(A)主たるの実施形態
以下、本発明による親局通信装置、子局通信装置及びネットワークシステムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、この実施形態では本発明のネットワークシステムを光通信ネットワークシステム(PON)に適用した場合の例について説明している。
(A−1)実施形態の構成
図2は、この実施形態の光通信ネットワークシステム1の全体構成を示すブロック図である。
光通信ネットワークシステム1には、センタ局にOLT10(親局通信装置)と集線スイッチ60が配置されている。そして、OLT10は、光スプリッタ40と該光スプリッタ40で分岐された光伝送路(光ファイバ)により複数のONU30(子局通信装置)が接続されて成るネットワーク(以下、「アクセスネットワーク」と呼ぶものとする)と接続されている。この実施形態では、例として、OLT10は、N個のアクセスネットワーク50−1〜50−Nと接続されているものとする。そして、それぞれのアクセスネットワーク50には、M台のONU30(30−1〜30−M)が配置されているものとする。すなわち、OLT10と各アクセスネットワーク50(ONU30を含む)によりPON(GE−PON)が形成されている。
OLT10は、集線スイッチ60を介して上位側ネットワークN(親局側ネットワーク)と接続している。なお、OLT10が図示しない上位側ネットワークNに接続する構成は限定されないものであり、例えば、イーサネット(登録商標)のインタフェースにより接続するようにしてもよい。
一方、それぞれのONU30は、図示しないユーザネットワーク(子局側ネットワーク)とも接続されている。それぞれのONU30は、ユーザネットワークを構成する通信装置(例えば、ルータ、スイッチ装置、コンピュータ等の通信装置)と接続している。なお、ONU30自体に、ユーザネットワークを構成するためのルータやスイッチを搭載するようにしても良い。ユーザネットワーク内部の構成について限定されないものであり、例えば、1台の端末だけで構成されたものであっても良い。
次に、OLT10の内部構成について図3を用いて説明する。
OLT10は、各アクセスネットワーク50を接続(光ファイバと接続)して、上位側(集線スイッチ60)と接続させるためのPON−IF20(20−1〜20−N)と、OLT10の各構成要素の制御を行うためのOLT制御部110を有している。
この実施形態では、PON−IF20−1〜20−Nは、それぞれアクセスネットワーク50−1〜50−Nを接続しているものとする。すなわち、1つのPON−IF20と、当該PON−IF20に接続された1つのアクセスネットワーク50とで、1つのPONを形成している。なお、OLT10において、備えるPON−IF20の数は限定されないものである。
OLT制御部110は、第1の制御処理部111、第2の制御処理部112、ADM−IF113及びCC−IF114を有している。
第1の制御処理部111及び第2の制御処理部112は、それぞれがCPU及びメモリ等のプログラムの実施構成(ハードウエア)に制御プログラムをインストールすることにより構成されている。この実施形態では、第1の制御処理部111と、第2の制御処理部112とは、それぞれ独立して動作するCPUを用いて構成されているものとする。
第1の制御処理部111は、PON−IF20を経由して、各アクセスネットワーク50を構成するONU30の監視、制御、保守等の機能(OLT装置制御処理機能)に関する処理を行うものである。
ADM−IF113は、第1の制御処理部111と各PON−IF20との間のデータ転送インタフェース(データ転送バス)の機能を担っており例えば、既存のCPUで用いられるパラレルバスを適用することができる。
第2の制御処理部112は、PON−IF20又はONU30でソフトウエア更新に伴う再起動が実行された場合に、その再起動が主信号フレームの導通に与える影響を低減するように、各PON−IF20を制御する処理を行うものである。具体的には、第2の制御処理部112は、例えば、OAMマスタ機能(帯域制御計算情報を含む)、MAC制御マスタ機能、マルチポイント制御機能マスタ機能、Discoveryプロトコル処理、送信許可帯域計算処理、OAMプロトコル処理等の情報処理を行うようにしても良い。
CC−IF114は、第2の制御処理部112と各PON−IF20との間のインタフェース(データ転送バス)の機能を担っている。
次に各PON−IF20の内部構成について、図1、図3を用いて説明する。なお各PON−IF20の内部構成は全て同じであるものとする。なお、図3では、PON−IF20−1と他の構成要素との接続関係についてのみ図示しているが、他のPON−IF20−2〜20−Mについても同様の構成で接続されている。
PON−IF20は、E/O変換部201、MAC部202、M個のマルチポイントMAC制御フレーム処理部203(203−1〜203−M)、MAC制御クライアント部204、マルチポイント送信制御部205、OAMフレーム処理部206、OAMクライアント部207、及びMACクライアント部208を有している。
E/O変換部201は、PON側(アクセスネットワーク50)とOLT10内部との間で、光信号と電気信号の信号変換の機能(光電変換機能)を担っており、PON側から受信した光信号を電気信号に変換してMAC部202に供給し、MAC部202から供給された電気信号を光信号に変換してPON側に送出する。
MAC部202(メディアアクセス制御部)は、PON側(アクセスネットワーク50)との通信に係るOSI参照モデルのデータリンク層(第2層)の下位副層に係る機能を担っており、フレームの送受信や、誤り検出等の処理を行う。MAC部202は、E/O変換部201から受信した電気信号からMACフレームを抽出して、当該フレームの送信元のONU30に対応するマルチポイントMAC制御フレーム処理部203に転送する。また、MAC部202は、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203から供給されたデータに基づく送信信号(電気信号)を、E/O変換部201に供給する。
