JP2013209089A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常時にモータ駆動回路と3相交流モータとの間を確実に切り離すことが可能な操舵制御装置を低コストで提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の操舵制御装置40のうち、モータ駆動回路43におけるV,W相の給電ライン42V,42Wには、半導体スイッチ素子である非常用スイッチ素子51,52がそれぞれ設けられている。そして、異常発生時に電流が流れていないMOSFET又は寄生ダイオード51D,52Dがオンする向きの電流が流れているMOSFETを順次ターンオフして、全ての非常用スイッチ素子51,52としてのMOSFETをターンオフする。これにより、急峻に電流が遮断されることがなくなるため、非常用スイッチ素子51,52として、スパイク電圧に耐え得る高価なMOSFETを使用する必要がなくなり、コスト低減が図られる。
【選択図】図6

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の駆動源である3相交流モータ(以下、適宜、「操舵アシストモータ」という)を駆動して、ハンドルの操舵を補助する操舵制御装置に関する。
この種の操舵制御装置は、異常により、操舵アシストモータを駆動することができない場合には、ハンドルの操舵により操舵アシストモータが連れ回りして発電機として機能し、例えば、車両のバッテリ(直流電源)が充電される。このときの操舵抵抗には、可動部の摩擦抵抗に加えて、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するための抵抗(以下、「発電抵抗」という)が含まれる。これに対し、操舵制御装置のうち操舵アシストモータに接続される給電ラインにメカニカルスイッチを備えたものが知られている。この操舵制御装置では、異常発生時に、メカニカルスイッチをオフして操舵制御装置におけるモータ駆動回路を操舵アシストモータから切り離すことで操舵抵抗から発電抵抗を排除し、異常時における操舵抵抗の低減を図っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−199746号公報(段落[0063]、第4図)
しかしながら、メカニカルスイッチは、異物の噛み込みによる誤動作が懸念される。これに対し、メカニカルスイッチの代わりに、半導体スイッチ素子であるMOSFETを給電ラインに設ける構成が考えられる。ところが、この構成では、通電中にMOSFETがターンオフされると、その時発生するスパイク電圧によりMOSFETが破壊されて常オン状態になり得る。これに対し、スパイク電圧に耐え得るMOSFETを選定すると、コストが大幅にアップする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、異常時にモータ駆動回路と3相交流モータとの間を確実に切り離すことが可能な操舵制御装置を低コストで提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る操舵制御装置(40)は、車両(10)に搭載された直流電源(92,93)と電動パワーステアリング装置(11)の駆動源である3相交流モータ(19)との間にモータ駆動回路(43)を設け、そのモータ駆動回路(43)により直流電源(92,93)の出力から3相交流電流(Iu,Iv,Iw)を生成して3相交流モータ(19)に通電すると共に、モータ駆動回路(43)のうち3相交流モータ(19)に接続される3相の給電ライン(42U,42V,42W)における少なくとも2相の給電ライン(42V,42W)に非常用スイッチ素子(51,52)を設け、異常発生時に、モータ駆動回路(43)における3相の各相回路(43U,43V,43W)のスイッチ群(UH,UL,VH・・・)を全てオフした後、非常用スイッチ素子(51,52)をターンオフしてモータ駆動回路(43)と3相交流モータ(19)との間を断絶する操舵制御装置(40)において、非常用スイッチ素子(51,52)は、MOSFETであって2相の給電ライン(42U,42V,42W)のそれぞれに対をなして設けられると共に、それら対をなしたMOSFETの寄生ダイオード(51D,52D)が互いに逆向きに配され、異常発生時に電流が流れていないMOSFET又は寄生ダイオード(51D,52D)がオンする向きの電流が流れているMOSFETを順次ターンオフして、全ての非常用スイッチ素子(51,52)としてのMOSFETをターンオフする非常時ターンオフ制御手段(44,PG1)を備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の操舵制御装置(40)において、モータ駆動回路(43)に電流センサを設け、非常時ターンオフ制御手段(44,PG1,PG2)は、電流センサの検出結果に基づいて、非常用スイッチ素子(51,52,59)としての各MOSFETがターンオフ可能な状態であるか否かを判別するところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1に記載の操舵制御装置(40)において、非常時ターンオフ制御手段は、3相交流モータ(19)が有する回転位置センサの検出結果に基づいて、非常用スイッチ素子(51,52,59)としての各MOSFETがターンオフ可能な状態であるか否かを判別するところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の操舵制御装置では、電動パワーステアリング装置の駆動源である3相交流モータに通電するモータ駆動回路のうち給電ラインに設けた非常用スイッチ素子はMOSFETであるから、従来のメカニカルスイッチのように異物を噛み込んで作動しなくなることが防がれる。即ち、本発明では、異常時にモータ駆動回路と3相交流モータとの間を確実に切り離すことができる。
また、本発明では、非常用スイッチ素子としてのMOSFETを、2相の給電ラインのそれぞれに対をなして設け、それらMOSFETの寄生ダイオードを互いに逆向きにしたので、それら非常用スイッチ素子を全てオフすると、2相分の給電ラインには電流が向きに関係なく流れなくなる。これにより、3相交流モータの3相の相回路を一部に含んだ通電可能な閉回路が存在しなくなり、3相交流モータの発電抵抗が排除され、異常時における操舵抵抗を低減させることができる。
そして、モータ駆動回路と3相交流モータとの間で3相交流電流を通電中に異常が発生した場合には、電流が流れていないMOSFET又は寄生ダイオードがオンする向きの電流が流れているMOSFETを順次ターンオフして、全ての非常用スイッチ素子をターンオフする。ここで、寄生ダイオードがオンする向きの電流が流れているMOSFETをターンオフしても、急峻に電流が遮断されることはないのでスパイク電圧は発生しない。勿論、電流が流れていないMOSFETをターンオフしてもスパイク電圧は発生しない。これらにより、非常用スイッチ素子として、スパイク電圧に耐え得る高価なMOSFETを使用する必要がなくなり、コスト低減が図られる。つまり、本発明によれば、異常時にモータ駆動回路と3相交流モータとの間を確実に切り離すことが可能な操舵制御装置を低コストで提供することができる。
[請求項2の発明]
請求項2の構成では、電流センサの検出結果に基づいて各給電ラインの電流の有無及び向きを判別することができる。そして、その電流の有無及び向きに応じて、非常用スイッチ素子としての各MOSFETがターンオフ可能な状態であるか否か、即ち、電流が流れていないか又は寄生ダイオードがオンする向きの電流が流れているMOSFETであるか否かを判別することができる。
[請求項3の発明]
3相交流電流における各相電流の電流位相は、3相交流モータの回転位置に対応して変化するので、請求項3の構成のように、3相交流モータが有する回転位置センサの検出結果に基づいて、各給電ラインの電流の有無及び向きを判別することができる。そして、その電流の有無及び向きに応じて、非常用スイッチ素子としての各MOSFETがターンオフ可能な状態であるか否か、即ち、電流が流れていないか又は寄生ダイオードがオンする向きの電流が流れているMOSFETであるか否かを判別することができる。
本発明の第1実施形態に係る操舵制御装置を搭載した車両の概念図 操舵制御装置の回路図 モータ駆動回路とモータとの結線を示した回路図 モータ駆動回路とモータとの結線を示した回路図 給電緊急停止プログラムのフローチャート 参考例のモータ駆動回路とモータとの結線を示した回路図 給電緊急停止プログラムのフローチャート
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1には、電動パワーステアリング装置11を搭載した車両10が示されている。この電動パワーステアリング装置11は、車両10の左右方向に延びた転舵輪間シャフト13を備え、その転舵輪間シャフト13が、車両本体10Hに固定された筒形ハウジング15の内部に挿通されている。また、転舵輪間シャフト13の両端部は、タイロッド14,14を介して各転舵輪12,12に連結されている。
