリアワクチン。
[3] [1]又は[2]に記載のマラリアワクチンをその処置が必要な対象に投与することを含む、熱帯熱マラリアの予防方法。
本発明のマラリアワクチンは、熱帯熱マラリアの予防のために有用である。
図1は、組換えタンパク質の合成・精製SDS−PAGEである。 図2は、抗体の反応性(間接蛍光抗体法)である。 図3は、ワクチン効果を示す。
本発明のポリペプチドは、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現させることによって得ることができる。本発明のポリヌクレオチドを含有する核酸は、1本鎖および2本鎖のいずれの形態もとることができる。本発明のポリヌクレオチドが2本鎖の場合、前記本発明のポリヌクレオチドを発現ベクターに挿入することにより、本発明のタンパク質を発現するための組換え発現ベクターを作製することができる。すなわち本発明の核酸には、本発明の2本鎖型ポリヌクレオチドを発現ベクターに挿入して作製された組換え発現ベクターも含まれる。
本発明の「1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含有するタンパク質」とは、人為的に作製したいわゆる改変ポリペプチドや、生体内に存在するアレル変異体等のタンパク質を意味する。
本発明のポリペプチドにおけるアミノ酸の変異数や変異部位は、本発明のポリペプチドの活性が保持される限り制限はない。このように活性を喪失することなくアミノ酸残基が、どのように、何個欠失、置換及び/又は付加されればよいかを決定する指標は、当業者に周知のコンピュータプログラムを用いて見出すことができる。例えば変異数は、典型的には、全アミノ酸の10%以内であり、好ましくは全アミノ酸の5%以内である。また置換されるアミノ酸は、タンパク質の構造保持の観点から、残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性並びに両親媒性など、置換前のアミノ酸と似た性質を有するアミノ酸であることが好ましい。
本発明において、アミノ酸配列の同一性は、約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上である。
ここで「配列同一性」とは、2つのポリペプチド間の、配列の同一性をいう。「配列同一性」は、比較対象の配列の領域にわたって、最適な状態にアラインメントされた2つの配列を比較することにより決定される。ここで、比較対象のタンパク質は、2つの配列の最適なアラインメントにおいて、付加又は欠失(例えばギャップ等)を有していてもよい。このような配列同一性に関しては、例えば、Vector NTIを用いて、ClustalWアルゴリズム(Nucleic Acid Res.,22(22):4673-4680(1994))を利用してアラインメントを作成することにより算出することができる。
ここで用いる発現ベクターとしては、用いる宿主や目的等に応じて適宜選択することができ、プラスミド、ファージベクター、ウイルスベクター等が挙げられる。
例えば、宿主が大腸菌の場合、ベクターとしては、pUC118、pUC119、pBR322、pCR3等のプラスミドベクター、λZAPII、λgt11などのファージベクターが挙げられる。宿主が酵母の場合、ベクターとしては、pYES2、pYEUra3などが挙げられる。宿主が昆虫細胞の場合には、pAcSGHisNT−Aなどが挙げられる。宿主が動物細胞の場合には、pCEP4、pKCR、pCDM8、pGL2、pcDNA3.1、pRc/RSV、pRc/CMVなどのプラスミドベクターや、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクターなどのウイルスベクターが挙げられる。
前記ベクターは、発現誘導可能なプロモーター、シグナル配列をコードする遺伝子、選択用マーカー遺伝子、ターミネーターなどの因子を適宜有していても良い。また、単離精製が容易になるように、チオレドキシン、Hisタグ、あるいはGST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)等との融合タンパク質として発現する配列が付加されていても良い。この場合、宿主細胞内で機能する適切なプロモーター(lac、tac、trc、trp、CMV、SV40初期プロモーターなど)を有するGST融合タンパクベクター(pGEX4Tなど)や、Myc、Hisなどのタグ配列を有するベクター(pcDNA3.1/Myc−Hisなど)、さらにはチオレドキシンおよびHisタグとの融合タンパク質を発現するベクター(pET32a)などを用いることができる。
前記で作製された発現ベクターで宿主を形質転換することにより、当該発現ベクターを含有する形質転換細胞を作製することができる。ここで用いられる宿主としては、大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。大腸菌としては、E.coli K−12系統のHB101株、C600株、JM109株、DH5α株、AD494(DE3)株などが挙げられる。また酵母としては、サッカロミセス・セルビジエ、ピキア・パストリスなどが挙げられる。動物細胞としては、L929細胞、BALB/c3T3細胞、C127細胞、CHO細胞、COS細胞、Vero細胞、Hela細胞、293−EBNA細胞などが挙げられる。昆虫細胞としてはsf9などが挙げられる。