マルチポイントMAC制御フレーム処理部203(203−1〜203−M)は、それぞれ対応するONU30に関するMPCPの制御(コントロール)フレーム(以下、「MAC制御フレーム」と呼ぶ)の送受信制御を行うものである。MAC制御フレームには、例えば、Discoveryフレーム、Gateフレーム、及びReportフレームが含まれる。なお、図1では、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1と他の構成要素との接続関係についてのみ図示しているが、他のマルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1〜203−Mについても同様の構成で接続されている。
この実施形態では、ONU30−1〜30−Mは、それぞれマルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1〜203−Mに対応しているものとして説明する。なお、PON−IF20において、配置するマルチポイントMAC制御フレーム処理部203の数は限定されないものである。
そして、それぞれのマルチポイントMAC制御フレーム処理部203は、同様の構成となっており、MAC制御フレーム識別部203a、MAC制御フレーム多重部203b、Discovery処理部203c、Report処理部203d、Gate処理部203e、及び送信許可帯域設定メモリ203fを有している。
MAC制御フレーム識別部203aは、MAC部202で受信されたフレームから、MPCPに関するMAC制御フレーム(Discoveryフレーム及びReportフレーム)を識別し、識別されたMAC制御フレームを、Discovery処理部203c又はReport処理部203dに供給する。
MAC制御フレーム多重部203bは、OAMフレーム処理部206、Gate処理部203d、及びReport処理部203dのそれぞれから供給されるフレームを多重化してMAC部202(アクセスネットワーク50)へ出力するものである。
Discovery処理部203cは、MAC制御フレーム識別部203aから抽出されたDiscovoeryフレームを受信し、その内容をMAC制御クライアント部204へ通知する。
Report処理部203dは、MAC制御フレーム識別部203aで抽出されたReportフレームを受信し、そのReportフレームに含まれる情報(以下、「Report情報」と呼ぶ)をMAC制御クライアント部204へ通知する。また、Report処理部203dは、当該PON−IF20のソフトウエア更新処理時等には、受信したReportフレームのReport情報を、CC−IF114を経由して第2の制御処理部112に供給するものとする。Report処理部203dがReport情報を供給する先については、設定に応じて変更可能であるものとする。この実施形態では、Report処理部203dは、第2の制御処理部112からの制御に応じて、Report情報の供給先を切り替えるものとする。
Gate処理部203dは、通常時は、MAC制御クライアント部204から通知されるGateフレームに挿入する情報(以下、「Gate情報」と呼ぶ)をもとに、Gateフレームを生成してMAC制御フレーム多重部203bへ出力する。また、Gate処理部203dは、当該PON−IF20のソフトウエア更新処理時等には、送信許可帯域設定メモリ203fに設定されたGate情報をもとに、Gateフレームを生成してMAC制御フレーム多重部203bへ出力する。Gate処理部203dがGate情報を取得する先については、設定に応じて変更可能であるものとする。この実施形態では、Gate処理部203dは、第2の制御処理部112からの制御に応じて、Gate情報を取得する先を切り替えるものとする。
MAC制御クライアント部204は、Dicoveryプロトコル処理部204a及び送信許可帯域計算処理機能処理部204bを有している。MAC制御クライアント部204は、後述するソフトウエア実行部210においてソフトウエアとして実現されるものであるものとする。
Dicoveryプロトコル処理部204aは、各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203のMAC制御フレーム多重部203bから通知されたDiscoveryフレームの情報(以下、「Discovery情報」と呼ぶ)等に基づいてDicoveryプロセス(Dicoveryシーケンス)に関する制御処理を行う。そして、Dicoveryプロトコル処理部204aは、応答するべきDiscoveryフレームの情報(Discovery情報)を該当するマルチポイントMAC制御フレーム処理部203のMAC制御フレーム多重部203bに供給する。
送信許可帯域設定メモリ203fは、第2の制御処理部112からCC−IF114経由で供給されたGate情報を記憶するものである。
送信許可帯域計算処理機能処理部204bは、各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203のReport処理部203dから通知されたReport情報を元に、各ONU30に送信するGate情報に含める情報(フレーム送信開始時刻、送信許可量等)を計算する。さらに、送信許可帯域計算処理機能処理部204bは、計算した各ONU30のフレーム送信開始時刻と送信許可量をGate情報として、該当するマルチポイントMAC制御フレーム処理部203のGate処理部203dへ通知する。
マルチポイント送信制御部205は、各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203からの送信要求を調停して、各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203のMAC制御フレーム多重部203bへ送信許可を与えるものである。