電動パワーステアリング装置11の駆動源として3相交流モータ19(以下、単に「モータ19」という)は、例えば、中空の筒形構造をなした3相交流モータである。そのモータ19のステータ20は筒形ハウジング15内に固定され、ロータ21の中空部分を転舵輪間シャフト13が貫通している。そして、ロータ21の内面に固定されたボールナット22と、転舵輪間シャフト13の外面に形成されたボールネジ部23とが螺合し、ロータ21が回転するとボールネジ部23が直動する。また、モータ19には、ロータ21の回転位置θ2を検出するための回転位置センサ25が備えられている。さらに、図2に示すように、モータ19におけるU,V,Wの相巻線19U,19V,19Wは、例えばスター結線されている。
図1に示すように、転舵輪間シャフト13の一端部側にはラック24が形成され、操舵シャフト16の下端部に備えたピニオン18がこのラック24に噛合している。また、操舵シャフト16の上端部には、ハンドル17が取り付けられていると共に、操舵シャフト16の中間部には、トルクセンサ27と舵角センサ26とが取り付けられている。また、転舵輪12の近傍には、その回転速度から車速Vを検出するための車速センサ28が設けられている。
上記モータ19を駆動制御するために、本発明に係る操舵制御装置40が車両10に搭載されている。操舵制御装置40は、図2に示すように、モータ駆動回路43と信号処理回路44とを備えてなり、イグニッションスイッチ94のオンにより、バッテリ92に導通接続されて起動する。また、信号処理回路44は、図示しないCPU及びメモリを備え、そのメモリに記憶されたプログラムを実行して、以下説明する、スイッチ群UH,UL,VH,・・・をオンオフ制御する。
モータ駆動回路43は、バッテリ92に接続された昇圧回路93の正極と負極(GND)との間に、U、V、Wの相回路43U,43V,43Wを備えた3相ブリッジ回路になっている。そのU相回路43Uには、上段側のスイッチUH、下段側のスイッチULとが直列接続して備えられ、それら両スイッチUH,ULの共通接続点から延びた給電ライン42Uに、電流センサ29(例えば、ホール素子)を介してモータ19のU相巻線19Uが接続されている。これと同様に、V相回路43Vには、上段側のスイッチVH及び下段側のスイッチVLが備えられかつそれらの共通接続点から延びた給電ライン42Vに、電流センサ29を介してモータ19のV相巻線19Vが接続されると共に、W相回路43Wには、上段側のスイッチWH及び下段側のスイッチWLが備えられかつそれらの共通接続点から延びた給電ライン42Wに、電流センサ29を介してモータ19のW相巻線19Wが接続されている。また、スイッチ群UH,UL,VH,・・・は、例えば、Nチャンネル型のMOSFETで構成され、それらMOSFETのゲートが信号処理回路44に接続されている。
さて、モータ駆動回路43のうちV相とW相の給電ライン42V,42Wの途中には、それぞれ非常スイッチ直列回路53が設けられている。各非常スイッチ直列回路53は、1対の非常用スイッチ素子51,52を直列接続してなる。また、本実施形態では、非常用スイッチ素子51,52として、Nチャンネル型のMOSFETが用いられている。そして、例えば、両非常用スイッチ素子51,52のソース同士が接続されて、寄生ダイオード51D,52Dが互いに逆向きになっている。
以下、モータ駆動回路43からモータ19に流れる電流を「正の電流」、モータ19からモータ駆動回路43に流れる電流を「負の電流」といい、1対の非常用スイッチ素子51,52を区別する場合には、負の電流を通電可能な寄生ダイオード51Dを有した方を第1の非常用スイッチ素子51といい、正の電流を通電可能な寄生ダイオード52Dを有した方を第2の非常用スイッチ素子52という。また、寄生ダイオード51D,52Dは、電流の向きに応じて通電可能な状態と通電不能な状態になるのでスイッチとして機能する。これに鑑み、寄生ダイオード51D,52Dが通電可能な状態を「オン」といい、寄生ダイオードが通電不可能な状態を「オフ」ということとする。