宿主細胞への発現ベクターの導入方法としては、前記宿主細胞に適合した通常の導入方法を用いれば良い。具体的にはリン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。導入後、選択マーカーを含む通常の培地にて培養することにより、前記発現ベクターが宿主細胞中に導入された形質転換細胞を選択することができる。
以上のようにして得られた形質転換細胞を好適な条件下で培養し続けることにより、本発明のタンパク質を製造することができる。得られたタンパク質は、一般的な生化学的精製手段により、さらに単離・精製することができる。ここで精製手段としては、塩析、イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー等が挙げられる。また本発明のタンパク質を、前述のチオレドキシンやHisタグ、GST等との融合タンパク質として発現させた場合は、これら融合タンパク質やタグの性質を利用した精製法により単離・精製することができる。
本発明の核酸の範疇には、本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する核酸も含まれる。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、DNAの形態であってもRNAの形態であっても良い。これら本発明のポリヌクレオチドは、本発明のペプチドのアミノ酸配列情報およびそれによりコードされるDNAの配列情報に基づき容易に製造することができる。具体的には、通常のDNA合成やPCRによる増幅などによって、製造することができる。
本発明のポリペプチドを有効成分とするマラリアワクチンは、医薬として通常許容され得るキャリアーと混合して投与、又は併用して投与することができる。
投与方法としては、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与などが挙げられる。製剤中の本発明のポリペプチドの投与量は、治療目的の疾患、患者の年齢、体重等により適宜調整することができるが、通常0.0001mg〜1000mg、好ましくは0.001mg〜1000mg、より好ましくは0.1mg〜10mgであり、これを数日ないし数月に1回投与するのが好ましい。
PF08_0008(PlasmoDB gene code: PF08_0008 (http://plasmodb.org/))は、熱帯熱マラリア原虫の赤血球への侵入型であるメロゾイト期に発現が予測されているタンパク質の一つである。今回組換えタンパク質の発現に用いたのは、本タンパク質の全長であり(配列番号1)、熱帯熱マラリア原虫3D7培養株(MR4: Malaria Research and Reference Reagent Resource Center (http://www.mr4.org/))のメロゾイト期cDNAを鋳型に、PCRを用いて増幅した。
MAL7P1.119(PlasmoDB gene code: MAL7P1.119 (http://plasmodb.org/))は、熱帯熱マラリア原虫の赤血球への侵入型であるメロゾイト期に発現が予測されているタンパク質の一つである。今回組換えタンパク質の発現に用いたのは、本タンパク質の239アミノ酸残基からなる部分断片(以下、Fragment_4という。(配列番号2))で、熱帯熱マラリア原虫3D7培養株のメロゾイト期cDNAを鋳型に、PCRを用いて増幅した。
コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系用のプラスミド、pEU−E01−MCS−N2(セルフリーサイエンス社)にGSTとTEVを導入したpEU−E01−GST−TEV−MCS−N2のマルチプルクローニングサイトのXhoI/NotI部位に標記遺伝子をクローニングした。
発現条件:
PF08_0008全長、MAL7P1.119 Fragment_4のcDNAを組み込んだpEU−E01−GST−TEV−N2ベクターを鋳型とし1.2mlの系で37℃、6h転写を行った。得られたmRNAの全量を1.2mlのコムギ胚芽無細胞タンパク質合成キット WEPRO(登録商標)1240G (240 OD/ml)(セルフリーサイエンス社)に添加し、6穴プレートの全てのウエルに分注し、重層法を用いて17℃、16hタンパク質合成を行った。
抗原の精製法:
得られたタンパク合成反応液28.8mlを300μlのグルタチオンセファロース4B(GE Health Care)と混合し、4℃、16h吸着を行った。樹脂をカラムに移して洗浄後、1.2unit TEVプロテアーゼ含有PBSを300μl添加し、30℃、3h切断反応を行い精製タンパク質を得た。