OAMフレーム処理部206は、当該PON−IF20が接続するPON(アクセスネットワーク50)上のONU30との間のOAMに関する制御フレーム(スロープロトコルフレーム)の送受信に関する制御を行うものである。そして、OAMフレーム処理部206は、OAMフレーム識別部206a、OAMフレーム多重部206b、OAM処理部206c、及びOAM送信設定メモリ206dを有している。
OAMフレーム識別部206aは、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203から供給されたフレームのうちスロープロトコルフレームを識別し、識別されたスロープロトコルフレームをOAM処理部206cへ供給し、それ以外のフレームはOAMクライアント部207へ転送する。
OAMフレーム多重部206bは、OAMクライアント部207からのフレームとOAM処理部206cからのスロープロトコルフレームを多重して対応するマルチポイントMAC制御フレーム処理部203へ出力する。
OAM処理部206cは、OAMフレーム識別部206aから抽出されたスロープロトコルフレームを受信し、その内容をOAMクライアント部207へ通知する。
また、OAM処理部206cは、通常時は、OAMクライアント部207から通知される情報(以下、「OAM情報」と呼ぶ)をもとに、スロープロトコルフレームを生成してOAMフレーム多重部206bへ出力する。また、OAM処理部206cは、当該PON−IF20のソフトウエア更新処理時等には、OAM送信設定メモリ206dに設定されたOAM情報をもとに、スロープロトコルフレームを生成してOAMフレーム多重部206bへ出力する。OAM処理部206cがOAM情報を取得する先については、設定に応じて変更可能であるものとする。この実施形態では、OAM処理部206cは、第2の制御処理部112からの制御に応じて、OAM情報を取得する先を切り替えるものとする。
OAM送信設定メモリ206dは、第2の制御処理部112から供給されるOAM情報を記憶するものである。
OAMクライアント部207は、OAM情報の収集と送受信に関する制御を実施するものであり、OAMプロトコル処理部271を有している。OAMプロトコル処理部271は、OAMフレーム処理部206に対する制御処理(OAM情報の収集と送受信に関する制御等)を行うものである。OAMクライアント部207は、後述するソフトウエア実行部210においてソフトウエアとして実現されるものであるものとする。
MACクライアント部208は、上位側(集線スイッチ60)と接続するためのインタフェースの機能を担っており、例えば、ブリッジ処理等を担っている。
上述の通り、PON−IF20において、MAC制御クライアント部204及びOAMクライアント部207は、ソフトウエア実行部210上でソフトウエアとして実現されている。
ソフトウエア実行部210は、PON−IF監視制御インタフェース部209及びADM−IF113を経由して第1の制御処理部111に接続することが可能となっている。また、ソフトウエア実行部210は、CC−IF114を経由して第2の制御処理部112と接続することが可能となっている。
各PON−IF20では、MAC制御クライアント部204及びOAMクライアント部207からのデータは、第1の制御処理部111に転送されて処理(ソフトウエア処理)され、それ以外の機能に関するデータはCC−IF114を経由して第2の制御処理部112に情報転送されソフトウエア処理で実行される。
図4は、ソフトウエア実行部210のハードウエア構成の例について示したブロック図である。
この実施形態では、ソフトウエア実行部210は、ソフトウエアを実行するためのハードウエア構成としてCPU211、作業用メモリ212、及びプログラム格納メモリ213を有しているものとする。
プログラム格納メモリ213は、CPU211が実行するソフトウエアのデータを格納するための記憶手段である。プログラム格納メモリ213の内容は、例えば、プログラム格納メモリ213から供給される。プログラム格納メモリ213は、OLT10が停止してもデータが失われない不揮発メモリ(例えば、フラッシュやEEPROM等)であることが望ましい。
作業用メモリ212は、CPU211がプログラム格納メモリ213に格納されたソフトウエアを展開して実行するメモリ空間である。CPU211は、起動するとプログラム格納メモリ213に格納されたソフトウエアを読み込んで作業用メモリ212に展開して実行する。したがって、作業用メモリ212としては、高速で動作するメモリ(例えば、DRAM等の揮発メモリ)を用いることが望ましい。
ソフトウエア実行部210で実行するソフトウエアを更新する場合には、まずソフトウエア格納メモリ213に新たなソフトウエアのデータを書込み、CPU211を再起動することにより行われる。なお、PON−IF20においてソフトウエア実行部210以外の構成要素については専用チップ等によりハードウエア的に構成されている。すなわち、ソフトウエア実行部210が再起動状態となっている間でも、PON−IF20においてソフトウエア実行部210以外のハードウエアについては動作が可能である。
CPU211がソフトウエアを実行中の場合に、ソフトウエア実行部210の機能的構成は、図1のように表わすことができる。すなわち、CPU211が実行中のソフトウエア(プログラム)には、MAC制御クライアント部204及びOAMクライアント部207に対応するプログラムが含まれている。
次に、各ONU30の内部構成について、図5を用いて説明する。この実施形態では、全てのONU30は同じ構成であるものとして説明する。
ONU30は、E/O変換部310、MAC部320、MAC制御フレーム処理部330、OAMフレーム処理部340、MACクライアント部350、MAC制御クライアント部360及びOAMクライアント部370を有している。
E/O変換部201は、PON側(OLT10)とONU30内部で、光信号と電気信号との間の信号変換の機能(光電変換機能)を担っている。