非常用スイッチ素子51,52は、イグニッションスイッチ94のオンと共に信号処理回路44からゲート電圧を受けてオン状態に保持される。これにより、非常スイッチ直列回路53を有しない給電ライン42Uと同様に各給電ライン42V,42Wにも電流を通電することが可能になる。また、イグニッションスイッチ94がターンオフされると非常用スイッチ素子51,52もターンオフされる。これに対し、異常時には、イグニッションスイッチ94がオン状態であっても、所定のタイミングで非常用スイッチ素子51,52に信号処理回路44からゲート電圧が付与されなくなり、両非常用スイッチ素子51,52がターンオフされる。
ここで、非常スイッチ直列回路53が仮に1つの非常用スイッチ素子しか備えていないとすると、その非常用スイッチ素子をオフしていてもその寄生ダイオードを介して給電ライン42V(42W)の一方向に電流が流れ得る。これに対し、本実施形態では、各給電ライン42V,42W毎に1対の非常用スイッチ素子51,52を備え、それらの寄生ダイオード51D,52Dを互いに逆向きにしたので、両非常用スイッチ素子51,52が共にオフになると、給電ライン42V,42Wが完全に非導通状態になる。これにより、モータ19におけるU,V,Wの相巻線19U,19V,19Wのうち2相の相巻線19V,19Wが通電不能に遮断され、モータ19とモータ駆動回路43とが電気的に切り離される。
信号処理回路44は、非常用スイッチ素子51,52をオンした後、図示しないメモリに記憶された操舵制御プログラム(図示せず)を繰り返して実行し、車速センサ28、舵角センサ26、回転位置センサ25及びトルクセンサ27の各検出結果(V,θ1,θ2,Tf)に基づいて、モータ電流指令値(q軸電流指令値)を決定する。そして、モータ電流指令値に応じたU,V,Wの相電流Iu,Iv,Iwを、回転位置センサ25の検出結果に基づいて決定し、それらU,V,Wの相電流Iu,Iv,Iwがモータ駆動回路43の給電ライン42U,42V,42Wに通電されるように、モータ駆動回路43のスイッチ群UH,UL,VH,・・・をオンオフ制御する。
具体的には、モータ駆動回路43のスイッチ群UH,UL,VH,・・・は、上段側のスイッチUH,VH,WHのうち何れか1つがオンしかつ下段側のスイッチUL,VL,WLのうち何れか2つがオンしたパターンと、上段側のスイッチUH,VH,WHのうち何れか2つがオンしかつ下段側のスイッチUL,VL,WLのうち何れか1つがオンしたパターンとがある。その一例として、図3(A)のモータ駆動回路43における破線矢印は、例えばモータ駆動回路43のうち上段側ではU相のスイッチUHのみがオンしかつ下段側ではV相、W相のスイッチVL,WLのみがオンした場合のU,V,Wの相電流Iu,Iv,Iwを示している。この場合、U相回路43Uの上段側から給電ライン42Uを介してモータ19のU相巻線19UにU相電流Iuが流れ込み、そのU相電流Iuがモータ19のV,Wの相巻線19V,19Wに分かれてV,Wの相電流Iv,Iwになる。なお、給電ライン42U,42V,42Wに実際に流れたU,V,Wの相電流Iu,Iv,Iwは、電流センサ29によって検出され、その検出結果に基づいて信号処理回路44により、U,V,Wの相電流Iv,Iu,Iwがフィードバック制御される。
スイッチ群UH,UL,VH,・・・のオンオフを切り替える際に、上段側のスイッチUH(VH,WH)と、下段側のスイッチUL(VL,WL)とが同時にオンして各相回路43U(43V,43W)が短絡状態にならないようにするために、一時的に、全てのスイッチ群UH,UL,VH,・・・がオフ状態になる。このとき、モータ19のインダクタンス(相巻線19U,19V,19W)に蓄えられていた電力が放出されて、モータ駆動回路43及びモータ19に回生電流が流れる。具体的には、上述した図3(A)の破線矢印で示したU,V,Wの相電流Iu,Iv,Iwが流れた後に、全てのスイッチ群UH,UL,VH,・・・がオフ状態になると、図3(B)の破線矢印で示した回生電流が流れる。即ち、その回生電流は、U相の下段側のスイッチULの寄生ダイオードを通ってU相回路43Uの下段側から給電ライン42U、モータ19のU相巻線19Uへと流れ込み、そのU相電流Iuがモータ19のV,Wの相巻線19V,19Wに分かれ、モータ19から給電ライン42V,42Wを通り、さらに、給電ライン42Vの上段側のスイッチVHの寄生ダイオードと、給電ライン42Wの上段側のスイッチWHの寄生ダイオードとを通って、昇圧回路93側に流れる。
本実施形態の信号処理回路44は、例えば、車速センサ28等の異常が発生した際には、図5に示した給電緊急停止プログラムPG1を割り込み実行する。この給電緊急停止プログラムPG1の構成については、次述する本実施形態の作用効果の説明と併せて行う。