MAL7P1.119 Fragment_4は予想分子サイズよりもやや大きめのバンドとして合成・精製された。PF08_0008の全長組換えタンパク質は予想通りのサイズに合成・精製された(図1)。
抗原の免疫処理法:
PF08_0008、MAL7P1.119 Fragment_4に対する抗血清は、精製組換えタンパク質を0.25mg/0.4ml PBSに濃度調整し、400μlのフロイント完全アジュバント(和光純薬)と共に乳化させ、ジャパニーズ・ホワイト種雌ウサギ(KBL 北山ラベス株式会社)1匹の背部皮下に複数箇所に分けて投与した。各群1匹ずつウサギを用い、陰性コントロール群には同様に無細胞タンパク質合成系で作成したGSTを同様に免疫した。初回免疫から3週間後にフロイント不完全アジュバント(和光純薬)を用いて追加免疫を行い、以後3週間間隔で合計2回追加免疫を行った。最終免疫から2週間後に、ペントバルビタールナトリウム麻酔下で頚動脈から全採血を行った。採血後、血液を室温で1時間、さらに4度で一晩置き、翌日血清分離を行った。分離した血清は、実験に使用するまで−80度で凍結保存した。
抗体の原虫に対する反応性の確認
得られた抗血清の原虫に対する反応性は、培養熱帯熱マラリア3D7株原虫をスライドグラス上にスポットし、アセトンで固定した後、上記ウサギ抗血清を一次抗体に用い37℃1時間、二次抗体には抗ウサギIgG Alexa488 conjugate(Invitrogen)を添加し37℃で30分インキュベートしPBSで洗浄後退色防止剤(ProLong Gold Antifade Reagent (Invitrogen))を用いて封入し、コンフォーカル・レーザー顕微鏡を用いて観察した。
MAL7P1.119 Fragment_4に対するウサギ抗血清は、熱帯熱マラリア原虫メロゾイトの赤血球への侵入に重要な役割を果たしていると考えられている先端部小器官と反応した。また、PF08_0008に対するウサギ抗血清も熱帯熱マラリア原虫メロゾイトの先端部小器官と反応した(図2)。
ワクチン効果の測定法
PF08_0008、MAL7P1.119 Fragment_4に対するウサギ抗血清のワクチン効果は、熱帯熱マラリア原虫3D7培養株に、ウサギ抗血清からプロテインGカラムを用いて精製したIgG画分を添加し、IgG不添加時の原虫の増殖率に対する%阻害率({1−IgG添加時原虫LDH吸光度/IgG不添加時原虫LDH吸光度}×100)で評価した。
抗PF08_0008ウサギIgGの熱帯熱マラリア原虫増殖阻害効果は、原虫培養液中のIgG濃度を6.7〜26.6mg/mlまで段階的に上昇させると、21〜45%まで濃度依存的に増強した。別の実験では、IgG濃度20.0mg/mlで48%の阻害効果をしめした。また、抗MAL7P1.119 Fragment_4ウサギIgGの熱帯熱マラリア原虫増殖阻害効果は、原虫培養液中のIgG濃度を22.5mg/mlにおいて、29%であった。また、IgG濃度を35.0mg/mlに上昇させると、55%となった(図3)。
以上の結果から、2種類の熱帯熱マラリア原虫タンパク質PF08_0008及びMAL7P1.119 Fragment_4が、熱帯熱マラリアワクチン抗原として有用であると考えた。
PF08_0008のN末シグナル配列とC末のGPIアンカーシグナル配列を除去した25番目のNから714番目のAまで(ecto−domain)について、実施例1と同様な方法によってポリペプチドを合成し、ウサギに免疫した。その結果、抗PF08_0008 ecto−domainウサギIgGの熱帯熱マラリア原虫増殖阻害効果は、原虫培養液中のIgG濃度 35.0mg/mlにおいて、増殖阻害率が50%であった。
以上の結果から、PF08_0008 ecto−domainも、熱帯熱マラリアワクチン抗原として有用であると考えた。
本発明のマラリアワクチンは、熱帯熱マラリアの予防に有用である。

Claims (3)

  1. 下記:
    (a)配列番号1、配列番号2又は配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (b)配列番号1、配列番号2又は配列番号3に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、かつ熱帯熱マラリア予防効果を有するポリペプチド、又は
    (c)配列番号1、配列番号2又は配列番号3に記載のアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、かつ熱帯熱マラリア予防効果を有するポリペプチド
    を含む、マラリアワクチン。
  2. 該ポリペプチドが、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法によって合成されたものである、請求項1に記載のマラリアワクチン。
  3. 請求項1又は2に記載のマラリアワクチンをその処置が必要な対象に投与することを含む、熱帯熱マラリアの予防方法。
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