MAC部320は、PON側(OLT10)との通信に係るOSI参照モデルのデータリンク層(第2層)の下位副層に係る機能を担っている。
MAC制御フレーム処理部330及びMAC制御クライアント部360は、OLT10との間でMAC制御フレーム(Gateフレーム、Reportフレーム、Discoveryフレーム等)を送受信することにより、OLT10側の制御に従ったフレーム送受信制御(MPCP制御)を行うものである。
MAC制御フレーム処理部330は、MAC制御フレーム多重部331、MAC制御フレーム識別部332、Gate情報解析処理部333、Gate処理部334、Report処理部335、及びDiscovery処理部336を有している。
MAC制御フレーム識別部332は、OLT10から受信したフレームからMAC制御フレームを抽出してGate処理部334又はDiscovery処理部336に供給する。
Gate処理部334は受信したMAC制御フレーム(Gateフレーム)の処理を行うものであり、受信したGateフレームからGate情報を抽出してGate情報解析処理部333に供給する処理等を行う。
Gate情報解析処理部333は、供給されたGate情報に基づいて、当該ONU30のフレーム送信制御等を行うものである。Gate情報解析処理部333は、供給されたGate情報に基づいて、OLT10へ応答するためのReportフレームに設定するReport情報を生成して、Report処理部335に供給する処理等を行う。
Report処理部335は、Gate情報解析処理部333から供給されたReport情報を設定したReportフレームを生成して、OAMフレーム多重部341に供給する。
Discovery処理部336は、OLT10との間でDiscoveryフレームの送受信を行うことにより、Discoveryプロセスを実行するものである。Discovery処理部336は、OLT10へDiscoveryフレームを送信する場合には、MACクライアント部350にDiscovery情報の生成を依頼する。そして、Discovery処理部336は、生成されたDiscovery情報を設定したDiscoveryフレームを生成して、MAC制御フレーム多重部331に供給する。
MAC制御フレーム多重部331は、PON側(OLT10側)に送出するフレームに、MAC制御フレーム(Discoveryフレーム又はReportフレーム)を多重するものである。
MACクライアント部350は、ソフトウエアにより、MAC制御フレーム処理部330に関する制御や演算処理等を行うものである。MACクライアント部350は、は、例えば、Discoveryプロトコル処理部351により、Discovery処理部336で送信するDiscoveryフレームに設定するDiscovery情報を生成する処理を行う。MACクライアント部350は、後述するソフトウエア実行部380においてソフトウエアとして実現されるものであるものとする。
OAMフレーム処理部340及びOAMクライアント部370は、OLT10との間でスロープロトコルフレームを送受信することにより、当該ONU30に対してOLT10側の制御に従った制御を行う機能を担っている。
OAMフレーム処理部340は、OAMフレーム多重部341、OAM処理部342、及びOAMフレーム識別部343を有している。
OAMフレーム識別部343は、OLT10から受信したフレームからスロープロトコルフレームを抽出してOAM処理部342に供給する。
OAM処理部342は、OLT10との間でスロープロトコルフレームを送受信することにより、OLT10側の制御に従った制御処理を行うものである。OAM処理部342は、OLT10から受信したスロープロトコルフレームに含まれるOAM情報に基づいて当該ONU30に関する制御処理等を行う。また、OAM処理部342は、OLT10へのスロープロトコルフレームに設定するOAM情報の生成をOAMクライアント部370に依頼する。そして、OAM処理部342は、生成されたOAM情報を設定したスロープロトコルフレームを、OAMフレーム多重部341に供給する。
OAMフレーム多重部341は、PON側(OLT10側)に送出するフレームに、スロープロトコルフレームを多重するものである。
OAMクライアント部370は、ソフトウエアにより、OAMフレーム処理部340に関する制御や演算処理等を行うものである。OAMクライアント部370は、例えば、OAMプロトコル処理部371によりOAM処理部342で送信するスロープロトコルフレームに設定するOAM情報を生成する処理を行う。OAMクライアント部370は、後述するソフトウエア実行部380においてソフトウエアとして実現されるものであるものとする。
上述の通り、ONU30において、MACクライアント部350及びOAMクライアント部370は、ソフトウエア実行部380上でソフトウエアとして実現されている。
図6は、ソフトウエア実行部380のハードウエア構成の例について示したブロック図である。
この実施形態では、ソフトウエア実行部380は、ソフトウエアを実行するためのハードウエア構成として、上述のソフトウエア実行部210と同様にCPU381、作業用メモリ382、及びプログラム格納メモリ383を有しているものとする。ソフトウエア実行部380のソフトウエア格納メモリ383には、ONU30で用いられるMACクライアント部350及びOAMクライアント部370に対応するソフトウエアのデータが記憶されている。ソフトウエア実行部380における各構成要素の機能は、ソフトウエア格納メモリ383に搭載されるソフトウエアの内容以外については、上述のソフトウエア実行部210とほぼ同様であるため詳しい説明を省略する。
なお、ONU30においてソフトウエア実行部380以外の構成要素については専用チップ等によりハードウエア的に構成されている。すなわち、ソフトウエア実行部380が再起動状態となっている間でも、ONU30においてソフトウエア実行部380以外のハードウエアについては動作が可能である。
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の光通信ネットワークシステム1の動作を説明する。