本実施形態の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態の操舵制御装置40では、通常、車両10の走行中は、モータ駆動回路43で生成したU,V,Wの相電流Iu,Iv,Iwからなる3相交流電流を非常用スイッチ素子51,52を通してモータ19に通電することでモータ19を駆動し、操舵を補助する。また、操舵制御装置40は、車速センサ28等の異常が発生した際には、図5に示した給電緊急停止プログラムPG1を割り込み実行する。この給電緊急停止プログラムPG1が実行されると、まず、モータ駆動回路43におけるU,V,Wの相回路43U,43V,43Wのスイッチ群UH,UL,VH,・・・を全てオフする(S10)。
しかしながら、モータ駆動回路43を停止した後でも、例えば、上記回生電流やモータ19の発電による電流が、給電ライン42U,42V,42Wに流れている場合がある。このためモータ駆動回路43による給電停止と同時に、非常用スイッチ素子51,52をターンオフするとスパイク電圧が発生して、非常用スイッチ素子51,52が破損することが起こり得る。
そこで、給電緊急停止プログラムPG1では、スイッチ群UH,UL,VH,・・・を全てオフした後、給電ライン42U,42V,42Wが通電中であるか否かを電流センサ29の検出結果に基づいて判別する(S11)。より具体的には、例えば、V相電流Ivの実効値が所定の基準値以下であれば、実質的に通電中ではないと判定し、V相電流Ivの実効値が所定の基準値より大きい場合は、通電状態であると判定する。ここで、給電ライン42U,42V,42Wが通電中でない場合(S11:NO)、給電ライン42V,42Wに備えた非常用スイッチ素子51,52を全てターンオフし(S12)、給電緊急停止プログラムPG1から抜ける。
一方、給電ライン42U,42V,42Wが通電中である場合(S11:YES)、V相電流Ivがほぼ0、つまり、所定の基準値以下であるか否かを判別する(S13)。ここで、V相電流Ivがほぼ0であった場合には(S13:YES)、V相の給電ライン42Vの第1,第2の非常用スイッチ素子51,52をターンオフする(S14)。一方、V相電流Ivが0でなかった場合には(S13:NO)、V相電流Ivが正であるか否かを判別する(S15)。なお、電流が「正」とは、前述の通りモータ駆動回路43からモータ19に流れる場合をいい、電流が「負」とは、その逆の場合をいう。
このとき、V相の電流Ivが負の電流であった場合には(S15:NO)、V相の給電ライン42Vの第1の非常用スイッチ素子51をターンオフする(S17)。そして、V相の電流Ivが正の電流になったときに(S15:YES)、V相の給電ライン42Vの第2の非常用スイッチ素子52をターンオフする(S16)。即ち、V相の給電ライン42Vに流れるV相電流Ivが正の電流であった場合には、そのV相の給電ライン42Vに備えた1対の非常用スイッチ素子51,52としてのMOSFETのうち正の電流でオンになる寄生ダイオード52Dを有したMOSFETのみがターンオフされる。これにより、ターンオフ後に電流が急峻に遮断されることがなくなり、スパイク電圧が発生しなくなる。
このようにして、V相の給電ライン42Vにおける第1,2の非常用スイッチ素子51,52の片方又は両方がターンオフされたら、次いで、W相電流Iwがほぼ「0」であるか否かを判別する(S18)。そして、W相電流Iwがほぼ0であった場合には(S18:YES)、W相の給電ライン42Wの第1,第2の非常用スイッチ素子51,52をターンオフする(S19)。一方、W相電流Iwが0でなかった場合には(S18:NO)、W相電流Iwが正であるか否かを判別する(S20)。そして、W相の電流Iwが「正」になったときに(S20:YES)、W相の給電ライン42Wにおける第2の非常用スイッチ素子52をターンオフする(S21)。この場合も、V相の給電ライン42Vにおける第2の非常用スイッチ素子52をターンオフした場合と同様にスパイク電圧は発生しない。また、W相の電流Iwが「負」の場合(S20:NO)、W相の給電ライン42Wにおける第1の非常用スイッチ素子51をターンオフする(S22)。
第1,2の非常用スイッチ素子51,52の片方又は両方がターンオフされたら(S19又はS21又はS22)、次いで、V相第1,第2、W第1,第2の全ての非常用スイッチ素子がターンオフされているかいなかを判別する(S23)。1つでもターンオフされていない場合(S23:NO)、上記したステップS13の前に戻り、全ての非常用スイッチ素子がターンオフされている場合は(S23:YES)、給電緊急停止プログラムPG1を終える。