まず最初に、光通信ネットワークシステム1において、OLT10(PON−IF20)とONU30との間のフレーム送信の処理について図7を用いて説明する。ここでは、例として、PON−IF20−1と、アクセスネットワーク50−1のONU30−1との間でフレーム送信が行われる場合について説明するが、他の組み合わせでも同様の処理であるので説明を省略する。
例えば、アクセスネットワーク50−1のONU30−1が起動した場合、PON−IF20−1において、アクセスネットワーク50−1の光ファイバ上にONU30−1が接続したことは、Dicoveryプロセス(Dicoveryシーケンス)により検出される(S101)。そして、このDicoveryプロセスにより、PON−IF20−1とONU30−1との間の通信路が確立される。具体的には、PON−IF20−1のMAC制御クライアント部204(Dicoveryプロトコル処理部204a)と、ONU30−1のMAC制御クライアント部204(Dicoveryプロトコル処理部204a)との間で、Dicoveryフレームを用いて、Dicovery情報を交換することにより、Dicoveryプロセスが実行される。
以後、OLT10(PON−IF20−1)から、アクセスネットワーク50−1(ONU30−1を含む)へフレーム送信を行う場合には、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1からの送信要求について、マルチポイント送信制御部205が調停してコントロールすることにより実現される。一方、アクセスネットワーク50−1(ONU30−1)からOLT10(PON−IF20−1)へのフレーム送信については、例えば、後述するようなステップの処理により実現される。
まず、PON−IF20−1において、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1(Gate処理部203e)により、ONU30−1へ送信するGateフレームに含ませるGate情報が、ソフトウエア実行部210のMAC制御クライアント部204(送信許可帯域計算処理機能処理部204b)から取得される(S102)。
そして、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1(Gate処理部203e)では、そのGate情報を含むGateフレームが生成されてONU30−1へ向けて送信される(S103)。
Gate情報には、送信開始時刻と、送信してもよいデータ量(送信許可量)の情報が含まれるが、最初のGateフレームに対しては、Reportフレームを送信出来る分の送信許可量が設定される。
そして、ONU30−1では、Gate処理部334によりGateフレームが受信され、当該Gateフレームに応答するReportフレームに設定するReport情報が生成される(S104)。具体的には、ONU30−1では、MAC制御フレーム多重部331に蓄積されたデータ量をもとに、Gate情報解析処理部333によりReport情報が生成される。
そして、ONU30−1では、Report処理部335により、Gate情報解析処理部333で生成されたReport情報を設定したReportフレームが生成され、OLT10(PON−IF20−1)へ送信される(S105)。
そして、PON−IF20−1では、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1(Report処理部335)によりReportフレームが受信され、当該ReportフレームのReport情報が、ソフトウエア実行部210(送信許可帯域計算処理機能処理部204b)に通知される(S106)。
そして、ソフトウエア実行部210(送信許可帯域計算処理機能処理部204b)は、通知されたReport情報を元に、ONU30−1に対するフレーム送信開始時刻と送信許可量を計算し、計算結果をGate情報として、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1(Gate処理部203e)に通知する(S107)。
そして、マルチポイントMAC制御フレーム処理部203−1(Gate処理部203e)は、通知されたGate情報を設定したGateフレームを生成して、ONU30−1に向けて送出する(S108)。
そして、ONU30−1では、Gate処理部334によりGateフレームが受信され、当該GateフレームのGate情報がGate情報解析処理部333に通知される。そして、ONU30−1では、Gate情報解析処理部333により、通知されたGate情報を元に、次のフレームの送信開始時刻と送信許可量が抽出される(S109)。
そして、ONU30−1のMAC制御フレーム多重部331は、Gate情報解析処理部333により取得された送信開始時刻になると、Gate情報に基づく送信許可量分のフレーム(主信号フレーム)をMAC部320へ出力して、OLT10(PON−IF20−1)へ送信する(S110)。
そして、OLT10では、受信した主信号のフレームが、PON−IF20−1(MAC制御フレーム識別部203a)、OAMフレーム識別部206aを経由してMACクライアント部208に到達し、MACクライアント部208から上位側(集線スイッチ60)へ送出されることになる(S111)。
以後、上述のステップS102〜ステップS111の動作を繰り返すことにより、アクセスネットワーク50−1(ONU30−1)からOLT10(PON−IF20−1)へのフレーム送信が行われる。
そして、PON−IF20−1とONU30−1との間では、通信路確立後、PON−IF20−1のOAMクライアント部207(OAMプロトコル処理部207a)と、ONU30のOAMクライアント部370(OAMプロトコル処理部371)との間で、スロープロトコルフレームを用いてOAM情報を交換することにより、OAM Dicoveryプロセスを完了する。これにより、PON−IF20−1とONU30−1との間では、運用・管理・保守用通信路(以下、「OAM情報用通信路」と呼ぶ)が確立される。PON−IF20−1(OAMクライアント部207)は、このOAM情報用通信路を用いて、NU30−1に対する周期的なOAM情報のやりとりを行い、その監視をすることでOAM情報用通信路の正常性の確認を行う。
次に、ONU30においてソフトウエア更新が行われる場合の光通信ネットワークシステム1の動作について図8を用いて説明する。ここでは、例としてONU30−1でソフトウエア更新が行われる場合について説明するが、他のONU30でソフトウエア更新が行われる場合でも同様の動作となるので説明を省略する。
ここでは、まず、OLT10のOLT制御部110において、アクセスネットワーク50−1のONU30−1に対するソフトウエア更新が決定されたものとする(S201)。OLT10において、ONU30に対するソフトウエア更新を決定するトリガやタイミングについては限定されないものであるが、例えば、システム管理者の操作や図示しない外部装置(管理端末等)の制御信号に基づいて決定するようにしても良い。また、ONU30−1に対するソフトウエア更新を決定した場合には、その更新に係るソフトウエア更新用データ(バイナリデータ等)についても、OLT制御部110で取得されたものとする。
そして、第1の制御処理部111では、ソフトウエア更新対象となっているONU30−1を収容接続しているPON−IF20−1の動作状態(接続しているONU30の台数、通信状態)に関する情報保持されたものとする(S202)。
そして、第2の制御処理部112では、PON−IF20−1の帯域計算に必要な、時刻情報の同期、PON−IF20−1と接続されるONU30からの帯域要求に関する情報(Report情報)等を、第1の制御処理部111と連携することで保持されたものとする(S203)。
そして、OLT10のOLT制御部110(第1の制御処理部111)から、PON−IF20−1のPON−IF監視制御インタフェース部209を経由して、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)にONU30−1の更新用ソフトウエアデータが供給される(S204)。
そして、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)は、OAM情報用通信路を用いて、ONU30−1のOAMクライアント部370に、更新用ソフトウエアデータを供給する(S205)。このとき、OAMクライアント部370は、ソフトウエア実行部380のソフトウエア格納メモリ383に、供給された更新用ソフトウエアデータを格納する。なお、ソフトウエア格納メモリ383に更新用ソフトウエアデータを供給する手段についてはOLT10からダウンロードする方法に限定されず、手動のオフライン処理により供給(例えば、フラッシュメモリ等の媒体による供給)を行うようにしても良い。
そして、OLT制御部110の第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)に対し、ONU30−1の監視(OAM情報用通信路を用いた監視)を停止させる指示を行う(S206)。
そして、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)は、CC−IF114を経由した第2の制御処理部112からの指示に基づいて、ONU30−1の監視(OAM情報用通信路を用いた監視)を停止する(S207)。なお、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)及び第1の制御処理部111は、ONU30−1に対する監視を停止している間、ONU30−1からの周期的なOAM情報がなくても、通信断として取り扱わない。
そして、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)は、OAM情報用通信路を用いて、ソフトウエア更新対象のONU30−1のOAMクライアント部370に再起動(CPU381の再起動)を指示する(S208)。
そして、ONU30−1のOAMクライアント部370は、ソフトウエア実行部380のCPU381を再起動する(S209)。なお、ONU30−1のOAMクライアント部370が、再起動完了後にPON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)へ再起動完了を報告する処理を行うように構成しても良い。
そして、ONU30−1の再起動完了後、OLT制御部110の第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1のOソフトウエア実行部210(AMクライアント部207)に対し、ONU30−1の監視(OAM情報用通信路を用いた監視)を再開させる指示を行う(S210)。
そして、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210(OAMクライアント部207)は、CC−IF114を経由した第2の制御処理部112からの指示に基づいて、ONU30−1の監視(OAM情報用通信路を用いた監視)を再開する(S211)。
次に、OLT10において、任意のPON−IF20についてソフトウエア更新が行われる場合の光通信ネットワークシステム1の動作について図9、図10を用いて説明する。ここでは、例としてPON−IF20−1でソフトウエア更新が行われる場合について説明するが、他のPON−IF20でソフトウエア更新が行われる場合でも同様の動作となるので説明を省略する。
ここでは、まず、OLT10のOLT制御部110において、PON−IF20−1に対するソフトウエア更新が決定されたものとする(S301)。OLT10において、PON−IF20に対するソフトウエア更新を決定するトリガやタイミングについては限定されないものであるが、例えば、システム管理者の操作や図示しない外部装置(管理端末等)の制御信号に基づいて決定するようにしても良い。また、PON−IF20に対するソフトウエア更新を決定した場合には、その更新に係るデータ(バイナリデータ等)についても、OLT制御部110で取得されたものとする。