このように、信号処理回路44が図5に示した給電緊急停止プログラムPG1を実行することで、異常発生時に電流が流れていないか又は寄生ダイオード51D,52Dがオンする向きの電流が流れているMOSFETを順次ターンオフして、全ての非常用スイッチ素子51,52としてのMOSFETをターンオフする。即ち、本実施形態では、給電緊急停止プログラムPG1を実行している状態の信号処理回路44が本発明に係る「非常時ターンオフ制御手段」に相当する。
給電緊急停止プログラムPG1が終了すると、2相分の給電ライン42V,42Wが断絶され、モータ19における相巻線19U,19V,19Wを一部に含んだ通電可能な閉回路が存在しなくなる。ここで、例えば、非常スイッチ直列回路53の配置を変更し、図4(A)に示すように、モータ駆動回路43と昇圧回路93との間を連絡する基幹ライン43Zの途中に非常スイッチ直列回路53を設けたとすると、例えば、モータ駆動回路43の全てのスイッチ群UH,UL,VH,・・・をオフしたときに、図4(A)の破線で示すように、スイッチUH,UL,VH,・・・の寄生ダイオードを通って昇圧回路93側に向かう電流を、基幹ライン43Zの途中の非常スイッチ直列回路53で遮断することができる。ところが、例えば、図4(B)に示すように、U相回路43Uにおける上段側スイッチUHが破損し、その上段側スイッチUHが常時オン状態になると、モータ19の相巻線19U,19Vを一部に含んだ通電可能な閉回路が構成され、モータ19の発電抵抗を排除することができない。これに対し、本実施形態のように非常スイッチ直列回路53を配置すれば、非常スイッチ直列回路53に含まれる非常用スイッチ素子51,52のオフにより、モータ19と相巻線19U,19V,19Wを一部に含んだ通電可能な閉回路が完全に排除されてモータ19の発電抵抗が排除され、異常時における操舵抵抗を低減させることができる。
上記した本実施形態の作用効果を纏めると以下の通りである。即ち、本実施形態の操舵制御装置40では、非常用スイッチ素子51,52がMOSFETであるので、従来のメカニカルスイッチのように異物を噛み込んで作動しなくなるような事態が防がれ、異常時にモータ駆動回路43とモータ19との間を確実に切り離すことができる。また、異常発生時に電流が流れていないか又は寄生ダイオード51D,52Dがオンする向きの電流が流れているMOSFETを順次ターンオフして、全ての非常用スイッチ素子51,52としてのMOSFETをターンオフするので、急峻に電流が遮断されることがなくなり、スパイク電圧が発生しなくなる。これにより、非常用スイッチ素子51,52として、スパイク電圧に耐え得る高価なMOSFETを使用する必要がなくなり、コスト低減が図られる。つまり、本実施形態によれば、異常時にモータ駆動回路43とモータ19との間を確実に切り離すことが可能な操舵制御装置40を低コストで提供することができる。
[参考例]
図6及び図7には、本発明の技術的範囲には属さないが、上記第1実施形態と同等の効果を奏する参考例が示されている。この参考例では、モータ駆動回路43における全ての給電ライン42U,42V,42Wに、1つずつ、非常用スイッチ素子59を並列接続した構造になっている。また、非常用スイッチ素子59は、Nチャンネル型のMOSFETであり、全ての給電ライン42U,42V,42Wの非常用スイッチ素子59の寄生ダイオード59D,59D,59Dが、モータ19に対して同じ向きに配置されている。具体的には、本参考例では、非常用スイッチ素子59としてのMOSFETのドレインがモータ19の相回路19U,19V,19Wにそれぞれ接続され、寄生ダイオード59Dにモータ19へと流れ込む電流のみが通電可能な配置になっている。