そして、第1の制御処理部111では、ソフトウエア更新対象となっているPON−IF20−1の動作状態(接続しているONU30の台数、通信状態等)に関する情報保持されたものとする(S302)。
そして、第2の制御処理部112では、PON−IF20−1に係るGate情報の計算に必要な、時刻情報の同期、PON−IF20−1配下のONU30からの帯域要求に関する情報(Report情報)等を、第1の制御処理部111と連携することで保持されたものとする(S303)。
そして、OLT制御部110の第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1の各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203のGate処理部203eに対して、送信許可帯域設定メモリ203fからGate情報を取得してGateフレームを生成する動作モードに切り替えるように指示する。さらに、OLT制御部110の第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1の各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203のReport処理部203dに対して、Report情報を第2の制御処理部112に供給するように、動作モードを切り替えるように指示する(S304)。
また、OLT制御部110の第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1のOAMフレーム処理部206を構成するOAM送信設定メモリ206dに、アクセスネットワーク50−1を構成する各ONU30宛OAM情報を記憶させる処理を行う(S305)。
そして、OLT制御部110の第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1のOAMフレーム処理部340に対して、OAM送信設定メモリ206dに格納されたOAM情報に基づいて、各ONU30へのスロープロトコルフレームを生成する動作モードに切り替えるように指示する(S306)。
そして、第2の制御処理部112は、PON−IF20−1(ソフトウエア実行部210)に更新用ソフトウエアデータを供給する(S307)。
そして、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210では、供給された更新用ソフトウエアデータをソフトウエア格納メモリ213に格納する(S308)。なお、ソフトウエア格納メモリ213に更新用ソフトウエアデータを供給する手段についてはダウンロードする方法に限定されず、手動のオフライン処理により供給(例えば、フラッシュメモリ等の媒体による供給)を行うようにしても良い。
そして、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210では、CPU211の再起動が開始される(S309)。
次に、ソフトウエア実行部210が再起動している間のPON−IF20−1内の動作について説明する。
ソフトウエア実行部210が再起動している間、PON−IF20−1のOAMフレーム処理部206では、所定の周期で、各ONU30に対してOAM処理部206cに記憶されたOAM情報に基づくスロープロトコルフレームを送信する(S310)。また、OAMフレーム処理部206は、各ONU30からのスロープロトコルフレームも受信する処理を行う(S311)。
また、ソフトウエア実行部210が再起動している間、PON−IF20−1の各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203において、Report処理部203dは、ONU30からReportフレームを受信すると、当該ReportフレームのReport情報を第2の制御処理部112に供給する(S312、S313)。
そして、ソフトウエア実行部210が再起動している間、第2の制御処理部112では、PON−IF20−1の各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203からのReport情報等に基づいて、Gate情報を生成して、当該Gate情報を対象となるマルチポイントMAC制御フレーム処理部203の送信許可帯域設定メモリ203fに格納する(S314)。第2の制御処理部112は、例えば、PON−IF20−1に接続されているONU30の台数、状態から各ONU30のフレーム送信開始時刻と送信許可量をGATE情報として計算する。
そして、ソフトウエア実行部210が再起動している間、PON−IF20−1の各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203において、Gate処理部203eは、送信許可帯域設定メモリ203fに格納されたGate情報を含むGateフレームONU30に送信する処理を行う(S315)。
すなわち、第2の制御処理部112は、PON−IF20−1のソフトウエア実行部210が再起動している間は、PON−IF20−1に対して、仮想的にMAC制御クライアント部204の機能を提供する処理を行うことになる。例えば、第2の制御処理部112は、PON−IF20−1に更新用ソフトウエアデータが供給される前に、ソフトウエア実行部210(ソフトウエア格納メモリ213)から、少なくともMAC制御クライアント部204に対応するソフトウエアを読み込んで、1つのスレッドとして実行するようにしても良い。
そして、PON−IF20−1(ソフトウエア実行部210)の再起動が完了すると(S316)、第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1の各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203のGate処理部203eに対して、Gateフレームを送信する際には、MAC制御クライアント部204からGate情報を取得する動作モードに切り替える指示を行う。また、第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1の各マルチポイントMAC制御フレーム処理部203のReport処理部203dに対して、Report情報をMAC制御クライアント部204に供給する動作モードに切り替える指示を行う(S310)。
さらに、第2の制御処理部112は、CC−IF114を経由して、PON−IF20−1のOAMフレーム処理部206に対して、OAMクライアント部207から通知されるOAM情報をもとに、各ONU30へのスロープロトコルフレームを生成する動作モードに切り替えるように指示し(S311)。
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(A−3−1)OLT10において、ONU30のCPU再起動中は、当該ONU30に対して、OAM情報用通信路を用いた監視を停止しているので、その間にOLT10のPON−IF20がそのONU30との通信を切断することはない。また、ONU30でCPU381の再起動が発生した場合でも、ONU30ではソフトウエア実行部380(MACクライアント部350及びMACクライアント部350)が停止するだけで、その他の構成要素(Gateフレームの受信処理、Reportフレームの送信処理、主信号のフレーム送受信処理)はハードウエア処理としているため、ソフトウエア実行部380(CPU381)の再起動が主信号の導通を妨げず、通信サービスを継続することができる。
したがって、ONU30では、ソフトウエア実行部380(CPU381)が再起動中であっても、その他の構成要素は、ソフトウエア実行部380(CPU381)に依存しない範囲で動作を継続するように構成されている必要がある。ただし、ソフトウエア実行部380(CPU381)が再起動している間、OAMフレーム処理部340では、OAM情報を取得することができないため、スロープロトコルフレームの送信処理を停止するように構成することが望ましい。
なお、ONU30の再起動中に、なんらかの要因で通信断になった場合は、従来技術と同じく再起動後に、MPCPのDicoveryプロセスから開始することで、通信を復旧することができる。
(A−3−2)OLT10において、PON−IF20のソフトウエア実行部210(CPU211)の再起動中は、第2の制御処理部112からCC−IF114経由でOAM送信設定メモリ206dに設定されたOAM情報が周期的に各ONU30へ通知される。したがって、PON−IF20(ソフトウエア実行部210)の再起動中であっても、各ONU30では、OLT10との間のOAM情報用通信路の正常性が保たれ、その間にONU30がOLTのPON−IF20との通信を切断することはない。
従って、PON−IF20(ソフトウエア実行部210)の再起動中であっても、その間にOLT10のPON−IF20と、ONU30と間の主信号フレームの導通に影響を及ぼすことはない。
また、PON−IF20(ソフトウエア実行部210)の再起動中は、第2の制御処理部112からCC−IF114経由で、送信許可帯域設定メモリ203fに設定されたGate情報が各ONU30へ通知される。したがって、PON−IF20(ソフトウエア実行部210)の再起動中であっても、当該PON−IF20では、各ONU30へのGate情報の生成機能が第2の制御処理部112で提供されるため、OLT10(PON−IF20)とONU30間の主信号フレームの導通に影響を及ぼすことはない。これは、PON−IF20のソフトウエア更新処理を順次行っていく場合に非常に利便性の高い機能であり、効果を発揮する。
なお、PON−IF20の再起動中に、なんらかの要因で通信断になった場合は、従来技術と同じく再起動後に、MPCPのDicoveryプロセスから開始することで、通信を復旧することができる。
(A−3−3)以上のように、OLT10では、従来技術(特許文献1)のように、ONUとの主信号の導通を維持するために必要なハードウェア(PON−IF)を冗長化することなく、PON−IF20のソフトウエア実行部210の再起動中やONU30のCPU再起動中であっても主信号の導通を妨げず、通信サービスを継続させることができる。
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(B−1)上記の実施形態では、本発明のネットワークシステムを、GE−PONシステム(PONシステムのプロトコルにギガビットイーサネットを用いたPONシステム)に適用した例について示しているが、本発明のネットワークシステムは、特にGE−PONシステムに限らず、その他のPONシステム(例えば10G−EPON等)に適用しても同様の効果が得られる。また、本発明のネットワークシステムは、PONシステムに限らず、2装置間(親局通信装置及び子局通信装置間)で同様な通信制御を行っているネットワークシステムに適用した場合も同様の効果が得られる。
(B−2)上記の実施形態では、PON−IF20のソフトウエア実行部210が再起動している間は、第2の制御処理部112が仮想的にMAC制御クライアント部204の機能を提供することについて説明したが、同様に、第2の制御処理部112がOAMクライアント部207の機能も提供してリアルタイムにOAM情報を生成するようにしても良い。
(B−3)上記の実施形態ではOLT制御部110に第2の制御処理部112とCC−IF114を設けた例を示しているが、OLT10と集線スイッチ60を統合した装置構成を取る場合には、集線スイッチ60に第2の制御処理部112とCC−IF114を設けるようにしても良く、その場合第1の制御処理部111の必要な情報はAD−IF113経由で集線スイッチ60に伝えれば同様の効果が得られる。