また、図7に示すように、本参考例の給電緊急停止プログラムPG2では、給電ライン42U,42V,42Wが通電中でない場合(S11:NO)、全ての給電ライン42U,42V,42Wに備えた非常用スイッチ素子59を全てターンオフし(S28)、給電緊急停止プログラムPG2から抜ける。そして、給電ライン42U,42V,42Wが通電中である場合(S11:YES)、U相電流Iuが「0」以上になったときに(S21:YES)、U相の給電ライン42Uの非常用スイッチ素子59をターンオフし(S22)、V相電流Ivが「0」以上になったときに(S23:YES)、V相の給電ライン42Vの非常用スイッチ素子59をターンオフし(S24)、W相電流Iwが「0」以上になったときに(S25:YES)、W相の給電ライン42Wの非常用スイッチ素子59をターンオフするようになっている(S26)。その他の構成に関しては、第1実施形態と同様であるので、重複部分に関しては第1実施形態と同一符号を付して重複した説明は省略する。本参考例の構成によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態では、ボールネジ機構で筒型のモータ19と転舵輪間シャフト13とを連結した所謂ラック電動パワーステアリング装置用の操舵制御装置に本発明を適用した例を示したが、ラックアンドピニオン機構でモータを転舵輪間シャフトに連結したピニオン電動パワーステアリング装置用の操舵制御装置に本発明を適用してもよいし、ステアリングシャフトの途中にモータをギヤ連結したコラム電動パワーステアリング装置用の操舵制御装置に本発明を適用してもよい。
(2)前記第1実施形態及び参考例の非常用スイッチ素子51,52,59は、Nチャンネル型のMOSFETであったが、Pチャンネル型のMOSFETであってもよい。
(3)前記第1実施形態の電流センサ29は、ホール素子であったがシャント抵抗であってもよい。また、電流センサを配置する場所は、各相電流Iu,Iv,Iwをそれぞれ検出可能であれば、給電ライン42U,42V,42Wに限定されるものではなく、例えば、U,V,Wの各相回路43U,43V,43WにおけるGND側に配置してもよい。
(4)前記第1実施形態では、各相電流Iv,Iwが「0」以上であるか否かを電流センサ29の検出結果に基づいて判別していたが、モータ19が有する回転位置センサ25の検出結果に基づいて、各相電流Iv,Iwの絶対値が「0」以上であるか否かを判別してもよい。
10 車両
11 電動パワーステアリング装置
19 3相交流モータ
25 回転位置センサ
29 電流センサ
40 操舵制御装置
42U,42V,42W 給電ライン
43 モータ駆動回路
44 信号処理回路(非常時ターンオフ制御手段)
51,52,59 非常用スイッチ素子
51D,52D,59D 寄生ダイオード
92 バッテリ(直流電源)
93 昇圧回路(直流電源)
Iu,Iv,Iw 相電流(3相交流電流)

Claims (3)

  1. 車両に搭載された直流電源と電動パワーステアリング装置の駆動源である3相交流モータとの間にモータ駆動回路を設け、そのモータ駆動回路により前記直流電源の出力から3相交流電流を生成して前記3相交流モータに通電すると共に、
    前記モータ駆動回路のうち前記3相交流モータに接続される3相の給電ラインにおける少なくとも2相の前記給電ラインに非常用スイッチ素子を設け、異常発生時に、前記モータ駆動回路における3相の各相回路のスイッチ群を全てオフした後、前記非常用スイッチ素子をターンオフして前記モータ駆動回路と前記3相交流モータとの間を断絶する操舵制御装置において、
    前記非常用スイッチ素子は、MOSFETであって前記2相の給電ラインのそれぞれに対をなして設けられると共に、それら対をなしたMOSFETの寄生ダイオードが互いに逆向きに配され、
    異常発生時に電流が流れていない前記MOSFET又は前記寄生ダイオードがオンする向きの電流が流れている前記MOSFETを順次ターンオフして、全ての前記非常用スイッチ素子としての前記MOSFETをターンオフする非常時ターンオフ制御手段を備えたことを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記モータ駆動回路に電流センサを設け、前記非常時ターンオフ制御手段は、前記電流センサの検出結果に基づいて、前記非常用スイッチ素子としての前記各MOSFETがターンオフ可能な状態であるか否かを判別することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記非常時ターンオフ制御手段は、前記3相交流モータが有する回転位置センサの検出結果に基づいて、前記非常用スイッチ素子としての前記各MOSFETがターンオフ可能な状態であるか否かを判別することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
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